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高木説明員 前回のいわゆる第二次
計画が挫折をしたその理由がどこにあったかといいますと、いろいろな点がありますけれ
ども、いまお触れになりましたように、
職員の十一万人削減というプランがやや絵にかいたもちのような性格を内包しておったということが
一つ。それから、ちょうど諸情勢が悪かったことがありまして、いわゆる労使間が一番ぐあいの悪い状態になってしまった。この二つが大きな
原因であると思います。したがって、そのことに対する反省の上に立ってこれからの
計画を立てていき、実行に移していかなければならないというふうに
考えております。
そこで、三十五万人
体制というものが現実になし得るかどうかということが、この今回の
再建が達成できるかどうかという
中心課題であろうかと思っております。それがまた絵にかいたものにならないかどうか、大丈夫なのかということがお尋ねの焦点であろうかと思いますが、今回の
計画におきましては、どういう
フィールドで、どういうふうにして少ない人でいままでと同じだけの
仕事をやっていくか。たとえば乗務員あるいは駅の
職員あるいは保線
関係といったような、それぞれの
フィールドごとにどういう
計画を立てて少ない人でやっていくかということの内容の積み上げ作業をある程度やってまいりましたし、またこれからもさらにその細目を詰めるという作業を、現在本社と
地方管理局との間でやりとりをしながら積み上げを行っております。
まだそれらにつきまして、労使間で公式に話し合いをするというところまではいっておりません。これをいつ、どういう段取りでいたすべきやということにつきましては、むしろ
職員自体にもう少しわれわれの
経営上の危機感というものが、一人一人の
職員の心の中に正しく理解をされなければいけないわけでございまして、いかにしても
職員一人一人に現在の
経営の現状というものの認識を深めるような環境をつくりまして、いわば働く人たちの間に意識を高めるということを通じて、三十五万人、よしひとつそれでやりましょうという零囲気を盛り上げていかなければならないというふうに
考えております。
このことが、御
指摘のように
再建計画ができるかできないか、完全実施し得るかどうかということの一番の焦点でございまして、どうしてもそのことは労働条件に影響があるわけでございますから、そうすんなりといくとは思っておりません。相当いろいろのむずかしい問題が出てくると思います。しかし一時に比べますと、現在私
どもの
職員が、われわれの職場が将来どうなるかということについてのある
意味での不安感をだんだんと深めております。そして、やはり企業の中の組合、企業の中の一人ということで
考える零囲気がだんだん高まってきております。公式には、こうした問題について労使間がいわば正規にテーブルに着いて話をするというところまではいっておりませんけれ
ども、事実問題としていろいろなそういう現状の
説明をし、
職員諸君の奮起を求める呼びかけをいまいたしておるところでございまして、おっしゃるようにそこのところが、この六十年度までの五年間でスムーズに移行できるかどうかということが問題でございます。
ただ、私
どもは五十三年の十月の
段階で
貨物を
中心とするかなり大規模ないわゆる合理化
計画を実行いたしましたし、それから本年の十月を契機としてさらに
貨物についてのいわゆる合理化
計画を実行に移すべく、いま労使間で精力的に話をしているところでありまして、その経過からいたしましたならば、過去におきますいわゆる十一万人削減といったような案ができましたころよりは、きわめて物事が現実的に進みつつある状況でございます。また、この十年間に二十万人もの人が退職年齢に達するということでございますので、この時期におきましてはいわば生首が飛ぶというようなことがなくても、いわゆる後補充の抑制ということを通じて移行が可能でございますので、そういう
意味におきましてはこの機会しかないということも言えますし、また過去の場合よりはたまたまそういう退職者が多いという時期でございますので、いわばやりやすい時期であるということが言えると思います。
いずれにいたしましても、この少ない人間でどうにかしていまの
仕事をやっていくという
体制の切りかえができるかできないかが、今回の
計画の成否を決するものであるというふうに
考えて、私
ども強い決意で事に当たることにいたしておるわけでございます。