○米沢委員 そういう
意味からいたしますと、確かにとまることはあり得ないですよね。そして石油
事情等がこんなに急変しておる
段階では、私は、また急激に先進国は最終的な
技術の煮詰めをやって、経済性を求めた
原子力商船をつくろう、つくらねばならない、それでないと国際競争には勝っていけないという発想に立って、私は、いまからがんばってくると思いますね。そういう者を相手に、われわれはわずか十五年か二十年の間に、まあ、これから投入されるであろう資金も、いままでとは違いましょうけれ
ども、そんなに豊富でない、だから、これは確かにきれいに見えますよ、黙って信じられれば私もそうですがと信じたいですよ、しかしながら、どうもそうにわかに信じがたい。絵にかいたもちであるという
感じを私は否めない。
研究開発をもう少しピッチを上げろと言っても、最終的には金だ。じゃ金を引き出せるような
状況にあるか、余りない。その上
技術はおくれておる。ぼくは、この
報告書を読みながら、何か大変むなしい
感じがします。資金調達の方法論まで含めて、
科学技術庁長官はもうちょっと大きな声でやってもらわなければいかぬわけですよ。そうでないと、この法律が通りましても、「
むつ」が動くようになりましても、お先真っ暗だ。そして、ある
時点において石油
事情等が本当に急変した場合には、完全に日本は海洋国没落ですよ。貿易立国御破算ですよ。
私は、そういう
意味で、この
原子力商船だけには――だけだとは言いませんけれ
ども、すべてのこういう
原子力関係というものにわれわれがいまのうちに本当に力を入れて、少々ぼろくそ言われても、みんな生傷を受けてもやってくれるような気持ちでやってくれない限り、私は、二十年先の日本なんてお粗末過ぎるという
感じがしてなりません。そういう
意味で、
大臣のこれからのハッスルぶりをぜひ私は期待を申し上げたいと思うのでございます。
そこで、遅まきながら
研究開発の体制ぐらいはつくろうということでこういう提案がなされているわけでありますが、その「
研究開発の推進」という欄に「
原子力船研究開発の推進にあたっては、先進諸国との間で
技術情報の交換等による国際交流を図り、
研究開発の効率的な推進に努めつつも、自主
技術の確立をめざして自主的な
研究開発を積み重ねていくことが極めて重要であり、この点に留意した
研究開発推進方策がとられるべきである。」、これは一言で言うならば国産
技術オンリーだ。
技術の交流だとか情報の入手と言っても、肝心なところに金も出さぬで教えてくれるばかはおりません。民間が外国の西ドイツの会社だとかアメリカの会社などと提携して、少々情報は入ってきますよ、便利なものができましたよというくらいの情報であって、中身について、ノーハウについて金も出さずに漏らしてくれるはずはありませんね。だから、海外のすぐれた
技術については、情報の入手、情報の交換ぐらいで、みんな自力で二十年、十五年おくれておる
技術に積み重ねて、国産
技術だけで追いつこうなんて、私は、ちょっと無理なんじゃないかと思うのです。
それは
研究される方は自負心もあり、おれ
たちは金さえくれればやってやるというような気持ちでおられるかもしれませんけれ
ども、結果的にできなかったら取り返しがつかないのだ。本当にやれると
皆さんが約束してくれるなら国産
技術結構だ。国産
技術だけで二十年先を約束できますか。これは少なくとも国産
技術オンリーです、この考え方は確かに精神論としてはいいですよ、国産
技術を確立しなければならない、そう思っておった方がいざというときにもうまくやれるわけですから。何も一々西ドイツに電話したりアメリカに電話しなくてもいいわけですから、それは結構なことですけれ
ども、そう簡単に自主
技術、国産
技術だけで二十年、十五年のおくれを取り戻せると本気になって思っておるのですか。