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増田盛君 それじゃ第二番目に、
土地問題に関しまして御質問いたします。
もちろん
住宅問題に関連してでございますけれ
ども、私は、私見でございますけれ
ども、
日本における国内問題の中でいろいろ問題がございますけれ
ども、その中でも
最大の問題の
一つは
都市、農村を通ずる
土地の問題だろうと思うわけであります。
日本の
地価は、いろいろな
資料に基づきますと、諸外国と比べましてずいぶんばか高いわけであります。イギリスの十七倍であるとか、西ドイツの六倍であるとか、アメリカに関しましては九倍という
資料もございますけれ
ども、私
どもの実感からいきますと、はるかに高い倍率をもって開きがあるような気がするわけでありますけれ
ども、高い上に、最近におきましては波を打ってさらに
地価が騰貴しようとする、そういう傾向を如実にあらわしまして、
住宅をつくる場合におきましては、最近は
ミニ開発というような、
環境の点から言いまして大変困る問題でありまして、全く奇妙な
住宅が簇生しておる、こういうようなことにもなっているようであります。
そこで、念のために、釈迦に説法でございますけれ
ども、最近の
地価の動向を
考えますと、あなたの
国土庁でおやりになった
地価公示によりますと、
昭和四十八年、四十九年、
石油ショックの前後でございますけれ
ども、三〇%を超える
地価高騰が見られましたけれ
ども、五十年には九・二%の下落を示した後に、五十一年には〇・五%
アップ、五十二年に一・五%
アップ、五十三年に二・五%
アップと非常にわずかであります、ほとんど
横ばいでございます。五十三年には二・五%、微騰でございますが、
横ばいと見てもいいのだろうと思うのでありますが、ところが、ことしの去る九月に公表されました都道府県の
地価調査があるわけでありますが、それによりますと昨年七月から本年七月の間にかけましては、
全国で六・二%の
上昇になっておるようであります。びくっとされているような
上昇でありますが、特に
住宅地は八・五%。中でも
東京圏の
住宅地は一年の間に一四・四%
上昇いたしておるわけであります。明らかに
地価高騰であります。
このように
国土利用計画法の施行や、
投機的土地取引抑制のための
土地税制等によりまして、おおむね安定的でありました
地価が最近急
上昇している。
一体、その
原因は何かということになりますと、これはどなたもおわかりのとおり、
住宅地の需要と供給の不均衡、こういうことにあると
考えるわけであります。そこで、宅地に対する国民の需要は
大都市地域を
中心に依然として根強いのにもかかわらず、新規の宅地供給の減少傾向が続いておる。後で数字を申し上げてもいいのでありますけれ
ども、これはもうおわかりのとおりであります。片一方で需要が増しておるのに供給の方が激減と言ってもいいですな、非常な勢いで減少しておるのでありますから、そういうところから価格の騰貴が起こってくるということは見やすい道理でございます。
特に、どうも私の見るところによりますと、民間の宅地供給の減少がきわめて著しいわけであります。たとえば不動産協会の
調査によりますと、
首都圏の民間の宅地供給量は四十六年の二千二百ヘクタール、これがピークであります。それから減少してまいりまして、五十三年にはわずかに六百ヘクタール、約四分の一に減少しておるわけであります。これもおわかりのとおりであります。
今後の
土地対策の重点は、引き続き投機的な
土地取引を抑制しつつ、宅地需給の不均衡を解消するということでございますけれ
ども、これは言うにやすく行うはかたい問題でございまして、一面におきましては、これを通じまして
地価の安定化に貢献していかなければならぬわけでありまして、非常にむずかしいのであります。むずかしいけれ
ども、やらなけりゃならぬというのも
政府の使命でございますが、
一体、
政府は宅地供給の促進のためのいろいろな
施策を強力に進めていかなければならぬのでございますけれ
ども、この点に関しまして
国土庁長官のお
考えを聞きたいと思うわけであります。
それに関連しまして、
全国とは申し上げません、特に三
大都市圏であります。一番困難な問題を抱えておりますところの三
大都市圏、ここに実は九万九千ヘクタールという農地があるわけであります。私な
ども農民の味方を標榜している何とか議員の一人でございますけれ
ども、どうも簡単にこの農地の存在を見過ごすというわけにはいかぬわけであります。九万九千ヘクタール、そういう問題にも関連しまして、いわゆる市街化区域内の農地の問題をどうするかという問題、どうしてもそういうものに手をつけなければならぬように
考えられるわけでありますけれ
ども、うまくやりませんと反対をあおるだけでありますから、何かうまい方法があるのかどうか、そういう点に関しまして率直な御
意見を伺いたいと思うのであります。