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手島政府委員 東京宣言で掲げられました
目標あるいは東京ラウンドの
目標につきましては、ただいま大臣から話があったとおりでございますけれ
ども、一応この宣言に従いましてその結果を取りまとめてみると、次のようなことになるのじゃないかと思います。
まず、工業製品の
関税につきましては、
主要国の工業製品全体の引き下げ幅は、これはガットの事務局の計算でございますけれ
ども約三三%でございます。これはケネディ・ラウンドのときの引き下げ幅が三〇から三五%ということでございましたので、それに匹敵する成果を上げたというふうに考えております。もっとも、ケネディ・ラウンドのときは引き下げの期間が五年でございましたけれ
ども、今回は八年間、より遅いテンポで引き下げるというような差はございます。
同じく
関税面につきまして、ただいま申し上げましたのは工業製品でございますけれ
ども、農産品について申しますと、全体で百五十億
ドルの品目、これは同じくガットで
数字を計算いたしました七六年の
輸入実績でございますけれ
ども、この品目について
関税が引き下げられることになったわけでございます。
また、けさほどからの御審議の中でもたびたび出ておりましたように、最近ややもしますと保護主義的な傾向が各地で強まっておるわけでございますが、この保護主義的な傾向に対処するため、
国際貿易を一定の規律に従って行っていこうという観点から、幾つかの非
関税措置につきまして、その軽減、廃止ないし国際的な調和というものにつきまして八つの
協定が作成をされましたわけでございます。その
協定につきましては今回御審議願っておりますので、一々名前をここで申し上げることは差し控えさせていただきます。
それから、その次に農産物の分野でございますけれ
ども、農業に関する
交渉につきましては、工業産品が一律の一定の法則に従った
関税引き下げを原則といたしましたのに比べまして、むしろ各国の要望をお互いに出し合って、それに応じてできるものは相手側の要請に応ずるというかっこうで
交渉をいたしましたものでございますけれ
ども、そのほかに、お互いに情報の交換あるいは協議をするための場等をつくることを目的といたしまして、酪農品取極、牛肉に関する取極等ができております。
そのほか、東京ラウンドの大きな目的でありました開発途上国との
関係でございますが、この開発途上国との
関係につきましては、まず最初に、熱帯産品についての
交渉がございます。これは最初の東京宣言のころから優先的な分野として定められまして、その
交渉を鋭意進めました結果、一九七六年中にこの
交渉はすでに終わっておりまして、先進諸国は合計九百四十品目の
関税引き下げないしその特恵制度の
改善等を決めて、七七年からすでに
実施をいたしております。
また、今後の
貿易を律する枠組みの
改善、これは私
どもはフレームワークというふうに呼んで
交渉をしておりましたのですが、この枠組みの
改善に関しましては、たとえば低開発国に与えます一般
関税特恵制度等の特別優遇措置を容認するとか、あるいは
国際収支目的でとられる
貿易措置のルールと手続を決めるとか、あるいは開発途上国が開発目的でとる保護措置の条件及び手続の緩和等々の諸点につきまして、これは昨年十一月のガットの総会の折に、
合意がガット締約国団の
決定として成立をいたしております。
以上でございます。