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謝敷政府委員 基本的に、設備処理が一〇五%になりましたのは、これは協会の買い上げによる
影響が一番大きゅうございまして、協会は、協会法によりまして施設を買い上げる場合には五千
トン以上の船をつくる設備を事業所ごとに廃止するということで、これは過剰廃止になるごとは事実でございますが、そういう決めを
法律でしていただいたわけでございます。これはなぜかと申しますと、当時非常に過大な負債を抱え、それから設備を削減し、生産を縮小していくに当たりましても、退職金であるとか担保抜き資金であるとかというものが特安法によります
措置だけでは済まない、むしろ残存者と国の補給金をもって買い上げる段階までいかない限りはできないというような緊急
事態に
対応して行ったものでございます。したがいまして、買い上げの分を除きますと達成率は九九%ということで、私
どもとしてはほぼ達成し得た。過剰に処理する必要もなかったわけでございますが、別な観点での、言うなれば非常に危殆に瀕した企業が撤退し縮小する場合の、何といいますか、ある種の相互扶助的な
制度によって一〇五という
数字が出たというふうに考えております。買い上げによるものがありまして一〇五になったということだと御
理解いただきたいと思います。
それから、五千
トン未満につきましては
先生おっしゃいますとおりでございまして、五千
トン以上が安定しても五千
トン未満でまた問題が出てくるじゃないか、こういうことでございます。したがいまして、私
どもとしては、海造審で議論をしていただきましたときに五千
トン未満については比較的落ち込みも緩やかであるということを
指摘をされておりましたのと、その後の需給
状況を考えまして、五千
トン未満の船台を新設したケースというのは数例でございますが、これはあくまでも特例でございます。特例の
一つは、造船所ごとに、事業所ごとに処理をした場合、あるいは過大に処理をした場合に、どうしても雇用なり地域経済の面から短時間では摩擦が大き過ぎるということで
配慮したのが
一つの
グループでございます。それからもう
一つの
グループは、
一つしか船台を持たないで設備処理に
対応する場合には、これは根こそぎなくなるわけでございますから、これはこの設備処理勘定に入れないで、むしろそういう方々が能力を縮小するという形で、たとえば六千
トンから四千九百九十九
トンになるとか、こういうことでやったものと
二つの
グループがございます。それから、
先生御
指摘の、大手であったのは一例だったと記憶しておりますが、これはいろいろ議論がありまして、特殊船をつくるのがもともとあったのを認めたらどうだ、こういうことで縮めて限定的に認めたのが一例でございますが、いずれにしましても、船台ごとに処理をしますから、過剰になる部分を地域の問題とか雇用の問題等を考えて処理をしたというのが実情でございます。
それから、今後、設備についての
考え方はどうかという点でございますが、これは御承知のように五十八年度までは安定基本計画がはっきり
法律に基づいて決められております。これは五十八年度末までいまの設備処理をしました能力でいくべきであって、能力の拡大は認めない、新増設は認めないという基本計画を決めておりますから、五十八年度まではこの計画を変えない限りはおっしゃるように若干市況が上向いたからといって増設を認めることはございません。
それから、その後はどうかという点について申し上げますと、私
どもとしては六十年度までは現在の残存能力を想定をいたしまして計画を組んだわけでございますから、一時的に若干船が出たからといってまた雇用を一時的に増大して、後またなくなって雇用の安定を欠くというようなことは厳にないようにすべきだ、こういうふうに考えております。したがいまして、残存能力であります六百二十万
トンまで徐々に回復をしながら、第一弾としてはカルテルが一日も早くなくなるような情勢が望ましいわけでございまして、その後で設備の問題というのは
検討しますが、少なくとも六十年度までは情勢が大幅に変わらない限りは設備については
先生のおっしゃるような
趣旨で運用をしてまいりたい、こう考えております。