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福田政府委員 業法の
改正と申しますのは至難のわざでありまして、従来この
法律が古い形のままで放置されてきたのもそこに原因があろうかと思います。
法律は二十六年にできまして、その
内容は
相当古いままで運用されておるというところに、
現時点において古い衣になっておるということでありますが、そのよって来るところは
関係業界との
調整がなかなかむずかしいということであります。これにつきましては、ちょっと振り返らないと沿革がわかりませんので、
調整という
意味で申しますと、三十六年の六月に附帯決議が参議院でございまして、全体的な見直しをしろ、こういうことでございました。これが出発点で、三十八年の十二月に税調の答申がございますが、これは一年以上、学者、それから
関係方面全部入られて、現地調査までやられた、
相当これは徹底した調査であったと思います。それを受けましたのが三十九年の
法律でございます。これは合理的な
内容を持っておると、われわれは、
政府としては考えるわけであります。その後これは
廃案になりましたが、これは
税理士会の中でいろいろな
意見が、
試験制度をめぐって
反対の
意見が強くなったということからきたわけでありまして、やはりこの業法を通すことが業界の中でまとまった
意見でなければむずかしいということがわれわれの過去の経験であります。したがって、このまま放置してはいけない、これは
税務行政の基本に関する
制度でございますので、しかし、そのスタンスは、それは
税理士さんから見ても、また
税理士会から見ても、
依頼者から見ても、それから
税務当局から見ても、それから特に国民から見ても合理的であるということが
政府提案の基本であろうかと思います。そういうスタンスで
関係方面との折衝を放置することなくやってまいりましたが、特に五十一年の一月からこれは約三年にわたりまして、五十三年の十二月まで約十五回以上の打ち合わせを
税務、
税理士会連合会と行っています。
〔
愛知委員長代理退席、
委員長着席〕
税理士会連合会は
法律に基づく団体でありまして、これは各国税局単位の
税理士会、東京
税理士会を含みます各
税理士会の上に立つ
連合会であります。したがって、その中にはいろいろ
意見がありましても、
税理士会連合会というものがいろいろな
手続を踏みながら、
理事会、総会、正副会長
会議その他を何回もやりながら、またわれわれとも折衝をやりながら、それをまた図っていくという手順を踏んでまいりましたことが、
調整過程としては十分な手順を踏んだと考えるわけであります。それで
内部的には、いろいろ
意見はこれは当然あろうかと思いますが、そういう
正式機関がわれわれと長
期間具体的な問題をやってきたということはやはりお考え願っておきたいと思います。
ほとんどの問題を細部について詰めました。しかし、一挙にすべての問題が解決するということは、
法律全体を通じてやはりむずかしい問題でございまして、やはり
現時点でわれわれもいいと思いますし、相手もこれでいいと思うもので、ここで
改善を図るということでなければ、この
法律はいつまでも十年、二十年放置されたままであろうと思います。したがって、ここで
意見が最大公約数でまとまったところで
法案を
提出しまして、その
過程でおっしゃいました公認会計士の問題、これはまた御
質問があれば付言しますが、
税理士はやはり
税務の問題を処理する
専門家である、公認会計士は例外的な
立場で始まった
通知公認会計士制度でありますので、この際、すっきりしたいというのが基本的な
税理士と公認会計士の
調整のスタンスであります。それから
行政書士は、
税務専門家という
意味でいけば、これはやはり
税理士が優先するということが処理の中心でありまして、既得権の
調整を同時に行うというようなことで、その辺との
調整は各省を通じながらやっていく、また
証券局とも
調整していく、非常にこれは苦労しまして、その間わが当局としては批判を受けないように身を厳正に保ちながら、正しい
法律として仕上げるということに専心してまいりましたので、この
内容については、
現時点では私としては最高のものと思います。
ただし、今後いろいろな社会的な変動がございます。経済的な事情の変化もあります。それに応じながらよりよい
税理士の
地位の向上、そして諸外国の、特に英国その他の公認会計士に近い
税理士の
地位の尊重ということ、りっぱな
税理士さんの持ってこられたものはフリーパスで通るというような
信頼関係まで持っていく必要がある。それはやはりステップを踏まなければいけませんので、今回の
改正は
現時点で社会的な評価にこたえてその
地位が実質的に向上する
段階のものとしては、いまの時点ではこれ以上のものは
調整できない。ここでこれがまとまらなければ、当分われわれとしても
調整する力はないというふうに考えております。