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薮仲委員 そこで大臣、この次の
委員会で聞きますけれ
ども、私がいまなぜ
海洋汚染に問題のある水銀——しかもこれは
無害化すれば捨ててもいい、
環境庁も
基準を決め、
厚生省も捨ててよろしいと言っている。でもこれは国民感情の上から捨てるべきじゃない。
行政指導によって業界も捨てなくなりました。私は国の行政のあり方というものはこうあってほしいと思うのですね。先ほど来私がこの
委員会始まって冒頭から言うように、国際的にも
海洋は汚すべきじゃない、きれいにしようという国際世論が巻き上がっておる。
陸上においても
環境庁はみずから燐を含む洗剤は使うのはやめよう、あるいは先ほど指摘したように三つの
海域においては総量
規制を厳しくして
基準をアップして海をきれいにしよう。
日本の国を取り巻く国際
環境もあるいは国民感情としても海をきれいにしようという世論が盛り上がっているときに、ただ単にこれは保安庁が取り締まればいいんだという形でこの問題を
処理することは解決にはならない。また幾らこの法案を厳しくしたところで、先ほど来指摘したように船長、一等航海士、この人々は今度の場合は当然この法案の油濁
防止管理者に該当するということで保安庁の取り調べを受けているようでございますけれ
ども、
タンカーの持ち主等々については全然影響がない。
もう一つ私は申し上げたい。これは
運輸大臣、前の大臣のときだと思いますが、道交法
改正がございました。あの道交法
改正で過積載
禁止ということが厳格になりました。これは業者にとっては非常につらい問題です。道交法の五十七条で過積載は
禁止しております。そして百十九条一項の三の二と百二十三条で
罰則が定められておりますけれ
ども、その
罰則の中で、これは当然その過積載を行った当人も罰せられますけれ
ども、使用した車両は運行
禁止になりますよ、そしてまた法人に対しても罰金もしくは科料がありますよ、営業停止処分も行われますよ、このようにあの過積載は非常に厳格に
取り締まりました。
私はいま、船長どうですか、一等航海士どうですか、
タンカーの所有者どうですかと聞いた。私は、少なくとも船長もしくは一等航海士という方はその船の全
責任を持っていらっしゃる方だと思うのです。確かに船員法を読んでみたって具体的にそのことは載っていないかもしれない。しかし、運輸行政の全
責任は大臣が持つように、船の上の船長の
責任というのは、たとえ
法律で決まってなかろうと
日本の国の
法律は遵守すべき
責任があると私は思う。船長、一等航海士、当然だと思う。
タンカーで不法
投棄されているのに、船長もしくはそれに立ち会っていなければならない一等航海士、それが、法に定められていないあるいは法で
罰則がないからといって平然としていられることに私は問題があると思う。
私は一つ大臣にお願いしたいのは、海をきれいにするんだったら、まず船長あるいは一等航海士、このような幹部船員、この方が自分の船の上から
日本の国の
法律を犯すようなことはやめる、こういう姿勢が当然あってしかるべきだと思う。私は、この
事件を通じて、大臣が今後厳重にこれを取り締まるとおっしゃるけれ
ども、取り締まる前に、まず船長、一等航海士等の幹部船員は、みずからの船上でそんな国法を犯すようなことが行われて——私も船長や一等航海士、何人か知っております。海の男というものはこよなく海を愛しています。海をきれいにしようという情熱を持っています。そういう船長や一等航海士がいてこそ海はきれいになるんだ。その船から
投棄されて平然としているような船長や一等航海士であれば、それはまず船長や一等航海士である前に、その資質を疑いたいと私は思う。それができぬならば、大臣から、あるいは船員局長を通じて、こういうことが行われないように船長あるいは一等航海士としてのまず
責任感、資質の向上を図っていただくべきだと思う。
もう一つは、この中で
タンカーの所有者はどうですか。それもそうです。少なくとも
タンカーの持ち主に対してこういうことを行わせないためにも、こういうことが行われれば、
タンカーの所有者も何らかの形で責めを負わなければならない。あるいはまた、この道交法の場合は過積載を行った車両は運行
禁止なんです。不法
行為を行った
タンカーは運航
禁止するぐらいのある意味では厳しさがあれば、
タンカーの持ち主もこの
法律に対して取り組むときにあだやおろそかにできない。そうしなければ幾ら
法律をつくって
改正しても私は何にもならないと思う。そういう意味で大臣のお考え、いかがでございましょう。