運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1979-12-07 第90回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年十二月七日(金曜日)     午前十時五分開議  出席委員    委員長 河村  勝君    理事 越智 通雄君 理事 國場 幸昌君    理事 上原 康助君 理事 安井 吉典君    理事 玉城 栄一君 理事 瀬長亀次郎君    理事 部谷 孝之君       上草 義輝君    大城 眞順君       菊池福治郎君    佐藤 信二君       村田敬次郎君    新村 源雄君       新井 彬之君    榊  利夫君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (沖繩開発庁長         官)      小渕 恵三君  出席政府委員         防衛庁装備局長 倉部 行雄君         防衛施設庁総務         部長      菊池  久君         防衛施設庁施設         部長      森山  武君         沖繩開発政務次         官       伊江 朝雄君         沖繩開発庁総務         局長      美野輪俊三君         沖繩開発庁振興         局長      海原 公輝君  委員外出席者         防衛庁防衛局運         用第二課長   芥川 哲士君         法務省民事局第         五課長     田中 康久君         外務省アメリカ         局外務参事官  栗山 尚一君         大蔵省主税局税         制第三課長   鈴木 達郎君         大蔵省理財局国         有財産第二課長 松原 幹夫君         資源エネルギー         庁公益事業部業         務課長     堀田 俊彦君         運輸省航空局監         理部長     富田 長治君         労働省職業安定         局雇用政策課長 野見山眞之君         消防庁危険物規         制課長     小池 次雄君         特別委員会第一         調査室長    綿貫 敏行君     ————————————— 十二月六日  北方領土復帰実現に関する請願(中川一郎君紹  介)(第一〇一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  沖繩問題に関する件      ————◇—————
  2. 河村勝

    河村委員長 これより会議を開きます。  沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。國場幸昌君。
  3. 國場幸昌

    國場委員 開発庁にお願いしたいのですが、沖縄振興開発十カ年計画も明ければもう来年という、五十六年度に迫ってきておりますが、いま大体達成率はどうなっておりますか、計画目標に対して。
  4. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えいたします。  沖縄振興開発計画目標とその達成状況についての御質問でございますが、すでに本土復帰しましてから七年半余を経ておるわけでございますが、私ども、この間平和で明るい、かつ豊かな沖縄県の実現を目指して努力してまいっておるわけでございますが、計画目標達成状況、非常に膨大なものでございますので、そのうち主要な点だけを申し上げますと、まず人口産業構造等の問題でございますが、人口では、計画で見通しました百三万人をすでに超えまして、昨年の十月一日の推計人口で百八万人に達しております。  産業構造は、生産所得あるいは就業者そのいずれをとりましても、第一次産業及び第二次産業が弱く、相対的に第三次産業が非常に過大であるという復帰前の構造と現在なお大幅には変わっておらない、こういうような状況が続いております。  関連しまして、大きな問題であります失業率について申し上げますと、失業も五十四年度に入りまして若干好転はしてきておりますものの、なお十月現在で四・九%と、全国平均に比べまして約二・五倍の率を示しております。  この間、振興開発事業等につきましては鋭意努力をいたしてきておりまして、五十四年度には一千九百三十一億円計上し、その公共施設等整備努力をいたしてきておるところでございます。全体的に復帰時と比較しまして大幅に整備が進んでおりますけれども、その中でもとりわけ道路、空港あるいは上下水道、公立文教施設等々につきましては、すでにおおむね本土水準に到達したものというふうに見込んでおります。  大体主なところを申し上げますと、以上のような状況でございます。
  5. 國場幸昌

    國場委員 おっしゃるとおり、人口目標に対してもうすでにオーバーしておる、そしてそれについてくるものとしていわゆる失業率本土の二・五倍ですか、かような状況にありまして、沖縄は住みよいところである、少々の生活の苦しさは環境によって補っておるという、精神的にまたよきところもあるということを考えるわけでありますが、何分にいたしましても、特別格差是正振興のために二十七カ年の格差是正をするのだという政府の思いやり、それは感謝しつつも、しかし所得面から見ましても、二カ年後に控えましてまだ六七、八%、こういうような状況の中で、財政豊かなる時期はもうすでに過ぎまして、五十五年度予算を見ましても、政府財政は火の車であり、国債をもうこれ以上発行した場合には国家財政はパンクするというような厳しい中にありまして、縦割りで来るところの予算、これが特別措置法措置にのっとって果たして本土に追いつけ追い越せというようなことが実現可能であるかどうか、その将来の見通しに対して開発庁姿勢をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  6. 海原公輝

    海原政府委員 お答えいたします。  現在、日本をめぐりますところの客観状況が非常に厳しいということはおっしゃるとおりであろうかと思います。その中にありまして、沖縄振興開発計画が両二年度を残すのみということになってまいりましたが、まだ残された問題が幾つかあるわけでございます。したがいまして、沖縄の抱える問題そのものにつきまして、関係各省の強力な御理解を得まして、その中において先ほどお話の出ました本土との格差是正のためにできるだけの努力をいたしたい、かように考えている次第でございます。
  7. 國場幸昌

    國場委員 私は、今日まで再三再四申し上げて、また担当政務次官の当時も言い尽くしたことですが、いまのこの縦割り式なる、各層に割り当てられる、今年度は幾らだという枠にはめられた予算の中から沖縄予算が、立ちおくれ、格差是正のためのアップした率を確保していくということは、各層理解も協力もなくてはなかなかいかないと思うのです。そうすると第二次計画の今度また見直し計画をやらねば、まだまだやはり格差是正というのにおいては相当な開きがある、当然それは見直し、第二次振興計画もこれから考えにゃいかない問題だと思うのです。  それで、やはりいまのような方式で縦割り各省から分け前をもらってと言うが、その分け前そのものが枠にはめたところの枠内において果たしてこれができるかどうか。私が常日ごろ言っていることは、十年後なら十年後に計画を達成させるためには、やはり年次計画をもって、沖縄別枠をもってやった方が、物価の変動はあるけれども達成率によってそれを実行していけばいわゆる計画どおり振興が図れるじゃないか、こういうことを言っておりますが、その点に対しましては、まだやはり終始一貫して、いや、そうしないでもできますというような今日までの姿勢、それは変わることはありませんか。
  8. 海原公輝

    海原政府委員 各省予算分け前をもらってという御意見ではございますが、私ども予算要求に当たりましては、沖縄一括計上対象になっているものにつきましてはきわめて主体性を持って各省に要求いたし、それから大蔵省にもお願いしているところでございます。  ちょっと補足いたしたいことは、沖縄開発庁というちょっと特殊な形態にもよるかと思いますので、簡単に申し上げますと、予算を一括計上いたしますのは私どもでございます。そして実行に際しましては、それぞれの事業主管省に移しかえるという形をとっているわけでございまして、現地の局長事業実施に関しましては各主務大臣指揮監督を受ける、こういう構成になっているわけでございます。したがいまして、そういった、どう申し上げたらいいのか、二重のステータスを持っているわけでございます。したがいまして、これを別枠という御趣旨でございますが、私ども沖縄特殊性というものを踏まえることにおいて、心の中である種の別枠というふうに観念しておりますが、これを機構その他において、あるいは予算獲得の方便において別枠、こういうふうには考えておらないし、また、その必要もないのではないか、かように考えるわけでございます。
  9. 國場幸昌

    國場委員 それじゃ、それだけの自信を持って、またその方法でやっていただくとして、問題は大蔵省なんですが、大蔵省がこれは沖縄予算であるというようなことで別個の考え方において、たとえばことしであると一〇%以内に、一けた以内に抑えなさいとか、こういうことで予算を見てみますと、各省予算の中での沖縄分のがたとえば平均して一〇%とした場合に、沖縄には二〇%、三〇%を伸ばして、それで特別なる立ちおくれ、格差是正のための配慮をされておるのだ、こういうような、事実またそのとおりでやってきておりますが、他の都道府県と対比しましてどうも腑に落ちないことが私は一つあるのです。  沖縄は、皆さん御承知のとおり、戦争において、公共道路に対しての用地なんですが、その用地価格そのものは、国道であれば国家の当然なる義務負担としての経費として、パーセンテージにしましても、これは別個にこの事業費のほかに見積もられるのが普通だと私は考えるわけなんですが、伸び幾ら伸びたのだといえども、やはり事業ではない土地賠償に対しての、つぶれ地賠償に対してのものまでも沖縄伸びの中の。パーセンテージに入れて幾ら伸びたのだ、しかもそれが事業費の中に入っておる、これはどうも私には考えられないのですよ。たとえば四国でありますと、鳴門大橋で一兆四千億もかかる。これがそれでは四国の各県に割り当てられたところの振興事業費にというようなことになると、それだけで事業費はほとんど食ってしまうのですね。であると、かようなる問題に対しましては、やはり大蔵省にも、もちろん主管局建設省でありますが、そういう方面も含みのあるようなことで折衝しておるのかどうか、この点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  10. 海原公輝

    海原政府委員 先生お尋ねは、つぶれ地の予算のために一般道路整備費に悪影響と申しますか制約要因になっているのではないか、こういうことかと思います。道路整備につきましては、いろいろ御意見もあろうかと思いますし、また個々にわたりますと問題点なしとしないわけでございますが、トータルにおいて考えますと、沖縄開発庁におきます道路というのは復帰以来非常によくなっております。県道につきましては若干本土より劣っておりますが、国道市町村道につきましては全国平均よりもよい状況でございます。  それで、トータルにおきましてもいい、こういう姿になっているわけでございまして、これは毎年、道路におきますところの一般道路全国伸び率を上回る伸びを確保してきたわけでございます。その結果がそういうことにあらわれているのだろうと思います。したがいまして、現在のところ、つぶれ地予算の増大が道路整備の障害になっているとは考えておりませんが、先生指摘のとおり、今後つぶれ地の経費が増高いたします場合にそういう問題が出てこようかと思いますので十分その点留意いたしまして対処していきたい、こういうふうに存じております。
  11. 國場幸昌

    國場委員 ひとつぜひそのとおりお願いしたいのです。  それから、おっしゃるとおり、道路整備、いま現存するものに対してそうでありますことは、これは認め、また感謝もしております。ところが、人口割りにする道路面積に対して、また、その長さに対しましても、県道なり市町村道なりは本土の半分ですか、市町村道のごときは本土の半分にも満たないというだけのなにでありますが、それにちなんで私が申し上げたいのは、いま市町村道のつぶれ地補償という、これはアメリカ占領軍による戦争中、戦後におけるところの勝手気ままな道路あけ、しかも道路そのもの個人有地である、その個人有地であるいまの公共道路、事実いま使っておる、だから、それに対する補償そのものが、昨年から御理解のもとで、今度の予算でも三十億がこれに充てられるべき予算だ、昨年は十億、こういうようなことを承って喜んでおります。ところが要請しておるのは、一級、二級そのいかんを問わず、やはり個人有地個人財産ですが、市町村財政がずいぶん乏しくて、それを必要としながらも三十何カ年間放置されたところの個人有地道路になって、私が言うまでもなく、いま市町村挙げてその問題に対しては、市町村ではもうとてもできないから、何とかひとつ国の力によってこれを買い取っていただきますように、こういうような切なる願望を持って、いままで陳情陳情であります。われわれ政治にある立場といたしましては、それだけの実情を知る上であれば、何とかひとつ、二十七カ年の断絶によるところの、また道路面積からしてでもそれだけの道路しかないということであれば、他の都道府県市町村道とは別扱いといたしまして、その要望に対して何とかできるものじゃないか。いろいろと今日までの経過からしますと、一級、二級に対しては八割をやりましょう、残るものに対しては市町村、またはそれは地主そのもの市町村話し合いでというようなことでしたが、その点に対しましての経過、どうなっておりますか。
  12. 海原公輝

    海原政府委員 市町村道のつぶれ地のお尋ねでございますが、これにつきましては、先般、市町村道の改築に準じまして、十分の八の補助率幹線市町村道について行うということになっていることは御高承のとおりでございます。  それで、その幹線市町村道の十分の二につきましては、不明地域とその他地域に分かれるわけでございますが、問題になりますのは、その他地域でございますので、それについて申し上げますと、その一般地域にあります幹線市町村道裏負担につきましては、これは自治省の問題になろうかと思いますが、一般地域に所在する幹線市町村道につきましては、当該市町村財政状況を勘案して地方税で考慮する、こういう形になっているわけでございます。  その他市町村道につきましては、これがまた不明地域一般地域に分けられるわけでございますが、不明地域に所在するものにつきましては、やはり市町村財政状況等を勘案し、所要の財政措置について配慮するというような、まだ若干漠とした形ではございますが、一応の自治省考え方かと思います。  残りますのが結局一般地域にありますその他市町村道、これにつきましては、原則論を申し上げれば、当該市町村負担ということになるわけでございますが、それではいろいろ沖縄の抱える問題等がございますので、編み出されましたのが見直しということでございます。できるものならば県道に昇格するものについては県道へ、あるいは幹線市町村道になり得るものはなり得るもの、こういう作業をやりまして、このいわば格づけと申しますか、その問題は第一次的には建設省の問題でもございますが、いま関係各省間においてその詰めを行っておる、こういう段階でございます。
  13. 國場幸昌

    國場委員 よきように現実の状況にマッチすべく、ひとつ御配慮をよろしくお願いします。  時間がございませんので、たくさんございますが、これは通常国会に入ってやります。  今度は運輸省にお聞きしたいのですが、御承知のとおり、航空運賃値上げに対しまして各種団体市町村議会市町村長あるいは経済団体と入れかわり立ちかわり、このたびの航空運賃値上げに対しては阻止運動、こういうようなことでありますが、やはり航空事業というのは公益事業であり、民間企業でもあるという今日のわが国における航空事業、国際的に油が上がったそれに対しては、やはりスライドするところの人件費もと、それはよく理解しております。しかし、これだけ上がったのであれば、それをどうするかということです。  御承知のとおり、沖縄経済というのは言うまでもなく、政府からの毎年の予算の割当、公共投資に対する予算、第二には沖縄経済を支えているのは観光収入なんですね。年間において千四、五百億の収入、これに対して航空運賃値上がりというものがいかなる影響を受けるかというのは火を見るよりも明らかでありまして、この問題に対しては、それだけ陳情もあることであるし、何とかコスト安になる方法はありはしないか、こういうことでいろいろお願いもしておるわけでございます。  まず私は、いま通行税としての一〇%の税金を、沖縄のみならず離島に対しましては、長崎あり、鹿児島あり、あるいは瀬戸内海にもあるでありましょう、また北海道でもあるでありましょう、そういう地域においても全部同じような離島苦解消離島振興、こういうことからしまして、党の税制調査会においてもこれはずいぶん主張しておるわけですが、所管する運輸省航空局としましては、これに対してはどういうような考え方で、大蔵折衝の結果においてはまたどういうような現状考え方大蔵省は言っているのか、その点お聞かせいただきたいと思います。
  14. 富田長治

    富田説明員 お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、連日いろいろな団体の方が私の事務所にお見えになりまして、いろいろな御意見を申されまして、皆様方の御要望は十分承知いたしているつもりでございます。われわれ非常に同情を持ってお話を承っているところでございますが、御承知のとおり、沖縄関係路線といいますと二つあるわけでございまして、一つ本土沖縄、もう一つ沖縄沖縄離島を結ぶ路線でございます。そのうちの離島路線につきましては、何せ輸送需要が非常に限られておりますことと、それから地形的な制約によって飛行場が余り大きくならないということによりまして、飛行機が非常に小さなものでしかないということで、どうしても経済性が低いという事情がございまして、コスト割り高になります。こういうこともございますので、われわれとしても従来からいろいろな措置を講じてきているところでございますが、いま先生の御質問にございました通行税免除につきましては、本土沖縄の間の通行税免除するということは非常に大きな議論につながります。本土北海道をどうするのかというのがすぐ出てまいります。したがいまして、われわれとしましては、そこへ行くのはまだちょっと踏み切れませんが、運輸省といたしましては、何とか離島住民負担を軽減させていただきたいということで、五十五年度の税制改正におきましてぜひ通行税免除実現しますよう、いま大蔵省と一生懸命お話し合いをしているところでございますが、御承知のとおり、いま非常にむずかしい財政状況でございますので、財政当局からは必ずしもいい御返事はいただいておりませんし、また制度的にも一部の離島だけにそういうことをやるのは妥当かという議論もございまして、実現は必ずしも楽観的ではございませんけれども、われわれとしては一生懸命やりたいと思っております。
  15. 國場幸昌

    國場委員 いま党の政調会委員会においても部会においても、また税制調査会でもこの問題は何とかしたいという姿勢で、大蔵省の方でバツとやっておるのを三角にするように政治的にもバックアップするということで、強硬なる政治折衝をしようという態勢を持っております。  ちなみに沖縄だけの通行税幾ら取っておるか。二〇%の運賃値上がりに対してそれが幾らになっておりますか、ちょっと調べてください。
  16. 富田長治

    富田説明員 お答え申し上げます。  先生の御質問は、離島関係通行税分幾らであるかということと、そのうち沖縄分幾らであるかということでよろしゅうございますか。−そういうことでございますと、全体で離島関係で大体二十億通行税を払っております。そのうちの八・四億が沖縄分でございます。
  17. 國場幸昌

    國場委員 今度の値上がりによって、沖縄関係だけで、二〇%アップしたら百五十九億、二五%では百八十九億になるのです。それともう一点は、今度の航空運賃値上げによって約百五十億の通行税増収があるのです。離島苦解消からすると、その百五十億の増収の中から、わが国における離島全部の航空路の二十億ぐらいの撤廃については、大蔵省にもその説得力をもって何とかこれを実現させるようにお願いしたいわけです。  それから航空運賃が、本土間においては二六%、離島間においては二四%ですか値上げされるということですが、そういうようなことであるとこれは大変だ。いまさっきも申し上げましたとおり、県民はもちろんのこと、遊びに来る者に対して何で通行税までも取るのかというような声も聞くわけなんですが、観光客が来ることによって沖縄経済というのはようやく支えられておる。それでも沖縄本土との県民所得における格差は六八・三%ですか、そういうことからしますと、航空運賃値上がりによって観光客の足が切れるのではないか、足が引っ張られるのではないかということをわれわれは恐れるわけなんですよ。  これは私が前に局長さんですかに聞き合わせたとき、公益事業である航空事業経営状態に対して見直しをして、内部をチェックしまして、それで経営が成り立つぎりぎりの線で、また沖縄特殊事情にあるのでその方面も勘案して、今後、要請要請、それをまるのみしてやるわけではないのだからいましばらく待ってくれ、こういうようなことでしたが、二四%というのがどういうぐあいに数字が動いていくか、その点もちょっとお聞きしたいのです。航空会社経営について、かかるものは国鉄みたいにかけ、それで損失は利用者負担させるという式は関係官庁としては通る筋じゃないでしょうと思うのですが、その点いかがですか。
  18. 富田長治

    富田説明員 お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、南西航空値上げ申請は二四・三%でございます。これはおっしゃいますとおり、あくまで会社申請でございまして、われわれがこのとおり認めるということではございませんで、いま、会社申請に基づいてその原価の査定を非常に厳密に行っているところでございます。それで申請によりますれば、このまま推移すれば南西航空は五十五年度には約十九億の赤字を出すということでございますが、われわれとしては、まだその数字をまるのみにしているわけではございません。そのように御理解願いたいと思います。
  19. 國場幸昌

    國場委員 いまの十九億というのは何の数字ですか。
  20. 富田長治

    富田説明員 南西航空のこのまま推移すれば発するところの五十五年度の赤字でございます。会社申請した数字でございます。
  21. 國場幸昌

    國場委員 そうしますと、いままで若干の黒字を持っておりますが、いまの二六%のアップというのは妥当であるということですか。どちらです。
  22. 富田長治

    富田説明員 先ほど申し上げましたとおり、数字妥当性についてわれわれいま詰めている最中でございます。したがいまして、まだお答えできる段階ではございませんが、一般的に言いまして、燃油費アップが非常に激しいので、ある程度の赤字は出るというふうに考えております。
  23. 國場幸昌

    國場委員 それは向こうといたしましても、値上げに際しては、やはり査定というものに対してはでたらめなる申請はしてないと思います。かくなる上は、やはりそれが二六%からどれくらいの調整ができるかどうかということは大した希望は持てないわけなんです。であれば、これは政府の高官から、何か法体制をこわすからできないというようなことも承っておりますが、しかし私、振興局長にもちょっとお願いしておきたいことは、今度の見直し第二次振興開発計画の中でその点も配慮の上で、何とか立ちおくれた格差是正のためにおいての観光収入をもって経済を支えておるというような現状であれば、この際第二次計画振興開発計画においてその点も配慮の上においての法制、この延長に対する特別措置法、これも考える必要があるのじゃないかと、こういうことも考えるわけであります。何を申しましても、いまの実情からするとますます格差は開くだけであって、せっかく皆さんが御苦労されても、ほかの方は本土並みだということになると、私は、とてもとてもこの沖縄振興開発計画の予定どおりの振興を、追いつけ追い越せ、格差是正だ、この目的を達することはとうてい不可能じゃないか、こういうことを考えるわけです。  時間がございませんので、まだ他にもたくさんありますが、この航空運賃というのは、どうも団体旅行をするのに、グアムとか香港とか台湾とかの方が沖縄よりも安いということに大きな問題があるのじゃないか。というのは、われわれ復帰するときにずいぶん期待をしたのです。当時の飛行機運賃というのは百五十一ドルで往復買えたのですね、私はそう記憶するのです。そのときの機内においてのサービスというのは、国際線としてステーキもすぐ温かいものが出て、至れり尽くせりでやってそれで百五十一ドル、いまの金に換算しますと往復で三万七千円余りにしかならぬのですよ。なぜそれが六万余りにもなるかということに大きな疑惑を持つわけですが、沖縄県も復帰したから国内航空料金においての算定に算入されるのだということであればそれまでなんですが、私が言いたいのはそこなんですよ。特別措置をもって、立ちおくれた格差是正のために特別地域としての特殊事情を勘案して、ぜひとも今後の見直し第二次振興開発計画に対しましては配慮をしていただきたい。これは私ども、受け入れ体制に対する特別国政参加で二カ年前に来まして立法した手前からしましても、特別措置からこれが漏れたということに対しては強く責任を感じておるわけでありますから、ひとつ関係行政庁にいたしましてもその点に対しましては御協力をいただきたい、こういうことを希望するわけであります。これに対しましてはよろしゅうございます、時間がありませんから。  まだたくさんありますが、五十分までですから、あと七分しかないのですが、電気料金、これまたなかなかむずかしい問題で、もう沖縄の工業、産業はほとんど破滅するという状況に至っておるわけなんです。これは通産省もよく御承知でしょうが、四六・四九%の値上がり申請がある。これはもうとても持ちこたえるものじゃないわけなんです。飛行機運賃は二五、六%、それでも大変だとこれだけ騒いでおるさなかにおいて、また追い打ちをかけるがごとく四六・四九%の電力料金の値上げと、こうなってきたら、もうこれは大変だということなんですが、通産省、その点に対しましては、どういうようなお考えを持ち、どうなさんとするものであるか、ひとつそれに対する御説明をいただきたいと思います。
  24. 堀田俊彦

    ○堀田説明員 沖縄電力の今回の料金値上げ申請が、ただいま御指摘のございましたようにかなり高率でございまして、この料金値上げが仮にこのような規模で行われました場合には、沖縄県における産業活動、住民生活への影響というのは相当なものがあることは私ども十分認識いたしておりますけれども、御承知のとおり、巨額に上ります累積赤字を持っておる沖縄電力の財政をさらに悪化させるということになった場合には、沖縄県におきます電気の安定的な供給のために必ずしも望ましいことではないと考えております。沖縄電力の申請につきましては、今後厳正な査定を行っていくということにいたしておりますけれども値上げの幅につきましては、私ども、電気事業法に基づきまして厳正な原価の査定を行ったその結果として出てくるものであるということを御理解いただきたいと思っております。
  25. 國場幸昌

    國場委員 うわさかどうか知りませんけれども、いまおっしゃるように累積赤字があるとして、何か聞くところによると閣議決定をもって——沖縄電力は御承知のとおり、ガリオア資金でできまして、あれはわが国政府が買い取ったわけなんで、九九・九%が政府の持ち株になっておるのです。私は、わが国におけるところのガリオア、エロア資金というものが二十八億か九億と記憶するのですが、十四、五年たって日本の経済がこれだけ成長したのでただもらうわけにはいかないから、四億九千五百万か幾らかと記憶しておりますが、それだけは謝礼として返したわけなんです。それを知っておる手前からして、二十七カ年の軍事優先のもとで物心両面において非常な苦労をした沖縄に贈ったものであるから、このガリオア資金というものは援助資金ですから買い取ってはいけないということを、われわれは再三国会において要求をしたわけなんです。ところが、復帰実現のためには国が金を出すのだから、沖縄に設備があるのだから、それでもって国が金を出して沖縄には負担させないからというようなことで、九九・九%が国家持ち株になったのがいままでの経緯なんです。  私は、日本の今日の発展を支えたアメリカの援助というものに対しての二十八億ドル、これが推進母体になって日本の産業がこれだけ発展してきたということは、技術も貸しましょう、金も貸しましょう、それでつくった品物は売ってあげましょう、軍需工場が解体されて平和産業に切りかえられて、いわゆる安保条約による国防費とも相まって負担を軽くして、余裕が出たものを産業基盤に投入されたところの今日の日本の産業、こういうような状況から見ました場合に、このガリオア資金でできたものを買い取ったがために一これは資本金でやっておるのです。これはちょっと考えますと、沖縄において使っておるのだから何もそれは関係ないじゃないか、国が金も出したじゃないかというようなことではあるが、それにまた沖縄離島区すなわち三十九の有人島があるわけですが、電気料金は全部プール制になっているのです。だから、そういうコスト高、こういうことから考えました場合に、これは沖縄が追いつくまでにおいての電気料金に対するところの沖縄経済に及ぼす影響、何かこれもまた国、国というようなことで余りにも甘いよということもお考えではありましょうが、しかし、二十七カ年においての沖縄の苦労というもの、そして特別措置も講ずるべく特別なる沖縄開発庁というのを設置されておるのであれば、私は何も恩着せをすることではないのですが、わが国においてドルの一ドル血の一滴と言われる外貨の不足の場合に、国際的においてのドルの獲得の場として第三位にランクされた実績がある、百万県民が日本の経済を支え外貨を獲得した経緯がある、だから、そういうことからしますと、私は、こういう苦しいときに、ただ石油が上がったからしようがないじゃないかとか、こういうことじゃなくして、もう少し心あるところの沖縄に対しての思いやりをこの際ひとつ尽くしていただきたい、これを主張するわけであります。  その点に対しては、きょうは大臣がいらっしゃいますので、重要なる政治政策問題として、これは事務を担当する方では返事もできないでしょうから、その精神によっての考え方、ひとつ長官、お聞かせしていただきたい。よろしくお願いします。
  26. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 ただいま國場先生の郷土を愛する切々たるお気持ちについての御意見、拝聴さしていただきました。  沖縄電力株式会社の電力料金引き上げの問題につきましては、いま先生も御指摘ありましたように、会社として、昨今の国際的な石油価格の高騰に伴いまして、経営状態が非常に悪化しておるということで、その電力を県民各位に恒常的にお送りするために真にやむを得ないこととして申請をしたことだろうと思いますが、しかし、その引き上げ率は御指摘のように五〇%に近い、まことに高額な率でございますので、この点が与える影響これまた大変なものだということを想像できるわけでございます。  所管は通産省の問題ではございますが、私も沖縄を担当する責任者といたしまして、会社の存立を損なうことなく、しかし県民の皆さんの御負担をできる限り軽減する措置が講ぜられないものか、なおみずからも検討をいたしまして、通産省と十分御相談をしていきたい、このように考えております。
  27. 國場幸昌

    國場委員 最後に、聞くところによると、沖縄電力は赤字だらけで、国がいつまでも抱えるのはなんだから、これを民企業に開放する、赤字消しのために閣議決定をした民間譲渡に対する準備としての一つの料金の値上げとも相まっておる、こういうこともうわさされておりますが、事実そうなんですか。いままでの持ち越し赤字を埋めるためにおいてはやむを得ないじゃないか、その点ずいぶんその声があって……。
  28. 堀田俊彦

    ○堀田説明員 現在の電気料金制度は、将来の一定期間に発生すると予想される原価を算定いたしまして、これとその期間中における料金収入が見合うように設定されるようになっております。したがいまして、過去の赤字分を償うように算定する方式はとられておりません。過去の赤字分を料金で賄うというような考え方は、電気事業者の企業努力を最大限に発揮させるという要請に反することになりますので、そのような方式はとっておりません。したがいまして、今回の沖縄電力の料金値上げ申請、これは原価計算期間を五十四年度の下期から五十六年度上期まで二年間とっておるわけでございますが、その間の原価に見合う料金となるように申請を行っておるものでございまして、累積赤字申請の中に含めておりません。
  29. 國場幸昌

    國場委員 最後に、大臣に要望しておきます。  切々とこの料金値上げ問題では訴えましたが、これはもうどんなにしても政治的ベースにおいて配慮して、閣議のときにでもその実情をなにしまして、何とか軽減される方法をお願いしたいと思います。このことを要望いたしまして終わります。
  30. 河村勝

    河村委員長 大城眞順君。
  31. 大城眞順

    ○大城委員 質問に入る前に、せっかく開発庁長官がいらしておりますので一言お礼を申し上げます。  長官御就任早々、みずからの選挙区にお帰りになる前に、沖縄に来島いたしまして、いろいろ視察をなされました。その沖縄視察に対する長官の積極的な姿勢、そして責任感に対して、この席をかりてまずもって厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。  それで、まず私は、初めてでございますので、きわめて基本的なものから申し上げてみたいと思うのであります。  そろそろ振興開発計画の第二次の計画を策定していかなくちゃならない、そして特別措置法もその内容を見直ししなくちゃならない時期に来ております。去る選挙前後から、いろいろこれから日本は「地方の時代」を迎えるのだという言葉が使われておりますけれども離島県である沖縄にとりまして、一体「地方の時代」とは何なのか、八〇年代の沖縄のビジョンは何であるのかといろいろ模索している中で考えられることは、振興開発計画の前提の一つといたしまして、いわゆる日本の南の玄関口として位置づけて国際交流の場にしたいということもあるわけでございます。これは大変重要なことでございますけれども、いまだに県民の目で見るようなそういった施策はあらわれておりません。これからまた長い将来を考えてみた場合、県民としてはもちろん振興開発計画もまたつくり直していかなくちゃならないということは当然でございますけれども、第三のセクターとして考えられることは、日本本土と違い、そして沖縄県民の歴史的なあるいは体質的な特性と申しましょうか、こういったことが発掘されていかなくちゃならないと思うのであります。  それは何かと申しますと、あえて私はここで沖縄民族と言わしていただきますけれども、その血の中に流れているものは、いかなる環境、いかなる社会にも溶け込む順応性を持っておる、そういったことと関連して、歴史の中で受け継がれてきたものは、伝統工芸あるいは伝統芸能、本土と完全に違うところのものを持っております。これをこれからの産業全般に生かす方法がある、私はこのように結論づけております。これがいわゆる将来の沖縄のビジョンづくりの大きなセクターになるのではないかと考えておるわけであります。したがいまして、私は昨年来、県議会以来知事に申し上げてきたものは、知事外交をやれということです。これはかっては東南アジアとの交流もありますし、また現在、先ほど申し上げましたこの沖縄のよさ、順応性というものが、二十数万という北米、中米、南米にかけての移民が活躍をいたしていることにもなっております。  こういったもろもろのことを考えてみた場合、いま沖縄県が知事を筆頭に新しく第二次振興開発計画を策定する段取りをやっておりますけれども、何としてでも、言われてまいりました日本の南の玄関口として位置づけて国際交流の場とするのがイコール国益にもつながっていくのじゃないか、こう考えまするときに、具体的には日本と東南アジアの交流センターを沖縄につくるとか、あるいは国際会議場、コンベンションをつくるとか、いろいろな形でこの施策があらわれてくると思うのですけれども、このような要素を第二次振興開発計画の策定の中で長官としてはお考えになる考えがあるかどうか。その辺、今後の沖縄の施策、特に第二次振興開発計画策定に対する姿勢をひとつ伺いたいと思うのであります。
  32. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 ただいま大城議員から、長い間議員が確信を持って検討をされてこられました新しい自立する沖縄の姿、ビジョンをつくり上げるためのお気持ちを披瀝されまして、御質問の点は、そうしたことが達成できるような振興開発計画にどう対応するかということだろうと思いますが、御案内のとおり、いよいよ法律に基づく振興計画も余すところ二年余りになってきたわけであります。  私も先般、現地をお訪ねいたしまして、振興計画の達成度といいますか、今日まで手がけられてきた諸事業の実態に触れてまいりましたが、沖縄県民の自助的な努力と相まって種々計画はまずは順調な進展ぶりであるというふうに拝見をいたしてまいりました。しかし、正直に申し上げまして、そのことは復帰以来何とか他府県並みに社会資本を充実し県民所得を向上しよう、こういうことでいろいろな事業を手がけてきたということだろうと思うのです。  一例を申し上げますと、宮古で地下ダムなども視察をしましたが、水がない、これを何とか確保しなければならないという考え方で、その水は確保できるようになった。しかし、水が確保できただけでは県民は生きていけない。その水を今後いかに効率的な活用をして生活向上に資していくかという点が実は残されておるのじゃないか。一例でございますが、そんな印象を持ってきたわけでございまして、今日振興計画が進行中の段階で次のことを申し上げることは、公式の場でございますので差し控えなければならぬかと思いますが、しかし、知事さん初め県会議長さんその他関係者の皆さんとお話をいたしてまいりますと、至極当然のことながら、十カ年間では思いどおりの目標が達成できないのじゃないかということを私も見聞きしてまいったわけでございます。十年になったから、仮定の問題ですが、それではすぐ第二次に入れるか、こう言っても、それはできるわけではありませんので、過去のこの実績を踏まえ、今後二年余で計画の達成を十分図りながら、しかし同時に、大城議員おっしゃっておるように、いよいよ沖縄県が日本の南の玄関口として、東南アジアに向かって、開けゆくこの地理的な優位さというものを生かしながら、沖縄県の明るい発展のためにはやはり今後新しい計画も設定していかなければならないかなという印象を持っております。そのためには十分実績を踏まえ、検討し、そして同時に、大きなビジョンが一つ掲げられ、かつそのことが実行のできるような計画というものも十分考えていかなければならない、このように考えております。
  33. 大城眞順

    ○大城委員 振興開発十カ年計画、まだまだの感がいたすわけでございますけれども、もちろん、ある部門においては本土並みに到達しつつあるというところもございますが、私が申し上げたいところは、そういったものを積み重ねまして、八〇年代どころか二十一世紀の沖縄を考えてみた場合に、そういった積み重ねが将来のバネになるということは確かでございますので、四十七都道府県の一県だからということで四十七分の一にはなりたくないわけでございまして、特に唯一の離島県でありますから、ここからいたしましても、その地理的、歴史的な条件というものをフルに使った方がいい、全国一つぐらいのいわゆる変わった県もあるものだなあと言われるぐらいのもっと飛躍したところのビジョンを持つべきじゃないか、私はこのように考えまして御質問申し上げた次第でございますので、これからの議会活動においてまたたくさん質問すると思いますけれども、一応基本的な私の姿勢として申し上げておいた次第でございます。  次に、申し上げましたように、沖縄県は離島県である、したがいまして、県全体の水資源の対策といたしましては、これから数十年後どころか百年の大計をもって沖縄県は水資源の対策をしていかなくちゃならない、このように考えておりますけれども沖縄の水問題はここ一、二カ年は別に干ばつがあるわけじゃないし、給水制限はなかったわけでございますけれども、これが五十二年度のように、一たん悪条件が重なりますと、一年のうち百五十八日にも及ぶ給水制限が行われたときもあったわけであります。そういったことで、今後、沖縄産業振興をする上においてこの非常に劣悪な水問題を解決するということは、これは何よりも増して必須の問題であろうかと考えるわけでございます。水の問題解決なくして、いま申し上げました沖縄のビジョンも図れないわけでございますので、これは私、大変大きな仕事だと思いますけれども、残念ながらまだ総合計画がない。何年後には工業用水が一体幾ら要るだろう、あるいは農業用水が幾ら要るだろうという集計された、いわゆる県民全体のコンセンサスを得てつくり上げたところの水資源の総合開発計画がない。おかげさまでどんどんダムをつくっていただきまして非常に進んではおりますけれども、これから長い将来を考えた場合にまだまだ不安の点もあるわけでございます。そういったことで、沖縄の水需給について開発庁がどう認識しておられるか、これをお伺いいたしたいわけでございます。
  34. 海原公輝

    海原政府委員 お答えいたします。沖縄におきます水需要は一日当たり約三十五万トンでございまして、これをダムから十四万三千トン、その他約二十一万トンが河川表流水等へ依存しておるという、比較的不安定な度合いが高いわけでございます。したがいまして、当庁といたしましては、ダム建設等によりまして水の安定的供給を図るということが沖縄振興開発上重要かつ緊急の課題と考えておりますので、復帰後、福地ダム及び新川ダムを完成したほか、先生御案内のとおり現在、安波ダム普久川、辺野喜というようなものを建設しているところでございます。これによりまして五十七年度におきましては、ダムによりますところの水の供給量は二十六万三千トンになります。そういうことで鋭意再開発を行っているところでございます。ダムの計画といたしましては、辺野喜を除きまして五十六年度完成、辺野喜は五十八年度、こういうことでその作業プログラムに合わせまして進んでいるところでございます。  そのほかダム以外におきましても、地道な研究分野ではございますが、海水の淡水化とか、あるいは下水道処理水の再利用というような基本的な問題を調査研究いたしておるところでございます。
  35. 大城眞順

    ○大城委員 当面の水需給の問題につきまして、五十七年、ダムで二十六万三千トン、これだけではいろいろ第一次産業も土地改良を初めといたしまして基盤整備がようやく途についたばかりでございます。農業灌漑用水等これからでございますので、ただ単に生活用水のみならず総合的な関発を練っていかなくちゃならない、私はこう思います。県でもいまそれを調査中でございますので、ひとつ歩調を合わせて農業用水、工業用水合わせた全体的な水需給の計画というものを早急につくっていただきたいことを要望しておきます。  次に、振興開発計画の八年目でありまして、計画もそれなりに先ほど御報告いただきましたように成果を上げている部門もありますけれども、おっしゃったように道路、空港、上下水道あるいは公立学校、これが大抵本土並みに追いつきつつあるということなんですけれども、これもやはりとらえようの問題でございまして、いわゆる質と量、本土にこれだけあるから沖縄もこれでいいのだということで、もちろんこれは、振興開発計画目標というのが本土並みというのがある以上いたし方ないと思うのですけれども、やはり本土並みに追いついたのだからこれをほったらかしておけということにはならないわけでございます。だから、私が先ほど基本的な姿勢を申し上げたのもその辺にあるわけでございまして、沖縄の将来を考えた場合もこれだけは必要だな、強いて何でも物差しを持ってきて、これは本土に近づいた、本土と一緒になった、はい、これは切り捨てなさいということでは、開発庁の使命として、この時代にせっかく開発庁ができて沖縄のためのみにやるという官庁もできたわけですから、その役割りというものを大いに駆使していただきたいということをお願いするわけでございます。  そういった中で、本土と比べて非常に立ちおくれている分野も多いわけでございますけれども、きょうはその一つである医療水準の問題これは現在においても本土と比べものにならないほど立ちおくれております。この点についての開発庁現状認識等についてひとつお聞かせ願えれば幸いだと思います。
  36. 海原公輝

    海原政府委員 沖縄の医療水準の向上を図りますことがきわめて重要であるということは、先生指摘のとおりでございます。当庁といたしましても、関係各省と協力いたしまして、病院、診療所等の整備とか医師の派遣あるいは医師の確保等の各般にわたりまして、施策を推進しているところでございます。まだまだ本土に至らないという点も先生指摘のとおりでございますが、最近の傾向を見ますと大分改善されておりまして、いわゆる本土格差は縮小しつつあるというのが現状でございますが、私の認識でございますが、現状においてまだ格差も残っているのもこれまた事実でございますので、今後ともその対策について努力を続けていく所存でございます。  若干細かくなりますが、病院、診療所の整備につきましては、沖縄の医療を支える中核的病院といたしまして五ブロックを想定いたしまして、県立病院を中心として公的病院の充実を図っておるわけでございます。今年度中には県立の八重山病院の移転改築、あるいは那覇の市立病院の完成ということで、これによりまして公的病院と称せられるものが十四カ所になろうかと思います。それから、これらの核になる病院と密接な連携のもとに、救急診療所の整備を行ってきております。これも本年度をもって一応所期の目的を達成することになっております。  ハードの面はいま申し上げたところでございますが、問題はソフトと申しますか、医師の充足対策というのが沖縄にとって必要かと思います。現在、沖縄におきますところの単位人口当たりの医師数というものは約六割という状況でございますので、ハードの面とあわせてソフトの面の充足対策を図る必要があるわけでございます。そのために国費留学生という制度がございまして、毎年三十数人の沖縄留学生を内地に派遣させておるわけでございますが、残念なことに、帰還する医師が帰還すべき人数に比較しまして大体六〇%ということでございます。この点につきましては、県におきましても呼び寄せると申しますか、運動を行っておるところでございます。  そのほか無医地区へ医師を派遣したり、あるいは必要に応じまして本土医師を受け入れたりしまして、離島県としての沖縄県の充足を補完しているわけでございます。  このほか、琉大医学部が五十六年四月から学生を受け入れられるというようなことで、地域の医療需要に即応した研究や教育を進めまして、今後の沖縄の医療の充実向上に寄与していただきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  37. 大城眞順

    ○大城委員 次に、中城湾港の建設問題についていささかお伺いいたしたいと思います。  これは調査費がつきまして、また次年度も調査費がついてどんどん調査をしていくと思いますけれども、この中城湾港の位置づけというものについてお聞きいたしたいわけでございます。  沖縄は海の関係で港湾をつくるのに非常に適地だ、こう言われております。去る九月だったかと覚えておりますけれども、日伯経済閣僚会議がブラジルで開かれまして、ブラジルを中心にする中南米諸国の鉄鉱石あるいは大豆その他農産物、こういった豊富な資源が眠っている、これを開発いたしまして東南アジアの新興途上国に送りたい、しかしながら、それらに相応するところの港がない、できればひとつこれを日本につくってもらいたい、こういう話があったようでございます。いわゆるアジアポートをつくれという提言があったようでございますが、その点について考えてみた場合、この中城湾港の構想の問題やはりそれだけの資源を運んで東南アジア諸国にこれを移送していくためには大きな港、何十万トンという船が停泊できるところの港をつくらなければならぬ。  それとの関連でお聞きいたしますけれども、中城湾港の、いま調査段階でございますので具体的な御返事はいだだけないと思うのですけれども、一体どういった構想を国としては持っておられるか、これらについてお聞かせ願いたいと思います。
  38. 海原公輝

    海原政府委員 中城湾におきます開発構想、これは県が主体となりましていま構想を固めつつあるところでございます。この間、復帰以降、国と沖縄県で同港の開発計画を作成するための基礎調査、主として波浪調査であるとか、あるいは環境のアセスメント等の基本的な調査は継続してきたわけでございます。  それで、県の構想によりますと、これは四百ヘクタールを将来目標としまして、それを二つに分けまして二百ヘクタール、それをまた第一期といたしまして九十二ヘクタールということで、隣接しますところの工業をまず移転していこうということで、だんだん構想が固まりつつあるわけでございます。初めは小さく生んで大きく育てよう、こういうことかと思います。現在、港湾事業調査費補助というものを来年度要求しているところでございます。この構想実現のためには、先生おっしゃられましたように、いろいろ産業をどうやって立地していくか、どんな産業を引っ張ってくるか、あるいは漁業者との調整、あるいは地域住民とのコンセンサス、こういう地域として解決しなければならない重要な問題があるわけでございますので、私どもとしましても、沖縄県と協力して対応していこう、こういうふうに考えているわけでございます。  したがいまして、私が申し上げるのは適当かどうかわかりませんが、エーシャンポートとか日伯に出ましたいわば大きな構想、これ自体ブラジルはパラグアイ等の近隣諸国を交えての構想のようでございますし、それからかなり大きな構想になっているものでございます。しかも、まだ構想という段階でございますので、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、県の計画に即して考えていきたいと考えている次第でございます。
  39. 大城眞順

    ○大城委員 次に、航空運賃の問題について、先ほど来國場委員から御質問がありましたけれども、一点だけお伺いいたしたいと思います。  この航空運賃、数年ごとに運賃値上げで特に沖縄は困っておるわけでございますけれども、何でこんな目に遭わなくちゃならないのか。これこそ復帰時点において復帰特別措置に入れてしかるべきだ。振興開発計画開発庁の御努力のおかげでどんどん進められているわけでございますけれども、それを打ち消すような形で一方では足を引っ張っていく。これでは沖縄振興開発計画は何にもならぬじゃないか、やはり航空運賃も間接的な振興開発計画の大きな基本になるわけですから。たとえば今度値上がりする分だけで、いつも御心配かけております沖縄のパイン産業全体がつぶれるのと同じなんです。これは一大事でございますが、そういうことで、次の特別措置法あたりに租税特別措置の形でこれを見直して入れる考えはないのかどうか。これは開発庁の部門だと思うのですけれども、また、それに対する運輸省の御見解もお聞きいたしたいと思います。上がるたびに問題を起こしてはだめなんですよ。これはやはり私は、復帰特別措置に入れるべき性質のものだ、こう考えるのです。今度見直される時期が来ますので、その中で考慮できないものかどうか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  40. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 第二次振興開発計画の問題につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、現在なお二年余を残しておる段階でございまして、現在の計画によります各施策の効果とかあるいは問題点、そういったものを私どもより掘り下げて検討をいたしておる段階でございます。航空運賃の問題が現在沖縄経済一つの支えになっております観光等にも大きく影響するというようなことを私ども承知しておりますが、今後の振興開発のあり方につきましてどういった点に重点を置くかというような点につきましては、先ほど申し上げました現状の分析等の上に立って考えていかなければならぬ問題だと、このように現在考えておるところでございます。
  41. 富田長治

    富田説明員 運輸省といたしましては、御指摘振興計画に入れるという問題につきましては、具体的なケースに即しまして開発庁と十分御相談していきたいと思いますが、われわれといたしましても、たとえば沖縄に限って全国どこにもないような団体運賃を入れてみたり、それから往復割引制度は普通なら五日であるのを七日に延ばしてみたりと、いろいろなことをしておりますので、最大限の努力はしているところであるというふうに御理解願いたいと思います。
  42. 大城眞順

    ○大城委員 最後に市町村つぶれ地補償の問題でございますけれども、これも國場委員からいろいろ御質問がございました。ただ一言、ちょっと気にかかったのは、その他の市町村道については原則的に市町村がこれを負担すべきであるけれどもと、ちょっとその言葉が私は失礼ですけれども気に食いませんな。これは他県だったら通りますが、沖縄では通りませんよ。だからむずかしいんです、この問題は。勝手にアメリカや当時の琉球政府が全く無法地帯の中で個人財産を全部すきならして道をつくったわけですからね。そういったこちらの原則が沖縄の原則に適用されると思ったら大間違いだ。だから、この問題を惹起しているわけじゃありませんか。  それで、お聞きいたしますけれども、聞くところによりますと、その他の市町村道の方から幹線道への格上げについてもいろいろ調査なされているようでございますけれども、どのくらい格上げされますか。どのくらい救われてきますか。その予想はつきませんか。
  43. 海原公輝

    海原政府委員 幹線市町村道というものは、幹線と書いてございますからあれでございますが、要するに補助対象になる道路でございます。で、その他市町村道というと、逆に言いますと補助の対象にならない市町村道、こういうことでございますので、先ほど私は、その他市町村道というものは原則として地元負担ということを一般論として申し上げたわけでございます。したがって、そういたしますとかなりまだ市町村道が残る、その他市町村道として残る、それをどうして現実的に解決するかということで、県道並びに幹線市町村道に上げて何とか市町村負担を軽くして差し上げたい、こういうことを申し上げたわけでございます。その点御理解をいただきたいと思います。  まず、現況で申し上げますと、幹線市町村道は百七十万平米でございます。このうち県道に昇格させようというのが三十万平米、そうしますと残りますのが百四十万平米になるわけでございます。ところが、その他市町村道から百二十万平米上げた後、結局、幹線市町村道に残りますのが二百六十万平米という形でございます。それから、その他市町村道は現在二百三十万平米でございますので、いま申し上げましたように百二十万平米幹線市町村道に移しますので、残るところは百十万平米、こういうのが県の考えている案でございます。
  44. 大城眞順

    ○大城委員 終わります。
  45. 河村勝

    河村委員長 上原康助君。
  46. 上原康助

    ○上原委員 まず、小渕長官に決意のほどを伺っておきたいのですが、復帰沖縄開発庁ができて、たしか大臣をなさった方も小渕さんで十名か十一名になると思うのです。それぞれ復帰後の沖縄振興開発なり戦後処理その他の政治課題を解決をする、あるいは善処をする意味で御努力をいただいてきたのですが、残念ながら歴代の開発庁長官は言多くして実は少なかったというのが私の率直な感じなんです。  そこで、政治はいろいろ夢を持つのもいいし、ふろしきを広げるのも結構なんですが、大臣に就任期間というのはせいぞい九カ月から一年そこいらですね。そうしますと、その間に何か目玉を立てて解決をするという一つの方針を私は所管大臣は持ってもらいたいということをその都度要請もしましたし、決意も伺ってきたのですが、最近の行財政状況沖縄現状からしてもやらなければいかないことはたくさんあって、あれもやりたい、これもやりたいというお気持ちは大きいと思うのです。就任期間に、大臣をしておられる間に沖縄の問題についてはこれだけは何としても県民の期待にこたえたいというのがあると思うのです。具体的に言うと、一番いいのは、基地をみんななくするということなら、これは歴史に残りますわな。あるいはさっき出ました航空運賃値上げについて、これだけは逓減措置をやれということだったので、抑制をするとか、そういう措置がとれれば、これまたりっぱな功績として残ると思うし、振興開発の二次計画でどういう問題を具体的にやっていくという、そういうのはおいおい出てくるとは思うのですが、要するに私が申し上げたいことは、あなたの御就任期間にこれだけの問題は何としても県民にこたえたいというものを、いまあれば聞かしていただきたいし、それをぜひ持っていただいてお約束をしていただきたいと私は思うのですが、まず、その決意のほどから伺って、具体的な問題に入りたいと思います。
  47. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 開発庁長官としての任期のありまする間にせめてこれだけはというような問題に取り組め、こういうことで御激励をいただいたわけでございます。お説にありましたように、言葉多くて実りなきこともいけないことでございます。しかし一方では、やはり限られた期間に何か全霊を込めて取り組んで課題を解決すべきことも当然なことだろうと思います。  正直申し上げまして、あれもこれもというのがいまの心境でございますけれども、しかしまずは、スタートは処女のごとく、後々はひとつ精力的に問題をとらえて取り組んでまいりたい、その決意だけを申し述べ、あわせて地元出身の諸先生方からも御適切な御提言もちょうだいをしながら、それを十分検討さしていただいて、真剣に取り組んでまいりたいと思っております。
  48. 上原康助

    ○上原委員 もう少し具体的なお答えを期待したのですが、そうもいかない面もあろうかと思うので、ひとつ御努力を賜りたいと思うのです。後でみんなに大臣だれだったかなというような結果にならないようにひとつ、正直申し上げてそういう方もたくさんいらっしゃるのですから。  そこで、きょうは限られた時間ですから、私は、航空運賃問題、人身被害補償問題、読谷村の読谷補助飛行場問題などについてちょっとお尋ねしたいと思うのです。  先ほどからいろいろ議論がありましたが、私がまず取り上げたいのは航空運賃問題ですが、沖縄にとっては県民全体の死活問題です。そういう立場からしますと、確かにいまの油の問題とかその他の経済状況からして、なかなか経営状況も容易でない面もあろうかと思うのですが、さりとて、こういう公共機関は、企業や経営者が申請するようなものをそのまま認める——そのまま認めるわけじゃないと思うのですが、やっちゃ困ると思うのです。運輸省からいろいろいただいた資料などを見ましても、航空局からいただいた航空各社の沖縄関係路線の収支推移によれば、たとえば日航の場合、五十二年度の営業収入が約千二百四十四億円で営業利益が二十二億四千八百万円。経常利益においても二十一億七千三百万円となっておるようですね。五十三年度も営業収入が千三百七十三億六千二百万円で営業利益が二十三億八千二百万円で、経常利益も二十四億六千一百万円となっているようであります。ところが五十四年度は、上期だけで七百六十一億五千二百万円の営業収入に対して六十億円余の赤字が予想される。経常収支でも約五十九億円の赤字となっている。こういう五十四年度の状況が今度運賃改定を申請した一つの根拠だと会社は言っているようですね。しかし私たちが疑問を持つのは、果たして五十四年度が急激にそうなるのかということと、大幅赤字の原因を一体運輸省はどう見ているのか。単なる燃料費の高騰だけによるものでないと私は思うのです。ここが一つ。  さらに、全日空の場合を見てみますと、五十二年度は二千三百十九億円の営業収入で百三億円余の営業利益を上げておる。経常収支で九十六億円余の黒字なんですね。五十三年度も二千六百五十五億三千八百万円の営業収入のうち営業利益が九十一億二千九百万円、経常利益は九十五億二千万円となっているようです。五十四年度は、上期の営業収入千五百五十億五千二百万円に対して十九億三千四百万円のこれも赤字になりそうだ。経常でも約三十二億の赤字が予想される。この落ち込みの原因を一体どう見ているのか。同時に最近、公務員の問題とかいろいろありますが、会社の役員とかいろいろな面でのべらぼうな支出とか賞与とか、そういうものも果たしてないのかどうか。こういう全般的な総合的な資料なりを提供して国民の前に明らかにした上で運賃改定問題というものはやるべきだ。せんだっても航空局長にお会いしたとき私がそのことを申し入れたら、基本的には賛成だ、同感だという御発言もありましたが、いま私が指摘した数字等は、運輸省からいただいた資料ですから間違いでないと思うのですが、それを含めて御所見を承っておきたいと思います。
  49. 富田長治

    富田説明員 お答え申し上げます。  まず、資料でございますが、御指摘のとおり、運輸省から差し上げた資料でございます。ただ、これは航空会社申請をそのまままとめた資料でございますので、われわれが査定した資料ではございません。われわれは、いまこの資料に基づきまして、この資料の裏づけになるいろいろな資料がございますので、それに基づいて調べているところでございます。  それで、先生一般的に経営状況がどうなっているかという御質問をなさいましたが、確かに昨年度まではわりあいに好況でございましたが、本年に入りまして非常に油の値段が高くなったということと、それから公租公課負担が非常に高くなってまいりまして、かなりの赤字になっているということは事実であろうかと思います。
  50. 上原康助

    ○上原委員 そうしますと、運輸省査定した資料もあるわけですね。
  51. 富田長治

    富田説明員 われわれは、いまやっている最中でございます。
  52. 上原康助

    ○上原委員 その件についてもいずれ明らかにしていただきたいと思います。よろしいですね、それは。——そこで、いまの会社の言い分を一応前提に進めてまいりますと、日本航空、全日空とも沖縄線以外の他の国内線及び国際線を含めた経常収支、そういうものはどうなっているのかということが一つ出てきますね。あるいは燃料費の高騰や公租公課の引き上げにどうも便乗しているのではないかと私は思う、運賃申請値上げ申請というむのが。そこいらを運輸省はどうするのか。さらに、いまお答えがなかったのですが、経営状況とかあるいは人件費その他の面でもっと合理化や運航努力をやって値上げを抑制する面では、航空会社はどのような努力をやろうとしているのか、そこいらは運輸省はどのようにつかんでいらっしゃいますか。
  53. 富田長治

    富田説明員 前半の数字について、ただいまちょっと持ち合わせがございませんけれども、いずれも会社側から出てきた数字でございますので、われわれそれについて全般的に査定をしておる段階でございますので、運輸省数字はいまのところございません。  それから、先生指摘経営努力あるいは合理化努力でございますが、これはわれわれ査定の過程を通じまして、非常に厳しい見方をしていきたいと考えております。
  54. 上原康助

    ○上原委員 そこいらもぜひひとつ綿密に審査、御検討をしていただきたいことを強く要請しておきたいと思います。  そこで、次は南西航空の場合ですが、これは営業利益が五十二年度の場合は七億六千二百万円、五十三年度が四億六千六百万円、五十四年度が上期で一億三千百万円、経常利益は五十二年度で七億四千八百万円、五十三年度が三億二千三百万円の黒字ということになっているようですね。しかし、五十四年度は上期で四百万円程度の赤字が見込まれる。そこで、これはもちろん日航とか全日空との規模では比較にならないほど沖縄離島航路ですから問題ですが、しかし、現在までの経営内容というのは決して悪くはない。五十四年度だっていまのところ上期で四百万円程度の赤字。この日航や全日空に比べて営業規模も小さくて、営業収入、営業利益や赤字も小さいのに、申請ではほぼ同じように二四・三%の値上げ申請していますね。ここもやはり何か便乗臭みがある。だから、日航や全日空にならってこの際大幅な運賃改定をやりたいということかもしれませんが、地元の沖縄離島を預かる立場からしますと、これは最小限度経営の実態に即した検討がなされてしかるべきだと思うのです。  先ほどもちょっとありましたが、もう少し具体的に数字の面で進めて質問いたしますが、南西航空経営状況、いま言ったような数字からすると二四%とか二五%近いこの申請というものは私はいささか疑問を持つのです。ここいらはどう見ていらっしゃいますか。
  55. 富田長治

    富田説明員 まず、運賃値上げ申請率でございますが、日本航空が二七・四%、全日空が二九%、東亜国内航空が三〇%、日本近距離航空が四三・五%で、南西航空は、先生御批判はございましょうが、一応それよりは低い二四・三%という数字にはなっております。それから、これも申請による数字だけでございまして私ども数字ではございませんが、南西航空の五十五年度の見込みが約十九億円の赤字ということでございます。  これらの出されました資料に基づきまして、われわれ先ほどから申し上げておりますように、いま必死になってその査定作業を進めている過程でございますので、南西航空につきましても、その点は厳しく査定をしていきたいと思っております。
  56. 上原康助

    ○上原委員 五十四年度全体で十九億の赤字が南西は見込まれるということですか、いまの御答弁は。
  57. 富田長治

    富田説明員 申請によればそういうことになっております。
  58. 上原康助

    ○上原委員 そこで、これまでの経営内容というか航空会社の言い分は、いま私が言ったような、日航も全日空も南西もそうなっているわけですね。  そうしますと、もう少しお尋ねをしたいのですが、飛行機の座席利用率、東京を起点としての各路線の座席利用率がどうなっているかということですが、運輸省の見方というのは、一体どのくらい利用されれば通常赤字にならないのですか。
  59. 富田長治

    富田説明員 どのくらいの座席利用率になりますと赤字にならないかというのは非常にむずかしい問題でございまして、各飛行機のタイプによって違います。一番極端な例を申し上げますと、いま沖縄の一部の離島に就航しています十九人乗りのデハビランドでございますが、これは十九人しか運賃をいただきませんので、べらぼうな運賃も取れないということを考えれば、幾ら利用されてもこれは黒字にならない。それから一般的に言えば、大型化されればされるほど利用率が低くても黒字になるということが言えるかと思います。  沖縄に即して申し上げますと、沖縄でいま使われておりますのは、さっき申し上げましたデハビランド、それからYS、ボーイング737でございますが、いずれも非常に小さな飛行機でございますので、相当の利用率にならないと黒字にならないと思います。
  60. 上原康助

    ○上原委員 ここは常識的な議論をしているので、そんな極端なことを言っていたら困りますよ。STOLの話をしているのじゃない。通常ジャンボとかDC10とかトライスターとかYSとかあるでしょう。そういう普通のタイプの飛行機はどのくらいの座席利用率なら大体赤字にはならないという査定運輸省は持っているでしょう。それを一応お聞かせくださいということなんです。
  61. 富田長治

    富田説明員 極端な例を申し上げたのではございませんで、実は座席利用率が幾らでいいかということと運賃幾らにするかということとは相関いたしております。したがいまして、また極端なことで失礼でございますが、問題をわかりやすくするために申し上げておるわけでございますけれども、たとえば三〇%でも黒字になるような運賃を設定すれば三〇%でいいし、九〇%でやっと黒字になるような運賃を設定すれば九〇%にしかならないというのがその関係でございます。  国際的に申しますと、最近だんだん上がってきておりますが、ジャンボクラスで六五%から七〇%で黒字だということが大体言われております。それも国際線につきましても、やはり大体同じような事情がございまして、どのくらいのロードファクターを基礎として運賃を計算するかによって、黒字になるか赤字になるかということが決まるわけでございます。
  62. 上原康助

    ○上原委員 ちょっと御答弁が微妙ですが、なぜ私がこのことを申し上げるかと言いますと、東京−沖縄間は普通平均で七〇%の座席利用率ですよね。これは決して悪くない、東京−札幌あるいは東京−福岡とかそういうものと比較して。東京−大阪と匹敵しているのですよ。これは全日空も日航も大体同じ。南西航空の場合には那覇−宮古が七八・一%、那覇−石垣が八三%、那覇−久米島が八六・七%、これだけの利用率が通常あるのですよ。だから、われわれが聞いているところでは、大体六〇%以上の座席利用率なら、綿密なことじゃないけれども、とんとんか大体赤字にはならない線だというように聞かされている。あるいは六五%までいくと、経営合理化によっては、やりようによっては黒字になり得る、こういう説も実際問題としてあるわけですね。だから、私はこのことを聞いたのです。したがって、こういう面ももっとぼくは検討すべきだと思うのですよ。  そこで、具体的な問題としては、じゃどうするかということなんですが、いま実態は大体こういうふうになっている。極力抑えるというのは皆さんの言い分でもあるわけですが、その中で公租公課ということなども大変問題にはなっておりますが、何といっても一つ通行税の問題ですね。これは全国一律一〇%を賦課されて一般財源に組み込まれている。さっきもちょっとお答えがあったのですが、沖縄は唯一の離島県である。この通行税の問題は、何も沖縄航路だけを私は言っているのじゃないのですよ。北海道の僻地あるいは鹿児島、四国、奄美等も関連すると思うのですが、少なくともこの通行税の問題については政府全体として再検討すべきですよ。沖縄−東京間の一〇%の通行税のあれは幾らぐらいになっていますか、さっきの数字ちょっとあやふやでしたが。
  63. 富田長治

    富田説明員 申しわけございませんが、沖縄—東京間の通行税の資料はただいま持ち合わせておりません。これは運賃掛ける乗員の一〇%でございますから、計算すればすぐ出ると思いますが、ただいま持ち合わせておりません。
  64. 上原康助

    ○上原委員 おわかりの人がいるでしょう。ちゃんと書いてあるでしょう。
  65. 富田長治

    富田説明員 東京−沖縄ということで持ち合わせがございませんでしたが、本土沖縄でございますれば、五十三年度六十八億、五十四年度七十五億でございます。
  66. 上原康助

    ○上原委員 五十三年度六十八億、五十四年度七十五億ですね。  南西航空関係で沖縄離島幾らですか。
  67. 富田長治

    富田説明員 五十三年度七億五千万、五十四年度八億四千万でございます。
  68. 上原康助

    ○上原委員 上げないでもいい、答えは出ているのじゃないか。  開発庁長官、これは確かにいまの行財政状況で、大蔵省もいらっしゃると思うが、大蔵省は一銭でも税金を取りたいだろうが、しかし、こういうものはやるべきですよ。これはまさに政治の話なんだ。しかも沖縄の方は鉄軌道が全くないでしょう、それとは直接は関係しないかもしらぬけれども、しかし、そういう面で全国一律に通行税を一〇%取っておる。それがいま額もはっきりしている。五十三年度六十八億、五十四年度七十五億、沖縄沖縄周辺離島の関係で七億五千万、八億四千万、さっき私が引用した南西航空の年間経常利益の実態から見ても、こういうものをもう少し真剣に政府全体、内閣全体あるいは運輸省なりがやることによって、運賃改定問題は十分県民要望にこたえ得る可能性が私はあると思うのです。これが一つ、これは長官の方からもお答えいただきたいのです。  もう一つは、公租公課というようなことで、航行援助施設利用料あるいはジェット機の騒音の特別着陸料を取っていると思うのだが、そういうものの検討をやることが可能じゃないのかということです。一番目は何といったって通行税の減免措置ですよね。  公租公課のいま私が指摘したような問題の再検討と、もう一つは、たとえば過去の航空運賃改定を見ましても、また沖縄には特別にやってきたのだなんと言われると困るのですが、沖縄航路については四十七年はたしか据え置きです。これは復帰の年だからそういうお話があったと思うのでございます。四十九年はほかの方が大体三〇%前後だったと思うのだが、私の記憶では沖縄航路については一〇%に特別な配慮がなされた経緯がある。こういう過去の経過措置からしても、今回もそれなりの措置を講ずるべきだと私は思うのです。  この三点について、それぞれお答えをいただきたいし、大臣の方からもぜひ決意を伺っておきたいと思うのです。
  69. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 ただいま通行税の問題を御指摘、御示唆いただきました。本件につきましては、離島の航空関係に課せられる通行税につきまして、運輸省から大蔵省話し合いを持ち込んでおるようでございます。私ども沖縄県あるいは県内における各離島の問題を所管いたしております開発庁でございますので、その話し合いが成立することのできますように、私の方からもさらに努力をしてみたいと思っております。
  70. 富田長治

    富田説明員 先生指摘の、過去の値上げのときに沖縄が特別扱いされてきたというのはそのとおりでございます。ただ、その結果、また非常に困った現象も出てまいりまして、沖縄だけを抑えたために奄美との関係がおかしくなったり、いろいろなことが出てまいります。その辺のこともわれわれ非常に苦しんでいるということは御理解願いたいと思いますが、われわれとしても、できるだけ値上げの幅を抑えるように努力はいたしたいと思います。  それから、公租公課の点でございますが、沖縄離島については本年四月から着陸料、それから航行援助施設利用料の減免措置を行いました。
  71. 上原康助

    ○上原委員 この通行税の問題は奄美も全部やりなさいよ。私は沖縄だけやりなさいと言っているのじゃない。奄美の人にもここに来ていただいて、いろいろ議論してもらったらいい。この離島の問題については、離島振興という立場から、これは全体的な問題ですから、ぜひそういう措置をやるように、大蔵省、これにお答えできる方いますかね。大蔵省、余りがめつくならぬで、こういう問題については善処してくださいよ。
  72. 鈴木達郎

    ○鈴木説明員 お答え申し上げます。  来年度の税制改正の一環といたしまして、いま慎重に検討しておるところでございまして、まだ結論を得た段階ではございません。  ただ、財政当局と申しますより税務当局として一言申し上げさせていただきますと、いま先生のおっしゃるような離島住民負担の軽減というような点、そういう政策目標についてはもちろん十分理解できるわけでございますけれども、そのための手段として税制が果たしていいのかどうかという問題があろうかと思っております。政策手段といたしましては、御指摘の税制のほかに、現在でもなされておりますSTOLの購入費補助とかいう財政支出、それから離着料の減免とかいう負担の軽減の話、あるいは先ほど御指摘がありましたような航空会社運賃政策の問題にも大分関係するというようなもろもろの問題がございまして、そういう政策手段としてとる場合に果たして税制というものが適当であろうかどうか、この辺に大分疑問を持っておりまして、そういう意味で当面消極的な考えを持っております。
  73. 上原康助

    ○上原委員 大蔵省が答弁したらかえって悪くなる。それは別として、消極的が積極的に変わるということもあるのですからね。税制上問題があれば、税制は税制としてまたいまいろいろ問題があるのだから、そういうものに対しては補助だって出していいのです。そういう便法もありますよ。それは私よりあなたがよく知っていらっしゃる。開発庁長官はたしかかって大蔵委員会委員長もした。大蔵に強いはずですから、KDDだけに強くならぬで大蔵にも強くなってもらって、これは頼みますよ。  次に、時間の都合もありますので少し急ぎますが、さっき申し上げましたように、人身被害補償請求の陸上分についてようやく善処していくという開発庁の御方針が出たようです。申し上げるまでもなく、沖縄返還協定放棄請求権等補償推進協議会から出されていた補償請求事案のうち、人身被害補償請求事案に対しても開発庁は来年度予算に概算要求をしていると聞いておりますが、この問題に対する処理方針、基本的な考えをこの際明らかにしていただきたいと思うのです。
  74. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 対米請求事案に含まれております人身事案につきましては、講和条約発効後に発生した事案でございますが、沖縄開発庁としては、この事案の処理について、講和条約発効前に発生をいたしました人身被害事案につきまして、復帰後防衛施設庁が見舞い金を支給しまして、これは解決済みになっております。  また、昭和二十年六月二十三日から昭和二十年八月十五日までの、私ども準戦期間と申しておりますが、この期間の人身事案につきましても、昭和五十年に解決済みであるということを考えまして、これらの人身被害事案の処理に準じてこの講和後の人身事案についても処理をしようということで、来年度概算要求をいたしておるところでございます。
  75. 上原康助

    ○上原委員 そこで、政府のいまの処理方針は年次的にやっていくことになろうかと思うのですが、被害額は被害者の発生年を評価時点として算定をすることになるようですね。そうしますと、さっき引用しました被害者請求協議会といいますか推進協議会が国に請求した被害額と、開発庁予算要求額では大きな開きが出るわけです。本来なら、講和前補償と一緒に復帰の際に処置すべきであった案件なのです。しかし、いろんな事情でここまでおくれてしまった。そうしますと、少なくとも、復帰後から支払い時点の物価問題とかあるいは賃金等の上昇というものを全く無視した形で処理していくというのは私は当を得ないと思うのです。これはもう少し考慮すべき問題があると思うのですが、この点についてはどうお考えなのですか。
  76. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 先生ただいま御指摘のように、現地の協議会の方から出されております請求額と私どもの要求いたしております額との間には、かなり大きな差がございます。これは計算方式等々の違いもございまして、大きな差になったわけでございます。私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、講和前の人身事案等につきましては、すでに処理済みでもございます。それらとの均衡等も考慮して、同様の基準によりましてこれを措置したいと考えて積算をいたしているわけでございます。元来、この種の措置につきましては、支払い時までの時間の経過に対しまして利子加算をするというような措置をとらないことが大体これまでの通例になっているのでございまして、先生承知のように、さきに解決を見ました漁業事案等につきましても、この点については特別の措置を行っていないわけでございます。また、協議会からの請求、これが五十年から五十二年の七月にかけて提出されておりまして、政府としては、これを受けまして、種々複雑な問題もございますが、可能な限り早期に解決の努力をしてきたということで、先ほど来申しましたように、講和前の人身被害に対する基準とのバランス等も考慮しながら措置しなければならないというような点で御理解をいただきたいと思うのであります。
  77. 上原康助

    ○上原委員 そこはなかなか理解しがたい面もあるわけです。  それともう一点は、補償する場合はやっぱり被害の立証をしなければいけないということはわかりますが、被害発生時点というのが非常に古い、あるいは証拠書類も失われた問題も多いわけですね。したがって、この点については完全に立証するというのは困難な問題が余りにも多過ぎる。そこで、請求者による立証を余りにも厳格に要求するということになると被害者が救済されないうらみも出てくるわけですね。この点も、もちろんそれは補償なりいろいろ手だてをするという場合はそれなりの論拠は必要でしょうが、こういう背景があるということについてはぼくはもっと考慮をする必要があると思います。この点はどうお考えなのかということ。  それと、いまも御答弁がありましたが、原則として米軍等の措置が完結したものは対象にしない。しかし、米軍等の措置が不十分であったものはどうするかという問題が出てくるわけですね。この点はどうするのか。  もう一つは、今後新たに補償請求があったものは受け付けるのか受け付けないのか。  いまの三点についてお答えください。
  78. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 まず第一点の、証拠不十分なために立証困難なものについてどうか、こういう御指摘でございますが、これは国費を支給していくということでございますので、事案の処理に当たりましては、やはり基本的には相当の立証資料がなければならないものというふうに私ども考えております。しかしながら、これは非常に特殊な状況の中で発生しておる、また、事案発生から非常に長期を経過しておるというような問題がございます。そういったことで、私どもとしましては、これらの特殊な状況を十分勘案しまして、立証の内容といいますか、どこまでの証拠を求めるかというような点につきましては、できるだけ弾力的に配慮いたしまして、簡易な立証方法でこれを認めるというような方法をとりたい、こう考えております。  それから第二点の、米軍等により措置済みのもの、これについてどう考えるかという点でございます。これは、今回の措置に当たりましては、原則としてはそのようなものにつきましては対象としないという考え方を持っております。ただ、米軍が措置した事案の中にも、わが国の慣行やあるいは社会通念等から見まして必ずしも妥当でない、十分でないというようなものがありますれば、今回の措置の対象となる支払い漏れ事案等との均衡を勘案しまして妥当な措置を講じてまいりたい、このように考えております。  それから第三点の、これまで百二十九件ほどの請求が出ておりますが、新たな補償請求が出た場合にこれをどうするかという問題でございます。この点につきましては、私どもといたしましても、このすでに出ております百二十九件以外に今回の措置の対象となり得るような未請求事案があるものというふうに考えております。したがいまして、改めてそれらの提出を求め、所要のものについては適切な措置をとりたい、このように考えておるところでございます。
  79. 上原康助

    ○上原委員 あと一点ですが、大体わかりましたが、それは漏れもあるかもしれませんから、該当するものについては、御答弁のような処置を十分とるようにやっていただきたいと思いますが、問題は査定の問題、これは先ほどの答弁ではちょっと疑問なんですが、きょうはやめておきたいと思います。  最後に、漁業と人身被害関係以外の事案でありますが、対米放棄請求権は確か九項目くらいあったのじゃないですか。これについてはどういうお考えを持っているのか。いまようやく漁業と人身の問題が芽を出しつつあるが、その他はどうなさるのか。これについてお答えいただいて、最後に総務長官、この件に関してですが、これは沖縄復帰処理というか、戦後処理の大きな課題の一つなんです。こういうものがまだ残っているのです。私が冒頭言ったように、十何名の大臣がかわられたが、まだ十分解決していただけなかった。したがって、こういうことは財政問題とかいろいろあるでしょうが、かれこれ十年にもなろうとするし、やっていただきたいと思いますので、そこらを含めてひとつ大臣のお考えもお聞かせをいただきたいと思います。
  80. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 漁業、人身関係の事案を除きまして、先生指摘のように残りの請求事案は約十二万件に近いものがございます。その内容につきましても大変複雑でございまして、また先ほど来人身でも申し上げましたが、事案の多くが長期の年月を経過しておるということによりまして、証拠も散逸しておるというような問題がございます。そういったことで処理方針の策定にこれまで多くの時間を要しておるところでございますが、人身以外の陸上事案につきましても、私どもといたしましては、今後、関係省庁間の検討をできるだけ急ぎまして早急に解決したい、このように考えて努力をいたしておるところでございます。
  81. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 沖縄本土復帰された段階で日本の戦後は終わったという御発言もありました。しかし、御指摘にありましたような諸点がなお沖縄には残されておることも承知いたしております。こうしたものは歴代の長官の努力によって一つ一つ着実に解決してきた歴史はありますが、なお残された問題についてはこれを解決しなければ沖縄の戦後はまさに終わらない、こんな気持ちで懸命に取り組んでまいりたい、このように思っております。
  82. 上原康助

    ○上原委員 沖縄の戦後がまた始まろうとしているところもある。ぜひ早急に解決なさるように一層の努力をお願いしたいと思います。  次に、読谷補助飛行場の所有権問題ですが、私はきのうの内閣委員会では、落下傘の降下訓練の問題等をいろいろ取り上げましたので、きょうは土地の問題だけ簡単に触れておきたいと思うのです。これは何回か本委員会でもほかの委員会でも問題になってきましたように、沖縄戦末期の十八年夏から十九年にかけて旧日本軍が接収したいきさつがあるわけです。戦後は国有地として管理をされ、旧地主の皆さんなり周辺の人は大変な被害をこうむっている。おまけに人間どころか鉄のかたまりやら、かつてはトレーラーやら材木なども落ちてきて人命まで失ったこともあるわけです。それだけにいまの軍事演習、訓練に対する抵抗も大変強くなっている。ここは開発庁長官も、政府全体として政務次官も御理解いただかなければいけませんよ。だから、政治的にこの所有権問題を解決するという根本問題をどうするかということも含めて、この際考えていただきたいということを冒頭申し上げておきます。  これはいろいろ理論上議論はあるでしょう。たとえば七九年六月一日の参議院の沖特で、わが党の丸谷議員の質問に対して三原前長官が答弁したのは、国有地が前提であるが、沖縄振興開発特別措置法で何とか利用できないものか前向きに検討してみたいという御答弁があるのです。さらに十一月二十九日の参議院の決算委員会で、喜屋武議員の質問に対しても、大蔵大臣は、三原長官答弁のとおり、地元公共団体が公共的に使用する計画を示せばしかるべき措置をしたいというのが政府の統一見解であるという答弁もあるわけです。これは基本的には、私は旧地主に完全に無条件で返還をしなさいという立場をとっておりますが、それだけを言い張っても解決しないということであるならば、こういう答弁がなされている限りにおいては、事務当局も開発庁も防衛施設庁も含めて全体として、この問題に対しての解決策を改めてやるべきだ、私はそういう見解を持っているのですが、どういうお考えなのか、それぞれ簡潔に御答弁をいただきたいと思うのです。
  83. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 沖縄開発庁といたしましては、先生指摘のように、三原前大臣の答弁がございまして、その線に沿って私どもとしては今後とも努力していきたい、このように考えておるわけでございますが、現在、地元におきまして土地利用計画を検討しておるというふうに聞いております。今後、地方公共団体から振興開発計画にのっとって跡地利用計画が出されてまいりますれば、私どもは、前大臣が国会答弁で申し上げましたように、特別措置法等の規定に沿って関係省庁とも十分協議して適切に対処したい、このように考えておるところでございます。
  84. 松原幹夫

    ○松原説明員 御答弁申し上げます。  先生指摘のように、大蔵省といたしましても、先月の二十九日の決算委員会で、竹下大蔵大臣の方から、三原前長官の発言されましたように、地元の方から開発計画にのっとった計画を出していただけるならば、それについて沖縄開発庁等関係省庁と十分協議をいたしまして、沖縄振興開発に役立つように、地方公共団体等に対して払い下げる方針でやっていきたい、このように考えております。
  85. 上原康助

    ○上原委員 これは村当局なり地主の皆さんの意向とはいま大分隔たりがありますが、しかし、従来は地代は払って国有地になったとかいろいろあったのですが、それから少しは前進はしてきています。その問題の接点をさらにもっと求めるにはもう少し政府の方もお考えになっていただいて、いまの読谷村を取り巻いている状況等々を含めてやっていただきたいと思います。長官、いいですね。これは三原前長官と、あなたの大変親しい竹下大蔵大臣が答弁をしていらっしゃる。これをもう一歩進めて解決していただくイニシアチブをこの際とってくださいよ。これも決意を聞いておきましょうか。
  86. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 開発庁の事務当局並びに大蔵省事務当局から御説明がありましたが、地元からの計画が提出された段階振興計画の俎上に乗せていくという答弁になっておりますが、地元からも公共的な施設として十分これが活用でき、そのことが地元の発展に大いにつながることのできるようなことに対して、開発庁からも手を差し伸べる努力をいたしてまいりたいと思います。
  87. 上原康助

    ○上原委員 あともう時間がないので、つぶれ地問題を聞きたかったのですが、これはお二人からあったので省いて、最後にF15の件について聞きたいのですが、これはなかなか十分程度ではできませんが、しかし問題は、一つには沖縄の嘉手納基地にすでに配備がなされているということですね。  そこできょうは、一体政府はこれをどういうふうになさろうとしておるのか、ちょっと聞いておきたいのですが、言うまでもなくF15が米国で実戦配備されたのは一九七五年ですよね。七七年に日本はこれの採用決定をした。七八年四月二十四日に米会計検査院は「米空軍F16航空機計画状況」という報告書を提出したが、その中にF15、F16のエンジンに重大な欠陥があるという指摘がなされ、七九年十月二十二日米下院歳出委員会防衛小委員会でジャック・エドワーズ議員は、F15のエンジン欠陥を指摘する声明を発表した。これは十月二十四日の各社の新聞に載っております。さらに七九年十月二十三日米空軍スポークスマンは、F15に欠陥があることを公式に言明をした、これはワシントン発で報道されておりますね。七九年十一月二十七日米空軍システム局のアルトン・スレイ局長は、米上院軍事委員会の公聴会に出席して、F15のエンジンにこれまで失速などの事故が続出し、耐久性にも問題があると言明をした。これは十一月二十八日の朝日新聞、毎日新聞、読売、サンケイ各社がほとんどトップで報道している。これだけの欠陥を指摘されて、しかし政府は依然として、大したことないというか、飛行とか訓練とか、あるいはこのF15の性能に重大な影響を与えるものでないという見解をとっているわけでしょう。七五年の実戦配備以来、F15のエンジンは合計七百五十五回も失速事故を起こしたと米空軍自体が言っているのです。どういうお考えなんですか。  さらに山田空幕長ですか、十一月十一日から十一月二十一日までの十日間渡米したでしょう。渡米したのに、このF15の欠陥問題は、米空軍省及び専属空軍司令部を訪ねて、特に新しく発生した問題ではないというふうにアメリカの言い分を聞いてきているようなものですね。私は、これでは国民は納得しないと思うのですよ。この際、このF15の欠陥問題、しかも、これ一機あなた幾らすると思う。後で聞きますが、幾らぐらいするのですか、皆さんの計算では。これだけの国民の税金を使って多額の買い物をするのに、これだけエンジン欠陥があるということが報道されて、国民はみんな疑問を持っていますよ。そういう欠陥機が沖縄の空をいまどんどん飛んでいるのです。改めて防衛庁の見解を聞いておきたいと思うのです。
  88. 倉部行雄

    ○倉部政府委員 ただいまいわゆるスレイ証言に関連しましてF15のエンジンの問題等について御質疑があったわけでございますが、去る十一月二十七日のスレイ証言につきまして、これはお話しございましたように、アメリカの上院の軍事委員会での証言でございまして、私どもは、その証言内容を細かく分析し、また従来から、いろいろと米空軍との間でこのF15の問題について情報交換といいますか、いろいろ調べておりましたので、そういったものを総合的に考えますと、前回の証言は、私ども従来から聞いております問題点に加わる新しい問題点はほとんど出ておりません。しかも、それらの問題点についてどのように改善したかということを詳細に証言しているわけでございまして、そういう意味で、私どもは、むしろ今度の証言によって従来の問題に対するアメリカ空軍の対処の仕方、非常に力を入れて改善措置を進めておる、しかも改善されつつあるということを知ったわけでございます。  この点につきまして、時間がございますれば詳細に御報告申し上げたいのですが、先ほど失速が七百五十五回とおっしゃったわけでございますが、実は失速という表現が出ておったわけでございますが、これはいわゆる失速ではございませんで、エンジンのストールというものを失速というふうに訳したのじゃないかと思いまして、飛行機そのものの失速ではございません。エンジンがストール状態になるということでございまして、いわゆる飛行機が失速する、こういうことではございませんので、この点、御理解いただきたいと思うわけでございます。これはいわゆるスタグネーションストールという問題でございますが、これにつきましては従来電子エンジン制御装置を改修するとか、あるいはアフターバーナーの燃料の流量調節をやるとかいう改善措置をすでにとりまして、これまでの実績を見てみますと、前にアメリカの会計検査院で指摘されましたときには、たとえば千飛行時間当たり二・三回そういう事故が起こったということに対しまして、その後ことしの四月までの累積では、千飛行時間当たり一・四回に減っております。さらに、ことしの四月だけをとりますと千時間当たり〇・七回に減っておる。そしてまた近い将来、これが千時間当たり〇・一回になるであろうということで、着実に改善を見ておるわけでございまして、その点私どもは、今度の証言というものはむしろそういう改善状況を具体的に示したものであるというふうにとっておりますので、この点御理解いただきたいと思うわけでございます。
  89. 上原康助

    ○上原委員 そうは言ったって納得しがたいわ。あなた、失速したら飛行機落ちますよ。あの機はエンジンにトラブルが生じているというわけでしょう。墜落はしなかったということはあなたの答弁は合っている。墜落はしていない。しかし七百五十五回故障があったのだ、飛行中エンジンに何らかの故障が。それを軽く見るところに問題があるということですよ。自衛隊がF15を導入する理由としてこれまで要撃能力にすぐれているということでしょう。その要撃能力というのは、つまりスクランブルのときとか急上昇する場合のアフターバーナーが加速しないと意味をなさぬでしょう。そのときに欠陥があるというのだから、これは重大な欠陥じゃないですか。そう見て差し支えないと思うのですよ。あなたそこで首を振っているが、そうじゃないですか、これ。アメリカ自体がそういう指摘をしているのですよ、専門の方が。それをほおかぶりして、もう一たん決めたことだからということで何が何でも隠そうとするところに問題がある。  そこで、時間がありませんので、いまの局長の御答弁には納得し得ませんので、このF15の問題について防衛庁は公式にどういう見解を持ちどういう対処をするのか、これだけいまいろいろな疑問点が出されることに対して、ひとつ長官と相談して見解をまとめて明らかにしてもらいたい。皆さんのまだこれに対する公式なコメント出ていませんよ。これいいですね。防衛庁として購入計画の問題とかいまの欠陥問題に対してどのような見解を持っている、また今後どう対処していくということのはっきりした統一見解みたいなものを出しますね。
  90. 倉部行雄

    ○倉部政府委員 先ほど申し上げましたように、今回のスレイ証言におきましては新しい問題というのは出ておりませんし、むしろこれに対する改善というものがどのようになされてきたかということを示しておるものでございますので、私どもは、そういう意味では特に統一見解といったものは必要ではないのではないかと思いますが、後刻、先生にその点につきまして御説明に参りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  91. 上原康助

    ○上原委員 もう時間ですからこれで終えますが、それでは納得できませんよ、あなた。嘉手納の町議会は全会一致で配備反対、飛行中止を決議しているじゃありませんか。県会も与野党含めてそうなんですよ。そういうことに対して、はっきりした答えも出さぬでうやむやにするということは断じてできない。したがって、これは改めて検討してみてください。いいですね。もう一遍答弁ください。
  92. 倉部行雄

    ○倉部政府委員 具体的に先生に御説明に伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  93. 上原康助

    ○上原委員 終わります。
  94. 河村勝

    河村委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十一分休憩      ————◇—————     午後一時三十七分開議
  95. 河村勝

    河村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。玉城栄一君。
  96. 玉城栄一

    ○玉城委員 沖縄の問題について論議をする本委員会が久方ぶりに開かれましたので、多くの点について政府と質疑を交わしたいのでありますが、時間的な制約もございますし、通常国会でまた議論してまいりたいと思いますので、重点的にお伺いをしてまいりたいと思います。  まず最初に、新しい長官でございますので、長官の強い決意のほどを伺っておきたいわけであります。  御承知のとおり、沖縄復帰をいたしまして八年目も間もなく終わろうとしておるわけでありますが、御存じのとおり、振興開発計画目標どおりにはなかなか進んでおらない。県民生活を圧迫する諸問題も覆いかぶさってきている。あるいは米軍の基地被害も相変わらず続出をしているというような問題が相当まだあるわけでございます。長官も御就任早々に現地を早速視察しておられるわけでありまして、その意欲的な長官の姿勢につきましては大変期待もしておるわけであります。午前中の質疑の中にもございましたけれども、どういう長官がいらっしゃったか、そういうことにならないようにという御質疑もあったわけであります。  そこで私は、具体的な問題につきまして、長官の強い決意のほどをお伺いしておきたいわけであります。と申しますのは、航空運賃の問題並びに電気料金の値上げ申請、現在その計算を、関係省庁の事務当局で査定等が行われておるわけであります。しかし、沖縄の問題につきましては、午前中もございましたけれども、やはり特殊性という問題がございまして、どうしても政治的な面で相当な配慮を加えていかなくてはならない、このように考えるわけでありまして、当然、長官の強い立場からの決意でもって関係省庁にこの問題については強く働きかけをしていただかなくては、なかなか県民の望んでいるとおりの状態にはならない、このように思うわけであります。  特にこの航空運賃値上げ、あるいは電気料金の値上げということがなされていきますと、午前中の御答弁で長官もおっしゃっておられましたとおり、県民生活あるいは県経済あるいは産業の諸活動に相当大きな、あるいは重大な影響を与えるという認識は当然お持ちのわけでございますから、その点について改めて長官の強い政治的な働きかけというものが当然必要になってくると思いますので、その点の長官の強い決意のほどを伺っておきたいと思います。
  97. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 私も就任早々、駆け足でありましたが沖縄県に参りまして、現地の各界の代表者と意見の交換をいたしましたが、その折強く御主張されましたのが、先生指摘航空運賃引き上げの問題と電力料金の改定の問題でございました。いずれも、御指摘ありましたように、県民生活にとって重大な影響を及ぼす問題でございますので、私といたしましては、今回の改定を希望いたしておる航空会社あるいは電力会社あるいはさらにそれを所管いたしております運輸省、通産省、こういったところに、現地の皆さんの不安をそのままに私の体で受けとめまして、最大の努力を図っていきたい、このように考えておる次第でございます。
  98. 玉城栄一

    ○玉城委員 具体的にはこれからお伺いしてまいりたいと思いますが、その前にちょっと長官にお伺いしておきたいのですが、これはきのうの日中第二回首脳会談で、日本側の要請として中国の東北地方、旧満州への墓参団の受け入れについて中国側は原則的に受け入れる、そういう報道がけさなされておるわけであります。御存じのとおり、沖縄にも旧満州地域関係者は大変多いのでございまして、これまでも、独自にでもそういう墓参団を組んで行きたいという希望が相当あったわけでございます。  実は先月の十八日に、中日友好協会の肖棣華さん御一行三名が沖縄を訪れた際にも私、現地でこの問題を要請いたしたわけであります。  そこで、これは全国的に関係者は多いわけでございますけれども沖縄でも御存じのとおりそういうことでございますので、その点について長官がどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。
  99. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 ただいま先生指摘の問題につきましては、私も新聞で拝見をいたしましたが、実はその前に、先般閣議におきまして厚生大臣から、総理訪中に当たりまして、中国東北地帯ではわが国の軍人軍属約二十五万人くらいの方がお亡くなりになっておるということの御報告があり、訪中に当たっては、その霊を慰めるために慰霊団も送りたいので中国関係者と話し合ってきてほしい、こういう御発言がございまして、その後本日の閣議におきまして官房長官から、いろいろな問題について順調に進んでおる由の電話があったということでございますので、あわせ考えますと、本問題も中国側との話し合いがかなり進んでおるのじゃないかと思います。  お聞きをいたしますと、沖縄県出身者も当地でお亡くなりになっておるようでございますので、いずれ日本各地からの慰霊団などもできるのではないかと想像されますので、そうした機会に、ぜひ中国地区で亡くなられた霊を慰める機会が一日も早く来ることを私も祈念をいたしておる次第でございます。
  100. 玉城栄一

    ○玉城委員 次は、外務省の方に伺ってまいりますが、例の読谷補助飛行場の米軍パラシュート降下演習事故についてでございますけれども、この事故の状況につきましては、よく御存じのとおりでございますので、その点は割愛をさしていただきたいと思いますが、どうしてもこの機会にお伺いしておきたいのですが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、相変わらず米軍の演習事故が相次いでおるわけであります。その点で実は、ことしの二月二十一日の予算委員会におきまして、私、当時の園田外務大臣に、これは米軍名護の機関銃乱射事件に関連して質疑を交わした際に、外務大臣はこのように答弁をしておるわけであります。ちょっと読ませていただきますが、私、これをぜひ確認を求めたいわけであります。   外務大臣の所見を求められれば、問題は、その事故の原因がどうであったか、どういう事故であったかということよりも、米国国土内でこういうことをやったかどうかということが私は問題だと思います。いま非常に苦しい中に、いろいろな地域住民の方々に不便を願いながら、安保条約という枠組みの中で日本は平和を追求しているわけでありますから、基地をなくするわけにはまいりませんけれども、少なくとも日米安保条約の協力は、ただいまでいえば防衛庁、外務省とアメリカとの関係は、地域住民の方々が安心し、しかも不便ではあるけれども、いざという場合に日本を守ってくれるのだからという、協力のできるような体制でなければならぬということが一番問題だと思います。その際に、射角を超えれば遠くへ飛んでいく、しかも、そこにはだれがおるかわからぬ、そういうところへそういうことをやるということは、これは基地地域並びに住民に対する米軍の基本姿勢が一番大きな問題であると考えておりますので、私はその点は今後とも強く主張したいと思っております。なおまた、基地を撤去するわけには現実問題できませんけれども、その基地で地域住民に不安を与えないように、飛行訓練を含む射撃訓練等はもう一遍両方でよく検討し合う必要があるのではなかろうか、こう考えております。 これはことしの二月二十一日の予算委員会における当時の園田外務大臣の答弁であるわけであります。もちろん私、これをそのまま、基地を認めるとかという立場には立たないわけでありますけれども、外務大臣という立場でここまでおっしゃっていただいておることについては、私なりに非常に評価をしておるわけでありますが、いま、当時の外務大臣がおっしゃったこのことにつきまして外務省はどのように考えておるのか、そのときの外務大臣の考え方、精神と申しますか、そのことについて伺っておきたいと思います。
  101. 栗山尚一

    ○栗山説明員 お答え申し上げます。  外務省といたしましては、先ほど先生指摘の園田前大臣の答弁にもございましたとおり、施設、区域の運用というものは、当然のことながら周辺の住民の方々の生活に対する影響というものを最小限にとどめまして、住民の方々の理解と御協力を得て初めて安保条約の円滑な運用あるいは施設、区域の安定した運用というものが可能になるというふうに認識しております。施設、区域が沖縄本島の面積の二割を占めるというような沖縄特殊事情のもとにおきましては、なおさらのことであるというふうに私ども認識しておる次第でございます。  したがいまして、御指摘のような事故の発生というものは極力避けなければならないというふうに考えておりまして、私どもも、機会がありますごとに、合同委員会でありますとかその他の機会を通じまして、米軍に対しては、そういう観点から十分、県民の生活というものに配慮をしながら訓練なりその他の活動というものを行ってほしいというふうに指摘しておる次第でございます。
  102. 玉城栄一

    ○玉城委員 そこで外務省に、従来そういうことで指摘もし、米軍側にも申し入れてきたというようなことをおっしゃっているわけですけれども、この二月二十一日に外務大臣がこういう形で答弁をして以後も、相変わらずそういう事故が続出をしているわけです。ですから、物を言えばいいというだけでは済まないわけですね。そういうことで、この大臣の御答弁によりますと「両方でよく検討し合う必要がある」こういうことをおっしゃっているわけですが、どういう検討をこれまでしてこられたのか、その点を伺いたいと思います。
  103. 栗山尚一

    ○栗山説明員 私どもといたしましては、事故の発生の都度、具体的に米側に対しまして原因の究明、それから同種の事故が再発しないような事故の防止対策というものを十分講じてほしいというふうに逐次申し入れておるわけでございます。  今回の読谷村の事件に際しましても、事故の発生の直後から、合同委員会等の場を通じまして、米側に真相の究明と同時に再発防止対策というものを講じてほしいというふうに具体的に申し入れてございます。
  104. 玉城栄一

    ○玉城委員 その後にも大臣はこのような答弁をしていらっしゃるのです。   射撃場並びに実弾射撃場等におきましては、仮に間違いがあっても事故が起きないような地形を選定するとか、施設をするとか、こういうことはきわめて大事なことであろうと考えております。こういう点は防衛庁ともよく相談をし、在日米軍にも遠慮なしに主張し、遠慮なしにいままでの過ちを改めるように申し入れたいと考えております。 こういうことなんですね。それで、防衛庁の方に伺っておきたいのですが、外務省から、そういう沖縄の在日米軍基地のあり方についていま申し上げたような外務大臣の考え方に基づいての相談があったかどうか、ちょっと防衛庁の方から伺っておきたいわけです。
  105. 菊池久

    菊池政府委員 お答えいたします。  事故発生の都度、当庁からも現地司令官に申し上げたり、合同委員会の場を通じまして……(玉城委員「いや、外務省から」と呼ぶ)外務省からも申し上げております。私、防衛庁の立場で申し上げたのでございますが……。
  106. 玉城栄一

    ○玉城委員 ですから、外務省の方なんですが、これは予算委員会での大臣の答弁ですからね。せっかく大臣がこのように答弁していることを、たとえば日米合同委員会にいろいろ申し入れをした、そういうことではないのです。もう事故が起きたら事故を起こさぬようにしてくれという程度では済まないのです。たとえば、いまの読谷の補助飛行場の事故のこれまでのデータがありますが、これは詳しく申し上げますと時間がたちますので申し上げませんけれども、現実にこういう事故が常に起きている。これからも起こる可能性が十分ある。したがって、米側に対してそういう程度ではこの問題は解決しないのです。ですから、それをどのように考えていらっしゃるのですか。私、先ほど大臣の答弁をわざわざ読み上げまして、そのとおりだという意味の御答弁もいただいているわけですけれども、そのとおりだといっても、実際にアクションは起こっておらぬわけですね。  では、ちょっと伺いますが、読谷補助飛行場、あの地域はそういう米軍のパラシュート降下演習場に提供してふさわしい演習地域であるといまでも外務省は考えていらっしゃるのか、その点を伺いたいと思います。
  107. 栗山尚一

    ○栗山説明員 読谷の補助飛行場につきましては、降下訓練に際しまして従来からしばしば事故が発生しておるということで、私どもとしましては非常に問題意識を持っておるわけでございますが、他方、今回の事件を契機に十分米軍の方で反省をしてもらいまして、厳重な注意をするというふうな指示も出しておるということでございますので、そういうことでございますれば、今後、周囲の住民の方々の御協力と御理解も得て円滑に訓練が実施されるというふうになることを期待するわけでございます。
  108. 玉城栄一

    ○玉城委員 それはちょっと違いますよ。私がわざわざ当時の外務大臣の答弁を読み上げたことも、そこに意味があるわけです。あの読谷補助飛行場にすぐ隣接しまして読谷高校がございますし、すぐ隣接して住宅地域になっているわけですね。そこでパラシュートの降下訓練をやっているわけです。現実に事故がこれまで何回も起きてきているわけです。しかも、その中には十四歳になる少女が圧殺されたという悲惨な事故さえ起きているわけです。それでもなお皆さんは協力を求めてやっていこうという考えであるのかどうか、その点もう一回答弁してください。
  109. 栗山尚一

    ○栗山説明員 御指摘のように、過去において非常に重大な事故も起きておるわけでございますから、私どもの方としましては、今回の事件はきわめて遺憾であるというふうに考えて米側とも話し合ってきておる次第でございます。今回の事件を契機としまして、米側といたしましては、今後は物資の投下訓練というものは行わないようにしたというふうに承知しておりますので、そういう意味においては改善措置というものが期待されるというふうに理解いたしております。
  110. 玉城栄一

    ○玉城委員 あなたは実態を知っていらっしゃらない。あの読谷補助飛行場は物資はおろさないといってもなおかつ人は降下してくるわけですけれども、その降下してくる兵隊自身が演習区域からはみ出して住宅地域におりてきている例があるわけです。今後もこの演習場におきましては必ず事故が起きてきます。  ですから、先ほど申し上げましたように、当時の外務大臣は、そのことをよく検討して、よく両方とも話し合いながら「日米安保条約の協力は、ただいまで言えば防衛庁、外務省とアメリカとの関係は、地域住民の方々が安心し、しかも」云々と言っているわけです。そしてそのことはよく防衛庁とも相談をして「間違いがあっても事故が起きないような地形を選定するとか」というようなことをおっしゃっているわけですね。ですから、検討する用意があるかどうか。
  111. 栗山尚一

    ○栗山説明員 ただいま防衛施設庁の現地の施設局の方を通じまして、現地においていろいろ米軍、それから周辺地域の住民の方々と今後の演習のあり方につきまして鋭意調整を重ねておられるということでございますので、その結果も踏まえましてさらに考えてまいりたいと思います。
  112. 玉城栄一

    ○玉城委員 演習のあり方ではなくして、あの地域が演習地域として適当であるか不適当であるかを早急に検討していただきたいと思いますが、いかがですか。     〔委員長退席、上原委員長代理着席〕
  113. 栗山尚一

    ○栗山説明員 人員の降下訓練につきましては、米側としてはこれは必要であるということでございますので、その前提に立ちまして、なおかつ、これまでのような事故が起こらないという形で円滑な訓練が行われる体制をつくるということを考えておるわけでございます。
  114. 玉城栄一

    ○玉城委員 それは、あなた、私の言わんとすることを全然理解していらっしゃらない。米軍が必要だからどうのこうのということですが、必要であればどういう事故の起こる可能性があっても提供していくわけですか。それでは先ほど言われた大臣の答弁の精神というものは全くないわけでしょう。しかも外務省は全くわかっていらっしゃらない。あの読谷補助地域は、すでに大蔵省の午前中の質疑で答弁がありましたけれども、あの地域につきましては、地元あるいは地方自治体の方からきちっとした利用計画が出てくれば、そしてそれが沖縄振興開発にのっとるならば払い下げてもいいという方針もちゃんと述べていらっしゃるわけです。そのことを御存じですか。
  115. 栗山尚一

    ○栗山説明員 その問題については一応承知しております。
  116. 玉城栄一

    ○玉城委員 この問題でいつまでもやるわけにいきませんので、最後にもう一回きちっとお答えしていただきたいわけでありますが、いま申し上げました点も踏まえて、しかも過去のそういう事故のケースも踏まえて、そして現在のあの演習地域の物理的な状況も踏まえてよく検討するという考えはないかどうか、伺いたいと思います。
  117. 栗山尚一

    ○栗山説明員 ただいま先生指摘の点も踏まえて十分検討いたしたいと思います。
  118. 玉城栄一

    ○玉城委員 次は、航空運賃の問題についてでございますけれども運輸省の方に伺いたいのですが、十二月一日にうちの党で、地元の七万五千人の反対署名を添えて伊東官房長官に申し入れをしました。その中でも、特に沖縄関係とは限定はしておりませんけれども離島関係通行税の問題も含めて、これは県民生活あるいは離島住民に重大な影響を与える、ぜひそういう値上げはしないでほしいという趣旨の申し入れ書も添えまして、官房長官に申し入れをいたしましたけれども、そのことについて御存じであるか、そして運輸省はどのようにそのことを考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
  119. 富田長治

    富田説明員 そのことについては伺っております。私ども、先ほどちょっと申し上げましたように、ただいま査定の過程にございますので、皆様方の御要望を十分配慮しながら慎重に対処してまいりたい、できるだけ抑制する方向で対処してまいりたいと思っております。
  120. 玉城栄一

    ○玉城委員 この問題につきましては、午前中の質疑でも運輸省の現段階でのいろいろなお考え方も承りましたけれども、その中で離島関係通行税については、現在大蔵省と折衝中であるという御答弁もあったわけでございます。  大蔵省の方に伺いたいのですが、この通行税のあり方についてでありますけれども、現在、通行税が課税されている乗り物の種類について伺いたいと思います。
  121. 鈴木達郎

    ○鈴木説明員 現在、通行税が課税されておりますのは、国鉄のグリーン料金、A寝台、船におきましては特等ぐらいの感じでございます。それから飛行機については全運賃が課税になっております。
  122. 玉城栄一

    ○玉城委員 現在、通行税が課税されているのは、いまお話がありましたように、グリーン車、A寝台、あるいは船の場合は特等である、あとは一律に飛行機であるということですが、タクシーとか、特等以外の普通の船舶運賃とか、あるいは電車といいますか普通の汽車といいますか、そういうものに通行税がかかっていない理由はどういう意味なんですか。
  123. 鈴木達郎

    ○鈴木説明員 通行税につきましては、これはかなり長い歴史を持っておりまして、当初スタートの段階では、当時タクシーはございませんでしたでしょうが、国鉄運賃、私鉄運賃、あらゆる運賃を含めまして、全体系について通行税が課せられていた時代もございます。その後いろいろ変転してまいりまして、現在ではいま申し上げたようなものに課税されているわけでございますけれども考え方といたしましては、いろいろな変遷を来してきておりますので、そう明確なものとしてはないかもしれませんが、通常よりも高い水準の輸送手段に対して課税をしているということでございます。
  124. 玉城栄一

    ○玉城委員 そこで、これは全体的な離島も含めてですけれども沖縄の場合について申し上げますと、これは生活路線である、あるいは住民の足である、いろいろな認識については御存じのとおりでありますが、問題はその選択権がないわけです。たとえば新幹線に乗れるわけでもないし、普通の汽車が行っているわけでもないし、あるいは高速道路で行くというわけにもいきませんし、離島間でありますから、結局は船と飛行機なんですね。     〔上原委員長代理退席、委員長着席〕 その選択権の幅が非常に狭められているわけです。そういう中で一律に、同じように通行税をかけていくということは不公平税制ではないかと思うのです。そういう点で離島関係に対する通行税のあり方についてどのように考えておられ、どういう形に持っていこうとしておられるのか、その点を伺いたいと思います。
  125. 鈴木達郎

    ○鈴木説明員 確かにおっしゃるとおり、離島関係につきましては、船で行くとなれば大変時間がかかるといったような問題もあると思います。しかしながら、通行税、私ども消費税あるいは間接税と呼んでおりますけれども、こういう税の体系におきましては、個々の人的な事情とか、あるいは地域的な事情とか、そういったものに考慮を払いませずに、外形的な基準でかけるというところにこういう税の性格がございまして、その点、所得税や法人税などと性質を異にするわけでございます。したがいまして、通行税という一種の消費税の体系の中で特定の地域とかいう形でもって処理するのは、この税の性格上非常に困難であるという考え方をとっております。もちろん、離島住民の足とかいう問題については十分な配慮がなされるべきだと思いますが、そういう面につきましては、税の面ではなしに、たとえばSTOLの航空機補助がございますとか、あるいは着陸料が減免されておりますとか、これは運輸省の問題でございましょうが、運賃政策において何か配慮をするとか、そういった税以外の面でもって処理していただく方がベターではないか、そういうふうに考えております。
  126. 玉城栄一

    ○玉城委員 現在、通行税がかかっておるのは、グリーン車、A寝台車、船で言えば特等、いわゆる特殊なものですね。そして飛行機は全体。その場合に、たとえば沖縄県で言いますと、東京から沖縄本島に行って、沖縄本島からまた離島に行く。石垣なら石垣に行きますね。石垣からまた離島に行くという場合もあります。いまかかっている通行税というのはグリーン車とか特殊なものでしょう。それを一律にそういうふうにかけてあるというあり方が、いまいろいろおっしゃっていましたけれども、どうもわれわれには理解できないわけです。ですから、航空運賃の今度の値上げ申請等に関係しまして、大蔵省としても当然、通行税を特に離島関係航空運賃に一律にかけるとか、そういうむちゃなやり方はだめですよ。ですから、この点は大蔵省としても十分謙虚に考えていただかないといけないと思うのです。この通行税の問題について長官に、特段に関係省庁に折衝されるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  127. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 先生大蔵省との御議論を聞いておりますと、運輸省から大蔵省通行税の取り扱いについてお話を進めておるようでございます。これから新しい年度の税制改正問題等が論議をされる時期でございますので、私からも本問題について十分運輸省の意向も承り、大蔵省に対しても考え方を述べてみたいと思います。
  128. 玉城栄一

    ○玉城委員 次は、電力料金の問題についてであります。  午前中にもある程度質疑が交わされましたが、この沖縄電力は通産省の特殊法人整理構想の一つに挙げられているわけですね。したがって、沖縄電力についてはもうすでに民営化の方針が閣議決定もされているわけです。  承るところによりますと、沖縄電力は五月末決算で百三億、現時点で百十八億ぐらいの莫大な赤字を抱えているということなんですが、この赤字を抱えて民営化ということと今回の大幅な料金値上げという関係についてですが、通産省、この辺をちょっと整理して簡単でいいですから御説明いただきたいと思います。
  129. 堀田俊彦

    ○堀田説明員 ただいま御指摘がございましたように、沖縄電力株式会社の累積赤字は、五十四年の中間決算が終わったところで百十八億に達しておるわけでございます。沖縄電力といたしましては、一つには円滑な民営移行に対処する必要がございますし、他方自分の会社の経理を立て直しをする必要がございますので、今回の料金改正の申請に至ったものと考えております。  民営移行の問題に関しましては、本年五月、私ども資源エネルギー庁長官の諮問機関でございます沖縄電気事業協議会、これは現地那覇でお集まりをいただいているわけでございますが、こちらで審議に着手していただいております。
  130. 玉城栄一

    ○玉城委員 今回の沖縄電力の電力料金の値上げ申請は平均して四六・四九%、電灯が四八・九六%、電力が四四・五六%、五〇%近い大幅な値上げで、このことが県民生活に与える、あるいは県経済産業活動に与える影響は非常に重大だという認識については、午前中の質疑でも通産省はおっしゃっておられたわけであります。  そこで、民営化の方向にある、そして相当莫大な赤字を抱えているということで、これは民営化していくために赤字解消するための一つの要素として、今回の大幅な電力料金値上げ申請を考えていらっしゃるという話も承っているわけでありますが、そのことについてはどのように考えていらっしゃいますか。
  131. 堀田俊彦

    ○堀田説明員 現在の私どもの料金制度のもとでは、累積赤字を将来の原価の中に繰り込んで、それを解消するための料金引き上げを申請するということはいたしておりません。累積赤字は累積赤字のままで、原価計算としてはこれから生ずるであろう費用を計算し、それと収入が見合うように設定するものでございます。  また、十一月十六日に申請が出されたわけでございますが、私どもは、直ちに監査官を現地に派遣いたしまして特別監査を実施しております。この十二月十三日には那覇で公聴会を開催することにいたしております。いずれ経済企画庁とも協議することにいたしております。これからの御意見を踏まえまして、本件については厳正かつ慎重に対処したいと考えております。
  132. 玉城栄一

    ○玉城委員 この問題は、まだ値上げ査定段階で、これからいろいろ事務的な作業が行われると思いますので、その間にまたこちらの強い要望も申し上げてまいりたいと思います。  次に、これは消防庁の方に伺っておきたいのですが、先月の二十四日に、沖縄県西原町の南西石油株式会社の石油貯蔵タンクから原油漏れの事故があったわけであります。その事故の状況と原因、対策を簡単に御説明いただきたいと思います。
  133. 小池次雄

    ○小池説明員 ただいまの御質問でございますが、十一月二十四日の午前七時ごろ、浮き屋根式の原油タンクからの漏れを巡回従業員の見回りによって発見した事故でございまして、原油タンクの受け入れ配管口の下部付近から油がしみ出ている状況を発見いたしたわけでございます。  それに対応いたしまして、当該事業所におきましては、土のう等によってせきをつくり油の拡散防止、さらにまた、事故タンクからの油を水に切りかえるために、タンク内に水を張りまして原油漏れの防止に努めた作業を行い、現在、このタンクに対しましては、仮配管等を行い、仮設のポンプをつくりまして、中の原油をきのうでもってほぼ抜き終わりました。今後、中にスラッジが約二十四センチくらいの高さでたまっておるのを、洗浄作業によってはらい出しを行い、その後にさらに清掃を行って、現地からの報告によりますと、大体来年の一月半ばごろには開放をして、底板、側板あるいは配管、これらのどこから漏れたかをしさいに調査するということで、原因の件に関しましては、現時点ではまだ、どこがどのように破損したかという点はわかっておりません。  以上でございます。
  134. 玉城栄一

    ○玉城委員 これはなぜ申し上げるかといいますと、沖縄にはそういう石油貯蔵タンクが非常に多いものですから、こういう原油漏れ事故がたびたび——過去の水島事故の例等もありますし、地元の関係市町村の消防能力では、こういう問題の防災対策というのは非常にむずかしいわけです。そうかといいまして、県自身が個々に立入検査ができるかというとそれもできない。結局、考えてみますと、こういう問題は今後非常に不安な要素を多分に含んでいるわけであります。  そこで、消防法の十四条の三なんか見ましても、これは市町村段階にその責任がすべて負わされているようなかっこうになっているわけです。したがって、消防庁とされても、これはあくまでも国の大事な問題として、今後のそういう事故防止対策については十分やっていただきたいと思いますが、いかがですか。
  135. 小池次雄

    ○小池説明員 確かに先生がおっしゃること、ごもっともでございます。したがいまして、この内容につきましては、開放後十分な原因の調査をいたしまして、その結果が出ました段階におきましては、現在、消防法に決められております危険物保安技術協会がございまして、この危険物保安技術協会は土木関係、機械関係の専門家集団でございまするので、これらの協会の技術援助等々と相まって、また国におきましても、十分な内容をもちまして対策に意を用いてまいりたい、このように思っております。
  136. 玉城栄一

    ○玉城委員 時間が参りましたので、最後に一点、せっかくお願いしてありますので……。  法務省の方に伺いたいのですが、沖縄県の混血児の実態なんですが、現時点ではまだ七十九名の無国籍のそういう方々がいらっしゃるわけです。これはいまから三年ほど前にも私、本委員会でもこの問題を取り上げまして伺ったわけでありますが、なお三年たってもそういう無国籍のまま非常にいろいろな面の制約を受けておる関係者がいらっしゃる。これは申請すれば帰化手続は簡単にしてあげるとおっしゃいますけれども、やはりまだそういう方々がいらっしゃるということについて、法務省とされては関係者にきちっと連絡してあげるとか、そういう者が来るのを待つというのではなくて、やはりそういう申請手続をできるような状態あるいは能力と申しますか、そういういろいろな問題があろうと思いますので、そういう国籍のないという異常な形に置いておかないように早く積極的にやっていただきたいと思いますが、一言その点について御答弁いただきたいと思います。
  137. 田中康久

    ○田中説明員 その点についてお答えいたします。  私どもの方でも、沖縄に無国籍の人がたくさんいるということについては気になっていまして、一応私どもの方でも、現在、那覇地方法局長あてには社会福祉法人の沖縄事務所等とよく連絡をとって、無国籍児、そのほかの日米混血児を合わせまして、日本人になろうという人たちの帰化の相談、それから申請については十分配慮していただくように、私どもの方からも法務局の方に連絡してございます。  そのためには、私どもの方からこういうことを言うのはあれですけれども、やはり日本人になってもらうためには、現在のところは、帰化申請をしていただかないと日本人になれないものですから、一応日本人になるためには申請をする、申請するためにどういうものが要るかというところがどうしても素人の人にわかりにくければ、法務局の方に相談していただければ、私どもの方で十分その点の指導をするということを、私どもの方で那覇地方局の方にお願いしておりますので、そういうふうなことで処理したいというふうに考えております。
  138. 玉城栄一

    ○玉城委員 以上でございます。
  139. 河村勝

  140. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 私は、最初に小渕総理府総務長官、沖縄開発庁長官にお伺いをします。  これはきょうの新聞に出ておりましたし、さらに日本共産党の独自の調査でも明らかになってほぼ間違いないといったようなことでありますが、小渕長官、日本税理士会連合会の政治団体である日本税政連、これから献金を受けられたことがあるかどうか、御答弁をお願いします。
  141. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 日本税政連は、私を推薦していただいておる母体でございますので承知をいたしておりますが、御指摘の点につきましては、こうしたものを扱いますのは別の事務所でいたしておりますので定かにいたしておりません。
  142. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 長官としては受けたか受けないか、まだおわかりにならないということでございますか。
  143. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 御答弁申し上げましたように、私は、こうした扱い、みずからいたしておりませんので、承知をいたしておりません。
  144. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 もしこれが追及されて国会で問題になったりする場合に、いまのような御答弁を変えなければいけないということはあり得ないでしょうな。
  145. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 御指摘の点につきましては、定かにいたしておりませんので何とも申し上げられません。
  146. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これはすでに……(「委員長、ここでそんなことをやる必要があるの」と呼ぶ者あり)
  147. 河村勝

    河村委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  148. 河村勝

    河村委員長 速記を始めて。  きょうの質問の範囲としては、いつまでもこれを続けていくことはむだだと思いますから、もう一言聞いてください。
  149. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 私がここでこれを持ち出したのは、御本人が開発庁長官であるからなんです。それは間違わないように。いずれにしても、いまの御答弁で御本人が政治資金を得たことがないというよりは、そういったことはほかの関係で、知っている知ってないかわからぬが、自分はかかわりないといったようなことでありますから、まあそれにこしたことはないと思うのですが、ただ、沖縄開発庁長官として万一これが事実になった場合には、沖縄県民に与える影響も大きいです。総理府総務長官ということでもありますが、とりもなおさず沖縄開発庁長官ですから、それには身が非常に潔白であるということが裏づけられないと、県民に与えるショックも大きいと思います。これは以上で打ち切ります。  さて私は、最初に、いまの航空運賃値上げについて、十一月十六日に地崎運輸大臣にも会いましたときに、沖縄は国鉄のない唯一の県であるので、航空運賃値上げ問題については特別な配慮が必要であると大臣の口から言われたのですが、その点、開発庁長官としてどういうふうにお考えになるか。
  150. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 今回、航空会社各社が航空運賃の一斉値上げにつきまして申請をいたしておることは承知をいたしております。沖縄県におきましては、この問題がこれまた県民生活に大きな影響を与えるという立場で、大変危惧をいたしていることも承知をいたしております。よって、私といたしましては、この問題につきまして、所管でございます運輸大臣にはしばしば直接沖縄県の実情を訴え、現在、その最終的な料金確定に当たっての審査を進めておるやに聞いておりますので、十分沖縄県民の意思が反映されるようなものにしていただきたい旨を強く要請をいたしているところでございます。
  151. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 次は、電力料金値上げの問題ですが、これは航空運賃値上げと同じように、あるいはそれ以上に沖縄経済に与える影響は大きい、とりわけ沖縄電力は、御承知のように株主が大蔵大臣と県知事と二人なんです。それだけにこの影響が非常に大きい。この意味で、たとえば九電力の値上げは影響が大きいとして物価問題閣僚会議に諮ることになっているようですが、沖縄電力の場合には、経企庁と通産省の間の協議で済ますようなことも聞いておりますが、これは非常に重大な問題であると思いますので、長官としても、何らかの形で閣議にこの問題が反映するように努力して、電力料金が値上げされないように努力してほしいと思いますが、どのように思いますか。
  152. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 これまた沖縄県にとって大変大きな問題になっていることは承知いたしております。担当いたしておりますのが、通産省ないし物価問題といたしまして経企庁がこの問題に当たっておるわけでございまして、私に直接の権限があるわけではありませんが、これまた両省庁の最高責任者に対しまして、沖縄の実態を訴えまして、現在五〇%に近い申請でございますけれども、電力会社の立場もあることは承知をいたしておりますが、私といたしましても、県民第一という立場で努力をいたしていきたいと思っております。
  153. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 次に安保問題、基地、外交問題について触れたいと思いますが、読谷飛行場のパラシュート訓練、この問題は非常に大きい衝撃を与えたわけなんです。最初は、キリーン海兵隊司令官、この人は基地外に落としたことはないのだと言っておりましたが、村民と県民の立ち会いにより、とうとう認めておわびするというところまで来たわけなんです。一度、昨年百五ミリ戦車砲弾落下事故以来、機関銃乱射の問題とか、八インチ砲弾落下、これはその破片が八インチ砲弾の破片であることはわかっているが、まだ認めないのです。その後に起こったのがこの読谷飛行場のパラシュート落下問題。そのたびに出先施設庁、那覇施設局もさらに日本政府アメリカ領事館なども、こういったようなことを起こさないように、起こらぬようにということを繰り返し巻き返し約束したのだ。ところが、これが繰り返されている。しかも生命、財産に危険を及ぼすようなところまで来ている。砲弾落下だけではなくて、嘉手納飛行場周辺のごときは爆音地獄だということまで言われている。安保条約があるからそうなんだ。安保条約があるから基地を持つ、基地があるから演習するのはあたりまえだ、この方針が貫かれた場合に、沖縄に住む日本国民の生命、財産は本当に安全でなくなる。危険きわまりない段階にもう来ている。だから、安保廃棄の問題は全日本国民の問題であって、これなど、なに合意廃棄すればいいのだといったようなことでは片づかないところまで、日米軍事同盟は強化されている。  ここには防衛庁おられますか。——外務省おられますか。——あなた方一番よう知っておられるのですね、あの事故は。私も、去年名護に行ったのですが、機銃はもう乱射、ちゃんと突きささっている。これ以来、アメリカも日本政府も大使館も沖縄の領事館も、かかることは再び起こしませんと言ったのだが、起こしませんどころか何度も起こっている。これは安保条約があるからなんだ。これを廃棄しない限り日本国民の安全は保障されない。現実に証明している。安保条約を認め、軍事基地を認めて、再び起こさないということを約束できますか。
  154. 菊池久

    菊池政府委員 今回の事故の件でございますが……
  155. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 私は今回の事故はいいですよ。一連の事故が、質問したように安保条約を認める、基地を認める、だから演習がどんどん起こってくる。これはいま申し上げたように、読谷補助飛行場のパラシュート落下の問題だけじゃないのですよ。一年間見てみても、こういったようなことが、やりません、やりませんと言ってどんどん起こっている。これは原因は何かということなんです。
  156. 菊池久

    菊池政府委員 私どもとしますと、安保条約の目的達成のためには、やはり施設提供をせざるを得ないということでございます。たまたま事故が発生いたしますので、その都度、在日米軍に対しましては再発防止の申し入れを行い、さらには合同委員会等の場におきまして、安全対策等についての米側の検討を促すということで対処してきているわけでございます。
  157. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 あなた方、起こるたびにアメリカに起こらぬようにしてほしいと言ったかもしらぬ、ところが起こっているわけなんだ。だから、基地はそのまま認めて、アメリカの演習を認めておきながら、沖縄県民の安全、生命、財産を守ることができると思うかどうかを聞いておるわけです。
  158. 菊池久

    菊池政府委員 事故が発生いたします都度、いままでも十分に米側とも話し合い、再発防止についての対策を講ずるように申し入れてきておりますけれども、さらに今後とも、沖縄県民の安全のために、それからさらには地域住民の民生安定のために、米側にもさらに安全対策について、再発防止について申し入れを行い、いろいろの確認を行いまして、民生に支障がないように努めていきたいと思っております。
  159. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 この安保条約、米軍基地問題は、そんなに簡単な問題じゃない。一カ年間に沖縄県民の基地から与えられた実に大変な犠牲がはっきりわかっているのです。あなた方はそのたびにやるが、安保条約があるから、米軍基地があるから次にまた起こる。ですから、この問題を再び起こさない保障は、安保条約を認めておいてあるのかどうか、どうですか。
  160. 菊池久

    菊池政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、地位協定並びに安保条約に基づきまして施設、区域を提供しております関係上、米軍の演習行動を阻止するわけにはまいりませんので、住民の福祉ないし安全のために十分な配慮をしながら、米軍に提供を続けるというのがわれわれの任務だと思っております。
  161. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 一言申し上げたいのですが、たとえば名護市でも超党派で、自民党議員も含めてキャンプ・ハンセン基地を撤去すべきだという決議をしたのだ。読谷も同じです。そこまで来ているのです。基地を撤去しない限り、市民や村民の生命と財産は保障できぬ、こういう声が高まって、議会でも超党派で、県議会でもそのとおりなんだ。そこまで来ているわけなんです。だから、これ以上あなたに追及しても——安保条約はもちろんあなた方は認めているわけなんだ。認めていても安保条約、基地がどんなに危険なものであるか、これをなくしない限り民族の独立の問題も達成されない。本当に民族的に主権を侵されている、だからこそ生命、安全がこういったような危機に瀕しておる。これは小手先の問題では解決しないところまで沖縄米軍の事態は進んでいるということを私は指摘して、今後かかることのないようにしますという約束どおりやるのでしょうね。
  162. 菊池久

    菊池政府委員 今回の事件を背景といたしまして、現在、現地におきましても、那覇防衛施設局と現地軍との間におきまして、安全対策等について盛んに検討を行っている最中でございます。したがいまして、極力危険防止について米軍の協力を求めながら対処していきたいというように思います。
  163. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 ただいまから聞きますのは、政治論争はしょうと思っておりませんので、事実関係をはっきり述べていただきたい。  リムパックの問題です。きのうの七日の内閣委員会での中路委員の質問と関連をいたしますが、佐々参事官いらっしゃいますか。——佐々さんにかわって答弁できる政府委員、来ておられるでしょうね。
  164. 河村勝

    河村委員長 説明員が参っております。
  165. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 それでは答えてください。リムパックの招待状は書面で来た、これはだれからだれあてに来たか、日付は何月何日か、それから表題は何であるか、内容は何か、これをまず明らかにしてください。
  166. 芥川哲士

    ○芥川説明員 お答え申し上げます。  先生お尋ねの、米側からの招待状なるものの差出人は、米太平洋艦隊司令長官でございます。
  167. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 名前は入っていますか。
  168. 芥川哲士

    ○芥川説明員 名前はデービス大将でございま  す。  あて先は、防衛庁海上幕僚監部の幕僚長でございますところの大賀海将でございます。  日付は本年の三月八日付でございます。タイトルは特にございません。  内容でございますが、昨日も佐々参事官が御説明申し上げましたとおり、秘にわたるものにつきましては提出できないということでございますけれども、この文書は単なる招待状というものではございませんで、米側よりは秘文書の指定を受けた公文書でございますので、日本側からこのものを公表するというわけにはいかない性格のものでございます。しかしながら、内容について御説明申し上げるということになりますと、来春中部太平洋で行われる予定のリムパックに、日本の自衛隊が参加する意思があるかどうかを打診したものでございます。
  169. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 きのう佐々参事官は、検討させてもらいたいということを言っていた、何か人ごとみたいに。担当官でしょう。内容を見ているわけです。いまの答弁でも招待状を受けた、参加する意思があるかどうかというふうな質問だと言っていますね。それについて参加しますという返事は、いつ、だれの名で出されましたか。
  170. 芥川哲士

    ○芥川説明員 お答え申し上げます。  本年十月十六日海上幕僚長より、防衛庁長官の決定を踏まえてアメリカ太平洋艦隊へ通知いたしております。
  171. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 このリムパック合同演習に参加いたしますというときに、艦艇が何隻、飛行機が幾らということまで突き詰めて返事されましたか。
  172. 芥川哲士

    ○芥川説明員 お答えいたします。  当該通知の際には、わが方より護衛艦二隻、航空機八機を参加させる予定であるということを言っております。
  173. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 向こうの太平洋艦隊司令長官からは、それでよろしいという返事がございましたか。あったら、いつですか。
  174. 芥川哲士

    ○芥川説明員 お答えいたします。  そういう返事は受け取っておりません。
  175. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 次に、きのうの佐々参事官の意見では、リムパックの内容は、細部打ち合わせで決めるという御答弁でしたね。その細部打ち合わせというのはアメリカとやるのでしょうが、これはいつ、どこで、どういうレベル、すなわちどういう機関でやるか、さらに日本側はだれが出席するのか、これを答えてください。
  176. 芥川哲士

    ○芥川説明員 御説明申し上げます。  アメリカ側との間における細部調整打ち合わせの件でございますが、これは今後、必要に応じまして随時調整が行われることになっておりまして、その手続、内容等については、主催国でございますところのアメリカ側の了解を得ませんと日本側が発表するということはできないわけでございまして、細部についての答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  177. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 この細部打ち合わせも、アメリカの許可なしには打ち合わせできないわけですか、相手があるから。いつやるのか、どういうレベルでやるのか、だれが参加するのか、これは大体わかっているのでしょう。
  178. 芥川哲士

    ○芥川説明員 お答え申し上げます。  先ほど私が申し上げましたのは、今後、具体的な調整というものが進みます際に、その内容、手続等につきまして、アメリカ側の了解を得ない限りは日本側が一方的に発表することはできないということを申し上げたわけでございまして、先生先ほど来、いつどこで、どういうかっこうで、あるいはどういうレベルでという御質問でございますが、これは必要に応じ調整をやるわけでございまして、どういう特定のメンバーが初めから決まっておるというものではございませんで、必要が生ずれば、それぞれの関係部局の間でアメリカとの間に調整を行うということでございます。
  179. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 どのような必要が生ずればということなんですか。
  180. 芥川哲士

    ○芥川説明員 お答えいたします。  そもそもリムパックというものが、参加艦艇等の能力評価をし、練度を向上させるということにありますので、こういう目的に沿って、われわれの海上自衛隊の護衛艦及び航空機が参加いたしますところの訓練を円滑に実施するための具体的な打ち合わせの必要性、そういうものが生じた場合アメリカ側と調整するということでございます。
  181. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間がございませんので、あとは一括して質問しますからよく覚えておいてくださいよ。  いまの問題は、日本国民全部が知りたいと思っているのですよ。これがわかったら発表するでしょうな、これが一つ。たとえば細部打ち合わせでしょう、いつどこでどういうレベルでやるか、わかったら発表しますね。するならする、しないならしない、なぜしないか、これが一つ。  次は、きのうの委員会で、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア全体の過去の、たしか四回ですか、あれは本当は六回やっておるでしょうが、四回の艦艇数とかあるいは飛行機の参加、全部発表されましたが、それは一括してであって、ニュージーランドはどう、オーストラリアはどういうふうになっているとかいうふうな細部にわたっての説明はなかった。これを説明してください。いわゆる四つの国別の問題、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ。  次に、航空母艦の参加はあったと思うと言っているが、航空母艦の参加隻数、何年に二隻参加したなら二隻参加したとか。それからオーストラリアのものも参加したかどうか。エンタープライズ、これは核空母なんですよ、これが参加したかどうか、これが三番目。  次に四番目、オーストラリアの戦闘機の参加についてはわからないとのことだったが、これはきのうだからもうわかっているでしょう。これを説明してください。  以上です。
  182. 芥川哲士

    ○芥川説明員 お答え申し上げます。  第一点でございますが、細部の打ち合わせの日時、場所、メンバー、内容等でございますが、これは先ほど来繰り返し申し上げておりますとおり、主催国でございますところのアメリカの了解を得ずに日本側が公表するということは……。
  183. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 了解を得れば公表するわけでしょう。しますかということを聞いている。
  184. 芥川哲士

    ○芥川説明員 その点については検討させていただきたいと思います。  それから、過去に行われましたリムパックの参加艦艇、航空機等を国別に明らかにしろという御要求でございますが、現在のところ、われわれとしては、その内訳については承知しておりません。  次の第三点は、航空母艦がこれまでのリムパックに参加したことがあるのではないか、それからオーストラリアの空母が参加したことがあるのではないか、あるいはエンタープライズが参加したことがあるのではないかという御質問でございますが、過去のリムパックには、米国の空母一、二隻……(瀬長委員「二隻でしょう」と呼ぶ)一ないし二隻でございます。及び豪州の空母一隻が参加したこともあったようでございますけれども、その時期、それから艦名等についてはっきりしたことは承知いたしておりません。  なお、エンタープライズについての御質問でございますが、これも過去のリムパックにエンタープライズが参加したという情報は私ども持っておりますけれども、まだ確認いたしておりません。  最後に、オーストラリアの戦闘機が参加するのではないかという御質問でございますが、このお尋ねの点というのは、恐らく十二月二日の朝日新聞の記事に基づいておるのだとわれわれは推察するわけでございますが、来年春開かれますところのリムパック80において、オーストラリアの戦闘機が参加することになるのかどうか、これは私どもとして承知しておりません。  また、過去のリムパックにおきましてオーストラリアの戦闘機が参加したことがあったのかどうかというお尋ねでもございましょうが、これについては、あったかもしれませんけれどもわが国はこれまで参加したことがございませんので、そこまではっきりしたことは承知しておりません。
  185. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 最後に要請ですが、国別の問題、四カ国の、これは資料としてこの委員会に出してほしい。いま持っておられぬでしょうから、国別のあれをまとめて出してほしいと思います。
  186. 芥川哲士

    ○芥川説明員 先ほども御説明申し上げましたとおり、私どもとしては、国別の内訳というのは持っておりません。したがいまして、御要求がありましても、応じかねるという状態でございます。
  187. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 政府がわからぬでああいったリムパックに参加する、せぬなんというふうなことではどうもならないですね。あなた方、調べてここに出せるように努力してもらいたいことを要望して、私の質問を終わります。
  188. 河村勝

    河村委員長 榊利夫君。
  189. 榊利夫

    ○榊委員 時間がありませんので簡潔に質問いたしますから、答弁の方も簡潔にお願いします。  米軍駐留費の分担増大の問題でありますが、沖縄タイムスの報道によりますと、在沖縄米海兵隊基地司令官のキリーン少将が、名護市で起きた例の機関銃流弾事故の原因を検討した結果、跳弾防止の対策が必要だが、その工事費は日本政府負担するよう要請している、こういうことでございますけれども、事実でしょうか。
  190. 森山武

    ○森山(武)政府委員 昭和五十五年度の予算概算要求におきまして、キャンプ・シュワブにおける安全対策施設の建設の経費を要求しているのは事実でございます。  ただ、先生の御引用になられました新聞記事で、キリーン少将の要請を受けて云々というのが十月ごろというふうに書いてありますので、私どもはその前に概算要求しておりますから、そういう事実、キリーン少将から要請を受けたというふうな事実はございません。
  191. 榊利夫

    ○榊委員 那覇防衛施設局との定例協議で要請が出されている、こういうふうにも言われているわけでありますけれども、それはさておきまして、マスコミ等々でも安保の費用負担増が地位協定の無視、拡大解釈になってはならないという強調が最近目立っておりますけれども、御承知のように地位協定では、米軍維持に伴う費用は規定のものを除いてすべて米側が負担するということになっておりますね。これは間違いありませんですね。
  192. 森山武

    ○森山(武)政府委員 地位協定二十四条第一項におきまして、二十四条第二項で日本国政府負担するものを除きアメリカ合衆国の負担とする、こういうことがあります。
  193. 榊利夫

    ○榊委員 明らかにアメリカの機関銃による跳弾の防止工事、この費用を日本政府負担するということは、地位協定上もできないことだと私は思うのですが、これはどうでしょう。
  194. 森山武

    ○森山(武)政府委員 私ども負担をいたしますのは、地位協定に基づきまして施設及び区域として提供する場合には日本国政府負担になる、こういうことでございますが、昨年度から始まりましたいわゆる施設整備に関する事業でございますが、これは御承知のように、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の駐留経費が非常に窮屈になってきた、それで安保条約達成上のアメリカの活動というものが著しく阻害されるおそれがあるというふうなところから、地位協定の範囲内でできることを日本国政府としても協力しよう、こういう趣旨でございます。  そこで、ただいまの跳弾防止措置といいますのは、もちろん原因をつくりますのは演習するアメリカ合衆国軍隊でございますから、アメリカ合衆国軍隊が第一義的にそのような安全措置をする、これは当然なことでございます。  したがって、先ほどからもいろいろと御質問が出ましたように、事故の起こらないように、たとえば射角制限装置を設けて射角を規制するとか、あるいは射座を整地し着弾地を整備するとかということは、当然、アメリカ合衆国政府が第一義的に行う問題かと思います。ただ、そのような安全対策をとったとしても、なお私どもは、万が一、万々一という地元の住民の方々の御心配は当然あろうかと思いますので、そういうものを絶滅したい、いわばアメリカの施設、軍事施設といいますか、そういうものをつくってやるのじゃなくて、公害関連施設と同じように住民の安全対策のための施設をつくって、施設、区域として提供するのだ、このような考えで概算要求している次第でございます。
  195. 榊利夫

    ○榊委員 そこで、やはり拡大解釈のおそれが十分にあると思うのです。例の跳弾防止の問題につきましても、那覇防衛施設局との定例協議で要請が出されているというふうに言われているわけで、防衛施設庁としてはアメリカ側の要求を聞いているのじゃないかと思うのです。しかし、それについてはそうじゃないというふうにお答えだろうと思うのですけれども、いずれにいたしましても、時間がないので省きますけれども、最近御承知のように、わが国では財政危機の打開それから国民生活の防衛、これが焦眉の問題になっておりますし、そのやさきにアメリカの軍備拡張要求が相次いでおります。そのもとで、例のF15の問題や対潜哨戒機P3Cやあるいはグラマン汚職の火元にもなりました早期警戒機E2Cなど、一連の航空機の輸入が決められておりますけれどもアメリカ負担すべき米軍基地の施設費用だとかあるいは日本人従業員の給与、手当の一部まで、前金丸防衛庁長官も思いやりだ、こう言って、これを日本として負担するのだ、こういう新たな負担を決めて、本年度にも、さっきおっしゃったようなものを含めまして、大体二百億を超える負担増が計上されているわけであります。  そういう状況だから、恐らく沖縄米軍基地の跳弾防止工事費の問題につきましても、日本側に要求してくるというような状況があるのじゃないかというふうに思われるわけで、あくまでも跳弾防止工事の費用を日本側が負担する理由はないと思うのです。もしそういう要請が来ても絶対に断るべきだ、こういうことを私、いままでのそちらの答弁を聞いた上で要望したいわけであります。この点では直接小渕長官担当じゃありませんけれども、やはり沖縄担当の大臣としてこの問題にも重大な関心を払っていただきたいということもあわせて要望いたしまして、質問を終わります。
  196. 河村勝

    河村委員長 部谷孝之君。
  197. 部谷孝之

    部谷委員 私は、実はこの後常任委員会での質問もしなければなりませんので、ごく端的にお尋ねをいたしますので、簡明直截な御答弁をいただきたいと思います。  沖縄振興開発の計画は、経済社会等各分野における本土との格差の是正と、沖縄の自立的な発展を可能とする基礎条件の整備目標としておるわけでありますが、計画の着手以来すでに七年を経過いたしております。この十年計画目標とその達成状況はどのようになっておるのか、同時にまた、沖縄県の経済の現況はどのようになっておるのか、御答弁をいただきたいと思います。
  198. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えいたします。  先生ただいま御指摘のように、沖縄振興開発計画は、一つ本土との格差是正、それからもう一つは自立的発展の基礎条件の整備、この二つを柱にいたしまして振興開発を図っておるわけでございます。私どもといたしましても、この計画の線に沿いましてこれまで努力をいたしてきておるところでございます。  計画目標とその達成の状況というお尋ねでございますが、主な指数等で申し上げますと、まず人口につきましては、最終年度の見通しとしまして百三万人、こう置いておりましたが、これにつきましては昨年百八万人に達しておりまして、大幅にこれを超えておるという状況にございます。  産業構造につきましては、生産所得就業者、いずれも第一次産業及び第二次産業が弱く、第三次産業に大きく偏っておるという復帰前の姿をそのままに引き続いておるということでございまして、目標数字との関連で申しますと、生産所得で、第二次産業目標三〇%に対しまして五十二年度で二一%、それから第三次産業目標数値六五%に対しまして七三%というような状況になってございます。  また、雇用問題が大きくございまして、これは五十四年度、本年度に入りまして若干低下をしておりますものの、本年の十月現在で四・九%、全国が二%でございますので、約二・五倍という高い数値を示しております。  公共施設等整備につきましては、これまで私ども振興開発事業費を中心にいたしまして増額を図ってまいりまして、かなりに進展をしておるというふうに私ども考えております。とりわけ道路、空港、上下水道、公立学校施設等々につきましては、おおむね本土水準に到達しておるものというふうに考えております。  なお、所得の関係でございますが、県民総生産が、名目で見てまいりますと、復帰時が五千百二十三億円ございましたが、これが五十二年度で一兆二千四十三億円、約二・四倍に伸びてございます。ただ、これを一人当たりの県民所得で見てまいりますと、復帰時の対全国平均六三%に対しまして六八%、これは目標年次におきまして八〇%、こう目標を立てておりましたものに対してなお六八%というかなりの差を残しておる、こういう状況でございます。  なお、最近の県の経済状況でございますが、これはここ数年来、公共事業を大幅に増大させてまいりまして、また海洋博後一時大幅に落ち込みました観光客がかなり著しく伸びてまいっておりますので、これらを背景にいたしまして、特に昨年後半以降明るい基調で推移しておりまして、企業倒産も減少したほか、消費者物価も比較的に落ちついた動きを示しておるという状況にございます。ただ、先ほども申し上げましたように、なかなかに二次産業伸びないというような問題、また、このような産業構造に関連いたしまして、財政支出や県外からの移入への依存度が非常に高い、消費型経済といった体質を持っておるわけでございます。  また、雇用問題も先ほど申し上げたとおりでございまして、さらに今後のわが国の厳しい財政状況とかあるいはエネルギー問題等々を考えてまいりますと、必ずしも楽観は許さない、明るい材料とばかりは言いにくいというような面を持ってございます。
  199. 部谷孝之

    部谷委員 いま御説明を伺う中で、きわめて失業率が高い、約五%に近く全国平均の二・五倍、こういうふうな数字でお示しをいただいたわけでありますが、こうした失業率の高い原因は一体どこにあるのか。また、これに対しましてどのような対策を進めておられるのか。これは労働省の方からの御答弁の方がいいかもしれませんが、御答弁いただきたいと思います。
  200. 野見山眞之

    ○野見山説明員 お答え申し上げます。  厳しい失業情勢に依然沖縄県があるということは、先ほどの御説明のとおりでございまして、その原因につきましては、およそ三つ挙げられるかと思います。  一つは、やはり第二次産業を中心とする産業振興が不十分であることに伴いまして雇用機会が十分でないということ。第二点は、本土復帰に伴いますいわゆる復帰失業者の発生と、米軍基地の整理統合に伴う離職者の発生の問題。それから三番目は、県外就職者が本土に就職した後にまたUターンをしていくということに伴う離職者の帰島と申しましょうか。そういった三つの要因がおよそ主要な要因として挙げられるかと思います。  基本的には、こういった厳しい失業情勢の改善のためには、沖縄県における産業振興が基本的であろうかというふうに思いますが、同時に、これらの産業振興と相提携しながら、雇用の面におきましてもそれなりの対策を講じていくということで、沖縄県の労働者の職業の安定のための計画を策定いたしておりまして、この計画におきまして、沖縄関係失業者に対して就職促進手当等の支給を行う、就職援護措置の実施とかあるいは広域職業紹介、あるいは職業訓練の機動的な実施等によって、雇用の改善に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
  201. 部谷孝之

    部谷委員 こうした雇用問題を解決するためには、当然産業振興が基本であろうと思うわけでありますが、こうした産業振興について、さらにどのような対策を講じておられますか、お尋ねをいたします。
  202. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 先生指摘のように、やはり雇用を促進するということのためには、産業振興し、雇用の機会を確保するということが必要であろうと考えておりまして、従来から私ども沖縄振興開発計画に基づきまして、沖縄地域特性を生かしました地域産業振興の施策を行っておるところでございます。  まず、第一次産業でございます農漁業につきましては、生産基盤の整備、それから、やはり経営自体かなりおくれた内容を持っておりますので、経営の近代化あるいは流通のおくれを直すための機構の整備、こういったことを一方で図るとともに、他面、サトウキビあるいはパイン等の在来作物に偏っておりました作目を多様化していく、あるいは漁業につきましては、沖縄の温暖な気候を生かしまして、資源培養型の漁業の開発を図るというようなことを行っておるわけでございます。  また、二次産業につきましては、やはり地場産業を中心といたします製造業につきまして、政策金融の機関としまして沖縄振興開発金融公庫を設けておりますが、それからの融資等を行っておりますほか、五十三年度からは公庫に出資機能を設けまして、これによりまして民間の資本等の誘導も図っておる、こういうことでございます。一また、最近の経済が、観光等を一つの下支えにいたしまして好調を示しておるということがございますが、沖縄わが国唯一の亜熱帯性の自然と非常に特異な風土を持っておりますので、これを生かしました観光産業は今後とも有望ではないか、私ども、こういうことで交通基盤の整備とかあるいは観光施設の整備等を推進しておるところでございます。  また、私どもといたしましても、今後とも道路、港湾等あるいは土地改良等、産業基盤の整備を強力に進めてまいるほか、出融資機能等を通じまして沖縄の全体の振興を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
  203. 部谷孝之

    部谷委員 実は、まだ中城湾港の問題あるいは水資源の問題等々たくさん問題があるので、これらについてお尋ねしようと思っておったのですが、先ほど申し上げましたように、時間の関係でそれに言及、質問する時間をなくしましたので、最後に大臣にお尋ね申し上げますが、沖縄振興開発という観点から見ますと、まだまだ多くの問題が残されておると思うわけでございまして、振興開発計画もあと二年で年度が終わることになるわけでございますが、こうしたさらに残された問題、将来に向かって大臣とされまして第二次振興計画の立案というふうなことをお考えなのかどうか、その点の将来に向かっての御所見を承りたいと思います。
  204. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 現在、振興開発計画を実行中でございまして、その十カ年の計画を待ってみなければその後のことを申し上げることはできないのでございます。しかし私も、先般沖縄県にお訪ねをいたしまして、今日まで七年余り実行してまいりましたもろもろの計画も、県民の皆さんの御努力と相まってかなり実効を上げてきたことは承知をいたしております。  しかしながら、それで終わったかどうかという判断はなかなかむずかしいところでありますが、今日までの計画の達成度等も十分勘案しながら、当然のことでありますが、必要とするなればさらに引き続いて各種の政策を積み重ねて、明るい豊かな沖縄県づくりのために、第二次の計画もあるいは実行していかなければならないことになるのではないかと存じます。
  205. 河村勝

    河村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十二分散会