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竹本委員 これは高度の政治性を要する問題でもありますから、本
委員会で一々議論しても仕方がないと思うのだけれ
ども、ただ、私は一つ提言として、いまこそ積極的にそういう努力をすべきである。大体、日本は金を買い入れるといったような問題にしても何にしても、国際経済に対する立ち向かい、対応ということについては、
大臣、これは常に立ちおくれているのですよ。ですから、私はいま積極的に、もう少し国際的視野に立った
考え方を持つべきではないかという御提言を申し上げておりますので、御留意を願いたいと思います。
さらにもう一つイランの
関係で申し上げますが、イランだけではなくて、大体OPEC諸国が石油の輸出の
関係で、少なくとも四百億ドルくらい黒字をかせいでいますね。そのドルを、いままでは要するにアメリカを中心に利用してきて、預けたり、土地投資をやったり、
証券を買ったりしておると思うんですけれ
ども、ドル離れの時期であるし、また日本が余りドル離れを推進するということになると、アメリカから余りよい感情を持たれないのではないかという政治的配慮も要ると思いますけれ
ども、それにしても、そういう大きなうねりができてきておるのですから、この際に、これも高度の政治性を要しますが、OPECその他の余った金というか、余裕のある金で対日投資をさせる、あるいは対日
証券投資をさせるというように
——これは余りはでにやることができない問題かもしれませんが、
政府としては考えておかれたらどうだろうという、これも提言であります。
という
意味は、大体調べてみると、産油国のアメリカに対する投資というものは約四百億ドルですね。これをだんだんに、ドル離れの傾向とともによそへ振り向けていこうという努力をイラン自身がすると思うのですよ。あるいは、その他の産油国もするであろうと思いますが、そうした場合に、日本でいま一番困るのは、先ほど来お話がありますように油の問題でございますから、イランとの間において経済的に相互依存
関係を深くするということは、日本の経済の安定感を確保する
意味において非常に役立つ。その安定感を持たせる、確保するという
意味から言えば、イランの方がたとえば日本に石油をストップする、そういう場合にはイラン自身が大いに被害をこうむるのだということになればいい。そのための方程式は、いまの間に、イランが四百億ドルも対米投資、
証券投資だけでもやっているのですから、日本にそれを振り向けるように努力をしたらどうか。
それから同時に、
大臣、日本の大きな財閥
関係を大ざっぱに調べてみまして、どのくらい財産があるか。大体六千億ドル、百五十兆円くらいですかね。そういうときでございますから、日本の大きな財閥
企業群の特定の会社の株式をもう少し開放して、そしてイランにも大いに持ってもらうということにすれば、その一割というわけにはいかないでしょうが、仮に一%でも六十億ドルというものが入ってくる。そのドルの使い方については、いまのようにドルが足らなくなる心配
——足らなくなると言うと言い過ぎかもしれませんが、減っていく方の心配をしておるときでございますから、非常なプラスになるし、その活用方法については、必要とあればまた意見も申し上げますが、いずれにしても、向こうがドルをもてあましておる、特にアメリカとの
関係においてはどこかへ振り向けたいと思っておるときでございますから、日本の百五十兆円ある財閥
企業の少なくとも一割なり一%なり、まず手初めに開放して、イランに、あるいはOPECに持ってもらうという努力をすれば、経済的に、大きな言葉で言えば一種の運命共同体になるいいチャンスではないか。そういう
意味で、先ほ
どもちょっと申しました
証券の問題についても、資本の移動の問題についても、今度の
自由化を機会にわれわれの
考え方自体をもう少し国際的に自由な頭に切りかえて、外国からも大いに金を入れる、また日本の投資も大いにやる。まあ、いろいろ利害得失がありまして、多国籍
企業というものは世界平和の害になるという意見と、世界平和にとってプラスになるという意見とあって、最近ではガルブレイスと都留重人さんが一つの議論をしたようでしたけれ
ども、そういう両方の意見があります。私は、日本の金をアメリカに投資する、イランあるいはOPECの金を日本に投資してもらう、そういう国際的な資本の交流が深まっていくということは、お互いの平和と経済の発展のためにむしろプラスであるという
考え方から、いまそういう努力をすべきではないかというふうに考えておりますので、御提言が中心でございますが、ひとつ
政府のお考えも承って終わりにしたいのです。