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1979-11-15 第89回国会 参議院 決算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年十一月十五日(木曜日)    午前十時十一分開会     —————————————   委員氏名     委員長         志苫  裕君     理 事         岩崎 純三君     理 事         楠  正俊君     理 事         寺下 岩蔵君     理 事         降矢 敬雄君     理 事         穐山  篤君     理 事         和泉 照雄君                 伊江 朝雄君                 石本  茂君                 岩上 二郎君                 河本嘉久蔵君                 北  修二君                 世耕 政隆君                 永野 嚴雄君                 長谷川 信君                 藤川 一秋君                 降矢 敬義君                 増岡 康治君                 佐藤 三吾君                 野口 忠夫君                 丸谷 金保君                 安永 英雄君                 黒柳  明君                 田代富士男君                 沓脱タケ子君                 安武 洋子君                 三治 重信君                 喜屋武眞榮君                 円山 雅也君                 秦   豊君     —————————————    委員異動  十一月一日     辞任         補欠選任      円山 雅也君     野末 陳平君  十一月十二日     辞任         補欠選任      安武 洋子君     小笠原貞子君  十一月十三日     辞任         補欠選任      喜屋武眞榮君     下村  泰君  十一月十五日     辞任         補欠選任      楠  正俊君     原 文兵衛君      安永 英雄君     広田 幸一君      小笠原貞子君     安武 洋子君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         志苫  裕君     理 事                 岩崎 純三君                 楠  正俊君                 寺下 岩蔵君                 降矢 敬雄君                 穐山  篤君                 和泉 照雄君     委 員                 伊江 朝雄君                 石本  茂君                 岩上 二郎君                 河本嘉久蔵君                 北  修二君                 世耕 政隆君                 永野 嚴雄君                 藤川 一秋君                 増岡 康治君                 佐藤 三吾君                 広田 幸一君                 丸谷 金保君                 黒柳  明君                 田代富士男君                 小笠原貞子君                 沓脱タケ子君                 三治 重信君                 下村  泰君                 野末 陳平君                 秦   豊君    国務大臣        大 蔵 大 臣  竹下  登君        通商産業大臣   佐々木義武君        運 輸 大 臣  地崎宇三郎君        郵 政 大 臣  大西 正男君        国 務 大 臣        (内閣官房長        官)       伊東 正義君        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       小渕 恵三君         —————        会計検査院長   知野 虎雄君         —————    事務局側        常任委員会専門        員        道正  友君    説明員        内閣官房長官  加藤 紘一君        法務省刑事局長  前田  宏君        大蔵大臣官房長  松下 康雄君        大蔵省主計局次        長        西垣  昭君        大蔵省主計局主        計官       尾崎  護君        大蔵省関税局長  米山 武政君        国税庁直税部長  矢島錦一郎君        通商産業大臣官        房長       藤原 一郎君        通商産業省立地        公害局長    伊勢谷三樹郎君        運輸大臣官房長  杉浦 喬也君        運輸省鉄道監督        局長       山地  進君        郵政大臣官房電        気通信監理官   寺島 角夫君        会計検査院事務        総局次長     松尾恭一郎君        会計検査院事務        総局第一局長   岩井  毅君        会計検査院事務        総局第四局長   岡峯佐一郎君        会計検査院事務        総局第五局長   小野光次郎君        日本電信電話公        社総裁      秋草 篤二君        日本電信電話公        社監査局長    小澤 春雄君    参考人        日本鉄道建設公        団総裁      仁杉  巖君        日本鉄道建設公        団理事      富樫 勘七君        日本鉄道建設公        団理事      片山  光君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○調査承認要求に関する件 ○派遣委員報告に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○国家財政経理及び国有財産管理に関する調  査  (日本鉄道建設公団等経理問題に関する件) ○理事補欠選任の件 ○公団公社官庁等の汚職・不正経理徹底糾明に関  する請願(第一二八号外五件) ○継続審査要求に関する件 ○継続調査要求に関する件 ○閉会中の参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  去る十月十三日、内藤功君及び青島幸男君が委員辞任され、その補欠として安武洋子君及び喜屋武眞榮君が選任されました。  また、十一月一日、円山雅也君が委員辞任され、その補欠として野末陳平君が選任されました。  また、十二日、安武洋子君が委員辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。  また、十三日、喜屋武眞榮君が委員辞任され、その補欠として下村泰君が選任されました。     —————————————
  3. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、国家財政経理及び国有財産管理に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定したします。     —————————————
  6. 志苫裕

    委員長志苫裕君) この際、派遣委員報告に関する件についてお諮りいたします。  前国会閉会中、当委員会が行いました国家財政経理及び国有財産管理に関する実情を調査し、もって今後における決算審査に資するための委員派遣について、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますが、口頭報告はこれを省略し、本日の会議録に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  8. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本鉄道建設公団等経理問題に関する調査のため、本日、日本鉄道建設公団役職員参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  11. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 次に、国家財政経理及び国有財産管理に関する調査を議題とし、日本鉄道建設公団等経理問題について調査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 まず冒頭に、いま問題になっておりますKDDの問題について御質問したいと思いますけれども郵政大臣、見えていますか。刑事局長は見えていますか。——  大臣就任早々で大変お気の毒なところもあると思うのですが、いま連日国際電電乱脈経理交際費の乱用などが報道されておるわけでございますが、昨日東京税関からついに三名の告発会社そのもの告発されました。  それによりますと、古池会長密輸の中の一員に入っておる。しかも全部で五千五百点、四年間に二十人が五十一回という会社ぐるみ密輸が確定的に報道されておるわけでございますが、これはもうまさに異常と言うしかないわけであります。しかもけさの朝刊によりますと、小渕総務長官が二百万円のパーティ券KDDに買い取らせた。これはもう本人も秘書官もそれを認めておる。この問題は先般の決算委員会でも同僚議員の中から、当時現職でございました白浜郵政大臣、この二百万のパーティ券と同時に陣中見舞いの件が出されておりますし、しかも服部元郵政大臣が自分の経営する店から約一千万のインテリアの家具を買わしておる。  こういうように、次々に政官界に波及する様相というのは非常に濃くなってきておるわけでございますが、この問題につきまして監督官庁である郵政大臣、さらに、いよいよ告発になりますとこれは捜査が当然起こってくると思うのでありますが、刑事局長の方から捜査見通しを含めて、まずお聞きしたいと思います。
  13. 大西正男

    国務大臣大西正男君) 昨日KDD及び関係社員につきまして東京地検告発が行われたところでありますが、国際公衆電気通信というきわめて公共性の高い会社でございますKDD検察当局への告発を受けると、こういったような不祥事を起こしましたことはまことに遺憾にたえないところでございます。  郵政省といたしましても、監督下にございますKDDが二度とこのような事件が起こらないような方策につきましては十分検討をいたしますとともに、一日も早く国際公衆電気通信事業の信用を回復いたしますようにKDDを指導してまいりたいと考えておるところでございます。
  14. 前田宏

    説明員前田宏君) ただいまお尋ねの件でございますが、お話もございましたように昨日告発を受けたばかりでございますが、告発を受けた事実につきましては、当然のことでございますけれども検察当局といたしましては厳正公平に捜査を進めるものと、かように考えておる次第でございます。  なお、今後の見通しということのお尋ねでございますけれども、何分にも昨日告発を受けたばかりでもございますし、今後の取り組み方あるいは手順、そのような具体的な内容にもかかわることでございますので、現段階におきましては明確なことは申し上げかねるわけでございます。
  15. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 大臣、あなたは就任早々ですから私も遠慮していたんですが、すでにこの乱脈経理の問題については、あなたも御存じのとおりに、日を追うごとに拡大されて会社ぐるみであるということが次々に報道されております。しかもその問題で小渕総務長官までその中に入っておるということも出されてきた。こういう問題ですから、単に監督官庁で遺憾でありましたと言っただけでは済む問題ではない。直ちにこの問題に対して監督官庁としての内容調査なりそれに伴う国会に対する報告なりをやるべきじゃないかと思うんですよ。それと同時に、いまあなたがおっしゃったように、こういう事例が再び起こらないためにも監督官庁としての姿勢も明らかにしていかなければならぬと思うんです。その問題について再度ひとつ見解を明らかにしていただきたいと思います。  もう一つ、刑事局長小渕長官のこの内容を、まだこれは捜査段階に入ってないと思うんですが見ますと、これは明らかに選挙前に売って、そうして実際やってなくていまからやろうというんでしょう。しかもそれは群馬でもってやるわけですから、東京で買った人は明らかに参加するということはあり得ない。本人もまたそう言っておる。だとすれば明らかにこれは政治資金規正法にかかわる問題と関連するんじゃないかと思うんですが、その点に対する見解もあわせてひとつ承っておきたいと思います。
  16. 大西正男

    国務大臣大西正男君) 事件内容等につきましては、いま郵政省におきまして把握しておることにつきましては事務当局からお答えをさせていただきたいと思います。  御指摘のとおり、この問題は郵政省といたしましてもきわめて重視をいたしておるところでございまして、できるだけ早く国民の皆さんの御納得のいけるような措置を講じたいと考えております。
  17. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) お答え申し上げます。  この事件が報道されまして、直ちに郵政省といたしましてはKDDに対しましてこのことに関します報告を求めてきたところでございまして、その状況につきましては、先般の参議院逓信委員会におきまして大臣から御報告を申し上げたところでございますが、なお若干申し上げますと、二回にわたりましてこの事件が起こりましてから報告を求めたわけでございますが、いずれも内容的にまだ十分ではございませんでしたので、引き続きKDDとして調査の上報告を求めておったところでございますが、その後KDD首脳部がかわりまして、その新しい体制のもとにおきまして、KDDといたしましても社内に経営刷新委員会という名前の調査委員会を設けまして、成田の問題あるいは交際費等の問題、経営体制問題等につきましてそれぞれ委員会を設けまして、現在鋭意調査をしておるということを承知をしておるわけでございまして、その調査内容につきまして逐次報告を求め、かつその調査を促進するように厳しく現在指導しておるところでございます。
  18. 前田宏

    説明員前田宏君) お尋ねのいわゆるパーティー券と申しますか、その件でございますが、私もけさの新聞で初めて見たような次第でございますし、いま御指摘の点は十分承ったわけでございますけれども、まだ事実関係をはっきり承知しておりませんので、この段階で結論めいたことを申し上げかねる次第でございます。
  19. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 時間がございませんから一応この問題はこの程度でとどめておきます。  次に、鉄建公団の問題で、会計検査院見えていますね。十月の二十二日の報告が出されておりますが、時間がございませんから要点だけ申し上げますが、この中を見ますとどうしてもわからない点があるわけです。言うならば、二億七千三百七十一万をカラ出張で浮かしたんだと、その使途については、超勤がわりに一億八千七百六十九万、会議その他諸接待費に八千六百二万と、こういう内容になっておるわけですが、その中で資料があって確認できたのは千九百九十五万、いわゆる八千六百二万の中でですね。で、五十四年度分だけだと。五十四年度といえば、これはたしか四月から八月ぐらいまでだと思うんです。五十三年度について、六千四百三十九万は資料がないために灰色なんだと、しかし、灰色であるけれども会議費に四千五百九万、交際費その他に千百十九万、物件費その他に六百九十二万は大体わかっておる、全くわからないのが百十八万だと、こういう報告の趣旨だと思うのであります。  大変検査院としては御苦労なさったんだと思うんですが、この全く不明という百十八万と、それからそれ以外のいわゆる資料がないのにということで六千三百万程度ですか、三百何万ですか、この額の違いというのは一体どこにあるのか。恐らく私は、資料がないわけですから、鉄建公団役員担当者から口述で聞き取りしたんじゃないかと思うんですが、これはまさにカラ出張という組織的な、組織ぐるみ内容でありますから、恐らく私は鉄建公団としては検査院が入る前に十分事前の打ち合わせ、準備資料を全部整えて、待ち受けて検査を受けたんじゃないかと思うんです。  そういうようなことを考えてみますと、その聞き取り調査というものに信憑性があるのだろうか、まさに百十八万という全く不明というのと何ら変わりはないんじゃないか、こういう感じがするのでありますが、この点は一体いかがなものだろうか。そうなれば、たとえば公金横領というか着服、こういうものもその中に含まれておるんじゃないかと、こういうふうにこの報告を見まして思うのでありますが、一体どんなものだか。  それから、この鉄建公団独自調査という五カ所の内容を見ますと、これは一億一千七十万という不当支出というか、その額の使い分けは資料もそろえてぴしっとしておるわけですね。これは検査院の場合と違って、資料がきちんとございますとなっている。そして会議その他に四千九百八十八万を使っておるんだということが報告されておるわけでありますが、これは一体検査院としてどういう御見解なのか、ひとつその信憑性を含めてまずお聞きしておきたいと思います。
  20. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) お答え申し上げます。  御指摘の六千三百万円につきましては、先生言われましたように、いわゆる灰色というような表現で掲記いたしました。これにつきましては、ただいま御指摘にございましたように、私ども検査に参りましたときには帳簿とか領収書をそろえてきたものもあるのでございますけれども、それを検査した結果、どうも事実と違う、後から作成されたものであるというようなことで、それは信憑性が非常にないということで、それについては確認できませんでした。  そこで、今度は各担当者の記憶とかメモ等によりまして使途明細書を作成してもらったわけでございます。そして、その中身を一々点検いたしまして、その会議費とか接待費雑費等に区分したわけでございます。ただ、その確認した中で領収書等も後から再発行を受けているとかというようなことで、非常に信憑性がないものにつきましては断定的に私ども確認するまでに至りませんでしたので、とりあえずこの時点においては使途確認が非常に不明確なものということで掲記したわけでございます。ただ、その内容につきましては、ただいま申し上げましたように、使途明細一覧表がございますので、それから分類いたしましてこういう金額で仕分けしたわけでございます。そういうような過程の中で、さらに全くわからないというものもございました。それを使途不明金として掲記をしたわけでございます。  それから、次に御質問の告発するかどうかという問題でございますが、これはこういうように事件が明確になっているわけでございますので、特に告発しなくても——ども、これについての発表を差し控えているわけではございませんので、特に告発する必要はないのではないだろうかと考えているわけでございます。  それから次に、公団でおやりになりました特別調査の結果でございますが、これにつきましては、ただいま公団の方から資料を提出していただきまして鋭意分析している最中でございます。これについては、その分析の結果を待って、公団調査が正しいかどうか判断したいと考えている次第でございます。
  21. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そうしますと、やはりこの六千三百万近い内容のものもきわめて不明確である、信憑性については確信が持てない、そう理解していいのですね。
  22. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) さようでございます。
  23. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そうしますと、鉄建公団の方の独自調査の問題についてはいま調査中であるということでございますが、これも検査院としては正確かどうかについての判定はまだやってない、こういうことでいいですか。
  24. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) はい。  ただいま申し上げましたように、現在調査にかかっている段階でございますので、その調査の結果によってその金額が正確かどうかという確認をしたいと考えております。  それからもう一点、六千三百万円についてでございますが、これにつきましても、実はどうしても証拠書類がないとか裏帳簿がないということで、私ども検査のときにそういう話であったのでございますけれども、今度は新総裁もおいでになりましたものですから、いままで一たんないというようなことで拒否いたしますと、なかなか出しにくい面があるかと思うのでございます。そこで新総裁就任の機会に、もういままでのいきさつを捨てて新しい気持ちで、いままでのあれを捨ててでもそういう書類なり領収書がございますれば出していただいた方がお互いにいいのじゃないかということでお話し申し上げまして、それについても各支社、建設局で、あるものについては出してきていただいている現状でございます。したがいまして、その分についても鉄道建設公団がお調べになったものとあわせていま確認作業に入っている次第でございます。
  25. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そうしますと、刑事局長、この問題について前回委員会でもずいぶん議論になっておるわけですが、これはもう当然やはり警察がこの問題に対して入る時期に来ておるんではないかと思うんですが、いかがですか。
  26. 前田宏

    説明員前田宏君) お尋ねの点でございますが、前回検査院検査中ということでございまして、この前申し上げたようなことをお答えしたと思いますが、その後、先ほどもお話ございましたように、いわゆる中間報告と申しますか、検査院の方からの中間的なおまとめもありまして、そのことは私どもとしても承知しているわけでございます。ただ、いまもございましたように、なお若干補充的な調査も続けられているように承知しておるわけでございまして、まあ検察当局といましましてはそういう中間報告内容等、またいま御指摘のようないろいろな問題点等も念頭に置きながらそれなりの検討を進めているというふうに理解しておるわけでございます。
  27. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 運輸大臣はお見えになっていますか。——  おたくの方はこの問題で処分もやりまして、逆に言えばこれは事実関係として認めざるを得ないと、こういう前提に立ったと思うのですが、これらに対する措置はどのように進められておるのか、お伺いしたいと思います。
  28. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 今回の不正経理については、鉄建公団役員の更迭のほか、具体的な再発防止策といたしまして、出張目的確認徹底、あるいは出張報告書の提出の励行、あるいは国鉄乗車証使用の際の旅費支給適正化及び勤務時間管理厳正化の四点についてもすでに実施済みであります。さらに監査室の強化等広範な対策を検討中であり、当省としましても再発防止に万全を期すべく十分な指導をしてまいる所存であります。  また、監督官庁であります運輸省におきましても、事務次官初め、三年前にさかのぼりまして、当時の関係者についてそれぞれ厳重注意あるいは戒告と、このような処分をいたしまして二度とこのような事件の発生しないように努めておるところでございます。
  29. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 まあ言うならば、組織ぐるみの犯罪というか事件であるということを運輸省は監督官庁としても監督不行届きを含めての処分をやったと、こういうふうに理解していいわけですね。
  30. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) そのとおりでございます。
  31. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そこで、これは大蔵省と運輸省に聞きたいと思うんですが、大蔵省もこの問題ですでに処分をやりましたですね。ただ、二十九日の内容を見てみますと、大蔵省が公表しました鉄建公団による接待の状況を見ると三十数人で百二十回、接待された金額は合計百三十万と、こういう数字に基づいて遺憾であったと、こういう趣旨が出されておると思うんですが、これは鉄建公団調査の方から見ると本社のみで約四百万、東京新幹線で二百万、その他を合わせると合計一千万近いものが運輸省と大蔵省に接待されておるというような内容も報道されておるわけです。これとは余りにも数字が違い過ぎる、しかも運輸省の約二倍が大蔵省だと、こういう内容になっておるわけでありますが、しかも十月十九日の朝日新聞では赤坂の招待の事例まで具体的に出されて、これを見ると大体一軒当たり一人四万円平均、大蔵省のいわゆる昼食ですか、スナックでごちそうになったというような内容とはもう格段に違うんですが、この点は一体どのように理解をしておるのか、まず大蔵大臣から聞きたいと思いますが、いかがですか。
  32. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 私が大蔵大臣就任いたしました竹下登でございます。  ただいまのお答えにつきましては、私も概要の説明は受けておりますものの、正確を期するために事務当局からお答えをすることにさしていただきます。
  33. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 大蔵省の関係職員の鉄建公団から受けました接待の概要でございますけれども、すでにさきに公表いたしましたのは、昭和五十三年度、四年度を運じまして、これは本社の裏の経理から支払われた接待の内容につきまして調査をいたしたのでございます。その結果はただいま御指摘ございましたように約百二十回、金額で約百三十万円でございますけれども、この金額は大蔵省側の職員の受けました接待の金額でございまして、まあ接待でございますので先方の人たちも一緒でございます。それらを全部合計いたしますと、その金額は約三百二十万円になってございます。なお、その他の東京在住の支局、新幹線局等との関係調査をいたしましたけれども、この関係では特段の接待を受けた事実はございませんでした。  なお、御指摘の料亭の接待でございますけれども、これも調査をいたしましたが、実はこれは正規の会議費で支出をしたものでございましたために、ただいまの裏資金からの接待の中に含めて申し上げなかった次第でございます。
  34. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 まあ端的に言えば、大蔵省の職員が飲んだり食べたりした分が百三十万、そして、そこに接待に来た方々のを含めると三百二十万。で、この三百二十万なり百三十万というのはカラ出張の分から出されたものであって、このほかの交際費の分については、正規の方から出された分については含まれてないんだということですね。逆に言うならば、そうすれば鉄建公団だけで約一千万という接待費というのは妥当性を持っているということに見ていいですね。いまあなたの説明を聞けばそういうことになると思うんですが。
  35. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 御報告申し上げました裏の接待の関係三百二十万のほかに、表の関係での交際費あるいは会議費等から支出されました金額は、当省分につきまして約百十万程度あったというふうに聞いてございます。それ以外の内容については私も承知をいたしておりません。
  36. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 これは検査院に聞きますが、調査の結果七百万近い領収書が出てきたと、その中には大蔵省の実態が出されておると思うんですが、大蔵、運輸かけて大体どの程度出されておるんですか。
  37. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) おっしゃるように、後から七百万円の領収書等が出てまいったんでございますが、これは裏の経理のことでございますので、稟議書等が全くついてないんでございます。したがいまして、私どもの方は、これがだれに使ったものか、それからまた部内で使ったものかの判定が非常にできかねているわけでございます。まあ一々、これは非常に件数が多いものでございますので、調査官に確かめさしてはいるんでございますけれども、そこのところが非常に不明瞭でございますので、現在のところ、とても私どもの方で確信を持って集計ができないという実情でございます。
  38. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 まあ検査院としてはその程度だと思いますが、運輸省は一体何回呼ばれて、何人参加して、そして大体どの程度の接待を受けておるのか、この点についてひとつ。
  39. 山地進

    説明員(山地進君) 私どもの方も、公団の方と、それからいろいろ資料を取り寄せて、どの程度運輸省の者がそういう接待を受けていたのか調査してまいったわけでございますが、公団の数字と私どもの数字となかなか合いませんで、現在私どもの方で確認しているものというものが、大体いまの大蔵省の御分類と同じようにいたしますと、カラ出張の方から出たものが総計で約二百十万円ぐらいかと思います。それで、運輸省の者の人数で割りますと約九十万円ぐらいだと思います。件数にいたしますとやはり八十八件ぐらいが運輸省のものが入っておる……。
  40. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 何人。
  41. 山地進

    説明員(山地進君) 八十八人ぐらいでございます。  それから、正規の方のものでございますか、これが私どもの方で調べたところで該当しておりますのが、運輸省のものに割り振りますと約百万円ぐらい、それからその金額は総計といたしましては二百七十万円ぐらいになるのではないだろうかということでございます。
  42. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 こういった事例に対して大蔵省、運輸省、それぞれ処分したということになるわけでありますが、これは大臣にちょっとお聞きしておきたいと思うんですが、鉄建公団のみに対する処分がなされた。運輸省も出した。大蔵省が各省庁の接待でしょっちゅう飲んでおるというのは、これは鉄建公団だけじゃないと思うんですね。それらについては、もうこれは公然たる秘密なんですけれども、そういう事例が出た都度にそれに見合った処分をやると、こういう趣旨ですか。それが一つ。  それから、同日付で官房長通達ですか、これが出されておるわけでありますが、その内容を見ると、「職務上の関係者からの会食等への招待には、原則として応じない」と、ここで「原則」という言葉を言っておるわけですね。これは後ほどまた問題になりますけれども、特殊法人のたらい回し、年齢規制という五十二年十二月の閣議決定の中にもこの「原則」を言っておる。ところが、この「原則」が抜け穴になってまさにやられていない、筒抜けになっていく、こういう事例になっておるんですが、職務上の関係者から会食等への招待を受けた場合には応じない、そういうふうにきちんとできない理由は何なのか、あわせてひとつお聞きしたいと思います。
  43. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 最初のお尋ねの処分の関係で、鉄建公団以外の分についての処分はいかような考えかということでございますけれども、今回大蔵省関係で接待で問題を指摘されましたのは、鉄建公団にとどまりませず、他のいろいろな関係省庁からの接待が全般として度を超しているのではないかという世の厳しい御批判であったと存じます。  そこで、私どもも省内に綱紀総点検委員会と、名をつけまして、省内のいろいろな規律の見直しをいたすということをいたしました結果、鉄建公団の問題につきましては、それぞれの行為者あるいはその直接の監督責任を持った者についての処分をいたしたわけでございます。ただ、同日付でほかの関係のいろいろな接待についての処分もこれは含めていたしたのでございます。  その考え方は、他の職務上の関係者との接待の関係につきましていろいろ調査をいたしました限りでは、個々に見ますというと、人事担当者や予算担当者が交代をしたことに伴いまして幹部が顔合わせをいたすというような事例でございまして、一つ一つはいわば従来からの社会通念と申しますか、儀礼の範囲内であったように思うのでございますけれども、ただ問題は、このような厳しい財政事情あるいは世間の行政府に対する厳しい御批判を考えますというと、従来の常識あるいは物の考え方でこの接待の問題をお受けをするとかお受けをしないとか決めることがいけないのではないか、従来の常識をさらに厳しく解釈をいたしまして、今後はその物差し自体を厳しくやっていくべきではないか。これまでのいろいろな個別の接待につきましては、そういう点から申しますと、個々の行為者なり個々の事実を取り上げますよりは、そういう全体としての物の考え方、規律の保持の基準をより厳しくしなかったという点で、その責任者でございます官房の担当責任者、すなわち事務次官、官房長に対しまして重い処分をいたすということで戒告の処分にいたしたわけでございます。それにあわせまして、今後はいままでの考え方を置きかえまして、そういう会食等については原則としてこれはやらないんだという基準を明らかに示したのでございます。  そこで、第二のお尋ねの原則ということが抜け穴ではないかという点でごございますけれども、私どもも原則ということが抜け穴になってはいけないと思いまして、この例外というものは非常に厳しくしぼってまいるつもりでございます。ただ、全く一切禁止するということで果たして将来とも支障なくいけるであろうかどうかという点、やや心配がございまして、まあ、お断りすることがかえって非常に礼を失するというような例があるいはあるかもしれない、あるいは仕事の遂行上、たとえば食事をはさんで会議をいたすというような場合等、必要があるという場合もあるかもしれない、そういう場合にも対処できますように、「原則として」という言葉はつけますけれども、ただ今後の運営といたしましては、それを個々人の判断に任せないで、どういう場合には受けてよろしいかということは省内で、局内で服務管理者を置きまして、これに相談をしながら厳しく決めさせていくという運営にしてまいることでいわゆる抜け穴を防いでまいりたいと思っております。
  44. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 時間です。
  45. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 もう時間がございませんから、最後に会計検査院と大蔵、運輸両大臣に簡潔にひとつお願いしたいと思うんです。  まず、会計検査院は、こういう組織ぐるみカラ出張などの場合には、いまの体制から見て事実上内容をつかむことができない、したがってやはり内部告発を奨励する、その手助けがなきゃできないということが明確になったと思うんでありますが、そういうふうに理解していいのかどうかということが一つ。  それから大蔵大臣、いまお聞きのとおりでございますが、この問題に対して鉄建公団総裁初め役員が更迭されていく、これはこういう事件を起こしたんですから私は当然だと思うんですが、それにしては、いま聞きますと、鉄建公団だけの問題の調査をして出して、世間にはそれを公表して、したがってそれに伴う処分だというような内容をしながら、中身を聞いてみると各省の接待も含めて大蔵省の接待姿勢の改善という意味での処分だということを言っておるわけですが、これは私はなまぬるいと思う。もっとやっぱり厳格に、鉄建公団にしてもなぜこういうことをしなきやならなかったのか、そういう仕組みに問題があるわけであって、その仕組みにメスも入れずに、ただ簡単な処分だけで、しかも軽い処分だけで済ますことは許されないと思う。この問題に対する今後を含めて大臣としてのきちっとした見解を示してもらいたい。  同時にまた、運輸大臣についても同じでありますけれども監督官庁として十五年間もこういう事態が放置されておるということ自体に私は問題があると思う。それにしては、それに対する対応というのは非常になまぬるいと思う。新大臣としての見解をひとつきちっとしてもらいたい。  終わります。
  46. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) 今回の鉄建公団検査につきましては、内部告発が契機でありましたことは事実でございますけれども、私どものこの種の検査は、内部告発がなくても今後一般経費につきましても十分検査をしてまいりたいと考えておる次第でございまして、内部告発を奨励するかというふうな点は、これはなかなかむずかしい問題でございまして、その前に、国の各機関、公金を扱う各団体等は、まずそういうふうな告発をされないような経理の厳正ということを期するべきであろうと考えております。
  47. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) ただいまの佐藤委員の御質問に対するお答えでございますが、まあ私なりの従来の体験からいたしますならば、今回の処分という問題につきましては、その監督責任にある次官なり官房長に対しまして国家公務員法上の処分が行われておるということは、よそからやってきた私といたしましては、それなりに厳しい適切なものであるというふうな認識をいたしております。  さて、今後の問題に対する姿勢でございますが、御指摘のごとく、予算を要求する側とこれを査定あるわけでございますので、双方が綱紀の粛正という立場から厳しい姿勢で臨むことはもとよりのことでありますが、とかく査定する側というものがそうした批判の対象になるという自覚を十分にいたしまして対処していきたい。  なおこの問題は、いま種々言われております行政機構の簡素化とか、あるいはそれの整備とか、あるいは一連した人事の流れとか、そういう問題にも関係があると思いますので、そのような問題につきましてもただいまの御趣旨に沿った考え方でもってこれから対応していきたいと、このように考えております。
  48. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) おっしゃるとおり、長い期間このような問題が見逃されておったということは大変重大な問題でございます。この問題を契機にいたしまして今後とも十分監督を厳しくし、また公団におきましても、公費を扱うという面において反省をし自覚をしていただきまして、今後このようなことのないように努めてまいりたい、かように存ずる次第でございます。
  49. 丸谷金保

    丸谷金保君 イラン石油の山下社長が通産省の次官だった当時、諸悪の根源は石油業界だというふうなことを言ったのが新聞に出ておりました。私は、今回のこの鉄建を初め一連の各省庁に及ぶカラ出張その他の事案を考えてみてまいりますと、どうもこの諸悪の根源は大蔵省にあるんでなかろうかという気がしてならないんです。  そこで大蔵大臣にお伺いいたしますが、すでに先国会において社会党から提案し、あるいはまた会計検査院の方でも同様趣旨の考え方の表示がされております会計検査院の強化、こういうことについて、とかくの風評では大蔵筋に難色があると言われてなかなか前進しない状況にあります。新任の大臣として、会計検査院の強化ということについて前向きのお考えがあるかどうか、まずお伺いいたしたいと思います。
  50. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) まさに、丸谷委員が新任の大臣としてというまくら言葉をつけての御質問  で、いわゆる会計検査院の強化という問題につきましては、大蔵大臣としての所見の述べ方というのはこれを非常にむずかしいことでありまして、従来私が当委員会で官房長官として参りましたときの答弁は、強化の方向ということを申し上げたということでもって御了解をいただきたいと思います。
  51. 丸谷金保

    丸谷金保君 これは新任の大臣に冒頭に聞いておかないと、やめるころになると適当に上手に言いますけれどもやめてしまうので、再度ひとつ大蔵大臣として、当面するこういう各種問題で現在一番関連の深い会計検査院の強化の問題について、重ねてひとつお考えをお伺いいたしたいと思います。
  52. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) やっぱり機構問題でございますので、どうも私、大蔵大臣としての立場で検査院を強化すべきであるということを言い得る立場にあるかないかということになりますと、私もにわかに判断がつきかねます。ただ、従来私が、特に官房長官のときに当委員会に呼ばれまして申しましたことは、これは強化すべきものであるということであります。そうして、その物の考え方というのが、今度の一連した問題の中において政府の姿勢となるべきものであると、こういうふうに考えております。
  53. 丸谷金保

    丸谷金保君 鉄建公団おいでになっておりますね。  五十一年、二年、三年、四年と、各事業年度の予算、決算の報告等を見ておりますと、支出の役職員の給与、それから続いて管理費の中に管理諸費というのがございます。これは人件費に対して、社会保険料とかその他厚生費的なものがこの管理諸費に入っておるのでございますか。
  54. 片山光

    参考人(片山光君) 今月の初めに経理担当の理事に就任いたしました片山でございます。  お尋ねの件でございますけれども管理諸費の中身につきましては、いわゆる管理雑費的な経費あるいは一般管理費的な経費がもろもろ挙がって方に入っております。
  55. 丸谷金保

    丸谷金保君 そうしますと、人件費の中にそうした福利厚生費あるいは共済組合費というふうなものも皆人っておるといたしますと、先日来答弁されております。一応現員現給でなくて、公団の場合の予算の組み方としては年間の予測を立てた人件費の大枠で組んでおると、こういうことに答弁を聞いておりましたが、そうすると、この社会保険料その他のこういうふうな事業主負担の分でも、当然人件費が余ってきた場合には残るわけですね。そうですね。——そうすると、それらは今回の不正事件の場合の流用される場合には、一括してやはり出張だとかその他のカラ出張なんかの財源の方に予算としての流用は行っておるわけですね。
  56. 片山光

    参考人(片山光君) 公団の予算は款項目節、細節というふうに分かれておるわけでございますけれどもお尋ね役職員給与は項と、それからその下の目としても同じ役職員給与という目がございまして、その役職員給与と並びます目といたしましてお尋ねの法定福利費が入っておるわけでございます。これが予算と決算でございますから当然食い違ってくることが多いわけでございますけれども、余りました場合には、現在の公団の制度といたしましては、項の中で目間の彼此流用はできることになっておりますので、役職員給与のほかの目に充当するということがございます。ただし、お尋ねの旅費はまたこれは別の項でございますので、そちらへの流用という例は五十三年、四年のあたりではございません。
  57. 丸谷金保

    丸谷金保君 会計検査院お尋ねいたしますが、予算の流用で、カラ出張、超勤、そしてそれらが一部は期末手当のプラスアルファ等に流れております。こういうものの公団経理をごらんになって、これらの中の事業主負担の各種保険、これらはやはりきちんとその中から出ておりますか。
  58. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいま御質問の中のいわゆるプラスアルファにつきまして、カラ出張の操作でございます。そして私ども調査しました範囲で申し上げますと、たとえば社会保険料、健康保険等の費用でございますが、これは実際に負担すべき率がございます。鉄道建設公団の場合には実際の負担すべき率よりも高い率で予算上積算されておるわけでございます。したがいましてそこに当然余裕が生じますので、それをプラスアルファに回したというのが大きな理由でございます。
  59. 丸谷金保

    丸谷金保君 そうしますと、本来人件費として社会保険その他に当然事業主負担として払わなければならないものが、いわゆるプラスアルファという形で時間外勤務で出されるために上積みされておりませんですね、超勤で出しているんですから。
  60. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 超勤のプラス五十二時間といいますのは、これは超過勤務そのものから出ている経費でございます。で、その社会保険料等から充当いたしましたのは、いわゆる国家公務員の期末手当等よりもよけいに支払うための財源に充当しているいわゆるプラスアルファの財源でございます。超過勤務手当はそのまま超過勤務手当の予算から出されているわけでございます。
  61. 丸谷金保

    丸谷金保君 いまの御答弁のような関係で、当然人件費の最初から不用額なり何なりして余るべく予測されるものが多額に見込まれて、しかも社会保険その他も同じ額で見込まれておって、それが他に流用されているとすると、——大蔵の主計官来ておりますね。毎年毎年の予算の査定の段階でそういうものがどうしてわからなかったのかと、実はここら辺からどうも大蔵省、変じゃないかというふうに思うんですが、なぜわからなかったのかと、こんなことが。
  62. 尾崎護

    説明員(尾崎護君) ただいま御質問のございました法定福利費のうちの健康保険の保険料率の問題でございますけれども鉄建公団の場合は組合をつくっておりまして、その組合が保険料率をどうするかということについて、予算をセットする段階ではまだ決まっていないというような事情がございます。そこで、若干の余裕を持って予算を組んでおくということが行われていたようでございますが、御質問にございましたように、恒常的にそういう結果になりまして予算が毎年余るというような状況になっておりましたことにつきましては反省をいたしております。
  63. 丸谷金保

    丸谷金保君 これは四十九年からずっと毎年余っているんですよね。そうすれば当然おかしいじゃないかと。この問題一つとらえても、これが毎年別な方に振りかわっている。本来事業主負担として、そういう組合が別にできておるとすればその組合に払うのですが、毎年同じようにある程度金額がきちっと余るということが予算を審査する段階でわからないはずがないと思うんですがね。大蔵省の主計官というのはそんなにわからないのですか。
  64. 尾崎護

    説明員(尾崎護君) おっしゃるとおりなんでございますが、御承知のとおり、予算は項の段階で審査されますが、人件費、役職員給与全体といたしましてはほとんど不用が出ていない状況で推移しておりまして、その中でやりくりが行われていたということでございます。これは項の中の流用でございますので、総裁の権限で自由に行われるものでございまして、私どものところに個別に一々相談を受けていなかったものですから目が届かなかったということでございます。ただ、今度の機会によく内容がわかりましたので是正をしてまいりたいと存じております。
  65. 丸谷金保

    丸谷金保君 そこで大蔵大臣、冒頭の問題に戻るのですが、予算の段階では大蔵省主計官は一生懸命詰めるのです。しかし決算になると会計検査院の方が主としてします。したがって大蔵の主計官のところだけではどうしても目の届かない問題が、特に公社公団なんかになると出てくるわけです。これらのためにはどうしても会計検査院をもう少し強化して決算をきちんと、そして流用がどう行われているか、款項だけじゃなくて目節の中でどう行われているかということをきちっと予算に連動させていくようにしないと、こういう問題はこれから何ぼでもまた起こるのです。起こる可能性を秘めているのです。  そこで、もう一遍大蔵大臣、会計検査院の強化について、こういう状態なんですから、いまの質疑を聞いていてどう思いますか。強化をどう思うということよりも、いまの質疑を聞いていてどう思うといえば御答弁しやすいと思いますので。
  66. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 重ねて申し上げますようですが、会計検査院という一つの独立機関がございまして、そうして検査官も院の御同意をいただいて内閣が任命するという性格のものであります。したがって、私が大蔵大臣としての立場からきわめて歯切れの悪いことを申しておるわけでございますけれども、いま丸谷委員の御指摘の問題につきまして、この前国会前から会計検査院というものを強化するある種のたたき台というもの、あるいは先生も御存じかもしれませんが、権限上の問題につきましても議論されておる過程のものであります。それがさらに今日の問題がそういういま先生のおっしゃった方向で強化されていくべき時期であるというふうに私は理解をいたしております。
  67. 丸谷金保

    丸谷金保君 さすがに大物大臣だけに歯切れのいい御答弁をいただいてありがとうございます。どうかひとつそういう時期だというふうに御記憶をいただきたい。  で、実は鉄建公団の問題の全体をながめておりまして、やはりこれは予算査定にも問題があるんではなかろうか。たとえば青函局の調査をしたときの新聞報道の中にも、見学者が年間七千人にも上る事情を考慮し主に接待費に充てていたという説明は納得できるとの見方に傾いていると、これは検査院のです。これは新聞報道ですから、このとおりに言ったとは限りませんが、雰囲気として、実際にそれだけの見学者がある中で交際費も何もなければどこかから流用しなきゃならぬのはやむを得ないなと、こういう意味だと思うんです。これは用いてみますと全く持ってないんですよ、四百億からの事業費を持っている現場が。これではやれるはずないんですよ、いまの日本の常識からいって。先ほどの大蔵省の官房長の答弁でも、常識的に会議費なんかということで人間交流をしなきゃならないための多少の飲み食いは予算の範囲内ならしようがない、認めざるを得ないというあれがありますね、度が過ぎればいけないけれども、お茶を飲んで飯を食べくらいのことは仕方がない。しかし、お茶飲んで飯食う金も予算配分の中にないんです。それで同じようなことが環境庁にも起こっておりますわね。  それから、つい先日ですが、鉱山保安監督局——通産省立地公害局長来ておりますか、——一昨日ですか、札幌の鉱山保安監督局の水島勲さんという三十七歳の前会計係長さんが自殺、これは未遂でございますけれど、聞くところによりますとまだ事情聴取をするに至っていない。しかし明らかにこれは先日会計検査院が行った調査によって、札幌の鉱山保安監督局でもって三百数十万に上るカラ出張を予算流用して接待費その他に使ったと、こういうことを気にしてのためであろうと言われております。もういよいよ事は人命に……。そうしてくると、現場のこういう人たちというのは被害者なんです。逆に。全く予算はない、いろんな人は来る、何とかこういうのをひねり出さなきゃならぬといって、局長さんからはこういう書類をつくって上げろと、局長も決裁しているというから、これは明らかに上から下までみんなで、ぐるみでやったことだろうと思うんです。こういうことについて一体どう考えていますか。
  68. 伊勢谷三樹郎

    説明員伊勢谷三樹郎君) 今回、札幌の鉱山保安監督局におきましてカラ出張というような問題を起こしましたことは、まことに遺憾に存じておるわけでございます。  ただいまお尋ねの方は、十月一日から転勤はしておりましたものの、それまで監督局の会計課の係長という職にあられた方でございます。十二日に地下鉄に飛び込み、自殺未遂ということでございまして目下重体でございます。その原因がこの事件関係があったのか、あるいはどうであるかということにつきましては、まだ完全な調査をするような段階ではございません。いまのところでは、何らか関係があったかもしれないということで申し上げる以外にはないかということでございますので、まずそのことを御了解願いたいと思います。  なお、今回のこのような……
  69. 丸谷金保

    丸谷金保君 済みませんが……。  それでは大蔵大臣、鉱山監督局長交際費が三万円だというんです。月にかと言ったら一年間です。札幌鉱山監督局長交際費が三万円で一年間やれるはずがないんです。こんなことくらいもう常識なんです。ところが大蔵の予算査定の段階で、これはここだけじゃないですよ、環境庁だってそうですし、鉄建公団だって運輸省だってみんなそうだと思うんです。食料費や交際費のようなところだけは一番先にずたずたに切る、実際に必要なのを認めないというところにも大きな問題があるので、この点ひとつ御注意をしておいて、先へ進めさせていただきたいと思います。  伊東官房長官がおいでになりましたので、官房長官にお聞きいたしたいと思います。  まず第一は、先般の委員会で、イラン石化の問題について前官房長官に御質問を申し上げましたが、後に記録を照査いたしましても、どうも私の質問に答えていない面がございます。最近において三井グループから自民党及び大平派が献金を受けていませんかという私の質問に対して、田中官房長官は、この件についてリベートや献金を受けてないと言ったんです。この件についてと言っているわけなんですね。私はこの件についてと聞いていないんです。この件についてといったら献金だって大変なことなんですから。そんな聞き方はしていないんです。ですから、あなたは大平さんの、何と言いますか、ふところ刀で、大平派の財政事情をよく御存じだと思って特にきょうはお願いしたのですが、この件についてではなくて、ここ一両年、太平派としては三井グループから献金
  70. 伊東正義

    国務大臣(伊東正義君) 今度官房長官になりました伊東でございます。よろしくお願い申し上げます。  いま御質問の点でございますが、私、実は官房長官になりまする前は自民党で経理局長をやりましたり財務委員長をやっております。これは政治資金の関係のことでございますが、各企業から常識の範囲の政治資金を受けておりますことは、これは自治省の報告にもずっと出しておりますので、報告をごらんになればおわかりでございます。若干のものがあることは確かでございますが、いま言われているような膨大なものがというようなことは全然ないということだけははっきり申し上げておきます。  それから、大平派というお話でございますが、まあマスコミその他では片腕だなんとか言われますけれども、私は実はそんな者でございませんで、財政の方もタッチは本当にいたしておりませんでしたので、いま直ちに正確なお答えはできませんが、言われるようなことは私はあり得ないということだけ思っておりますので申し上げておきます。
  71. 丸谷金保

    丸谷金保君 言われるようなことはあり得ないとおっしゃるのは、いまマスコミで言われているようなことがあり得ないということですね。私の聞いているのはそうでなくて、何らかの形で三井グループから献金をもらっているようなことはございませんかということで、このことと、いま長官の言われた、言われるようなという上手な逃げ方をしておりますけれども、言われるようなというのは、いまマスコミで、三十億というふうな大きな金が動いたというようなことが出ておりますね、こういうことはあり得ないといまお答えになったんだろうと思うので、私の聞いているのはそれを聞いているのではないんで、私の質問にひとつ素直に答えていただきたいと思います。
  72. 伊東正義

    国務大臣(伊東正義君) 正確なお答えは、調べてみませんと私からいまはっきりしたことは申し上げかねますので、党の方のことは私関係しておりましたのではっきり申し上げたのでございます。いま大平派と、こういうことでございますので、私はその方は全然タッチしておりませんでしたので、これは調査の上また申し上げたいと思いますので、その点は答弁を留保させていただきたいというふうに思います。
  73. 丸谷金保

    丸谷金保君 これは大平内閣としても李下に冠を正さずで、これだけの騒ぎになっている中で非常に問題の多い、商業ベースにも乗らないかもしらぬ、それから大平総理自体が、これが商業ベースに乗らないと国と国との間で大変悪い結果が出るというふうなことも九月ごろには発言しておるんです。首相として。そういうことから見ると、これはいろいろな機関の発表によりましても、そう簡単に、この石化事業が発足したとしても企業採算ベースに乗るというふうなことは大変むずかしいということが言われ出しているときだけに、一民間企業の——うまくいけば、これはイランの石油を独占しようと思って始まったことなんですから、三井グループというのは。いいですか。だめになりかかったからといって国の政府資金をあわを食って出す。国が出すのであれば最初からもっと他の企業もみんな入れたナショナルプロジェクトにすべきものを、三井が先行して、うまくなくなったところへ国が今度は追い銭を出そうというふうなときに、とかくのうわさのあることについては、大平内閣としては積極的にそういううわさについて発言をし、世間の疑惑を晴らしていく責任があるんではないかと思いますが、いかがでございますか。
  74. 伊東正義

    国務大臣(伊東正義君) 御質問のことはよくわかります。そういう疑念があればそれを晴らしていくというのは当然でございますので、まだ私就任して間もないので、まことに恐縮でございますが、もう少し時間をかしていただきたいと思うわけでございます。
  75. 丸谷金保

    丸谷金保君 それでは官房長官、どうもありがとうございました。  あと、時間がございませんので、一問だけ問題として提起しておきたいと思います。  刑事局長さん、見えておりますか。
  76. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 来ています。どうぞしてください。
  77. 丸谷金保

    丸谷金保君 実は、判例を調べてみますと、地方自治体職員のわずかな文書偽造でも大審院は有罪判決をしておるんです。こういう点についてはきわめて厳しいんですが、これだけ大がかりな文書偽造が明らかに行われ、しかも詐欺行使、すべての要件がそろっている今回の鉄建公団を初め一連の各役所の問題についてはなぜ司法権を発動しないんですか。われわれ地方自治体にいた者として見ると頭にくるんです。地方自治体の職員となれば、もう、ちょっとした問題でもすぐ検挙するんです。こんな例があるんですよ。五寸ボルトでとめるところを仮橋だから八番線でくるっと巻いた、こんなのさえも、やはり設計変更しなかったからということでもって問題になるようなことを私たち経験しているんです。いいですか。それなのに、これだけの問題がいまだに刑事事件として発動しないのは一体どういうわけなんですか。
  78. 前田宏

    説明員前田宏君) 鉄建公団のいわゆる不正経理問題につきまして、刑事事件として扱わないのかというお尋ねでございますが、先ほどのお尋ねの際にも、抽象的な言い方で恐縮でございますがお答えしたつもりでございますけれども、会計検査院のいわゆる中間検査報告というようなものも出ておるわけでございますし、また新聞等でもいろいろと議論もされ、また当委員会におかれましてもいろんな角度から御意見、御指摘があるわけでございますので、具体的にどういうことをやっているかということは事柄の性質上適当でないかと思いますけれども、それなりの検討を進めているということを重ねて申し上げたいと思います。
  79. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 丸谷君、時間です。
  80. 丸谷金保

    丸谷金保君 はい。  判例では、「たとえ私腹をこやしまたは私用に濫費することを本来の目的とするものではなくても、詐欺罪の成立を肯定しうる。」ということで、地方公務員の場合には有罪判決しているんです。そうすると、この事件なんかもう調査も何も要らないでしょう。こういう点について検察当局に、できるだけこの種問題については、やはり世間の疑惑もあり、早く解明することを要望いたしまして、私の質問を終わります。
  81. 穐山篤

    穐山篤君 最初に、検査院お尋ねをしますが、この前の委員会で私は、今回の不正経理は属人が行ったものでなく、組織的なあるいは計画的な不正だと、こういうふうに指摘をしました。構造的なものであるというふうにも答弁がされています。  さてそこで、六千三百二十一万円にいたしましても、あるいは使途不明金の百十数万円にいたしましても、十分証拠書類が整備をされていない。通常、検査院は予算の執行が正しく行われているか否かでチェックをするわけですが、これではチェックのしようがなかったわけですね。昭和五十三年度の書類というのはほとんどない。昭和五十四年度の関係書類の相当の部分がないわけですね。改ざんをしたり、あるいは破いてしまったり、まあいろんなことが行われていたわけですが、これもそれぞれの支社なりあるいは建設局担当者の頭で行われたものとは認めがたいと思うんです。当然、公団本社なり、それぞれの支社、建設局首脳部から、証拠を隠せと、あるいはその証拠は焼いてしまえというふうに指示されたものと私は見るわけですが、検査院検査を通してその点はどういうふうに判断をされたかどうか、まず最初にお伺いします。
  82. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 先生御指摘のとおり、五十三年度分について、本社を除いてほとんどすべて、帳簿それから証拠書類がないというようなことについては私どもも非常に疑問を持つ次第でございます。それについていろいろ追及したわけでございますが、明確な答えは得られません。特にそれぞれの担当者の話では、まあ非常にぐあい悪い経理でございますので、もし会計検査院に見つかると困るというようなことから処分してしまったというようなことを申し立てているわけでございます。それと、実はそういう書類が一斉に、どこも一致して全部消滅してしまうというのは非常に私ども不思議でございます。必ずまだ持っているところがあるんではないかというふうに思っておるわけでございます。  そこで、先ほども申し上げましたんですが、一たんないということで言い張りますと、今度はそれを覆すというのは非常に勇気が要ることだと思いますが、総裁も新しく御就任されたことでございますので、いままでの行きがかりを捨てて、あるものは出していただきたいということを再度依頼いたしまして、実はそれが出てき次第直ちに私どももう一度再確認の業務に入りたいと思っている次第でございます。
  83. 穐山篤

    穐山篤君 公団総裁にお伺いします。  まあ再建ということを踏まえて今回総裁に任命されたわけですが、いろいろ事件の引き継ぎを受けたと思います。  そこで、これだけ膨大なずさんな不正経理はだれかが命じなきゃできませんね。あるいは証拠を全部焼いてしまう、改ざんをしてしまう、あるいは隠してしまうというのも個人の才覚ではできないことだと思うんですが、総裁がいままで引き継ぎを受け調べられました結果、どういう部局で、どういう人がこれに当たっておったのか。これは今後の改善措置にも重要なかかわり合いがあるわけですから、いいかげんに済ませるわけにいかないと思うんです。その点、総裁が引き継ぎを受けたりあるいは調べられた印象として、どういうところに問題点があったのか、まずそこをお尋ねをします。
  84. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 十月二十三日に日本鉄道建設公団総裁に任命されました仁杉巖でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  ただいま穐山先生から、こういう不正経理が組織的に行われたんではないかというようなお話がまずございましたが、この点につきまして、就任直後から前総裁初め前理事等からも事情をいろいろ聞いたのでございますが、私がいま受けております印象と申しますか考え方といたしましては、公団の理事クラスのところで事が相談されて、それが各本社、各部あるいは地方建設局、支社、そういうところにおりていったというようなことはないようでございます。その一つのあらわれといたしまして、公団の各建設局あるいは支社というようなところで行われておりました不正経理の内情を見ましても非常に差がございます。そういうところから見ると、ある一定の、非常に組織的に物をおろしていったというふうにはちょっと見かねるというふうな印象をいま持っております。しかし御指摘のように、こういうふうにどこの部局におきましてもある程度カラ出張というようなものが行われ、それが流用されているというようなことは、公団全体としまして、私としてもどうもふに落ちないというところもございますが、これらの解明につきましてはいまいろいろと考えておりますので、もう少し時間をかしていただいて御返事をしたいというふうに考えております。
  85. 穐山篤

    穐山篤君 検査院にしろ、新総裁、どうも歯切れが悪いですね。金を捻出をしたりプールをしたり証拠を一斉に隠してしまったり、これは確かにばらばらに金額は出ていますけれども、一定の意思が働いて、全部それは行われていると見るのが正しいと思うんでございます。ただ、これをあいまいにしておきますと、次にもこの種の問題が発生するわけです。私はきょうは徹底的に追及はいたしませんけれども、あるいは皆さん方の方がよく知っていると思う。仮に理事クラスが指令をしないとするならば、その次のテーブルのところになるわけですね。経理部とかあるいは総務部というふうに具体的になるわけです。詰めていけばだれがやったかということはよくわかるわけです。しかし、きょうは私はそのことはあえて申し上げません。  さてそこで、検査院としては、発表されておりますように、不当事項だというふうに指摘をされたわけです。通常の不当事項という場合には、予算がこういう点で正しく執行されていないという意味で不当事項が指摘をされるわけですが、これはそれ以前の問題ではないかというふうに、不当事項についての性格を私はそう考えますが、検査院としてはどういうふうに理解をしておりますか。    〔委員長退席、理事降矢敬雄君着席〕
  86. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 不当事項の性格といたしましては、やはり経理が紊乱しているとか適切な経理の実態になっていないとかいうようなことについて、不当事項として一括して不当事項という範囲で私ども掲記している次第でございます。
  87. 穐山篤

    穐山篤君 そうしますと、一括して不当事項というふうに指摘をされているわけですが、通常はたとえば何々の予算が適切に執行されていない、あるいは不用金額を出し過ぎるから、あらかじめ計画を練り直せというふうに具体的に指摘ができるわけですが、言ってみれば、これは全部もうまずいわけですね。全部まずい。経理以前の、まあ経営の姿勢と言った方が正しいのではないかと思うんです。  さてそこで、検査院法の三十四条なり三十六条で、検査院は独自に改善の意見を述べることができるし、あるいはその他の意見を発表することができる、しなければならないと出ているわけですが、今回はどうするおつもりですか。
  88. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) このたびの鉄建公団の架空経理につきましては、この架空経理そのものが不当であるという判定をいたしたわけでございます。    〔理事降矢敬雄君退席、委員長着席〕 したがいまして、この不当経理につきまして今度どういうふうに改善しろという筋合いのものではありませんで、これは検査院としては認めがたい経理であるという見解に立っております。
  89. 穐山篤

    穐山篤君 まあそういうことだろうと思うんです。  そこで総裁にお伺いをしますが、不当事項だというふうに指摘をされた、された事項についての改善と、あるいは解決といいますか、それから今後の問題と二つに分かれるわけです。  考えられます幾つかのことがあるわけですが、たとえば職員に対して超勤手当見合いでカラ出張が払われたと、こうなりますと、理屈の上では税金の問題に一つは関連をしますね。これの対応をどうするかという問題が一つ。それから二つ目には、飲んだり食ったりした金を含めて会議費接待費、いろんなことがあるわけですね。百十数万円を含めて六千三百万円が全く横着に使われた金だと、こう私は見るわけですが、その金の始末は公団としてはどういうふうになさるわけですか。  それからもう一つ、これだけ天下を騒がせ、見方によっては自民党の議席を減らした一つの原因にもなるわけですよね。役員につきましては処分がされましたが、先ほどのお話から言えば、理事クラスが相談をしてやったというよりもその他のところで才覚をした印象の方が強いと、こういうことになりますと、当然のことながらその責任を十分追及しなければならない。こういう問題が不当事項として指摘をされた以上、早急に解決をしなければならぬと思うんです。余り長い時間は必要ないと思いますが、具体的にどう対処をされますか、その点をお伺いします。
  90. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 第一の御質問でございますが、二億六千万近い金が旅費として支出されまして、それが超勤手当に充てられているという事実でございます。これは現地等の話を聞きますと、業務の繁忙に対して十分超勤を払うことができなかったというので旅費をもってこれに充てたというような説明をしておりますが、二億六千万というような巨額にわたっているということにつきましては、まことに申しわけなく存ずるわけでございます。  これらの経費の処理につきましては、会計検査院から超勤をしたという十分な裏づけ資料がないではないかという御指摘も受けておりますが、目下それぞれの部署におきまして責任者のメモあるいは記憶というようなものに頼りながら、個々の職員別に超勤の状況について整理をいたし会計検査院に御報告をしているというような状況でございます。それでこれらの整理によりましてどういう仕分けになりますか、結論が出てまいりました場合に、返還をするあるいは納税をするというような処理、これらにつきましては今後も検査院あるいは運輸省等の御指導も得ながら処理をしてまいりたいというふうに考えております。  もう一つ、会議費等につきました一億三千万というような金額、これもまことに申しわけないことだと思っておりますが、これも現地は、会議費が不足であったからこういう流用をしたんだというように説明しておりますが、これもまことに申しわけないことと存じまして反省をいたしております。これらの経費の処理につきましては、引き続き、先ほど会計検査院の小野局長さんからもお話がございましたように、六千三百万、さらに公団検査いたしました会議費等に流用いたしました金額につきましても、全部現在できるだけの資料、これも私の就任直後に小野局長さんから資料をできるだけ出してほしいということで、就任直後の局長・支社長会議におきまして強く通達をいたしまして、できるだけの資料を出すように指示をいたしましたが、その指示に従いまして現在作業が行われていると思っております。それで、この結果は、現在進行中でございますのでまだ私も承知をいたしておりませんけれども、その中で公団の業務上必要と認められるものがあるのか、あるいは使途不明、いわゆる百十八万円と同じようなものがどのくらいあるのかというようなことがまだはっきりいたしておりませんが、これがわかりました段階におきまして返還等の措置も含めまして処理を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  それから第二次の処分でございますが、第一次処分といたしましては本社の理事、地方の支社長あるいは局長等を中心といたしまして辞任あるいは減給等の処分をいたしております。その後第二次の処分といたしまして、現在私が就任直後にいろいろと関係者と詰めまして、一次処分に準じてこれを行うというということで、大体人数は本社、現場を含めますと百五十以上ぐらいの数になると思っておりますが、それらにつきましていままで行いました処分に準じましてこれを行うということで、ある方針を決めましてそれを現地におろしております。これは実は、やはり第一線で一生懸命に働いておる職員を処分するという、これはもちろん不当なこと、不当な経理を行ったという理由で処分するわけでございますが、まあ一生懸命働いている現地の職員等を処分することになりますので、やはり個人の名誉の問題もございます。御家族の問題もあると思いまして、これらの処分につきましては慎重を期したい。また人数も多いことでございますから、それぞれの個人個人についていろいろな事情もございますので、その辺を十分考慮いたしまして現地から本社に上げ、さらに本社で懲戒委員会を開いて最終決定をしたいということで現在現地に調査を命じているところでございますが、公団内もいろいろな仕事がいまふくそうしておりますので多少おくれぎみでございまして、いま少し時間をかしていただきたいというふうに考えている次第でございます。
  91. 穐山篤

    穐山篤君 運輸省とそれから国税庁、長い答弁は要りませんが、いま総裁から返還の問題、課税の問題について十分協議をして措置をしたいと、協議をすると言っているわけですが、本来これは措置をしなければならない問題だと理解をいたしますが、イエスかノーかでお答えをいただきたいと思います。
  92. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先生お尋ねの件でございますが、検査院においていま検査の取りまとめを行っておりますし、公団内部におきましても実態の解明を行っているということでございますので、国務当局といたしましては、こういうような最終的な判断結果を踏まえました上で必要な措置検討してまいりたいというふうに思います。
  93. 山地進

    説明員(山地進君) ただいま鉄建公団総裁から申し上げましたとおり、返すべきものは返し、納税すべきものは納税するということで、いま公団とも鋭意折衝をしておるところでございます。
  94. 穐山篤

    穐山篤君 次に、大蔵省も運輸省も処分をいたしました。まああれを処分と言うかどうかよくわかりませんけれども、厳重注意、訓告、戒告というのがあったわけです。大蔵省の調査でもあるいは運輸省の調査も先ほど一部が報告がありましたが、私どもはあの報告はとてもまともなものとしては認められませんね。たとえば大蔵省の場合、百二十二件で百何万飲みましたと、こうなっておるわけです。赤坂の「大野」で大蔵省、鉄建公団の皆さんはかなり飲んだわけですね。大蔵省の調査によりますと、当日の領収書は一人当たり平均四万円のものなんだけれども、大蔵省の役人が飲んだのは一万円でございます。運輸省の方も一万円ですというふうな報告になっているわけです。そんなばかばかしい報告書国会がそうでございますかというふうに認めるわけにいかない。非常に今回の両省の調査というのはこれまたずさんだというふうに言わざるを得ないと思います。  さてそこで、当面起きました不当事項についての処理は、先ほど指摘をしましたような形で行われるでしょうが、問題は今後にあるわけですね。予算編成上の問題あるいは大蔵省なり運輸省とのかかわり合い、それから総務なり経理担当者がどういう配置をされるか、あるいは内部の監査なり検査院の監査がこれからどうあらねばならないかというこういう問題が残っていると思うんです。多少時間がかかることは承知をしますが、まず監督官庁としての運輸大臣としては今回の不正事件を通してどういうふうに改善をされるおつもりですか、具体的な案があろうと思いますから、明示をしてもらいたい。
  95. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) この問題につきましてはいろいろ御報告申し上げておりますが、さらに出張目的確認あるいは報告書の提出の励行、国鉄乗車証所有の際の旅費の支給の適正化及び勤務時間管理厳正化、こういうものについて厳しく取り扱うということと同時に、監査室の強化等も図りまして、このような問題が今後起きませんように十分指導してまいる所存でございます。
  96. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 今回の不正経理で捻出されました超過勤務手当、会議費等についてその実情を十分に調査をいたしまして、予算措置に対しましては適正を期したいと、このように思っております。  なお、なかんずく厳しい財政下にある今日でありますので、およそ予定される五十五年度予算の査定に当たりまして直ちにそういう構えで対応したいと、このように思っております。
  97. 穐山篤

    穐山篤君 いま大蔵大臣から言われました査定をするということですが、鉄建公団は、運輸省を通してことしの八月の三十一日に、大蔵省に昭和五十五年度の予算の案を要求されてますね。これはその他の財政再建一般とのかかわり合いで見直しをしなければならない部分も当然ありますね。それからもう一つは、今回の事件を通して抜本的に査定のし直しをしなければならないと考えますが、その点もう一回明確にしていただきたいと思うんです。
  98. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 一般的財政再建問題についての対応の仕方、そしてこのたびの事件を起こしたその環境を踏まえた仕組み、それについていま穐山委員の御質疑の線に沿った態度で対応したいと、このように思っております。
  99. 穐山篤

    穐山篤君 刑事局長にお伺いしますが、先ほどから同僚委員が、告発をすべきではないか、そういう性格のものではないかというふうに再三指摘をしておりますが、どうも歯切れのいい返事が——いないですか。
  100. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 法務省、いませんか。——
  101. 穐山篤

    穐山篤君 じゃ、その告発のことは後ほどにします。  官房副長官お見えになりますね。  前回委員会で官房長官の統一見解として、ことしの年末手当からボーナスについては役員管理職は公務員並みにすると、こういうお話がありました。なお、一般職員につきましては、これは労使交渉に任される。ただ、公務員並みという世間から納得されるようなものにしてほしいものだという願いが言われたわけですが、御案内のとおり十一月、十二月というのは年末手当の交渉の時期ですね。仄聞するところによりますと、各公社、公団あるいは特殊法人なんかの労使交渉に関係の主官庁が多少なりとも、まあ介入しているとは言いませんけれどもそれに近い感触を私どもは受けているわけです。たとえば要求金額を下げて要求をしてほしいというふうな非公式な話も、ばかばかしいことですけれどもどもの耳に入っているわけです。これはあくまでも労使交渉に任せるものであって、少なくとも政府機関が直接介入したり関与すべきことではないというふうに私どもとしては考えます。その点、ひとつきちんとやってほしいと思います。  それから二つ目に、先ほども同僚委員から指摘がありましたが、第一次処分と称して処分はされたようですが、通常、民間の場合にこの種の問題が起きますと依願免でなくて解雇に相当する事件ですよね。公庫、公団あるいは特殊法人のこの種の事件が起きましても、役員は退職金をもらってそのまままたどこかに転出をする、非常になまぬるい状況です。少なくともこういう不正事件とかあるいは社会的に破廉恥行為が起きた場合につきましては、依願免というふうなやり方でなくして当然これは解雇をする、あるいは退職をさせるというふうな措置をとらなければ世間は納得しないと思うんです。一般職員だけは厳重な処分を受けて、その責任者たりますそれぞれの者は何ら社会的に影響のないような厳重注意だとかあるいは戒告というふうなことで済ませるのは、これはよくないと思うんです。したがって、昭和五十二年度の閣議の申し合わせについてそういう部分を直す必要に迫られていると思いますけれども、その点について官房の意見をお伺いしたいと思います。
  102. 加藤紘一

    説明員(加藤紘一君) 穐山先生御指摘の第一点、つまり一般職員の今後の期末手当の問題等につきましては、先生御承知のように、また御指摘のように、いわゆる労働権の問題、争議権の問題がございますので、政府が直接云々できる問題ではないというふうに考えておりますことは官房長官が前回申し上げたとおりであろうと考えております。したがってその点は十分に踏まえておりまして、したがってわれわれの統一見解もそこまで介入はできない、しかしいま世間一般の公務員レベル以上の期末手当の問題については世論の動向も大変強いことであるので、その世論の動向を踏まえて労使で御判断いただきたい、そこで交渉していただきたいということを私たち政府としては、期待申し上げるということでございまして、直接介入するということはございません。その点はここでも確認できることだと思っております。  それから、いわゆる今度のような不祥事件が起きました場合の政府関係機関役員の処分の問題、それから退職手当の問題でございますけれども、今度の鉄建公団の問題、法律上職務義務違反があった場合には解任できることになっております。そして今度のケースの場合もいろいろ検討いたしましたけれども、確かに役員としての監督不十分の責任は免れないものだと考えております。しかし法律にいうまでの職務義務違反にあったかなあということをかなり討議したのでございますけれども、運輸省もそこまでは認めがたいと言う以上、今回の場合には監督責任追及ということで辞任を受け付けたわけでございまして、その責任を表現していただく一環といたしまして、いわゆる算出額から一〇%退職金をカットしたということをいたしております。  また、今後どのような考え方でいくか、いわゆる閣議決定の内容をもう一回手直しすべきではないだろうかという先生の御指摘については、御意見を承ってまた検討してみたい、こう考えております。
  103. 穐山篤

    穐山篤君 私は前回委員会で、カラ出張問題が焦点に当たっていることは当然だけれども、国民の疑問にこたえるという立場から言うならば、単に賞与がどうのあるいはカラ出張がどうのという問題にとどまらず、もっと広い範囲で解明をして国民の前に明らかにすべきではないか、こういうふうに会計検査院にもあるいは運輸省にも注文をつけたつもりです。たとえば、鉄建公団の借家の問題についても新聞で指摘をされました。このことについて会計検査院からは何らの指摘もない。そういうすべて問題になったことを明らかにすべきだという私の注文に対しまして、政府側のどなたからもそのことが答弁がないんです。  特に私は指摘をしなければならないと思いますのは、会計検査院の信がいま問われているときではないか、そのためにもあらゆる努力を払って正確に事態の解明をして国民の前に明らかにすべきだと、そういう注文もつけたわけですが、たとえば処分のあり方の問題にしてみても、あるいは今後の改善策につきましても、十分納得できるものが全然明示されていない、考えようによれば、今回のでたらめな不正事件もこのまま何となしに終息をしてしまうのではないかというそういう疑惑が持たれているわけですね。  きょうは時間ありませんから、これ以上申し上げることをやめさしてもらいますが、そこで、注文があります。  具体的に改善の問題につきましては、検査院としてはもう不当事項だと指摘をしたから、あとは関係官庁が主体的に改善を図るべきだというふうに言われている。いま運輸大臣なり大蔵大臣の答弁を聞いておりましてもきわめて抽象論です。公団総裁、着任したばかりでありますのでまだ具体的な将来展望ということをきめ細かく討議をする時間がなかったのかもしれませんけれども、積極的に改善策が明示されていない。これでは問題が単発的に処理されてしまうという心配があります。  そこで、今回の事件を通しまして、次にはこういうことがないようにするためにこうしたいとか、こういうふうにいたしますとか、具体的な内容を決まり次第明らかにしてほしい。特に監督官庁であります運輸省と当の公団につきましては、早急に考え方をまとめていただいて明らかにしてもらいたい。これは注文をつけておきます。  それから、刑事局長いないですね。——いないようですから記録にとどめていただいて、しかるべきときに明らかにしてもらいたいんですが、先ほど指摘をされましたように、百十八万のお金、それから六千万円余のお金につきましては、客観的に言えば何かに使ったには違いないけれども、何に使ったかが証明がされない。考えようによれば、組織的に着服をしたかあるいは個人が横領したかという解釈も成り立つわけです。そういう意味で言うならば告発物であるというふうに同僚委員指摘をされたわけです。なお、サラリーマン同盟の方から本件について告発がされているわけです。ですから先ほどまでの答弁では、十分これからよく周りの条件、環境を調べてみますというふうなことではこの段階の答弁にならないと思うんです。担当者がおりませんので、議事録にとどめていただきたいと思いますが、そういうことを考えてみるならば、これは告発をしてきちっとただすべきものはただして始末をつけるべきであるというふうに私としては指摘をしておきたいと思います。  以上をもって私の質問を終わります。
  104. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ちょっと私から会計検査院に、いまの、告発とそれから不当事項の指摘ですね、答弁は、不当事項を指摘すればそれは告発になるという答弁ですか、確認しておきます。
  105. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) 会計検査院が不当事項として決定をすればそれが刑事訴訟法にいう告発になるということは法律的には言いがたいのではないかと思っておりますが、ただ、不当事項といたしまして事態を明らかに指摘をいたしますれば、これは運輸省にも内閣にも中間報告をいたしておりまするし、また五十三年度決算検査報告には最終的なものとしまして掲記をすることになります。その時点で法務当局は事態を明らかに知り得る状況でございます。そういう意味で、私ども検査院として特別に告発の手続をとるということはいたしませんけれども明らかになるであろう、こういうふうに申し上げたわけでございます。
  106. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。    午後零時十五分休憩      ——————————    午後一時十七分開会
  107. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  108. 岩上二郎

    岩上二郎君 鉄建公団、さらにはまたKDD経理乱脈事件の発生にかんがみまして、今日ほど政治、行政両面にわたりまして国民に信を問われている時代はないんではなかろうか、このように考えるわけでありますが、この際、われわれは一日も早くみずからを反省し、そして脱不信というか、国会の権威を高めていかなければならないときではないだろうか、このように考えます。  そこで、これは私の個人的な見解でありますが、やみ給与あるいはやみ出張あるいはカラ超勤というこの現象はどこからどのような経路をたどってきたのであろうか、このようなことを、かつて私知事時代にこれらの問題に携わった経験を持っている関係から、この発生源というものを考えてみると、どうも日本の労働組合、これが外国の組合と違って、歴史的民族的な一つの文化パターンというのが独特な過程をたどってきている中に労働三法という近代的な労使関係というものが戦後入り込んできている、そういうところから一つの問題が発生しているように感じられてならないわけです。  特に外国の場合には、ルソーの労働契約説、これから民主主義の一つの基盤というものが生まれて、そして個人の労働権あるいは能率性、こういうふうなものが非常に重視をされてきているために、外国の場合はどちらかというと職能別組合というものが非常に多いわけです。ところが、日本の場合には、日本の従来の縦社会、そういう社会の中に新しい近代労組法が誕生したために、入り込んで同居している、こういうふうな中に企業別組合というものが依然として存在している、いわゆる一家意識、こういうものが現存しているわけですね。そういう中で培われた労使関係、したがって国鉄一家とかあるいは県庁一家とか、あるいは民間労組の場合でも同様ですけれども、それぞれの一家意識というものが強く作用していく。したがって個人の労働権というようなものがどちらかというと組織の中に埋没していく、こういうふうな姿があるために、全体としての労使関係がきわめて複雑に作動せざるを得ない、こういうふうに思われるわけです。  国家公務員の場合には、まさしくこれはスト権を禁止されている。しかし、新しくできた公社、公団等においては労働三権というものが生きている。給与の面については、鉄建公団の場合には所属大臣あるいは大蔵省と協議をすべきである、こういうふうな縛りというふうなものがある中で、労働権だけが自由にされている。しかも地方公共団体等においては、これは人事委員会というものが存在しておりますけれども、給与の勧告というようなものが主たる内容になっているだけで、人事管理の問題についてはどうも責任の体制が明らかでない、こういうふうなことも手伝っているわけです。したがって夏期手当とかあるいは年末手当、そういうふうなときにこれに対する労使関係の激突というふうなものがたびたびかつては行われたわけでありますが、そういう中で出てまいりました現象、これがやはり超勤というふうなものをしなくてもしたような形で、どちらかというと夏期手当にプラスアルファ、あるいは年末手当においても、夏期手当がある場合には年末手当はその倍、こういうふうな形で進められてきたような経過もないわけではございません。  そこで、スト権のあるものとないものとの関係がまだ未整理の段階で、今日のようなやみ給与という問題が大きく世上を騒がせるような結果になってまいりましたが、こういう問題をきわめて違法性の高いものであると、こういうふうな考え方で進めていくとするならば、この考え方が本当にそのまままかり通るものなのかどうかということになると、労使慣行という逃げ場、それは一体どう整理した方がいいのであろうか、あるいはまた一般にやみ給与と言われているその現実を知って是正をし、そしてこれを基本給に組み入れてしまったという地方団体もあるわけであります。それはもう全然問題にならないでいいのかどうかということになると、労働基本権の問題と関連をしているためにこれは労使双方の良識にまつ、こういうことだけで結論を出していいのかどうか、いわゆる労働法というものが介入する場合に、この問題が違法性があるということだけで整理をしていいのかどうかということになると、いささか問題なしとしないではなかろうか。  ある説によりますと、こういう問題については、これは国もそう、あるいは特殊法人も同様、地方公共団体も同様ということになると、全体としての公務員の姿勢というものがこれでいいのかということを問われる場合に、給与の違法性ありと、このように断定をしていいのかということになると、いや、そういうものをやらざるを得なかった事情をしんしゃくすればその違法性は阻却するんではなかろうかという考え方もある。しかし、前回決算委員会において、法務省の見解として、あるいはまた自治省の見解としては、そういうものをやってはならない、命令権者があり、しかも出張命令を出す、あるいは超勤をぜひやってもらいたいということで超勤をする場合以外は、全部これは違法性があるものだと、このように割り切っての御答弁がありましたけれども、しかし、それはそういうものであるのかどうかということになると、そこの間のグレーラインというか、灰色のところにクロースした場合に、一体、これをどう整理したらいいのかということを私は考えざるを得ないわけであります。  で、私は、これらの問題を考える場合に、一つは、そういうきわめて日本的な風土の中に育った労使関係、そういう中で近代性を追い求めていこうとする過程におけるカラ出張という問題は、これはもう少しお互いに検討する必要があると同時に、これが違法であるということを完全に言い切るならば、適当な第三者、いわゆる裁判所においてそういう問題を争ってしかるべきではないか。違法性がある、いや片方は事情やむを得ない労使慣行の線があってこれはやむを得ないんだ、こういうふうに争うべき分野が残ってはいないであろうか、このように一面考えるわけであります。  もちろん、使用者側として、たとえば鉄建公団のように百四十名も不足しているその実態を奇貨として、ここでいろいろと招待費に使うとか、あるいは雑費に使うとか、そういうようなことをやるということについては、これはどう考えてみてもそれを許す理由にはならない。したがってこれは厳しく問いだしていく必要がある。こういう場合にはやはり使用者側としては率直に問題を提起をし、会計検査院検査、内部検査、そういうようなものに堂々と資料を出して、前非を悔いて、そして以後絶対そういうことのないようにする、こういうふうな姿勢を一日も早く出すべきではないだろうか。  なおまた、人件費の予算関係において、これは大蔵大臣にお伺いしたいんですけれども、単年度会計主義で貫かれているために人件費だけではどうも完全消化する、事業費は残す、こういうことでこの決算委員会においては相当の額の予算の残というようなものがあるわけですけれども、人件費だけはほとんど消化してしまう。消化をしないと次の予算のときにこれは削られるおそれがある、こういうことで二月から三月にかけてどんどんと必要でもないところに出張をする、あるいは出張しないでもその出張費を幾らかポケットに入れてしまう、こういうようなことだってあり得るんではなかろうか。これは国の段階でも県の段階でも同じような現象がなしとしない、このようにも考えられるわけで、したがって、予算の技術上、これは全部使ってしまうということのないように、やはり正しい命令を受けて超過勤務をする場合には超過勤務の手当を上げる、それから出張するという場合にはやはりそれに相当する出張費を組んであげる。そういう場合に、それが具体的に予算がないという場合には予備費流用ということだってやむを得ずやらざるを得ないのではなかろうか、このように考え、なお、この予算が余った場合には、これは当然余ったものとして翌年度に繰り越しをする、こういうふうに人件費というものをもう少し内容を洗ってみる必要がある、このように私は考えるわけであります。  そういう角度から、いま行政機構改革の問題あるいはスモールガバメントというか、そういうふうな問題を口では提起しながら、果たして実行可能であろうかどうかということになるといささか疑念なきにしもあらずでありますが、しかし、ここで私いろんなデータを取り寄せてみると、人件費の予算上に占める比率というのが物すごく高い。試みに申し上げますと、国家公務員、地方公務員、さらに特殊法人の職員の人員、人件費、これを過去五年にわたりまして調査をしたデータをここに持ってきておりますけれども、地方公務員の場合には各年度の地方財政の状況、それから国家公務員の場合は会計検査院の各年度別の決算と検査の実態、さらに特殊法人の職員の場合には行政管理庁の電話回答によったものでありますけれども、何と全体を合わせますと年々人員並びに人件費等が増高しておりまして、一昨年、五十二年度においては、何と人員においては五百十四万五千五百十八人、それから人件費においては何と十三兆五千五百十八億円ということになっております。所得税関係から見ると、これはもう大蔵大臣よくおわかりでありましょうが、所得税では約八兆円ですね、人件費が十三兆五千五百億円。こういうことで所得税で八兆円、法人税で五兆円ですか六兆円ですか、さらに酒税で一兆円前後である。こういうようなことで、あとは印紙税その他入りまして約二十三兆円。プラス今度は予算が三十八兆円ですから、組めませんので、結局建設公債と特例公債を当てにしてやっていくということで、特例公債をほとんど食べてしまういわゆる人件費であります。  そこで、大蔵省では、こういうものはとても容易じゃないということで、消費税の問題なり増税の問題というものがすぐ頭の中に浮かんで、ことしの正月から大分もみにもんだ問題でございますが、消費税はまあ一応中止と、こういうことになった経過があるわけでございますが、しかし、事ほどさようにこの人件費の占める比率というのは非常に高いわけです。きょうのテレビでは補助金、これが約十二兆九千億で約三分の一と、こういうことで、これについて手をつけよう、こういうふうなことを考えておられるようでございますけれども、人件費ははるかに超えております。  しかし、この十三兆五千五百億については特殊法人は除いております。特殊法人、これはまた給与が一般の国家公務員より最初から高いわけなんです。建設公団の例をとりますと、大学卒で十二万二千七百円で、行政官庁では九万一千八百円。高校卒の場合が八万七千二百円、行政官庁では七万六千六百円と基礎ベースから違っているわけです。さらに今度は使用者側と言われる役職員ということになりますと、これは普通の局長なんかの比でないほど高いわけです。いわゆる特殊法人は高いわけです。したがって、そういうふうなものを入れますと、これは十三兆五千五百億プラス恐らく特殊法人約四兆円前後かかっておるのではなかろうか。これは行政管理庁からデータが出ておりませんけれども、私の推計ではそうなってくるわけです。  こういうふうになってまいりますと、人員関係でも五百十四万ということですから、一億一千万の人口で割ってみた場合に二十人に一人。これを今度は世帯別に、もし四人の世帯ということになると五世帯に一人、これが世話をしているということになるというような状態で、人件費というものは相当問題である、このように思いますけれども、しかし、そこにはそれぞれの労働基本法が作動しておりますから、なかなか一概に、じゃ整理をするというわけにはいかない面が出てくるのは当然でございます。  こういうふうな一つの事実的な背景の中で今回のこの種の事件を考えてみると、やはり今後の人件費のあり方、さらには行政組織の改革問題と関連しまして、いろんな角度から問題を検討する必要がありはしないであろうか、このように考えますので、これからそれぞれ具体の問題について御質問を申し上げていきたいと思います。  前回決算委員会において森山運輸大臣は、十月十二日ですが、国家公務員に準じて給与を改定いたします。こういう御意見がございました。で労働三法とのかかわり合いについては、これは別途に考えるということでございますが、その労働三法とのかかわり合いをどうするのか、これは労使双方の良識にまつということだけで問題の解決ができるかどうか、これをいつまでに解決をするように努力しようとしているのかということが一点。  それからもう一つは、運輸省において調査官室制度というようなものをおつくりになったわけでございますが、これがその後作動していると思いますが、その実態をお伺いしたい。  それから鉄道公団において特別調査委員会というものを内部的に設けて、具体的に調査の実態というものを明らかにしていきたい、このように報告をされているわけでございますが、その後の報告がどうなっているのであろうかということをお伺いしたい。  それぞれお答えいただきますが、時間の関係もございますのでさらに二、三問題の提起をいたしますので、それぞれの省においてお答え願えれば結構であります。  公団の給与というものが一般に高い。しかも、一般に高いというのは一般職員の労使関係の中から生まれたものなのか、いわゆる労使交渉の中か生まれたものなのか。そうでなく、むしろ役職員のベースというものは一般の国家公務員よりも高くしなければ十分に公団、公社の機能を果たすことができないという意味で給与を高くしたために公社、公団に働いている一般職員も高くせざるを得なくなったのか、その関係というものが納得できるように御説明いただきたいと思います。  それから、組織があれば当然労組法が働くわけでございます。労働法の介入というものは当然出てくるわけでございますが、鉄建公団のように労組法がある、しかし給与の問題等においては、これは大蔵大臣それから関係運輸大臣の了解を得なければない、この了解がなかったということで運輸大臣は大変おかんむりな御答弁がございましたが、それはそれなりに一つの問題をはっきりさせる意味においての意見でございますので結構でございますが、そういう問題と、それからスト権のない国家公務員、地方公務員の場合にこういう問題との関連をどのように整理をしたらいいのかということについて、私自身、問題を提起しながらもわからないわけです。わからないんですけれども、どういうふうに整理をすることが望ましいのであろうかと、このように考えますので、先ほどの内閣官房長官の御説明、あの答えだけで問題の整理ができるのかどうかということにいささか疑念を持ちます。  で、これが違法である、カラ出張、当然やってはならないことをやったことについては違法であるという場合に、その違法である場合は当然刑法に触れてまいります。刑法に触れてきた場合に、それをどう対処したらいいのかという問題があるわけでございます。前回申し上げましたように、それらの問題を含めてひとつお答えを願いたいものと思うんです。これをそのままにしておきますと、確かに政治不信、いわゆる国民の側から見た場合に政治不信というものは当然出てまいりまして、何が何だかさっぱりわからないままむにゃむにゃの結論だと、こういうことになってしまったのでは、これを非常に綱紀粛正云々と口では言うけれども実動していないというところにますます国民の怒りというか、そういうようなものが爆発しはしないであろうかということを恐れるわけでございます。そういう問題についてひとつそれぞれお答えを願えれば幸いと、このように思います。
  109. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 広範にわたる御意見を交えての御質問でございましたが、鉄建公団に限らず、政府関係機関、公社、公団、いわゆる特殊法人でありますが、これの労使関係の問題につきましては、加藤官房副長官が答えたことに最終的には尽きると思うのであります。  これは労使関係の問題であると同時に、財政当局との協議という面におきましてその仲立ちをするとでも申しましょうか、窓口の役目を果たすのが元来内閣官房でありました。特に内閣官房長官が扱って、三十九年以来、私もその問題を扱っておったわけでありますけれども、いろいろいま岩上先生自身がおっしゃったように、最終的にどうあったのがベストか、こういう結論はその間にあった私どもも出さないままに、現行法の中で労使の関係に心からなる期待を寄せるという形でずっと続いてきたと思うんであります。したがって、その問題が基本的に議論される時期に来ておると、そのことは給与関係、いわゆる財政当局の立場にある今日の私としても理解のできるところであります。ただ、いま財政当局という立場だけから申しますと、さればどういう姿がということになりますと、なお官房を中心としていろいろ検討してみなきやならぬ問題があろうかと思います。  それから次に、いわゆる予算の単年度主義というものがもたらす、事業費は不用額として残し得ても、人件費に類するものは不用額として残らない、それを集中的に使ってしまう、こういう傾向についての経験からの御意見を交えての御質問でありましたが、そのことを私も否定するものではありません。ただ、したがって、さればこれからどのようにして人件費、特に超勤でありますとか旅費でありますとかを査定していくかということになりますと、技術的な問題もございますので、具体的なお答えは事務当局の方からお願いをさしていただきたい、このように思います。よろしゅうございましたら、私のいまの具体的な問題について、引き続き主計局次長に、西垣と申しますが、お答えさしていただければと思います。
  110. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 具体的な査定の問題でございますので、お許しをいただきましてお答えいたします。  先ほど御質問の中でいろいろといろんな角度からおっしゃいました。一つは、超勤手当、これはあるいは予算積算が十分じゃないという角度から予算の査定のあり方がどうだということだと思いますし、それからもう一つは、カラ出張ができるほど旅費の予算を組んでいた、これは予算の査定が甘過ぎたんではないかというふうな角度から、恐らく査定のあり方を問われたんではないかと思っておりますが、私ども、特に公団のような事業を円滑にやるということが必要なものにつきましては無理のないような予算を組まなくちゃならない、と同時に、どうしても超勤手当とか旅費というようなものにつきましてはむだ遣いをしやすいというふうなこともございますので、厳しくなくちゃならないということで大変苦労があるわけでございますけれども鉄建公団の超勤手当につきましては、中央官庁あるいは他の公団等と比べましてもかなりつけておりまして、現場で三十時間、現場以外で二十時間ということでございまして、やっていけないような超勤手当の予算ではないというふうに思っております。このことは超勤手当から賞与の上積みに回った分と、それからやみ出張等の不正経費で超勤手当に回した金額とが大体一緒になっているということから見ましても、まあまあ妥当な査定ではなかったのかなと、こういうふうに思っております。  それから旅費の問題でございますが、旅費につきましては、一般管理費の中に普通旅費という形で一つ入っておりますのと、あと事業費の中で付帯工事費の中の非常に細かい、節のまた細節みたいなところに入っている旅費とがございます。で一般管理費の中の職員旅費につきましては、これは実績等も勘案しながら予算積算をしているわけでございますが、大体前年度と同じ程度ということで、決して甘い予算のつけ方はしておりません。それから事業費の中の旅費につきましては、これは現場調査旅費でございますとか工事監督旅費でございますとか、これをやらなければ工事が円滑に進まないという性質の旅費でございますので、鉄建公団あるいは運輸省の御意見も聞きながら、工事費全体の中に占める割合等もよく見まして積算をしておりまして、今回はその中からかなりほかのことに使われてしまったというふうな実態がございますので、さらに厳しく査定をしなければならないとは存じますけれども、また、工事費の中のこういった旅費の流用が公団に任せられているという事情もございますので、積算のあり方がどうあればいいのかということにつきましては、締めてみても流用ができるというふうな性質のお金ではございますけれども、積算につきましては現実に合ったように今後工夫してまいりたい、かように考えております。
  111. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 公団の賞与については国家公務員の水準を上回っておるということがこのたびの事件で判明いたしたわけでございますが、これは現在の社会情勢に照らしましてまことに妥当でないわけでございますので、先般、十月二十三日の公団等の特殊法人の役職員の賞与の取り扱いについての閣議了解において、今後における役職員の賞与について、役員及び管理職のうち、本部の部長相当職以上の職にある者については国家公務員並みに扱うこととし、その他の一般職員等につきましては、労使の団体交渉がございますので、そこで決めていただくわけでございますので、できるだけこの趣旨を御理解いただく、こういう考え方でおるのであります。  なお、公団の職員の給与が公務員より高い、その歴史的な過程等、あるいはいま調査官室でどのような作業を行っておるかというような内容につきましては事務当局からお答えさしていただきます。
  112. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 運輸省の運輸調査官制度、これを発足させたわけでございますが、ただいま御質問がございましたので概略お話し申し上げたいと思います。  運輸省は、公社、公団等十七のいわゆる特殊法人、これを抱えておるわけでございますが、この監督に当たりましては、それぞれの担当の部局は大体その業務の監督が主体になりがちでございます。その各公社、公団の給与制度等の内部管理につきましてはなかなか目が届かないという点が欠点でございましたので、本問題の発生の直後に、こうした内部管理を総合的に把握し連絡調整を図る必要があるというふうに思いまして、直ちに運輸調査官制度を発足させた次第でございます。この運輸調査官は九名をもって組織いたしますが、運輸省の所管の公団役職員、これの給与制度等の内部管理につきまして調査をすることを使命としておるわけでございますが、具体的には問題の鉄道建設公団のほか公団等が六つございます。当面は、この六つの特殊法人につきまして、業務の概要、組織、定員、給与制度、予算、退職手当などの全般の内部管理の問題につきまして資料を収集し、実態をまずよく把握するということを現在行っておるところでございます。なお、その他の認可法人等もございますが、おいおいこれらに仕事の枠を広げてまいるとともに、また、それらの相互間におきます全体的な連絡調整という点につきましても、今後、漸次活動をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。  運輸調査官制度の概要でございます。
  113. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) ただいま岩上先生から、鉄建公団が独自に調査いたしました結果はどうなっているかという御質問でございますので、お答えいたします。  鉄建公団は、昭和五十四年の九月九日に副総裁を長とする特別調査委員会を設けまして、九月十七日から二十九日までの間において、札幌支社、東京支社、大阪支社、下関支社、富山新幹線建設準備事務所、この五カ所につきまして現地調査を実施いたしました。その結果、この五機関ともに、全部でございますが、適切を欠く経理の事実が明らかになりました。  その概要は、五機関におきまして不正に旅費を支出したものが五十三年で九千二百七十一万円、五十四年で二千八百九十六万円、合計一億二千百六十七万円ということになってまいりました。その使途は、超過勤務手当の不足分に充当したと言われるものが五十三年度で五千四百三十万円、五十四年度で千七百十九万円、合計七千百四十九万円でございます。残余は会議費等の不足分として充当されておりまして、その額は、五十三年三千五百八十万円、五十四年千四百八万円、合計四千九百八十八万円となっております。このうち会議費等の経費に使用いたしましたものにつきましては、さらに裏帳簿、領収証及び関係調書等によりまして調査したところ、その内訳は、部内あるいは関係官庁等の間で会議費的な経費に充てられましたものが五十三年度二千五百三十五万円、五十四年度九百六十五万円、合計三千五百万円。贈答用物品代等交際費的な経費に充てられましたものが五十三年五百六万円、五十四年二百三十九万円、合計七百四十五万円。及び印刷物購入費等の雑費として充当したものが五十三年度五百三十九万円、五十四年度二百四万円、合計七百四十三万円で、八十四万円の現金を保有していたという結果になっております。  以上は当公団が独自に調査したものでございますが、これにつきましては、その調査結果並びにその資料を会計検査院に御提供しまして、ただいま現在精査が進行中であるという状況でございます。  以上でございます。
  114. 岩上二郎

    岩上二郎君 超勤その他出張旅費等の不足分を賄ったというものは、これは十分に事情はわかるわけですけれども、それ以外に使われた交際費接待費等、いわゆる雑費として使われたということはやっぱり許せない社会的な問題として糾弾されてもしかるべきものであろうと思いますが、それに対する対処の姿勢をどうしたらいいのかということをちょっとお伺いしておきたい。  時間がありませんので問題をさらにちょっとつけ加えて申し上げたいんですけれども、行政機構改革、恐らくこれは現在の政府としてどうしても第一に取り上げなきゃならないということを言われておりますから十分に御検討されているかと思いますが、人事院というものが独立機関になっているわけなんですね。ところが、ILOの関係とかいろんなものも手伝って総理府に人事局というようなのが設けられている。これはスト権奪回ストとかいろんな問題が提起をされる段階において一つの大きな課題を背負いながら、とにかく公務員の人事関係を主として扱うということがあると同時に、行政管理庁というものがまた人事問題等についてそれぞれの行政の問題を取り扱う。どうも現在のところ人事院そのものが横並びみたいな、ある面においては、給与の勧告権というようなものの程度で、実際の作動の仕方というものはちょっと当初設立したときのような意気込みというものが薄らいできている、こんなふうな感じがしてならないんですけれども、これからは人事交流の問題あるいは配転の勧告権、そういうふうな問題等もひっくるめて、横並びの行政の組織というようなものがこれでいいのかどうかということも再検討をする必要がありはしないであろうか、このように考えますので、その点について——これはどなたもいらっしゃらないんですけれども、だれがいいのかしら。
  115. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 私が一番近い。
  116. 岩上二郎

    岩上二郎君 よろしゅうございますか。それじゃ突然の御質問で恐縮でございますが、大蔵大臣にお答えを願いたいことが一点。  それからもう一つございます。時間がありませんので申しわけありませんが、最後になりますが、KDD事件の発生原因を何と認識されておられるかということが一点。  それからKDDの経常利益、これが異常に多いということが言われておりますが、現行の料金体系に問題がないか。  実は、これは私の体験からきたことなんですけれども、外国に同じ教会の仲間がおりまして、しょっちゅう電話をかける場合に、こちらが電話をかけると十七分で約二万円程度とられるわけです。向こうからは三分の一ぐらいということになって、相当出費がかさばるわけなんですね。恐らくこれは円高というような問題の関連もあるんだろうと思いますが、最近月に一、二回お互いにかけ合っていますけれども、なれない英語でやるものですから時間がかかっちゃうわけです。そうするとぼんぼんぼんぼんお金がとられちゃうわけなんです。そういうことも手伝っているのかなあと思いますので、この現行料金体系というものはやはりある程度直す必要があるんじゃなかろうかという感じがしてなりません。特に独占企業ということでの今回の不祥事件でございますから、当然監督大臣としての見解もお伺いしておかないとならないと思うと同時に、一連のこういう不祥事件に関連しまして、KDD監督官庁あるいは政界との関係、こういうものが疑惑を持たれておりますので、公務員の綱紀粛正の問題と絡みまして、大臣はどうお考えになっておられるか、郵政大臣の御所見をいただきたい、このように思います。  なお、最後でございますが、やはりこの問題の基本的な姿勢として政府で特にお考えおきいただきたいのは、かつて中国の春秋時代に魏の国、これはきわめて小さい国、で、その周辺の国からもうどんどんと攻められそうになる際に、一体どうしたらいいのかということを問い詰められたときに、その魏の王が、いやこれはもう信さえあれば心配ないと、信という言葉を使われているわけです。私は、いろいろと、油の問題を初めとして、イラン、アメリカの経済戦争というようなものが懸念されているような状態の中で日本がどう生きるかという場合には、やはり国民の信を最終的に求める、またその信にこたえる、こういうふうな姿勢を貫いていかないとならないんじゃなかろうか、このように思います。  したがいまして、いろいろと疑惑のある問題を一日も早く解明し、なお、これが労働三法とのつながりとかいろんな問題がある場合に、給与は安い方向に行くよりむしろ高い方に行くのが常でございますから、それらの問題とも兼ね合わせて十分に配慮をしていかなければならないわけでございますが、政治倫理の確立の問題を初めとして、みずから政府がえりを正してこの難関に対処していかなければなるまい、このように考えます。私の意見を申し上げまして、それぞれ質問にひとつお答え願えれば、これで私の質問は終わりにいたします。よろしくお願いいたします。
  117. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) ただいまの岩上委員の御意見を交えての御質問でありますが、人事院というものができました歴史的経過というものが確かに厳然として存在しております。それから人事局というものも、また、これは公務員制度審議会等々いろんな歴史的経過の中にできたわけであります。で、そのいま受け持つそれぞれの分野というものは、当然のこととして人事局はまさに行政機関の一環としてあり、人事院は独立した機関であり、そういうものを総合的に行政改革の際に議論して煮詰めてみたらどうか、こういう御意見は前々からあることは事実であります。  で、あえて私が答える資格があるといたしましたならば、行政管理長官と、いまいらっしゃった内閣官房長官と大蔵大臣が、まだ非公式ではございますけれども、行革の閣僚懇談会というようなものを始めたばかりでございます。その中に取り上げるべきテーマとしては、この人事院と人事局の問題についての話題はまだ出ておりません。ただ、平常業務として行政管理庁の中ではいろいろ御議論になっておる問題であろうというふうに思っております。
  118. 大西正男

    国務大臣大西正男君) ただいまの岩上先生のお尋ねは、一つは、KDD事件の発生原因、それから第二点は、KDDの現行の料金体系に問題がありはしないか、そしてまた第三は、監督大臣としての見解いかん、第四点は、岩上先生は歴史の該博な知識をお持ちの先生でございまして、平素から尊敬申し上げておるところでございますが、政治並びに行政については信頼ということが大切ではないか、こういうお尋ねであると思います。  そこで、第一点の発生原因、また第二点の料金体系の問題につきましては、原因はいろいろあろうかと思いますし、料金体系につきましても御指摘のような問題もあろうかと思いますが、この二点につきましては事務当局からお答えをさしていただきたいと思います。  監督大臣としての見解はいかにということでございますが、今回のKDDの不祥事件といいますか、もうすでに告発をされておる事件でございますが、このような問題につきましては、KDDは御承知のように株式会社でございますけれども、非常に公共性を帯びた存在でございます。そういう意味におきまして、このような事件によりまして国民の疑惑を招き、信用を失墜するような事態を招来いたしましたことは本当に残念なことだと考えております。郵政省といたしまして、再びこのような事件が起こることのないよう、事態の解明と具体的な改善につきまして鋭意検討をいたしますとともに、一日も早く国際公衆電気通信事業の信用を回復するよう、法の趣旨にのっとりまして厳正な監督、指導を行っていく所存でございます。  また、政治並びに行政について信頼ということが必要だという御所見でございますが、全く同感でございます。このことは、中国の昔、また日本の現在——昔もいまも変わらないと思いますけれども、ことに日本の現在におきましては民主主義の政治下にあるわけでございますから、そういう意味におきましても国民の信頼のない政治は行おうとしても行われないと思います。そういう意味合いにおきまして、この点につきましては十分に心をいたしまして、綱紀の粛正等についてはこれからも厳正に臨んでまいりたいと存じております。
  119. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 今回のKDD事件の発生原因というものを一体どう認識しておるのかというお尋ねでございますが、御承知のとおり、いわゆる関税法違反の問題につきまして、昨日、関税当局から東京地検告発が行われたところでございまして、これは今後司法当局の手によりまして事態の解明がなされるものと信じておるところでございます。  なお、そのほかに交際費問題等、種々の疑惑を招く事態を起こしておること、まことに残念に思うわけでございますが、これらの事態につきまして、現在、鋭意その事態の解明に努めておるわけでございまして、残念ながら、現時点におきまして、これが原因であるということを的確に申し上げる段階に至っておらない、こう思うわけでございますが、このことに関しましてKDDの内部におきましても委員会を設けまして、鋭意、事態の解明に努めておるところでございます。  なお、KDDが実施をいたしました一つの事例といたしましては、いわゆる社長室というものが、従来、社長室長が社長に直結をいたしておりまして、その間に担当重役もないという形でありましたのを、今月の初めにこれを三つに分かちまして改組をいたしまして、それぞれに担当重役を置くという形で新しい組織をつくったという事実がございます。いずれにいたしましても、こういったKDD自身の調査等も踏まえながら、郵政省といたしましても、これらの事件の背景あるいは原因等につきまして分析、把握をいたしまして、二度とこういう事件が起こらないという観点からその対策というものも全力を挙げて取り組みたい、かように考えておるところでございます。  それから第二点の、KDDの料金の問題でございますけれども、御指摘のとおりKDDの料金が高過ぎるではないかという議論はかねがね承っておるところでございまして、大きく申し上げますと、昨年来、一つは、為替変動によります。特に円高によります差益というのが出ておるのではないか。それからいま一つは、ただいま御指摘の、日本と外国との間に、これを円換算いたしますと料金差がずいぶんあるのではないかという問題。さらにはKDD自身が相当の利益を上げておるのではないかというふうな観点から、この料金問題についてのいろいろの議論がなされておるところでございます。  郵政省といたしましても、昨年来、こういった全体を踏まえまして、KDDに対しまして、利用者へのサービスの改善あるいは安定的な国際通信の確保等を総合的に勘案しつつ、この料金問題について検討するよう指導に努めてきているところであります。そしてまた現在におきましても、さらに強力にその検討を指導しておりますので、遠からず検討結果が出るということを期待しておるわけでありますけれども、なお一層この件につきましての指導に努めて、改善に努めたい、かように考えておる次第でございます。
  120. 岩上二郎

    岩上二郎君 官房長官にこのことだけを御進言申し上げておきたいと思います。  張養浩という、昔宋の滅亡の時代におられた方ですが、為政三部書という著書がございます。この中に「道行はれずんば即ち去る」という非常な名言がございます。もう一つは「栄なるものは辱の基となることを知るべし」という言葉がございまして、栄辱というのは、片方は栄える、片方は辱めるということですけれども、これは非常にうらはらの関係にあるわけです。どうかひとつ、これから大平総理を支えていかれる大事なかなめであります官房長官としまして、いまの時点からひとつよほど心を引き締めていただいて行政の実を上げていただくように、心から御期待を申し上げる次第でございます。  以上でございます。     —————————————
  121. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 委員異動について御報告いたします。  本日、楠正俊君及び安永英雄君が委員辞任され、その補欠として原文兵衛君及び広田幸一君が選任されました。     —————————————
  122. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  ただいま御報告いたしましたとおり、楠正俊君の委員異動に伴い理事に欠員が生じましたので、この際、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に原文兵衛君を指名いたします。     —————————————
  124. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 続いて質疑に入ります。
  125. 黒柳明

    黒柳明君 私、きょうはKDDの問題を中心にやりたいと思いますが、その前に、お忙しい中を急に総務長官をお呼びいたしましたので、総務長官のことで二、三質問したいと思いますが、もう内容は言わずもがなのことでありまして、一部朝日新聞に報道された事実、談話を読みますと、長官は知らなかった、秘書官に聞いてみる、こういうことが書いてありましたが、お聞きになられた事実関係はいかがでしょうか。
  126. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 私、このたび総務長官就任をいたしました小渕恵三でございます。  志苫委員長初め各委員諸先生方の御指導のほどをまずもってお願いいたします。  ただいま黒柳委員から御指摘の点につきましては、若干経過を申し上げますと、昨日、さる新聞記者さんより私の秘書あてにお話があり、励ます会の券の購入につきまして一部始終説明があった、そのことを是認されるかというお話でございました。私が早速問いただしましたところ、その事実ありということでございました。この件につきましては、今夏以来、私を支持していただく多くの皆さん方が、私自身政治家としてきわめて財政的基盤も薄弱であることを承知をいたしておりまして、有志の皆さんが、それでは励ます会をしてあげようと、こういうことでいたしました。一切合財はその事務局にお任せをしておりまして、私はいずれのところにどのようにこれが配付されたかについては定かでありませんでございまして、しかもその上、総選挙が入り、なおかつわが党の各般の、党内における収拾過程もこれあり、かつ私自身も先般台閣に列する機会を得たという過程でございましたので承知をいたしておりませんでしたが、その励ます会を行うに当たって、多くの協賛者を求める過程において、私の秘書がKDDにお願いをいたし、KDDからも御協賛をいただいたということの事実を知りました。私は、でき得ますれば、そういう事実についてはいち早く報告をすべきものと秘書を叱正はいたしましたが、しかし私を取り巻く者もまことにまじめな者ばかりでございまして、真に私を思い、特にKDDの問題が発生をいたしまして自後は、みずからも相当悩んだようでありますが、ついに私あての報告のないままに来たわけでありまして、したがって、私としてはこの事実が明らかである以上は、これは政治家の姿勢としても当然このことを不明に付すということなく、明らかに真実を申し述べて御批判をいただくところはいただくべきだ、こういうことで秘書にも申し上げ、包み隠さず申し上げたような次第でごございます。まだ八月の時点のことでもあり、私も一国会議員という立場であり、今日の立場と異なることでありますが、結果的に考えますと、今日KDDの問題が社会的にもこれだけ大きな問題として取り上げられている中にあって、さような事実が過去に発生しておったということについての責任をみずから看過するものではない、こう思っております。したがいまして、昨日以来、私といたしましても、このことをもって事が処理できたとは思いませんが、直ちに担当者KDDに派遣をいたしまして、実はこの励ます会は、私も国会対策をしておりましたので、国会の事情にもう少し精通しておったかと言われればそれまででありますが、ちょうど解散、総選挙の時期にこれが当たってしまいまして、実はこれが開催できなくなりまして、以降、その後開こうといたしましても、選挙後の……
  127. 黒柳明

    黒柳明君 ちょっと、時間が限られていますからね。
  128. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) はい、申しわけありません。  そういうことでございまして、私といたしましては、これがまだ開催に至っておらなかったということでもありますので、みずからの姿勢を正す意味からも、私としての処置はこれを行ったような次第でございます。  以上が経過並びに先生の御質疑に対するお答えにさしていただきます。
  129. 黒柳明

    黒柳明君 財政的基盤が薄弱であるとか何とか、私そういう事情は知りません。しかしながら、大平内閣誕生、国民に対しては綱紀粛正あるいは行政改革断行内閣ですな。内部的には短命内閣でもあるんでしょうか。その国家公務員あるいは政府関係の職員、一番やっぱり直接に監督される  いま、される立場になっちゃってるな。本来、する立場になけりゃならない総務長官が、過去のことじゃないですよ、十九日にやるんですから。これからのことでしょう。それについて、やっぱり私が言ったことについて答弁が欲しかった。KDDの方に行って云々なんて……。内容がなかったですが、当然これはもう返しましたと、百枚だから二百万。そこまで言ってほしかったの、冒頭に。KDDへ行ったということだけは聞いたけれども、その後がちょっと具体的じゃないんですよ。そして、二百万の件は返しましたと、不幸中の幸いの出来事ですが、まだこれからのことですからお返ししたんですと、私が総務長官になったら、そう冒頭に言いますよ。そこらあたりちょっといまの答弁じゃ、何かこう、御批判だけ承ります。するやつの方が悪いのだというような姿勢に感じられる向きもありますよ。その点一つは、返すんでしょう、あるいは返したんですか。  それからもう一つ、かといって、それだけで済まないとおっしゃった、そのとおりです。総務長官ですから。これから綱紀粛正、そうしてもう一つの行政改革、両柱で大平第二次内閣を推進する総務長官が、過去じゃない、十九日にやることですから、これから。それに不祥事を起こしたということについては、これは国民の批判を受けりゃいいんだ、おれはもう腹を決めているんだ、どうにでもなれということでもないんでしょう。おれはやめるんだということでもないんでしょう。そこらあたりもうちょっと、やっぱり責任の所在というものをはっきりこの際国民に向かって吐露すべきじゃないんでしょうか。時間がありませんので、ひとつはっきりそういう中身、濃ければ簡単で結構ですからお述べいただけますか。
  130. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 黒柳委員の御指摘のとおりでございます。  パーティー券の代価につきましては、直ちに返済をいたしました。  以上です。
  131. 黒柳明

    黒柳明君 いやいや、その後が肝心ですよ、それはもうあたりまえのことで、その後です。今後私はこの批判だけでは済まないと思いますと、どうするんですか。
  132. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 当然のことではありますが、私が所掌いたしております公務員問題につきましては、みずから先頭に立つ者が姿勢を正さなければならないことは御指摘のとおりだろうと思います。心してこの問題を深く認識をいたしまして、今後のみずからの行動に最善を尽くしていきたい、このように思っております。
  133. 黒柳明

    黒柳明君 私は第二次大平内閣にある意味で期待するから、こういうあるいはとんちんかんな提言を官房長官にするかわからない。これほどがたがたして、内部的にもやっぱり反主流は相当——小渕さんはどちらなのかな、いろんながたがたがまだ続いているわけでしょう。党三役人事も決まらない。こういうことがどうか、いいか悪いか、野党の私がこんなことを言うのはおかしいかと思いますが、小渕総理府長官の談話を国民に発表したらどうですか、心からおわびしますと。この場で、委員会の議事録に出るだけじゃ、失礼ですけれども国会のことはまだまだ国民の目と耳とはちょっと離れたところなんです。マスコミの機関があります。記者会見の機関があります。その記者会見の機関を通じて、あるいは自分で声明文を書いて——若いんですから、これからまだ総理にもなるんですから、もう古い二人とは違うんですからね。新しい大臣といって選挙をやったんでしょう。であるからには斬新的な、もうただ単なるスタンドプレーじゃなくて、意欲がある、いままでないことだ、やることがだからねということじゃありませんよ。そういうものもやって、本当に真心から、悪うございましたと、こういうことをやらしたらどうですか、官房長官。
  134. 伊東正義

    国務大臣(伊東正義君) ただいま非常に示唆に富んだ御意見を承りました。われわれ新しく大平内閣ができまして、省庁、公務員に対しまして綱紀粛正を厳にやれということを言ったわけでございまして、問題はもう一つの政治家の倫理の問題でございます。これは航空機の疑惑対策の協議会から提言が出まして、政治資金規正法の改正の問題でございますとか、選挙制度とか、罰則とかございますので、こうした問題には厳に取り組んでまいる覚悟でございますし、いま御指示のありました点は、総務長官も率直にもう事実を認められて、返したということはいま言われたわけでございます。率直な御意見があったわけでございますので、これに対しましてどう処置していくかというのは、先生のおっしゃったことも一つの方法でございますし、よくこれは検討して早急に対策を考えるつもりでございます。
  135. 黒柳明

    黒柳明君 済みません、総務長官、急にお呼び立ていたしまして。ありがとうございました。  KDDの問題です。郵政省、監理官になりますか。私、当然ここでKDDの方に出ていただいて直接質疑したかったんですが、きょうの委員会はそういう趣旨じゃない、こういうことでありますんで、私、あらかじめ質問状をつくりまして郵政省を通しましてKDDの答弁をもらってもらいたい、こう質問を出したんですが、私の質問に対してKDDの答弁はお手元に来ておりますでしょうか。
  136. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 参っております。
  137. 黒柳明

    黒柳明君 それじゃ私がこれから質問します。それに対して監理官の答弁はKDDの直接の公式な見解であると、こう認識して間違いないと、こう思います。ただ、監理官、時間がありませんので、私も速く質問を読みますので、ひとつ答えも明快にお願いしたいと御要望申し上げます。  まず第一点、KDD経営刷新委員会をつくっておりますが、いま現在、どんな結論なり報告のできる事項がありますか。
  138. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 御指摘のとおり、KDDはこの八日に経営刷新委員会というものを発足をさせまして……
  139. 黒柳明

    黒柳明君 向こうの答えの内容だけをどんどん言ってください。
  140. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) はい。それで、実は昨日、その進捗状況につきまして関係重役を招致いたしまして報告を求めたわけであります。その内容について御報告申し上げます。  まず、いわゆる成田通関問題でございますけれども、この件に関しましては関係書類が税関にあるので詳細は不明であるが、調査の結果目下判明した点は、一つ、会社から贈答品購入の指示はあった。二つ、過少申告あるいは脱税の指示はなかったの二つであります。なお、一、過去において過少申告あるいは脱税の事実があったのか否か。二つ目、贈答品として購入した物品の使途は外国からのお客に対する贈答用と言われているが、それが事実かどうかのこの二点につきましても引き続き調査中であります。  いま一つの交際費等関係におきましては、とりあえずの措置として、ことしの暮れの歳暮あるいは年末始接待、懇談会等一切取りやめることを決定したほか、交際費の使用実態等につきましては目下鋭意調査中である。  以上の報告を受けております。
  141. 黒柳明

    黒柳明君 その次の質問です。  現在、二十七階の倉庫に何か品物が集められておりますね。これは何梱包、何包みぐらいあるんでしょうか。中身はどんな品物があるんでしょうか。そして、それが交際費で買った会社の品物すべてなんでしょうか。
  142. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) KDDからの報告を申し上げます。  第一点につきましてはおよそ百梱包程度であります。第二点につきましては絵面、陶器類等であります。第三点につきましては目下調査中でございます。
  143. 黒柳明

    黒柳明君 その品物、それは国内で購入したものなんでしょうか、それとも海外で購入したものも含まれているんでしょうか。
  144. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 大半は国内で購入したもののようでありますが、詳しくは調査中でございます。
  145. 黒柳明

    黒柳明君 その次。政界、官界に対して贈答したと、こう言われておりますが、そのリストはあるんでしょうか。
  146. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) KDDからの回答は、不明であるということでございます。
  147. 黒柳明

    黒柳明君 国内購入については、いつごろから大量に交際費を使って購入するようになったんでしょうか。
  148. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 詳細につきましては目下調査中であるという報告を受けております。
  149. 黒柳明

    黒柳明君 いま購入伝票を整理し集めて物品と調査しているということを私知っておりますが、その集めた範囲での購入総額は幾らぐらいになるんでしょうか。
  150. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 現在調査中であるとの報告を受けております。
  151. 黒柳明

    黒柳明君 会社の通常の物品と、交際費で買った贈答品との、買ったものの物品管理の違い、これはどうなんでしょうか。
  152. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 御指摘の点につきましては、会社の業務用の物品は十万円以上のものを固定資産計上いたしております。それから十万円以下のものにつきまして什器等の物品の二つに分けておりまして、それぞれの台帳に記入をし整理をいたしております。なお、交際費で購入いたしました贈答品等は、取得後直ちに消費するたてまえ上、資産経理を行うための台帳を設けて管理をすることはしていない、かような報告でございます。
  153. 黒柳明

    黒柳明君 最後の質問ですが、交際費で贈答品等を購入する場合のその購入の際の購入手続、これはどういうことでしょうか。
  154. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 贈答品を購入する場合の社内手続は二通りありまして、一つは、請求元から物品購入請求伝票を資材部へ提出をいたしまして、資材部が契約して購入するもので、業者からの請求書は資材部を経由し、資材部で資材部長、または額によっては担当役員の押印後経理部へ提出し、経理部から業者に支払われております。  いま一つの方法は、前社長室が直接業者と契約して購入するものでありまして、業者からの請求書に前社長室の室長、または額によっては社長の押印後経理部へ提出し、経理部から業者に支払われる、以上でございます。
  155. 黒柳明

    黒柳明君 郵政大臣、お聞きのとおりです。KDDのこれが答えなんです。  それで、この答えを踏まえましてお尋ねをする。大蔵省の方、それから刑事局長いらっしゃいますか、関税の方と刑事局長さん。  まず第一、この調査の結果、いわゆるこの通関小委員会がこういう答えを出しているんです。会社から贈答品購入の指示はした、だけれども過少申告、脱税の指示はしてなかったと、こういうわけであります。ところが昨日の告発は、いわゆるその三人の現行犯の逮捕と会社告発、こうなったわけですね。そうすると、KDDは確かに購入の指示は会社がやったけれども、過少申告はしろとは言ってないんだといって真っ向から昨日の関税の告発に挑戦してきているわけですな、過少申告したことは指示しないと。こういうことなんですが、大蔵の関税の方はどうですか。まあ変な質問ですけれども、皆さん方が告発された内容、まさか間違いがあったなんということはもう絶対ないと思いますが、KDDの方は過少申告も指示はしてない、会社ぐるみの脱税はしてないと、こういう答えが出てきたんですが、この点、御所見を含めて調査内容、簡単で結構ですけれども報告いただけますか。
  156. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 三名の十月一日及び二日の関税法違反については、情状特に悪質であると認めたので、関税法百三十八条一項により告発を行ったものであります。  なお、具体的なことは詳しくありませんので、御質問に応じて関税の方からお答えをいたします。
  157. 米山武政

    説明員(米山武政君) お答えいたします。  ただいま、三名の社員に対する告発以外に会社告発したのは会社ぐるみあるいは会社の指示があったから告発たんではないかと、こういうふうな御質問でございましたが、会社告発した理由は、関税法の百十七条によりまして両罰規定というのがございます。これは社員が業とし、あるいは会社の財産に関し犯罪を犯した場合には会社もこれを罰する、すなわち会社の監督責任として告発しているわけでございまして、会社のしかるべき者がもし指示したとすれば、それは両罰規定の対象ではございませんで、むしろ共犯として、行為者として告発すると、こういうことでございまして、いまの点は私どもは現段階では会社密輸を指示したという事実は現在のところは調査中でございまして、その点については今度の告発には触れておりません。
  158. 黒柳明

    黒柳明君 そうすると、いまのところの一番最後、会社の贈答品の購入の仕方に二つある。初めの手続はいいんです。どこの会社でも資材部を通る。もう一つの方法は、前社長室が直接業者と契約して購入するもので云々と。社長が押印後経理部へ提出し、経理部から業者に支払われる。そうなりますと、いままで私なんかが、これは前社長室がやっていたんだ、あるいは社長室長が、そして亡くなられた次長が、もしかすると板野前社長だけがと、こういう考えだったんです。ところが、これを見ますと全く違うんですな。全部経理部を通じていますね、いろんな書類が。このことが、それじゃいまおっしゃったような、いわゆるこれは完全な——刊事局長さんの方になるかと思いますけれども——共犯、そういうものでなぜ問われないのかと、こういうまた別の疑問が浮かんでくるんですが、これはいかがですか。まあ関税法違反、要するに脱税で告発されて相当調べられたと思うんですけれども、これは刑事局長にもお伺いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
  159. 米山武政

    説明員(米山武政君) ただいまの国内の関係、私どもちょっとわかりません。海外から購入したものについてでございますが、会社の費用で会社の命令で輸入している事実は明らかでございます。したがいまして監督責任はとっておるわけでございます。ただそれが、買ってこいと言ったことは間違いありませんが、その際、買ったものを脱税の方法で税関を通せと、こういう指示があったかどうか、この点については私どもは現在の段階ではまだそこまで固まっておりませんので告発しておりません。現在その点につきましても十分調査を行っている段階でございます。
  160. 前田宏

    説明員前田宏君) ただいまの点につきましては、いま大蔵省の方からお答えがあったような状態でございますが、御指摘の点は、当然今後の捜査の過程におきまして明らかになることになろうかと思います。いずれにいたしましてもまだ告発を受けたばかりでございますので、現時点では明確なことは申し上げられないわけでございますけれども、御指摘の点は検察当局といたしましても十分意にとめて事に当たるものと、かように考えております。
  161. 黒柳明

    黒柳明君 グラマンのときもロッキードのときも、いわゆる前の刑事局長は、感触なんていうことで相当前向きに御答弁されたんです。まあ、くしくもいま大蔵省の方から、あった、もうそれなら指示すれば共犯だと、このことを踏まえて、いま一番最後の質問に対する答えが出てきた。すべてやっぱり経理部も知っているんです。知っていれば、その金の操作というものはすべて社長室だけの問題じゃなくて、いわゆるグラマンの国会での質疑のように、海部ひとりじゃなかったんだ、いわゆる全部知ってたんだ、こういうことになったわけですね。いわゆるロッキードの構造汚職と同じように。これがまたここでも同じように出てくる。ところが、いま大蔵省の関税のおっしゃったのは、そういうことでの告発じゃないんだと、こういうわけですね。いわゆる指示したということは、要するにもう会社が監督不行き届きなんだ、こうおっしゃったわけでしょう。それならば、この交際費の、疑惑に包まれていますよ、全面はっきりしていませんよ、しかし告発するという脱税がすでにあったわけです。社員の中で。社長室長も。それが全部経理部も知ってたのだ、こういうことを向こうがみずから認めているわけですよ。社長室だけでやっていたんじゃないということを認めているわけですよ。  そうなりますと、感触としまして、これは共犯というんですか、共同謀議というんですか、あるいは経理部長、あるいは前板野社長、これがなぜ告発されないのかと、私たち法律の素人でもこういう素朴な質問が出てくる。こういうことについて、ひとつ刑事局長、これからだ、これからだとおっしゃるこの気持ちはわかりますけれども、こういうKDD内容が出てきたわけですから、それについて感触なりをおっしゃっていただけますかと、こういう質問なんですが……。
  162. 前田宏

    説明員前田宏君) 大変鋭い御指摘を受けて恐縮しているわけでございますが、先ほどもそういう趣旨でお答えをしたつもりでございますが……。
  163. 黒柳明

    黒柳明君 済みません、頭が悪いので……。
  164. 前田宏

    説明員前田宏君) いずれにいたしましても、現段階では、先ほど御説明がありましたような状態で告発がなされたというふうに理解しておるわけでございまして、今後のことは、いま御指摘の点を含めまして十分念頭に置きながら捜査がなされるものと、かように考えている次第でございます。
  165. 黒柳明

    黒柳明君 その質問の三番目なんですけれども、二十七階にある百梱包ぐらい。これに対しての答え。国内外どっちで購入したものか。大半は国内で購入したもののようであるが、詳しくは調査中なんですね。大半国内購入なんです。そうすると、昨日の告発は四年間で五千五百点、これは贈答品ですから贈るためのものでしょう。しかしながら寝ている贈答品もあるんです。あったんです。私の調査では。そうなりますと、大蔵省の、告発して相当調べられたその中において、向こうのいまの調査は、残っている物品は大半国内購入であろうと断定しているわけです。八割か九割かわかりません、大半という言葉ですから。そうすると、海外から購入した五千五百点というものはほとんどない。これについて告発に至るまでの調査の中で、海外から買ったものは贈答しちゃったという感じなのか、あるいはどこかにまだ隠匿されている可能性があるという感じなのか、どっちでしょうか。
  166. 米山武政

    説明員(米山武政君) 昨日告発いたしたものは十月一日及び十月二日の現行犯のみについての告発でございます。それに関する限りは全部あるわけでございまして、しかもいま先生のおっしゃったような点数多くございません。ただ、過去にも相当の回数、相当の金額についてそういう疑いがあるということで、これはまだ告発しておりませんで、これは現在調査中でございます。固まり次第、その内容によりけりでございますが、処置していきたいと、こう考えておるわけでございまして、いまの、過去の分についての現品がどこにあるかというような点についても当然調査を行っております。
  167. 黒柳明

    黒柳明君 刑事局長、そうすると、こういうものは全く捜査してないと、だけれども、こういうものにも触れなきゃできなかったんじゃないでしょうか、告発についても。全然こういうものに触れてないんじゃないですか。この中にあったんですから、物品が。そうでしょう。その裏づけになる書類や何かこれから言いますけれども、これだって全然触れないで、現行犯そのものだけというわけにいかないんじゃないですか。海外のものを私言っているんですから。国内のものじゃないですよ。海外のものがないんです。いまの中には。二十七階には。それがどこへ行っちゃったのか。その海外の中の、特定の日の特定の数点なんでしょう。その特定の日の特定の数点を調べ上げて告発するためには、海外の——四年前とは言いませんよ、相当の範囲というものを調べて、それで贈答先ないしはどんな物を買ってきたか、これを調べなかったら告発にならないのじゃないですか。
  168. 米山武政

    説明員(米山武政君) 先ほど申しましたように、私どもの現在持っている感触といたしましては、相当の回数、相当の金額、相当の物品が搬入されておる。海外から買われ、しかも、ある程度低価申告あるいは無申告で持ってこられる、こういう感触を持っておりまして、ただ非常に時間がかかりますので、とりあえず現行犯の分についてのみやったわけでございまして、その他の点につきましても、従来も相当の調査を行っておりますし、今後も調査を行います。そうしてその内容が固まり次第、その罪状によりまして告発が必要なら告発措置、そういうふうにして、これで終わったわけでございませんで、現在調査中でございます。
  169. 黒柳明

    黒柳明君 これから東京地検刑事局長の出番なんですけれども、この面だけについてはどうでしょうか。海外のものは全くどこにもないんです。現在。贈られてしまったのか、どこかに隠匿されているのか、こういうことも含めてKDDの答えは出てきたんですね、大半はないと、国内であると。それについて刑事局長室はこれから捜査の当面の主役になる立場になるわけでありまして、どういう感触をお持ちですか。
  170. 前田宏

    説明員前田宏君) たびたび同じようなお答えで申しわけございませんけれども、ただいま関税御当局の方からも御説明がございましたように、その他の分につきましてはいろいろと調査中であるというふうに承っておるわけでございますので、東京地検といたしましては税関当局とも十分密接な連絡をとりながら、いま御指摘の点も含めまして鋭意捜査をするということになるものと考えております。
  171. 黒柳明

    黒柳明君 それじゃ、そういう答弁が返ってこないものにしましょう。  五番目です。政・財界に対する——郵政大臣、ここですよ。出番ですからね。贈答品リストはあるか、不明ときているんです。不明。ほかのところは監理官が答えているように全部調査中なんです。調査中。八項目に対して五項目が調査中。一点だけが不明なんです。これは贈答品のリスト。これについて私は言葉を非常に選んだなあと思う。不明ということは調査する意欲がないんです。ほかのは調査中、調査中、調査中。贈答品リストについては調査する必要がないのだと、こういう姿勢ではなかろうか。ところが、いろいろと話題になってますね、つぼだとか政治献金だとか、あるいは定期的な贈答品もあると思うんですね。そんなものが不明であるわけないんです。わかったか、わからないか、答えを出さなければならないんで、ほかの質問に対しては皆調査中なんだけれども、ここの贈答リストは不明となっている。おかしく思いませんか。さらにそれを裏づけるには、その前の質問、物品と何によってこれを照合しているのですか、手元の書類と照合を行っていると、こう言うのです。保田さんという物品管理の責任者、その人が持っていた。経理にあるもの、照合していると言うのです。それぐらいのことをやっている。それぐらいのものがあるんですから、贈答品の定期的なリストなんかないのがおかしい、こういうことです。郵政大臣、これについて、感想でいいですけれども、ひとつ感想をお述べいただけませんか。それでまたもう一点ちょっと質問したいんですが、ないと言うんです。リストが。ないと言うんじゃない。ここだけは不明だと言うんです。
  172. 大西正男

    国務大臣大西正男君) 郵政省といたしましては、いまKDDがみずから経営刷新委員会というものを組みまして、そこで調査を始めておるわけでございます。そこで、その調査の目的の中には、これはまあ贈答品その他の問題につきましても、これが何といいますか、行き先とかあるいはこれに充てるべき金の使途とか、そういったものについては、当然いまの刷新委員会調査がされておるもの、またされるべきものだと考えております。そうしなければ、その交際費その他に使った金の使途というものが明確になってまいりませんから、そこでそういうことをやっておるものと思っておりますが、まだ現段階におきましては、いま事務当局からお答えを申し上げましたように、明確でないということでございます。  そこで、郵政省としては行政機関としてこの監督下にあるKDDに対していろいろの報告を法の許す範囲内において求められるわけでありますが、それは要するにKDDの内部における調査に基づいてそれを受けるわけでございますので、いずれそういうものが出てくるとは思いますが、私どももそれを促進をいたしたいと思っております。もうしばらくお待ちを願いたいと思います。
  173. 黒柳明

    黒柳明君 そこなんです。冒頭に指摘したかったけれど、自民党の先生が最後に決意を聞かれたから……。  それじゃ、現在手元にある書類で物品と突き合わせを行っています——この具体的な実態知らないんでしょう。出るものと思います。やっていますから——出ますか。確信ありますか。出しますか。贈答リストだって不明だという答弁ですよ。聞きましょう、監理官に。この手元にある書類と照合しているというのはどういう状態ですか。現場、知ってますか。知ってるか、知らないか、それだけ。一言だけでいいです。
  174. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 私が現場に出かけまして調べたということではございませんが、報告によりまして現在書類等と、この二十七階の倉庫に運び込まれたと言われております物品につきまして台帳との照合をやっておるというふうに聞いております。
  175. 黒柳明

    黒柳明君 だから、何の書類ですかと聞いている。内容。どういう書類ですか。
  176. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 台帳のようなものと考えております。
  177. 黒柳明

    黒柳明君 何にも知らない。郵政大臣、たばこなんか吸っているときじゃないですよ、真剣に討議しているんじゃないですか。  全然違う。この管理人は保田さんという方でしょう。その方は一両日行方不明でしょう。この方が管理しているわけです。いないからわからない、きのうもおとといも。ところが、いま保田さんが持っていた出金伝票、納入票は全部持っています。会社の方で。それで物品と照らし合わせて足りないものは経理からとっています。それと照合して突き合わせているんです。ところが、突き合わせたといったって品物はわずかでしょう、国内の。国外はほとんどないでしょう。ですから伝票と当然合わない。それをいまやっているんですよ。しかもこの答えにあったように、交際費のものは台帳なんかつくってないとか言ってきたでしょう。台帳がないから全く何を買ったかわからない。わかるのは保田参与が持っていた物品納入票とかあるいは台帳、それと経理に残っているものなんです。ところが、これを全部集めてやっているんですけれども、品物はどこへ行ったかわからない。こういうことをいまやっているんですよ。ですから、これ待っていたって、大臣、何を買ったかなんて出るわけないんですよ。どこに贈ったかなんて出るわけないんですよ。それを冒頭に大平総理は言ったんじゃないんですか。そんないままでの内閣だからだめだから、今度の内閣、郵政大臣はがんばれよと、郵政大臣に与えた綱紀粛正の訓示ですよ、くしくも。また郵政大臣がここに来ても、やがて出るでしょう。そうじゃない。そういうところを、監査権限はなくたって、これだけ国民注視の的の大問題のことじゃないですか。私たちがじかに行ってしかるべくして——名前は言いません。伏せます。いろんなことを聞いてきた。KDDの方に対してそれを教えた。質問書を出した。答えをとってくれた。もう私どもの方は答えはとっくの昔に知っているんです。実態も調べてきた。でありながら、郵政の方はいつか出るでしょうじゃだめ。それを大平大臣は今度はその姿勢じゃだめだと。そんな網紀粛正をいままでやってきた内閣とは違うんだと、こう言っているんじゃないですか、出るであろう、やっているんだから——出ません、こんなものは。何もわからないんですから、物品がどこへ行ったか。それはたてまえかわかりません、本音かわかりません。何やっているかわからないんですよ。だけど、いま言ったこの書類との照合というのはそういうことをやっています。知らない、全然そんなことを。それを私指摘するんです。大平総理大臣の綱紀粛正というのはそれを言った。大臣、どうですか。積極的にやると前白波郵政大臣も言った、選挙中に。当然積極的にこれを解明するんでしょう。解明するからには、いまの大臣の発言のように、刷新委員会をつくっているんですからその答弁を待ちますじゃなくて、どんどん報告を求めなさい。あるいは現場に行ってどんな品物か見たらどうですか。そのぐらいのことは行政の介入にはならないんじゃないですか、どうでしょう。それもやりませんか。出るのを待つだけですか。
  178. 大西正男

    国務大臣大西正男君) 待つのにももちろん限度がございましょう。速やかにこれを調べてみなければならぬわけでございますが、現状におきましては、いま申しますように刷新委員会がいま仰せられましたように調査中でございますので、その調査を待ちたいと、こう考えておるわけでございます。その調査が最終的に近い機会に出て、これ以上はわかりませんということであれば、これはまたそのときに十分対策を考えなければなりませんが、ただ私どもの方は、監督機関とは申せ、これに対する法のいろいろの制約がございますし、本来捜査機関ではございませんし、強制力も持っておりませんので、そういった点の制約がありますことはひとつ御理解をいただきたいと思います。しかし、いずれにいたしましてもきわめて遺憾な乱脈が存在をしたということは十分感得をされるわけでございます。ですから、再びこれからそういう問題が起こらないように対処していくことが大変大切だと思いまして、これに鋭意努力をいたしていきたいと考えておるところでもあります。  以上でございます。
  179. 黒柳明

    黒柳明君 もう一言つけ加えます。  それじゃ、その刷新委員会が近い将来出すかどうか調べてないんでしょう。調べましたか。いつ出すと聞きましたか、報告を。
  180. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 刷新委員会の進捗状況につきましては、刷新委員会ができまして……
  181. 黒柳明

    黒柳明君 いや、最終報告をいつ出すか聞いたことがありますか。
  182. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) めどについても現在確かめております。
  183. 黒柳明

    黒柳明君 いつですか、めどは。
  184. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) まだ現在のところはっきりしためどは報告を受けておりませんが、いずれにいたしましても報告が長引くようであれば十分な督促をいたしまして、場合によっては期限を切って報告を求めると……
  185. 黒柳明

    黒柳明君 その長引くというのはどのぐらいのつもりですか、目安として。
  186. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 物にもよるかと思いますけれども、できるだけ早くと考えております。
  187. 黒柳明

    黒柳明君 だから目安は。通関と交際、この二つに限って。
  188. 寺島角夫

    説明員寺島角夫君) 通関の方につきましては、いろいろ書類が税関当局に行っておるものもすが、いずれにいたしましてもできるだけ早期にということを考えております。
  189. 黒柳明

    黒柳明君 済みません。以上です。
  190. 田代富士男

    田代富士男君 私は、鉄建公団の不正使用の問題について質問を行います。時間に限りがございますから、前回委員会の折には資料がありませんでしたが、今回資料をいろいろもらいまして、私なりにこの資料をつくりまして比率を出しております。この資料持っていらっしゃいますか。渡りましたでしょうか。渡してください。ありますか、この資料。  この資料をもとにいたしまして質問を始めてまいりたいと思いますが、十月二十二日に会計検査院が全国の事態の重要性に臨みまして、異例の措置としまして鉄建公団不正経理についての検査報告を発表いたしました。この表をごらんになっていただきましたら、一番上が五十三年、五十四年度中に支払った旅費の総額、中段が不正に経理した旅費の総額、下段が不正使用の比率の数字を出しております。  この数字から見てまいりまして、部局名でまずまいりますれば、名古屋支社、これは問題でございます。明らかに数字が明確に出ております。また、旅費別でまいりますと、まず件数の一番多いのは現場調査旅費でございます。これは全体の二五・四%、件数が。金額でまいりますれば工事監督旅費、これが全体の三四・七%が不正使用の率でございます。また、測量及び調査試験費、これでまいりますれば、件数が二二・六%、金額が一八・四%、このような数字が出ております。前回委員会ではここまでの数字が明確にされていませんでしたが、私なりにこの数字をつくりかえまして明確に出たのでございます。特に名古屋支社の問題を申し上げましたが、ただいま申し上げました旅費別の件数の平均が二五・四%でございますが、名古屋支社は三五・八%、また、測量及び調査試験費が平均では二二・六%でございますが、これは五十三年が六三・九%、件数が六三%しまして四七・二%、半分でございます。ただ単に金額だけを見ていたならばこのような実態というものがわかりませんが、不正使用の比率を出したときに私も愕然とした次第でございますが、今回新任の運輸大臣、また総裁がいらっしゃいますが、そのためにこの表をお差し上げしてありますが、いかがでございますか、私がいま申し上げました数字をお聞きになりまして。
  191. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) いま初めて拝見したわけでございますが、まことに申しわけない次第と存じておるわけでございます。
  192. 志苫裕

    委員長志苫裕君) この表を初めてといっても、会計検査院からこれは報告になっているんですよ。いま初めてという答弁はないでしょう。
  193. 山地進

    説明員(山地進君) 田代先生のおっしゃるように、会計検査院の二十二日の中間発表の際、この詳細な数字を私どももいただいております。ただし、こういう不正比率を並べて検討するということを私どもとしてまだやっておりませんでしたので、本日拝見いたしまして、非常に詳細な御検討を進められているということに対しまして大変私ども恥ずかしい思いをしております。
  194. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 私、就任いたしました直後にいろいろ事情を聞いてみますと、いま田代先生の御指摘のように、名古屋支社において非常にこの種の不正支出が多いということは確かにございます。それで、内容についてはいま検討をしておりますが、午前中にも答弁をいたしました今後の処置の場合にこれを反映させてまいりたい、こういうふうに考えております。
  195. 田代富士男

    田代富士男君 運輸大臣、ただいま委員長からも御指摘がございましたが、私は事前に質問の通告をしております。で、初めてこういう数字を見るなどと、そういうような姿勢では解決になりませんよ。私は会計検査院からいただいた書類を私なりにこれをつくったわけなんです。そうしてその実態をいま明らかにして、このすごさというものをいま数字で、比率で出したわけなんです。その比率において、実にいま名古屋支局の場合の例がありましたとおりに、三分の二の件数で、半分近くの金が使われていることも見抜くことができなかった。この実態というものを知っていただきたい。恥ずかしい思いであるといま申されたけれども、それを指摘しているんです。  それと、今度は、公団独自で調査をされました書類をいただきました。これも時間があれば公団に聞きますが、会計検査院からは表一、表二、表三と出ておりますが、すなわち使用の内訳というものがこの鉄建公団からは出ておりません。これは時間がありませんから割愛しますけれども、この表を用意しておりますから、この鉄建公団の表でいきますと、これまた東京支社のこういう不正使用率が非常に高いんです。これはトータルで申し上げますと、東京支社の率が件数でいきますと五十三年が一六・二%、五十四年が一一・三%、平均で一四・七%、それから金額が五十三年一五・八%、五十四年一三・二%、平均一五・二%と、このようにこの平均が高いんです。    〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕 それからもう一つ、この数字をごらんになっていただいたらおわかりのとおりに、五十三年度と五十四年度と出ておりまして、五十四年度の使用件数、使用金額というものは、まだほんの年度に入っただけの月日でございます。にもかかわらず、五十三年度は一年を累計しました件数、金額の比率が出ておりますが、それとほぼ同数のこういう数字が出ております。これは、もし今回この問題がこういうふうに国会で問題にされてなかったならば、昨年に増すところの不正使用率の件数並びに金額が出たと見ても間違いないと思うんです。グラフに書けばなおさら明らかでございますけれども。こういう点につきまして会計検査院はいかがでございましょうか。予測でございますけれども、傾向性から見ましたら。
  196. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 御指摘のとおり、もしこの問題についての追及が行われなければ同じような金額で出たと思います。れましたように、グラフにしようと思いましたが時間がありませんでしたが、もうこの二年間を見ましてもこのような数字が出ている。会計検査院も明確に申されましたとおりです。  それから、こちらが公団資料をつくった分です。こちらが会計検査院資料でございますが、これでいきますと、会計検査院検査によりますトータルの金額は全体の二〇・五%になっておりますが、この鉄建公団が独自で調査をされました金額は二・一%です。    〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕 件数を申し上げますと、件数は会計検査院は一三・二%、鉄建公団独自は九・九%。このように同じく調査をされながら、端的に申し上げますと、一一・一%対二〇・五%という会計検査院は倍近くの不正率が出ているわけなんです。ということは、裏を返せば、鉄建公団は身内の調査でありますから手かげんが加えられたとみなされても間違いないのではないかと思うんです。この点はどうであるか。  それと同時に、会計検査院におきましては使途不明金が明確に出されておりますが、鉄建公団の場合は使途不明金がない。同じ仕事をやっている個所でありましてこの個所だけないということはおかしい。こういう面におきまして、私はこの鉄建公団が独自に出しました数字というものは、実態はこれ以上の数字があると思いますけれども、この点に対しましてはどうですか。運輸大臣総裁、時間がありませんので簡単にお願いします。大臣からお願いします。
  197. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 現在調査中で、まだ検査院との間で符合がしないところがあるようでございますが、さらに調査を進めて符合させなければならない、かように考えております。
  198. 田代富士男

    田代富士男君 私が言っている趣旨は、符合する符合しないという趣旨とは違いますよ。鉄建公団調査をしました数字というものは一一・一%、会計検査院調査をしまして出しました金額は二〇・五%と、これだけの違いがある。だから鉄建公団は身内の調査ではないか。その一つの例として、使途不明金が会計検査院には明確になっているけれども鉄建公団では出されてないというのはおかしいではないか。これが調査中とか何かじゃ……。数字が明確に出ているから言っているんじゃないですか。理解できないですか。
  199. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 御指摘のとおりのこともあると思いますが、あるいは甘いというような御判断かもしれませんが、いまのような御指摘につきましてさらに調査をさせたいと思います。
  200. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) ただいま御指摘のとおりに、会計検査院が出しました数字と、当公団の特別委員会で調べた結果が二〇と一〇という数字になっていることはよく承知しております。この件につきましては、前委員会におきまして川島前総裁からも御答弁しておりますが、この資料を会計検査院の方に提出いたしまして現在精査をお受けしている最中でございますので、結果が出ると多少変わってくるかと思っております。
  201. 田代富士男

    田代富士男君 会計検査院、いかがでございましょうか。時間がありませんから簡単で結構です。
  202. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいま各支社別に二名から四名の調査官を充てまして、今週の月曜日から確認に入っております。資料が非常に膨大でございますので、相当確認には日数を要すると思いますけれども、厳密に調査してまいりたいと思っております。
  203. 田代富士男

    田代富士男君 それから、鉄建公団が三十九年に発足以来、旅費の決算額を調べてみました。普通旅費、現場調査旅費、工事監督旅費、これはそのままの数字が出ておりますが、測量及び調査試験費と、この金額の中には年度によりまして旅費の占めるパーセントが違います。いただきました資料が五十二年度は八・一%の金額の旅費でございまして、五十四年度は二二%のパーセントを占める旅費の金額でございます。そこで、単純計算をいたしますれば、平均をとりまして一五%が旅費であるとみなして、過去五年間こういうことが行われていたということを計算をしてみましたら、推定総額でございますが、実に旅費の総額は八十七億二千二百七十七万二千円でございます。その中で不正使用の推定総額は十七億八千八百十六万八千円でございます。これが過去十年にさかのぼりますと、旅費の総額が百四十億四万八千円でございます。推定不正総額は二十八億七千一万円でございます。三十九年発足以来計算しますと、百六十六億八千七百七十万七千円、推定不正総額は三十四億二千九十八万円、ざっと概算、計算しまして、推定でございますが、これだけの莫大な不正なお金が使われてきた。もしも看過していたならばどうなっていたのか。いま新内閣発足と同時に行政改革のメスが入れられようとしておりますけれども、こういう数字は看過するわけにはいかないと思うんです。  また、同じことでございますけれども運輸大臣、この数字に対してどのようにお考え、また対処しょうと思われるのか、総裁と両方からお尋ねしたいと思います。
  204. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) いま推測を含めての御説明でございましたが、まことに厳しい問題でございます。先ほど来お答えを申し上げておりますように、責任者の処分、あるいは監督官庁であります運輸省の事務次官の処分を初め、三年間さかのぼってそれぞれの責任を問うておるわけでありますが、今後の問題については十分このようなことのないように進めてまいりたい、かように存じておるわけでありますが、何分にも、最近このような事態が発生したということで、鉄建公団と相談しながら今後の解決を図っていきたい、かように存じておる次第でございます。
  205. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) ただいま田代先生から御指摘がございました測量及び調査試験費に関する旅費でございますが、これは、実は私も技術屋でございますからある程度承知しておりますが、そのほかの普通旅費、現場調査旅費、工事監督旅費、この三つにつきましては本社で配賦基準を決めて配賦しておりますが、これは旅費の区分をせずに配賦しているという問題もございまして、実際には現場の局長または支社長が必要に応じて立案して旅費にするという性格のものでございます。  この辺につきましていろいろ問題点があるということは、私も従前から多少心得ておりましたが、今度の経過を見ておりますと、この点に非常に問題があるということでございますので、今後の対策といたしまして、これを規制するという方向で処理をしてまいりたいと思います。
  206. 田代富士男

    田代富士男君 これは大蔵大臣にこういうことを聞いてはなんでございますが、大臣就任のときのテレビを私も見ておりまして、こういうことに対して厳粛に取り組んでいくというそういうお話をなさっていらっしゃいましたが、私はいま時間がありませんから急いで数字を述べて申し上げました。そうして最後に、推定額でございますが、発足以来金額は、推定といいながら、ほぼこれに近い金額が不正使用されていたことは間違いないと思うわけなんですけれども、こういうことは根本的に行政改革をやろうとする大平内閣としてやるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  207. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 確かに政府機関、特殊法人というものは、それがやや事業経営的に能率的に行うべきものをあえて特殊法人としてつくっております。それだけに、またそれがイージーに流れやすい面もあったと思います。したがいまして、本日田代委員から御指摘になりました、これは大変ありがとうございました。このお話の趣旨を踏まえまして、私は技術的にはいかにして査定すべきかということは定かに知りませんが、精いっぱいこれに対応していきたいと思っております。
  208. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ、大いに期待をしたいと思います。  そこで、時間もありませんから飛んでまいりますが、いま鉄建公団の問題を取り上げましたが、この問題が、公社、公団、環境庁、総理府その他、御承知のとおりに、いろいろな中央官庁に飛び火をしております。ここにおきまして、公務員につきましては私がいまさら述べるまでもありませんが、待遇あるいは年金の水準、こういうことも民間と比べますれば優遇された立場にあるのではないでしょうか。これは公僕としての使命を厳しく果たすための、そういうための代償であると、このようにとるならば納得できる面もございますけれども、現状のままの実態でありますならば、これは私を初め国民の皆さんは当然承知するわけにはいかないじゃないかと思うんです。それに対しまして、運輸省、大蔵省にはこれもお聞きしたいと思いましたが、時間がありませんので割愛しましたけれども、それぞれ委員会等をつくっていらっしゃいますけれども、自主的な綱紀粛正をまつだけではこれは解決できないではないか。そういう意味から各省庁は経理の自己切開をやるべきじゃないか。また法的にも公開を義務づける、そして国民にその使途を明確にする、このようにやらなくてはならないではないかと思いますが、官房長官御出席でございますから、中央官庁にまでも飛び火したこの問題、また、ただいま私が数字を示しましたけれども、あわせまして、どのように今後国民に納得できる対策をするのか、お示しいただきたいと思います。
  209. 伊東正義

    国務大臣(伊東正義君) いま田代委員から御質問がありました点はまことにそのとおりでございまして、鉄建公団不正経理を初めとしまして、環境庁の問題でございますとか、いろいろ不正経理があるわけでございます。これは本当に弁解の余地がないのでございまして、こういうものが出てまいりますと、納税者の国民の皆さんの行政に対します信頼が失われる、まことにゆゆしいことだと私は痛感しております。今度の内閣の組閣に当たりましても、綱紀粛正と行財政の刷新ということにつきまして総理から一人一人大臣に強い指示があったわけでございまして、初閣議におきましてもこれを取り上げて訓示をされたということでございまして、大平内閣としては、この綱紀粛正あるいは行財政の刷新ということにつきまして最大の努力をしていくつもりでございまして、各省庁に具体的な問題をいま早く検討するようにということを指示しているところでございます。内閣としては、この問題がいろんな政策——インフレでございますとかエネルギーの問題でございますとかいろんな政策がございますが、その前の一つの政治姿勢としてしっかりこれに取り組むということでやってまいりたいと思っております。
  210. 田代富士男

    田代富士男君 まとめて御質問したいと思いますが、公明党は、政治腐敗防止策といたしまして、五十四年の六月に、政府関係機関等の融資先及び国、公社等の委託先につきましても会計検査院調査権限が及ぶよう院法の改善を提言したのでございます。これは御承知のとおりかと思いますが、政府が財政の効率的な見直しに手をつけよべともせずに、先日の選挙戦以来、赤字のツケを大衆増税という形で国民に押しつけようとしている今日でございますけれども、国民はこういうことをやったならば納税意欲を失ってしまいます。そういう意味から、国民の皆さん方にもわかりやすい姿勢を示すためにも、行財政の効率運営を期するためにも、会計検査院の強化を図っていかなくてはならないと思いますが、会計検査院の忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと思います。  それから官房長官にもいまのことをお願いしたいと思います。  それと、六月の四日、衆議院の決算委員会におきましてわが党の林委員が質問をしておりまして、会計検査院が内閣に提出しました院法改正案要綱につきまして、大平総理はその取り扱いについてみずから高度の政治判断を下されております。ここに会議録を持ってきておりますので、時間があればこれを読みたいと思いましたが、時間がありませんので省略をしますが、この取り扱いについて政府はどのようになっているのか、これは官房長官から御答弁いただきたいと思います。  それから最後は大蔵大臣でございますが、ずさんな予算査定を徹底的に手直しをしてもらいたいと思うのでございます。まあサマーレビュー、予算のぜい肉落としということで作業を進められておりましたけれども、まだこれが国民の前に公開をされておりません。だから、この機会にいままでのような密室陳情型の予算編成のあり方を改めるべきではないか。ただいま強い姿勢を示されましたけれども、そういうお考えはどうであるのか。また大蔵省や一部の省庁のお互いのそういう宴会によりまして予算を取るというようなことが言われておりましたけれども、こういうことは断じて許すべきではない。だから、政府はチープガバメントの公約実現に真剣に取り組んでいかなくてはならないと、私はこのように思いますが、大蔵大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  211. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) 私どもは現在の行財政の状況から見まして、従来にも増して会計検査院の職責というのは非常に重大であると考えておりまして、今後とも熱意を持って検査に当たっていきたい考えであります。昨年の参議院の御決議にもございましたが、会計検査院検査機能の充実につきましては、定員あるいは検査活動費、そういったものにつきましても今後十分に努力をしていきたいと考えております。  なお、御指摘のありました検査院の権限の拡大のうち、政府関係機関等の融資先に対する調査権の拡大の問題につきましては、すでに御承知のように、検査院としましては一応の考えをまとめまして、これを内閣にお示ししまして、さきの衆議院の決算委員会の総理の御答弁にもありましたように、現在内閣におきまして調整、検討をしていただいているところでございます。
  212. 伊東正義

    国務大臣(伊東正義君) いま御質問のありました点でございますが、私ども予算の適正執行ということにつきまして、綱紀粛正の問題とあわせて、これは厳重にやらなければならぬのでございます。いま検査院長がおっしゃったとおりでございますが、私どもとしましては検査院にしっかり検査をしてもらうということと同時に、各省庁が、自分たちが税金を使っているんだから本当に厳格にやらなければならぬという気持ちをみんなが持たなければ、これはだめなんでございますので、検査院で厳格に検査をしていただくと一緒に、公務員の方で予算の執行については本当に厳格にやっていく、綱紀粛正を守って刷新をしてやっていくということの気持ちをみんなに持ってもらうようにということで総理から各省大臣にお願いをしているところでございます。  それからもう一点の検査院法の改正の問題でございますが、参議院の決算委員会で総理が答弁しました後に、六月の十二日でございましたか、内閣官房が中心になりまして、検査院、各省庁、関係者みんな集まって協議をしたことがございます。議論はなかなか並行的で、結論が実はまだ出ておらぬのでございます。出資先まで検査を受けるということになれば、政府が助成をしていこうという政策の執行にどうも十分なことでないようなことが起きやせぬかというような意見も中に出たりしまして、まだ両者の意見が一致しておらぬというのが現状でございますので、そういう段階でこの法律を出すというわけにはいきませんので、いままでそのままになっておるわけでございますが、私も今度かわりましたので、ひとつこの問題について、またどういう結論を出すかということで関係省と検査院の方と協議をしてみたいというふうに思っております。
  213. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 御指摘のように、極力圧縮、合理化をいたしまして、おっしゃいましたチープガバメント——簡素にして効率的な政府、こういうふうにこの間から定義づけをいたしております。テープと申しますと何だか安っぽいという印象になってもいかぬという趣旨だろうと思うのでありますが、そういう簡素にして効率的な政府というものの実現に努めてまいりたい。  なお、サマーレビューの問題はいわば予算編成の地ならしと、こういうことでございます。したがって、その地ならしはそれなりの効果を上げておると確信いたしておりますが、地ならしでございますから、成果が出るのは、ごらんいただけるのは政府案そのものができたときと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  214. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それでは新しい事態を迎えておりますので、最初にKDDに関連をいたしまして法務省に若干お聞きをしたいと思います。  昨日、東京税関佐藤陽一前社長室長を初め三人の社員とKDD本社を関税法違反及び物品税法違反容疑で東京地検告発をされました。  そこで、刑事局長にお聞きをしたいのですけれども告発前から数日来接触をしていたというふうに言われておりますが、それは事実なのかどうかということ、及びそれでは捜査の現状というのはどういうふうになっているのかという点ですね、それを最初にお聞きしたい。
  215. 前田宏

    説明員前田宏君) お尋ねの点でございますが、新聞等によりますと、事前に法務省も含めまして協議会というようなものを持って協議したかのような報道も一部にあったように思いますけれども、実はそういうことではございませんで、東京税関の方から検察庁の方に告発をされるについての事務連絡と申しますか、そういうことを現地間でと申しますか、そういう関係で手続的な面で協議をしていたということでございます。
  216. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、関連をいたしましてお聞きをしたいのは、社員三人の告発にとまっているわけですが、もちろんKDD本社自身をも告発している点から見まして、これはすでにいろいろな角度で質疑も出ておりますが、最も中心的な役割りを果たしたと見られておる板野前社長を初め上層部に対して重大な関心を法務省としては払っているのかどうか、その点についてお聞きをしたいと思います。
  217. 前田宏

    説明員前田宏君) 昨日の告発のことにつきましては、先ほども大蔵省の担当局長の方から御説明があったところでございまして、私どもも同様に理解しているわけでございます。いま委員指摘の当面の三人以外の人に対する関係でございますけれども、これは先ほども御説明がありましたが、何分にも現段階では三人の告発という状態でございまして、そこにとまっておるようなことでございますけれども、いろいろと新聞等でも報道がされておりますこともありますし、また当委員会においてもいろいろな御議論があろうかと思いますので、その点につきましては検察当局といたしましても十分頭に置いてそれなりの対処をするだろうと、かように考えております。
  218. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、今度の告発は関税法違反と物品税法違反容疑ということになっておりますが、すでに今日の事態を見まして、国民の疑惑というのは、これは政官界を巻き込む一大疑獄ではないかというところまで疑念が広がってきているわけでございます。そういう点で検察の認識はどうかと、その点はどうですか。
  219. 前田宏

    説明員前田宏君) 同じようなことの繰り返しになろうかと思いますけれども、非常に事務的なお答えのようになるかと思いますが、事件といたしましては、昨日御指摘のようなことで告発を受けたばかりでございます。で、先ほど申しましたように、いま御指摘のようないろいろな疑惑と申しますか、そのようなことが報道等もされておるわけでございますので、その点はそれなりに受けとめておるということを申し上げるしか現段階ではないわけでございます。
  220. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、刑事局長に一般論としてお聞きをしたいんですけれども、国会議員や役人に金品を贈ると、たとえそれがお歳暮だとか、あるいははなむけだとか、せんべつだとかという儀礼上の名目のものとか、あるいは政治献金の名目であっても、これは贈賄罪が成立すると考えられますけれども、法務省の見解はどうでしょう。一般論ですよ。
  221. 前田宏

    説明員前田宏君) 一般論ということでのお尋ねでございますけれども、一般論といたしましても、賄賂罪が成立するかどうかということは、いま御指摘もございましたけれども、その金品授受の趣旨が何であるかということにかかっておるわけでございまして、儀礼上のものであるとかあるいは政治献金であるというようなことが果たして賄賂罪になるかどうかということは、過去の例におきましてもいろいろと見方の相違もございますし、判例でも有罪になったのもあり無罪になったのもありというようなこともございますわけでありますし、事実認定上あらゆる角度から検討いたしませんと確定できない非常にむずかしい問題であるわけでございます。ですから、いま仰せのように直ちに賄賂罪になるというわけにはまいらないわけでございます。
  222. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 時間がありませんので、その問題についての論議は別の機会に譲りたいと思いますが、実は私、KDD関係につきましては、十月二十九日の逓信委員会で幾つかの政治家との絡みの問題を指摘してきたのですけれども、続いて園田前外相のKDDの工事受注にかかわりあるという深い疑惑が出てきているケースもあるわけでございます。で、いま私はこの問題をここで追及しようと思っておりませんのですが、そういう問題も出てきているというところでございますので、やはり政治家との癒着の解明というのが今日の事態の中では非常に大きなかぎであると思うわけでございます。  で、告発をされて検察が乗り出される、そうなりますと、一定の解明も進むけれども、一方では、ある点ではもみ消しが起こるんではないかというような疑いも残念なことに国民の中にはあるわけでございます。したがって、第二次大平内閣の基本姿勢からいいましても、こういうことというのは、国民の疑惑というものを解くという立場で解明をするということが国民的な要求にかなうやり方だと思うんですが、そういう点で検察にはその国民的な要求にこたえる立場で対処していただきたいと思うのですが、決意を伺っておきたい。
  223. 前田宏

    説明員前田宏君) 先ほど来いろいろな御指摘を受けておるわけでございますけれども、この事件につきましてはまだ告発があったばかりでございまして、今後これがどのような運びになりますか、将来のことでもございまして予測しがたいところでございます。したがいまして、具体的にどのようになるかということはお答えいたしかねるわけでございますが、いろいろと御指摘もございましたように、また国民の皆様方の関心もいろいろとあるということは十分認識しておるつもりでございます。  ただ、やはり刑事事件でございますから、証拠関係等がそろいませんと、やれるかどうかということがやはり限度もあるわけでございまして、それなりの限界というものもあるわけでございますけれども、ただいま御指摘のようなもみ消しとかいうようなことにつきましては、検察当局といたしましてそういうような影響を受けるというようなことは従来からもないわけでございまして、よく申すことでございますけれども、厳正公平な立場を堅持して事に当たるというふうに考えております。
  224. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それでは、問題を変えまして会計検査院にお聞きをしたいと思います。  検査院にお聞きをしたいのは、ことしの二月二十八日の衆議院予算委員会分科会でわが党の東中議員の質問で、電電公社の職場で大変乱脈なことが起こっているということで、出勤扱いでゴルフ通いを幹部がやったり、自動車教習所通いをやったり、カラ出張をやったり、タクシー券の乱発、接待等々の項目を挙げて質問がなされました。その後検査院は五月の十一日から十七日まで検査に入られたということでございますが、その検査の結果の報告を簡潔にお聞きをしたいと思います。時間が限られておりますので簡潔にお願いしたい。
  225. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 御質問の、東中先生の御質問に対しまして、直ちに私、先生からただいまお話がございましたように、五十四年五月十一日から十五日までの間に職員四名で検査を実施いたしました。これは特にゴルフ関係とかカラ出張の事実は発見できませんでした。なお、タクシー券の乱用についての問題でございますが、これは非常に管理がずさんでございまして、どういうように使ったのかという使途について全くわかりません。こういうような状況でやられておりますと非常に乱脈に流れるということが判明いたしました。その結果、これを適切に行うように指示したわけでございますが、これは電電公社として今後そういう関係書類をすべて残しておく、それから一々の使用については厳密に審査をして適切に行うという処置を講じまして現在に至っております。  それから次に、管理職が不正に料亭を使用して飲食していたという問題でございますが、これにつきましては、実は私どもの方で調査いたしましたところ、特に、これも豊崎電話局でございますが、全日空等の大口加入者などと通話完了率の向上について打合会を五十三年度中に九回行った、九十九万五千八百六十円を支出したということになっておりまして、これらについて検査の際、決済書、請求書、領収書等関係書類をすべて調査いたしましたところ、それがそれぞれ符合いたしておりましたものですから、実は私どもとしては特に問題がないということで検査の結果報告を受けました。  しかし、先般、先生から、あれはすべてつくられたものであるという御指摘がございまして、再度私の方で徹底して調査をいたしました。その結果、そういう外部との関係のものについては全く事実と違うということが判明いたしました。まことに検査として不備があったことは遺憾に存じます。その金額等については相手方に適切に払われてはおるんでございますが、実際の会議内容が、部内でやったのをあたかも外部の者とやったように作為してございました。これは当然会議費でございますので、部内でやりましても支弁できるものを、あたかも外部とやったようにして整理するのはまことに適切な処置とは考えられませんので、厳重に電電公社に注意を申し上げた次第でございます。
  226. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、時間の関係がありますので、一つずつ全部お聞きすることができないのですが、ちょっと電電公社にお伺いをしたいんですが、部外折衝費を使って行ういわゆる会合ですね、こういう会合というのは大体一日のうちで午前中に開くのですか、午後に開くのですか、夜開くのですか、ちょっと聞かしていただきたい。
  227. 小澤春雄

    説明員(小澤春雄君) お答えいたします。  部外折衝の場合ですと、おおむね昼からあるいは夕刻あたりに関係の方々に集まっていただいて、その用向きによっていろいろと御説明をしたりあるいは御意見を承ったりすることになると思います。
  228. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 用心して夕刻とおっしゃるんだけれど、大体、電電公社などが官公署とか大口加入者と相談をするというのに夕刻からやるというのは、夕刻になったらそこの先はいわゆる執務時、間が過ぎてしまうでしょう。やっぱり仕事としておやりになるんだから、当然午前とか午後の時間におやりになるというのが通常じゃないかと思うんですね。私ども大阪で長い間地方議員をやっておりましたけれども、そういった折衝などというのは大概午前中、ときによってどこかの都合で午後二時ごろからというのが通例でございまして、そういう事務折衝というようなものはそういうのが通例だと思うんですが、おたくはそうじゃないんですね、それじゃ夕刻もあるんですね。
  229. 小澤春雄

    説明員(小澤春雄君) ただいまの先生のお尋ねは、この部外折衝のやり方の問題でございますが、たとえば工事等で地元の方々に御理解を得るとか、そういう場合には、むしろ夕刻から夜にかけてお集まりいただくとか、そういうことがございます。
  230. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そこでひっかかっていると時間がなくなりますので……。  この前、会計検査院調査をされた御報告を承って、それを実は私も調べてみたんです。そうしますと、五十三年三月二十日「てっぱん」と書いてある。十六人。それから七月二十一日の「くみや」、十六人。十二月十八日「てっぱん」、十六人。その三月のが全日空との打ち合わせ、それから七月のは阪急交通と電鉄ビル、それから十二月のは公衆電話会と、こういうふうに検査をしてこられたという報告を伺いました。そこで調べてみたんですが、これはいずれも十六人だから同じ値段になっていてもおかしくはないんですが、どれもが十三万一千八百八十円で、みんな同じ金額だというのがちょっと一つ不思議です。  それで、もう一つは、集会の相手先に聞いてみたんですね。七月の「くみや」で十六人の相手先というのは阪急交通でございますが、私の方が調査をしてみますと、阪急交通の総務課長さん、岸本さんとおっしゃる方ですが、接待については総務が全部掌握をしているが、こんなことは応じたことがないし、応じるはずがない、そういうシステムにはなっていないということで全く無関係だということを先方で言われたわけでございます。  そして、さらに不思議だなと思って調べていったら——「てっぱん」というのはどういうところかなと思って、実は大阪ですから私、見に行ったんです。そうしますと、これは間口が一間半か二間程度の割烹、小料理屋さんなんですね。ですから、お隣にはスナックがありますし、周りはネオンが輝いておるというようなところで、サウナのネオンもあるというような場所でございます。しかも、そこは会合をする場所とはおおよそ違いまして、一階も二階もカウンター式の飲み屋でございます。仕事が済んで、ちょっと帰りに一杯飲みに寄るには大変好都合なところでございます。そこで全日空や阪急交通と事務打ち合わせをしたと。まあ会計検査院書類審査でございますから、現地を調査されるということはないので書いたのかもわかりませんけれども、そういうことなんです。それで、実は私が見に行ったのは昼過ぎに行ったのです。ところが、そこの店は夕刻からしかあかないんです。だから、午前や午後ではこんな会合はできるはずがない。  それから、「くみや」というところは、これは豊崎の局のちょうど裏側にひっついたような三階建ての喫茶店兼レストランです。一階と二階はボックスがありまして喫茶店ですけれども昼は軽食を出す。ところが、二階、三階は午後の五時から十なっているんで、いわゆる部外者との折衝の会議、事務打合会議などのできるという状況ではない。むしろ私どもが見たら、事務折衝しなきゃならぬということであるならば、近くに、あそこには東洋ホテルとか三井アーバンホテルかな、わりと新しい小ぢんまりしたホテルなどがあるので、もし会議場所がないのならばそういうところをお使いになってもよかったんではないかと思うわけでございますが、こういう状況なので大変不思議な気がした。  第一、昼の会議——領収書ども実は私入手をしてみて驚いたんですが、昼の会議に酒三十二本、ビール三十二本と、ちゃんとこれ三つともそうなんですよ。それで十三万一千八百八十円と、こうなっているんですが、そんなことがあろうはずがない。昼日中から、あるいは午前中の打合会から酒二本とビール二本ずつ飲んで会議をするというようなことはちょっと考えられへんのですけど、電電公社、総裁どうですか。おたくでは部外折衝というのはこんなやり方をやってもよろしいということになっているんですか。
  231. 小澤春雄

    説明員(小澤春雄君) ただいまの件でございますが、検査院の方からお話がございましたように、五十三年度中の豊崎電話局の九件のいま先生お話しの件は、これは名目上の書類をつくりまして、そして実際には電話局の局長あるいは課長が業務上の必要で、たとえば「くみや」という電話局の近くの店の三階の部屋を使って、おおむね時間過ぎにいろいろと業務運営上の打ち合わせをしたというようなことでございます。
  232. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうしますと、部外折衝という名前で部内で使うておった、で、局長管理者が自分たちで、夕方になったら、職員も一緒にでしょうね、飲み歩いていたお金を電電公社の会計から支払いをさしていた、こういうことですか。
  233. 小澤春雄

    説明員(小澤春雄君) 実は私ども、この実態の調査をいたしまして非常に残念に思ったことでございますが、電電公社は創業以来、企業会計制度、収支率制度という制度をしいておりまして、それから地方分権制度というものを非常に進めて定着   しておりますので、先ほど検査院からもお話がございましたように、仮に部内者であっても業務上どうしても必要なものならば、それを書面にあらわして支出すればいいというふうになっておるわけでございます。  この電話局ではそれをやりませんで、いま言ったように、外部の方の名義を使って書類をつくって、それによって業務上の打ち合わせをしたということ、これはどういうわけだということで非常に詳しく調べたんでございます。そうしましたら、大分判明してきましたのは、この豊崎という電話局は、業務運営上非常に複雑な、職員などもまとまりが悪い、非常に管理の困難な電話局でございまして、歴代の電話局長がその管理体制といいますか、業務運営を円滑にするということにいろいろ努力をしまして、その電話局長も、そういうことで管理者を集めて、いろいろと、ひとつ大いにこの局をしっかりやろうじゃないかということを相当回数多くやっておったと、こういうことでございました。
  234. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 ちょっと検査院にお聞きしますけれども、とにかく九件か十件か知りませんが、私ども調査でも五十三年度中はそのくらいあるようですね。「てっぱん」や「くみや」やいうて平素行きつけのところの領収書をもらうてきて、会いもせぬような人たちの名前を会合の相手方に見立てて、こういう領収書をこしらえて公社の経理で支払いをさせるということは、会計上適法ですか適法でないですか。
  235. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) まことに不適切な行為だと思っております。
  236. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、いまあなたもおっしゃったけれども、あの豊崎というところは労務指定局だと言われているんですね。労務指定局かどうか知りませんけれども管理者指定局にせにゃあかんですよ、こんなむちゃくちゃな。自分らの飲みしろを、やりもせぬ会合をちゃんとセットして金だけ払わせるというのは——金だけ払わしているというのは、ここへ払うているかどうかわからぬですよ。そこまで私は調べてこなかったけれども、やってないんだからここへ払うはずがないんです。  だから私が言いたいのは、電電公社の監督局ですか、何にもなかった、なかったといって報告に来てくれたけれども、もう一遍ちゃんと、この使うた金はどうしたんやと、こうしてつくり出した金、やってない会合ですがな、その金の使途はどういうふうに使うたんかということをきちんと監査をやり直すべきです。  それから、会計検査院に言いますが、もう時間がないので詳しく言えないんですが、こういう不適切なやり方がまかり通るというシステムというのは、非常に私は不安だと思うんですよ。国民生活に非常に深いかかわりがある公共事業ですからね。恐らくこんなことが電電公社全部でやられているんだとは思いませんが、こんなことがぬけぬけとまかり通ることのできるという、やっぱり組織自体が問題だと思うんですよ。  それで、検査院に言いたいのは、検査院は眼光紙背に徹するように検査をしておられるようですけれども、実はなかなかあなた方の検査も思うようにいかないだろうと思っているわけです。と言いますのは、これは電電公社に聞きますが、ことしの四月十七日、十八日に北地区管理部管内の会計係長会議を開きましたか。
  237. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 沓脱委員、もうそろそろ時間ですが……。
  238. 小澤春雄

    説明員(小澤春雄君) 会計係長の打合会議が開かれました。
  239. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 委員長、もうちょっとですから、済みません。  そこの会合で、ここでは四十人余りの集会だったんだそうですけれども、「会計担当係長会議資料」マル秘ということで「支出証拠書類等の取扱いについて 五十四年四月十七日 会計課」という書類が配付をされたというように私どもは情報を聞いております。それによりますと、これは大変なもので、どない書いてあるかというと、支出の証拠書の取り扱いは一般分と別とじと二つつくると書いてある。とにかく二つの書類をつくれというふうにちゃんと書いてある分には——もう時間がないんで細かく言いませんが、職員給与、それから賃金、それから印刷費、部外折衝費、これは秘の書類と一般の書類とを二つつくるということが明確に書いてある。そういうように指導している。そういった説明書の中に、「次の処理要領等については、提示しないこととし、対検査院用については、別途作成することとする。」というように明確に書かれているんです。  これは細かく申し上げると大変おもしろいんですけれども、たとえば「支出証拠書の保管については、外見上見えない鉄庫等に保管し、前々年度以前のものについては、ダンボール箱等に入れ、倉庫等に収納する。」ということなど、とにかくこれを読みますと、会計検査院がおいでになるということになりますと、前もってちゃんと二重に帳簿をつくってしまうという段取りになっているわけです。これは御存じですか。
  240. 小澤春雄

    説明員(小澤春雄君) 先生からお知らせを受けまして初めて知りました。
  241. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、こういうことをやっておりますと、これはもう会計検査院がどない眼光紙背に徹する検査をなさろうとしても事態はつかめませんよ。たとえばカラ出張の問題あるいは出張扱いでゴルフ行きの問題、あるいはタクシーの問題などなどについても、私もう時間がないから申し上げませんけれども、これは見に行っても二つあるのだったらわからぬはずですね。こういうことが助長されますと、総裁、いま大問題になっている鉄建と同じような誤りを犯すおそれが十分出てくると思うんです。  私は電電公社全体がこういうやり方をしているのかどうかというのはまだ確認をしておりませんけれども、まさかとは思うけれども、北地区管理部の中では局が二十か二十数局あるんですね。それがぱあっとこういうことをやるということになりますとこれは大変なことなので、もしこの局が特別にひどいということであるならば、これは特別に厳重な調査をすることが必要であるし、全国的にこういうことがやられているおそれがあるとするならば十分精査をして、鉄建の二の舞にならないように対処する必要があると思うのですが、総裁の御見解をお伺いしたい。
  242. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) いまのメモの問題は、監査局長から、そういうことを先生から御指摘を受けたということは聞いておりますけれでも、私、まだ拝見しておりません。そういうものがあるのか、徹底的に調べろということを全管内の局長あるいは会計担当者調査を命じて、シラミつぶしに調べたけれども、そういう記憶はないということを私聞いて安心しておるわけでございますが、先ほど来、大変な御迷惑をかけまた御心配をかけて御指摘を受けました。  私は常々記者会見でもずいぶん乱暴なことを言って、鉄建公団の問題が世の中に知られてきた時分に、もう数カ月前から、電電にはこういうカラ出張とかカラ宴会という問題はありませんよ、そういう必要はないんだと。というのは、官庁会計と違いまして、私どもの会計組織というものは非常に弾力的にできております。現場には官庁のような予算の令達というものはしておりませんし、ただ収支率の制度でやっております。したがいまして、カラ宴会などをやる必要というものはあり得ないわけです。必要ならば宴会をやればいいと。ただ、朝日新聞に電電公社でも——先生から記者会見で発表になったので——それは事実と相違している、全日空と阪急でしたか、そういう招待を受けた覚えがないと言われて愕然としたのでございます。これは何かがあるんじゃないか。まず不正ということがあるだろう、着服したのではなかろうか、さもなければ何かそこに事情があるのじゃないだろうか、徹底的に調べて全管内を洗ってみろということを、私、監査局長に命じました。  近畿の通信局で全部調べたところが、先ほど会計検査院局長さんが御答弁のように、事実と相違してカラのものは八件あったということを聞いて愕然としたのでありますが、その中身の金を別に取っておいて別な業務用の会議費なり集会費に使っている、額も大体合っているわけですが、なぜそういうことをしなけりゃならなかったのだろうか、そういう困難なことをしなきゃならない制度にはなっておらぬのでありますから。これはしかし、局長雑費が少なかったとか、部内の接待等は絶対いけないとは言ってないんですけれども、あるいはやはりそれを非常に気がねして、部外を入れてそれで決裁をとって、その金を別な袋に入れて部内の会議費に使ったというようなこともあって、これもいい整理、妥当の整理どころではなくて、非常に不適正な整理のきわみであって、もしそういうことがあれば、どんなに少ない金であっても堂々と決裁をとって、本当に書類の表面と平仄の合う中身のものを使いなさいということを言明しておるわけでございます。全国にもそういうことは私はないとはいま言明できませんけれども、今後ともこういうことがあってはならないということをきつく訓示を出しまして、通信局長会議でも先般強く私要望いたしました。  大変御迷惑をおかけしまして相済まぬと思っております。恐縮に存じております。
  243. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 時間がわずかしかないので……
  244. 志苫裕

    委員長志苫裕君) できるだけ能率よくやってください。
  245. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 いや、こっちは能率よくやりますけれども、向こうの答弁が能率が悪いので時間がずいぶん延びる。  大変時間の短い中になってまいりましたので、それでは重要な要点だけお伺いしたいと思います。  いま問題になっておりますように、鉄建公団からKDD、そして各地方、中央官庁、そしてあげくの果てには国会も一カ月休店でカラ国会などというように世間が言われる中で、これは一つのまた地方の問題ですけれども、通産局の札幌鉱山保安監督局も同様なことのカラ出張がございまして、会計検査院がお入りになったということを伺っております。いつお入りになって、その概要はどうであったか。もう本当にわずかの時間でございます。簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  246. 岡峯佐一郎

    説明員岡峯佐一郎君) お答え申し上げます。  検査は、十月の三十日から鉱山保安監督局につきましては三日の予定で入りました。途中で変更いたしまして二日で終わりましたが、それは別の検査があったからでございます。  その内容は、現在鋭意検討中でございますが、先生が過般新聞発表されたのと大体同じ内容でございます。
  247. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 いまおっしゃいましたけれども、私も資料をいただきました。非常に細かく具体的に出されております。その資料をずっと目を通してみまして私なりに分析いたしましたが、架空な出張、そして実際に出ていなかったのを出ていっただけではなくて、水増しをした宿泊数というようないろいろな操作がこの資料からうかがわれるわけです。その中でも、ことしの八月の二十二日には現局長が三日間上京した五万六千六百円というような、局長以下もう細かく全部日にちと金額、名前も出ているわけなんですけれども、これで調べますと、五十二年の四月から二年半で約三百五十二万円という数字になっております。そして、こういうふうにしてカラ出張などで浮かしたお金が一体どこに使われているかということを調べますと、御承知のとおり、この資料から分析いたしますと、実は大体その七〇%までが本省からおいでになった方への接待費、それからまた本省へ出かけていろいろと予算折衝などをなさるときの上京経費というようなものが占めておりました。そしてそのほか、四鉱山保安監督署に配分した、それから、炭鉱災害時の負担、局長室等のお茶代というようにいろいろ分けられているわけです。  こういうようにいろいろ具体的に細かく資料を入手いたしまして調べますと、これは単に偶発的に起こったことではないという点です。本省や局長が容認されている中できちっとこれが帳簿につけられているという点、これは単純に地方局で行われたというものでないということは明らかだと思います。こういうふうに考えてみますと、これはまさに官庁の構造的な体質の持っている問題だということに思い至らざるを得ないわけでございます。  で、もう大臣もこの問題をお聞きになったと思いますけれども、通産大臣としてこの問題はどのようにお受けとめになっていらっしゃるでしょうか、御所見を承りたいと思います。
  248. 佐々木義武

    国務大臣佐々木義武君) ただいまのお話のとおり、札幌鉱山保安監督局において会計処理の問題につきましてまことに遺憾にたえない問題が生じておりまして、私どもといたしましては二度とこういった問題を起こさないようにということで厳重に注意しております。不正経理問題を含めまして官庁の綱紀の粛正問題に関しましては、総理からも厳重な御注意、御指示がございましたので、今後とも厳重に注意をいたしまして、そういうことが二度と起こらぬようにやっていきたいというふうに考えております。
  249. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 こういう問題が起こっているという現実、それからこれは起こしてはならないというのは当然のことでございますけれども、この起こる原因ですね、生まれたこの問題だけの解決ではなくて、なぜこういうことが起こるんだろうか。ここだけではなくて、いろいろ問題になっております方面でも起こっている。そうしますと、その背景、その原因に根本的にメスを入れなければ、これはもうこの場限りのこの問題の解決にしかすぎないというふうに考えられるわけです。  こういうふうに考えていきますと、これまたその当事者にすれば大変な気苦労をしていらっしゃるわけで、同情もしたくなるようなものでございます。本省からいらっしゃいますと、これはもう予算や人事権を持っていらっしゃるということですから、上には下に出なければならないというようなことで、そうせざるを得ないような大変な御苦労の中にいらっしゃるというふうに考えられるわけなんです。  こういうふうにしてきますと、まさにその地方の部局、一課、一働く者がやったことではなくて、そうせざるを得ないような政治の機構、行政の仕組みですね、ここのところにきちっとメスを入れていただかなければ、綱紀粛正を通達して、今度そんなことが起きないようにという精神訓話だけではどうにもならない。いままでも当然そのことはやっていただけたと思うけれども、それができなかった。そういうことから考えまして、私はこの問題を取り上げたときに、これは一地方、出先のその人たちの問題ではない、そこに責任を転嫁すべきではない、これはやはり大きく本省が責任を持つべきものだ、主体としての責任はそこにあるというふうに考えて、その責任は免れないと思うわけなんです。  これまた、いま沓脱委員がおっしゃったように、具体的な問題を挙げますと、これは全部領収書もございますけれども、たとえばいろいろと折衝をする場合、スムーズに仕事を進めたいという善意からではあるにしても、また善意でそうやっているだけではなくて、ある中央から来た人はあそこへ行けと指名されるというようなことも間々あるようでございます。下の方とすればやるせないわけです。そうしますと大臣、そのスナック、バー、いろんな領収書があります。こういうのも本当にスムーズに仕事を進めるためにはこれはもうしようがない、必要なものだとお認めになるのか。これは無用な接待だ、そういう接待はしなくても、必要な経費だったらそれは当然本省としても見ましょう、必要な事項なら聞きましょうという態度で本省としての立場をはっきりなさるのか。悪しき慣習はやめるべきだと私は思いますが、大臣として具体的な御所見をお伺いしたいと思います。
  250. 佐々木義武

    国務大臣佐々木義武君) 本件に関しまして、会計検査院検査の結果等をまたねばはっきりしたことは私どもまだわからぬのでございますけれども、いずれにいたしましても、札幌鉱山保安局といいますと大変遠隔な土地でもございますし、御承知のように重大な災害もしばしば発生したことでもございますので、こちらから出向いたり、あるいは現地から来ていただいていろいろ事情を聞き対策を練るという場合には、どうしてもその間、晩御飯を一緒に食べながら、時間外でも事情の聴取あるいは情報の交換というものが必要になったときもたくさんあるんじゃなかろうかと思います。そういう際に、自然やはり晩御飯を食べたりいたしますと経費上の問題が生ずるわけでございまして、まあ過度の接待あるいはおみやげ等は厳に慎まなければいけませんけれども、しかしこういう事例というものは、必ずしも地方の人たちにのみ罪を着すべきものじゃなかろうと私は考えます。  お話のように、構造的なまた組織的な問題かどうかというのは、もう少し経費の内容その他検討してみませんと何ともわかりませんけれども、しかし感じといたしましては、やはりこういう過剰なと申しますか、過度な接待等は厳に慎みまして、正常あり得べき常識上の晩御飯等の経費は当然見れるような組織であるべきだというふうに実は考えております。
  251. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 時間ですが。
  252. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 済みません。大臣、いま具体的にこの中身について余り御存じないからそういう一般的な御答弁だったと思うんですけれども、過度の接待という、その過度と常識的なというようなところをどこに線を引くかというのも一つの問題でございますね。これは一晩で何十万も食っちゃったなんていうそういう大きな問題じゃないんですよ。その上の方のえらい人はもっとひどいことを何かやっているかもしれないけれども、この帳簿にあらわれたところは非常にささやかな積み重ねでございますよ。一つの例を挙げますと、本省へ行っても、もう石炭課から何から各課に北海道の珍味二千円持って行ったとか、それから女の子にお菓子を持って行ったとか、まことにささやかな気遣いをしているわけですよね。それから今度ちょっとスナックへ行ったって、何十万というような額は出てきませんよ。  しかし、私が構造的なものでないかというところにはっきり大臣の御所見を承りたかったのは、そういうことをしなければ仕事がしにくいというところに問題があるんですよね。これがカラ出張して自分がふところに入れたというなら問題だけれどもカラ出張の分でも、ささやかにおみやげを持って行ったり、それから札幌へ来たときに、これはささやかとは言えないけれども、いろいろなバーだ、スナックだと案内するというようなことですね。これはまさに本人が好き好んでやっているんじゃない、やはり自分たちの仕事をスムーズにやりたいがためにこういう苦労をしている。これは富士山のすそ野みたいに、これも全国いろんな官庁、出先、考えたら大変なことですよ。こういうことが正せなくて本当に大きな問題だけでは済まない、そう思うわけです。  そこで、重ねて、こういうふうな問題を、やはり私は、予算権を持った、人事権を持った、本省の権限を持って仕事をするというそういういまの機構そのもの、そこにきちっとメスを入れてもらいたい。こういうことが必ず起きますよ、そこのところまでちゃんとしていただかなければ。そこでそれを御答弁いただきたいと思います。  それからまた調べてみますと、局長室の緑茶なんていうのが出てくるわけですよね。こんなのを見たら、私、局長さんのところに行ってお茶飲むんでも、これちょっと大丈夫ですかなんて聞いて飲まなきゃならないというような状態になってきますよね。そういう必要な経費であるならば、なぜこんなカラ出張——おまえの名前で伝票にサインしろなんていうことで、お茶代だとか、ひどいのになったら封筒代だとか、そんなものまで出ている。こういうようなことはもしも必要なら当然の経費として私は要求すべきであると思います。そういう要求をしてきちっとけじめをつけるということをいままで努力してくださったのかどうかか、そこが一つの問題。もしそういう努力をしてきちっとなさるんであるならば、それを大蔵省が削るなんて、そういう変なことはさせないようにがんばっていただきたい。これが二つ目のお答えをいただきたいことでございます。  それからもう一つは、これは鉱山保安監督局の問題だけれども領収書を見ますと、今度本省分担金というので通産局と分担になっていますね。そうすると通産局にも何らかの問題が当然あると見なければならないと思うけれども、これは一体どういうふうに考えていったらいいか、どういうふうなお立場なのか。  それからもう一つ。私いただいたこの資料は五十二年からでございます。その前にも当然こういうことがあったのではないかと思うけれども、それについてはどういうふうに会計検査院の方はごらんになっているか、そこまでさかのぼってきちっとけじめをつけたいとお思いになっていらっしゃるかどうか。  その三つについてお答えをいただいて終わりたいと思います。
  253. 藤原一郎

    説明員(藤原一郎君) 私から御質問の点につきまして御説明申し上げます。  いまお話のございました構造的といいますか、いろいろ気配りをしなければなかなか予算その他がスムーズにいかないというふうなお話でございましたが、そういうことは絶対にないようにいたしたいと思っております。実は確かにそういうことがあったようでございまして、それは非常に慣習的なデリケートな問題でございます。しかし、いやしくも同一官庁内の地方局と本省との間でそういうことはあるべきではないと思いますので、そういうことは実態的に必要もないわけでございますから、それはないようにいたしたいと思います。実は、そういうことを含めまして、本省から各局へ厳重な通達も出しまして、今後そういうことのないようにいたしたいというふうに思っております。  それから、通産局の方の関連でございますが、これにつきましては会計検査院の方からも調査がございまして、分担金のような形で支出されておるというふうに聞いております。したがいまして、その点につきましても厳正に調べてみたいと思っておりますが、先ほどちょっとお話のございましたお茶代とか、この辺になりますと、ややちょっと解しかねる点がございまして、この辺はきちっと支出する方法があるわけでございます。したがいましてその辺は厳正な規定どおりの会計処理をいたしまして、先生にお茶を飲むことまで気をお使いいただくことはないようにいたしたいと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
  254. 岡峯佐一郎

    説明員岡峯佐一郎君) 先生の御質問の中で、私ども五十二年四月から本年の十月までを限りまして検査をいたしたわけでございます。したがいまして、私としては、現在五十三年度の決算検査報告を取りまとめ中でございまして大変忙しいのでございますが、情報が非常に確度が高いということで、この期間に限ってやったわけでございます。そういう事情でございますので、それ以前の検査につきましては御理解をいただきたいと、このように考える次第でございます。  それから、札幌鉱山保安監督局に十月二十日、三十一日、十一月一、二と検査を進めるようにいたしたわけでございますが、二日目に至りまして、先生御質問の札幌通商産業局につきましても同じような心証の事態があると判断いたしまして検査を急遽指示したわけでございます。その結果、大体鉱山保安監督局と同じ程度の規模のものが同じように経理されていることが判明したわけでございます。
  255. 三治重信

    三治重信君 最初に鉄建公団の方へお尋ねしますが、鉄建公団経理の不正処理の問題は中身が進捗したわけなんですが、そのうちの一つの、いわゆる不正経理によって——経理上は不正経理だけれども——職員に払われた特に一時金ですか、プラスアルファといったりあるいはやみ給与といった部面の取り扱いを今後どうされるつもりか、それについていまどういう検討をされているか。
  256. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) いまのやみ給与というお話でございますが、これは公団の場合に、五・七カ月分に六万九千五百円、それに五十二時間分の超勤というような形でございますが、公務員との差がある、それがやみ給与と言われるかと思うんでございますが、これは先般来カラ出張の件を通しましていろいろ御批判を受けております。これにつきましては、すでに内閣の閣議の決定といたしまして、管理職以上の者につきましては公務員並みということでございますが、先ほどからお話がございますように、一般職員につきましては労働三法の適用があるというようなことで、今後の取り扱いにつきましては、こういう事態でございますので、鉄建公団が先頭を切って物を決めるというわけにもまいりません。また運輸省の御指導も受けなければならないというようなことでございますので、現在いろいろと情勢を見ながら判断をしたいというような現状でございます。
  257. 三治重信

    三治重信君 そうすると、まだ処理を決めてないというお話なんですが、もう十一月になっているわけですね。今年はまだ全然そういうことについては検討もしていないということですか。
  258. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) もう支給日も近づいてはおりますが、鉄建公団だけでなしに、運輸省に限りましてもいろいろの公団、公社等がございますが、その方との絡みもにらみ合わせながら、現在私どもとしても真剣に検討を重ねておる段階でございます。
  259. 三治重信

    三治重信君 これは担当者に聞きますが、こういうような予算以外の積み上げの分の交渉というのは、労働協約なりやっていると思うんですが、これは本社で統一してやっていますか、それとも各地方別々にやっているのか。いままでの話だと、大体鉄建公団として同水準の盆暮れの一時金、超勤の処理も一律にやっているような報告だと思うんですが、実際の労使関係はどういうふうになっているか、ごく簡単に御説明願いたい。
  260. 富樫勘七

    参考人(富樫勘七君) 先生の御質問にお答えさしていただきますが、各支社その他出先は幾つもありまして支部を形成しておりまするが、お問い合わせの交渉事につきましては、本社と中央にありまする本部とで一本で交渉をしてまとめていくようにいたしております。
  261. 三治重信

    三治重信君 それで、まあ不当経理とまた言われていても——総裁、よくひとつ聞いておいてもらいたいんです。運輸大臣も。これはほかの各省とも同じことなんですけれども、一応鉄建公団が俎上に上ったから申し上げるわけなんだけれども、一方では労働三法が適用になっているから労使交渉で決まったものは、経営当局としては金銭的な協定については実行しなくちゃならぬ。これは労働法上の責任を負うわけですね。片方はその予算の範囲内ならいいけれども、それを超えて処理すると、結局財源とすれば超勤と旅費しかない、しかし、それでも中身は違法経理と、こういうことになるわけなんですが、それをやらぬで処理しようということになってくると、労使関係というものが非常にぎくしゃくすることになると思うんですが、こういう問題の処理の仕方について、やはりよほど方針を、政府全体もさることながら、やはり公団当局がここで——おたくの方は一本でやっているというからいいんですけれども、当局が早くやはり組合に対して姿勢を出さぬと、これはまた労使でやみをやっているのじゃないか、今度はどこで逃げ道をつくってやっているんだろうかと、こういったお互いに非常な不信感というのか、一般的な——労使の不信感じゃないですよ——社会が不信感を持つということになるわけなんで、これについての基本的な態度を早く決めてやらぬことには、何かまた次のやみの手を考えているのじゃないかと、こういうふうに疑われる。それを私は心配しているわけですが、それに対する皆さん方の処理の覚悟といいますか、方針はどういうふうになっていますか。
  262. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) いままで公務員の額に上乗せした分をやみよいうふうに表現される場合もございますが、実際にはその分は人件費の中の流用で処理をいたしております。これを大臣に御報告をした、しないということで前回委員会ではおしかりを受けて、今後は運輸省の方にもよく御相談をいたしますということになっております。  それから五十二時間という超勤、これは別にカラ出張で出したものではございませんで、超勤の枠の中から出しております。  そこで、先ほど申しましたように、今後役員管理職等につきましては公務員並みということをしてまいりますと、一般職員のいままでの年末特別手当等の間で格差がかなり開いてまいりますので、これは閣議決定のところでも申し述べられるというか、御指示がございますが、一般職員についてもなるべくこれに準じろというような御趣旨のことが書いてございます。それで、現在は私どもその辺のすりつけと申しますか、いままでのかなり高額なところから公務員並みまで、それをどういうふうに過渡期を持っていくかというような問題について、先ほど申しましたように、いろいろ他の公団あるいは運輸省等の御意見も伺いながら検討を加えておるところでございます。
  263. 三治重信

    三治重信君 同じ答えしか返ってこないんですが、運輸大臣、この問題は、超勤と旅費のこれをみんな職員に対しては一時金や何かの、いわゆる経理上から……だけれども、実際上は経営者側の方も出すべき腹を固めた金額が裏打ちされたやつになっているわけです。これの処理を、これはしっかり国民にわかるようにしないと、これはせっかくこれだけのものを打ち出しても、今度はから打ちになって、政府は何をしているんだと、こういう問題になろうかと思うわけなんですが、ひとつこういう問題を、この前、森山大臣には特に注文しておいたんですが、かわられてしまったわけです。これはひとつよく事務を引き継いでいただくとともに、運輸大臣から特に積極的な解決策といいますか、水準を公務員と合わしていく、あるいは大蔵省の方は、余分にそういう現実的な処理ができるような予算内容になれば別ですけれども、そうでない限りやはり国家公務員とつじつまを合わせていくべきだ。民間の産業の人たちから見ると、やはりみんな国家公務員関係やなんかは同じだと思っていたのが、金のあるところはどんどん出しているんだなという感じを持つと、これは非常に不信感を持つ。その点を政府が姿勢をはっきり出さぬと、やはり公団、事業団の管理者の方もそれに対応ができぬと思うわけです。その問題をとにかく年内にどういうふうにしてこれを是正していくんだ、そして各公団、事業団はこういう態度で労使の交渉に進むし、これだけにひとつ態度を厳正に経理の問題を、不正経理にならぬためにはこれだけのことはがまんしてもらわなければいかぬならがまんする、それからまた、大蔵大臣に言って、これはもう一遍には無理だから予備費の移用、流用で処理をするなら処理をするという総合的な処理の仕方をひとつぜひ考えて、この年末からしっかりやってもらわぬと、時期的には、現実に金を出さなければ、あるいはその解決が一月に延びても、ひとつそこはこの問題を現実的に処理する覚悟を決めていただきたいと思うんですが、いかがですか。
  264. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 先ほども御説明を申し上げましたわけでありますが、公団の部長以上の幹部職員、理事、これらは公務員並みの支給ということで大体理解を得ておるわけでありますが、いま総裁が御説明申し上げましたように、労使交渉の問題はほかの公団並みの問題もございますし、運輸省の所管の中にもたくさんありますので、これは統一的な意見を官房長官のところでまとめるなり何かをしてもらわなきゃならない、こういうことでございますが、私どもとしましては、やはり公務員並みということでぜひ労使交渉においても理解をしていただきたいと、こういう考え方を持っております。したがって、その方針で進めてもらいたい、かように考えております。
  265. 三治重信

    三治重信君 くどいようですけれども総裁、ほかの公団、事業団の問題も確かにあるわけです。だから、これに対して、やはりどこかがこういう配慮でやるんだ、予算の範囲内でこれを守るんなら守るという姿勢を、決意を初め出して、ほかの公団も事情がそう変わるわけじゃないんだから、それについてきてほしい、おれのところはまないたの上に乗ったんだからこうするから、おれのところができるようにほかの公団もひとつついてきてほしい、そのためには、運輸大臣を通じて政府なり何なり、全体としてきちんとやはり対策がとれる、こういうことにやってほしいと思うわけなんですが、これは労使関係の方は、何と言いますか、独占禁止法の関係は適用ないわけなんで、経営者側の方も労働側の方もお互いに十分協議をし、統一行動をとることはこれは当然のことになっているわけなんで、鉄建公団と政府なり、鉄建公団と運輸省なり、これが労使関係に干渉するなとか何とかいうことではなくして、労働条件の決め方とか何かについて経営者側の態度としてどうするかということは、これは鉄建公団だけでやると、だんだんこういうぐあいに安易な道へ入ってきちゃったということから言って、やはり鉄建公団の方が政府なんかなりと実質上の協議をして、そこではっきりしていかないとこの問題は解決しないし、この問題が解決しないと、これはいわゆる財政再建の問題、行政改革の入り口の問題になってしまって、行政改革の一つの何と言いますか、真っ先にこの問題を政府がどういうふうに対処するかということをわが党としては見ておりますから、政府がいかに財政再建のために行政改革なり行政整理をやると口では言っていても、この問題でも処理できないようじゃ何もやれないと、こういうことなんですから、ひとつその点は……こういう安易と言っては悪いかもしれませんけれども、労使関係で決めたことを違法な行為によって処理しなくちゃならぬ状態というのは、これはやはり悪いことなんで、それに対して正規なルートでそれが裏打ちされる、こういう筋をしっかり……ただ悪かったから直しますというだけではこの問題は私は済まぬと思うのです。会議費とか雑費みたいなものは、これは当局が使っているものなんだから、これは直しますと言えば直るわけなんで、このやみ給与、やみ出張というのはこれは労使関係に響くことだし、しかもこれはやみのことでもないし、実際労働三法で決められたやつで経営者側が約束したことだと、こういうことになってくると、また今度は労務管理なり相互の労使の不信感になってくるわけです。これがひとつ国民にもわかるように、労使関係にも世間一般にわかるような解決方策というものをひとつぜひとっていただきたいと思うわけであります。  それで、会計検査院にひとつお願いをしておきますが、これは鉄建公団で非常に金額が多いし、大変な額になったから大問題になったわけですが、これは公社、公団もさることながら、一般の非現業のところの第一線において、金額的にはささやかなものかもしれないですが、同じように、盆暮れの一時金の代用的なものが超勤、旅費的なもので、やはりそういうものが労使の交渉で積み増しされていることが、これはもう鉄建公団だけやって、公社、公団だけやって、非現業はやってないということはないわけだと思うのです。ことにその会計処理という問題についても、一律のつけ方が必ず行われていたりなんかをしている、こういうふうに思うわけなんです。金額的には相当やはりなかなか巧妙に操作をされていると思うんですが、そういういま一般の一時金の積み上げ、やみの積み上げといえばやみの積み上げ、あるいは合法的な、巧妙な積み上げといえば積み上げ、それが出先機関ほど超勤や旅費というものが安易に悪平等的に使われている。だから、実際の仕事をやっている者がいわゆる自分で負担する、超勤をやってももらえない。それから出張の方もできない。しかし、一般の者はじっとおって、そして超勤ももらい旅費も分配にあずかる、そして適当に業務外で、業務に余り関連なくしても慰労出張的なことで旅費がもらえる、こういうことが相当一般的に行われていると、こういうふうに推察されるわけですが、それについてひとつぜひ今後各省庁、公団、公社をやる場合に、一般の出先幾翼のこういう盆暮れの処理の仕方をひとつ調査研究をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
  266. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 現在まで、ただいまお話しのような超勤手当、旅費のやみの積み上げという事態は、実は私まだ報告を受けておりませんけれども、そのような事態が一般的に行われますと会計検査上からも非常に問題だと考えております。御指摘の旨を体しまして、特に出先機関につきましてこの点に十分留意しまして早速検査いたしたいと考えております。
  267. 三治重信

    三治重信君 もう一つ、最後に運輸省にお尋ねしますが、いわゆる鉄建公団の仕事が非常に忙しいから、超勤を何と申しますか——普通の役所だと超勤を盆暮れに一時金に積み上げちゃうと超勤なしでやっているんだが、それでは職員が済まされぬのでカラ出張をやって超勤のかわりに職員に支給しているということなんですが、どうもわれわれから見ると、これは政府・自民党の姿勢にも問題があるけれども鉄建公団があることによって赤字路線が非常につくられている、赤字路線を一生懸命つくっていけば赤字を解消するすべが——これは国有鉄道にだけ責任を負わされるようなかっこうになって、どうもこの鉄建公団の建設について非常にぼくは問題だと思うんですが、それが一つ。  それから新幹線なんかと赤字路線と、これは鉄建公団として鉄道建設は同じだと、こう言えば同じかもわかりませんけれども、実際お聞きすると、国有鉄道の方で直轄工事でやっている部面と鉄建公団でやっている部面と何かそこに余り区別がつかぬみたいなんですが、これをどういうふうに……まあおなりになったばかりですから、まだ十分な検討はされていないと思うんですけれども、ひとつぜひ検討していただく。新幹線でも、新幹線をつくっていけば、それは新幹線は収支が合うかもしれぬけれども、それによって在来線がみんな赤字になっていくわけなんだから、新幹線をつくっていっても、これは国鉄の在来線を赤字化するための——ためというわけじゃない——赤字化するということは明瞭にわかってくるわけなんです。こういうふうな対処からいくというと、いわゆる鉄道建設について、今後の一兆円になんなんとする毎年の経常赤字とこの鉄道建設というものは、やはりそれは従来の関係でどんどん毎年同じ工事量でやっていたんでは、これはもう三Kのうちでも国鉄としてはもうどうにもならなくなる問題だと思うんです。少しストップをして考え直すという態度が欲しいと思うんですが、いかがですか。
  268. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 鉄建公団が行っておりますいわゆるAB線の問題だろうと思いますが、これはなかなか収支が相償わない、赤字をふやす路線であるという御指摘もあるわけでありますが、この問題の中では非常にやはりぜひ民生上必要であるというものもございます。しかし、いまのような将来の問題を考えますと、十分配慮して重点的に行っていく、何でも決められたら予算を全部使ってやってしまうというようなことはこの際避けて、どうしても民生上必要なものだけにかかっていきたい、このような考え方でおるわけであります。  また、鉄建公団自体の問題についても、設立当時から大分社会情勢が変わってまいりました。しかし、まだまだ鉄建公団自体は、大都市周辺の交通の整備事業、あるいは御承知のように世界的プロジェクトであります青函隧道とか、こういうものもやっております。新幹線ができると在来線がさらに赤字になってしまうではないかと、こういうお話もありますけれども、しかし在来線は在来線としての機能はやはり現在発揮しておるわけでありますから、それはそれなりにさらに合理化を進めながら、やはり国民の利便の成り立つようにしなきゃなりませんし、また新幹線の本来の目的もございますので、必要に応じて進めてまいりたい。また、現在の鉄建公団の技術力と申しますか、これは非常にすぐれたものを持っておりますから、今回のような不祥な事件は起こさないようにしなきゃやなりませんけれども鉄建公団の機能もぜひ十分発揮をしてまいりたい、かように存じております。
  269. 下村泰

    下村泰君 会計検査院にちょっと伺いますが、公害防止事業団、ここが二十件百億円の貸し倒れができそうだという記事を、昨日十四日の朝刊ですか、読売新聞の記事で拝見したんですが、これは事実でございましょうか。
  270. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) 公害防止事業団が中小企業者に各種の公害防止施設をつくりまして譲渡いたしました場合の債権保全につきまして大変遺憾な事態がございまして、将来の債権保全のためにそういう問題を指摘しておりますことは事実でございます。
  271. 下村泰

    下村泰君 この件なんですが、これは会計検査院調査でわかったんですか、それとも何か外部からのこういったことの申告があってわかったんでしょうか。
  272. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) この点は私どもが公害防止事業団の検査を通じまして判明した事柄でございます。
  273. 下村泰

    下村泰君 これは新聞の記事でございますので完全な内容というのはもちろん私は知る由もありませんけれども、これでまいりますというと、要するに無担保に近い貸し付けをしていた。どこの金融業者にしても無担保で物を貸すなんという会社はありませんし、まして銀行なんか厳しく取り締まる。にもかかわらず、その相手が中小企業でありまして、その中小企業が寄って組合をつくった場合、そこに貸し付けをするようにはなっているんでしょうけれども、こういうふうな貸し倒れができるような状態でよく貸したもんだなと思うんですけれども、どうしてこんな簡単に銭を出すんでしょうかね。
  274. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) 実はこの問題は私どもの方はまだ外に出してなかったんでございます。五十三年度決算検査報告に掲記をしましていずれ正しく御報告をいたしたいと思っておりますが、どうしてこういうことになったのか、これはやっぱりそういう点につきまして十分な認識がなかったことによるものと思いますが、いずれ検査報告をもって詳しくごらんいただきたいと存じます。
  275. 下村泰

    下村泰君 十分な認識がなかったって、大の男が、たとえば自分の友人に金を貸すんでも、そう簡単には貸せるものじゃないと思いますがね。  で、私、あらぬことを考えるんですよ、こういう一連のもろもろの不祥事を拝見しますとね。これ簡単に貸している裏には、下手をすると貸してる側の方がリベートをもらってるんじゃないか。幾ら貸したから帳面づらには幾ら借りたことにしろよ、その一割はおれの方へ持ってこいと、裏の方で何かそういったような操作を簡単にしているように勘ぐりたくなるような事実なんですがね。恐らくそんなことはないと思いますよ、ないと信じたいです。まあこれからの調査によってどういうふうになるかわかりませんけれども、まあこんなことはないと思います。しかし、いままでの状況を見ておりますと、そういうことがなきにしもあらずというふうに勘ぐられてもやむを得ないと思うんです。もろもろのことが。たとえば鉄建公団の今回の問題にしても、これは会計検査院が調べたわけじゃない、これはたしか内部告発ですね。
  276. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 本件につきましては、ことしの六月に一部、名古屋支社の検査の後に情報の提供がございまして、それに基づいて私ども調査した事態でございます。
  277. 下村泰

    下村泰君 会指検査院がじかにこれを調査をして発覚したわけじゃない、向こうからの報告によってわかった。どういうことなんです。そこのところは。
  278. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) これの全貌につきましては私どもが全部調査いたしまして検査の結果出た数字でございます。
  279. 下村泰

    下村泰君 その発端になった、会計検査院が動かざるを得なくなったような原因は内部告発ですかと聞いているんですよ。
  280. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) さようでございます。一部のことにつきまして電話で連絡がございまして、それをヒントとして利用さしていただきまして、そして徹底的な検査に入ったわけでございます。
  281. 下村泰

    下村泰君 じゃ、もしその電話がなかったら永久にわからなかったということも言えるわけですな。
  282. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 私どもの言いわけでございますが、検査を担当しておりますのが鉄道検査第二課という課でごごいまして、この課は工事を中心に検査をする体制をとっておりましたものですから、あるいは場合によっては御指摘のようになったかもしれないと思っております。
  283. 下村泰

    下村泰君 そこで、大蔵大臣にお伺いしますけれども、特殊法人、いわゆる財政投融資ということになりますけれども、その財政投融資の額が大変大きな額になっていることは大蔵大臣はもちろん御存じだろうと思います。五十四年が財投計画が十六兆八千三百二十七億円、そのうちの八〇・五%に当たる十三兆五千六百二十六億円というのが特殊法人に向けられているわけですね。いかがでしょうか。
  284. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 正確な数字はわかりませんので、事務当局からお答えいたします。
  285. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 急な御質問でございましたので準備がございません。財政投融資の総額が十六兆八千三百二十七億円ということは御指摘のとおりでございますが……。
  286. 下村泰

    下村泰君 はい、結構です。  そうすると、これだけ多くの投資がなされていて——私実はきょう質問するために、ある社の新聞記者の方に伺ったんですが、逆に委員会で聞いてくれと。一体、こういう特殊法人というところは、どこへ電話してどう聞いても、交際費その他人件費は一切言わない、監督官庁に聞いてくれ、監督官庁に聞けば監督官庁もすべて知らない。本当はこれは総理大臣に来ていただいていろいろ伺いたかったんですけれども、こういうことで果たして行政改革ができるのかどうかという、物すごい疑問を持たざるを得ないんですけれども、この辺は大蔵大臣の感覚としていかがでしょうか。たとえば監督官庁も全然わからない、特殊法人に聞けば監督官庁に聞いてくれ、監督官庁に聞けばわからない。こんなことで果たしていいんでしょうかね。
  287. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 私も問題を定かに把握しておりませんが、そもそも特殊法人というものは、それぞれその都度一つの政策目標を持ってつくるわけでありますが、その政策目標遂行をするためには、言ってみれば官庁そのもので持つよりも、事業的な感覚でもってそれがスピーディーに物が運ぶという目的からつくるわけでございます。したがいまして、そのことは重ねて申しますように、それなりにまた予算の執行面についてはイージーになりがちな面もあろうかと思うんです。したがって私もその辺をどういうふうにすべきかということで、査定の段階ではかなり厳しくやったといたしましても、それがいわゆる執行の段階の問題について、どこまで目が届くものかということについては、いま少し私なりに検討さしていただきたいと思っております。先生のおっしゃる、何と申しましょうか、非礼な言葉を使えば、庶民的感覚というような感じの中では私もまさに同感でございます。
  288. 下村泰

    下村泰君 いま大蔵大臣、別に大蔵大臣という立場をお離れになってお語りになったのかもしれませんけれども、たとえば、じゃ事をスムーズにやるために密輸品を貢いでいいということはありませんよね。そして一晩でもって二百万だ三百万だといって新宿のクラブあたりででかい顔をして飲んでいいという法もありません。それは鉄建公団のやり方にしたって大同小異、そう大して変わりはしません。しかも今度は、大蔵省の役人が鉄建公団の人に、銭持って払いに来いと。赤坂か銀座あたりのクラブで、金が足りなくなったからおい払いに来てくれや、大蔵省の役人がいばって飲んでいる、こういう話も聞いております。これが事実かどうかそんなことは聞きませんけれども。それからKDDの連中の新宿での横暴ぶりというのは、私もかいま見ておりますけれども、これはもう普通の状態じゃありません、この連中は。こんなことをやって、それがいま大蔵大臣のおっしゃったように、事業の促進とか、事業がスムーズにいくためとかいうようなことは、これはもう便宜的な言葉であって、それを逸脱していることはもう事実だと思います。そして鉄建公団の方でも、いま国鉄があれだけの赤字をたな上げにしておいて、新しく取り組んでまた九千億だの赤字を出して、そういうさなかにその鉄建公団が赤字路線をどんどんふやしている。そしてその鉄建公団がこういうことをしている。  運輸大臣、目先真っ暗だと思いますがね、どうするこうするという問題じゃなくして、運輸大臣、今度新しく来たんですから、いままでの大臣じゃやりにくかったこともあると思いますよ、新しい大臣ですから情も何も絡まないと思います。悪いことはどんどん悪いと、どのぐらいに大臣がなたがふるえるか、ちょっとお答え願いたいと思います。
  289. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 運輸省の所管で一番大きな問題は国鉄赤字の問題であります。これが何といっても日本の財政赤字の大きな中心の一つでございますから、これを徹底的に究明して再建をしなければならない、こういうことで私ども現在取り組んでいるわけでございます。したがって、先ほども三治委員にもちょっとお答え申し上げましたように、どうしても民生上必要であるというような問題については、赤字になるから全部国民大衆に不便をかけてもいいというようなことにもなりませんから、やらなきゃならないものも出てまいりますけれども、もう重点的に予算がついたら全部それを使ってしまうんだと、何でもかんでもやってしまうんだと、こういうことはこの際ぜひ避けていかなければならないと思います。  また、今度の不正問題その他の一連の問題は、運輸省はもちろんのこと、公団も公務員に準ずるものでありますから、この貴重な国民の皆様方の税金その他財投の金でございますけれども、公費に対する扱いがいささか安易に流れておったんではないか。ちょうど幸か不幸か、このようなものが発覚して、これを機会に真剣に取り組んで、このようなものを絶滅しなければならないということで、それに対するものは勇気をふるってどんどん解決をしてまいりたい。これが国民の御期待と申しますか、国民に対する一つの私はお答えになるのではないかと思いますので、委員指摘のとおりにひとつ大なたをふるって解決をしてまいりたい、かように存じます。
  290. 下村泰

    下村泰君 竹下大蔵大臣もおわかりだと思いますけれども、昭和二十年までの徴兵検査によって軍隊に入った人間ならばおわかりだと思いますが、どこの兵舎、いわゆる兵隊屋敷へ行きましても必ず舎前、舎後というのがあって、その舎後、兵隊屋敷の裏の方には空井戸があったものです。この空井戸は何に使用するかというと、兵隊が食べるためのいわゆる御飯粒ですね、飯上げと言いますけれども。兵隊が全部御飯を食べ終わったときに御飯粒が余る、これを捨てるための空井戸なんですな。もし、余った分だけ炊事場へ持っていくと、次はその余った分だけ減らされるんです。ですから、減らしちゃいけないというんでみんな空井戸へぶん投げるんですよ。古い兵隊たちも、知っているけれども見つけない限りは怒らない。見つからない限りはしかられない。だから、夜陰に乗じてみんな捨てに行くんですよ。これは軍隊の経験のある方ならわかるでしょう。しかし、いま日本の国は財政再建をしなきゃならないといって陣痛を起こしているさなかに、特殊法人といえども、諸官庁といえども、予算が余ったから、あるいは使い切れなかったから、事業を完遂できなかったからといって、余った予算を分配したり、適当な名目によってなし崩しにしてしまうということが果たして許されるんでしょうか。いままでやってきたことだと私は思いますよ。絶対そんなことはありませんなんて、そんなきれいごとは言わせませんよ。どうですか、大蔵大臣
  291. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 同感であります。
  292. 下村泰

    下村泰君 そうしますと、大蔵大臣、いわゆる行政改革と大平総理が言ってらっしゃいますけれども、大蔵大臣としてはこれは相当な覚悟でこの財政再建に立ち向かわなければならないと思うんです。ところが、新聞の一部にはもう出ておりますけれども、財政制度審議会の第二特別部会で、老人の無料化制度でありますとか、あるいは結核公費負担制度とか、あるいは児童手当制度とか、こういう一番文句を言わないところ、一番口のおとなしいところ、うるさくないところからすぐ始めますね、こういうことを。こんなことをしていて果たしてそれが善政であろうかなんていうことは国民は納得しません、一般庶民の感覚として。で、何十億だ、何千万円だといったようなむだに使われている金額が新聞の活字になるたびに、たとえば一篤志家で、個人で三浦半島に、精薄児者ですね、精薄者、もうどこも引き取ってもらえないそういう方たちを一堂に集めて、ささやかでも授産所をつくろうなどという人が、一億二千万ぐらいの金が用立てできないために、土地は何とかなったんですが、いまだに建てられないという人たちがいる。一体国というのは何のためにあるんですかということを私は物すごく感じるんですね、こういうのを見てますと。ですから、大蔵大臣として行政改革にこれから取り組んでいくのか。しかも、必要のない法人がいまたくさんあるんです。それを大蔵省の方から予算の面でどうぶった切っていくか、ひとつお気持ちを聞かせてください。それで終わりにします。
  293. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 御意見を交えての御質問でございますが、私としてもおおむね同感でございます。国の予算というのは、現実問題としては三四%が補助金という形になっております。その補助金の大部分というものは、これは社会福祉であり、教育であり、そしてまた公共事業の補助金という形で出されておるわけであります。したがいまして、そういう後戻りのできないもの、そういうものを一律にこれをぶった切るとかいうことは、言うべくして現実問題としては非常に困難な問題であると思っております。その中に不合理なもの、洗い直して不合理なものがあれば、それは検討の対象になるべきものであると思います。  それから、第二分類とでも申しましょうか、申しますならば、いわば各種団体等がそれなりの効果を上げておる、しかしながら、その事業費ならともかくも運営費、すなわち人件費まで全部補助金の中へ入っておるというようなものが、幾つかつまみ出してみてあるいは一律削減というような対象になり得る可能性もありはしないか、そのグループ化を検討しておるというさなかでございます。  それから三番目の問題は、いわゆる奨励的な意味において行われたものが、ほぼその目的は達成したのではないかというような問題につきましては、当然のこととしてある種の計画を立ててこれは廃止していくという方向に進めていかなきゃならぬ。おおむね整理してみますと三つぐらいなことになりはしないかと、就任早々でございますがそういう認識の上に立って対処しておるんです。  しかし、いま先生のおっしゃるのは、言ってみれば、予算の仕組みとか、あるいは執行の状況とか、そういう問題もさることながら、国民感情から見た場合に、本当にボランティアシップでおやりになっておるようなものがいつまでも日の目を見ないで、そうでないものがぼこぼこできて、しかも不正経理が行われる、そのギャップというものがいわゆる政治不信にまでつながっていくものではないかという御趣旨に受け取りました。私もそれはまさに同感であります。そこをどういうふうな形で、特にボランティアの問題などは埋めていくかということになります。そうすると、これはあるいは各種、競輪とかモーターボートとか、そういう問題もその対象の一つには考えられるでありましょうけれども、具体的には、やはりそうした問題については関係各省が温かい相談相手になりながら、そうして国民に政治不信を与えることの芽を少しでも摘んでいくという姿勢で対応しなきゃならぬじゃないか。だから、大なたをふるうという決断のほかに、きめ細かい政治不信の出てくる問題を本当に芽を摘んでいくという配慮と、そういう二つの面が私は財政再建に当たっての一つの考え方ではないだろうかというふうに思っておるところであります。
  294. 野末陳平

    野末陳平君 先ほど総理府総務長官が励ます会のパーティー券をかなり大量にKDDに買わしたという話が質疑で出ておりましたけれども、それにやや関連しまして、鉄建公団がいまのたとえば励ます会のパーティー券の購入とか、あるいは政治家へのお中元、お歳暮のようなものもひっくるめまして、政治家に対して公団がどの程度つき合いの支出、年間ですね、どのくらい支出したか。それを五十三年、五十四年度で幾らかをまずお尋ねします。
  295. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 金額で申し上げますと、五十三年度百二十七万五千円、五十四年度に百七十万円で、合計で二百九十七万五千円ということになっております。
  296. 野末陳平

    野末陳平君 約三百万円が政治家とのつき合いに支出されたということでしょうが、そのうち一番大きい額は何なんでしょうか。パーティー券ですか、それともお中元、お歳暮などのようなものでしょうか。
  297. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) パーティー券が一番多いようでございます。
  298. 野末陳平

    野末陳平君 そのお金の出所ですが、重ねて聞きますけれども総裁交際費の中からそういうパーティー券の支出、三百万円のどのぐらいになるのか知りませんけれども、出た部分は幾らになっていますか。
  299. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 交際費から支出いたしたものが百九十六万五千円でございます。残りの百一万円ばかりがカラ出張を財源としておるようでございます。金額はそういうことでございます。  こういう種類の金は、まあ必要最小限のおつき合いということでございますので、交際費から支出するのが筋であるというふうに考えておりますけれどもカラ出張から捻出した金額が百万円余りちょっとございますが、これはどうも余り適当な処置でないと思っておりますので、将来の対策の中で返還の方向で処理をしてまいりたいというふうに考えております。
  300. 野末陳平

    野末陳平君 後段のその処理についてはそれでいいと思いますけれどもカラ出張で浮かしてまでその金を政治家とのつき合いに回すというのは、何でそんなことまでしなきゃいけないのかというのが、素朴に疑問に感じますね。  会計検査院に伺いますが、何かいまのところだと大体三百万ぐらいしか支出してない、政治家とのつき合いに。その大部分が励ます会のパーティー券の購入らしいんですが、たとえば先ほどの総務長官などは一人で百枚、二百万ぐらいを押しつけているようなんですが、そうすると、ちょっとこれはどうも少な過ぎるようなんで、検査院ではもう少し多いというような事実はつかんでいらっしゃるのかどうか。
  301. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) このカラ出張で捻出した分につきましては、これはあくまでも稟議書もございませんので、公団から聞いて集計したわけでございますが、ただいまの金額に私ども確認しているものは間違いございません。
  302. 野末陳平

    野末陳平君 金額よりも、それが公費で賄われているというところが問題だろうと思うんですよ。ですから、いまの政治家とのつき合いですが、大部分がパーティー券ということですから、一体何人ぐらいの政治家と公団はつき合っているんですか、パーティー券で。
  303. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 何人ということをちょっと申し上げかねるんでございますが、枚数と申しますか、口数で申しますと百四十五口ということになっております。
  304. 野末陳平

    野末陳平君 口数と人数じゃ、これは全然関連がないから、やはり人数を聞きたいところですがね。  じゃ、別の聞き方をしますと、公団がつき合っている政治家というのは自民党の先主ばかりなんですか。それとも……。
  305. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) お尋ねでございますが、実はこういう場で具体的な内容につきまして申し上げるのはちょっと適切でないというふうに考えますので、御答弁を勘弁さしていただきたいと思います。
  306. 野末陳平

    野末陳平君 だれとでもつき合っているわけじゃないと思うんですけれども、そうすると、鉄建公団ですから、いわゆる業務にいろいろな点で関係のある政治家の方とパーティー券その他でつき合っていると、こういうふうに解釈してこれは間違いないでしょうね。
  307. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 大体おつき合いのある方とおつき合いをしているということだと思います。
  308. 野末陳平

    野末陳平君 初めのおつき合いの方は、利害関係のある方とおつき合いをしていると、こういうふうに解釈すべきじゃないんですか。
  309. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) いろいろの解釈があると思いますが、先生のおっしゃる解釈も一つの解釈かと思っております。
  310. 野末陳平

    野末陳平君 こういう点であれこれ言っても始まらないんですが、パーティー券のつき合い方ですが、政治家のサイドから直接話が来るのか、それとも運輸省などの官庁を通して当てはめてくる、どちらの形なんですか。
  311. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) それぞれ励ます会の主催者の方からお話があって購入したようでございます。
  312. 野末陳平

    野末陳平君 そうすると、さっきの何口という話に関連して興味を持たざるを得ないんですが、一人につきこれまで最高のおつき合いをさせられたケースはどのくらいだったんですか。先ほどの総務長官みたいに百枚というのは金額的になさそうですがね。
  313. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) この件もいろいろ個人に差しさわりがございますので、まことに申しわけございませんが御答弁を遠慮さしていただきたいと思います。
  314. 野末陳平

    野末陳平君 どうして個人に差しさわりがあるの。パーティー券を買ってくれと言って、それをそちらが何らかの理由でお買いになるんで、別に個人的にそれが問題になると思いませんよ。ただ、一人百枚もとなるとちょっとおかしいということになりますけれども、そんなに遠慮してつき合っている政治家の名前を隠すということは、かえってパーティー券だけでなくて、そういうものを通していろんな意味の利害関係の癒着のようなことが勘ぐられることになるんじゃないですか。むしろ明らかにされた方がいいと思うんですよ。二、三枚の方だっていると思うんです。あるいは十枚、二十枚の方もいるかもしれない。どうなんでしょう、一番大口の方を一人ぐらいは答えていただきたいと思いますね。
  315. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 大変申しわけございませんけれども、こういう席でお答えすることをひとつ御勘弁願いたいと思います。
  316. 野末陳平

    野末陳平君 じゃ、角度を変えますと、要するに公団はそういうおつき合いを非常に進んでやっているわけじゃなくて、不本意ながらいやいややっているように聞こえますが、そういうふうにとってもいいんですか。
  317. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 私、新任でございまして、過去の判断についてとかく申し上げかねるんでございますが、交際費もそう多いわけではございませんので、大体そういう気持ちではなかったかと推察しております。
  318. 野末陳平

    野末陳平君 とすれば、少なくもパーティー券を押しつける政治家の方は、やはり自分の立場を利用して金集めをしているというふうにとれますね。まあ鉄建公団の場合は金額的にも少ないかもしれない。しかし、これはいろんなところがありますね、各省庁みんな似たようなことがある事実をぼくは知ってますから。  そこで問題は、大臣公団も何でそんなつき合いをするのかと。しかし弱い立場なのかもしれないので、むしろこれは自分の立場を利用してパーティー券などを押しつけていくような政治家の姿勢の方に問題があると思うんですよ。ですから、これはどうなんですか、職権を利用して金を集めると国家公務員法とかあるいは政治資金規正法とか、あるいは出す方にすれば政治献金とかいろんな角度から見て何か非常に法律的に問題があるように思いますが、大臣はどうですか、あなたはもちろんこういうことはいままでおやりになってないんでしょう。
  319. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 職権その他を利用してこのようなことが行われることはまことに好ましくないことだと思います。しかし、公団も大変な大きな事業をしているわけでありますから、社交的にあるいは儀礼的に対価を支払ってのおつき合いをするということは、必ずしも全部がいけないというふうに私は判断をしておりません。しかし、カラ出張等から無理に出すというようなことは、これは厳に戒めていかなければならないと思います。私自身は実はこの手のものはやったことございませんので、その仕組みその他についてはよくわかりませんけれども、十分その点について厳しく今後ないように進めてまいりたいと、かように存じます。
  320. 野末陳平

    野末陳平君 検査院に聞きますけれども、いまの大臣のお答えですと、社交的儀礼的な範囲であればある程度はやむを得ないような、やむを得ないというより、むしろ積極的に是認されるようなふうにもとれましたけれども、どうなんでしょう、たとえ二、三枚のおつき合いであっても、やはりこれは公費を使っているわけでしょう、公団が個人の政治家と公費を使ってそういうつき合いをしても、これは社交的儀礼的の範囲と言えるんでしょうか。これが民間企業だったら当然言えますがね。その辺がちょっと疑問なんですが、検査院はどういうふうな判断ですか。
  321. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) 公団の予算にも交際費というものがございます。政治家のパーティー券といいますか、励ます会等に出席をしてその対価を払うということが、一般に儀礼的あるいは社交的なものでありますならば、これは会計経理の上で不当であるとは私どもは考えておらないのでございます。
  322. 野末陳平

    野末陳平君 そうしますと、いまのは、対価を払うというんですから、要するに、一枚買った人は行くということで、数枚であればその説はうなずけますが、まとめて何十枚あるいは百枚という単位になったら、これはもう完全にいまの社交儀礼の範囲ではありませんね。
  323. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) 私どもは、どういう買い方をされておるか、実はその点はよくわかりません。
  324. 野末陳平

    野末陳平君 じゃあ、公費を使うということに重点を置いてさらに聞きますけれども、公団総裁、要するに、公費を使ってまず対価を払うようなおつき合い、なぜポケットマネーでやらないで公費を使うのか、やっぱりそこはちょっとわからないんですよ。だれもわからないんじゃないかと思うんですが、どうでしょうね。ポケットマネーならばわかるんですがね。それから、あるいは会議とかいろいろな折衝の過程でそこに飲食があってもこれはまたこれでやむを得ないと思いますよ。しかし、何しろ現金でしょう、パーティー券を買うということは。そのまま現金を渡す。しかも、不本意ながら、立場を利用して持ってこられるんで断るわけにいかないから出す、こういう形で現金が流れるわけですね、公費で。これに対して、これは社会通念上許されるという感覚がどうもおかしいと思うんで、どうですか——まあ、あなたは新しくおなりになったわけですから、これからそういうことは当然慎まれると思いますけれども、やみ出張、カラ出張で浮かした分までそっちへ行っている、ここにどうしても疑問を感ぜざるを得ないんです。
  325. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) カラ出張というような処理の中からこういうことが行われているということは、先生の御指摘のとおりまことに申しわけないことであるというふうに私思っております。  ちょっと私、先ほど答弁いたしました中であれでございましたが、まあ、押しつけられたというふうにおとり願わなくても、ごく儀礼的なおつき合いのものが多いようでございます。いままでの話を聞いておりますと。  で、まあこういう点になりますと一公団の立場だけで物を判断できませんですが、パーティー券も、向こうで対価をちょうだいできるというようなこともございますので、少数の枚数を買うということは、まあ場合によっては儀礼的な意味として認められるかなとは思うわけでございますが、今後につきましては、先生の御指摘のありましたように、公費を使うという立場で十分慎重に処理をしてまいりたいというふうに考えております。
  326. 野末陳平

    野末陳平君 一鉄建公団の問題としてでなくて、これはもうごく常識的というか、当然みたいになっていることですからあえて聞いているわけです。ぼくは当然、これは過剰なおつき合いであって、政治家とのおつき合いに公費をそういうふうに安易に出すことは、これはもう絶対にやめるべきだと思いますよ。  そこで大臣、まあ時間もないですから改めてお聞きしますが、これはおつき合いする方も悪いかもしれないけれども、やはり断ることがないのを承知で、政治家が自分の立場をよくわきまえた上で金集めのためにおつき合いを強要するという、ここらに一番問題があるんで、姿勢を正すべきはやはり政治家の方だと思いますよ。一人で百枚とか四十枚、五十枚、こういうのはざらだと思いますけれども、やはりこれをまずやめることが大事なんであって、どうでしょう、政治家として公費でパーティー券を各省庁に買わせるあるいは買うあっせんをさせるというようなことを政治家みずからがもうしない、やめるべきであるということを閣議であなたが申し合わす音頭でも取って——大蔵大臣も在席ですけれども、大蔵大臣がむしろやるべきかもしれませんね。両大臣でむしろ政治家が姿勢を正すべきだということを申し合わせる、それが当然だとぼくは思うんです。役人の方にそういうのはもうあっせんもしちゃいけないし受け取ってもいけないなんというのも片手落ちです。どうでしょう、これを提案しますので、両大臣のお考えを聞きまして、時間が来ましたので終わりにしたいと思います。
  327. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 私自身も振り返ってみますと、まあ励ます会は別でございますが、出版記念会等をやったことがございます。したがって、その際、やる場合にみずからの姿勢の中でそういうものに対する強要というようなことは避けなければならぬと思っておりました。たまたまきょう総務長官がここで御質問に答えておりましたときに同席しておりましたが、いまの御提言につきましても一つの機会ではないかという感じも受けましたので、私一人でお答えする、決定するわけにはまいりませんが、よく官房、総務等と相談してみようと、こういういま気持ちであるということをお答えいたします。
  328. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 政治家としては当然心得るべきことであり、いま大蔵大臣から答えましたように、十分今後このようなことのないようにしてまいらなきゃならない、こういうことは当然のことだと存じます。
  329. 秦豊

    ○秦豊君 もし私の誤解でなければ、委員会のきょうの審議を通じて不当不正と認定された金は、国民感情を背景にしてやはり国庫に返すべきだという方向が大まかに出ているんではないかと思います。  そこで、時間が時間だから詰めた話をしますので答弁側も御協力を願いたいと思います。  金の返し方です。鉄建公団、今年度の予備費の残額、幾らありますか。
  330. 片山光

    参考人(片山光君) 先ほど調査いたしましたところ、十七億四千九百万ばかりございます。
  331. 秦豊

    ○秦豊君 会計検査院確認をしたいんだが、防衛庁にも一部ありましたね、二百数十万円、下総関係、これはたしか私の記憶では国庫に戻入された、返却されたと、こう記憶しているんだがどうなんですか。
  332. 知野虎雄

    会計検査院長(知野虎雄君) そのとおりでございます。
  333. 秦豊

    ○秦豊君 そこで、どういうふうなやりくりで返したかまだわかりません。やっぱり防衛庁のこのケースですね、これは一種の先例、基準とすべきではないか。会計法とか財政運営とか、聞く順序や法律や慣習を言えば切りがないです。しかしいま一番大事なことは、綱紀粛正に対して大平第二次政権がどう対応するかという問題なんだから、過去のいきさつはいきさつ、新例は新例、大胆に築くべきだ、つくるべきだというのが私の一つの主張なんです。  そこで、これは監督官庁たる運輸大臣、地崎さんに伺いますけれども、会計検査院調査によって、五十三年度二億一千六百九十六万、五十四年度四月から八月五千六百七十五万、計二億七千三百七十一万、別に公団独自の調査によって一億二千二百万、これはまあ問題ですよ。問題を組織ぐるみで犯した公団が申告したものをそのままうのみにするという情けない数字ではありますけれども、しかし合計すれば三億九千五百七十一万である。明らかに不当という字がついている。乱脈という形容詞がついている。さまざまな表現がある。これは予備費が幸い十七億四千九百万円も残っているというならば——予備費の性格は知っていますよ、災害復旧とか一たん変事に備える、それはわかりますよ、わかり切った上で聞いている、やっぱりこの際防衛庁のような、いやしくも疑惑を招いた金額についてはその内部において一応の決着をつけるべきではないかという私は主張と提案をしたいんです。  運輸大臣監督官庁ですから、まずあなたから伺いたい。
  334. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) この不正経理された金銭の処理については、現在、返還措置を含めて検討中でございます。これは新総裁が非常に強い決意で細かくいま検討しておりますので、近いうちに方針が打ち出されると思いますので、お待ちを願いたいと思います。
  335. 秦豊

    ○秦豊君 慎重に検討されるのは結構ですよ。あなた方はそれでとまっちゃうから、念を押しておかないと、チェックしないと。だから申し上げるんだが、鉄建公団の新総裁としては、予備費から戻入なんていうのは大胆、素朴、ラフだというふうな認識をお持ちかもしれぬが、あなたは就任以来、内部に対して意識革命ということを強調されているんだから、新しい再発足を、新総裁のその感覚と価値観の中ではどうですか、私の提案は。返し方を具体的にもっと答弁してくださいよ。
  336. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 先生御指摘のとおり、三億九千五百万という不当と言われている経理が存在するということでございます。そこで、これを返すといたしましたときの原資の考え方でございますが、同じ税金のような中からこういうふうにするということは、原則論としてちょっとぐあいが悪いのではないか。やはり職員の関係者が前非を悔いて、何らかの形で拠金をするというかっこうでないと御納得いただけないのではないかというふうに考えております。  そこで、就任以来いろいろとこの問題について試案を考えておりますが、いまここではちょっと決着したことを申し上げるところまで至っておりませんが、そのうち雑費と交際費等に使われております一億三千何がしという金がございます。一方、超勤見合いと言われているものが二億六千くらいあるわけでございますが、これを二つに分けまして、一億三千というもののうち、いま会計検査等で、午前中から申し上げておりますように、いろいろと、まあ何と申しますか会議費的な正式なものに使った、それを、どういうことか事情はあるようでございますけれどもカラ出張の処理でされているというようなものにつきましてお認め願えるか願えないか。まあここのところはいろいろお考えがあるかと思いますが、そうした場合に、ですから会計検査の方からの、まあいままでは白、灰色、黒というふうに言われておりますが、白、黒というようなかっこうになるのかもしれませんが、そうしたものについては、やはり職員全般とは申しませんけれども関係のある者で返済をしないといけないかなというのが一つの考え方でございます。これもまだその範囲をどうするとか、額をどうするとかいうことを決めたわけではございません。  それから超勤見合いの分につきましては、先ほども出てまいりましたが、名古屋の支社のように、何かちょっと私も事情をまだ十分つかみ切っておりませんが、非常に多額のものが出ている。これは支社からも会計検査院の方に、その分、何かどういうかっこうかよくまだ承知しておりませんが、お返しするというような面もございます。そういうこともございますし、また、先ほども出てまいりましたが、各支社、局等によりまして、たとえば青函であるとか札幌支社のようなところは超勤見合いのカラ出張を全然していないというような事情もございます。こういうような事情を踏まえ、もう少し実情を見た上で、これはまた会計検査の方に証拠書類がないというふうに御指摘になっておりますが、それについてもいまいろいろ資料等も提出して御相談をしているというか、お認め願うようにといいますか、御相談をしているところでございますので、そうした中で検査院の御判断、もちろん四億、三億九千五百万というものは不当であることはわかっておりますが、その中でそういうふうな処理ができればそれに対して対応を考えてみたい、返還等も含めて対応を考えてみたい、こういうふうに考えております。
  337. 秦豊

    ○秦豊君 新総裁、あなた意識革命なんていうのはちょっとおかしいんで、余り改まってないですよ。やっぱりいやしくも不当というタイトルのついた金額が四億近いという事実を踏まえないで、会議費とか測調費、余り後退しちゃいけない。まず大胆にそれを踏まえなきゃだめですよ。あなた自身の意識を変えなきゃだめだとぼくは思うんです。  で、大蔵大臣に伺っておきたいんですけれども、確かに新総裁がちょこっと言われたが、もとはと言えば納税者の拠出であるという場合に、じゃ、ちょっと残っているから予備費を——それはまあ確かに安易ですよ。職員から戻入を求める、倫理的ですよ、一種。来年度の予算の編成を控ええてるんだから、査定を。やはりここは不当に使った金額は一応国庫に戻入するという大きな原則を徹底し実行するという習慣をつくっていいのではないか。しかも同時に、そのようなことがあった公団、特殊法人等に対しては明年度以降の予算の査定はまことにシビア、厳正に行われるというふうな常識と結びつくのであって、今度就任された竹下大蔵大臣としては私の提案を含めてどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
  338. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 秦委員の御提案に、私は感覚としては非常に理解できるんでございますけれども、実態的な問題としまして、予備費というと予見せざるものに支出する経費でございますが、そういうものがなじむものであるかどうか、にわかに私としてはそれについては結論めいた御答弁をするだけの自信がございません。大蔵省の考え方といたしましては、いま鉄建公団総裁、また運輸大臣から申されておりましたように、環境庁ももとよりでございますが、いまそれをどういう形で処理するかというのがまさに鋭意検討されておると承っておりますので、その結論を待ってこれに適切な対応をしなきゃならぬというふうに思っております。  で、あとまた、予算の査定に対して峻厳であるべきだというお話がございましたが、それはそのとおりでありまして、国の機関、たとえば環境庁、これはまあ言ってみればそういう結論が出れば返せるわけでございます。が、公団の場合は、直ちに国庫へ入るということにつきましては、まあ会計法上できない点もございます。したがって、そういうものは翌年に留保して査定の対象——それを既存の財源としてみなすとかいうようなことが考えられますものの、いま、姿勢は変わりませんが、鋭意検討されておるその結果前にいろいろな予見でもって対応するということについてのお答えはできかねる、こういう立場でございます。
  339. 秦豊

    ○秦豊君 ちょっと鉄建の新総裁に伺っておきたい。  なるほどいろいろあります。だからぼくが前提として言ったのは、会計法とか財政運営の慣例といえばもうとめどがないからと、あえて言ってるんであって。——まあいいでしょう、考えてください、これを実行してください。  で、いつごろがタイムリミットなのか。常識的には、明年度の予算の骨組みができたんじゃ遅い、その前。常識としてはタイムリミットの基準をどの辺に置いていらっしゃるのか。この方法について、いつごろ明らかにできるのか、ねばならぬのか、その辺はどう考えていらっしゃるか、一言。
  340. 仁杉巖

    参考人(仁杉巖君) 会議費等に流用いたしましたと言われる一億三千万につきましては、年内ぐらいをめどに考えたいと思います。しかし、超勤見合いのものにつきましては、先ほど申し上げましたようにいろいろ局の実情もございますので、もう少し時間をちょうだいしたいと思っております。
  341. 秦豊

    ○秦豊君 だから、これを一つの、政府間の、また政府と対特殊法人間の一種の準則にしてもらいたいということは、防衛庁は二百数十万など、手軽ですよ、うちは多いんですよ——これはそれこそ笑われます。そうではなくて、原則は原則というものをこの際確立してもらいたいという提案をしっかり受けとめてもらいたい。年内とおっしゃったから、それを待たしてもらいたい。  そこで、運輸省に重ねて伺いたいんだけれども、大蔵省の場合は、地崎さん、まあ次官、首脳部のほかに、直接いわゆる接待を受けた公務員を処分しているのですよ。ところが運輸省はいわゆる監督責任に限定をした処分にとどめているわけだ。それで、接待を受けた公務員というのは処分に値しないという判断はどこから生まれたんですか。
  342. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) 私も就任間もなくでございますので詳しく聞いておりませんが、しかし、運輸省そのものの鉄建公団との間の接待等については全く社会通念と申しますか、本当の儀礼的な内容のようであります。したがって、これを不正あるいは不当というようなことで処分をするというようなところまでは至っていない、かように判断いたしました。したがって、鉄建公団の不正に対する管理監督、これに対する責任を追及するということにいたしたわけでございます。
  343. 秦豊

    ○秦豊君 じゃあ、第二次処分のごときは頭のすみにもないわけですな。
  344. 地崎宇三郎

    国務大臣地崎宇三郎君) いまのところは考えておりません。
  345. 秦豊

    ○秦豊君 会計検査院にちょっと伺っておきたいんですけれども、さっき黒、白、灰色の話があったんだが、皆さんの十月二十二日付の中間報告ははなはだもって歯切れが悪い。会計検査院の一種の限界を露呈している。一生懸命やられた労は多とします。まじめにやられた方も多かったでしょう、第一線は。しかし結果は、たとえばあなた方が突き詰めた裏金の中の使途不明金というのは百十八万四千円だけですよね。ところが、国民感情、納税者感覚からいけば、使途が特定できたものがわずかに二千三百万五千だと言う。灰色というか、ロッキードじゃないけれども、これは使途が特定できなかったんだという名目で六千三百二十一万もある、超えている。黒というのは、これはもう全く使途が不明である、追跡不能というのは百十八万四千円であって、これが使途不明金だと。これはだめですよ、そういう区分けの仕方。安易じゃありませんか、便宜的じゃありませんか。だめですよ。やっぱり市民感覚、普通の民間なんか絶対通じませんよ。それでもう能事終われり、足れり。事は終わった、会計検査院はベストを尽くしたとは、とてもあなた言えませんよ。  知野さんはなかなか謙虚な方だからそうはおっしゃらないと思うが、やっぱり念のために申し上げておきたいのは、黒ばかりじゃなくて、いわゆるグレーゾーンというか、灰色を含めた六千四百三十九万九千円が使途不明金なんですよという断定をすべきだと私は思う。なぜしなかったのか。
  346. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいまお話のように、六千三百万円については、一応公団側でこういう使途が明確であるということで使途の一覧表をつくってきて、私の方でそれを区分けすることができた金額でございます。ただ、私どもの方はこれは帳簿あるいは領収書等がございませんので全く確認するすべがございません。  したがいまして、これは先ほど申し上げましたんですが、一たん帳簿がないということでがんばりますと、次に本当の帳簿を出すということは非常にむずかしいことかもしれませんけれども、今度総裁がおかわりになった一つの転機のときに、再度各支社に徹底していただきまして、そういう書類の真相がわかりますれば私ども確認していきたい、こう考えている次第でございます。ですからそれが出てこない限り、やはり当然これは黒と同様だと考えておるわけでございます。
  347. 秦豊

    ○秦豊君 法務側に伺っておきたいんだが、御出席ですね。——  鉄建公団の前総裁を含めた旧幹部に対しまして、全国サラリーマン同盟と金沢市内に住んでいらっしゃる弁護士が背任罪とか贈賄罪の疑いありとして東京地検告発をされた。これは御存じだと思いますけれども、それを受けた捜査の状況は一体どうなっているのか。たとえば一例として川島さんあたりへの事情聴取はもう終えられているのかどうか。終えられてないというならば、どういう展開が予見できるのか、また考えておられるのか、伺っておきたい。
  348. 前田宏

    説明員前田宏君) ただいま御指摘のいわゆる告発が出ておりますことは私も承知しておるわけでございます。ただ、この前の委員会でもお答えしたかと思いますけれども、どのような形で、たとえばだれから何を聞いたかというようなことは本来捜査の秘密でございまして、そのことを申し上げるのは適当でないと申し上げるほかないわけでございます。  それから、この前からのお話もございまして、いまも問題になっております検査院中間報告というものがあるわけでございますが、いまもお話がございましたように、まあ端的に申しまして、直接的あるいは具体的に犯罪の容疑があるという形のものではないわけでございまして、それだけに不明確な点が多々あるわけでございますけれども、一面捜査の手がかりとなり得るようにうかがわれるような事項も含まれておるように思われるわけでございます。そのようなことで告発関係も、率直に申しまして、まあ新聞報道等を整理分析してまとめておられるというような内容のものでございます。これは無理もないかと思いますけれども、通常の告発のように告発人の御本人が事実をつかみ、あるいは証拠を持っておられるというような形での告発ではないわけでございますので、検察当局といたしましては中間報告内容あるいはいま申しましたような告発状の提出等を踏まえまして、また新聞報道あるいは国会での御審議の状況等を踏まえまして、それなりの検討を進めておると、こういう状況にございます。
  349. 秦豊

    ○秦豊君 この前も私質問しましたね、あなたを含めて。その会計検査院中間報告が一種の総括であってそれ以上は望めないとすれば、それが事実上の告発であると受けとめると、ただし受けとめてから慎重にという例によっての答弁のパターンであったんだが、あなたのややくどくどした答弁を伺っていると、まあサラリーマン同盟の告発は別として、会計検査院の方はややオーソライズされたものであると、ややじゃなくて完璧にね。ならば、それを公的な基準にし資料にして、いま捜査に踏み出すべきかどうか準備しているという段階にすぎない。捜査は始まっていないと理解していいんですか、密行性のことはわかっているけれども、どうなんですか。
  350. 前田宏

    説明員前田宏君) 言葉の言い回しの問題になるような感じもいたしますけれども、先ほども申しましたように、秦委員がおっしゃるような意味での事実上の告発と言い得るほどのものであるかどうかということになりますと、ちょっとそこまでにはいっていないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、先ほども申したことと同様でございますけれども、その中間報告に含まれておるようないろいろな問題点、それからいろいろと御指摘を受けているような事項、そういうものを前提といたしまして刑事事件としてどのような形で取り組むべきかということを鋭意検討しておると、こういうことでございます。
  351. 秦豊

    ○秦豊君 最後に。  どういう場であろうとも、伝統ある地検側が、どうも鉄建等の事件では事件になじまないと、しにくいと、攻めにくいと、これは悪い事件だと、言ってみればね。KDDはぴしゃりはまってくるというふうな印象の日本語を余りばらまかれないように願いたいのと、いやしくも予断をもって捜査はあり得ないわけだから、その点は峻厳に振る舞ってもらいたいという希望を申し上げて終わりたいと思います。
  352. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 本件に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。     —————————————
  353. 志苫裕

    委員長志苫裕君) これより請願の審査を行います。  第一二八号公団公社官庁等の汚職・不正経理徹底糾明に関する請願外五件を議題といたします。  先刻の理事会におきまして慎重に協議をいたしました結果、第一二八号公社官庁等の汚職・不正経理徹底糾明に関する請願外五件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付を要するものと決定すると旨意見の一致を見ました。  以上、理事会協議のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  354. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  355. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  356. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 次に、継続審査及び継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十一年度決算外二件並びに国家財政経理及び国有財産管理に関する調査につきましては、閉会中も審査及び調査を継続することとし、継続審査要求書及び継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  357. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  358. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  359. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十一年度決算外二件の審査並びに国家財政経理及び国有財産管理に関する調査に資するため、閉会中においても必要に応じ政府関係機関等の役職員参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  360. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  361. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十分散会      ——————————