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1979-12-13 第90回国会 参議院 決算委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年十二月十三日(木曜日)    午前十時二分開会     —————————————    委員異動  十二月五日     辞任         補欠選任      神谷信之助君     安武 洋子君  十二月七日     辞任         補欠選任      山田  勇君     喜屋武眞榮君  十二月十二日     辞任         補欠選任      安武 洋子君     神谷信之助君      沓脱タケ子君     佐藤 昭夫君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         志苫  裕君     理 事                 岩崎 純三君                 原 文兵衛君                 降矢 敬雄君                 穐山  篤君                 和泉 照雄君     委 員                 伊江 朝雄君                 石本  茂君                 河本嘉久蔵君                 坂元 親男君                 世耕 政隆君                 永野 嚴雄君                 藤井 裕久君                 降矢 敬義君                 佐藤 三吾君                 丸谷 金保君                 田代富士男君                 神谷信之助君                 佐藤 昭夫君                 三治 重信君    国務大臣        大 蔵 大 臣  竹下  登君        運 輸 大 臣  地崎宇三郎君         —————        会計検査院長   知野 虎雄君         —————    事務局側        事 務 総 長  植木 正張君        常任委員会専門        員        道正  友君    裁判官弾劾裁判所事務局側        事 務 局 長  西村 健一君    裁判官訴追委員会事務局側        事 務 局 長  山崎 宏八君    国立国会図書館側        館     長  岸田  實君    説明員        総理府総務副長        官        愛野興一郎君        警察庁刑事局保        安部保安課長   佐野 国臣君        宮内庁次長    山本  悟君        行政管理庁行政        管理局審議官   門田 英郎君        法務省刑事局長  前田  宏君        大蔵政務次官   遠藤  要君        大蔵大臣官房長  松下 康雄君        大蔵大臣官房審        議官       福田 幸弘君        大蔵省主計局次        長        西垣  昭君        大蔵省銀行局長  米里  恕君        国税庁次長    伊豫田敏雄君        国税庁税部長  矢島錦一郎君        運輸大臣官房総        務審議官     永井  浩君        運輸省船舶局長  謝敷 宗登君        自治政務次官   安田 貴六君        自治省行政局選        挙部長      大林 勝臣君        自治省行政局選        挙部政治資金課        長        緒方信一郎君        自治省税務局府        県税課長     金子  清君        会計検査院事務        総局次長     松尾恭一郎君        会計検査院事務        総局第一局長   岩井  毅君        会計検査院事務        総局第四局長   岡峯佐一郎君        会計検査院事務        総局第五局長   小野光次郎君        日本専売公社総        裁        泉 美之松君    参考人        国民金融公庫総        裁        佐竹  浩君        日本鉄道建設公        団総裁      仁杉  巖君        日本鉄道建設公        団理事      片山  充君        日本開発銀行総        裁        渡邊 孝友君        日本輸出入銀行        総裁       竹内 道雄君     —————————————   本日の会議に付した案件昭和五十一年度一般会計歳入歳出決算昭和五  十一年度特別会計歳入歳出決算昭和五十一年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和五十一  年度政府関係機関決算書(第八十四回国会内閣  提出)(継続案件) ○昭和五十一年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第八十四回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十一年度国有財産無償貸付状況計算書  (第八十四回国会内閣提出)(継続案件)     —————————————
  2. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る十二月七日、山田勇君が委員辞任され、その補欠として喜屋武眞榮君が選任されました。  また、十二日、沓脱タケ子君が委員辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。     —————————————
  3. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 次に、昭和五十一年度決算外二件を議題といたします。  本日は、皇室費国会会計検査院大蔵省と、それに関係する日本専売公社国民金融公庫日本開発銀行及び日本輸出入銀行決算について審査を行います。     —————————————
  4. 志苫裕

    委員長志苫裕君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算概要説明及び決算検査概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 質疑通告のない植木参議院事務総長岸田国立国会図書館長西村裁判官弾劾裁判所事務局長山崎裁判官訴追委員会事務局長泉日本専売公社総裁及び佐竹国民金融公庫総裁は、退席していただいて結構であります。  なお、知野会計検査院長渡邊日本開発銀行総裁及び竹内日本輸出入銀行総裁は、後刻再び出席していただくことにして、一時退席していただいて結構であります。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 行管庁は見えておりますか。——   〔委員長退席理事穐山篤着席〕  行政改革が、十二月十日をめどにして各省庁の中で特殊法人統廃合を集約しておる。これは先般の委員会宇野長官報告した内容でございますが、その発表によりますと、八省庁十三法人整理対象統合対象になっておる、こういう報道がされておるわけですが、   〔理事穐山篤退席委員長着席〕 一面、運輸省ではそういった鉄建公団等統合についてはまだ結論を出していないといろいろ流布されておりますけれども、一体どのような状態になっておるのか、これから先、さらに特殊法人関係についてはこれが拡大するのかどうなのか、そこら辺の見通しを含めてまず御報告いただきたいと思います。  同時に、各省庁統廃合が全然表に出ていない。たとえば国土庁と環境庁であるとか建設省統合とか、いろいろの問題が以前には流れておったんですが、これが明らかにされていないんですが、これは一体どのようにするのか。あわせて、出先機関統廃合はどういう形になっているのか、この点についてまず聞きたいと思います。
  8. 門田英郎

    説明員門田英郎君) お答えいたします。  まず、第一点の御質問にかかります、十二月十日までに各省から提出された特殊法人整理計画、これはどうなっているのかという御質問についてでございますが、御案内のとおり、特殊法人につきましては、現在のような厳しい諸情勢、こういうことにかんがみまして、この際かなり思い切った統廃合を行う必要があるということで、現内閣が組閣される際にも特に総理から御指示があったところでございます。  御承知のとおり、年内を目途に特殊法人統廃合計画を策定するという構えでございまして、去る十一月二十七日に閣議で私ども長官が各主管大臣に対し、主体的に各御主管特殊法人につきまして厳しく点検していただいて、その結果を十二月十日までに行革本部まで御提出されたい旨要請申し上げたところでございます。この結果、先ほど先生がお触れになりましたように、各省庁から特殊法人統廃合計画についてそれぞれ御報告がございまして、この御報告は、七省、ネットで九法人減という数字に及んでおります。  その内容につきまして申し上げますと、厚生省がこどもの国協会民間移行。農林水産省が二法人減ということでございまして、漁業共済基金整理及び糖価安定事業団日本蚕糸事業団統合。通商産業省が二法人減でございまして、日本硫安輸出株式会社沖繩電力株式会社双方民営移行運輸省につきましては一法人減日本鉄建公団と他との統合等ということでございます。労働省については一法人減、中小企業退職金共済事業団建設業退職金共済組合清酒製造業退職金共済組合、以上の三法人を二法人に再編整理する、再編改組するということでございます。建設省につきましては一法人でございまして、日本住宅公団宅地開発公団統合をお図りになる。自治省につきましては一法人減ということでございまして、地方団体関係団体職員共済組合が挙げられております。  以上、統合等もございますが、ネットで九法人減ということに相なりますが、以前から整理方針決定済みでございました文部省の一法人減、それから運輸省外貿埠頭公団法人減、合計いたしまして、それぞれの確定を含めまして十二法人減ということに相なる次第でございます。  これらにつきましては、ただいま申し上げたようなことでおおむねの方向が示されているわけでございます。なお今後各省と御相談申し上げながら実施時期あるいは実施具体的方針等についてさらにこの計画の中で詰めていきたいと、かように考えている次第でございます。  御質問のうち、特殊法人につきまして今後さらに整理計画はないのか、あれば具体的にどうなんだというふうな御指摘があったと心得ますが、なお若干の省庁につきまして十二月十日までに統廃合案立案方については出ていないところがございます。こういう省庁につきまして引き続き協議を行ってまいりたいと考えております。できれば年内までに具体化を図ってまいりたいと、こう考えている次第でございます。  続きまして、御質問の第二点でございます。中央省庁、これの統廃合計画、これは考えていないのかという御指摘でございます。  御承知のとおり、中央省庁機構省庁の編成というものは国の行政の骨格でございますので、いかにするべきかということにつきましてはなお慎重に取り扱うべきものというふうに考えておりますし、高度の御判断を仰ぐ必要があるものというふうに心得ております。  あわせまして、国の地方機関整理、これについてどう考えるかという御指摘でございますが、今回の行政改革方針全体の立案に当たりましては、その一環としまして国の出先機関あるいは付属機関などの機構整理というものも一本の柱と考えております。経済情勢の変化とか交通、通信手段の発達というふうな状況に即応しながら国のこういった機構簡素合理化、これは当然図ってまいらなければならないわけでございまして、当面、各省庁の事務所でありますとか、支所、出張所等実務機関、そういったものの整理、あるいは付属機関合理化、そういった面から検討を進めているところでございます。年内にはその方針をまとめ上げたいという考え方でございます。  以上でございます。
  9. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 いまざっと聞いていますと、特殊法人については十二法人決定をした、しかしまだ年末までにさらに詰めていきたいと、こういうことですが、中央官庁については全然進んでいない、あなたの答弁を聞く限り。高度な判断というような言い方で逃げておりますが、大蔵大臣大蔵大臣行管総理府、三閣僚会議というんですか、推進会議というんですか、こういう一端の責任を持っておるんですけれども、その中で一番あなたが先般の委員会の中でも強調しておった、また総理も強調しておったのは、国の三分の一に達するような膨大な補助金はこの際ひとつ大なたをふるって整理をしなきゃならぬ、それがやっぱり財政再建の第一歩だと、柱だと……。この補助金整理すれば当然それに伴う中央官庁許認可の問題もしくは事務移管問題等も含めて、ここに行政改革メスが加わっていかないとこれは伴わないと私は思うんですけれども、この辺についてはいかがですか。
  10. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 先ほど行管事務当局からお答えいたしておりましたものの中で私にも関係のあることがございますので、それからお答えをいたしたいと思います。  三閣僚会議というのは別に公式に決まったものではございませんけれども、やはり全体の内閣一体責任において取り組むについては、どこか、たたき台——表現は悪うございますけれども、つくる部署が必要ではないか、こういう意味において、行管内閣官房、私大蔵省の三大臣の会がたびたび開かれておるわけであります。  したがいまして、私どもでまず合意に達しましたのは、先ほど来御指摘のように、環境が、いろいろな意味において、特殊法人公社事業団というものにこの際まずメスをふるおうではないかということになったわけであります。  いま先生指摘中央官庁にまで本当に目を通さなければ本来の行革とまでは言えないではないかというような御感想を含めた御質疑であったような感じがするんでございますけれども、われわれとて本体の問題をネグって通ろうという考えはございません。したがいまして、それが第二段というものになりますでございましょうやら、あるいは第三段という言葉になりますでございましょうやら、とにかく十日までにまあ一応第一段というべきものはリストアップをした、こういうことになるわけでございます。  引き続きまして第二番目といたしましては、地方支分部局の問題、それからいま御指摘がございましたいわゆる許認可の問題。許認可の問題は事務当局でかなり詰まる点がございます。支分部局扱い方は、やはりもう一度三相会議をやって、あるいは場合によっては自治大臣もそのとき加わってもらってもう一度基本的な話はしてみなきゃならぬではないか、こういうことであります。  それから第四番目が直接これはまさに大蔵大臣の担当になります補助金の問題でございます。先刻以来申し上げておりますように、不思議と——不思議という言葉が適切でございますか、とにかく、省を経由しておろされていく、支出されていく補助金が全体の八〇%、そしてまた別の角度から見ますと、社会福祉教育公共事業、これでくくってみますと、これがまたおおむね八〇%、そして法定による補助金とそうでないもの、いわゆる奨励補助とでも申しましょうか、予算補助とで分けますと、これがまたちょうど八〇%、こういう感じになるわけであります。したがいまして、きょう申し上げることのできるものは、まず昭和五十五年度の予算についての補助金扱いをどうするか、こういう問題が一つございます。  で、私は、補助金全体として金額が減るということは現実問題としてはなかろうと思うんであります。それはなぜかといいますと、いわゆる当然増的経費とでも申しましょうか、ちょうど第二次ベビーブームも訪れますので、それに従って先生の数もふえてまいります。その半額国庫負担だけみましても一千億と、こういうオーダーになるわけであります。したがって、さればどんなものを切っていくかということになりますと、五十三年、五十四年もそれぞれ精力的にやっておったわけでございますが、五十五年には少なくとも前年度補助金のついておったものがどれだけ切れるかということになるわけです。  そうして全体にどこで分けていいかというのも非常に作業困難でございましたけども、目で分けるかというと千百ぐらいあるんです。ところが、この目で分けますと、でっかいものもありますし小さいものもあります。それで、目よりももっと下で現実的に一つ一つ洗ってみたらどうだというので、大体きのうのところで出ましたのが三千八百でございます。その三千八百の中で五十五年度予算の中で幾ら切れるかというのをいま詰めておる最中でございます。したがって、答案がいつ出るかというと、まあ、五十五年度の予算政府原案の中へその答えは出てくるわけです。  そして今度は、先生おっしゃっておりました、いわゆる中期、終期をどこに求めるかという中期計画とでも申すべき問題でありますが、それを五十六年、五十七年でやるのか、五十六、五十七、五十八でやるのか、そういう問題については、これはいままさに検討中という感じでございまして、したがって、現実問題として予算総額で何割切るという形にするのか、三千八百の中の何%と、こういう感じでいくのか、その辺をいま一生懸命詰めておりますので、経過、進みぐあいによりましてまた本委員会等でも御説明できることになるのではなかろうかと思っておるところであります。
  11. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 大臣行管庁が主体で行政改革というものをまとめてやっていくということは、これは主務官庁として当然だと思うんですよ。しかし、わざわざ三閣僚会議でやっておるという一番大きな意味は、やっぱり今回の行政改革というのが財政再建基本に置かれてやられておる。だからやっぱりあなたが主役になるというふうに私は思うんです。ですから、そういう意味で何をポイントに置くかとするならば、やはりあなたがいままで言ってきたように補助金整理基本でなければならぬ。ところが、いまあなたは三千二百億程度、洗ってみたところが出てきたと、補助金の問題で……
  12. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 三千八百……
  13. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 三千八百ですか、ところが昨日各党の予算折衝の中で大蔵当局説明している内容を見ると、その三千八百億の中で、大体五十五年度で千二百億程度、しかし新規の増もあるのでプラス・マイナス・ゼロ、行革についても五十五年度についてはそれによる財源の削減というのは事実上不可能に近い、こういう説明をやっておりますね。これはやはり総理やあなたが今度の臨時国会の中で盛んに強調しておった、五十五年度をスタートにすると、こういう趣旨から見ると若干、何というんですか、中期中期というところに逃げて、事実的には大山鳴動ネズミ一匹というかっこうになるんじゃないかという危惧があるんです。  私はやっぱり特殊法人整理統合するという問題一つにしてみても、やはり何といっても中央省庁をまず手がけて、そこから特殊法人もあわせてやっていく、その基本はいま言ったように膨大な補助金と、それを支えておる許認可中央事務膨大化、こういった問題を総合的に手がけていく、この基本がなくなってくると、結果的にはさっき育ったように、かけ声だけ大きかったけれども結果は何も出ていない、こういうことに終わるんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
  14. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 先ほどの私のお答えがちょっとまずかった点がございますが、数で三千八百件になったということで申し上げたわけでございます。  したがいまして、委員指摘のとおり、今度の特殊法人整理に関しましても、五十五年度中に完全に統廃合をしてしまうものとか、そして、たとえて申しますならば青函トンネルが終わるまではできないものとか、いろいろあるわけでございます。五十五年度と言えば、まさに昭和五十六年の一月一日も五十五年度のうちでございますから、その辺には少なくともやらなければならぬものも確かにあります。これをいま鋭意整理しておりますが、来年度に限って申し上げた点は、きのうの野党の政審関係皆さん方とのお話し合いのときにも申し上げましたのは、確かに社会保障教育関係の当然増の補助金がございますので、補助金全体が減るという状態には来年度はございませんということは確かに申し上げました。  それからもう一つは、やめるときには国庫支出に伴うものが出てくるわけでございます。やめさすために必要な経費という意味において、五十五年度予算でこれだけの支出が減りましたという状態にはなりません、しかし、この問題はあくまでも短期にとらえるわけでなく、長期にとらえていただいて、今回の措置をしてまさに政治姿勢ということで御理解を賜りたいと、こういうふうなお話をきのうしておったわけでございます。  そうしてまた委員指摘の、本体から手をつけなきゃだめじゃないか——私も理解できないわけじゃございませんが、私ども閣議でいきなり補助金整理というような、あるいは行革の文書が出まして、それを閣議決定をしたという段階で、少なくとも年内に何か具体的なものを出さなきゃならぬということになった場合は、環境熟度から言ってやはり特殊法人から手をつけた方が、拙速と言われるかもしらぬが、それが一つ姿勢打ち出し方としては一番いま効果的ではなかろうかという考えが先行したわけでございます。したがって、本体というものをネグって通ろうという考えはございません。したがって、これらの問題は引き続き重要な検討課題となる。本体ということになりますと各人各様にいろんな議論がございますので、まさに事務当局から申しておりました高度な政治判断というものの必要性もあろうかと思います。したがって本体を全くネグってはいない。しかし、委員指摘のように、本体を逃げて出店から先にやったんじゃないかと、この批判は甘んじて受けなきゃならぬことではなかろうかというふうに考えております。
  15. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 きょうは時間が余りないですから、これ以上この問題の追及はやめますが、しかし大臣地方自治体から、いわゆる当然知事や市町村長でできる内容のものを全部国が抱えて補助金政策をやっておる、それらについては早急に自治体におろして交付税にかえていく、こういった要望がずいぶん出されておりますね。こういうのは何も中央省庁機構をいじくることなく直ちにできることですね。ですから、そういった問題が、いまあなたがおっしゃったようなことを理由にして遅滞するということになると、もうそれは率直に言って政府姿勢そのものを私は疑わざるを得ない。国民もそう思うと思うんです。そこの辺はひとつ、もう選挙の際にもあれだけ公約しておるし、総理が冒頭の施政方針の中で明らかにしておる内容ですから、余り小細工はせんでこの際やるならやるできちっとした方がいいと思うんです。そこら辺はあなたにこの際強く申し上げておきたいと思うんです。  同時に、認可法人、それから民法三十四条に伴う社団、公益法人、この状態を見ると、四十二年にいわゆる特殊法人に対する世間の、国民批判が厳しくなって、これが国民の監視が鋭いために増大できないという、言うならば百十三あったのが百十一にとまった、ここからとまったわけですが、それとその反動が認可法人公益法人にずっと出てきて、この十年間を見ると膨大な数をやっておるんですね。これらについては今回手をつげますか。どうですか。
  16. 竹下登

    国務大臣竹下登君) おっしゃるとおりそういう傾向があることは事実でございます。で、それも勉強の課題にしております。ただ、具体的にいまお答えするだけの私にきょうは用意がございません。
  17. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 ぜひそういった問題も含めてこの際ひとつ要望しておきたいと思います。  次に、三月の決算委員会で私がこの場で取り上げて明らかにしたのですが、特殊法人の中でいわゆる常勤役員、これがもう膨大にふくらんでおるということについては、再三この委員会の中でも同僚議員の中からも明らかにされてきておりますが、特にその中でいわゆる天下り、それが六〇%から六八%に達して、まるで天下りの受けざらとして特殊法人が拡大し、もしくは認可法人公益法人がふくらんできておる、こういったことについては事実として当委員会の中でも再三指摘されておるわけですが、これらについては今回の行政改革の一環として整理し、縮小していくという方向が七日の日の四閣僚会議の中で確認されて進められておるというんですが、どういう姿勢でこの問題の処理に当たろうとしておるのか、そこをひとつお聞かせ願います。
  18. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私も四閣僚会議に出席しておりましたが、行管長官のお言葉をかりますならば、まさに民間の活力というものを期待してつくられた特殊法人でございますので、その民間の活力を導入するという基本的な考えで今後の人事体制には当たらなきゃならぬと、したがって具体的には、今度は私が除かれまして——除かれましたというか、人事関係ということになると閣僚では総務長官ということになるものですから、行管長官と官房長官と総務長官で具体的なこの任期が来た場合の整理とかというものは三人で相談しながらやっていこうと、こういうことでございまして、明朝またその会議が私を含めて招集されておりますので、恐らく行管の方から何かメニューが出るんじゃないかというふうに思っておるところであります。
  19. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 その場合は、私が先般の委員会指摘したいわゆる五十二年十二月の閣議決定違反の役員、これについてはこの際毅然として措置するのかどうなのか、あわせてひとつ。
  20. 竹下登

    国務大臣竹下登君) その閣議了解違反という、まあ、恐らく客観的に見て何かの事情があってやむを得ざる措置としてとられておるものであろうと思うんでございますけども、明日の会議にそのような問題も提起されるであろうというふうに私は思っております。
  21. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 大臣、この場合もどういう点でこういうことが起こってきたのかといえば、あの閣議決定の中に「原則として」と、こうなっている、原則としてこれこれはだめだと。そういうことで、したがって例外だと、こういうかっこうで例外がふくらんできておる。これは中央官庁皆さん方がよく使う言葉かもしれませんが、今度大蔵省の料亭の供応その他には応じないというこの通達、綱紀粛正の通達を見ると、ここもやっぱり「原則として応じない」と、こうなっている。いつもこの手で、国民の皆さんにはいかにも姿勢を明確にして、そうして中身では全部例外規定を適用してやっておる。ここをきちっとしないと、その次には官舎における不法占拠というのが百四人も出る。ここら辺は今度ひとつ、四閣僚会議ですか三閣僚会議か知りませんが、きちっとしますか。
  22. 竹下登

    国務大臣竹下登君) どうも私いま考えてみますと、官房長官から御答弁なさるべき性格のものじゃないかと思うのでございますけれども、私の所管とは別に、そうした閣僚会議の構成員の一人でありますので、いま委員の御指摘問題等は必ず議題として取り上げるべきものではなかろうかというふうに判断しております。
  23. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 これは官房長官どうなっているのか。——まあ官房長官が後で見えればまたその点きちんとさせますが、大蔵大臣のいまの御答弁をぜひひとつ生かして今度の行革の中できちっとしてもらいたいと思います。  ところで、特殊法人の役員の報酬、退職金についてお尋ねしておきたいと思いますが、これはいま大臣からもお話しございましたように、民間の活力を特殊法人の中に生かすと、こういう趣旨で設けられたと思うんですが、この報酬なり退職金の決め方は主務大臣大蔵大臣が協議をして決めるという仕組みになっておりますね。で、その基準については先般の委員会では、民間を参考として決めておるんだと、こういうことを主計局次長が明らかにしておりますが、現在の主要な総裁、理事、監事、この平均がこの三月の時点では百万五千円が最高になっておったんですが、現在どういうふうになっているのかということと、あわせて、退職金の基準については一カ月月額の百分の三十六というこういう方程式を出しておったんですが、それに変わりはないのか。さらに、民間企業天下りの企業の役員についての報酬、退職金にどういう取り扱いをしておるのか、同じなのか、扱いを別にしておるのか。その点をちょっとまずお聞きしておきたいと思います。
  24. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 主計局次長からお答えさしていただきます。
  25. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) お答え申し上げます。  ただいまの御質問は、公団等の特殊法人の役員の給与、退職金の決め方がどうであるのか、高過ぎるのではないか、こういう観点からの御質問だと思います。  そこで、まず給与の決め方についての考え方を御説明申し上げますと……
  26. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 簡潔に。
  27. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) はい。  公団等の役員の給与につきましては、公団等が民間企業と同じように機動的に対処するということが期待されて生まれていると、さっき大臣からもお話し申し上げましたように、民間の活力も利用するということを期待してつくられたという性格もございますので、民間の役員の給与水準ということを考えながら、しかしあわせて国の特別職、指定職とのバランスをとりながら決めるという考え方で各主管大臣と御協議しながら決めておるわけでございます。  それで、ことしの人事院勧告の実施に伴いましてどうするかということでございますが、現下の財政情勢にかんがみまして今回は据え置きということにいたしておりまして、例を公団等の大規模公団にとりますと、さっき委員が言われましたように、総裁につきましては百万五千円を変えておりません。据え置きでございます。  それから退職金でございますが、退職金につきましては、人事院にお願いをいたしまして民間企業の実態調査をやりまして、昨年の四月からそれまでの二割引きということで、一カ月につきまして百分の三十六相当ということで昨年の四月に変えたところでございますが、それでも高過ぎるという御批判がございますので、その後の民間企業の実態がどうなっているかということをただいま人事院にまたお願いをいたしまして調査中でございます。
  28. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 役員の中で、いま特殊法人で四百八十何名の役員がございますね、官僚出身の、いわゆる公務員出身の役員、天下り役員といわれる。こういう方々は全員が年金が支給されておるんじゃないのですか。支給されているとすれば年金の大体の平均はどのくらいになっていますか。
  29. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 公務員を退職されまして特殊法人の役員になられました方につきましては、国家公務員共済組合の退職年金が出ているのが普通でございます。これはどのような年金でもそうでございますけれども、その共済あるいは年金グループから離脱いたしますと給付を受ける資格が発生するというのが原則でございまして、これは公務員共済に限りませずすべての共済、年金グループにつきましてはそのような取り扱いになっているということでございます。  それから、平均どのぐらいもらっているのかという点につきましては、ちょっと資料を持ち合わしておりませんので、後刻委員の方へ御連絡申し上げたいと思います。
  30. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 大臣、私はこの問題で、三月の委員会でもしたのですが、どうしても疑問が解けないのが二つあるわけです。  一つは何かというと、天下りの場合は、言うなればこれは第二職場というか、公務員としての一つの仕事を終わって第二職場になる、その途端に報酬が大幅に民間対比ということで大体二十万から四十万程度上がってきた、加えてそれに今度は年金が併給される、こういう実態が世間で言ういわゆる役人天国とか天下り天国というそういう批判を招く一番大きな原因になっておると私は思うのですよ。  各地方の自治体を調べてみますと、たとえば知事や副知事や部長等が退職したいわゆる都道府県の公社、公団等の内容を調べてみると、ほとんどこれは現給保障が基本になっていますね。ですから、総務部長でやめた場合には、たとえば四十万の現給をもらっておった、公団の理事長になったときにはそれが四十万。その四十万の中で年金分を月割りにして差し引いた額がいわゆる報酬として支給されておる。  ところが国の特殊法人になってくると全然逆転してくる。むしろ特殊法人に役人からやめていくと二十万から四十万上がって加えて年金はそれに併給される、こういう仕組みになっておるんですね。これは私はやっぱり世間の批判を招くと思うんで、民間の活力を登用する、しかも特殊法人政府の代行機関である、したがって民間の有能な人材を採用するということでこの報酬の基準を決めておって、そこに入ってくるのは年金を年間四百万なり五百万なり抱えた天下りが第二の職場としてその報酬を前提にして入ってくる、こういう実態はこれは私は許せないというふうに思うんです。国民感情から言ってもこれは批判が出るのは当然だと思うんです。ここはやはりメスを加えていかないと、どうしても民間登用ということを基本に置きながらも、結果的には天下りの受けざらとしての特殊法人認可法人——認可法人公益法人の報酬や退職金の基準を見るとほとんど特殊法人に準ずると、こうなっている。ですから、そういう形で絶えない現象が続くんじゃないかと私は思うんです。ですから、民間の知能なりそういうものを活力として登用するという前提に立つならば、そこは天下りと民間の役員についてはきちっと報酬その他について歯どめをかけてすべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがかと思うんです。  もう一つは退職金でございますが、さっき主計局次長の話を聞きますと、報酬については民間の基準を基礎に置いて、そうして官庁の委員その他を参考にしてということを言っておるわけです。ところが退職金になると民間のみを対象にして基準をつくったんだ、それはどういう意味かといえば、公務員の場合には年計算ですね、退職金は。ところがここは月計算になっておる。見ようによると、もっと言うと天下り官僚にとっては調子のいいところだけは基準に採用して悪いところは除去しておる、こういうやり方になっておる。まさにその意味では特殊法人認可法人公益法人を含めて、いわゆる中央官僚の受けざらをどうつくっていくかということが頭の第一にあって、それじゃ国民に対して申しわけができないから、それに民間の知能を活用するんだと、こういうだしをつけておる、こう見られても仕方がない仕組みになっておるんじゃないかと思うんです。これらについて大蔵大臣としてどういう決意でもって臨むのか、考え方をひとつ聞かしていただきたいと思うんです。
  31. 竹下登

    国務大臣竹下登君) いまの委員の御質問の中のいわゆる年金制度そのものの仕組みに触れる点につきましては、確かに離脱した場合はその資格が生ずるわけでございますので、そのあり方につきましては年令制度全体の問題としての問題ではないかというふうに思います。  それから、民間から来たお方と役所から行ったお方と、同じ理事でどうも報酬が違うということには私もにわかにそうでございますかという——勉強不足の点もございますけども——という感じはいたします。  ただ、地方問題等は、私も地方出身でございますので、雇用の場も少ないという点もございましょうかもしれませんけれども、そういうような形でいらっしゃる方が、ちょうど私も地方でおりますとちょうど定年の年でございますから、同級生なんかが大体そういう感じでそれぞれいっておるなあと、はだで感じておるものはございますが、いまの問題につきましては、どうも私がにわかにここでお答えする自信がございません。  それから、退職金の計算等の問題につきましては西垣次長からお答えさすことをお許しいただきたいと思います。
  32. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 退職金の前に、先生がさっきおっしゃいましたことの中でちょっと補足説明をさせていただきたい点がございます。  一つは、役人をやめて大変給与が上がるというふうに言われたわけでございますけれども、さっきも申し上げましたように、民間の役員の給与の水準とそれから公務員の指定職の水準と両方参考にして決めておりまして、現在はだんだんと指定職の水準に近づいておるのが実態でございます。これをちょっと数字で申し上げますと、大規模公団等の理事と本省の主要局長との水準の差でございますけれども、十五年ほど前には局長の給与を一〇〇といたしますと一九〇ぐらいだったわけでございます。これはつまり民間の役員の給与の方に重点が置かれておったと、その後いろいろと御批判もあり、公務員の給与水準も上がったということでございまして、今回据え置きをいたしました結果、本省の主要局長を一〇〇といたしますと、公団等の理事の給与は一〇二でございます。ですから大体近づいてきたという実態でございます。  それからもう一つ、年金の併給の問題でございますけれども、   〔委員長退席理事穐山篤着席〕 現在継続審議中でございます共済組合法の改正におきましては、そういう御批判もございますので、先ほど申し上げましたように、原則といたしましては共済グループを離脱したときに完全に給付権が発生するわけでございますが、退職年金の制度の趣旨といたしましては老後の所得保障ということでございまして、非常に高額な所得者につきましてはまるまる差し上げるのはどうだという御批判があることも十分に踏まえまして、高額所得者につきましては給付を制限するというふうな制度を盛り込んでおります。その点ひとつ御理解いただきたいと思います。  それから、役員の退職金につきまして、これはもう民間ばかりという御批判でございますけれども、役員のあり方というのが、たとえば国家公務員の場合ですと長期勤続を前提とした退職金の仕組みになっているというようなこともございますのに対しまして、役員につきましては一期何年というふうなことで、いわば民間の役員と同じような勤務のあり方ということもございますので、やはり準拠するのは民間の役員の退職金の決め方だというふうに私ども考えております。  以上でございます。
  33. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 大臣、さっきもあなた首をかしげて、民間出身の役員と官僚のあれが違うのはいかがかという話をしておりましたが、これはさっきも申し上げたように、天下りの方々というのは全部公務員としての一つの仕事を成し遂げて、そこで大体三千万か五千万程度退職金をもらって、一つの任務を終わって入っておるわけですね。ですから第二の職場、第二の人生と言っていいと私は思うんですよ。そういう観点から見ると、いま地方自治体でとっている措置というのは、単に就職難だから云々ということではなくて、私は、やっぱり国民に住民に納得できる一つ扱い方だと思うんですね。その点をあなたに聞いたわけです。  ですから、確かに、同じ役職員で民間から入った者と官庁から入った者の額が違うということについては、あなたが首をかしげる、表面だけ見ればそういうことが言えると思いますが、実質的には年金という保障を含めて整理されておるわけですから、そこら辺はひとつ、自治体のあり方が違うというなら違う、そういう扱いをすべきじゃないというならそういう扱いをすべきじゃない、ここら辺はひとつあなた明確にしていただきたいと思うんです。  それから、西垣次長が退職金の問題で苦しい答弁をしておりましたが、これはどう理屈をこねてみても、五十二年の閣議決定内容も何月以上勤務した者は云々ということではないんで、やっぱり何年ということになっている。六年であるとか九年であるとか何歳とか、こうなっているわけですね。したがって、少なくとも公務員から行かれる方については退職金は一応もらっているわけだ、それ相当の社会的な意味での。そうしてついていく場合に、ここだけ月計算にするという理屈は合わぬじゃないか。しかもこれは政府代行機関です。ですから、そういった点は、さっき言ったように、都合のいいときだけ民間民間というとり方じゃなくて、もっと真っ当に、国民にわかるような、そういう一つ説明のできる退職金制度なり給与制度というものをぜひ検討して、この際メスを加えていただく、この点を私から改めてつけ加えておきたいと思うんですが、いかがですか。時間がございませんので簡単で結構です。
  34. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 人事管理全体から見ますと、いわゆる公務員であった方——私は公務員であった経験がございませんけれども、それぞれ有能であって、その活力もまた必要であろうということは、私、一方また理解できることでございますが、いま委員の御指摘になった全体的な問題といたしましては、私は不勉強ではございますものの、委員のおっしゃった全体的な問題については十分検討はするにやぶさかではございません。勉強さしていただきます。
  35. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 宮内庁、いらっしゃいますか。——  時間がございませんからちょっと聞きたいと思うんですが、各国との交流が非常に盛んになりまして、各国の元首、皇室などが宮内庁に最近公式の行事として非常に多くなってきておるんですけれども、ここ最近のその実態、これはどの程度状態にあるのか、まず御報告いただきたいと思います。
  36. 山本悟

    説明員(山本悟君) 御指摘のとおり、最近非常に各国との外交関係も円滑に行き、それぞれの国、各国の元首なりあるいは首相等が多数来日されておりまして、その際には皇室につきましても一定の行事があるということになっております。  たとえば五十三年度で申し上げますと、国賓は西ドイツの大統領、ネパールの皇帝等四回、五十三年度では来日されている、またその際、各国の総理であります公賓、この方々は五十三年度は五回来日されている、かようになっております。本年度におきましてもすでに国賓はたしか四回と思いますが、公賓も二回でございましたかというように来日をされている次第でございます。
  37. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そういう場合に、各国から、俗な言葉で言うと手みやげというんですか、宮内庁の言葉で言うとどういう言葉か私はよく知りませんけれども、そういったものが必ずと言っていいほど行われておると思うんです。同時にまた、天皇の方から各国を訪問したり、もしくは来られた方に対する記念というんですか、そういうやりとりがあるんじゃないかと思うんですが、そういった実態、それらがどういう経費で、扱いとしてはたとえばそれは天皇にいただいた物は国に属するものだとして扱いされておるのかどうなのか、そこら辺について御説明いただきたいと思うんです。
  38. 山本悟

    説明員(山本悟君) 国際儀礼といたしまして、元首なり公賓なりが来られたような際には贈進品があるというようなのは御指摘のとおりで、まあ大体各国すべてそういうようなことになっていると存じております。御案内のとおり、皇室に対する寄贈でありますとか、そういったようなものにつきましては国会の議決が要るという規定が憲法にあるわけでありますが、それに基づきまして皇室経済法、この第二条に御案内のとおり国会の議決といいますか、その都度国会の議決を経なくても皇室が財産を譲り受けあるいは贈ることができるものといたしまして、その第一号には通常の売買によりますような私的な経済行為、それから第二号にただいま御指摘の「外国交際のための儀礼上の贈答に係る場合」というのがありまして、これは一つ一つ国会の議決がなくてできると、こういうことになっているわけでございまして、こういった国公賓といったような外国関係はこの規定によってそれぞれ贈答が行われている、こういうことになっている次第でございます。  それで、実際に来られました場合にはやはり持っていらっしゃる、その持ってらっしゃった物につきましては、大抵国賓の場合でありますと、いわゆる最初に御会見がある、その御会見の際に向こうからの物の披露があり、こちらからも披露がある、これらは新聞等にも公表をいたしているところでございまして、そういうかっこうで贈答が行われております。  そしてその受けた物につきましてはいろいろな物があるわけでございますが、多くは陛下なり皇太子様なりというようなそれぞれの方々の、何といいますか私的なかっこうでの物というのが——まあ物品自体がそういう性格の物が多うございますので、そういった物はその贈られた趣旨に従いまして、ある期間お身の回りに置いた上でそれぞれ東宮職なりあるいは侍従職なりにおきまして保管をいたしている、こういうような処理の取り扱いになっている次第でございます。  なお、たとえば先日でございましたか、馬といったようなものが贈られたこともございますが、こういったものは、やはり贈られました趣旨は皇太子殿下の御一家の中の若い宮様方に贈られたわけでありますから、その御趣旨を受けて、ごらんになった上で、しかし皇室の中で保管もできませんものですから、これはこどもの国協会に寄託をしている、こういうような措置をいたす場合もあるわけでございまして、それぞれの贈られました趣旨、物といったようなものを勘案しながら的確な保管をいたしているというような状況になっております。
  39. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 最近、山本さんもごらんになったと思うんですが、いま大変緊張状態になっているイラン、アメリカですね。言うなら、パーレビ国王のアメリカ入国の手引きをしたのはキッシンジャー、そのキッシンジャーはかつて国王からダイヤ入りの高級時計をもらっておったということが出されておりますね。またニクソン大統領が失脚の一つの大きな国民的な不信を招いた中には、各国からもらった高級な贈り物を私物と化しておったんじゃないかと、こういったことがされておるわけですが、一体皇室にはどういう種類のものがここ一、二年の中でどの程度贈られておるのか、贈っておるのか。さらに、いまこれらの言うならおみやげというのはどういう処理のされ方をしておるのか。そしてそれは、まあ種目別で結構だと思うんですが、いまどの程度在庫というんですか、扱いをされておるのか、そこら辺の数字もあれば明らかにしていただけませんか。
  40. 山本悟

    説明員(山本悟君) 外国御交際というのが戦後始まりましたのは独立しました二十七年の翌年二十八年からということでございまして、その間には外国人のそういった方々も多数参っておられるわけでございます。まあ全部はちょっとむずかしいんでございますので、五十三年で申し上げますと、先ほども申し上げましたようなかっこうで国賓四回、公賓五回というようなことで来ておられますが、その方々からの贈進品、まあこれは件数その他につきましてはいろいろとり方があろうと思いますけれども、両陛下の関係で申し上げますと全部で十四件、点数で六十九点と、こうなっております。六十九点と件数に比べまして点数が多くなっておりますが、これを例で一つ申し上げますと、たしかメキシコの大統領が来ておられますが、その際、陛下は御案内のとおり海洋生物についての権威というようなことで、メキシコの大統領からはメキシコ産の貝がらの標本が贈られておりますが、これは一件で五十二点というようなことになるものでございますから、件数と点数は違いますけれども、そういったようなことでございます。いまのはたとえばの一つの例といたしまして御研究用品と、こういう分類ができるんじゃないかと思うようなものでございます。  そのほかたとえば件数の多いので申し上げますと、この十四件のうちの七件が飾り置き物類と、こういう感じでございます。飾りざらだとか花びんだとか置き物だとかいったようなものが七件で件数としては一番多うございます。そのほか家具類、ちょっと家具類というのは大げさでございますが、カーペットだとか、つい立てだとかそういった物もございます。そのほかショールといったような物だとか装身具としてのネックレスとかカフスボタンだとか、こういったような物をそれぞれの方に合わせて向こうも考えて持ってきているわけでございまして、それらは先ほど申し上げましたように、まあなかなか実際にお使いになるということはきわめてまれであろうと存じますけれども、ある程度の期間はお近くに置いておいて、その後は厳重にそれぞれの担当の分野におきまして保管をいたしていると、こういうかっこうになっております。
  41. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 時間がございませんから、その内容を五十三年、四年度についてだけでも結構ですからちょっと報告してくれませんか。
  42. 山本悟

    説明員(山本悟君) ちょっと全部申し上げるのもあれでございますから、たとえば五十三年度で申し上げますと、西ドイツの大統領夫妻からの贈進品は、陛下に対しまして顕微鏡一台、これは当然のことながら生物研究所で保管をいたしておると存じております。それから同じく両陛下に対して陶製人形、あるいはネパールの皇帝・皇后両陛下からは天皇陛下に木彫りの壁掛け、皇后陛下に毛織りの羊毛カーペット、それからベルギーの首相からは両陛下にガラス製の花びん、それからシュミット西独首相からは両陛下に陶製人形というようなことで、それぞれ大体同様な程度のものがずっと続いている。それから皇太子様の方で申し上げれば、場合によっては各若い宮様一人一人にレコードをもらったり切手をもらったりと、まあもらったりといいますか贈られたりというようなことがございます。
  43. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 それらのおみやげはどのように処理されておるんですか、そうして大体処理されておる内容は、もう大まかな累計で結構ですが、計数として何点ぐらいですか。
  44. 山本悟

    説明員(山本悟君) 処理の仕方は、先ほど申し上げましたように、それぞれのお手元的な性格の物というのでございますから、内廷物品といたしましてそれぞれのところが、お手元からもうお使いにならない、あるいはおそばに要らない、あるいは置いておけないというような物につきましては、それぞれ先ほど申し上げましたように侍従職なり東宮職なりが保管をいたしていると、こういうことでございます。保管がもうきかないような物というようなことになれば、さっきの生物のようなものであれば適当なところに寄託をするというような処理の仕方、あるいは非常にそれがたまった場合には、これは皇太子様の方でございますが、民族衣装なんというのがいっぱいもらった物がたまって、そういうような物は民族研究所でございましたか、民族博物館でございましたか、そういったところに寄託をするというような処理をいたしている場合もあるわけでございます。
  45. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 最初に、日本税務協会について国税庁にお伺いいたします。  この財団法人の寄付行為の最初の資金、どういう形で出ておりますか。それから、運営の収入の主な内容等についてお願いいたします。
  46. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先生の御質問でございますが、日本税務協会は昭和十九年にできました財団法人組織でございまして、政府の税務に関する施策の浸透を図り、税務行政に対する協力を旺盛、活発にするとともに、納税思想の普及確立、租税の民意の暢達及び財務諸手続の援助を行うということで、基金は十万円ということになっております。  その事業内容でございますが、受託会計と一般会計とございまして、小企業者に対する……
  47. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 収入の内訳。事業内容はいいです。
  48. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 委託費の内訳と考えてよろしゅうございましょうか。
  49. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 税務協会の運営をするためのもろもろの収入の主なるもの。
  50. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 失礼いたしました。  一般会計の収入でございますが、予算額でまいりますと、賛助会費収入、購読料収入、図書販売収入、図書あっせん収入、広告料収入、講習会収入、記帳代行収入、事務代行収入及び雑収入ということで、五十三年度で二千三百三十六億六千百円ということになっております。そのほかに受託会計といたしまして、受託事業収入といたしまして十五億二千六百三万六千円という額が予算に計上されております。
  51. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 税務協会の職員数はどれくらいでございますか。
  52. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 職員数でございますが、本部と地方とございますが、全部で五十ヵ所ございまして、職員数は、受託会計におきまして指導員が百十四名、補助員が三十四名、計百四十八名、一般会計で二名、合計百五十名と相なっております。
  53. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 いまの予算額を聞きますと膨大なものが計上されておりますが、そんな少ない人数でこの財団法人の運営が行われるんですか。
  54. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先ほど途中まで御説明申し上げた点でございますが、事業の内容が、小企業者に対する継続記帳指導と、それから納税者に対する税務相談窓口の開設、改正税法等の説明会、講習会、納税思想の高揚のための広報ということが受託会計でございます。そのほかに一般会計といたしまして、賛助会員の募集、あるいは税務講習会、出版事業がございます。  いずれにいたしましても、この事業の内容は幾つかに分かれておりまして、ちょっとお時間を拝借して恐縮でございますが、常設相談所経費ということで、指導員がおりまして継続記帳指導も含めましていろいろな税務相談に応ずるという仕事をやっております。  それから継続記帳指導といたしまして、税理士にお願いいたしまして依頼謝金を出すわけでございますが、大ぜいの税理士さんにお願いいたしまして継続記帳の指導をお願いいたしているということでございます。そういうことで、職員数はこのぐらいの人数でございますが、委託事業ということで相当大きな仕事をやっているというふうにお考えいただいて結構かと思います。
  55. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 一般会計で約二千億以上ですね。で、これらの事業が、受託とかいろんなことがあっても出版から何からずいぶんやっているわけです。   〔理事穐山篤退席委員長着席〕 それが百五十人程度の職員でこなしていけるということはちょっと想像つかないんですが、どこか何か間違っていませんか。
  56. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先ほどの、一般会計では二千三百万でございます。
  57. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 二千三百万。
  58. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) はい。
  59. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 わかりました。  それで、実は問題なんですが、そうすると国からの受託事業の方が圧倒的に予算が多いわけですね。
  60. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) おっしゃるとおりでございます。
  61. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ところが、この「税務協会の御案内」という中には国からほとんどの金が出ているというようなことはどこにも出てないんですよ。こういう点については一体どういう行政指導しているんですか。全然出てないですよ、「御案内」のどこにも。九十何%が国から金が出ていながら、いかにも自前で全部やっているような案内なんです。
  62. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) パンフレットにはあるいはそういうこともあろうかと思いますが、ちょっとまたお時間を拝借して恐縮でございますが、私どもの仕事といたしまして、やはり税務行政、申告納税制度ということを理解して適正な申告を行っていただくということのためには、あくまでも自主的な納税義務を履行していただく体制をつくるということが必要でございます。一方で、九百万人の所得税の納税者がございまして、それを少数の職員でやっているということになりますと、どうしてもやはり人手が非常に足りないということもございます。  そこで、一方で青色申告を非常に普及していきますと同時に、記帳等につきまして、その程度に応じました指導がスムーズに行くように民間団体とも強力に連携を図りまして指導体制の整備充実を図っていくということでございます。  そういうような事務の中で、継続記帳指導を中心といたしまして、非常に小規模な所得税の納税者、それから一部は法人もございますが、そういう方に対しまして記帳指導をいたしまして、自分で帳簿ができるように、自立できるまでそういう指導をしていくという仕事をやっているわけでございます。無料相談でございますので、表面切って国の予算が云々ということはあるいは書いてないかもしれませんが、実質的にはそういう非常に有意義な仕事をやっているという現状になっております。
  63. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 大臣、実はいまの御説明を聞いておったと思うんですが、「当協会は賛助会員の制度により篤志の方から応分の経済的援助を受け事業を運営しております。」、こうなんですよ。そうしますと、国がほとんど出して無料相談や何か、全部国からお金が出て仕事をやっているんです。しかし、パンフレット類に関する限りそれが読めないもんですから、相談に行くということについては非常に敷居が高くなるんです。この点、ひとつ御注意申し上げておきます。  それから次に進ませていただきます。  そういうことで、たとえば五十二年度の税務委託費、国税庁予算の中から十三億八千五百四十五万九千円出ております。しかし、実際には、これは先ほど佐藤委員からも指摘がありましたように、ここの職員というのは女子職員を抜かして全部国税庁の職員の天下りです。ほとんど全部と言っていいです。このこともひとつ注意を指摘しておきます。  それから委員長、資料要求をひとつお願いいたします。  これだけのお金をかけて税務相談をやっております。特に無料相談に重点を置いてるんですが、各地の無料相談に来た件数、全国的に。これはすぐには出ないと思いますが。それから、その無料相談によって——いいですか、ここが大事なところなんです、一体どれだけの申告納税ができたか。十三億もかけてるんですから、徴税費の一部がこういう形で変わっていくわけです、税務行政の。これが一体実効が上がって税収につながっているのかどうか、このことについて、後刻でいいですから御報告をお願いいたしたいと思います。
  64. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先ほどの、最初のお話でございますが、このパンフレットの中でも、「国税庁から委託を受けている事業の概要は、次のようなものです。お気軽に御利用下さい。」、ということで、決してそういう問題を私どもとして表面に出していないということでないことを御理解いただきたいと思います。  それから、各地の無料相談というお話でございますが、記帳指導の状況でございますが、五十三年におきましては十三万七千二百六十人の方々につきまして日本税務協会におきまして指導をしております。これが四十五年には二万一千八百九十一人ということでございますので、六倍以上の人たちを継続記帳指導をしているという現状に相なっております。
  65. 志苫裕

    委員長志苫裕君) いまの資料要求は、いまの答弁でいいの。
  66. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 資料要求は資料要求でいたしておきます。
  67. 志苫裕

    委員長志苫裕君) できますか。
  68. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) ただいまの資料の御要求でございますが、相談件数につきましては早速調査をいたしてみますけれども、それがどのように申告納税の税額につながっているかという問題につきましては非常にむずかしい問題があるかと思います。たとえば、現在国税局あるいは税務署におきましても納税相談所を設けて納税相談を行っておりますが、税務というものの性格から申しまして、たとえばそれを電話でも受け付ける、あるいは仮名であっても相談があればそれに適切な答えをするというたてまえをとっております。したがいまして、ただいまおっしゃったような資料の作成はきわめて困難ではないかと思いますので、あらかじめ申し上げておきたいと思います。
  69. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そこで、実は収入と支出というのは全く考えられない形で、効果が上がってる上がってるという報告だけが行われるわけなんです。ただし、この税務協会が行う無料相談にしても、これは全部税理士が立ち会っております。そうしますと、税理士法によって記載義務があって、帳簿の記載義務を税理士は持っていますから、それぞれのてんまつによって一件ずつの結果が出ております。これらを支部ごとに集計すれば私は不可能でないと思うんですが、できないですか。
  70. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) 税務相談につきましての申告義務につきましても、その相談によってどれだけ増減したかというふうなことは、とても現在の状況では記載困難かと思います。また、そこまでの帳簿記載が現在の税理士会の規定として決まっておりますと、実際問題としては税理士さん自体も非常に動きにくい問題になるのではないかと——これは手間という意味でございますが、そう考えております。
  71. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ちょっと、いまの資料要求の件ですけれども大蔵省の方では、相談件数がふえてるというんで効果が上がっておるということで認定されているわけでしょう。じゃ、相談件数だけはもしあれだったら年次別にでも提出してください。
  72. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) ただいま委員長のおっしゃったように、早速その件数を調べてみます。
  73. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 次に、中小企業庁が出しております小規模事業指導費補助金、この件について主計官にお尋ねいたしますが、この補助金の要項によりますと、まあこれは中小企業の健全育成のためというふうなことで出ておりますが、この予算を査定するときに一体どれくらいの、特にこの中の私の方で質問申し上げたいのは、商工会議所の第二経理相談所というのが東京だけでも四十くらいございます。こういうところにそれぞれ会議所から予算が配分されておりますが、これらを予算要求の段階でどういう査定をしておるか、どういう実態を踏まえて、どういう調査の上で査定をしておるか、お願いいたしたいと思います。
  74. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 中小企業対策費の中に大きな柱といたしまして……
  75. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それはわかってる。
  76. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) はい。で、恐らく御指摘は、その中にあります税理士の方々等の記帳指導の謝金、あるいは税務に関する集団指導等に要する謝金の問題だろうと思います。  それにつきましては、中小企業庁から予算要求を伺いまして、御相談をしながら決めているということでございます。
  77. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 会計検査院にお願いします。  中小企業庁の方から予算要求があって、まあそれを踏まえて予算づけしてるんです。で、これは、予算は使われてます、ほとんど不用額もなく、きれいに使われておるんですが、これらの実態を会計検査院では五十二年度についてどのような監査をしておりますか。
  78. 岡峯佐一郎

    説明員岡峯佐一郎君) お答え申し上げます。  この補助金につきましては、実は余り十分な検査を実施していないというのが正直なところでございます。いま先生、五十二年とおっしゃいましたが、本年、五十四年中に実施しましたのは、通産関係補助金につきまして二十九道府県でございますけれども、その中で先生お尋ねの事態につきまして検査をいたしましたのは、四府県につきまして二商工会議所、五商工会程度でございます。
  79. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 補助金は適正に費消されておりましたか。
  80. 岡峯佐一郎

    説明員岡峯佐一郎君) ただいま申しました検査の結果につきましては、五十四年中の検査結果につきましても指摘事項はございませんでした。
  81. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 会計検査院の検査は書類検査ですね。商工会議所に行って書類に間違いがなかったということで、それより突っ込んだ検査はしておりませんね。どうなんですか。
  82. 岡峯佐一郎

    説明員岡峯佐一郎君) 先ほど申しましたように、五十四年中で見ますと、二十九の道府県に参って、県庁で主として書類を見るというのがたてまえでございます。その中で、先生指摘の点につきまして細かく見たというのは二商工会議所と五商工会でございますけれども先生指摘のとおり、書類による検査だけでございます。  ちなみに、愛知県の一商工会でございますが、調査官の報告によりますと、月、第三月曜日に一回ずつ、年間十二回その経費を支払って事業をやったという報告は聞いております。それに対する証拠書類もそろっていたという報告でございます。
  83. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 実は、これらの相談指導件数というのは年々ふえているんです。ただいまも直税部長から報告のあったように、ふえております。それから中小企業の方のもふえております。検査官、それは一年度だけしか調べてないから、わかりませんか、毎年ふえていっているというのは。これはどうなんです、検査の結果は。
  84. 岡峯佐一郎

    説明員岡峯佐一郎君) ただいまも申し上げましたように、必ずしも十分な実態の把握をいたしておりませんので、この場合、意見は控えたいと存じますが、今後は注意して見てまいりたいと、このように存じます。
  85. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 大臣、ひとつ実態を御報告しますから、十分留意をしていただきたいと思います。  実は、東京商工会議所中小企業相談所新宿区第二四谷経理指導所、これが一番最初に税務相談を始めた指導所なんです。いいですか。したがって、ここは東京でも大変多い方なんです。恐らく報告に出てくる数字によれば相当件数やっていることになっていると思います。しかし実態は、行ってみますと、この看板はかかっていません。いいですか。看板はかかってないんです。探すのにずいぶん骨折りました。近所の人に聞いてもわからないんです、こういう名前で聞くと。税理士会館があったんで、ここで聞けばわかるだろうと思って入りました。事務所の中の方に看板があるんです。どうして表にかけないんだと言ったら、かけるところがないからですと。私が写真を撮ろうとしたら、写真撮るなら外にかけましょうかと。いや、かけないでもいいよ、いまのあるところで写真を撮るからということで撮りました。相談するところがわからないんですよ。いいですか。  それから、月に何回やっているかと言ったら、三回か四回ですと言うんです。ところが、会計検査院、ここのところはよく調べてください。いいですか。相談件数は莫大な数字に毎年上ってきているんです。月に三回や四回でこんな件数ができるはずがないという。それで、そのことについて税理士会の幹部、これはもう名前も通っている人ですが、特にきょうは名前は出しません。本人から、そんなことされると、おれは税理士会の中で袋だたきに遭うから名前だけは出さぬでくれということで、実情を聞いたんです。しかし、いよいよ事が問題になってくれば立会人を置いて、聞いた話というので出さざるを得ないだろうと思いますけれど、まあこの段階では私は出さない。  そうしますと、大体相談に来るのは税務署から回ってくるんだそうです。税務署へ呼び出します、たくさん。そしてそのうちの程度のいいのは税務協会の方に回すんだそうです。多少帳簿でも持っていて、相談に乗ってやれば何とかかっこうがつくんではないかといういいのは税務協会の方に税務署が回す。それから何にもなくてどうしようもないようなのはこの第二相談所へ行きなさいと、こういうことになるんです。  しかし看板も出ていないところですからね。結局四谷の場合には税理士会館の中にあるからと、こういうことで税理士会館を教えます。そうしますと、二百万円以下の所得、それから収入、そういうふうなものの人たち——自営業者ですよ、おっかなくて入れないんですよ。結局は行かないんです。  この幹部の一人はこういうふうに自潮を込めて言っていました。税務署がせっせと呼び出して相談の件数を上げる、そういう成績を上げることに骨を折る、この結果呼び出された連中はあわてて別な団体に走る。団体の名前もはっきり言っていました。そういうことになっちゃうんだと、来ないんだと。来ないと件数が上がりませんから水増しをやるんだというんです。水増しをやって請求する。書類だけの審査しか会計検査院はやってないんだからわからないでしょう、書類の検査だけじゃ。呼び出した者の名前をずっと書いて、これだけ来ましたと、こうなるわけですよ。  それから、それについては東京商工会議所、やはりこれも書類の監査をしているんです。それで、こういうふうにつくりなさいと、東商の言うようにつくると、じゃこれでいいだろうと、こうなるというんです。  しかし、税理士も相談員の全員が出てこないというんです。人が来ないですから、一日黙っていなければならぬ。来ない人の分も一応やったことにして、判こはもらうんだと。ただし本人にはその金を渡さないんだそうです。税は一〇%引いてあるから、人件費として、謝金として。四谷のここの場合はそれは物件費に回っています、物件費に。光熱水費だとかいろんなものがあります。それから職員経費とかというふうな方に回って、ただ判こだけついた税理士先生は実際にはお金はふところに入れてないんだと。ただこんなものは経理調べればすぐわかります。実際に入ってやっていただかなければこういう現実はわかってこないんです。私たちもこの現実の中での数字の持っているのもあります。しかしこれはやはりおたくたちの仕事なんですよ、会計検査院のね。どうなんですか。  これは、私、四谷だけいま言いました。北海道も電話をかけました。北海道のある税理士さん、一遍も出ないけれども五万円もらったと言っています。出るはずがないんです、その人は五十二年には病気して寝ていたんですから。私は寝ていたことを知っているから、もしやと思って聞いてみたんです。こういう例は全国にいとまないんです。一、二を挙げますが、大臣、これがいまの実態なんです。こういう予算が平気でつくんです。主計官、どうなんですか、こういう実態についてあなたたちは調べたことがあるんですか。
  86. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) ただいまの話につきましては、昨日伺いましてびっくりしている次第でございます。せっかくお認めいただいた予算でございますので、それが効果的に使われないということは大変問題なことでございまして、私どもといたしましては中小企業庁によく調査をしていただきまして、予算査定の問題というよりは執行の問題だとは思いますけれども、よく実情を調べました上で予算査定にも生かすようにしたいというふうに考えます。
  87. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 この関係については、中小企業庁を通ってはいるけれども、主としてやはり国税庁の方が実際には税務協会にしろ第二相談所にしろ、税務署を通じてかかわり合いを持っているんです。国税庁の方としてもこういう問題に対する見解をひとつお伺いしたい。
  88. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先生いま御質問の東京第二経理相談所と言われますのは東京商工会議所の第二経理指導所ということだろうと思います。その管内に三十六カ所ございますが、これは東京商工会議所とそれから日本税務協会から委嘱を受けました税理士先生が中小企業庁予算と日税協予算ということで記帳指導を行いましてやるわけでございますが、若干御説明申し上げますと、この委託費につきましては、少なくとも国税庁の傘下にあります日税協予算につきましては、その継続記帳指導を行いました場合には指導実績を所轄税務署におきましてチェックをするわけでございます。指導謝金の請求は、日本税務協会から委嘱されました税理士と、実際に指導を担当した者の代表または個々の税理士さんが個々の指導実績を指導実績表という形で取りまとめまして税務署に提出いたします。その指導実績のチェックを受けた後におきまして、今度は税務署を経由して、あるいは直接日本税務協会に提出するという方法もございます。いずれにいたしましても、税務署におきましては指導実績のチェックということにつきましては、指導実績表の作成の基礎となりました個々の指導実績が記入されております青色申告指導カードの内容を点検することによって厳正に行っているつもりでございます。
  89. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 青色は聞いてない。
  90. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 継続記帳指導でございます。そういう形で継続記帳指導につきましてもチェックしておるわけでございます。したがいまして、税務署自体が請求といいますか、きちっとしたチェックをしておりまして、国税庁自体といたしましても、委託金と申しますのは補助金と異なりまして、受託者が委託事業を履行するという反対給付が必要であるということを念頭に置いて委託事業の運用状況を的確に把握してほしいということで、常に検討を確認する必要があるという前提で局署におきましても履行確認者というものを置きます。それから検査監督というものを局が行うということによりまして委託事業の適正な運営と履行ということを十分確保するように努めておる次第でございます。
  91. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それと、実は私は不審に思ったのは、毎年こういうことで相談に来る人の数が総体的にふえているんです、おたくの発表する統計数字によりますとね。それから中小企業庁の方のもふえているんです。ところが地方によって実態は、これは大臣も御存じだと思うんですが、特に過疎地域なんかにおいては小さな人たちも減っていっているんです。そんなにふえるはずがないんですよ、新しく相談に来る人が。相談日に人を集めるのに骨折ったんです。そういう経験があるんです。そして、私たちは何とかやっぱり相談に来る人をつくらなきゃならないからということで一枚かんだこともあります。電話かけてとにかく顔だけ出してくれと。いいですか。これくらい骨折ってももう来ないんです。来なくなってきているんです、税務相談の件数というのは。だから、税務署は今度は相談を委託する税理士に臨戸指導をやってくれということを言い出したんですよ。そうですね。いまそういう指導していますね。しているか、してないかだけ言ってください。
  92. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 五十四年度からは先生指摘のように臨戸指導ということをやっております。その理由でございますが……
  93. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 理由はいい。やっているんですね。
  94. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) はい。
  95. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 理由はどんなふうに理屈つけようと、相談所で待っていても来ないから、件数を上げるために外に出て歩かなければならなくなってきたんです、どんどん来て忙しいんだったならば臨戸指導なんかできないんですから。どんなふうにいま答弁しようと、検査官でひとつ中小企業のあれを調べてみてください。まだ税務協会の方は、そういうことでわりといいのが回されるからわりときちんとしているんですよ。さすがだなと思いました。それでも問題はあります。でも、中小企業庁を通っていく方はもっとひどいんです。大体都道府県からダイレクトにこの種補助金を商工会や商工会議所におろすということは間違いのもとだということを私たちは昔から言い続けてきました。これは当然市町村を通すべきだと。農業だろうが文教だろうが、こうした補助金というのはもうほとんど市町村を通してそれぞれの団体に行っているんです。これだけなぜそうしないんだと。理由はあるんです。それはここではあえて言いますまい。いろんな理由あります。おわかりにならなければ一つだけ言いましょう。中小企業庁のお偉い方が全国区にでも出るときには、末端の商工会議所のこれのお金をもらっている人たちは丸くなって走ります。必ずしもそれだけではないですけれども、いろんな理由はあると思います。しかし、そういう都道府県からダイレクトにやることによって住民が身近に感じないということは間違いのもとになるんだから、やはり都道府県を通すんでなくて市町村を通して交付すべきだということを言ったけれども、やっぱりこれは実現しなかったんです。私はそういう問題意識を持っていたのでおかしいなと思って調べて、東京はよもやそんなことないと思ったんです。地方でいまのような実例を挙げる気になったら幾らでもありますよ。しかし東京もそうなんです。会計検査院、税理士というのは、先ほども申し上げましたようにいろんな書類をとっておく義務があります。そうすると、わりと税理士というのは律儀な人たちが多いですから、そんなごまかしはやっていませんよ。やれないんです。そういう性格でないんです。そうすると実態はわかると思うんです。そういう実態を至急に、まあ東京だけやるというわけにもいかぬでしょうから、大阪に会長います、日税連の。横浜に副会長がいるんです、神奈川県に。何カ所だけかはひとつ緊急に調査をしていただきたい。いまの会計検査院の能力であれば——それは人が足りない、時間がないということはありますけれども、能力であればもう眼光紙背に徹す、入っただけでわかると思います。われわれのような素人が現場へ行っただけでも、これでそんなにできるはずないというのがわかるんですから。  大臣、こういう状態なんです。ちょっと写真をひとつそっちに回しますから。(写真を示す)これでPRして、税務署から回す人以外なんというのは入るはずがないですよ、こんなことで。全部行く人は税務署から呼び出しで回す人というのがもう九九・九%でしょう。それも言われたけれども行かないというのも、何人かの税理士さんに会いましたけれども、本当はこういう金はもらいたくない、だから私たちは自分のふところに入れないで会館の経費なり何なりに全部そのまま寄付しているんだと。さすがに税理士さんですから、そういうふうに回したものはちゃんと、自分のこれは所得に入っていますから、経費で落としているんです。五十二年はもう決算は終わっているんですから、税理士さんを呼んで、その税理士さんの所得調べたって出てきます。一遍人件費で謝金として受けて、それをまた税理士会館なり何なりの経費として相談所の経費の方へバックペイしちゃっているんですから。実際に出た人もお金をもらっていないと言うんです、車代ぐらいだと。大体人が来ないんですからね。一日何人というふうな一つのあれもあるんです。来ないですからそんなにもらえないというんですよ。来ている人たちの分にも水増しはあるし、来てない人の分にもある。調べる方法は会計検査院だから幾らでもあるでしょう。もしもなければ私たちの方でそれは証拠を出してあげてもいいです。ここに何日はこういうことになっているけれども、この日この人はゴルフに行ってましたよとか、たくさん出てくるんです。こういうずさんな実態、このことについてひとつ主計官の方は十分注意をしていただきたいと思います。  それから、大蔵大臣、いま大変財政が苦しいといわれているときです。こういう実態が明らかになってきた場合には予算査定において十分そういう点は配慮する考えがあるかどうか、ひとつお伺いしたい。
  96. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 当然のこととして予算査定の段階で大いに念頭に置いてやるべきことではなかろうかと思っております。
  97. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 大臣、この件について私は何人かの名前も挙げる気になれば挙げられます、実態も。しかしこの人たちはみんな言うんです、余り名前出さんでくれと。特に地方の方へ電話しましたら、実態はこうだと、しかし名前はいよいよになればしょうがないけれども、なるたけ出さぬでくれ、出すと税務署にいじめられると言うんですよ。私のお客さんのところへ毎日行って帳面でも何でも調査されてそういうことがどこかで行われる、こういう実態はそうでしょう。それよりもこの税理士さんはいわく、いまの税理士法、これじゃ困る、今度の改正はですよ。私もその電話で話を聞いてびっくりしましたけれども、いまの税理士試験で五科目一括にして受かるのは四万人受験した中で一人か二人だというんです、四万人の受験生があって。それから科目ずつ受験していって合格するんだって何%なんです。一方で税務署に勤めた人たちは試験免除、残りの科目についても今度の改正では講習を受ければそれも免除されるということになったら、おれたちのところでまじめに働いて税理士試験を受けようと思っている若い連中がかわいそうだ、このことだけは言っておいてくれと言われたんです、こんな不合理があっていいものかと。だけれども、それをわれわれが大きな声で反対すると、いまのようなどこかで何かが起こるのでやれないと、こういう状態なんです。このことはひとつよく考えておいていただきたいと思います。  それで、どうしてそれじゃそういうことが行われているのかなという角度で調べました。五十一年六月に日本税理士会連合会の会長さんから各税理士会の会長に業第四〇号という文書が出ております。この中で各種の団体、たとえば税務協会その他で、あるいは商工会議所等で税理士を雇ってこれに一括してやらせると、こういうふうなことをされたら大変だという反対運動を税理士会がやった、その結果なんです。国税庁の全面的理解があったことによってそれを阻止できたと。ここで税理士会は借りができちゃったんです、国税庁に。これは文書にそう書いてあるんですから。これには東京専税会その他が、税理士会の会の中の記録を見ますといろいろ問題を提起しております。それから、その結果、顧問税理士というふうな制度をやめて、いまの第二相談所というふうなものを税理士会がつくって、これによって無料相談はそこでやりますという形づくりになってきたんです。  この点で何か言いたそうですから、どうぞ。
  98. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) ただいま手元にございませんので第四〇号というものの内容承知いたしておりませんけれども、われわれといたしましては税理士会に借りができたというふうな行政あるいは行政指導をやっているつもりは全然ございません。したがいまして、第二税理士会の問題につきまして、少なくとも日本税務協会が扱っております件につきましてはそのようなことはないと信じております。
  99. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先ほど実は税務署にしかられるというお話がございましたので一言ちょっと申し上げたいと思うのでございますが、釈迦に説法でございますが、私ども少ない人数で税務行政をいかにうまくやっていくかということのために、やはり再々申し上げますが、何とかして小さな業者の方でも自分で帳簿をつけて青色申告なり自分で帳簿をつけた自主納税をしていただくということをやはり一人でも多く進めていくという方針でやっております。非常に熱心な余り、あるいはそういう税務署の方で怒られるというようなことがあるかもしれませんけれども、こういう記帳習慣は、非常に残念なことでございますが低所得者層の間ではなかなか普及しないということが実態でございます。その中にありまして、もう長い間かかりまして日本税務協会の協力も得まして、あるいは税理士会の協力も得ながら、私どもは何とか記帳指導の対象者をふやして、自分で帳簿をできるような方をふやしていくという努力をしております点につきましては、何とかひとつ御理解いただきたいというふうに思います。
  100. 岩井毅

    説明員(岩井毅君) 中小企業庁の関係は私の所管でございませんので、ちょっと何とも申し上げかねますが、税務協会に対する委託費のうちから御指摘のような件があるといたしますとまことにこれは遺憾なことでございますが、先生も御承知のように、会計検査院といたしましては国の業務の委託先にまでただいまのところ検査の権限が及ばないことになっております。しかしながら、契約上、国税当局といたしましては委託先である協会に対しても監査権能を持っておりますので、協会に対しましてもう少し徹底した調査ができないかどうかということにつきましては私どもとしてもさらに検討はさしていただくつもりでございますが、協会からさらに委託しております税理士さん個々の仕事の内容、税理士のつけておられるその記録の内容、その辺まで立ち入って調査をいたすということは非常に困難な問題であるということを御理解いただきたいと存じます。
  101. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 大臣、そこで会計検査院の権限強化の問題が出てくるんです。できないんですよ、ある段階からは。あとはなあなあなんです。ですから、そこのところをひとつ、わが党が前々から主張しているように権限強化、このことについては十分理解をいただきたい。会計検査院というのは憲法上独立した機関ですけれど、予算の面でやっぱり大蔵省にきちっと枠組みにはめられるんです。  ついでですから特にお願いしておきますけれど、イラン石化の問題を初め国費が外国にたくさんいろんな形で出ています。いまの会計検査院の旅費とか、そういう予算の中では外国になんかそんなにしょっちゅう行って調べられませんよ。予算の面で締めておるから調査できないんです。ますます国民の疑惑が深まるというふうなものがありますから、ほかの方のおかしな補助金についてはある程度検討するものは検討していただかなきゃならぬけれど、会計検査院の強化ということについてはこの前も大蔵大臣は大変理解を示していただきましたので、重ねてひとつ要望しておきます。  それからこの問題に関連して、税理士会の問題なんですが、税務協会あるいは第二相談所というふうなところによる税務相談——いま直税部長から話がありましたけれど、税務協会に雇われておる税理士さんの給料というのはきわめて安いんです。給料表もございますけれど二十万前後です。これは世間の常識から考えてそういうあれで勤めるというのは一体どういう税理士さんか、私もそのうち一遍顔を見て歩きたいと思っております、どの程度の能力があるのか。全部税務署の天下りです。  巷間伝わるところによると、こういう話なんです。独立してやっていく——要するに試験免許である程度資格は取ったけれど、それだけの能力のない人だから安くても働くんだろうというような話があるんです。どうなんですか、ここら辺。そんなにちゃんとできるようなりっぱな人を置いてあるんですか。
  102. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先生指摘のとおり、日本税務協会の職員百四十八名、五十四年十月三十一日現在でございますが、そのうち元税務職員が百十二名ということで、税理士資格を持っておりますが、税務相談員という形で従事しているわけでございます。  給与につきましては、先生御案内のように必ずしも高くない給与でございますが、ただ、退職税務職員であるという御指摘でございますが、この協会は、先ほども申し上げましたように、税務その他一般の財務に関する政府の施策の浸透に協力する、これに関する知識の普及啓発に努める、納税思想の向上を図るという目的のもとに小規模納税者の記帳指導や税務相談といった、一般的には非常にじみな、なじみがたい、普通の人ではできないような事業活動を行っておるわけでございます。したがいまして税の精通者を必要としておりまして、やはり当局に対しまして税務におきますエキスパートの退職者をぜひ推薦してくれるようにという御依頼があるわけでございます。また私どもにおきましても、そういう職員が退職後、安い給料ではございますが、その経験とか知識を生かしまして納税思想の高揚というところに非常に貢献している職場でございます。こういう意味合いにおきまして、元の税務職員が日税協の傘下の顧問税理士として再就職しているという事実がございますが、こういう背景につきましてもひとつ御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。
  103. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうすれば、第二相談所というふうな余り税理士さんも好んでいないようなものをやめて、商工会議所が直接そういう人を採用して、直接相談をやるというふうなことに切りかえていったらどうなんですか。そういうことはできないんですか。
  104. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先生指摘のように、確かに日本税務協会に委託いたしまして行います税務相談といいますか記帳指導、その系統と、商工会議所、商工会が行います小規模事業者の経営の改善、合理化のための事業という二つの系統がございます。  しかし、沿革的にはいろいろ違う沿革、先生指摘のとおりでございます。それから目的も、商工会議所の場合には小規模事業者の経営の改善、合理化のための事業の一環として行うということでございます。一方におきまして、日本税務協会の方は納税者によります適正な申告の基礎であります正確な記帳習慣を育成するということでございます。記帳能力の十分でないような方たちを何とか青色申告新規申請に持っていく、それで自計なれさせるというような、いわば申告納税を定着させるための基盤づくりを行うということにおきましてその目的がそれぞれ違うわけでございます。  二重ではないかというようなお話、あるいはそっちに移せばいいじゃないかということでございますが、いずれも小企業者の記帳能力の向上には資するということでございますが、いわば日本税務協会の傘下にあります継続記帳指導と申しますのは、商工会議所、商工会の指導体制が不十分な地域におきまして行われているというのが実情でございます。したがいまして、両者の間の重複は避けながら、まあ両者が補うことによって初めて十分な指導ができるというような体制として私どもは理解しておるわけでございます。先生の御指摘もございますので、その点については今後十分検討はいたしたいと思いますが、現状を申し上げまして、決してむだな記帳指導をやっておるわけではないという点についてひとつ御理解をいただきたい、かように思うわけでございます。
  105. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 部長さん、なかなかさえておるんで、私が税務指導、税務相談という言葉を使うと、巧みに記帳指導というふうに言葉をすりかえるんですよ。これは全く違うんですからね。いいですか。答弁の方も質問に正確に答えていただかないと、いま言った答弁、何の役にも立たぬわけですよ、記帳指導、記帳指導と言ったって、それを聞いているわけではないんですから。  それから、実際は商工会議所が雇ってやるということはできないんでしょう、税理士法上。どうですか、できるんですか、商工会議所が雇って、商工会議所の名において税務指導、税務相談をやるということは、商工会議所の職員として。
  106. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) これは中小企業庁の所管でございますのでちょっと私の方から御答弁申し上げるのが適当かどうかわかりませんが……
  107. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 税理士法上できるかと聞いている。
  108. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 税理士といたしましては商工会議所と契約を結びまして……
  109. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 契約でないの。職員として入って、給料をもらってやれるかと言っているの。
  110. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 職員として入ることも可能ではないかと思います。
  111. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 入ってやれますか。
  112. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) はい。税理士である人が職員になってはいけないということにはならないと思います。
  113. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうしますと、職員として入ることは可能だけれど、職員として入って税理士法上の税理士業務を行うことはできますか。
  114. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 税理士法上は、どこにお入りになりまして税務の仕事に従事することは私は可能であろうかと思います。ただ、中小企業庁の予算の問題といたしまして、そういうような形態が適切であるかどうかということにつきましては、私どもの所管でございませんのでちょっとお答えいたしかねる次第でございます。
  115. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 私は税理士法の問題としていま取り上げているんです。いいですか。そうすると、税理士は給料をもらってどこかの法人に就職して、そこで一般の税理士業務を行えるんですね。税理士法によると、まず事務所を持たなければならないとありますわね。給料をもらっていると、その法人の機関としてやるんですよ。機関として税理士法上の税理士業務が行えるかどうか。本当に行えるんですか。
  116. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 所管でないのでただいまちょっと正確なお答えはできかねますので、また後ほど御答弁申し上げたいと思います。
  117. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 次長どうなんです。
  118. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) ただいま直税部長が申し上げましたように、日本商工会の性格等にかんがみまして、雇用されて税務指導が行えるかどうかにつきましては改めて御答弁申し上げたいと、このように考えております。
  119. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 税理士法の解釈をいま聞いているんですから、所管でないと言えないでしょう。
  120. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 きょうは税理士法の問題を質問するという質問通告をして、質問内容もあらかじめ教えておいたのにそれが答弁できないんですか、大蔵省で。
  121. 福田幸弘

    説明員(福田幸弘君) 税理士業務自体は税理士法に従って税理士個人が行いますので、御質問の形態はいろいろあるかと思いますが、税理士が委嘱者にこたえる形で税務代理、それから税務書類の作成、税務相談というのを自己の責任において行うというのが原則であります。
  122. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 自己の責任においてじゃないんですよ。法人の中の機関として給料をもらって、そこへ入って、命令されて税理士業務が行えるかということを聞いているんです。個人専属権でしょう。
  123. 福田幸弘

    説明員(福田幸弘君) おっしゃるとおり個人の責任において行うわけでありますが、そこで、商工会議所との関係はどうなっておるかの問題でありますが……
  124. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ちょっと待ってください、商工会と聞いているんじゃない、法人と言っているんです。一般論としての法人の中へ入ってやれるかと  いうことを言っているんですよ。
  125. 福田幸弘

    説明員(福田幸弘君) それは原則はできない。
  126. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 できませんね。  次長、これはできないんですよね。私の聞いているのは商工会と聞いているんじゃないんです。さっきから法人と言って聞いていたんです。それから商工会議所の問題が出てくるんです。農業協同組合、中小企業協同組合。中小企業協同組合については判例があります。中小企業等協同組合法に基づく中小企業組合については判例あります。お調べになってください。できないんですよ。それから税理士法の五十二条から言っても、これは個人で行うことになっているし、それはもう個人の責任なんです。一つの機関の中へ入って、給料もらって、命令されて、使用人という立場で、商工会議所だろうが銀行だろうが、そこで税務相談だとか、不特定多数の人たちあるいは特定多数の人たちのあれはできませんでしょう。統一見解はできないんですか。みんな部分的にだけしか言っていないんですよ。私は税理士法第五十二条及び何条でしたか、事務所設置の義務がありますわね。中小企業等協同組合については判例があります。
  127. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) 雇用の形態と申しましてもいろいろな形態がございまして、継続的に謝金をもらっているという問題もあろうかと思います。したがいまして、一般論として法人に雇用されている、その使用人になっているという問題でございますが、謝金を受けているということであればまさに税理士業務は十分できるものと、このように考えております。
  128. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 だれが謝金のことを聞いているんだ、そのことはあたりまえでしょう。給料表に基づく給料、いいですか、これは謝金じゃないんです。税理士の資格を持っていても給料もらってどこへ勤めても構いませんよ、税務署にだっているんだから。税理士の資格持っている税務職員だっているわけです。しかし税理士の業務はできるかと聞いているんですよ。
  129. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) ただいま主税局の方からお答えいたしましたように、その点につきましては税理士の業務はできません。
  130. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 できないですね。  ほかの質問もたくさんあるんだけれども、非常に何かここで戸惑ってしまって時間の配分が少し崩れましたけれども、しかし、あえてこの問題をもう少し追及したいと思います。  できないから、商工会議所が自分のところの給料表によって給料で使って——大臣いいですか、そうして税理士業務を行うことができないんで、それで税理士会に頼んで、こういうややこしい制度にしているんです。  それからもう一つ聞きます。税務協会はできるんですか、どうなんですか。
  131. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) 税務協会に雇用されている場合におきましても、税理士業務が、他に税理士がおります場合に、その指導のもとに相談を受けることは可能、あるいは他の顧問税理士等と常時連絡をとりながらその指示に従って相談を行うことは可能と、このように考えております。
  132. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 問題をそらさないでください。いいですか、他の税理士と相談してとか、そんなことを聞いているのじゃない。だから、税務協会だって各支部にそれぞれ税理士を業とする人たちを置かなきゃならぬわけなんですよ。自分のところにちゃんと税理士の資格を持っている職員がいるんですよ。これだけでは税理士業務はやれないわけですよ。やれないですね、給料表ちゃんとあるんですから、給料表に基づいて明らかに法人の機関として採用されている者が。どうですか。
  133. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) そのとおりでございまして、やはり顧問税理士の存在は必要と、このように考えております。
  134. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それじゃひとつお願いしておきますが、そこのところだけ明確になったので、実はほかの問題もございますので、きょうはこれはこの程度にしておきたいと思います。  ただ、税務協会の職員である税理士が税理士業務と疑わしきことをやらないように厳重に監督していただきたいことが一つ。これらの問題が全部絡んで一般消費税及び税理士法改正というところへ流れ込んでくるんです。そうですね。これらについてはまた別な機会に改めてひとつ大臣にお聞きしたいと思います。  それから、最後に大臣一つだけ。前大蔵大臣が五月三十日の本会議場において私の質問に対して、一般消費税は五十五年度中に導入する考えだということを明言しているんです。その後いつの間にかそれがやめになりました。大蔵大臣から一遍も、本会議場で言ったことは間違いましたという謝りの発言を聞いていないですよ。あなたは後を引き受けたんだから、ひとつどうですか、五月三十日に言ったことは間違ってましたと一言言ってください。
  135. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 政府といたしましては、答申を受けて五十五年度に導入するもろもろの準備を進めてきたわけでありますが、現段階で国民の理解を十分得るに至らなかった、よって五十五年度の財政再建の手法としては一般消費税はとらない、こういうことを決定いたしておるわけであります。
  136. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 決定いたしていることは新聞で知っているんですよ。本会議大蔵大臣がやると言ったのにやらなくなったのでまことに申しわけなかったということがないわけですよ。本会議場でもって明言しているのですから、記録を読んでごらんなさい。大蔵大臣としてやると言ったけれどもやらなくなったので申しわけないと。間違った答弁しているんですから。言えないですね。——いや言えなきゃ言えないでもいいです、時間があれですから。  そこで、実はこの種問題について、運輸大臣も見えたし、刑事局長さんもおいでになっているので、鉄建の問題に関連して御質問申し上げたいと思います。——大蔵省主計官の方、結構です。会計検査院だけ残ってください。  実は両大臣おそろいのところでひとつお話し申し上げたいことがあるんです。  昭和三十九年か四十年だったと思いますが、災害で北海道の池田町の町村道にかけられた増田橋というのが流失したんです。ですからこれは災害復旧で急いでやることになりました。ただし、その間、仮橋をかけなければならなかったんです。中でも奥から木材を搬出している業者は仮橋を早くかけてもらわなければ非常に困る。工事用仮橋だけれども、それを早く通してもらわなければならぬと。その工事用仮橋十三万くらいの予算だったんですが、私にやらせてくれ、急いでやらなければならないからということで七万円で本人が引き受けてくれたんです。その仮橋の仕様書の中でボルトで締めるところがあったんです。それを、ボルトが二本足りないのでそこだけ八番線をぐるぐる巻きにして仮橋をつくって渡った。それで役場の技術屋さんも、まあ締めるよりもあの方が丈夫だし、実際に使っているのが橋をつくって安くやってくれたんだからよかろうということでそれを見逃しちゃったんです。そこで設計変更しておけばよかったんですよ、八番線でも。予算よりずっと少なくやったんですから。まあいいだろうということです。これがその後問題になったんです。公文書偽造で送検されました。私は急いで減俸一カ月の行政処分にしました。それで、検事は行政処分である程度本人の公文書偽造ということの罪は償われているということで不起訴にしてくれました。検事がですよ。しかし送検はしたんです。たったこれだけのことでも地方自治体では非常に厳しい扱いを受けるんです。指導もそういう指導があります。  それで鉄建問題です。行政処分しましたわね。巷間、運輸大臣は業界の代表でもあるので口でどう言おうと厳しい処分はできないだろうと、代議士にしろ。それからやっぱり国の処分だなと、上ほど低いと、こういう声が聞かれるんです。  それで、その処分のときに、私たちは同じような問題で、課長が町議会で間違った答弁しました。知らないで通りましたけれども、次の議会で私は謝りました、そのまま通してしまったと。そして本人は一カ月、助役が二カ月、私は三カ月の減俸処分にみずからしました。上の方ほど重くしておけば処分された本人たちは、気の毒だ、済まぬことをしたということになるんです。上の方を軽くして下を重くすると恨みだけが残ります。こんな程度のことでも文書偽造で送検されるという地方の実態を踏まえて、中央のこの種問題に対する取り組みが大変緩やか過ぎるんじゃないかという気がするんです。  刑事局長さん、おいでになっていますか。——  鉄建問題の処理についてはどの程度進んでおりますか、おたくの方の対応の仕方は。
  137. 前田宏

    説明員(前田宏君) お尋ねの鉄建公団の不正経理問題でございますが、すでに委員も御案内と思いますけれども、民間の弁護士さんとかあるいはサラリーマン同盟でございますか、というようなところからの告発状というものも検察当局に出ておるわけでございます。そのような意味では捜査対象になっておるというふうに申し上げられると思います。  したがいまして、後は具体的にどういうことをやっておるかというお尋ねになるわけでございますけれども、その点は一言で申しますと捜査の秘密ということにもなるわけでございますが、いろいろな角度から検討を進めているという程度でお許しをいただきたいと思います。
  138. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 いまのような事例でも送検までするんですよ。これがまだ検討しているというのは一体どういうことなんですか。やっぱり国同士のなあなあですか、どうなんです。そう言われても仕方ないでしょう。
  139. 前田宏

    説明員(前田宏君) いまの言葉で、あるいは検討という言葉が全然まともに取り組んでいないというふうに御理解いただきましたとすれば言葉が足らなかったことになるわけでございますが、先ほど申しましたように、検察庁としては告発状も正式に受けておりまして、そういう意味で、さっき申しましたように捜査に入っているということを申し上げられるわけでございます。ただ、何をどういうふうにやっているかということをちょっと申し上げかねる、こういうことでございます。
  140. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 国会の答弁で検討するというのは、どうもやらないと同義語のようです、大体において。捜査に踏み込んでいるというふうに理解してよろしゅうございますね。
  141. 前田宏

    説明員(前田宏君) 先ほども申し上げたとおり、そういう告発状等も正式に受理しておりますので、そういう意味で捜査に入っているというふうに申してよろしいと思います。
  142. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 重ねて申しますが、どうも歯切れが悪いんで、告発状等もあったので捜査に踏み込んでいると……、なかったらやらないつもりだったんですか、これだけの問題を。いま言ったように、地方では八番線二つ、実害はないんです、仮橋は二カ月で取ってしまいました。一年後に送検されるんです、公文書偽造で、そんな程度のことが。そして減俸一カ月、こういう行政処分をしなければならないところにわれわれは追い込まれるんですよ。もう少ししゃっきりした答弁できませんか。
  143. 前田宏

    説明員(前田宏君) どうもこれも私の説明の仕方がまずくておしかりを受けたようでございますが、前回も申したと思いますけれども、新聞等でもいろいろと報道されておりますし、当委員会も含めていろいろ国会でも御論議がありますので、その点も検察当局としては十分踏まえて対処しているものと、かように御理解いただきたいと思います。
  144. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 前向きにやるんだという決意をきわめてオブラートに包んで表現したと理解しておきます。  それから運輸大臣、この種問題に対する運輸省を含めて、それから大蔵大臣大蔵省を含めて、明らかに公文書偽造なりその他の刑事事件になるべきものがあるにかかわらず非常に緩やかな、訓告なんというのはあれは懲戒処分ではないですからね、訓告というのは。そんなようなところから始まってあの程度上の方に対してやるから下が乱れるんですよ。いいですか、運輸大臣、ひとつしゃっきりした御答弁をお願いしたいと思うのです、この問題の今後について。
  145. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 国民の大きな疑惑を招きましたこのたびの鉄建公団の不正経理事件は、国家公務員全体に対する大変な大きな影響もあるいは疑惑も発生したわけでありまして、その点につきまして大変申しわけなく存じておる次第でございます。したがいまして、直ちに監督の任にあります運輸省といたしましても、三年前にさかのぼりましてそれぞれの責任者の戒告、厳重注意その他処分を下したわけでございます。また、鉄建公団そのものは、御承知のように、総裁以下責任者には辞職を求めましてやめてもらいまして、新しい総裁のもとで現在いろいろ行われました不正問題の処理、いわゆる返還も含めていま検討中でございます。しかしその中で非常に書類その他整備がまだ行き届いておらない、あるいは非常に不明な点があるということで、これを早急に内容の分析を行っておるようでございます。したがって、先ほど法務省が答えられましたようなことになるかどうかもこれからの公団の調査によって恐らく明らかになってくるのではないだろうか、かように思っているわけであります。  いずれにいたしましても、このような問題を起こしましたことにつきましては、監督の責任にある私といたしましても心からおわびをする次第でございます。
  146. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 丸谷君、時間です。
  147. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 あと五分あるでしょう、三十五分までですね。  鉄建公団に関連してパーティー券の問題で。  何かいままでの国会論議を伺っておりますと、交際費によるところのまあ儀礼、通常のつき合い程度のパーティー券については是認するというふうな見解が示されております。  そこで、実はこのパーティー券の問題を少し掘り下げてみたいと思いますが、直税部長さん、どうしてこのパーティー券は税の対象にならないんですか。簡単にひとつ。
  148. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) いわゆる励ます会のパーティー券でございますが、一般論としてのお答えで恐縮でございますが、その課税関係につきましては、励ます会が人格のない社団等であるという場合が通常の場合でございますので、この場合には法人税法上の収益事業でないということでございますので、法人税の課税関係は生じないということでございます。ただ……
  149. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 結構です。自治省挙部長来ておりますね。——  励ます会等のパーティー券は政治資金規正法上の制限の取り扱いはなぜ受けないんですか。
  150. 緒方信一郎

    説明員緒方信一郎君) パーティー券の政治資金規正法上の取り扱いにつきましてお答え申し上げます。  政治家の励ます会のパーティー券の購入につきましては、そのパーティー券の価格が社会常識の範囲内のものでありまして、その購入枚数も出席を前提としました妥当なものである限りは政治資金規正法上の寄付には該当しないというふうに考えております。  なお、パーティーにつきまして政治団体が主催する場合がございますが、その場合には政治資金規正法上の機関紙誌の発行その他の事業というものの一つとして扱っております。したがいまして、政治団体はパーティー開催による収入及び支出につきまして収支報告書に必要事項を記載して報告をする、かようになっております。それから、政治団体以外の者が行いましたパーティーにつきまして政治団体がその純益から番付を受けました場合には収支報告書に当該寄付についての必要事項を記載して報告する、かようになっております。
  151. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで歳末なんかによくいろんなパーティーが行われます。そうすると料飲店の関係でぼんぼんと判こを押しますわね、地方税務事務所。これはなぜそういう券そのものが課税の対象にならないんですか。
  152. 金子清

    説明員(金子清君) 料理飲食等消費税は、御案内のとおり、旅館、ホテル、飲食店等におきます遊興飲食、宿泊等に対しましてその対価として支払うべき料金を課税標準として課するものでございます。したがいまして、御質問のパーティーがホテルで行われるというような場合には、その飲食、会場使用料などの対価としてホテルに支払われる金額が課税標準になるということでございます。
  153. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで、大体この種パーティーについては二万円のパーティーでもホテルに支払われるというのは五千円くらいで、最初から、もうオーダーするときから、一人前この程度の金で上げてくれというふうなオーダーをしております。そうですわね。そうすると、残りの分は明らかにこれは政治資金等に対する寄付に該当する部分ということを双方が相互に暗黙の了解をしておるわけなんですよ、行く方も。そしてたとえば二万円パーティーで千人といえば二千万上がりますわね。料飲税の方は、しかし一人五千円ということになっていれば五百円の分に対してより課税しないから、料飲税というのはその何割かですわね。そういうことになりますね。
  154. 金子清

    説明員(金子清君) いまお話にございました、たとえばホテルに支払います金額が一人五千円ということでございますれば、五百円の料理飲食等消費税をいただくということになるわけでございます。
  155. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それはホテル側からいただくということですわね。
  156. 金子清

    説明員(金子清君) はい。
  157. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 これは明らかに最初からこういうことがわかっている。結果として余ったというなら別ですよ。二万円の券を出して、オーダーする方には五千円で注文しているんです。この一万五千円は最初から余ることはわかっているんです、相互に。これを税金から出していいという理由どこにあるんでしょう。大蔵大臣、どう思いますか。交際費というのも税金ですよ、公金です。(「委員長」と呼ぶ者あり)
  158. 志苫裕

    委員長志苫裕君) これは大蔵大臣。むしろ政治判断の問題でしょう。
  159. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうです、そうです。あなたはどう思いますかということですよ。——これは大蔵大臣
  160. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 税法上の取り扱いにつきまして直税部長から正確にお答えをいたします。
  161. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 質問は税法上の取り扱いでないのです。税法上の取り扱いはさっきの答弁でわかっているんです。問題は公金として——国家公務員が、いいですか、それから鉄建公団も公務員に準ずるという規則があるんですから公務員なんです、この場合は。公務員が公費で明らかに五千円というふうに考えられるパーティーに二万円の券を買っていくことが正しいと思いますか。わからなかったといえば別ですよ。不明のいたすところでそういうこともあるでしょうけれども、明らかに予知できる、これに交際費という名前の税金から出すことは、これは違法でないんですか。大臣は違法か違法でないかわからなければ、まあ直接お答えになれないとすれば、担当の方だれか来ていますね、その関係の。総理府——
  162. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ちょっと丸谷君の質問が私も聞いていてわかりにくかったけれども、交際費から、すなわち公費ですね。
  163. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 はい。
  164. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 交際費という名の公費からどなたかがパーティー券を買って出る、よくよく考えてみると、それは二万円のパーティー券であれば、最初から一万五千円というのは自分も出て飲み食いの金ではないじゃないかと、一万五千円は事実上は政治資金として持っていくようなものではないかと、そういうことについてどう思うかという質問なんです、大蔵大臣
  165. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 税法上の問題は全く別におきます。  交際費という問題それから当人の認識の仕方の問題等があると思いますので、にわかにお答えできません。
  166. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 予知できた場合です。そういうことを予知できるというような状況の場合です。予知できない場合は仕方がないですよ。それでも公金から出していいという判断をなされるかどうかです。
  167. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 法律上の問題はわかりませんが、およそ予知できないんじゃないかなという感じがします。
  168. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それじゃもう時間ですから、きょうは、この問題非常に法的にむずかしいので……。それと運輸大臣、しっかりやってください。その他、お呼びしておいて大分質問できなかった皆さん、本当に申しわけございませんでしたが、御承知のようなことであしからずどうぞ。御苦労さんでした。
  169. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時四十一分休憩      ——————————    午後一時三十九分開会
  170. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和五十一年度決算外二件を議題とし、皇室費国会会計検査院大蔵省と、それに関係する日本専売公社国民金融公庫日本開発銀行及び日本輸出入銀行決算についての審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  171. 田代富士男

    田代富士男君 最初に、去る十月十二日、参議院の決算委員会がこの委員会の室で行われました。そのときに私は同僚議員であります和泉委員質問に関連いたしまして当時の金子大蔵大臣質問をしたのでございます。質問内容は、十月十一日、決算委員会の前日ですが、運輸委員会におきまして私は鉄建公団の問題について質疑をしておりましたから、それに関連いたしまして、鉄建公団が大蔵省運輸省に対して不正な接待をやっているという事実が出てきておりましたから、こういう問題は厳しく戒めるべきではないか、調査をして指導すべきではないか、こういう趣旨のことを申し上げたのでございます。それに対しまして森山運輸大臣は、一度調べましたがそういうことはないと思いますけれども、じゃそのような委員指摘もありましたからもう一度厳重にそのようなことのないことを願いながらでもやってまいります、こういう謙虚な姿勢でございました。しかし、当時の金子大蔵大臣は、きょうここに会議録も持ってきておりますけれども、この会議録にも明確に金子大蔵大臣は、「本省の官房長を中心にして一々チェックさしております。その結果、いまのところはおっしゃるような事実はございません。」と、こういうようなお答えでございましたから、私は、いまはないとおっしゃるけれども現実に起きてきている、運輸大臣は、じゃ指摘を受けて取り組んでまいりますと、このように言っていらっしゃるんだから、ないということだけでなくして、これをやる謙虚な姿勢が必要ではないですかと、私は再度丁寧にそのように申し上げたのでございます。そのときにも大蔵大臣姿勢というものは、そういう謙虚な姿勢を受けとめるというような姿勢でなかったことを私はその場で受けとめております。だから、いまないとおっしゃるけれども、もし出てきたならばどうするんですかと。ありませんて、じゃ出てきたならばどうするんですかと、私はこのように指摘しております。私が指摘したとおりに、いまそういう事実が現実に出てきているわけなんですが、竹下大蔵大臣は当時の大蔵大臣ではありませんけれども、前大蔵大臣のときのことでございますが、いかがお考えでしょうか。
  172. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 行政府の長たる者、国権の最高機関たる国会指摘に対しては、まさに謙虚に受けとめて対処すべきものである、このように基本的に認識をいたしております。
  173. 田代富士男

    田代富士男君 だから大臣、私はそのような指摘をした。それを受け入れる姿勢大蔵省にないことをいま言っているんです。そういう姿勢を改めてもらいたいと思うんですが、どうなんですか。
  174. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 基本的には謙虚な姿勢であるべきであるという考え方を、これは私のみならず、大蔵省の公務員全体がそういう姿勢であるべきであると、このように思います。  それから、具体的にその後の進め方につきましては官房長からお答えさすことをお許しいただきたいと思います。
  175. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ、もう一つ大臣、お尋ねいたしますけれども、カラ出張の問題が発端になりました。各省、各公社等も、そういうことはないということを願いながらいま調査をされております。大蔵省においても、ないというようなことを言っていらしゃいますけれども、前回のこの接待の問題も、ないということでありましたが出てまいりました。だから、このカラ出張もいまないというようなことを言っていらっしゃるけれども、そうではなくして、大蔵省が中核といたしまして再度このような問題に対しましても、このような綱紀総点検委員会等も発足していることでありますし、この問題もなかったのか。現時点ではそうかわかりませんけれども、このことも、いまから起きてはならないと同時に、現実にはどうであったかということも再度これは大蔵省独自で調査をするなり、これをやるべきではないかと思いますけれども、どうでしょうか。これは私は前には金子大蔵大臣に接待の問題で言いましたけれども、このカラ出張の問題についても謙虚に受けとめて、これも調査をし、やるべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
  176. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私が就任いたしまして、カラ出張等、いわゆる予算の不正流用とでも申しましょうか、そういう問題について事務引き継ぎ後、説明を聞いておりますが、今日まで格別のことはないというふうに承っておりますが、しかし、基本的な姿勢としては、いま田代委員指摘のとおり、予算執行に当たって絶えず御忠告を謙虚に受けとめながら対処していかなきゃいけない問題であるというふうに認識をいたしております。
  177. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ、これは私の要望といたしまして、いずれかの日に私はこの問題で再度質問をすることを申し上げておきまして、きょうはこの問題は一応打ち切っておきますけれども、今後そういう問題も取り組んでいただける、このように私は理解をして終わっておきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。一言……。
  178. 竹下登

    国務大臣竹下登君) この国政審議の場で、今後まだいろいろ御高見を拝聴することは好ましいことであると思っております。
  179. 田代富士男

    田代富士男君 次に、鉄建公団の総裁、おいでいただいておりますが、お忙しいところ、どうも申しわけございません。  鉄建公団が大蔵省並びに運輸省関係がありますから、運輸省に対しまして接待をされたといわれる金額でございますが、これにつきまして明細にお答えをいただきたいと思います。数字でもちまして、種目別に分けていただきましてお願いいたします。
  180. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 二種類ございますが、架空の旅費、カラ出張でございますが、そこから会議費及び交際費等に支出いたしました中で、大蔵省関係は五十三年度分が八十八件、金額で二百五十九万六千円、五十四年度が六十一万円、三十四件でございます。合計三百二十万六千円という計算になっております。
  181. 田代富士男

    田代富士男君 件数の合計。
  182. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 失礼いたしました。件数の合計百二十二件でございます。
  183. 田代富士男

    田代富士男君 私は前もって連絡していたのは、大蔵省と、運輸省もございますからこれもお願いしたいと。  それから、いま二項目とおっしゃったのは架空旅費からの会議費及び交際費に支出された金額ですが、もう一つは正規の手続により会議費として支出した金額もあるでしょう。
  184. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) はい、ございます。
  185. 田代富士男

    田代富士男君 それからもう一つ、債券発行諸費から会議費として支出したお金があるでしょう。
  186. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) はい、ございます。
  187. 田代富士男

    田代富士男君 これをまとめて言ってください。そのために私は種目別と申し上げました。この三種類を明確に言っていただきまして、総額もあわせて発表していただきたいと思います。
  188. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) ただいま、カラ出張から出ました会議費及び交際費の大蔵省分だけを申し上げまして失礼いたしました。  運輸省分は、五十三年度が二百五十八万八千円、件数百五件でございます。五十四年度分が四十四万七千円、二十一件でございます。その合計が、件数が百二十六件、金額三百三万五千円ということになっています。  それから、会議費等で正規に立案いたしまして支出いたしました金額は、運輸省分が五十三年度が二十五件、二百九十七万二千円、五十四年度分が八件、八十五万五千円、合計が件数三十三件、三百八十二万七千円、大蔵省分といたしまして、五十三年度分が百九十三万三千円、十六件でございます。それから、五十四年度が五件、四十八万九千円、合計いたしまして二十一件、二百四十二万二千円ということになっております。それで、運輸省大蔵省を合計いたしますと、五十四件、六百二十四万九千円。  それから、御質問のございました債券発行諸費から会議費として支出した額は五十二年度が三十九万六千円、それから五十三年度分が五十六万円、一件ずつでございます。  総額を申し上げますと、運輸省の五十三年度分は百三十件、五百五十六万円、五十四年度分が二十九件、百三十万二千円でございます。合計いたしまして、件数百五十九件、六百八十六万二千円、大蔵省分が五十三年度分百四件、四百五十二万九千円、五十四年度分三十九件、百九万九千円、合計いたしまして件数が百四十三件、五百六十二万八千円。五十三年、五十四年の運輸省大蔵省分を合計いたしますと、件数が三百二件、千二百四十九万円でございます。  このほかに、先ほど申しました五十二年、五十三年度分の債券発行諸費から出しました二件の金額を加えますと六百五十八万四千円ということになります。
  189. 田代富士男

    田代富士男君 総裁、いま債券発行諸費から会議費として支出した金額を五十三年度分申されましたが、これは五十三年八月十七日分が五十六万円で、五十二年度分とおっしゃったのは五十三年二月十六日分と違うのですか。
  190. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) はい、そうです。それは決算が五十三年の三月末なものですから五十二年度分……
  191. 田代富士男

    田代富士男君 五十二年度分、これでよろしゅうございますですね。
  192. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) はい。
  193. 田代富士男

    田代富士男君 はい、わかりました。  いま鉄建公団から大蔵省また関係の深い運輸省に対して接待費として出された金額が示されたわけでございます。しかし、これは掌握された金額でありまして、まだ掌握されてない金額等もずいぶんございます。大蔵省会計検査院等によって掌握された金額はこれだけ。  じゃ、これに対して大蔵省として、前回の委員会でも指摘いたしましたけれども、その後綱紀総点検委員会が設置されましてこの問題に対処されたと思いますが、対処されてどのような結果が出たのか、大蔵省当局からお願いをしたいと思います。
  194. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 初めに、前回の決算委員会におきまして、まだ調査途中でございましたが、私の報告がはなはだ不十分でございましたために御迷惑をおかけいたしましたことをおわびを申し上げます。  次に、鉄建公団の裏経理の関係につきまして綱紀総点検委員会におきまして検討いたしました結果は、金額、件数はただいま総裁から御報告があったとおりでございます。私どもはこれに対していかなる対処をすべきかということを相談をいたしました結果、まずこの一つは、これらの接待の関係は全体として予算担当官庁としては行き過ぎていたということを認めざるを得ないという考えに立ちまして、関係者の処分を実施をいたした次第でございます。  また、それと同時に、今後におきましてこのような事態の再発を防ぐという意味から、「綱紀の厳正な保持について」の通達をいたしまして、今後につきましては各省庁関係先からの御招待は、いままで社会常識あるいは社交儀礼の範囲内と考えられておりましたようなものも含めまして原則として受けてはならないというような具体的な方針を決めまして、現在この方針を厳格に励行するように努力いたしておるところでございます。
  195. 田代富士男

    田代富士男君 数字もお願いいたします。
  196. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 計数的には、裏の経理からの接待を受けました金額は、五十三年度分八十八件、二百五十九万六千円でございまして、五十四年度分は三十四件、六十一万円、合計いたしまして百二十二件、三百二十一万円でございます。このうち、大蔵省関係者の方を仮に頭割りで計算をいたしますと百三十万円余になるということも申し上げたことがございます。  また、正規の手続の会議費の分につきましては、実は私どもも公的な機関の公の勘定に属するものでございますので、そういう観点からこれは特段の掘り下げた調査ということをいたしてございませんけれども、鉄建公団の方から資料をちょうだいをいたしまして、私どもも同様の数字を手に入れてございます。
  197. 田代富士男

    田代富士男君 いま鉄建公団にお願いをしまして三種類に分けて発表していただきましたですね。これと同じように端的に——こういう言葉を使ってどうかと思いますが、不正経理分の件数とそれから金額と人員、これを三種目に分けて御答弁いただきたいと思います。
  198. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 先ほどお答え申し上げましたように、架空旅費からの交際費の件数は百二十二件でございます。金額は総額で三百二十一万円でございます。なお、この人員は私どもの内部で事情を聞きました者約三十数名でございます。
  199. 田代富士男

    田代富士男君 正規の会議費、それから債券発行諸費から会議費として支出した額。
  200. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 正規の会議費の金額は実は鉄建公団から御連絡をいただいた数字でございまして、二十一件、二百四十二万円という数字をいただいております。人員につきましては、私どももこれは正規の経理によるものでございますのでお答えを差し控えさせていただきたいと存じております。  なお、債券発行諸費から会議費として支出されました額は昭和五十三年二月におきまして三十九万六千円、五十三年八月におきまして五十六万円というふうに伺っております。
  201. 田代富士男

    田代富士男君 いま不正経理分の件数、金額、人員については明確に三十数人であると、このように申されました。私はこの問題に対して、三十数名の人の名簿提出を要求いたしました。しかしこれは出てまいりません。また、いま正規の会議費、これの件数、金額が言われましたが、人員が発表されておりません。これは名簿よりも、これだけの金額がわかっていたならばおおよそ何名であるという、これは正規の会合ですから、正規の会合の人員すらも発表されないというこういう大蔵省の体質、一番最初に竹下大蔵大臣に申し上げたのはこの点です。三十名の人がこういうような不正経理の接待を受けたということが明確にわかっているならば、綱紀粛正という立場で真相究明に取り組んでいるというならば名簿も発表すべきであります。まして正規の会合の人数すらも発表しないという。これは大蔵省姿勢として問題だと思うんですが、大蔵大臣、いかがですか。
  202. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私もいろんな役所のことをそれなりに、ささやかな知識ではございますが知っておりますが、いわゆるプライバシーという問題がどこまでの判断で及ぶものかということが、各省それぞれ問題によって人名等を発表する場合は、一番基準として議論されておるところのようでございます。  したがって、ただいま官房長からその点についての大蔵省——あるいは政府統一した問題ではなかろうかとも思いますけれども——姿勢で申し述べましたのは、公開の席——あるいはそうでないところは別といたしまして、私はプライバシーというものの限界に対するそれなりの見解として、そこまでは公開の席では差し控えさしていただきたいと、こういう答弁になっておるというふうに、私も話を聞きながらでございますけれども感じた次第であります。
  203. 田代富士男

    田代富士男君 竹下大蔵大臣、われわれは、大蔵大臣になられたときには大いに期待していた一人なんです。大蔵大臣は何とか次の日本を背負っていこうかという立場になられる人だと期待しているんですよ。そのお方が、いまのこういう公開をしないという、プライバシーの限界云々で政府が統一見解を出しているというような、そういう意味のいまの御答弁でございましたが、これは統一見解じゃないですよ。先日も参議院の予算委員会が行われました。そのときに官舎の問題で同僚の太田議員が、その官舎に入っている人の名簿を提出してもらいたい——そのときに運輸省であるとかほかの省は全部出てきております。出てきてないのは大蔵省だけなんですよ。ほかの省は出てるんですよ。出てきてないのは大蔵省だけじゃないですか。これは政府統一じゃないじゃないですか。だから、そういう大蔵省姿勢——名簿すらも出ない。じゃ、プライバシーにも限界があるとおっしゃるならば、いま正規の会議費で、正規の会議に出た人員すらも発表しないということは、これはどういうことなんですか。こういうことを出さないと約束したのは政府の統一見解ですか。そこらあたりを明確にしてください。
  204. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 若干私の言葉が不足しておったと思います。政府の統一見解ではございません。それぞれの省でそれぞれの判断をしておるなということは私もかねてから感じておったところでございますが、私の記憶しております公務員宿舎にそれなりにずっとおる人の氏名について、ある省は明確にこれを発表し、大蔵省はABCでございますか、そういう形で公式の場所ではお述べをしておった。それは大蔵省の中で個々に対するプライバシーの角度から判断した基準であって、それはそれなりの、私は非常に言葉で言い尽くせない問題でありますけれども、それなりの意義はあると思います。ただ、人数は言えないかということにつきましては、これはもう一度官房長の方からお答えをいたします。
  205. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) ただいまの名簿の点につきましては、私どもも調査をいたしまして、一部の者につきましては行き過ぎがあったという判断をいたしまして、これを処分いたしたわけでございます。これらの者につきましては氏名が公になるということはまことにやむを得ないところであると存じておりますけれども、その他の者につきましては、いろいろ事情も聞きましたのですけれども、その会合の目的でございますとか回数でございますとか総合的に考えまして、これは私どもとして処分をするには至らない程度のものだというふうに判断をいたしたものでございます。したがいまして、先生の御指摘でございますけれども、これらの処分をするに至らない程度の事跡の者につきまして、この席で氏名を申し上げるということは御勘弁をいただきたいと存ずるのでございます。  なお、正規の会議費の人員につきましては、ただいま大臣からもお言葉がございましたが、先生の御質問お答えを申し上げます。  これは私どもも鉄建公団の方から資料をいただきまして現在把握している数字でございますけれども、五十三年度分につきましては延べで八十九人、五十四年度分につきましては延べで二十四人という数字を把握いたしております。五十三年度分八十九人、やや多いようでございますけれども、これはたとえば夜食の差し入れを受けたというような場合の人員も含んでおるということでございます。
  206. 志苫裕

    委員長志苫裕君) まだ答弁漏れています。債券発行費のは。
  207. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 債券発行費につきましては、私の方でまだ内容を把握してございませんので、この場でお答えができません。御了解を願います。
  208. 田代富士男

    田代富士男君 この問題はまたいずれ明確にいたしますけれども、そうしますと、ここで鉄建公団と大蔵省とで話し合いでいま煮詰まってきている段階でございますが、接待を受けた件数が約百五十件あります。これは期間にしまして十六カ月間に百五十件、一カ月にしますと月に十回、月に十回ということは三日に一回という接待を受けたことになるのですが、これは単純な数字でございますけれども、多いと思われますか少ないと思われますか。これは鉄建公団と大蔵省両方から答えてください。
  209. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 全体として私ども率直に申し上げて、いかにも多いと存じまして関係者の処分をいたした次第でございます。
  210. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 鉄建公団といたしましてこういう不祥事件を起こして申しわけございませんが、数字を見ますと大変多いという感じがいたしまして、今後こういうことのないように厳重に注意しているところでございます。
  211. 田代富士男

    田代富士男君 次にお聞きいたしますけれども、いま示していただきました数字で、不正経理分の数字は一件当たり二万六千二百七十八円、大蔵省関係は大体一件当たり一万六百五十五円。正規の会議費の場合は一件当たり十一万五千三百三十五円、大蔵省は一件当たり五万二千三百八十円、まあこのように数字の上で出ておりまして、不正経理分の一件当たりの金額と正規の会議費の金額と五倍からの違いがあるわけなんです。この数字に対してどのような考えをお持ちであるのか。いま申した大蔵省と建鉄公団両方から答えてください。
  212. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) これらの使途、内容等につきましては、私どもも必ずしも十分に把握をいたしておりませんので、明解な御説明を申し上げることははなはだ困難でございますけれども、この公式の、規模の大きな会合が表の経理によって支弁をされていたという姿がどうもあらわれておるように思うのでございます。
  213. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) ただいまのお答えのようでございまして、正規の方はちょっと格式張ったところに行っているようでございますし、架空の方はわりあい簡単なところで済ましたというような傾向でございます。
  214. 田代富士男

    田代富士男君 まあ数字からはそういう数字が出ておりまして、私はこれを大蔵省関係者にお聞きしましたら、不正経理の分についてはそういうような格式張らないところで行ったと、こういう御説明でございましたが、私はこれはすんなりそのように認めるわけにはまいりません。ほかの省の幹部の人に聞いてみましたら、スナックなどの軽食などでは、そういうところで大蔵省の皆さんたちが済ますというようなことは絶対ありませんよ、必ずそういう格式のある——いま格式のあるとおっしゃった、格式のある場所で食事をされるんです。それも何万円という。これは当然です。だから、そういうことを一律にそれは格式のないそういう店でやったなどと、これはごまかしですよと、ある複数以上の省庁の人に聞きましたら、こういう答えなんです。  だから、こういうことを考えた場合に、不正経理分では格式のないところでの接待であるということでありますが、これも全部が全部そうではないと思うんです。格式のあるそういう場所においても開かれた、そういうものがあると私は思うんですけれども、この綱紀総点検委員会の中心者であります官房長、いかがでございましょうか。ないとなればこれは出さざるを得ない。私はあると思う。いかがでございましょうか、そこらあたり。
  215. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) この裏の関係の調査には大変困難をいたしまして、領収証のあるものもございますが、領収証がございませんために、関係者なり相手先からいろいろお聞きしたようなものも入ってございます。したがいまして中には内容の一々は不明だというものも含まれている状態でございますので、私もいま御指摘になったようなものが全くないと、ここで申し上げ切るだけの自信はございません。この不明の中にあるいはそういったもののある可能性まで否定するわけにはまいるまいと、こういうふうに考えております。
  216. 田代富士男

    田代富士男君 まあそういうこともあるということで、今後そういうことがあってはならないということで委員会でやっていただきたいと思います。  そこで、いま公式の会議の場合は正規の会議費、これは一人当たり五万ないし六万円、これは官房長が過日の新聞にも五、六万の金がかかるということを発表していらっしゃるその記事で、私は大蔵省関係者に、これはどういうことなんですかと端的に聞いてみました。そのときに、予算編成の前後、あるいは人事異動があったときには顔つなぎ、そういうようなことでこのくらいの費用がかかる場合がありますと、こういうお話なんです。  そうしますと、一人五万円かかると、三名ないし五名参加したといたしますと、予算が通る前後、人事異動があったとき。そうしますと特殊法人の百十一、その他官庁入れますと概算約百五十ある。これをこういうような考え方で単純な計算をいたしますと、三名で招待を受けた場合には概算しますと約七千万円弱、四、五名になりますと一億を超えます。一億内外の接待費ということになるわけなんです、単純計算で。そうした場合に、これは儀礼的なものである、慣例であるということであるけれども、これは表だから今後ともこういうことは慣例として続けていくのか、不正経理の分だけ引き締めて、これは今後も続けるのか。この点もさらに検討をして綱紀粛正をしていくのか。これは竹下大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。大臣の決意を。
  217. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 省庁間の接待につきましては、後から官房長の方が詳しく申し述べますが、いわゆる儀礼の範囲内というようなものでも、その局々の責任者、すなわち総務課長の判断を得た上でないと行かない、したがって、従来のような、御指摘のあったようなものには出ない、こういうことを決めたというふうに報告を受けております。
  218. 田代富士男

    田代富士男君 大臣の決意はいかがですか、報告は聞いたけれども、決意。
  219. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私もかくあるべきものであると思っております。
  220. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 先ほどもお答えを申し上げました「綱紀の厳正な保持について」という通達をいたしました際に、従来漫然と、これは常識の範囲だ、あるいは儀礼の範囲だということで考え、見過ごされてまいりましたものも含めまして、今後におきましてはやはり財政当局としての、公務員としての姿勢を正す意味で、原則としてこれを一切お受けをしないと。したがいまして、それは、御指摘の裏勘定であるから受けないが表勘定は別だというようなことなしに、それらも含めましてこういう種類の会合については御辞退をするという方針でございます。
  221. 田代富士男

    田代富士男君 いま、委員会から「綱紀の厳正な保持について」という、この通達の内容をいただいておりますが、会食等についてはいまお話しなさったとおりですが、ここに「なお、いわゆる陣中見舞についても、これに準ずること。」と、このように書いてございます。陣中見舞いとなりますと、私たち議員は選挙のときの陣中見舞いかと、こういう感じをいたしますけれども、これは選挙のときでなくて、よく聞きますと予算の編成時期だとか何かいろいろの忙しいときには、特に大蔵省に対しては弁当、それも単なる弁当ではなくして格式の高い弁当ですね。それで、いま御答弁が決められておりますが、格式の高い弁当が差し入れされ、それに果物もついて差し入れされる。それがこの「陣中見舞」であるというようなことを私は認識をいたしましたが、鉄建公団はずいぶんこの陣中見舞いをなされたということを聞いている。なぜ陣中見舞いをしなくてはならなかったのか、これは総裁にお聞きしたい。また、そういう陣中見舞いを受けることは、これはあたりまえである、定例化されていた、これは役所として大蔵省として肯定していたのか。ここらあたり明確にしていただきたい。
  222. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 鉄建公団といたしまして、先生が御指摘のようにかなり金額が多うございます。この中には、そうりっぱなといいますか格式の高いものだけとは思いません、ごく普通の弁当というようなものもございますが、いずれにいたしましても鉄建公団そのものが大蔵省の方々とか運輸省の方々にそういう度を過ぎたことをしたということに対しては本当に申しわけないことだと思っておりますし、今後かかることのないようにただいま引き締めをしている最中でございますのでお許しを願いたいと思うわけでございます。
  223. 田代富士男

    田代富士男君 なぜされたのかということを聞いている。なぜされたのか。必要があったのか。
  224. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) やはり、いろいろ予算等のお話で御理解を得るということをする場合、よく言えば人情的にそういうことをしたのではないかというふうに考えております。
  225. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 御指摘のように、予算の編成時期のような連日深夜勤務が続きます際にいわゆる差し入れをいただいておりましたことは、これまでそういう事実がございます。ただこれにつきましても、それらが公的な機関からあるいは公費によってそういうものをいただくということは、これはこの際姿勢を改めなければならないということで、この種の差し入れにつきましても、委員会で結論を出しまして以後、厳にお断りをいたしておりまして、ただいまも予算編成の時期でございますけれども、一切御辞退をいたしております。
  226. 田代富士男

    田代富士男君 こういう、いま質問を申し上げたいことはまだるるございますが、ほかにも質問する事項がございますから、これでこの問題についてはやめますけれども、いま挙げられた数字は全体の中のごく一部なんですね。  私はここに不正に経理した旅費のうち、会議費等として使用したものの使途内訳をいただいておりますけれども、この会議費的経費の金額が五千六百三十六万八千円の全額が出ております。そのうち裏帳簿、領収証により使途の内容を明確にできたものが一千百二十七万四千円、二〇%だけ、あとの八〇%はカラ。これは明確にされておりません。今度は、交際費的な経費として出されている金額が一千六百八十六万円。この中で確認できたのが五百六十六万六千円、三三・六%。あとの約七〇%は明らかにされてない。雑費として九百九十四万円出ている。明らかになったのが三百一万五千円、三〇・三%。この三つをトータルしますと、八千四百三十五万四千円のうち、明確に確認できたのが一千九百九十五万五千円、二三・七%である。その二三・七%の中であっても、いま申し上げたこれの約三倍ないし四倍のそういう接待費が行われていた、これが明らかにされてないんですから。事実は、いま論議したこれの三倍、四倍のものが行われていたということになるわけなんです。しかしこの実態は会計検査院がどのように調査しようともこれは掌握できませんから、これは前総裁と違って新総裁は、ここの部分は鉄建公団独自の自発的な努力として解明すべきであると思いますけれども、決意のほどはいかがでございましょうか。
  227. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) ただいま御指摘のようなことがございまして、まことに申しわけございませんが、この不明金——解明されない部分につきましても、会計センサーの方にできるだけの資料を提出いたしまして精査をお願いしているんでございますが、なかなか会計検査院の方で御納得のいくような資料が出ないというようなこともございまして、会計検査からの結論を得ることが非常にむずかしそうに現段階では思っております。したがいまして、公団といたしましてはできるだけの資料を集めまして、そうして返還等の問題もかかわりますので、その金額を公団として決めまして、返還等の処理を考えるというようなつもりで現在作業を急速に進めている段階でございますので御了承を願いたいと思います。
  228. 田代富士男

    田代富士男君 それで、次へ質問は移りますが、こういうような今回の事件に対しましてサラリーマン同盟の人が五十四年十一月六日、川島総裁外六名を東京地検へ告発をした問題がありますけれども、これは事実でしょうか。
  229. 前田宏

    説明員(前田宏君) お尋ねの点につきましては、新聞等にも報道されておりますとおりでございまして、事実でございます。
  230. 田代富士男

    田代富士男君 そこで、五十四年十月二十二日、会計検査院より鉄建公団の旅費の不当経理についての報告書が出されました。その中に、旅費の「支払額について旅行の事実の有無を調査したところ、」「旅行命令書、旅費請求及び領収書等の関係書類を作為する」と、このように書いてございますが、「作為」というのはどういうことなのか。偽造したということなんでしょうか。これは検査院にお尋ねいたします。
  231. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 御質問の「作為」したという意味でございますが、これはまあ旅行命令権者は旅行命令書に旅行に関する事項を記載いたしましてこれを当該旅行者に提示しなければならないということになっております。それなのに旅行の事実がないのにこの書類をつくってございますので、明らかに作為だと考えたわけでございます。  それから今度、旅費を請求し受領する者といたしましては、所定の請求及び領収書というのを添えて要求することになっておりますが、これも旅行の事実がないのにそういう書類を出していることは作為だと考えたわけでございます。
  232. 田代富士男

    田代富士男君 それは偽造ということですか、一般的な言葉で言えば。
  233. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) そう考えます。
  234. 田代富士男

    田代富士男君 こういう偽造した行為が行われたということは明らかでございます。そうしますと、刑法百五十六条、これは虚偽公文書の作成のことに対する規定です。また百五十八条、これは偽造公文書行使について明記されてございます。これは御承知のとおりでございます。そうして鉄建公団法十八条、これは刑法その他の罰則の適用については公団職員は公務員とみなすと規定してあります。このことからするならば、鉄建公団職員が旅行命令書等の書類を作為したというのは、刑法百五十六条及び百五十八条の公文書偽造及び行使の罪の疑いが濃厚であると思いますが、法務省の立場としていかがでございましょうか。
  235. 前田宏

    説明員(前田宏君) やや法律論めいたことで恐縮でございますが、御指摘の点は偽造といいますよりも、われわれの使います言葉では虚偽公文書作成ということに当たるのではないかと思います。ただ、その点は午前中もお答えしたところでございますけれども、検察当局の捜査対象になっているところでございますので、検察当局としては事案に応じまして適切に処理するものと、かように考えております。
  236. 田代富士男

    田代富士男君 いまさきの偽造ということは虚偽公文書作成ということだとおっしゃるけれども、こういう疑いがあるから、事実があるから法務省としては取り組むと、このように理解してよろしゅうございましょうか。簡単な返事で結構です。
  237. 前田宏

    説明員(前田宏君) ただいまも申し上げましたとおり、検察当局のいわば捜査対象になっております。
  238. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ、検査院にお尋ねしますが、検査院の職員は検査の段階で、公団職員が書類を作為した事実を犯罪の疑いがあるとは考えなかったのか、考えなかったとしたならば理由は何であったのか。簡単にお願いします。
  239. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 虚偽公文書作成・行使には該当していると思っております。
  240. 田代富士男

    田代富士男君 そこで、検査院といたしましては、この検査に関連して、昭和三十年十一月十八日の最高裁の判例を参考とされたのか。この判例に照らしても犯罪の疑いが考えられると思います。この最高裁の判例は昨日お渡ししてございますが、概略申し上げますと、福岡県の財務事務所長、そういう人たちが架空の請求書に基づきまして虚偽の支払い確定通知書及び支払い通知書を作成・行使しまして、県支金庫係員をだましまして現金を交付させ、特別会計の項目を設けて予算上何の拘束も受けず、当人たちが交際費、接待費を含むどんな目的にも意のままに使い得る違法な資金のプールをした事実に対しまして、単なる財政法規違反としての予算の流用ないし公金の移管にとどまらないで虚偽公文書作成、同行使詐欺罪を構成する、こういう内容になっておりますけれども、いかがですか。
  241. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 旅費等を不正に経理いたしまして、それを捻出して他の費目に充当しているという事態についてはいろいろな判例がございます。したがいまして、先生ただいま申されましたようなこの事例は明確になっておりますが、ただ私どもとしては、具体的な範囲や、それから当時の状況というのを明確に個人に一々確かめませんといかんとも判断いたしかねるところがございますので、私どもの検査ではそこまでの徹底は現在できていないところでございます。
  242. 田代富士男

    田代富士男君 いま私が引用しました最高裁の判例でございますが、この最高裁におきます公務員の犯罪についての判例が、会計検査の上でいろいろ参考にすべき判例などもあるわけなんですけれども会計検査院として十分にこうした面についての調査研究を進めるべきではなかったのか、私はこう思うんですが、その研究を怠っていたところからカラ出張に、まあこれは簡単にメスを入れるわけにいかないんですけれどもメスを入れることもできなかったのではないか、私はこのようにも考えておりますけれども、これに対するお考えはいかがでしょうか。
  243. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいま先生指摘のこの問題につきましては、会計検査院全般にわたる問題でございますので、私どもの方で法律を担当しております法規課とも連絡をとり、また各課とも、各局とも歩調をそろえて徹底的に研究してまいりたいと存ずる次第でございます。
  244. 田代富士男

    田代富士男君 法務省、刑事訴訟法の二百二十九条、ちょっと簡単にここで御説明願います。
  245. 前田宏

    説明員(前田宏君) いま条文を手元に持っておりませんが、公務員が職務を行うに当たって犯罪ありと思料するときは告発すべきものである、こういう趣旨の規定だと思います。
  246. 田代富士男

    田代富士男君 そうしますと、二百三十九条の二項は、公務員が職務上犯罪があると考えるときは告発しなければならないという法律上の義務を課した義務規定ではないかと思うんですけれども、法務省の見解としていかがでしょうか。
  247. 前田宏

    説明員(前田宏君) 規定としては、いわゆる義務規定ということになっております。
  248. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ検査院にお尋ねいたしますが、そうしますと、法律上の義務違反があった場合は国家公務員法八十二条をまつまでもなく懲戒事由となるわけなんですが、会計検査院は検査院の職員に義務違反がある場合厳重に処罰する用意はあるんですか、どうでしょうか。お考えを聞かしていただきたい。
  249. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) この問題につきましては、私どもの役所の検査の体制が、具体的に調査官が一々の現地の事態について調査してまいりまして、それを課に上げ、そして課で審議して、局でさらに審議して、その結果不当であるというふうに判断いたしました場合には、最終的には検査官会議の議を経て不当事項として出すことになっているわけでございます。  そういうように、会計検査院という組織がその組織としてこの不当事項というものを出しておりますので、どの段階において官吏としてのそういう告発ということをやったらいいのかということが非常にむずかしい事態でございますので、従来私どもは検査報告に公表すればこれは明らかになるということからそういう処置をとらずにきたわけでございます。
  250. 田代富士男

    田代富士男君 いま、検査報告に明らかにすれば、まあいつもお話を聞いておりますが、社会的制裁を受けるからそれと同等のものになるんではないですかというような話を聞きましたけれども、法律の上から考えた場合にはそうは簡単にはいかないと思うんです。そういう意味から、公務員として検査院職員は、まあ検査院としましては、いまさっき申し上げましたとおりに、十一月の六日にサラリーマン同盟から告発される以前に鉄建公団職員を告発すべきでなかったかと思うんですが、重ねてこの点に対してお答えはいかがですか。
  251. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) この問題につきましては非常に広範多岐にわたっております。そして私どもの方で調査いたしましたのは、結局一件一件そういう事態があるわけでございます。それが千数百人に及ぶことになるわけでございます。それを私どもとして一人一人それについてその事実を確認して、そしてそれを明確にして告発するということが非常に困難でございますので、会計検査院としては検査報告に掲記するということで公表すれば当然これは周知していただけるだろうということで、従来からこういうものについては告発ということをとらずに検査報告で公表するという方針をとってきたわけでございます。
  252. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ鉄建公団の総裁にお尋ねしますけれども、いわゆるカラ出張を命じられた職員が虚偽文書の作成を命じられたとき、これが犯罪であるから告発するという義務が刑訴法二百三十九条によりその人に課せられている、このように理解しているわけなんですが、その義務違反は総裁の処罰の対象になるのではないかと思いますが、総裁いかがですか。
  253. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) この件は法律論といたしましてそういうふうになるかというふうに思うんでございますが、実は、公団の職員、ことに命じられた者あるいは現場において命じた課長等でございますが、そういう者が刑法あるいは刑事訴訟法等の細かいことを承知をしていなかったというのが実態ではないかと私は思っております。しかし、いま先生のような御指摘がございまして、検査院なりあるいは運輸省からもいろいろの見解がございますので、その辺を踏まえまして、今後は、こういうことがあるんだということを十分徹底するように努力してまいりたいと思うわけでございます。
  254. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ総裁、きょう支社長会議だということでございますから、本当にお忙しいところありがとうございました。総裁結構でございます。  引き続いて質問しますけれども、検査院にお尋ねいたしますけれども、国または公社の会計事務を処理する職員の職務上の犯罪について、会計検査院は院法三十三条による通告義務が明確でございます。昭和二十二年から二十七年にかけ九件の実例があることは御承知のとおりでございますが、特殊法人のみなし公務員については、この際刑訴法二百三十九条による告発義務規定を厳格に適用すべきであると思いますけれども、決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
  255. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 先ほどお答えいたしましたように、その問題も含めて法律的に十分検討して取り組んでまいりたいと思っております。
  256. 田代富士男

    田代富士男君 そこで、大蔵大臣、いまいろいろ私は質疑をしてまいりましたけれども、こういう綱紀の紊乱というのは、組織の内部にあって一部の不正をなれ合いで見過ごすうちにだんだんとこれは習性化してくるのではないかと思うんです。そういう意味から、綱紀の粛正の中には、公務に従事する一人一人がえりを正して不正を防止するようにしなければならないと思うんですが、そのためにもこのような告発義務が規定されているのではないかと思うんです。そういう意味から、刑訴法二百三十九条のような現行の制度を総動員しまして根本的に綱紀の粛正に努めるべきであると思いますけれども、きょうは大蔵大臣が御出席でございますから、政府を代表してこれに対する決意をお聞かせいただきたいと思います。
  257. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 綱紀の粛正という問題は、まさに私どもが閣僚として初めて臨みましたいわゆる初閣議におきまして申し合わせをし、そして総理からもこれについて強い御発言があったところであります。したがいまして、基本的には委員指摘のとおり、公務員一人一人がみずからのえりを正して、そういう自浄作用とでも申しましょうか、それが基本的なものであらなければならぬ、言ってみれば、罰則を伴うような法律が要らないほどお互いが自戒して事に臨まなければならぬ、こういうふうな気構えであらねばならぬと思っております。
  258. 田代富士男

    田代富士男君 引き続いて会計検査院にお尋ねいたしますが、今回のこの委員会に当たりまして、会計検査院から公団、公庫への就職されたお方の資料をいただきました。この資料は五十四年十月九日現在の資料でございます。この第一回目にいただきいたしました資料は、就職先が大阪国際空港周辺整備機構へ監事として松田賢一さん、離職時の官職は第二局長。それから京浜外貿埠頭公団の監事として立花寛英さん、第二局の参事官。雇用促進事業団の監事に本村善文さん、第三局長。国家公務員共済組合連合会理事に服部桂三さん、第一局長。畜産振興事業団監事に田代忠博、第一局長。日本小型自動車振興会監事に宇野芳夫さん、第五局監理課長。日本住宅公団監事高橋保司さん、第二局長日本鉄道建設公団監事石川達郎さん、これは事務総長。この資料をいただいたんです。ところがその後に、この資料を出したのは間違いでございました、間違ったところがありますと第二回目の資料がまた出てまいりました。第一回目の資料と第二回目の資料——第一回目の資料がどこが間違っていたのか、この資料をお届けしますから御説明いただきたいと思います。一ページが第一回目の資料です。二枚目が第二回目の資料、同じ五十四年の十月九日。第一回目の資料は間違っておりましたと。説明をお願いしたい。(資料提示)
  259. 岩井毅

    説明員(岩井毅君) お答え申し上げます。  この問題、実は一局長である私の所管ではございませんが、これを見ますと、第一回目では、石油公団の監事に出ております中村祐三、元の事務総局次長でございます、これが落ちていたせいではないかと思います。あとはこのとおりでございます。
  260. 田代富士男

    田代富士男君 冗談じゃないですよ。いまのおっしゃった言葉で間違いないですか。もう一回言いますけども、よく見てください。
  261. 岩井毅

    説明員(岩井毅君) どうも私初めて拝見いたしました資料でございますので——もう一つございました。国際協力事業団の監事阿部一夫、第四局長でございます、これも落ちております。それと——ちょっとチェックをいたしますので失礼いたします。——とうも申しわけございません。改めて御答弁さしていただきます。  第一回の資料では、先ほど申しました石油公団の中村祐三監事、国際協力事業団の阿部一夫監事、これが落ちておりまして、第二回目のではそれが訂正されておりますが、第一回目にございました国家公務員共済組合連合会の理事になっております服部桂三、これが第二回目の資料では脱落いたしております。
  262. 田代富士男

    田代富士男君 これだけ時間をかけたんですが、もう一人落ちている人がおりませんか。何のチェックをしているんですか。
  263. 岩井毅

    説明員(岩井毅君) 失礼をいたしました。日本小型自動車振興会の監事宇野芳夫、これも第二回の資料で脱落いたしております。
  264. 田代富士男

    田代富士男君 私の質問は、第一回目の資料が間違いでしたと第二回目の資料が出ているんです。間違いがどこにあったかと。落ちていることはわかっているんです。何で間違いがあったのか、そこを聞かしていただきたい。何で二人が落ちたのか。
  265. 岩井毅

    説明員(岩井毅君) 私といたしましては、人事の担当でもございませんし、この資料作成にタッチいたしておりませんので、その辺につきましては御答弁を差し控えさしていただきたいと存じます。
  266. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ調べてください、すぐ。
  267. 岩井毅

    説明員(岩井毅君) はい、戻りまして担当の方へ早速連絡いたして、調査の上御返事申し上げます。
  268. 田代富士男

    田代富士男君 待ちますから調べてください。
  269. 岩井毅

    説明員(岩井毅君) はい。
  270. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 田代君、どうしますか。
  271. 田代富士男

    田代富士男君 委員長、これ待ちます。——  じゃ、これ以外の質問をいたしましょう、待っている間。
  272. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 時間も迫ってくるから、先をやってもらいましょう。
  273. 田代富士男

    田代富士男君 はい。じゃ、別の質問いたしましょう。それは後にいたしまして、次の質問をいたします。  サラ金の問題に対して御質問をしたいと思います。  サラ金の規制は前回の通常国会の折に自民党と社会党、公明党、共産党の野党三党からそれぞれ提案をされましたけれども、与野党案が最大の対立点でありました利息制限法の適用除外をめぐりまして意見が対立してすべてが廃案となっております。しかしこの問題は放置できないわけでございまして、この法規制に対する大蔵省考え方を明らかにしていただきたい。だから、部内の調整がむずかしいからここもこの解決に至ってないのか、このような議員立法を待ちかねているのか、そこらあたりの大蔵省の態度を明確にしていただきたいと思います。
  274. 米里恕

    説明員(米里恕君) 貸し金業者に対する規制につきましては、先生よく御承知のようないろいろな社会的な問題が出ておりますので、大蔵省といたしましても早急に法律による規制措置が必要であるというように考えております。  御指摘のように、さきの第八十七回、第八十八回二回にわたりまして、自民党、各党から法案が出されたわけですが、御承知のような諸般の事情で廃案になったわけでございます。私ども大蔵省といたしましても、この問題の重要性にかんがみまして、規制法案が次期通常国会で早期に成立することを期待しているものでございます。
  275. 田代富士男

    田代富士男君 そこで、このサラ金の問題は放置できない問題で、いろいろな被害が起きておりますが、被害状況につきまして検挙事例などのデータから、説明を警察庁からお聞きしたいと思いますが、特にこれまでの事例と変わってきたことがあったならば、その点の説明もあわせてお願いしたいと思います。
  276. 佐野国臣

    説明員(佐野国臣君) お答え申し上げます。  件数的に申し上げますと、五十二年から五十四年にかけましての三年間では、私どもの検挙数で申し上げますと、ほぼ横ばい状況でございます。  ただ、自殺者あるいは家出の問題について御開心があろうかと思いますので、その点について申し上げますと、たとえば貸し金業の利用者の自殺としまして、五十三年は一応百八十人という数字を私どもつかんでおります。ただ、五十四年、今年度は十月末の数字ではございますが、一応それが七十四という数字に減ってまいってはおります。それから家出者の数でございますが、これも五十三年では二千二百三名という数字がございましたが、五十四年の十月末現在ではそれが千五百十七ということで、こちらの方も数字としては減ってきてございます。  それからあと取り締まりに当たりまして、わが方あるいは相手方、業者の関係、被害者の関係につきましてやや目立った点について申し上げますと、中小の貸し金業者の中には依然として悪質巧妙な業務を続けておるという者がございます。特に、法規制のいろいろな問題点というものがわかったせいか、証拠隠滅というふうなことをいろいろやるということから、警察の取り締まりにいささかむずかしさが出てきておるというふうな問題もございます。  それから、高金利違反で検挙された貸し金業者の大部分は、貸し付けの規模も小さく、資金もまた他人から借りている、借りているために、そこへの利息を払うためにまた高い金で貸し付けるというふうな面もあろうかと思います。  それから被害者側の方の関係で見てみますと、五十二、五十三、五十四年度に全体の借り受け理由を生活費、営業資金、それから物品購入、レジャー、ギャンブル、その他というふうな区分でいたしてみたわけですが、たとえば五十二年は生活費、要するに私ども検挙した被疑者にかかわる被害者でございますが、その被害者について借り受け理由をいろいろ調査した結果、五十二年の数字で見ますと、生活費が三六・三%だったということでございますが、五十四年現在ですとこれが逐次減ってまいりまして、現在では三一・四%ぐらいになっております。全体の借り受けの何といいましょうか、項目の中の構成比で言いますと一貫して減ってきております。ところが営業資金として借りておるパーセントを申し上げますと、五十二年が一九・八%ですが、五十四年には二三・三%ということで、営業資金の関係はこの三年間継続的にふえてきております。あと物品購入という名目で借りておる方のパーセンテージですが、これも五十二年は八・八%で、それが五十四年には一〇・八%というふうなことで、これも継続的にふえております。その以外のレジャー、ギャンブル、その他というふうなものになりますと、やや減ってきているというふうな状況もございます。  それからなお金額的に申し上げますと、百万円以上五百万円未満という借り方のパーセントがここ三年間とも継続してふえてきておるという状況が特徴的な傾向でございます。
  277. 田代富士男

    田代富士男君 サラ金の問題いろいろありますけれども、時間がありませんから。  サラ金の問題につきましては、年末を控えましていろいろな金融機関についても監督、取り締まりを強化しまして、庶民の皆さんの被害を少なくしていかなくちゃならないと思いますけれども、これに対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  278. 佐野国臣

    説明員(佐野国臣君) 警察取り締まりの面だけで申し上げますと、過去の数字を御参考までに申し上げます。たとえば私ども一年間、暦年の間で申し上げますと、十月から十二月といったいわゆる第四・四半期ですか、ここでの検挙が約六〇%、年間の中でもその四・四半期で六〇%検挙いたしております。こういう傾向は過去三年間とも大半は要するに四・四半期であるということ、それからもう一つには、やはり十二月の年末につきましては特に重点的に検挙を進めるということでございまして、たとえば昨年の例で申し上げますと、昨年特別な月間を設けたとき以外のいわゆる平月とでも申しますか、月の平均といたしましては五十四・五件でございましたが、昨年の十二月はそれが百五十三件というふうなことで、十二月には三倍の検挙数を示しておるというふうな状況でございます。こういった傾向はここ数年私どもも指導なり方針を堅持いたしてございますので、本年もそのように措置いたしたいと、かように考えております。
  279. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  280. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 速記を起こしてください。
  281. 田代富士男

    田代富士男君 じゃあ、あと一、二分ということでも一、二分ではおさまらないと思いますから、こういう質問は非常にやりにくいです、あっち飛びこちら飛びで。  そこで、これは会計検査院の方を待っている間に特記事項についてお尋ねしたいと思いますが、昭和五十年度決算報告から毎年の検査報告の中に不当事項、処置要求事項、処置済み事項のほか新たに「特に掲記を要すると認めた事項」というこういうことが掲記されることになりましたけれども、五十年、五十一年、五十二年、どのような事項になっているんでしょうか。
  282. 岩井毅

    説明員(岩井毅君) お答え申し上げます。  御質問のように五十年度の検査報告から「特に掲記を要すると認めた事項」という一項を設けまして記載をいたしております。その件数は五十年度が八件、五十一年度も八件、五十二年度六件ということに相なっております。  なお、私の所管で申しますと、五十年度には原子力船「むつ」について記載をいたしております。また五十一年度には社会保険診療報酬の所得計算の特例について、租税特別措置法第二十六条の規定、いわゆる医師優遇税制というものでございます。この二件について掲記をいたしております。  他は所管外でございますので、ただいまちょっと記憶がございませんので、答弁は差し控えさせていただきます。
  283. 田代富士男

    田代富士男君 細かくいま五十年度八件、五十一年度八件、五十二年度六件のこの内容についても事前に通告をしてございます。だから会計検査院全体としてのこれを聞きたかったわけなんです。いまさきの質問、私の所管だけでございますということでございますが、この件についても通告をしてあるわけですが、これは時間がありませんから。  こういう意味から、いま特記事項を読んでみますと、不当事項の指摘や処置要求のように、どの点が不当であるとか、どう改善すべきであるといった意見が一切述べられていないのが特徴でございますが、このような形で種々問題を取り上げた検査院の目的は何であったのか、まずこれをお尋ねしたい。——まとめて聞きますから。  それから、検査院として問題を提起することによって事態の進展を図り、今後の事業運営や会計経理執行の参考に役立たせるのが目的のようでありますけれども、問題の認識につきましては、指摘された各省庁から何らかの意思表示がなされたことがあるのか、あればその例も示していただきたい。  また、この特殊掲記事項については、性格上問題提起にすぎないという認識としても、検査院として提起した効果について無関心であるはずはないと思うんです。そこで、過去三年間にわたって掲記してきた事項について効果があったと評価しているものがあったならば具体的にこれを説明していただきたい。  また次に、権威ある検査報告に掲記した以上、検査院として掲記のしっ放しということであってはおかしいわけなんです。そういう意味から、掲記した事項がその後どのように進展したかについて追跡調査をしていく必要があると思うけれども、この考え方はどうなのか。  最後に、この特記事項は検査報告の中で定着をしてよいと見てよいのか。問題提起は積極的に進めるべきではないかと思いますけれども、いま調査をされている間、この問題に対してお答えください。
  284. 岩井毅

    説明員(岩井毅君) まず、特記事項の掲記の意図でございますが、予算執行の効果発現が停滞しておりましたり、事業経営が著しく悪化しておりますなどの事態で、その原因が当局者の責めのみに帰しがたいため、不当事項や処置要求、意見表示になじまないもののうち、国民の重大な関心を引くようなものにつきまして、その事実を掲記して問題を提起いたし事態の進展を図り、または今後の事業運営、経理執行等の参考にし得るものがあった場合に、従前でございますと各省等の概説に記述するということにしておりましたため、記載をいたしましてもややもすると記述が具体性を欠いていてその趣旨が読みとれない、こういうような御批判国会あたりからもいただいておった次第でございます。それゆえ、こういった事態を明確に記載する場を設けるという意味で、このような「特に掲記を要すると認めた事項」というものを設けたわけでございます。  また、こういったものを検査報告に掲記いたしまして各省庁から何らかの意思の表示があったかということでございますが、たとえば先ほど申し上げました原子力船「むつ」の関係でございますが、この指摘は本院の指摘するとおりもっともであって、今後は政府との連絡を一層緊密にするとともに、事業団の使命を認識し、国費の適正な使用を図り、目的達成に万全を期したいと、こういうような意思表示がございますし、一般的に今後指摘の趣旨に沿って改善に努力するというような意志表示がなされているというふうに聞いております。  それからその効果でございますが、私どもこういった事項を検査報告に掲記いたしまして果たしてどれだけの効果があったかということになりますと、これは非常にむずかしい問題ではございます。しかしながら、先ほど申し上げました医師優遇税制、この問題につきましても、これは御高承のとおり昨年よりそれぞれ優遇率が若干引き下げられたわけでございますが、まあこういった事態に至りましたのはもとより国会の御審議の結果であり、国民の世論の力であろうとは思いますが、私どもの特記事項というものが国会の場におきましても再三取り上げられまして御審議をいただくきっかけとなったものではないか、いささかお役に立てたのではないかとまあ自負もいたしておる次第でございます。  それから、特記事項を書きました事態についての追跡調査でございますが、これはもとより毎年の検査でさらに検討を続けておるところでございます。そのうちには徐々に改善の実も上がっているというのもあるやに聞いております。  なお、この特記事項は、今後検査報告の掲記事項といたしては定着するものと御理解いただいて結構でございます。  それから、まことに御答弁がおくれまして申しわけございませんが、先ほどの資料の件でございます。まず一回目の資料に出まして二回目の資料で落ちたという者が国家公務員共済組合連合会理事の服部桂三でございますが、これは公団、公庫等への就職者というのにはちょっと該当しないのではないかということで二度目の資料では落としたということでございます。同じく日本小型自動車振興会の監事宇野芳夫、これにつきましても公団、公庫ではないからというので削除いたしたと、こういう話でございます。また日本鉄建公団の監事石川達郎、この方は先般退職いたしておりまして、その後本院からは行っておりません。  どうもおくれまして申しわけございませんでした。
  285. 田代富士男

    田代富士男君 この問題については時間がありませんから次回に回します。
  286. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 本日私は、さきの臨時国会でも大きな議論となりました日税連、税政連のいわゆる政治献金問題についてさらに掘り下げて質問をいたしたいと思います。  私は十二月の八日、衆議院の東中、渡辺両議員とともに日本税理士会館を訪れ、四元専務理事などから詳しく事情を聴取し、幾つかの重要な事実を確認してまいりました。なお、これは読売新聞記者同席の上での確認であったことをつけ加えておきたいのであります。  そこで、まず議論の出発点として法務省に確かめますが、十二月十日の衆議院大蔵委員会における東中議員の質問、十二月十一日の衆議院法務委員会における木下議員の質問に対する答弁において、一般論として、政治資金規正法による政治献金でも不当な報酬の性格があれば賄賂と考えられる、すでに告発もあり検察としては捜査対象として検討している、犯罪の要件が認められれば厳正な態度をとると答弁をしておられますが、このとおりですね。
  287. 前田宏

    説明員(前田宏君) 大体のところは委員のおっしゃったとおりだと思いますが、いわゆる法律論といいますか、一般論としての御答弁の中で、いまの御引用では、不当な請託があれば直ちに贈収賄罪が成立するというふうに、あるいは要約しておっしゃったのかと思いますが、それではやや不正確ではなかろうかと思います。
  288. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そこで、賄賂性を判断する要因としての、いわゆる職務権限の問題についてでありますが、十二月八日の私どもが調査に参りました席での四元氏の説明では、わが党を除く百一名の政治家に対する献金額のランクづけ、これは日税連との親近度、政治家の将来性、党内の位置、これらを基準にして決めた、また公明党と同党議員は受け取らなかったが、その他は受け取らなかったとの報告は聞いていない、領収書はほとんどが届いているというふうに語っています。  そこで私は、このランク、すなわち特五百万円、A三百万円、B二百万円、B百万円、C五十万円というこのランクされている政治家をそれぞれ日税連との親近度、いわば税理士法改正問題とのかかわり、党内や国会における地位などと対照させて一覧表をつくってみました。この一覧表についてはすでに大蔵省並びに法務省には事前に本日お渡しをしておきましたが、この一覧表、そこにも明示をしておりますように、一つはそれぞれのランクづけをされておる政治家と党内の役職がどういう対照関係にあるか、職務の関係にあるのか、さらに、具体的にその政治家が税理士法改正の促進のためにどういう言動をとられたのかということを日税連が正式に機関紙として発行しております「税理士界」、中心的には九月十日付のナンバー七百六十二、四元専務理事の「臨時国会始末記」という特別報告がありますが、これを中心にしながら、その他ずいぶんだくさん機関紙がありますけれども、この中からずっと拾い上げて、個個の政治家がどういう日税連の期待にこたえて言動をとってきたのかということを拾い上げてその欄に記入をしておるわけであります。日付は引用をした機関紙「税理士界」の発行日付、これでありますけれども、その中の主な点を少し御紹介をするならば、たとえばこの献金に当たって、特五百万円のランクづけをされておる小渕氏でありますけれども、これについてはこの四元氏の報告の中でも、自民党の国対の筆頭副委員長として大変な尽力をされたんだということで、この小渕氏は「税理士法改正法案の基となった税理士制度改正要綱の生みの親でもある。」こういう評価をしながら、小渕氏がどのように尽力をされたかということを具体的事実を挙げてこの報告書の中に書かれている。  あるいはこのランクでAランクに位置づけをされている加藤六月氏、衆議院の大蔵委員長——当時でありますが、八月の三十一日の夜、選挙区の岡山から急遽上京をして、翌九月一日、大蔵省の福田審議官ほか衆議院の委員部久保田参事、こういう人も同席をしているということ、これは問題だと思いますけれども、法案の取り扱い方について協議をし、その後、日税連四元専務理事の陳情に対し、「税理士法改正法案は、九月四日衆議院大蔵委員会で審議・可決」、もう予定を決めておるわけです、「五日本会議で可決、六日参議院大蔵委員会の審議に付し、今国会で必ず成立させたい」との決意を表明をした。そしてこれを受けて、「日税連でも、各党の議院運営委員に働きかけたらどうか。」という示唆を加藤六月氏より行って、これを受けて日税連の活発ないわゆる要請行動が各級国会議員に向けてずっと行われるということでいくわけであります。そうして特にわが党が衆議院において、当時、あくまで本会議での法案の趣旨説明要求をしておるというこのことをめぐって、何としても共産党のこの「つるし」戦術を撤回をさせるんだというこういう用語を使いながら懸命に動いたんだということがるる展開をされておる。  さらに、逐一紹介をしますと時間の制約がありますので省略をいたしますけれども、総括と申しますか、「むすび」として、「臨時国会での成立」——これは前の臨時国会の話です。臨時国会での成立はできなかったけれども種々の成果を上げることができたということで、第一には、共産党を除く各党間の合意をこの活動の中でつくり上げることができた、第二には、参議院対策で成果を上げることができた、第三に、関係国会議員との意思疎通をさらに深めることができたということをるる書きながら、その中で、「今度の総選挙において、税理士業界が推薦議員への協力に全力を尽すことを惜しまないならば、その政治力は格段に嵩められ、今後、業界の進展向上を大いに期待することができるだろう。転んでもタダでは起きぬ——の論拠は、ざっと右のとおりである」と、こういうくだりが公式に印刷物として九月十日付の税理士会機関紙に出てくるわけであります。  こうしたことを念頭に置きながらこの一覧表を、対照表をごらんをいただきたいと思うんでありますけれども、特、A、B、B’、Cと、このランクづけがいかに職務権限を強く意識をしたこのランクと対照をしているか、さらに、実際のこの個々の政治家の言動を見た場合に、日税連の期待に沿って一貫した言動が行われてきたかということは一目瞭然だろうと思うんです。  そこでお尋ねをするわけでありますけれども、このランクづけが職務権限を強く意識して請託の意思を持って献金が行われたことは明らかではないか、こうした点で、法務省としてはどのようにこの点について認識をするのか、まず、法務省にお尋ねをいたします。
  289. 前田宏

    説明員(前田宏君) ただいま御指摘の一覧表についてるる御説明と申しますか、御意見があったわけでございますけれども、この件につきましては、改めて申し上げるまでもないと思いますが、告発も出ておりまして、現に捜査対象になっているという状態でございます。また、捜査対象になっておるといいましても、なったばかりというような状態であるわけでございまして、その場合にいろいろな点が贈収賄罪の成否については問題になるわけでございまして、いまのような分析検討というものも、参考になると言うと失礼でございますが、参考になろうかと思いますけれども、何分にも捜査のことでございますので、ここで私どもから明快なことは申しかねるわけでございます。
  290. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 私が指摘をしましたこの一覧表も含めてのこうした事実に基づく提起、これは参考になるというふうにお答えになっているわけでありますけれども、単なる参考ではなくて、もしこれが私が作製をしたものだからということで客観性を疑われるということであれば、同様な形で公式に発行されておる機関紙でありますから、これをよく点検をされたら事は明瞭になる問題でありますけれども、法務省としても必要な調査点検を行って、いま問題になっております職務権限にかかわる問題について至急に検討を加え、見解を明らかにする、こういうことで作業をやってもらう必要があるということをつけ加えて提起をするわけですけれども、どうですか。
  291. 前田宏

    説明員(前田宏君) 先ほども申し上げましたように、捜査は検察当局がやるわけでございまして、おっしゃいました職務権限というものもその問題点の一つであることは当然でございます。したがいまして、検察当局としては検察当局の立場で、その問題点についてそれなりの調査、捜査をするということであろうと思います。
  292. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 さらに別の角度からお尋ねをいたしたいと思いますが、収賄の判断の基礎として、今回の税政連の献金の人数並びに金額が、同じ総選挙のあった昭和五十一年度と比較しても格段に大規模なものであるということが今日明らかになっているんじゃないかと思うんです。  そこで自治省にお尋ねをいたしますが、昭和五十一年度の税政連の政治資金報告、これによると、個人献金、個人政治家またはその後援会ですね、この個人献金の人数と金額、これはいま言われておりますこの五十四年度、四元氏の言によれば百一名、約一億三千万、政党自体に対する献金を除けば、というふうに言われているわけですけれども、これと対比をしてどういう数字の関係になるのか。それから、個人献金の最高額、今回は特五百万でありますけれども、五十一年の献金と、最高額を比較するとどういう関係になるのか、自治省お答えをいただきたいと思います。
  293. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 五十一年におきます日本税理士政治連盟の収支報告を見てみますと、総計で寄付及び交付金として記載されておりますものが五十四件、四千二百九十二万という数字になっております。この中には各地方単位の税理士政治連盟に対する交付金も含まれておりますので、便宜いわゆる政治献金と考えられますものを抽出してみますと、五十一年は四十八件、三千九百六十万という報告になっております。なお、そのうちの最高額につきましては、五百万円一件という報告になっておりますが、先ほどの——個人に対する献金という御趣旨でございましょうか。
  294. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そうです。
  295. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 先ほど申し上げました最高の金額は五百万円というのが一件載ってございますが……
  296. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 それはだれですか。
  297. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) これは国民政治協会に対する寄付でございます。
  298. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 いや、ですから個人——個人の政治家に対する献金を聞いているんです。
  299. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 個人につきましては……
  300. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 質問は通告しておいたでしょう。
  301. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 全くの個人に対するものでございますと、百万、一件ということになろうかと思います。
  302. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 ただいまの答弁の個人献金の人数と金額、四十八人、三千九百六十万というのもちょっといまの答弁怪しいんじゃないですか。個人と団体を混同していませんか。——私の調べたところでは、三十四人、二千九百十万じゃないかというふうに見ているんですが。
  303. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 恐縮でございますが、受けました御質問内容につきまして、個人献金、つまり個人に対する献金というふうには理解しておりませんで、それぞれの五十一年における政治献金の件数、額、あるいは最高の献金額というふうな御質問を受けたと承知しておりますので、先ほどのような御答弁になりました。
  304. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 私がこの席でお尋ねをしましたのは、個人の政治家ないしはその後援会に対する献金の人数と金額、それからその最高額ということでお尋ねをしているわけです。
  305. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) その資料は持っておりますが、そこまでちょっと集計をしておりませんでしたので、早速いたします。
  306. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ちょっと佐藤君、いまあなたの資料を持っているようだから、その分の集計をさせてください。すぐ別の質問に入ってください。だから、後ろについている方、集計するなら集計してください。
  307. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 それじゃちょっと質問をとめましょうか。
  308. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 別の質問に入っていただいて……。
  309. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 ちょっと次の話のつながりがありますからね……。
  310. 志苫裕

    委員長志苫裕君) さっと集計出ますか。  ちょっと記録をとめてください。   〔速記中止〕
  311. 志苫裕

    委員長志苫裕君) じゃあ記録を起こして。
  312. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 御質問のいわゆる個人あるいは個人後援会ということでございますけれども、だれのだれだれ後援会というのは、これははっきり出ていることでございます。ところが、そのほかの団体でいわゆる後援会という名称はないものがあるわけでございます。こういうものの取り扱いをどうするかによって数字が違ってこようかと思います。
  313. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 私は、年間をずっと調べて、個人名称はついていないけれども、実際その実態は個人の後援会だと、こういうものもずっと分類をして集計をやってみたんです。自治省がそんなことを御存じないはずがないと思うんですけれども、そうしますと、五十一年度の個人の政治家及び個人の後援会に対する献金の人数三十四人、金額二千九百十万。ですから、今回の五十四年度と対比をいたしますと、人数で約三倍、金額で四・五倍実は今回これがふくれておる。個人献金の最高額、先ほどの御答弁で百万とおっしゃった、今回は特五百万。いかに大規模な政治献金が準備をされたかということは数字的に明瞭だと思うんですけれども……。  そこで、問題は、こういう大規模にこうした政治献金が準備をされたその背景に、単に総選挙だから政治献金をやったんだという単純な問題だけではない。これだけ大規模に、金額的にも人数的にもふくれているのは真の目的が別にあったんじゃないか。すなわち、税理士法改正促進のために格段の大規模な政治献金になった、職務権限を強く意識した政治工作、賄賂資金としての性格がいよいよもってこの点からも濃厚になってくるんじゃないかというふうに私は思うんですけれども自治省の見解、どうですか。
  314. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 先般来、それぞれ新聞で報道されておりますような事実については私ども承知をいたしておるわけでございますが、そういった不明朗な寄付とかあるいは政治献金と言われるものがないように、実は昭和五十年の政治資金規正法の改正をいたしてまいったわけであります。現在まですでに三回ほど収支公表事務を行っておりますが、今後この法律の的確なる適用、あるいは法律の経緯にかんがみまして五年後の見直しということも法律で規定しております。こういう問題について、従来の経緯をかんがみながらいろいろ検討していかなければならないと考えております。
  315. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 私は、そういう一般論をお尋ねをしているんじゃないんです。具体的数字をもとにして、人数の点でも、トータルの金額の点でも、個別の最高額というこの点でも、格段の大規模にこの五十四年度はなっているじゃないかという数字をもとにして提示をしているわけですから、この数字については一遍お調べになったらすぐわかるはずでありますから、この質問が終わるまでにぜひこの数字的な資料を提示願いたいというふうに思うんでありますが、そういう数字をもとにして具体的にこの今回の政治献金を考えてみた場合に、単に総選挙が秋にあったから、そのための献金が行われたんだという、それだけと考えられるだろうか。もっと別の目的、さっき言っています税理士法改正の促進のためにという、こういう政治工作、賄賂資金的な性格がこのことににじみ出ているんじゃないだろうかということについて見解を尋ねているわけです。重ねて自治省それから法務省、見解があればお答えください。
  316. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 政治資金規正法そのものの目的ということにつきましては先生も御承知のとおりでありまして、要するに、政治団体が年間受けました収入支出国民の前にガラス張りにする、そのガラス張りになった収支を国民が見てこれを判断する、こういう実は仕組みになっておるわけであります。したがいまして、その前提といたしましては、それぞれの政治団体が民主政治における自分の地位というものを十分に心得て、責任を自覚して国民の疑惑を招かないようにしなければいかぬと、こういう大原則を実は法律がうたっておるわけでありまして、そういうことの中におきましてできるだけ疑惑のないような仕組みを考えていくということになろうと思いますけれども、本質は、結局は政治団体個々の良識、有権者に対する責任、自覚の問題になろうかと思います。
  317. 前田宏

    説明員(前田宏君) お尋ねの点は、先ほど来も申しておりますが、いわゆる捜査上の問題点の一つであるというふうに考えますので、現段階で私から何とも申しかねるわけでございます。
  318. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 自治省の答弁は少しはっきりしませんけれども、法務省の方としては捜査上の問題点の一つであると認識をしているという、その点については確認をして、さらに進みたいと思うんです。  報道によりますと、自治省は本問題の政治献金について公選法上の届け出状況を調査をされたというその一部の結果が報道されておる模様でありますけれども、その中に、献金を選挙に使いながら、届け出を公選法上の定めに反して怠っている者があるということが明らかになってきていると思うんです。一つは、全体の状況はどういう状況か、現在の把握の内容を御答弁願いたいと思うんであります。
  319. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 先般告発問題がございまして、特に新聞記事によりますと、中には陣中見舞いというものもあるんではないかというような報道がございました。そういうことになりますれば、総選挙の後の収支報告というものとの関連が出てまいりますので、とりあえず告発の対象となった方の収支についてそれぞれの関係の都道府県に照会をしてみたわけでございます。五人の方のうち一人の方につきましては収支報告が出ておりまして、その収入欄にも書いてあったようでございますが、あとの四人の方につきましては収入欄にはなかったように伺っております。  なお、全般的に新聞に報道されております方々というのは非常に多数に上っておるようでございまして、現在たまたま照会をしてみました五人の方につきましては、その県におきまして公表事務が済んでおったという段階でございますが、あとまだまだ県の方で公表事務にかなり手間取っておるようなところもあるようでありまして、ただ現在の段階でそのすべてについて照会をするということが困難な状況にございます。
  320. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そこで、一人を除いて公選法上のこの届け出がされてないというお話でありますけれども、これは十二月八日付の読売でありますけれども、たとえば「特」に位置づけをされておる山下元利氏の場合、選挙の陣中見舞いである、これまでにも献金を受けているし云々という、こういう談話が報道をされておる。あるいは十二月八日付毎日、受け取ったと目される人のこうした一覧表に基づいてのインタビューに対する答えの一覧表が出ているわけでありますけれども、このAランクに位置づけをされておる山田耻目氏、選挙が苦しいので応援をしてくれたと思うと、こういうふうに答えている。明らかに選挙のために使ったということを口にしておられる人が少なからずあるわけですね。こうした点からいって、公選法上の定めにもかかわらず届け出をしていない、この問題についてどういう措置をとられるのか。で私は、さらに告発対象者の当面それに限定をしてということが言われているわけですけれども、全体として一遍この調査をしていただく必要があるんじゃないかと私は思うんですけれども、今回の政治献金を賄賂と思っている人が少なからずあるから届け出をしていないという人が少なからずあるんじゃないか、こういうふうにさえ思わざるを得ない。こうした点で厳正な対処を必要と思うわけですけれども、どうですか。
  321. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 先ほど申し上げましたように、現在なお相当数の県におきまして公表の最終事務の段階でございますので、現在の段階で照会を全部し切るというわけにはまいりませんが、公表の終了を待って照会をしてみたいと思います。その場合に、選挙管理委員会としましてその受け取った金の性質であるとかあるいは最近報道されておりますような事実関係、こういったものにまで立ち入って調査をするというような、いわゆる実地調査の権限というものが実は選挙管理委員会にはないわけでありまして、いわゆる収入欄に載ってないけれどもどうなんでしょうかという程度の実は調査ということになろうと思いますので、あらかじめお含みおきをいただきたいと思います。
  322. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 自治体側に依頼をすれば調べられるんじゃないですか。
  323. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 先ほど選挙管理委員会と申しましたのは、それぞれの衆議院選挙を担当する自治体の選挙管理委員会でございます。
  324. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 それはやろうと思えばできることですから、ぜひひとつ厳正な方向でやってもらう必要がどうしてもあると思うんです。  さらに角度を変えてお尋ねをいたしますが、十二月の八日、私が四元専務理事からこれも聞いた話でありますが、政治家への献金のランクづけ、特、A、B、B´、C、このランクづけは、日税連と政治団体である税政連、この双方から五、六人ずつが一堂に会して、この中には四元専務理事も含めて、一堂に会して合議の上このランクづけを決定をしたというふうに語っておられるわけであります。  そこで、まずこの問題の見解をお尋ねをする前に、日税連の設立目的は一体何なのか。日税連と別個に税政連という政治団体をつくっている理由は何なのか、大蔵省どうですか。
  325. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) 日本税理士会連合会につきましては、税理士法第四十九条の十四に「日本税理士会連合会は、税理士の使命及び職責にかんがみ、税理士の義務の遵守及び税理士業務の改善進歩に資するため、税理士会及びその会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行い、並びに税理士の登録に関する事務を行なうことを目的とする。」と書いてございまして、この目的のために設立しなければならないものとされております。
  326. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 政治連盟をつくっている理由。
  327. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) 政治連盟の件につきましては、これは政治団体でございまして、われわれの所管する事項でございませんものですから——とわれわれ承知しておりますので、その点についての御答弁は御容赦願いたいと、このように考えております。
  328. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 いまの御答弁によっても明瞭だと思いますが、税理士法四十九条二項の定めによって日税連ないしは税理士会は、まくら言葉はありますけれども、「会員の指導、連絡及び監督に関する事務」を行うことを目的とするという団体だと。ですから、政治活動をやれない団体と。したがって、政治活動をやるために税政連という別個の政治団体の結成をやるんだと、こういう関係になっておると思うんです。そこで、さっき言いました政治家への献金のランクづけを決定をした。これが双方の役員相寄って合議の上決めたというふうに正式に四元専務理事が語っておられるわけですけれども、この政治活動の重要な実践行為であります献金のランクづけ、これに日税連の幹部が加わって合議し決定をしているという、これは税理士法違反じゃありませんか、どうですか。
  329. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) 税理士法違反、個々の税理士の問題ではないかと考えております。  それからまた、当局といたしましては、ランクづけ云々につきましては全く関知するところでございませんので、その点につきましてもこの席で御答弁ちょっといたしかねる問題、このように考えております。
  330. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 関知する、しないという問題をいま聞いているのじゃないんです。日税連の役員が一緒に同一の場で加わって、合議し、献金のランクづけを決めているというこの事実は税理士法違反行為ではないか、税理士法に抵触する行為ではないか。なぜならば、さっきあなたも確認されたように、日税連ないし税理士会というこの団体は事務を行う団体で、政治活動がやれる団体ではない。こうした点で税理士法逸脱ではないかということを指摘しているんです。その内容を知っているか、知ってないかということを言っているのじゃないんです。
  331. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) 四元専務理事がそう申したということと、事実がそうあったとわれわれが承知していることはまた別のことでございまして、われわれといたしましては、それ以外の情報においてはその点は全く関知していないと、このように考えております。  それからもう……
  332. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 私は、本日の質問の冒頭に、私はきょう勝手なことで事実捏造をして質問をするんじゃありませんよ、読売新聞記者も同席の上で、四元専務理事などと話をした、そのことで確認されたことをもとにしてお尋ねをしますと、前置きをして質問に入っているはずです。ですから、いま言っています献金のランクづけを、税政連だけじゃなくて、日税連の役員も一緒に加わって合議し決めているという、これが事実であれば税理士法違反になるんじゃないですか。
  333. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) ただいまつけ加えて御答弁申し上げようと思いましたのですが、日本税理士連合会の目的の範囲内においてどの程度までの事実行為ができるかという問題は全くまた別にございますと思います。  それから税理士法違反であるかどうかというそれも、われわれ四元なる専務理事から直接何もただいまの段階で聞いたわけでございませんものですから、その点につきましては仮定の問題として税理士法に反するか反しないかの問題を、仮定の段階において——いろいろ事実関係ごさいましょうと思います、その状況その他判断せず、この席において御答弁申し上げることはできないと考えまするので、申しわけございませんが、御容赦願いたいと思っております。
  334. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 私は、天下の新聞である読売新聞記者も同席されておるというこの上で確認をされた事実をもとにして尋ねておるというのに、依然としてあなたは、にもかかわらず、私が指摘をしておるこの事実が信憑性がないかのごときこういう言い方で答弁を回避されるというのはけしからぬじゃないですか。私がそれならうそを言っていると言うんですか。こういうことを、そういういま言った席上で四元専務理事が言っていると。それが事実としたら、税理士法に違反するんじゃないかということを聞いている。で、しかもあなた方が言葉を濁しているのは、この税理士法が、どこまでの内容のときに税理士法違反になるかどうかということについては、はっきりいたしません——はっきりいたしませんだけでは回答にならない。なら具体的に、どの行為は該当する、どの行為は該当しない——私は、一つの事実、特、A、B、Cの献金ランクづけというこの行為は明らかに政治行為である、政治活動である、税理士法違反行為じゃないかという具体的問題として提起しているんですから、そういうごまかすような答弁はだめです。
  335. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) 決して先生がただいまおっしゃっていることが事実に反しているとか、あるいは答弁をごまかしているというつもりでは全くございませんので、ひとつ御理解願いたいと思うのでございますが、問題が非常に微妙な問題でございまして、事実関係を知らずして一般論として非常に申し上げにくい問題だと考えております。したがいまして、ただいまの段階でこの席での御答弁は困難かと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
  336. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 もう何回聞いても同じ考え方を繰り返していますけれども、そんなことで、あなたのような答弁で通る道理はないですよ。  私は、十二月の十一日の日に、あなた方もごらんになったはずです。日税連の山本会長、四元専務理事が共同の記者会見でこういうことを言っているんですね。政治の金権体質が問題となっているが、という記者の方の問いに対して、日本の政治は自民党。論理だけでは動かない。社会正義から言って、政治献金は矛盾しているが、税理士会だけがやめるわけにはいかないとして、彼らみずからが今度の献金の賄賂性を自認しているような発言をしているわけです。ここまでこの問題がはっきりしてきているわけですから、どうですか、それなら大臣にお尋ねをいたします。  きょう幾つかの具体的事実を挙げました。こうした一覧表をもとにして、非常にこの職務権限を強く意識をして、請託の意図を含めた形での献金が行われたんじゃないかというこの具体的事実、それから金額並びに人数において、同じ総選挙だと言いながら、五十一年の時に比べてもう格段の大規模な献金行為になっている。三つ目には、いま言っております政治家への献金のランクづけが、税理士法で政治活動ができないことになっているはずの日税連も加わってそういう献金ランクづけを合議決定をしている、これだけの事実が明らかになってきているんですから、まず大蔵省として正式に日税連から事情聴取をして、事態はどういう事態なのかということについて正式に検討をすべきだと思うんですが、その点はどうですか。
  337. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) お許しを願って、大臣御答弁の前に一言申し上げさせていただきたいと、このように考えておりますが、白税連の税政連に対する番付は日税連の目的に違背しないものと考えられておりまして、また政治資金規正法にも触れない範囲内のものと考えております。また、範囲内のものであると聞いております、金額につきましては。それから、税政連は日税連とは別の独立した政治団体でございまして、われわれ当局の直接関与する団体ではない、このように考えておりますので、当該税政連という団体が行った行為につきまして、われわれとしてはその当否を云々するのみならず、また日税連から事情を聴取するということもただいまの段階では事務的には考えておりませんということを申し上げさしていただきたいと思います。
  338. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 大臣も御存じでしょう。参議院の法務委員会、十二月十一日に開かれました法務委員会で、わが党の橋本議員の質問に対して、法務大臣がこういう答弁をしているんです。法務大臣も献金もらったんです。「御指摘のように九月幾日でありますか、政治資金規正法によって届けられて入っておると、こういうことでありますので、私は東京の新聞を見ましたらば、いまお話しのように請託を含んだ献金であるというふうに書いてありましたので、これは私どもの意思とは違うと、さようなものはやはりいただくわけにいかないから、速やかに返済をすべきであるということを事務の者に命じました。」、法務大臣が実はこういう答弁をしている。にもかかわらず、きょうに至るもなぜ日税連、税政連のこうした行為を執拗に一体大蔵省はかばうのか、私はどうしても合点いかないんです。まず第一に、この献金ランクづけの問題についていろいろただしていきますと、関知していないということで、いままで承知していないという、知らないと言わぬばっかりの口ぶりを使って答弁を回避するわけですけれども、あれでしょう、大蔵省は定期総会、臨時総会、総会に限らず、常任理事会、理事会、正副会長会、すべて出席をしているでしょう。事細かに日税連の中でどういう協議がやられておるかということを知らぬはずがないということを私一つ思うんです。まあ仮に百歩譲って、きょう私が指摘する問題について知らないというのであれば、当然この指導監督の位置にある大蔵省として、法務省も捜査の対象になり得る問題だと、一般論としては少なくとも、ということを今日まで言ってきた。で、きょう私が提起した問題について、重要な問題と受けとめて、これからの検討をやっていくというふうに御答弁になっておる。法務省がここまで言われておるにもかかわらず、大蔵省が執拗になぜそれほどまでに日税連、税政連をかばうんですか。少なくとも事の真実は何かと、法に抵触をする部分はないのかと、こうした点について大蔵省として徹底して解明をするのは大蔵省の任務じゃないですか。大臣どうですか。
  339. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 政治団体に対しての大蔵省としての見解……
  340. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 答弁の前にちょっと、さっき次長の言うたあれですりかえがありますから。  政治団体、税政連だけを私問題にしているんじゃないですよ、さっきから繰り返し言ってますように。日税連も一緒に加わって合議し、決めていると、このことも明らかになってきておるこの日税連に対して、指導監督の位置にある大蔵省として今日事態をどうするのかと、こういうことで問題を提起しているんですから。
  341. 竹下登

    国務大臣竹下登君) したがって、まずお答えしなきゃならぬのは、まあ政治団体としてのものに対しては大蔵省としての見解というものはこれは述べる立場にないと思います、政治家個人としてなら別でございますけれども。日税連というものは、なるほど大蔵省が監督しておる団体とでも申しましょうか、そういうことになろうかと思います。ただ、現実問題として、日税連とその政治団体とが協議するという、日税連という法人格とそれとが協議するということは現実問題としてないんじゃないかなという感じがいましましたけれども、これは私の率直な感じを申し述べただけであります。
  342. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 先ほどの次長の答弁では、それからいまの大臣の御答弁でも、まあ若干の解釈論のようなことを言われていますけれども、私が言ってますのは、経過的事実よく知らないということであれば、いまからでも、一つはいまの時点で過去を振り返ってながめてみた場合に一体どう思うかという問題。しかし、事実がよくわからないということであれば、直ちに一遍その調査をして、見解を明らかにする必要があるんじゃないかということで尋ねているんですから、はっきりしてくださいよ。
  343. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 国会での御質疑に対して、そして御要請に対することでございますから、私なりにいかがに対応すべきかを検討さしていただきます。
  344. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そうしますと、事実は何かということについて調査をするという方向でひとつまあ検討してみたいということですね。
  345. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 調査するかしないかも含めて検討してみたいと思います。
  346. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 調査をするというのが当然のことじゃないですか。法務省が、捜査の対象になり得る問題ということまで言ってるんですよ。
  347. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 告発を受ければ、起訴すべきか否か、これは当然調査されることでありましょうが、これはいわゆる法務省の問題で、私どもの問題ではございませんけれども、まず、事柄の実態を当事者を呼んで調査するとかしないとかという前に、私ども自体で検討して判断する、すなわち、調査するとかしないのその前の段階でもう少し勉強さしていただきたいという意味であります。
  348. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 次長、少なくとも私が提起をいたしました献金のランクづけをめぐる合議の問題ね、日税連も加わって。そのことについては事実を承知していないという言い方でありますから、この問題については、あなた、事務レベルの問題としても、これはきょうの委員会が終わるまでにも電話をしたらすぐわかる問題でしょう、事実どうだったのか、私が何かうそを言っているのかどうか。ということで、まずその事実はどうかということを確かめる作業を直ちにやってもらいたい。その事実を確かめた上で、必要な大蔵省としてどういう対処をするのか、その検討をやってもらう、このことは当然必要でしょう。
  349. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) ただいま大臣から御答弁いただきましたように、われわれといたしましては、すべての問題を含めまして、調査するかしないかも含めまして十分勉強さしていただきたいと思います。それからなお、日税連の機関として動いたのか、個人として動いたのかという問題も、先ほど問題がだんだんややこしくなりますので私は申し上げませんでしたが、そういう問題もいろいろ含んでおりますので、実態関係の問題いろいろあると思いますので、その点も含めまして勉強さしていただきたいと、このように考えております。
  350. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 もう時間も参っておりますので、なおほかにお尋ねをしたい点も多々あったわけですけれども、きょう数々挙げました問題点、さきの臨時国会提出をされた税理士法改正案がいわゆる一般消費税導入の布石をねらう法案上の問題点とあわせて、これだけ法的にも疑義を含む形でこの法案が準備をされ推進をされてきたというこの経緯にもかんがみて、政府として、新たな局面としてこの法案の問題についてぜひとも再検討をしてもらう必要がある、撤回をしてもらう必要があるということを最後に強く主張をいたしまして、先ほど来の質問の中で自治省にお約束をいただいておる等々、これらの件については本日の委員会が終わるまでに御提示を願うということを重ねて要望をして、質問を終わります。
  351. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ちょっと自治省、今日の委員会が終わるまでに出ますか、先ほどの件は。
  352. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 先ほど先生計算で三十四件、二千九百十万というお話でございましたが、私どもとしまして、制度上、名前のついていない後援団体につきまして、これがだれの後援会であるかということを公的に把握する立場にはございません。一応名前の出ておる団体につきましては、先ほど形式的に集計をいたしますと、二十五件、千五百二十万ということになります。
  353. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  354. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 速記を起こして。  この際、前回保留となった神谷信之助君の質疑を行います。
  355. 神谷信之助

    神谷信之助君 最近KDDを初め特殊法人の乱脈をめぐって国民批判が高まっているわけでありますが、公営競技においても、例の日本発馬機の裏金の問題が表面化しております。言うまでもなく公営競技は、ギャンブルが刑法によって禁止をされているという状況の中で、法の厳正な規制を条件に特に認められているものであります。したがって、その売上金の使途は法の規制のもとで公的なものに限定をされるべきであります。  私が本日問題にしたいのは、その公営競技の一部に、その売上金の一部がストレートに一民間法人に流れる仕組みをつくり上げ、今日までに数百億の金が法の規制もなく使用されているという点であります。しかも重大な点は、監督官庁とその公営競技に特異な支配権を持つ人物によってこれがさらに延長をされる動きが出ている点であります。この一民間法人とは、笹川良一氏が会長をしておりますブルーシー・アンド・グリーンランド財団——略してBG財団と言っておりますが、このBG財団であります。  そこで、まず運輸省にお尋ねをいたしますが、通常レースのほかにいわゆる特別協賛レースがありますが、これはどういう目的のレースか、またその拠出先及び拠出額の決定方法、これを含めて御答弁をまずいただきたいと思います。
  356. 謝敷宗登

    説明員(謝敷宗登君) 特別協賛レースにつきましては、モーターボート競走法によりまして通常のレースについてのやり方が決められております。その中で特別の場合に限って、決められている回数を超えて競技をすることができる、こうなっておりまして、従来まで行われてきたものとしましては、万国博覧会の協賛レース、それから沖繩海洋博についての協賛レース、それから、いま先生指摘のBG財団に対する協賛レース、こういうことになっております。   〔委員長退席理事穐山篤着席〕  これのやり方につきましては、競走の回数をふやすことでございますので、そのふやすことにつきましては、競走法に基づきます省令によりまして特別に認可をするという仕組みになっております。  それで、従来までやりましたものにつきましては、万博は省略いたしますとして、沖繩海洋博につきましては、海洋博の趣旨に協賛をしまして競走の特例を行いまして、十八億円の拠出をしております。  それからBG財団につきましては、これはBG財団の事業が言うなればモーターボート競走法にうたっております海事思想の普及あるいは海難防止等に役立つということであり、かつ、日本の特別な環境下におきまして、海をめぐらした環境であり、主として青少年を対象とした海洋性レクリエーション事業をやるということの趣旨でございまして、競走を監督し、それから補助金等の交付をやっております船舶振興会を監督する立場といたしましては、これらのBG財団の目的と、それから当時たまたま公営競技の施行二十周年を迎えまして、各施行者、競走会、振興会、選手等の間で何か記念すべき事業に協賛をしたいという意図がありまして、これは私どもから言いますと施行権の均てん化あるいは公営競技によって上がってまいります収入の均てん化という問題から見まして、BG財団の行います事業が原則として施行地外の地におきまして海洋性スポーツを青少年を対象にして行うということでございまして、これは施行者にとりましてもあるいは競走会、あるいは選手会、振興会にとりましても、そういう均てん化という点できわめて希望する事業であるということがございまして、四十九年度から五十一年度までを第一期とし、五十二年度から五十四年度までを第二期としまして、第一期については百五十四億七千六百万、第二期の予定としましては百八十九億というものを協賛レースで実施をしているということでございます。
  357. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、海洋博の方はわずか十八億、それからいわゆるBG財団の方には約百五十億とそれから後が百八十億、三百三十億ですか。そうしますと、結局海洋博というのはわずか十八億で、言うたら刺身のつまみたいなもので、この協賛レースは現在はずっとBG財団のために続けられているということになりますが、そのBG財団とは一体どういう法人で、代表者はだれか、どういう経過でつくられたか、お答え願いたいと思うんです。
  358. 永井浩

    説明員(永井浩君) BG財団につきましては、設立は昭和四十八年の三月二十八日でございます。  財団の目的は、青少年を対象といたしまして、海洋性のレクリエーションを軸とした各種実践活動を通じまして体力の向上等を図り、海事思想の普及を行うと、こういうことでございます。会長は笹川良一氏でございます。  従来までに行いました事業といたしましては、一番目には、青少年に対する体験航海、これは船をチャーターいたしまして、海外あるいは国内に体験航海をさせるということでございます。それから二番目は、海洋青少年センターというのを中央とそれから沖繩の二カ所にブロックセンターというのをつくっております。さらに、地域住民を対象といたしまして、地域の青少年を対象といたします地域海洋センター、計画では四十五カ所の整備を持っておりますが、現在のところ二十五カ所が全部または一部供用を開始しておる。残り二十カ所につきましては現在場所の選定その他を検討中でございまして、間もなく着工の運びになろうかと思います。各センターの内容につきましては……
  359. 神谷信之助

    神谷信之助君 もうその程度でいいです。  じゃ、その次に伺いますが、BG財団の寄付行為ですね。これでは、会長はどこで選任をするということになっていますか。
  360. 永井浩

    説明員(永井浩君) 会長は理事会において選任するということになっております。
  361. 神谷信之助

    神谷信之助君 理事、監事はだれが選任することになっていますか。
  362. 永井浩

    説明員(永井浩君) 理事は会長が指名するということになっておりまして、最初の理事につきましては、附則によりまして発起人会が選ぶと、こういう形になっております。
  363. 神谷信之助

    神谷信之助君 それから基本財産の管理はどういうことになっていますか。
  364. 永井浩

    説明員(永井浩君) この法人基本財産につきましては、一定の方法によりまして会長が管理すると、こういうことになっております。
  365. 神谷信之助

    神谷信之助君 管理方法は寄付行為にありますね、三項目の中で。この管理方法の採択、これは会長が管理をするということで権限を握っているということになります。  そこで、こう見ますと、このBG財団というのは、つまり笹川さんがもうすべて握っているという、そういう寄付行為になっています。類似の団体を見てみますと、たとえば船舶振興会、これは確かに選任方法同じですが、運輸大臣の承認を必要としていますね。それから、航空保安協会、これは理事、監事は理事会の同意を得て会長が選任をするという形式をとっています。あるいは日本海事科学振興財団は大臣の認可を必要とするというようになっています。ところが、このBG財団だけはそういう関係じゃなしに、寄付行為では明らかに笹川さんが会長であり、それで理事、監事は会長が指名をし、基本財産の管理でも、ほかのところは理事会の同意を得てというものがありますが、この寄付行為にはそれはない。会長が管理をするという規定になっています。  ところで、私はこの問題をずっと調べていく上でちょっと奇異に感じた点がありますのでお伺いしますが、先ほどありました万国博のとき、これは特別の省令をおつくりになっているわけです。したがって万国博に対する拠出が終わればもう終わるということになります。ところが、今度の海洋博とBG財団に対しては省令そのものに日取りの特例を新設をして、そうして協賛レースの恒常化を図るといいますか、そういう道を開くという結果になっているんですが、この理由は一体どこにありますか。
  366. 謝敷宗登

    説明員(謝敷宗登君) 万国博のときの協賛レースにつきましては、確かに先生おっしゃいますように万国博そのものに限っておりますから特別な省令をつくったわけです。これが初めての協賛レースでございましたので、そういう形の省令をつくっております。で、その後沖繩の海洋博の問題、それからBGの問題に関連いたしまして省令をつくっておりますが、これは万国博で一遍この特例についての省令をつくりましたので、今後も沖繩の問題あるいは今後起こり得るであろう国際博覧会の問題も考えられますので、一般的に国際博覧会に対する協賛とそれからもう一つBGの問題につきましては、これは私どもモーターボート競走法で一つの大きな眼目としております海事思想の普及あるいは海難防止等、言うなればモーターボート競走に特有な分野におきます青少年活動というものを、施行者、競走会、振興会、選手会等の希望が非常に強いということもあわせ考えまして、その二つを内容とします施行規則を定めたわけでございます。
  367. 神谷信之助

    神谷信之助君 どうもその点も納得ができませんが、後にいたします。  それからもう一つ、四十九年一月三十日のときの通達は特に三年間に限定をするということで出されています。ところが五十一年の通達でこの三年間に限定をしたのをさらに三年間延長されましたけれども、この理由はどこにあるんですか。
  368. 謝敷宗登

    説明員(謝敷宗登君) これは当初BG財団が計画をしておりましたものが、四十八年のオイルショックによりまして所定の、予定をしておりました金額の中で入り切れないということがありまして、BG財団から強く当初の事業内容の遂行について希望がありまして、それを検討して、私どもとしてはその内容を十分検討した上で、三年間延長するという考え方で、延長した次第です。
  369. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、三年間そういうことで延長したとおっしゃるんですけれども、当初協賛レースを計画する段階では、BG財団についてどういう経過でどれぐらいの資金を必要とするということで三年というものを限定をされたんですか。
  370. 永井浩

    説明員(永井浩君) 一回目の協賛レースを実施しようとしたときの計画でございますが、当初の計画は協賛金百五十億を得て、基本財産三十億、それから当時船の建造を考えておりましたので、船の建造費三十億、それからブロックセンター三カ所、地域センター二十四カ所等の施設あるいは基金を設けようと、こういう計画でございました。
  371. 神谷信之助

    神谷信之助君 それで所定どおり目標どおり百五十億入った、しかし物価上昇その他で期間どおりいかなかったとおっしゃるんですけれども、そこで延長したとおっしゃいますが、延長された後、資金流入量の増大に応じて事業計画が変更されて事業量が増大をしているわけですね。たとえば地域センターでいえば当初二十四カ所だったのが現在は四十五カ所ということで、先ほどおっしゃっておるような現状にあるわけです。したがって、これは事業量拡大のための延長だったと言わざるを得ないと思うんですが、この点はいかがですか。
  372. 永井浩

    説明員(永井浩君) 先ほど船舶局長から申し上げましたように、一つはオイルショックがございまして物価、人件費等が非常に上がったということで資金が不足したと、それから個所数をふやしましたのは、地域の要望が非常に強かったので一カ所当たりの金額を小さくして、そのかわりに個所数をふやしたと、こういうことでございます。
  373. 神谷信之助

    神谷信之助君 いまの答弁にも私は納得できませんが、後でまた触れていきたいと思うんです。  先ほどおっしゃいましたようにまず地域センターの点ですね。地域センターの完成状況というのは、一カ所完成で、建設中のものが二十四カ所ですか。そして建設予定のものが二十カ所で、そのうちまだ十九カ所は予定地も決まっていないという運輸省の方からの報告を聞いているんですが、これらは五十五年度中には完了する予定なんですか。
  374. 永井浩

    説明員(永井浩君) 財団からの報告によれば五十五年度中に完成させたいと、こう言っております。
  375. 神谷信之助

    神谷信之助君 だとすれば、協賛レースは五十四年度で終了して、延長しないという、そういうおつもりですか。
  376. 謝敷宗登

    説明員(謝敷宗登君) 私どもは、当初申し上げましたように、一つはBG財団の内容がモーターボート競走法の趣旨に非常にかなうものであるということで、施行者それからその他関係者が強く希望して、均てん化という趣旨もあわせてやっておるわけでございます。したがいまして、いま五十四年度で計画は終了いたします。ただ、私どものところは直接ではございませんが、地域から非常に強い要望も来ておるということは聞いておりますし、間接的には要望も承っております。そういう点で、私どもはこの問題につきましてはBG財団からまだ聞いておりませんし、担当の部局からも聞いておりませんので、それを聞いた上で検討したいと、こう考えております。
  377. 神谷信之助

    神谷信之助君 おかしいですね、いまのおっしゃり方は。公営競技は刑法のもとでギャンブルだということで禁止をされている中で、公共のために用立てるということで特別に公営として認められているわけですよ。しかし、それは長沼答申やその他のいろんななにを見ましても、できるだけみだりに開催日数をふやさないということでモーターボート競走法でも厳格にしているところです。それで、初めのとおり事業計画は大体完了するというのに、運輸省自身がまだ場合によっては延長するかのような態度をとるというのは私はおかしいと思う。しかも自治体からいろいろなそういう陳情があるということを聞いておられるということですけれども、これがくせ者でしてね、BG財団が組織しているんですよ。ここにBG財団が準備をした陳情書の例文があります。ちゃんと市町長名、印を押すところまでつくって、BGプラン継続実施方の陳情について、こういうことでずっと文章があって、そうして陳情書発送先はBG財団の会長笹川良一さん、それからモーターボート競走施行者協議会の会長の長谷部半平さん、それから全国モーターボート競走会連合会の会長笹川良一さん、運輸省船舶局の、あなたですね、局長謝敷さん、それから運輸省大臣官房の総務審議官杉浦喬也さん、ここへ陳情書を出せと書いてある。丁寧に文章までつくったものですから、だあっと来たのは同じ文章なんです。同じ文章でざあっと来たものですから、これは余りにも見え見え過ぎるというんで、今度は改めて、ここにありますが一項から七項目の項目にして、文章はあなた方でつくりなさい、中身はこういう趣旨にしてください、こういう文章をBG財団が、わしとこもつくってくれという要望をとって、アンケートをとって、そういう希望のある自治体に対して発送して、そうして組織しているんです。ですから、自治体の方から言えば今日の御承知のような財政難ですから、ちょっとでもただでつくってくれるなら結構やと、体育館つくってください、あるいはモーターボートの艇庫をつくってください、ありがとうございますということになります。だから飛びつくのはあたりまえです。そうやって陳情をざあっと集中さして、そして開催日数をふやして、そうしてBG財団の資産をふやしているわけでしょう。すでにBG財団の方では五十五年度までに終わるべきところを五十七年度まで引き延ばす事業継続の計画案、これをもうつくっているんです。これは事実上延長を見込んで事業そのものを引き延ばす、だから五十五年中には完了しませんでしたという事態をつくり出そうという、そういう意図ではないかとさえ思える。そういう動きがあるときに、あなたの方が、いまの段階で計画どおり五十五年度中には事業計画は完了します、財源もちゃんとできました、にもかかわらずこれ以上延長はいたしません、みだりにレース回数をふやすということは好ましくない、だから当然これは延長いたしませんと言うならわかるけれども、まだBG財団の方はいろいろな動きがあるようですというようないまの答弁は、まさにそういうBG財団の動きと運輸省が呼応しておる、こう言わざるを得ぬと思うんですよ。どうですか。
  378. 謝敷宗登

    説明員(謝敷宗登君) いまのBG財団の施設の設置についての陳情は、経緯は私ども存じておりませんが、具体的に熱心に御陳情があることも事実でございます。先ほど先生が御指摘の点で、この前公益法人問題懇談会で議論をしましたときに協賛レースの問題も問題になっております。したがいまして、私どもとしては慎重に検討をしたいということで申し上げておりますわけでございまして、その間どういうふうな計画が出てくるかどうか全くまだ聞いてない段階でございますから、先ほど申し上げたようなわけでございます。  で、モーターボートの競走のレース数そのものは、私どもとしましては長沼答申が出ました三十六年度から一遍一日当たりのレース数を減らしておりますので、そういう意味では三十六年当時の総レース数からいいますと減っているという現状でもございますので、   〔理事穐山篤退席委員長着席〕 これらを見ながら公益法人問題懇談会での意見を十分頭に入れて慎重に検討したいと、こう申し上げておるつもりでございます。
  379. 神谷信之助

    神谷信之助君 運輸大臣、今度個条書きになりまして、今度大臣が就任されましたので、北海道関係者には地崎大臣の方にもこれを出せと言って、またつけ加えて指示出しておりますよ、BG財団がね。まさにきわめて意図的なんです。  それでは自治政務次官、遅くなってすみませんが、この協賛レースで実は施行者である市長さんたちが大変苦労なさっているんですよ。  たとえばこれは青梅の市長さんは五十年六月十二日の市会の本会議で、このBG財団になぜ寄付しなきゃならぬのかと、こういう質問に対して、それを惜しむことによって失うものが非常に大きいことであるだろうということは、私は過去八年間の体験的なものから知っておりますから、ひとつ高い政治的配慮で御承認いただきたいと、こういう答弁をしているんです。まさに地方自治権が踏みにじられている姿が私はあらわれておると思うんですよ。いやだけれども出さなければしようがない、BG財団に。これは協賛レースをやりたくても住民が反対してできない。だからそのために寄付を出すんですよ、拠出金にかわるものをね。自腹を切らなければならぬ。  同じく山口県の徳山市、これは四十九年からこの協賛レースができなかった。ですから、四十九年から五十二年の四年間、毎年六千六百九十五万四千六百九十三円ずつ、さらに五十三年は一億一千六百七十五万五千三百四十四円、合計四年間で三億八千四百五十七万四千百十六円寄付させられているわけです。これは競艇場が住宅地周辺にありますから、なかなか開催をふやすということに対して住民の協力を得られぬということで、できないわけだ。そうすると、その分を出さなくちゃしようがない。施行者協議会へ行って聞きますと、それは任意だとおっしゃる。表現は任意なんです。ところが、なぜ出さなければならぬかというと、通常レースのときの選手の派遣の権限は笹川さんが握っている。モーターボート競走会の連合会の会長が握っている。だから、一流選手が来なかったら入場者はがた減りなんだ。だから、いやおうなしにこれに寄付をしなければならぬ。しかし今日の財政事情ですからたまらぬ。だから住民の反対を押し切ってやっと五十三年四月一日から開催をなさったわけです。  そこで私は政務次官にお伺いするんですけれども地方自治は住民の暮らしを守る組織である。そのための仕事をやる。これがしっかりできて初めて地方自治が確立をする。そういう状況の中で、公営競技とはいえギャンブルがふえるということは、社会的にも、それからまた治安の面から言いましても、みだりにこれを開くということは好ましくない。ところが特例と言って六年間も続いている。万博のときは一年間で終わっています。海洋博もそれで終わっています。十八億円で終わっている。ところが、今度のBG財団の場合は、これは六年間続いている。しかもそれを延長されるというような状況が出ているんです。だから、そういう点で各自治体のそういう苦労を十分おわかりだと思いますが、そういう立場から、大臣にかわってきょう御出席をいただきましたが、次官の見解をお聞きしたいと思うんです。
  380. 安田貴六

    説明員(安田貴六君) お答えいたしますが、まあこの問題は、御指摘の問題は公営競技の問題でございますけれども、公営競技の問題でありましょうとも、あるいは一般の場合でありましょうとも、自治体の寄付金その他これに類するものについては、それぞれ自治法上の所定の議会の議決でありまするとか、あるいはそのほかの手続上に欠けるところがなければ、これはやはり自治体の意思の決定に基づいて行われるものでございまするので、これは私は適切だと思っておるのであります。その過程においては、議会等においては間々あることでございますけれども、賛成の方もあれば反対の方もありましょうし、また、賛成をしながらでもこれに対しまする意見のある方もありましょうから、いま先生の御指摘のような応答も議会その他の場面においてあったことだと思いますけれども、それはそれとして、私はやはり自治体の適切なるところの意思の決定に基づいてこれは寄付またはその他のこれに類する行為が行われるということは適切な処置であるということに私は考えておりまするので、その点でひとつ御了承いただきたいと思います。
  381. 神谷信之助

    神谷信之助君 通常レースの場合はね、次官いいですか、通常レースの場合は、払戻金七五%払って、あと船舶振興会それからモーターボート競走会連合会、これに一定の法定部分を支払う。残りが、経費を引いても自治体には一定の収入があります。収益があります。  協賛レースは、特に第二回目延長した通達から、経費を差っ引いたという計算をするんじゃなしに、売り上げ金の六%もBG財団に出しなさいということで、ほとんどこれはもう自治体のふところには入らないんです。だから笹川さんに奉仕をするために協賛レースをやらされるんですよ。そのことがこれからさらに続けることがいいのか悪いのかということをあなたに聞いているんですよ。いかがですか。
  382. 安田貴六

    説明員(安田貴六君) いまの特別なレースを行うかどうかという問題については、それぞれ運輸省の方のいわゆる決められた手続に基づいて、そして認められている範囲においてやっておるわけでございますから……。
  383. 神谷信之助

    神谷信之助君 いやいや、これふやすこと、また延長することについて……。
  384. 安田貴六

    説明員(安田貴六君) いや、そのふやすことについても、それは、私の方は自治省がとやかく申し上げるべきことではなくして、運輸省の方のいわゆる決定に基づいて、方針に基づいて行われることでございますから、その決定に基づいて行われたことに対しまする結果的な寄付なり何なりという行為は、これは適切に処置されておれば、私はこれに対して自治省としてとやかくのことを申し上げるべきではないと、こう考えております。
  385. 神谷信之助

    神谷信之助君 水臭いですね、自治体の市長さんや町長さんが苦労されているのに対して。私はそう思いますよ。  そこで運輸大臣に聞きますが、いまずっとお聞きのように、結局今回の三年、三年、合計六年間の協賛レース、これを延長してきたということ。これは言うなれば海洋博はおとりみたいなもので、結局BG財団の資本づくりのためなんです。そのために六年間も続け、さらに場合によったら延長しようというような考えがある。これはみだりに開催回数をふやすなという、いわゆる長沼答申もあります。それから公営競技問題の議員の懇談会、それからさらに学識経験者でつくられました公営競技問題懇談会がそれぞれ意見書を出しています。そういった趣旨から言いましても、あるいは昭和三十七年にこの法が改正をされて船舶振興会が設立されましたが、そのときの船舶局長の答弁、それは、現状以上に奨励をしない、あるいは競走はできれば短縮する方向に持っていきたい、そういう答弁をしていますが、そういう答弁からいっても反するものではないかと思うんですが、この点の運輸大臣の御見解を聞きたいと思います。
  386. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 私もまだ就任間もなくでございまして、先般来、鉄建公団の問題、国鉄等、そういうようなことに忙殺されておりますので、先生の御質問に適切なお答えになるかどうかわかりませんが、実はただいまこちらへ参ります前にも、先生さっきおっしゃったように、北海道は運輸大臣あてに出せというようなお話がございましたが、たまたまある村長がやってまいりまして、ぜひこのBG財団というもの——私も余り内容はよくわからぬのですが、ここで施設をぜひさしてくれと、運輸大臣からもぜひこれを話して設立さしてくれというような御要望が出てきて、私もそれを聞いていまこちらへ参ったわけでございますが、そんなことを考えますと、いま先生の御指摘のような問題等含めて、果たしてこれが自治体のために大きくプラスになるかどうか、いろんな問題を含めて判断して事務当局とも相談してまいりたいと、かように存じております。
  387. 神谷信之助

    神谷信之助君 事業を進めへそういう施設をどんどん、特に過疎に悩む市町村につくってもらうという、そのこと自身はいいんですよ。問題は、私は、そういうことが何もBG財団をつくらなくてもできる、私は、BG財団を民法法人として認可をして、そうして競艇の金が流れる仕組みをつくったこと自身が問題だというように思うのです。先ほど船舶局長は、海事思想の普及や海難防止、これに非常に役立つというようにおっしゃっているんですけれども、これは何もBG財団つくらなくてもできるんでしょう。法は、振興会それから競走会それから施行者、これに払戻金以外はそれぞれまず流れると、そういう配分の方法を決定をしているわけです。さらに法二十二条の二及び二十二条の五に振興会の目的と業務を明記をして、そしてその振興会は国内に一個の組織なんだということも明記をしている。だからBG財団のやる海事思想の普及だとかあるいは海難防止のそういう事業をやるというのは、これは法に規定している船舶振興会自身の事業内容にもなるわけです。ですから、本当にそれをやろうとすれば船舶振興会自身がそういう事業をやるということもできるでしょう。あるいはBG財団がそういう事業をやる団体として設立されたとすれば、船舶振興会を通じて二号交付金でほかの通常の補助団体と同じように交付を受けるということができるでしょう。ところが、協賛レースの場合は上がった売り上げ金からその六%はもう船舶振興会の手を経ずに直接一民間法人であるBG財団に行くわけです。ここは私は大変重大だと思うんですよ。船舶振興会については、少なくともその役員人事について運輸大臣の承認を求めることになっている。だからその範囲内において運輸省自身が管理をし監督をする、そういう関係が生まれるでしょう。しかし、BG財団はそんな関係は何にもないでしょう、一民間法人です。ですからその金をどのように使おうと自由です。しかも寄付行為はそういうことになっている。だからこの点はモーターボート競走法の趣旨といいますか、精神からいってもBG財団に直接その協賛レースの売り上げ金の六%が流れるという仕組み、これ自身は法を逸脱をする、そういうおそれが十分にある措置ではなかったか、少なくとも法の趣旨に反するというように私は思うんですが、どのように思いますか。
  388. 謝敷宗登

    説明員(謝敷宗登君) BG財団に対しまして、あるいはこの種の事業に対して通常の競走による船舶振興会の補助でやるべきではないかと、こういう御指摘のように拝聴したわけでございますが、確かに先生が御指摘のように法律の二十二条の五で船舶振興会が行い得る事業が決められております。これはいわゆる私どもが一号、二号と申しておりますが、「モーターボートその他の船舶、船舶用機関」云々等の事業の振興のための貸付業務が、これは主として中小企業ですが、それが第一点でございまして、第二点は、これらの事業の振興を目的とするための補助事業である。それと並びまして、振興を図るための直轄事業というものがございます。これは海事思想の普及それから体育その他の公益に関します二号関係についても同じようなことでやっております。したがいまして、BG財団に振興会の通常のもので補助をしたらどうだという考え方もうなずけるわけでございますが……
  389. 神谷信之助

    神谷信之助君 簡単に言ってください。
  390. 謝敷宗登

    説明員(謝敷宗登君) はい。当時BG財団の計画を私どもが聞き、審査をし検討をした際におきまして、先ほどから何回も申し上げておりますが、言うなればここまで健全に発展してきたモーターボート競走の収益を広く還元をしたいという施行者、競走会関係者の意向もありまして、それで、それぞれが通常の競走で入るべきものから必要経費を除いて協賛をしようじゃないかと、こういう趣旨でございまして、それがBG財団の計画規模等をあわせ検討した上で、BG財団に関します協賛レースを実施してそこに協賛をしているということでございます。
  391. 神谷信之助

    神谷信之助君 あなた方のおっしゃる言い方であれば、海事思想の普及、海難防止のなにに非常に役に立つと、こういうことでやるんですから、これはずうっといつまででも続きますよ。だから、その事業を、いま大臣も言ったように、北海道にもそれをつくってくれという陳情がある。どこでもそれは欲しいでしょうよ、それができるなら。それではいつまででも協賛レースをやるということじゃないですか。そうなれば、みだりに開催回数をふやすことはやらない、逆に短縮することのために努力をしたいと、三十七年の法改正のときに当時の船舶局長国会で答弁しているのとは全く違うじゃない、全く違うことを言っている、そうなってしまうでしょう。しかも、はっきりいま言いましたように、船舶振興会を通じて交付すればいいです。あるいはどうしてもBG財団に直接流れるようにしようというなら、それだったらそれで堂々と法律改正をやったらいいんです、そのようにおっしゃるなら。それを省令の改正で恒常化の道をあけ、そしてBG財団にやっていく。いまあなたがた、施行者も競走会の人たちも振興会の人も皆これをやってくれと言うた。そうすると、みんなあなた、大将は笹川さんじゃないですか。それに反発したら金がもらえぬようになるじゃないですか。選手を派遣してもらえぬようになるじゃないですか。そう言っているんです、議会の本会議場で堂々と市長さんも、率直に。そういう仕組みですから、笹川会長がそういう発想をすれば、結構でございます、一緒にやりましょうと。施行者団体の方は、経費が要って、労力だけ要って収入は少ない、そんなものより通常レースの方でちゃんと金をもろうたらええ、あるいはいろいろな二号交付金の補助金もらえるようにしてもろうたら結構やと。こう思っている。だから、腹の中では余りもうからぬ仕事やなと思いながらもそれはやっている。つくってもらう方は御の字やからやってくれと言う、それはあたりまえや、そういうのを使って、そしてやっているわけでしょう。  大臣にそこでお伺いしますが、そういう笹川さんが自由にできる仕組みのBG財団、そういうのがBG財団です。先ほども言いましたように、振興会は大臣の監督がある。ところが、BG財団は民間の一法人、民法上の、だから一般的な監督以上にはそういうことはできないというのが、運輸省の人に聞いたらそう言っているんですね。ところが、そのBG財団を見ますと、その資産総額は、四十七年度末、いわゆる四十八年の三月三十一日現在で二億六千万円、それがことしの三月三十一日現在では三百億九千百万円、約百二十倍にふくれ上がっているのです。そういう状態です。資産総額というのはそれだけどんどんふくらましている。それでその金の管理、そのうちの基本財産については、これは笹川さんが管理について責任を持っているわけです。どこの銀行へ預金しようと、どの債券を買おうと、どの株式を持とうと、あるいは不動産を取得しようと、これは寄付行為によって会長の権限になっている。莫大な金額ですよ。これを自由に動かせる、そういう立場にある。そういうBG財団の建設に運輸省は協力している。——ちょっと資料を配付してもらいたいと思いますが、そっちの方にも行っていますね。  そこに一覧表を出しておきました。ごらんのように、運輸省の船舶局長、歴代全部とは言いません。最近二、三人の人が天下りをしてない方もありますが、いわゆる笹川さんが会長なり名誉会長になっている団体、もっと多いんだけれども、もう余り多いから調べる余裕がなくて、そこに二十一ほどですか、ぐらいはやったんですが、それだけある。それからさらに課長さん以上の運輸省の官僚が、私のいままでの調査をした範囲では、まだ調査していない部分もあるんですけれども、五十三名天下りをしているんですよ、運輸省からね。まさにそういう点では、いま問題の天下りの官僚が現職の官僚と結びついて、協力して、そうしていろいろなことをやってきて、いま不正が、うみが噴き出してきておるわけですけれども、そういう事態とまさに同じような状態がこの競艇の問題と運輸省の船舶局を中心とした諸君との間に続いている。それが結局は、わざわざ特例をつくって、万博のときはもうそれ一回限り、本当にみだりに開催をしないとするならば、必要のときにその都度その特例の省令をつくればいい。それを省令そのものに日取りの特例を新設をして、そして恒常化をやって、ずうっと三年が六年になった。また延ばそうというのです。私は、大臣、こういう事態については、もうこれからの再延長、いわゆる再々延長ですね、五十五年度以降延長をするということはやめてもらいたい。そして、皆さんが、大臣もおっしゃる、そういう地元の皆さんのそういう要望については、そういう財源について、さらに財源があるとすれば、あるいは船舶振興会に流れている二号交付金の配分のときにそういうものが均てん化をするようにやればいいのであって、わざわざそういうことをやって、そうして、笹川さんに集中をするようなことは私はやるべきではないと思うのですが、この辺の見解を聞きたいと思うのです。
  392. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 本来ギャンブルというものは、競馬、競輪あるいはオートレース、このようなものは、いろいろ批判の問題はございますが、しかし、これは公営競技問題懇談会でございますか、この辺で、世の中に非常に大衆娯楽としても、あるいはその収益金が社会福祉その他青少年施設に使われるということにおいて認められておるという形でこの三つのギャンブルが行われておるわけでございますが、この中でいま御批判のBG財団あるいはその他の問題もございますが、先生先ほどから天下りということをおっしゃっておりますが、私は余り天下りという言葉は好きじゃございませんので、私は民間出身でございますから、民間にいくことは天上りだと思っているわけでありますが、とにかくここへたくさんの運輸省出身の役人が入っているということでございますけれども、まあしかし、ある意味におきましては、運輸省としては、このようなギャンブルで上げられたお命をどのように使われているかというのはやっぱり適正に判断をしていかなければならない、妙なところに使われちゃ困りますから。そういう意味においては、練達の士がこういうところに入って十分監督官庁と連絡をして監視ができるということも私はむしろ必要ではなかろうか、こういう考え方もいたしますので、単なる天下り問題ということで判断すべきではないと思っております。  いずれにしても、このようにギャンブルというものの資金が正しく使われるということを私どもは監督していかなければならないということを本意としておりますので、そういう答弁でひとつ御勘弁を願いたいと思います。
  393. 神谷信之助

    神谷信之助君 練達の士が役に立つとおっしゃるかもしれぬが、ミイラ取りがミイラになるたとえもあるので、私はこれはひとつ厳重にしてもらいたいということと、あともう少し、時間が来ていますがちょっとお願いします。  自治大臣のかわりに来ておられます次官にお伺いしますが、この夏終了いたしました宇宙科学博覧会、これに対して競艇の施行者である自治体が大体約十八億円ですか、そういう寄付を行ったことは御存じだと思うのです。また、これに対して、謝敷船舶局長名で五十三年五月二十六日施行者協議会会長に対して協力依頼の公文書が出ているということも御存じだと思うのですが、いかがでしょうか。
  394. 安田貴六

    説明員(安田貴六君) その文書が出ていることは承知いたしております。
  395. 神谷信之助

    神谷信之助君 運輸大臣、御承知のように自治体の財政は困難ですよ。そういう自治体に対して、宇宙博に対して協力せよと言われても本当は迷惑千万なんです。たまったものじゃないと。十八億も出さなければならない。しかし競艇でお世話になっている笹川さんが宇宙博の会長でおやりになられる。これに対して協力しなければ先ほどの青梅市長さんや徳山の市長さんではありませんけれども、選手の派遣などでいろいろな困ること、損をすることが起こる。だから困ったなあと内心は思いながらもにこにこして寄付を出しているんですよ。そういうことを百も承知の船舶局長がわざわざこういう文書を公文書でお出しになる。宇宙博は何も関係ないんです。余り関係ないように思うんだけれども、それに対して競艇の施行者である自治体の長に、協議会の会長あてに協力要請を出している。ですから、笹川さんの方がおっしゃり、しかも船舶局長まで要請文が出てくるとなりますと、自治体の側はますます泣く子と地頭には勝てぬということになってくる。もちろん私は、これは船舶局長自身の発意で出されたのじゃなくて、逆に施行者側である自治体の方が、議会の了解を得るためにもひとつ公文書で頼むという要請が陰にあったのかもしれぬと思う。しかし、いずれにしてもそういう事態なんですよ。すんなりと市長さんが住民に納得してもらえるような問題ではない。だからこういうことも出てくるんです。私はこういうのは余り不見識だと思うんですけれども大臣の見解はいかがですか。
  396. 謝敷宗登

    説明員(謝敷宗登君) 事務的な御答弁を先にさせていただきますと、私がその文書を出しましたのは、これは運輸省は宇宙開発につきまして気象衛星、それから海事航行衛星等の研究開発あるいは実用化をやっておりまして、宇宙博そのものにつきましては文部省、総理府等と同時に後援をしております。したがいまして、私どもの立場としては、宇宙博の事業内容をよく聞きまして、それで後援をしておるたてまえから言いまして、私の名前で施行者に御協力をお願いした、こういうことでございます。  それからもう一点、ちょっと恐縮ですが……
  397. 神谷信之助

    神谷信之助君 時間が短いですから。
  398. 謝敷宗登

    説明員(謝敷宗登君) 先ほどお配りいただきました資料の中で、船舶振興会の笹川さんが会長をしているのはこのうちで、ちょっと数えておりませんが、一部でございます点が一点と、それから、ここに出ております名前の方は一人を除いてはほとんど非常勤役員でありまして、そういう意味で天下りというものに該当するかどうか、事務的な事実だけ御説明をさしていただきたいと思います。
  399. 神谷信之助

    神谷信之助君 大臣、簡単にひとつ大臣の見解を。
  400. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 宇宙博というのは残念ながら私は見に行くことができなかったわけでございますが、話を聞きますと、青少年に対しても一般の国民に対しても大変啓蒙に値する事業であったというふうに伺っておりますので、合法的にこれが行われている限りにおいては、私は非難すべきものではないと、かように考えております。
  401. 神谷信之助

    神谷信之助君 運輸省の方、この絵ざらはごらんになったことがあるんじゃないですか、御存じだろうと思いますが、これは宇宙博で大体三百円ぐらいで売っていたらしいんですね。そして同時に、いろいろな各方面にこれをごあいさつつきで謹呈で、これは終わってからお配りになったようです。私は、これは東京のタクシーの運転手さんからもらっています。聞くと、十万からいる東京のタクシーの運転手さんに全部に無料で配付されています。この絵ざらをBG財団で購入していませんか。
  402. 永井浩

    説明員(永井浩君) そのような事実はつまびらかになっておりません。
  403. 神谷信之助

    神谷信之助君 御存じないようですが、これはBG財団の倉庫に、道路から見えるんですけれども、そこに山のようにどんと積まれている。そして出入りの業者の皆さんの中で、これは帳簿には出ていないけれども、数千万円で宇宙博からBG財団が購入した、そういう話が通り相場になっています。これはひとつ調査をしてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
  404. 永井浩

    説明員(永井浩君) 事実関係を調べてみます。
  405. 志苫裕

    委員長志苫裕君) もう時間が過ぎます。
  406. 神谷信之助

    神谷信之助君 あと、総務副長官お越しいただいていますが、済みません、待たせまして。  先ほども言いました公営競技問題懇談会あるいは議員懇談会の意見書を出しておりますが、これらの問題について特に「交付金の収納、配分を行う振興団体については、十分な監督体制を確立するため、会長、副会長及び監事を主務大臣の任命制とすることなどを検討すること」あるいは「役員の長期在任はできるだけ避けるよう配慮すべきである」あるいはまた「交付金を配分する団体の役員が、それを受ける団体の役員を兼任することはできるだけ避けるよう配慮すべきである」という指摘もあるわけです。  そこで、これに対して具体的にどのような取り組みをなされているのか。報道によりますと、このギャンブル法人についても政府の監督権限を強化をするために検討を開始したというような報道もありますが、その点について一つお伺いしたいと思います。
  407. 愛野興一郎

    説明員愛野興一郎君) 交付金の収納、配分を行う振興団体に対する監督を厳正にすべきことは当然のことであるという認識の上に立っております。先生承知のように、いろいろと公営競技問題懇談会等々からの御意見を出された意見書におきましても、交付金の配分の公正を確保するため、その配分に当たって第三者機関の意見を聞くこと等のほか、振興団体の会長等については任命制にすること等についても検討すべきこととされているわけでありますから、これらの意見の趣旨を踏まえて、それぞれの振興団体を監督する立場にある省庁におきまして今日具体的な検討をお願いしておるところであります。
  408. 志苫裕

    委員長志苫裕君) もう時間ですから、それで最後にしてください。
  409. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう時間ですから最後にしますが、運輸大臣、いま総理府の副長官の方からお話がありました。それで、この懇談会の意見書二つとも、特に集中的に問題になっているのはやはり競艇なんです、率直に言って。御承知のように、笹川さんは終身会長を豪語されていますから、したがって森山前大臣は、三月の二十六日ですか、笹川会長と面談をして、船舶振興会会長の辞職、船舶振興会から補助金を受けている団体から身を引く、それからテレビコマーシャルへの出演をやめる、この三項目を要望した。ところが具体的に進捗しないので、総辞職をする前日の十月二十九日に事務当局に対して、私的懇談会を設け検討せよという指示をして後任大臣に申し送ったという報道がありますが、その点は事実かどうかという点が第一点。ところが、翌三十日に笹川さんは運輸省に乗り込んで森山氏と対決をして、テレビコマーシャルも会長もやめないと宣言をして、新聞記者会見ではヘビはアオダイショウをつかんでもいいが、コブラやマムシをつかんだら大変なことになるというすごみをきかせたという報道もある。こうなりますと、まさに船舶振興会というのはもう笹川さんの私物化していると言わざるを得ぬと思うんですね。したがって、船舶振興会はモーターボート法に法定された運輸大臣の監督下の財団法人で、交付金による事業を行うものとして法改正で競走会と分離をして、そうして独立の財団法人を組織されたわけです。ところが、法律ではそういうふうに一つであったものを二つに分けにゃいかぬということで分かれたのに、競技関係を行うところの、レースを行う運営の方の責任であるモーターボートの全国連合会の会長は笹川さんで、そしてそこで上がった売上金、これを管理する船舶振興会の会長もまた笹川さん。それで補助団体の多くもまた笹川さんが占めている、こういう状態はこれは早急に改められなきゃならぬ。森山前大臣がどのように申し送りをなさっているかどうかは知りませんが、そのあるなしにかかわらず、今日特殊法人をめぐってもいろいろ問題が言われておるし、総理府の方でもそれについて検討を開始をしておるという状況ですから、とりわけ一番大きい問題になっているこの競艇の問題について、運輸大臣としてどう対処をする決意か、この点をひとつ明らかにしてもらいたいというふうに思います。
  410. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 森山前大臣からコブラ、マムシのような論議の引き継ぎは実はございませんでした。いろいろ船舶振興会その他の問題について詳しくお聞きするような時間もなかったわけでございまして、引き継ぎ書のお互いの署名で終わったと、ほかの問題もたくさんございますが。その程度でございますので、その点詳しいお話はございませんでした。  それから、もう一つのお尋ねの笹川さんがそれぞれの会長をお務めになっておるという問題でございますが……
  411. 神谷信之助

    神谷信之助君 それは好ましくないですね、好ましくない。
  412. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) これは好ましい好ましくないではなくて、やはり一つの財団法人として選任を合法的にされてきた以上は、いまここで好ましいとか好ましくないという判断はここではお答えしにくい問題でございまして、問題提起でございますから、今後いろいろ検討をさしていただきたい、かように考えます。
  413. 神谷信之助

    神谷信之助君 終わります。
  414. 三治重信

    ○三治重信君 どうも遅くなっての質問で申しわけございませんが、開発銀行さん、輸出入銀行さんともどもなかなか一般的に御質問する機会もないものですから、きょうはちょうど決算委員会という機会を得て両行のいわゆる政策金融についてお尋ねをしておきたいと思ってお願いをしたわけなんですが、まず、特に開発銀行さんに質問をいたしますが、この財投の融資対象がずいぶん資料を要領よくまとめられてあって、非常にわかりやすくなっておりまして非常に参考になったわけですが、最初の電力、石炭、海運等の産業振興の融資から、社会開発、技術開発の方へ重点が移ってきているさまがよくわかりました。特に五十一年の決算がきょうなんですが、ちょうど五十一年の決算の近くは第一次石油ショックの後で、そこに資源エネルギー対象の融資というものが入って、さらに最近では今後非常にこれが重要なんだというふうに書いてございますが、これについて開発銀行さんは資源エネルギーの開発投融資を重点的にしたいと、また一般には六十八兆円も資金需要があるように注で書いてあります。そうしますと、国内開発での資源エネルギーだけでは開発銀行として非常に不満足じゃないか、石油開発公団との関連もあろうと思うんですが、これについて石油開発公団さらに通産省が五十五年度予算以降で新しく総合的な石油、エネルギー関係の公団をつくりたいというようなことも新聞にたくさん出ているわけです。こういう問題に対して開発銀行としてどう対処されているのか。
  415. 渡邊孝友

    参考人渡邊孝友君) お答え申し上げます。  ただいま先生のお話しのとおり、開発銀行は年年閣議決定を経ました融資基本方針に基づきまして融資に当たっておりまして、その重点はその時期、時期において変遷しておりますが、つい近年は公害防止投資、これを大いに進めてまいったのでございますが、現時点におきましては、お話しのとおり資源エネルギー対策が今後の開銀の融資の中の最も重要な部分の一つであろうと存じております。  ただ、御指摘のございました海外との関係、確かに海外石油の開発とかあるいは海外炭の開発、輸入、そういうことも必要でございますけれども、これにはそれぞれの政府機関がございまして、そちらで当たることになっておりまして、私どもは国内で省資源、エネルギーの効率の引き上げ、あるいはたとえばLNGのような代替エネルギーを国内で受け入れる場合の、そのときの設備とかそういったことをやることを任務として考えております。そして政府機関でございますので、そうした融資の重点項目等につきましては常に関係主務官庁と密接な打ち合わせのもとに融資に当たっております。私どもとしては開銀の使命を果たすためにエネルギー対策、資源対策、そういった方にお役に立ちたい、またいまの体制でやっていけるものと、そう考えております。
  416. 三治重信

    ○三治重信君 それから、社会開発の範囲が非常にふえて、都市開発それから地方開発、国国生活改善、この割合が非常にふえておりますが、この問題はどうなんですか、最近いわゆる資金需要というんですか、開発投資として資金需要がそんなに強くないのか、またこういうのがいわゆる開発投資として非常に資金需要があるのか、これはまた開発銀行さんがこちらに重点を置いていくときに、一般の産業開発資金とのいわゆる資金需要の競合との関係をどういうふうに考えられているのか。その点、今後の経済動向、新しい七カ年計画との関連でこういうふうなことが非常に強く開銀として頭に入れられておるのかもしれませんけれども、国債が非常に発行されて国に資金が吸収されてくる、開発銀行がさらにその上にこういう公共投資に準ずるような社会開発の方に重点を入れていくと、民間資金の需要がショートしてきたときに、一般金融、民間金融機関の補完という機能からいくとちょっと偏る体制にならぬかと、こういうふうに思うわけなんですが、その点についての配慮はどういうふうに考えておられますか。
  417. 渡邊孝友

    参考人渡邊孝友君) 四十七年に開銀法第一条「目的」の項で法律改正が行われまして、それまでは「産業の開発を促進するため」とございましたのを「産業の開発及び経済社会の発展を促進するため」と、そういう改正が行われておりまして、その前後からおっしゃるとおり都市開発、地方開発にも重点を置いてまいってきた次第でございます。  私はやはりそういったことは今後とも必要であるとは考えております。しかし何といっても資源エネルギー対策が緊要でございますので、重点はどちらかといえばそちらの方に現に移りつつございますし、その資源エネルギーと、もう一つ申し落としましたけれども、技術振興とその二つに重点は移ると思いますが、やはり都市開発、地方開発、並んで重要なものだと、そういうふうに考えておりまして、許される資金の範囲内でそれを配分してまいりたいと、そう考えております。
  418. 三治重信

    ○三治重信君 どうもありがとうございました。  じゃ輸出入銀行さんに御質問いたしますが、まず第一に、輸出入銀行としての貸し付けは円ベースで貸しているから円レートの非常な高下に対して余り関係ないんだというふうな、ちょっと事務当局の御説明感じを受けているんですけれども、それはやはり輸出入金融で相手の対象になるのは、どれだけの金を貸すかというのは、みんなそのレートに換算をしての信用に対して融資の必要額ということで貸していて、それが変更になると非常に、何といいますか、大きな損失や——プラスになるときにはいいんでしょうけれども、そういうことについての融資の配慮というものがどういうふうになっているのか、その点ひとつ簡単にこの輸出入金融についての為替の変動ですね、この解説書にも、五十二年までは三百八円と、これはスミソニアン協定の公定価格ですわね。それから、「五十三年一月以降同年六月までは一米ドル二百六十二円、同年七月以降」というんですから五十三年七月以降「十二月までは一米ドル二百三十四円、昭和五十四年一月以降は一米ドル百九十五円で円換算し、」と、こういうぐあいになっている。こういうふうな換算の基準を帳簿価額ではこうやっておられるんでしょうけれども、輸出入の融資について、時のこういう換算レートとその後の変動のときについての融資の担保や返還との、回収との関連は、技術的なことは抜かすとして、ひとつどういうふうな対応、心構えというんですか、対応を銀行としてやっておられるか。どういう対応をやっているかということ。
  419. 竹内道雄

    参考人竹内道雄君) お話しのように、四十八年に為替がフロート制になりましてからは私どもの輸出金融につきましても多少の影響はあるわけであります。一般的に申しまして、円高になるあるいは先行きの見込みが円高であるというときには、やはり将来の返済の問題を考えますとどうしても輸出全体が伸びにくくなるという傾向がございます。私どもが融資しておりますのは普通の輸出の金融と申しますよりは延べ払いの輸出の金融でございますが、これにつきましても、先行きの円高が見越される場合には延べ払い融資じゃなくて、もうこの際現金で払ってしまうというようなことになる場合があるわけでありまして、円高の場合には輸出全体の伸びがどうしてもやや鈍りがちになる、また私どもが担当しております延べ払いの輸出金融というものも伸びにくくなるという傾向を持っております。円安の傾向がある場合には当然またその逆のことが起きてくるのであろうと思います。  それにどう対応するかと申しましても、まあ私ども輸出は大変大切だと思っておりますが、そういった為替レートの変動に直接対応する手段というものはなかなか持ち合わせておりません。そのときどきの変動に応じて相手と話をしながらやっていくということでございます。  なお、お話ございましたように、輸出入銀行は円でお金を貸すというのが原則でございます。原則でございますが、御承知のように昭和四十七年、それから昭和五十二年の二回にわたって日本の外貨が非常にたまり過ぎたということで緊急輸入外貨貸し制度というのがございまして、臨時異例の措置でありまするけれども輸出入銀行がドルで融資をしたということがございます。四十七年の融資の場合には市中からドルを輸出入銀行が引っ張ってまいりまして、それを貸すということになりましたので、そのときのレートに比べて、そのお金を返済してもらうときのレートが貸したときのレートよりも、あるいは高い、あるいは低いというようなことがありまして、四十七年以降は毎年そういった為替の評価損あるいは評価益というものが多少出ておるというような影響は受けております。
  420. 三治重信

    ○三治重信君 輸出入銀行さんはだんだん最近、海外投資、これも何というんですか、日本のそういう海外投資をやる会社に主に投資をするんだと、こういうふうに書いてあるんですが、どうなんですか、今度のイランの石油化学の、何というんですか、政府の出資、三井のイランの石油化学についての政府のああいう出資とか、政府融資というような場合にはおたくがみんな請け負うことになるんですか。それとも今度の対中国の、総理の五百億の開発融資なんというのはやはり輸出入銀行がみんなしょってやるようになるんですか。また、いままでそういう例はどういうところがあるか。
  421. 竹内道雄

    参考人竹内道雄君) イランの今度の五百億の話は、あの事業を継続していくためにイラン側も五百億の追加の出資をする、それから日本側も五百億の追加の出資をするという話であると存じます。その日本側の出資の五百億のうち二百億は海外経済協力基金が出資をする、残りの三百億はイラン関係の日本側の会社の株主が出資をしましょうと。その三百億の出資をするについては、その三百億の何割か——たしか五割か六割であったと思います、ちょっとはっきり覚えて……。五割か六割だったと思いますが、その分を輸銀が日本の出資をする会社に出資のための貸し付けをいたしましょうということがその内容であろうかと思います。御承知のように、その後イランがああいう情勢になったものでございますから基金の出資も行われておりませんし、それから株主側の出資もストップしておるという状態であるというふうに承知しております。  それからもう一つの中国の政府借款の話でございますが、今度総理が行かれて話をされた五百億の政府借款というのは政府ベースの話でございまして、輸出入銀行ではございませんで、経済協力基金が中国に貸す話でございます、援助をするという話でございます。その話のほかに本年の五月に私どもの方の銀行と中国銀行とが話し合いをいたしまして、中国における石炭、石油の開発をして、そうしてそこで開発したエネルギーを日本に輸入してくるということのために、当時のお金として二十億ドル相当、四千二百億円というお金を輸出入銀行から中国銀行に貸しましょうというお約束をいたしました。当時、円レートは二百十何円かぐらいで、二十億ドルを換算しますと四千二百六十億円ぐらいになったと思いますが、まあ端数を切り捨てて四千二群億円のお金をお貸ししましょうという約束をいたしました。その後中国はその四千二百億円のお金をどういうプロジェクトに使おうかということを考えておりまして、いまのところ全体は決まっておりません。ただ、そのうちの五億ドル相当分は渤海湾の開発資金に充てたいということを言ってきております。残りについてはまだいろいろ検討中でございまして、一部は石炭、一部は石油に使われるというふうに聞いておりますが、具体的な内容はまだ聞いておりません。なお、そのお金につきましては、いまのところはそういう渤海に五億使おうというような話でありまして、現実のディスバースと申すのですか、貸し出しはまだ行われていないという状況でございます。
  422. 三治重信

    ○三治重信君 今後日本が国際協力をやるのに国際協力基金というのもあり、あるいは政府の贈与的な、返済を要しない貸し付けもあるわけなんですが、いわゆる産業ベースというのですか、半官半民的なこういう開発計画のときには、やはり私は開発銀行さんがそういうのに——エネルギー開発をやるというから、そういうようなものにも入ってくるのかと思ったら、輸出入銀行でみんな開発投資をやるとか……、どちらでも政府金融機関だからいいかもしれませんが、やはりここは国際的な日本の資源を確保するというのですか、日本の今後の経済の危険度分散にも非常に役立つんじゃないかと思うんですが、こういうようなことについても、そうすると、前に外務大臣に聞いたときには、やはりいろいろのプロジェクトがあるけれども、実際の実行になかなかまとまらないんだ、金があってもまとまらないんだという返事がありましたね、国際協力基金というのはなかなかうまいこといっていないじゃないかと、こう言ったら。そういうことについて、まあ時間ですからごく簡単で結構ですけれども、銀行のそういう投資の車門家が、こういうプロジェクトや、向こうの海外の南北問題の解決や、また後進国でもみんなそういうのに頭脳的なものは弱いだろうと私は思うんですよ、また計画がずさんになるだろうと思うんですが、そういうものについてのチェックと援助というものを相当やはりしていかぬと、いろいろ計画はあっても融資に乗ってこない、それを促進することがやはり私は必要だろうと思うんですけれども、そういうことについてどういうふうにお考えをお持ちなのか。
  423. 竹内道雄

    参考人竹内道雄君) 経済協力基金は政府同士の話し合いに基づきまして援助をしていくということがその仕事の主たる内容だと存じます。私どもの方は協力基金に比べますと、平たく言って大分金利も高いので、そういった金利でもやっていけるコマーシャルベースに近いもの、そういうものに対して融資をしながら発展途上国の開発にも資していこうということでございまして、なおあわせて四十八年の石油ショック以来は資源エネルギーを中心とする資源開発関係の融資というものが私どもの融資の中でも非常に大きなウエートを占めてきているようになっております。これはわが国の資源の確保ということにも役立つと同時に、開発途上国の発展にも役立つという双方の利益になるものであろうかと思っております。ケースによりましては、なかなか私ども予定しておりますようなものでも、大きなプロジェクトでありますのでいろいろ時間がかかります。いまお話がございましたのは経済協力基金の援助資金のお話であると思いますけれども、私どもの方の融資でも同様にお金を貸そうと思っておったけれども、たとえばアルジェリアあたりの融資案件でも、あの国でもいま経済見直しがされておる、中国でも去年の暮れあたりから経済調整が行われているというようなことで、多少のずれというものが、見込みよりも計画がずれて融資がおくれるというようなことがありますが、基本的にはこれからもそういった資源開発関係の融資というものは私どもの仕事の中でもかなりのウエートを占めていくものであろうというふうに考えております。
  424. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 他に御発言もないようですから、皇室費国会会計検査院大蔵省と、それに関係する日本専売公社国民金融公庫日本開発銀行及び日本輸出入銀行決算については、この程度といたします。  次回の委員会は、明十二月十四日午前十時三十分に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十八分散会      ——————————