○上原
委員 理屈を言えば確かにそうでしょう。しかし、あなたがいま御
答弁なさっているのは非常に典型的な例ですよ。何もそうめちゃくちゃに
日本人と結婚したからみんな
日本の国籍になるということじゃないわけでしょう、本人たちのオプションもあるわけでしょう。問題は、そういう一般論を言っているのじゃなくして、一応正規な結婚はしたけれ
ども離婚をする、あるいは母親の親権をとろうとしたって、夫が行方不明であるとか、打つ手がないものがいま問題になっているのですよ。母親の保護で生活をしているんだが
——沖縄の場合はほとんどが母子家庭だ。いまあなたがおっしゃったようなそういう問題はあるかもしらないんだが、それは入国管理法とか別途の法律のいろんな面での規制もあるわけでしょう。問題は、無国籍になっている国際児の人権をどうするかという観点からこの問題に焦点を当てていかないと、そういう理屈理論、法理論だけでは問題
解決できませんよ。それはあなたがおっしゃることも一理はある、理屈でもある、御
見解でもあるでしょうが、私はそういう問題を言っているのじゃないのです。しかし、最近そういった、いまあったような父系主義をとっている国だって、だんだん国籍法を改正されようとしているわけでしょう。
そこで、それは法律論だけではなかなか
解決できない問題はあるんだと思うが、ただ、この国籍法の改正問題についてはわれわれ社会党も、何も男女同権、これは当然ですが、そういう観点から言っているのじゃないのです。さっき引用した国際人権規約の文言からしても、また前内閣法制
局長官の真田氏も、七九年一月のジュリストで国籍問題についてちょっと書いておられるのですが、いまの国籍法の父系主義の原則は、憲法第十四条、法のもとの平等や、第二十四条、婚姻の男女平等権に照らして、全く問題がないと言えるかどうかは疑問である。「各国の国籍法の
内容などをも勘案し、二重国籍というような
事態が生じないように留意しつつ、
検討してみるに値する問題でなかろうかと思う」と述べておられる。私は前法制
局長官とは安保問題をいろいろやったが、必ずしも彼氏の言うことがすんなり受け入れられる問題でもなかったのですよ。しかし、国籍法の点についてはこういう御
見解を持っているのですね。なぜ法務省だけがかたくなに理屈をこね回して、と言うとオーバーかもしれませんが、やるのか。この問題は少し
考えなければいけないのじゃないですか。