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神谷信之助君 これはちょっと重大ですよ。当
委員会でこの問題始めたのはまだ福田一さんが自治大臣のときですよね。そのときはだから十分時間がありましたから、有料
道路が初期の時代の方法、それからいまのプール制に移行してからの方法、そういう時代もこの
委員会で明らかにして、そして当時福田自治大臣はよく話はわかったと、それなら建設省と話をやろうということになって、それから以後当
委員会で毎年この問題は議論になっていますよ。そうして、昨年度もそうですし、ことしも当
委員会の附帯決議で、「地方
道路の
整備の
状況にかんがみ、特に
市町村道の
道路目的財源の
充実を図るとともに、
昭和五十五年度から有料高速
道路に対する固定資産税の課税、又はこれにかわる
措置を講ずること。」と。だから、固定資産税あるいはそれにかわる
措置というのは、国鉄なり専売なりやっている交付金、納付金ですね、ああいう方法を
——まああれは固定資産税の大体半額ですけれ
どもね、しかし、少なくともそういう
措置をとるべきだというのが衆参を通じて当
委員会の大体合意になっているわけですね。だから、そういう決議を踏まえて、そしてこの春の五月二十二日の
委員会でも土屋局長は、「五十五年度の予算
要求までにはこの附帯決議の趣旨に沿った方向で解決をしたい」と。これは私だけではなしにほかの
委員も質問して、そういう答弁をなさっているんです。
ところが、いまのこの答申は全然違うですよ。税金じゃないんです。あるいは、交納付金なら自主的に、自主財源として自由に使えますよ。ところがこれから十年間の間に
道路公団については三百億円その財源を準備しますと、必要な事業をやりなさいと、そうしたらそれに少しだけれ
ども、十年間三百億ですから一年間三十億でしょう。
道路公団の有料高速
道路というのはたくさんの
市町村通っていますから、ここで防音壁つくる、ここにいまの集会所つくる、何をつくる、それについてちょびっとずつ
——助成金ですからね、渡してやろうと。それで終わりですよ。これはもう使用目的が制限されているわけですから自主財源にならぬわけです。だから、当
委員会が附帯決議で言っておる、「有料高速
道路に対する固定資産税の課税、又はこれにかわる
措置」というのとはもう似ても似つかぬ別の
措置なんです。すでに現在有料高速
道路が走っている、そのために音がやかましいということで、防音壁つくったりあるいは雨水処理の
施設をやらしたり、
道路公団に
要求してやらしてますよ。いままでやっていることを、今度は固定資産税のかわりに十年間三百億という財源を、そういうものを今度ははっきりさしてつけてもらうというだけの話で、全く趣旨が違いますよ。
だから、この間も指定都市の協議会の皆さんともこの話しておったら、それはもう私らの
要求しているのとは全然別の話で、これはもらいますと、必要なんだから。高速
道路を走って、いろんなその周辺の
地域の皆さんに迷惑をかけているのだから、それは必要な
施設はつくってもらう。それと話は違うんだ。固定資産税を本来出すべきなんだ。有料で、金を取っている限りは。特定の者しか使用させないんですから。もう金は取らない、無料になりましたというたらこれは一般
道路になりますから、これは課税対象外になるでしょう。初め有料高速
道路ができたときは、名神なら名神が有料
道路であっても、初めの費用が回収できれば、そうしたらもう無料にするという話だったんだけれ
ども、
全国の有料
道路プールしたでしょう、
道路公団は。いつまでたっても続くわけです。どんどんどんどん。
道路をつくっている限りは。それではまさに有料
道路の永久化であって、恒久化していくので、国鉄と同じじゃないか。それじゃ国鉄並みに交納付金出してあたりまえじゃないかというのが
市町村から起こるのはあたりまえなんです。だから、そのことを当
委員会でも議論して、そして毎年のようにこのことを問題にしながら、去年と続いてことしもこの問題について附帯決議があるわけです。だから、まさに国会の意思を無視をしたそういう
内容で、自治省がわかりましたと言って了承をされるということは、私はちょっと許せないと思うんです。国会軽視もはなはだしい。何のために討議をしたのか。そして、附帯決議は全会一致で採択されて、自治大臣はその趣旨を実現をするために善処いたしますと言ってちゃんと答弁もして、そして終わっているんですからね。縁もゆかりもありませんよ。縁もゆかりもないことをやっているんじゃないですか。
これは、私はもう一遍、大臣新しいわけですからひとつ事情を聞いてもらったらいいと思いますが、少なくとも料金収入が取られている間はこれは一般
道路と性格が違うわけですから、これははっきりしてもらう。公共性と言えば国鉄でもそうです。だから、そういう点ではもう国鉄の方が公共性高いですからね。公共的な大量輸送機関ですから。だから、そこでも交納付金として固定資産税の約半分はちゃんと
市町村に、自治体側に出しているんですからね。まして有料
道路について、このような全然縁もゆかりもない化け物が出てきて、もうそれで手打ちをするということは許されぬ。だから、ひとつこれは仕切り直しをすると、もう一遍やり直すと、附帯決議の趣旨に沿って。これはこれですからね。そういう周辺の
市町村に対していろんな損害を与えているのだから、それに対する
措置は、防音壁つくるとか、集会所つくるとか、
救急体制についての援助をするとか、あるいは雨水の処理についてやるとかいろいろな問題ありますから、それは当然
道路公団としてやらなきゃいかぬことでしょう。それを十年間三百億円、まずとりあえず少ないけれ
どもまあそれでいこうかと。これはこれで出発さしたらいい。後、必要あればさらに財源をふやしてもらう。ですから、税金の問題とは違うんですから。この辺、いかがですか、大臣。
——いやいや、これは大臣や。あんたの方はもうあかんいうてバンザイしたんやから。