○高木
説明員 いまの問題は、一
貨物輸送の問題ではなくて、またフレートライナーの問題ではなくて、
国鉄経営全般にかかわる非常に重大な問題でございます。
従来から、過去において立てられました計画を見ておりますと、一応国全体の計画、いろいろ長期経済計画がございますが、そうした長期経済計画の伸び率を前提として、われわれの
役割りを果たすべく、事前に設備を広げようということで、いろいろ計画が当時立てられておりまして、当時立てられました計画はかなり、いまの安治川だけでなくて、大規模なものでございます。それの経済に
対応した輸送の
役割りを果たすためには、設備を増強しなくてはいけないと考えたわけでございまして、つまりその
意味でよかれと念願してつくった案であったわけでございますが、それがどこで狂ったかといいますと、経済計画全体がそのとおりいかなかったという面もありますけれども、やはり道路輸送によってどの程度変化がくるかということの
見通しが、いま考えてみると非常に悪かったと言えるのでないかと思います。
御存じのように、四十五年、いま御
指摘の点は四十八年のオイルショックの後の問題でございますけれども、いま数字をとってみますと、オイルショックの後に
貨物輸送量が減ったわけじゃなくて、四十五年をピークにして減ってきたわけでございまして、それを考えますと、その当時の計画の
一つの大きな狂いは、経済全体の伸びの問題もありますけれども、それよりも、輸送分野におけるシェアの大きな落ち込みによった面が大きいように私は判断をいたしております。
それでもう
一つは、いまも満点ではないのですけれども、いまとは違いまして非常に輸送が乱れまして、安定的輸送が当時極度に落ちております。したがって、値段の問題もありましょうが、当時は
運賃改定は
貨物については余りやっていなかったのにかかわらず非常に急激に減りましたのは、輸送が乱れて、荷主さんからこれでは頼りにならぬということがあって、そこへちょうど道路がどんどん
整備されてきましたからということでシェアが落ちていったものだというふうに考えております。
しかし、いずれにしましても、そのことはうちの
国鉄全体の
経営に非常にぐあい悪くなっておるわけでございまして、非常に貴重なお金をお借りして、そしてむだな設備をつくったという面は非常に大きな問題でございます。その点は大いに反省をしなければならぬ問題でございますけれども、それと同時に、全体として
経営がその
貨物の問題ですっかりぐあいが悪くなったわけでございます。
そこで、そういう問題がありますので、御存じのように五十一年時点で
貨物についての対処の基本態度を変えたわけでございまして、五十三年の十月と本年の十月と二回にわたりまして抜本的に
貨物の輸送方を変えるということで、輸送力をピークに比べて大体七割に落とす作業をやっておるわけでございまして、その七割に落とす作業がこの十月に完成をする。日々の輸送はそういうことで落としますから、むだが減ってまいるといいますか、なくなってまいりますけれども、余剰投資による損失をカバーする道は急には見つからないわけでありまして、今回十月のダイヤ改正で相当思い切って減らしますけれども、しかしそれは日々の経常経費のむだを減らすことはできますけれども、過去の過剰投資によるむだは急には減らないということになるわけでございまして、それをいまもう一回立て直しを計画をいたしております。
貨物の問題は、確かにどう見ましても計画違いがあったわけでありまして、それは個々の問題というよりは、どこのヤードがどうだという問題よりは、全体としての計画に大変大きな狂いが出たということで、これがまた
国鉄の
経営全体を非常に悪くしている大きな原因でございまして、これをいま一生懸命やってはおりますけれども、まだまだ一〇〇%できておるわけではない、いろいろなことをやらなければなりません。それを取り組んでまいりたいと思いますので、御
指摘の点については謙虚に、私どももそのとおりに考えておりますから、受けとめて取り組んでまいりたいというふうに思います。