○馬場
委員 そこで、認識が違いますから、認識を新たにしていただくために、養豚農家の経営
状況というものについて私はいまから申し上げますから、認識を新たにしていただきたいと思うのです。
先ほど私がお示ししました、私の県の下益城郡城南町の堀江さんというところの毎月の経営
状況の一覧表がありますけれ
ども、大体一頭出荷するごとに一万二、三千円の赤字でございます。それから、私の県の天草郡天草町大江というところでは養豚業が盛んですけれ
ども、そこの大江養豚グループというところは、実はいま十三名でやっておられるわけでございますが、総頭数は五千頭ぐらいでございます。ここでは一カ月に五百頭ぐらい出荷しておりますが、一頭に対して一万一千二百五十円の赤字が出ておりまして、毎月五百七十二万五千円ぐらいの赤字が出ております。ここのもう一人の森下さんというところにも行ってきたのですけれ
ども、ここは一頭当たり一万二千五百四十六円の赤字でございます。月に三十頭ぐらい出しておられるわけですけれ
ども、合計三十七万六千三百八十円、これが毎月の赤字でございます。千葉養豚というところがございますけれ
ども、ここは一頭当たりマイナスの八千円ぐらいで、八十五頭ぐらい毎月出しておられますが、毎月六十八万円の赤字です。川畑さんという人がおりますけれ
ども、ここは両親と高等学校三年、高等学校一年、中学一年の家族総出でがんばって、五人でやっておられるのですが、一頭出荷いたしますと一万一千円の赤字です。毎月四十五頭ぐらい出しておられるのですけれ
ども、毎月四十九万五千円の赤字でございます。毎月このくらいの赤字がウナギ登りにふえているので、このままの
状態が長く続けば、もう廃業どころか一家心中をしなければならぬ、こういうような
状態に実はなっておるわけでございます。
熊本の例を申し上げましたけれ
ども、十五万六千戸にも及ぶ養豚農家、この養豚農家というのは、一兆円産業という形で日本の産業にも物すごく貢献していると思うのです。国民の食糧にも命の糧にも協力しておるのですが、すべてほとんど同じような
状態がある。このままの
状態でこれがもうちょっとでも長く続けば、養豚農家は死ねということと同じような
状況になるわけでございます。さっき大臣も生産過剰というような言葉を言われましたが、つくり過ぎたのは養豚農家に責任があるとは言われなかったのですけれ
ども、
政府の言葉なんか聞いておりますと、つくり過ぎだというようなことで、対策が手ぬるいように私は思うのです。しかし、こういう人たちは減反政策をやらされて、養豚でもって生活を補おうという形でこういうぐあいに頭数もふやしてきたわけでございます。このままの
状態が続けばあしたにも一家心中をしなければならぬ、こういう
状態が今日の
状態ですよ。
そういうときに、大臣は、一日も早く安定
基準価格というものに
政府は全力を挙げて取り組む、本当に養豚農家の人をそうしますよと言って勇気づけるという態度をとってしかるべきじゃないかと私は思いますが、いかがでしょうか。