○西垣
政府委員 昨日山田先生から提示されました四点のうちの第一点が、「
支給開始年齢を六十歳に
引き上げるに当たっては、将来の
雇用保障との関連に十分配慮し、
段階的に退職勧奨
年齢等も
引き上げていくよう、行政
指導に努めることとする。」という
お話でございまして、あるいは多少文言が違うかもしれませんが、私
どもといたしましては、この御趣旨というのは、
年金受給の
年齢と
退職年齢とがうまくつながっていかないようでは困る、そこのところをうまくやるようにという御趣旨というふうに理解いたしております。私
どもの感じといたしましては、これから公務員につきましても六十歳
定年制ということで次第に日程に上ってくると思いますし、
共済の
財政から
考えましても、いたずらに早くやめていただくことがいいことではございませんし、もちろん新陳代謝ということで企業の活力を保つという要請はございますけれ
ども、五十五歳から六十歳までに
給付年齢を
引き上げるということにつきましても、十五年ないし二十年という経過規定を置いておりますので、十分その
方向で
努力できる問題ではないかなというふうに
考えております。
それから次に、第二項といたしまして、「高齢者の勤務が不適当と
考えられる重労働職種や危険職種についている者が退職した場合における減額退職
年金の減額率については、将来必要に応じて一般退職者の減額率より緩和する道を講ずるよう
検討する。」ということでございまして、現在減額率は四%ということが決まっておりますが、今度の
改正ではこれを保険数理上適当な率ということに変えることにいたしておりますが、その趣旨は、不公平にならないように、つまり減額
年金を受け取る人と通常の
年金を受け取る人との間に不公平か生じないようにということでございまして、その例外をつくるということにつきましては、その不公平の問題をどうするかということがあるわけでございますが、確かに、山田先生が言われますように、重労働職種あるいは危険職種ということで特に例外を求めなくちゃならないような人があるかもしれない。したがって、その点については十分に研究させていただきまして、必要があればそういう制度をつくるという
方向で
検討する。しかし、その場合にも、減額
年金を有利にしますと
掛金負担を大きくしなくちゃならないというふうなむずかしい問題もございますので、そういう問題も含めまして、たとえば
法律改正を要するかどうかというふうな技術論も含めて
検討させていただくということで、昨日もそういう
方向でよろしいというふうなことでございました。
それから次に、国庫負担割合の問題でございますが、
国家公務員共済につきましては現在の制度では一五%の負担でございます。そのことに関連しまして、第三点が、「国庫負担割合については、当面の実質一六%を固定することなく、
厚生年金等他の公的
年金制度との
整合性に配意しつつ
検討を続ける。」ということでございます。ここにございますように、今度の
改正で
国家公務員共済組合法につきましては二八%ということに一%
引き上げておりますが、山田先生の御趣旨は、これは最終点でこれでとめてしまうのではなくて、
厚生年金が二〇%であるということを
考えても、もっと上げるべきではないかというふうな御趣旨で、それを
検討してほしいということでございました。私
どもといたしましては、一六%、二〇%ということで形式的に違うということにはなっておりますけれ
ども、制度それぞれ歴史もございますし、仕組みもございますし、
給付水準も違いますし、それぞれバランスがとれているというふうには
考えておりますけれ
ども、今後、各種の公的
年金制度につきましてはいずれも急速な老齢化ということで、今後
財政負担をどうするか、
財政対策をどうするかということにつきましては、
公的年金全体につきましても
検討しなくちゃならないということでございますので、二〇%というようなことをいまのような
財政のもとでお約束することはもちろんできないわけでございますけれ
ども、そういった全体の制度の
検討の中で
検討させていただくということは当然のことであるというふうに
考えております。
それから、第四点といたしまして、懲戒処分者に対する
年金の
給付制限について、労働運動による処分者の場合を中心に緩和する
方向で再
検討するという御提案がございまして、現在公務員
共済につきましては、懲戒処分等の場合には百分の二十
給付が落とされるというふうな制度になっておりまして、いろいろと論議されていることはよく
承知しておりますので、この問題につきましては、いろいろとむずかしい議論があるということは
承知しておりますけれ
ども、ひとつ
検討させていただくというふうに
考えている次第でございます。
以上の四点でございまして、それとの絡みで現在施行期日を一月一日としているものにつきまして、一部七月一日施行ということで施行期日を半年おくらせるということをあわせて御提案なさいまして、私
どもといたしましては、本来原案どおりに通していただけるのが適当であるというふうに
考えて御提案したわけでございますけれ
ども、審議の促進に役立つということであれば、ちょうど法案がおくれた期間に見合うことでもございますし、その程度のことであれば仕方がないというふうなことをその席で申し上げました。
以上でございます。