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1979-11-15 第89回国会 衆議院 法務委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    委員昭和五十四年十一月十三日(火曜日)議 長の指名で、次のとおり選任された。       井出一太郎君    稻葉  修君       上村千一郎君    金子 岩三君       木村武千代君    熊川 次男君       佐藤 文生君    始関 伊平君       白川 勝彦君    田中伊三次君       谷  洋一君    中村  靖君       二階堂 進君    福田  一君       福永 健司君    山崎武三郎君       井上 普方君    北山 愛郎君       下平 正一君    田邊  誠君       楯 兼次郎君    横山 利秋君       飯田 忠雄君    沖本 泰幸君       長谷雄幸久君    木下 元二君       柴田 睦夫君    岡田 正勝君       中村 正雄君    田川 誠一君 十一月十三日  木村武千代君が議院において、委員長選任さ  れた。 ――――――――――――――――――――― 昭和五十四年十一月十五日(木曜日)     午後零時二分開議  出席委員    委員長 木村武千代君    理事 金子 岩三君 理事 中村  靖君    理事 山崎武三郎君 理事 楯 兼次郎君    理事 横山 利秋君 理事 沖本 泰幸君    理事 柴田 睦夫君       石井  一君    上村千一郎君       熊川 次男君    佐藤 文生君       白川 勝彦君    田中伊三次君       福田  一君    福永 健司君       飯田 忠雄君    長谷雄幸久君       岡田 正勝君  出席国務大臣         法 務 大 臣 倉石 忠雄君  委員外出席者         法務政務次官  平井 卓志君         法務委員会調査         室長      清水 達雄君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月十四日  辞任         補欠選任   谷  洋一君     保岡 興治君 同月十五日  辞任         補欠選任   井出一太郎君     石井  一君 同日  辞任         補欠選任   石井  一君     井出一太郎君     ――――――――――――― 十一月十五日       金子 岩三君    中村  靖君       保岡 興治君    山崎武三郎君       楯 兼次郎君    横山 利秋君       沖本 泰幸君    柴田 睦夫君       中村 正雄君  が理事に当選した。     ――――――――――――― 十一月十三日  政治亡命者保護法案横山利秋君外五名提出、  衆法第一号)  国籍法の一部を改正する法律案土井たか子君  外六名提出衆法第二号)  最高裁判所裁判官任命諮問委員会設置法案(横  山利秋君外五名提出衆法第三号)  最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する  法律案横山利秋君外五名提出衆法第四号)  刑法の一部を改正する法律案横山利秋君外五  名提出衆法第五号)  刑事訴訟法の一部を改正する法律案横山利秋  君外五名提出衆法第六号) 同日  国籍法改正に関する請願外四件(土井たか子  君紹介)(第三七〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十一月十三日  少年法改正反対に関する陳情書  (第七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事互選  国政調査承認要求に関する件  法務行政に関する件      ――――◇―――――
  2. 木村武千代

    木村委員長 これより会議を開きます。  この際、一言あいさつを申し上げます。  このたび、皆様の御推挙によりまして、本委員会委員長就任いたしました。もとより微力ではございますが、職責の重大さにかんがみ、公正なる運営を図ってまいりたいと存じます。  委員各位の御理解と御協力をお願いいたしまして、ごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————
  3. 木村武千代

    木村委員長 これより理事互選を行います。  理事の員数は九名とし、先例により、委員長において指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 木村武千代

    木村委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は       金子 岩三君    中村  靖君       保岡 興治君    山崎武三郎君       楯 兼次郎君    横山 利秋君       沖本 泰幸君    柴田 睦夫君       中村 正雄君 以上九名を理事に指名いたします。      ————◇—————
  5. 木村武千代

    木村委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  裁判所司法行政法務行政及び検察行政の適正を期するため、本会期中  裁判所司法行政に関する事項  法務行政及び検察行政に関する事項 並びに  国内治安及び人権擁護に関する事項について、小委員会設置関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、国政調査を行うため、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 木村武千代

    木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  7. 木村武千代

    木村委員長 この際、申し上げます。  本委員会に付託になりました請願は一件であります。その請願の取り扱いにつきましては、各党間において協議いたしましたが、採否の決定を保留することになりましたので、さよう御承知願います。  なお、今国会、本委員会に参考送付されました陳情書は一件であります。念のため御報告を申し上げます。      ————◇—————
  8. 木村武千代

    木村委員長 この際、倉石法務大臣及び平井法務政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。倉石法務大臣
  9. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 このたび、はからずも法務大臣就任いたしまして、法務行政を担当いたすことになりました。  わが国の内外にわたり多くの困難な問題が山積しているこの時期に当たり、その職責の重大であることを痛感している次第であります。委員長初め委員各位の御理解と御協力を賜りまして、国民の期待する法務行政推進のため、誠意を持って職務を遂行してまいる所存でございますので、どうかよろしくお願い申し上げます。(「話が違うじゃないか」と呼び、その他発言する者あり)  私は、法務行政に課せられた使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあると考えております。私は、この観点から、法務行政の各分野にわたり一層の充実を図り、真に時代の要請に応じた施策を講じてまいりたいと存じておりますが、もとより、これらのことは委員長初め委員各位の御理解、御協力なくしては果たし得ないのでありますから、どうかよろしく御支援、御鞭撻のほど重ねてお願い申し上げます。  以上簡単でありますが、就任のごあいさつといたします。  なお、この際、去る十一月九日、私が法務大臣就任しました直後の記者会見におきまして、ロッキード事件裁判について感想を求められて申し述べましたことにつきまして、いろいろと御批判を受け、世間をお騒がせいたす結果となり恐縮しております。  このようなことを申し述べましたのは、法務大臣と現に進行中の裁判とは直接関係がないとの前提もとに、個人的な感想あるいは印象といったものをお尋ねになりましたからでありまして、私といたしましては、法務大臣立場から具体的裁判について所見を申し述べる意図は毛頭なかったのであります。わが国においては三権分立の制度確立しておりまして、裁判所には厳正中立にして公正無私伝統がございます上、制度の上からも、法務大臣が現に係属中の裁判を左右するようなことはできないのでありますから、私のこうした発言が現に進行中の裁判に影響を及ぼすことは全くないのであります。  しかしながら、法の執行最高責任者たる法務大臣として、国民誤解を招くようなおそれのある発言をいたしましたことは遺憾であります。反省をいたしておるところでございます。ここに国民代表である皆様方の前に私のおわびを申し上げるとともに、今後このようなことがないよう十分注意してまいる所存でございます。どうぞよろしく御了承のほどをお願いいたします。(拍手
  10. 木村武千代

  11. 平井卓志

    平井説明員 このたび法務政務次官就任いたしました平井卓志でございます。  時局柄大任でございますが、倉石法務大臣もと、よき補佐役として時代に適応した法務行政推進に微力を尽くしてまいる所存でございます。何とぞよろしく御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。  簡単でございますが、ごあいさつにかえます。(拍手)      ————◇—————
  12. 木村武千代

    木村委員長 次に、法務行政に関する件について調査を進めます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山崎武三郎君。
  13. 山崎武三郎

    山崎(武)委員 ただいま大臣みずから述べられましたように、わが国裁判所検察庁は、法の運用に関してきわめて厳正中立、かつ公正無私であり、これは世界にもたぐいまれなりっぱな伝統を保持していると私は信じております。私は法務委員であると同時に、弁護士として司法関係の仕事に従事しておりますが、その経験からいたしましても、この点は確信を持って申し上げられるのであります。  なるほど、法務大臣法務検察最高責任者として法の執行に当たられておるわけでありまして、いわゆる指揮権を持っておられるわけでありますが、今回の記者会見発言というものは、現在まで私ども伺います限りにおいては、全くの個人的感情発露にすぎず、何ら具体的裁判に関する発言ではないと思うのであります。そしてまた、私の承知する限り、この発言によって裁判検察関係者が動揺したということは聞いておりません。私は、それは当然だと思います。  しかしながら、一般の国民は必ずしもこうした司法制度の仕組みや司法伝統というものに十分通じているとは申せません。それなるがゆえに、報道関係者の中にこのような反響を呼び起こしたのであろうと思うわけであります。言いかえますと、国民はそれだけ裁判に対して厳正さを求め、またそれを期待していると言えるのであります。その点、大臣もみずから反省しておられるのでありまして、そのお言葉から法務大臣発言重みを深く自覚されたものと理解しておるのでございます。  そこで、発言真意を明らかにするためには、まず、その発言のなされた経緯を明確にいたし、いささかの誤解もないようにいたしたいと思いますが、その発言経緯はどのようなものでありましたか、お伺いをいたします。
  14. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 山崎委員の御指摘のとおり、国民皆様誤解を与えるならば、これはまことに遺憾千万なことでありまして、その意味からも、法務大臣発言重みを痛切に感じておる次第であります。  ただ、さきにも申し上げましたとおり、これは法務大臣就任いたしまして初めて登庁いたしました直後の記者会見の席であり、閣議報告やら抱負、政治倫理確立等、主要な質問の後に最後に出ました質問でありましたが、さきに申し上げましたとおり、この質問者の言われる言葉は、もとより法務省裁判所とは一線を画するものだがと前置きをされまして、ロッキード裁判についての印象ないしは感想をということでございました。不幸にして、私は党務が非常に多忙なために、この裁判状況等については最近全くその内容を存じておりませんでしたので、何も申し上げることはできないと考え、その旨お答えいたしたのでありますが、ただ関係者との友情からこれに個人的感想を付加して申し述べたにすぎないのでありまして、したがって、具体的事件に関して法務大臣としての所見を述べたのではございません。
  15. 山崎武三郎

    山崎(武)委員 ところで、報じられるところによりますと、大臣は同日再び記者会見をされたようでありますが、その経緯をお尋ねいたします。
  16. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 最初記者会見におきましては、そのようなやりとりの後に、その点については何の質問もありませんで、その方の代表質問が終わりまして、他に一、二の記者から別な質問が出ました程度で記者会見を終わったのでありますが、その後夕方になりまして、他に所用で出ております際に、秘書を通じて、一部のテレビで当日の記者会見について問題発言があったとの報道がなされていると聞きまして、もしそれが本当であるとすれば、それは私のお話しした趣旨とは大変異なることで、国民皆様には誤解を与えることになると考えまして、早速発言趣旨釈明するために、役所の広報担当者を通じ、記者の方々にお会いすることといたしたのであります。  そして、当日午後六時、法務省内で記者会見をいたしました。その席におきまして私は、私も国会議員の経歴は長いので、国会議員としてその間長いおつき合いのある人々について個人的な感情はいろいろ持っているが、裁判の問題はこれとは別な問題であって、さきにも申しましたように、わが国裁判所検察庁公正無私伝統を維持してきておりますので、私は、裁判についてはこれに全幅信頼を置いております、また制度の上からも法務大臣が現に係属中の裁判を左右するようなことはできない、さきテレビ報道質問経緯からして私の個人的な気持ちの面が大きく取り上げられているようであり、その点誤解のないようにお願いをいたしたいという旨を申し述べたのでございます。
  17. 山崎武三郎

    山崎(武)委員 なお大臣は、新聞で報じられたところによりますと、記者のけさの記者会見での青天白日という気持ちには変わりはないかという質問に対し、長い間の友人に対する個人的な気持ちというものと、職責上、厳とした司法当局の手にかかっている問題とを混同してはならない旨を強調しておられるようでありますが、まことにそのとおりであると思うのであります。  大臣の御答弁にありますような経緯であるとすれば、この件に関する大臣記者会見での御発言は明らかに具体的裁判に対する所見ではなく、ましてや法務大臣としてのお立場から指揮命令を下したというものでもありません。それでもなお、先ほど大臣の御答弁のように、みずから反省しておられるところに司法の厳正さがあると私は感じているのでありますが、その点を改めて国民理解してもらう意味で、現在大臣検察権行使に関する法務大臣指揮監督権についてどのように考えておられるか、御所見を賜りたい。
  18. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 検察権行政権の一部でありますから、内閣行政権行使について国会に対し連帯して責任を負うとの原則からすれば、内閣の一員である法務大臣検察権行使についても必要な指揮監督権がなければならないと考えております。しかし検察司法権の作用と密接な関連を有して、いわば司法に準ずる性格を有するものでありますから、これに対する法務大臣指揮監督権にも性質上当然の制約があるものと考えるのであります。検察庁法もこの趣旨を含んでいるものと解されるのでありまして、私といたしましては、具体的事件の捜査や処理に関してはすべて検事総長信頼し、かりそめにもその意思に反するような指揮をすることはいたさない所存であります。
  19. 山崎武三郎

    山崎(武)委員 世間批判には、今日綱紀粛正が叫ばれ、総理も初閣議においてその点を強調されておるのに、法務大臣ロッキード裁判の被告の無罪を念願するというのはもってのほかである、したがって法務大臣辞任すべきだとするものもあるようであります。  これは大臣発言誤解し、さもなくばこれを曲解し、その誤った前提に立って憂慮の念を唱えているものであって、いかがなものかと思うのでありますが、このような誤解を解くためにも、今日叫ばれている綱紀粛正あるいは政治倫理確立について大臣の御所見を賜ります。
  20. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 綱紀粛正あるいは政治倫理確立につきましては、政府も真剣に取り組んでおるところでございまして、このことは初閣議総理大臣から言われたとおりでありまして、私ども法務大臣立場から努力をいたしてまいらなければならないことであります。  なお、私の発言がこうした問題について消極的な発言として受け取られたとするならば、それは私の真意に反することでございまして、誤解のないように御理解を願いたいと存じます。
  21. 山崎武三郎

    山崎(武)委員 最後に、重ねて大臣司法検察に対する姿勢をお伺いいたします。
  22. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 私は、わが国裁判所及び検察当局に対して全幅信頼を置いておりまして、司法当局が今後も従来のよき伝統を守り、不偏不党、厳正公平という姿勢を堅持してまいるものと確信しております。
  23. 山崎武三郎

    山崎(武)委員 終わります。
  24. 木村武千代

  25. 横山利秋

    横山委員 まずもって委員長に苦言を呈しておかなければなりません。  先ほどの理事懇談会で、われわれ野党は一致結束をして委員長に、また与党諸君に要望をいたしました。簡単に言えば、大臣就任あいさつは受けない、そして釈明を承りたい、こういうことでございました。それを政府与党了承のあったものと私ども確信をしておるのであります。何ぞはからん、先ほどの大臣最初言葉就任あいさつと思われる節がございます。なるほど釈明も一部含まれてはおりましたけれども、これは政府与党詐欺行為であります。われわれの真意を曲げて、これを巧みに利用して、そして就任あいさつのごとき実績をつくろうとしたということはまことに遺憾千万でございます。今後このようなことが行われるとしたならば、私どもは、理事会におきましても委員会におきましても、委員長を初め与党諸君の言うことを信用ができません。  また、大臣についてもそうであります。われわれの真意はお聞きになっておるはずだと思うのであります。お聞きになっておって、しゃあしゃあと最初就任あいさつのごとき——ごときだとあえて言うのでありますが、そういうことをなさるということは、政治家としても私はそのありようを疑わざるを得ないのであります。私ども法務大臣倉石忠雄君を解任したいと思っておるわけでありますが、さらにその理由がふえたような気がいたします。これは、きつく質問の冒頭に当たって申し上げておきたいと思うのであります。  さて、今度の総選挙に当たりまして、あらゆる候補者が、ロッキードからグラマンからダグラス、一連の国際汚職選挙争点にし、国民に訴える政策の重点にしたことは御存じのとおりであります。そして、選挙が終わって一番国民衝撃を受けましたのが、倉石新法相が記者会見において「私ども、それに関係のあるといわれている人は懇意な人たちですから、これは公明正大で青天白日になられることを友人として念願してます。」ということを、まさに記者会見とすれば公的なものである、しかも法務省記者クラブ、まさに公的中の最初発言においてこの種の発言をしたのには国民衝撃を受けました。何ということだろう、法務大臣は一体何を考えているのかということであります。  そこで、ひとついろいろな立場からお伺いをいたしますが、倉石さんは昭和四十三年佐藤内閣の農相当時に、記者会見でやはり現行憲法問題について「わが国憲法は親鸞の他力本願だ。軍艦や大砲を持って、自分の国は自分で守る自主防衛が大切だ。こんなバカバカしい憲法を持っている日本はおメカケみたいだ」と語られました。それが政治的な大問題になりまして辞任をされました。あなたはどういう理由辞任をされたのでありますか、お伺いをいたしたい。
  26. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 当時のことは、そのいきさつにつきましては、大体あれは私の記者会見の後の懇談会でありまして、したがって……(横山委員「どういう理由でおやめになったかだけを聞いております」と呼ぶ)それは、私が申しました大筋については、これは憲法の問題でありますので、それぞれいろいろ解釈もあるでありましょうが、当時予算委員会がたしか幾日か停滞をいたしておりました。そこで状況を判断いたしまして、これ以上迷惑をかけることは忍びない、こう存じまして辞表を提出いたした次第であります。
  27. 横山利秋

    横山委員 そういたしますと、倉石さんは、自分の言ったことは間違いないけれども、しかし国会が混乱して迷惑をかけているからやめた、こういうことでございますか。
  28. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 いろいろな感情がございますけれども、いまそれについてとやこう申すことは差し控えたいと思います。
  29. 横山利秋

    横山委員 そうはまいらないのであります。  あなたがその当時、いま言ったようなことを記者会見でおっしゃった。恐らくあなたは自分の本心、いわゆる個人的感情をおっしゃったと思うのであります。恐らくあなたは、おれは個人としての感情を言ったけれども憲法を守ることに何ら憶するものではない、こうおっしゃったと思うのです。いわゆる公的な立場個人的感情というものに区別があって釈明をなさった。それにもかかわらず、国会はそれを承知しなかった。議会は混乱した。それでは申しわけないといっておやめになった。  今回も同じ結果になりますよ、これは。あなたは個人的感情を隠そうとしない。これは個人的感情である、私固有の私の感情であり、人間性発露だ、いまでもそうおっしゃっている。めかけ憲法もまた同じようなことではありませんか。同じ次元に立った問題ではありませんか。国会が騒げば、またやめるのですか。
  30. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 今回の法務省における会見正規記者会見であります。何年か前の事件というのは、記者会見が済みまして、後に残っている人々とコーヒーを飲みながら雑談をしたということでありまして、正規の私の記者会見ではなかった。そういうことははっきり、そこに残っておった人々理解をいたしておったはずであります。
  31. 横山利秋

    横山委員 そういう正規記者会見でなくても、結局あなたはおやめになったわけですね。  今度は正規記者会見である。しかも、なおかつ選挙一大争点となった問題について、あの人たちシロだと自分確信をしている、こういう発言がより重大な問題であることは、あなたはお気づきにならないのですか。前回国会が騒いだからやめた、憲法についてはおれは正しいと思ったことを言った、けれども、うるさいからやめた。今回は正規発言である。しかも選挙争点でありましただけに、国民衝撃を与えた。前回やめたのだから、今回もおやめになるのが至当じゃありませんか、いかがです。
  32. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 今回私は、関係者シロであるというようなことを言った覚えはありません。私の気持ちの中に、これらのどういう人であってもなるべくならばシロであってほしいと考えるのは、私はあり得ることだと思います。そういう気持ちを申したということでありまして、前回のことは、さっきも申し上げましたように、正規記者会見ではありませんし、今回の場合とは大変違うと思うのであります。今回のことは、被疑者シロであるなどという、そういう裁判内容については、尋ねる方も気をつけておったようでありますけれども、私の方も裁判の問題について一言も触れておるわけではありません。
  33. 横山利秋

    横山委員 希望として、気持ちとして青天白日になられることを友人として念願する、こういうことだそうでございますね。  それでは伺いますが、「それに関係のあるといわれている人は懇意な人たちです」もう一遍聞きますよ。「それに関係のあるといわれている人は懇意な人たちですから、」というのはだれのことを言っているのですか。起訴されておる人全員ですか、起訴されてない人も含んでですか、特定のだれを言おうとしているのですか。
  34. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 そういうようなことを別に頭の中に描いておったわけではありません。  それからまた、さっきの懇意なというお話でありますが、法務大臣としての立場個人的感情とは厳に区別すべきものであって、私情によって職責が左右さるべきものではないということは、申すまでもなく十分自覚をいたしておるわけであります。
  35. 横山利秋

    横山委員 言葉をあいまいにしては困るのですが、「それに関係のあるといわれている人は懇意な人たちですから、」こうおっしゃっているのですね。  だから、関係のあると言われておるその人とはだれのことを考えていらっしゃるのですか。起訴された人全部ですか、特定の個人を頭の中に置いていらっしゃったのですか。
  36. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 そこまで具体的には考えておりません。
  37. 横山利秋

    横山委員 もう一遍言いますが、「それに関係のあるといわれている人」と言われれば、関係のある人というのは全部ですね、私ども関係ないのだから。関係のある人というのは田中角榮を初め起訴された人々、そういう人ですか。そういう人があなたの懇意な人ですか。
  38. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 関係をしておられる中に私の懇意な人がおります。
  39. 横山利秋

    横山委員 そうすると全部じゃないのですね。全部でないならだれですか、懇意な人というのは。
  40. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 それを、特定の人を思い浮かべながら申したわけではありませんで、いつも全体の——どなたという特定のことを考えたわけではないのであります。
  41. 横山利秋

    横山委員 考えなくても、懇意な人とあなたが言う以上、あなたの頭の中に浮かんだ人があるでしょう。平素から、政治生活の中から、あなたが懇意な人というのはだれなのですか。
  42. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 国会議員の方は大体懇意な方であります。
  43. 横山利秋

    横山委員 そういたしますと、起訴されておる人々、疑いをかけられた人のことを言った、こういうふうに考えてよろしいのですね、国会議員で。——わかりませんか。あなたのお答えの中から推定いたしますと、あなたの言う懇意な人は国会議員事件関係のある人すべてを言ったことだ、こう考えてよろしいのですね。
  44. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 ここに私が出席いたしておるのは法務大臣としてでありますが、個人的なそういう問題についてお答えをいたすのはいかがかと思いますので、御遠慮いたす方がいいと思います。
  45. 横山利秋

    横山委員 あなたは、この問題について先ほどからるる個人的な感情ということを言っている。それを釈明の大黒柱にしていらっしゃるわけです。あれを言ったことは自分個人的な感情だからとおっしゃった。それが釈明の大黒柱であれば、その釈明内容個人的感情の中身について聞くのをお断りなさる理由はないですよ。  だから、「それに関係のあるといわれている人は懇意な人たちですから、」とおっしゃった——後ろで何で知恵をつける。黙っていろよ。それはだれのことかと言って問い詰めていったら、国会議員はすべて懇意だ。それならば、関係のある国会議員のすべてのことを言ったのかと言って聞いているのです。
  46. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 法務大臣といたしましては、この席で個人的な気持ちを申し上げることは差し控えたいと思います。
  47. 横山利秋

    横山委員 納得できませんよ。あなたは記者会見、公的の場で聞かれて、公明正大で青天白日になられることを友人として念願いたしますと言っちゃっているのです。言っちゃっているから、それが問題になっている。  問題になったら、あなたは個人的感情を言ったんだから、言ったんだからと逃げるから、それじゃ個人的感情釈明の大黒柱ならば、その個人的感情というのはどういう内容のものだったと言って聞いておるのに、それをとぼけるのはだめですよ。法務大臣として言ったのじゃありませんか。記者会見倉石忠雄個人が言ったのですか。法務大臣としての正式の記者会見じゃありませんか。どうなんです。
  48. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 先ほどお答え申し上げたとおりであります。
  49. 横山利秋

    横山委員 委員長、納得できませんよ。何回もこれ、やりとりするだけでは納得できませんよ。委員長、お聞きのとおりですから、委員長から一遍促してください。正確に質問に対して答えるようにお願いします。
  50. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 法務大臣といたしましては、ここにおいて個人気持ちを申し述べる立場にないと存じます。
  51. 横山利秋

    横山委員 記者会見では個人的な立場を言ってもよろしい、国会においては個人的な立場を言ってはならぬということはおかしいじゃありませんか。しかも、一番最大の問題があなたの言うところの個人的感情が問題になっているのだから、その個人的感情内容は何かということについて言を左右にして言わないということでは解決しませんぜ。どうしても個人的感情だから言わないというのですか。  それでは逆にお伺いします。あなたは、懇意な人たちですから、これは公明正大で青天白日になられることを友人として念願いたします、これは言ったこと間違いありませんね。それじゃ、その人たちがあなたの期待どおりに公明正大で青天白日になったときに、友人としてあなたはお喜びになりますか。
  52. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 そういう仮定のことをいまここで問われても御返事のしようがないのでありますが、私は、あの会見というのはかなり前に、会見が始まってから、いろいろな所管の事項についてのあれがあって、その後で一人の記者から聞かれたのでありまして、そういう関係を御存じになっていただければ、十分御理解いただけるはずだと思っております。
  53. 横山利秋

    横山委員 どうして私が御理解できますか。一番最後に一人が言ったんだから、それについ答えたんだから、そういう雰囲気をお考えになれば御理解願えると言ったって、それが何の理由説明になりましょうか。  あなたが言うところの公明正大で青天白日になられることを友人として念願しておるというならば、それを言ったのが事実であるならば、裁判の結果それらの人たちが公明正大で青天白日になったら、友人としてお喜びでしょうねと言って聞いている。仮定の問題じゃありません。あなたの友人としての本心の問題だから、そうなったらお喜びでしょうねと言って聞いている。
  54. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 やはりこういう席で私が個人的な問題をお答えすることは困難である、こういうふうに考えております。
  55. 横山利秋

    横山委員 あなたも私も長年の国会議員のキャリアを持っている人間です。あなたはこの発言内容の中で、また再会見の中で、私は裁判状況を余り知らないのだということをおっしゃっておられる。そうですね。だが、裁判内容を知らないけれども個人としては青天白日になることを望んでおる、こうおっしゃる。  しかし、お互いに素人じゃありませんね。政治家としてあなたは、倉石さんは長年のキャリアを持っていらっしゃる。そして国会の質疑も大体勘があって、お互いに裁判の道程なんかも新聞やテレビ国会内容でわかっておるわけです。わかっておりながら、あなたがあえて公明正大で青天白日になられることを友人として念願をしておるということは、やはりそういう政治家としてのキャリアの中でお考えになった、こう考えても当然なことだと思うのであります。いまもあなたは、この言った言葉、つまり友人として青天白日になることを念願していらっしゃるのですか。
  56. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 このことについては、先ほどお答えいたしたとおりでございます。
  57. 横山利秋

    横山委員 そのことは聞いておりません。いまも懇意な人たちだから公明正大で青天白日になられることを友人として念願している、個人的感情だとおっしゃるけれども、いまもそうお考えでございますかと聞いている。
  58. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 法務大臣としてここへ出席をいたしておるわけでありますので、個人的な気持ちのことをここでお答えするということは御遠慮いたした方がいいと思います。
  59. 横山利秋

    横山委員 記者会見でおっしゃったことは事実ですね。法務大臣としておっしゃったことは事実ですね。これは倉石さん、記者会見法務大臣として言ったこと、そのことがいまも変わりはないか、それがあなたの言うとおりの前提要件として個人的感情であろうと友人であろうと、あのとき言った気持ちにいまも変わりはないかといって聞いておるのですよ。  それにお答えにならないとするならば、お答えにならないだけの理由があるだろうと思うのです。それは、ここは国会だとおっしゃる。けれども記者会見も公的な場面ですよ。あそこで言っておいて、いまそれを言わないということは、やはりそういう気持ちが引き続きあると見ざるを得ませんよ。いいですね。
  60. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 私どもがここで申し上げますることにつきましては、やはり一般の国民誤解を生じることのないようにいたさなければなりませんので、個人的な問題についてはお答えをいたされない、こういうふうに御理解願いたいと思います。
  61. 横山利秋

    横山委員 あなたがどう個人的な問題は言わないと言ったところで、前に記者会見で言ったことは残っているのですよ。国会の議事録にもう入っちゃったのですよ。  そして、あなたはここで釈明をなさろうとしておるが、一番肝心なことにお答えにならないのだ。だから私どもは、あなたのその上辺を、洋服を着てよろいを着ているけれども、それを裸にしたら、このことをちゃんと中身に持っているな、倉石忠雄という人間はロッキードやグラマンやダグラスの被疑者を無実にしたいと思っているのだな、それが個人的な感情であろうと何だろうと、あなたの体の血潮の中ににはそれがあるのだなと思っているのですよ、いま。それでもいいのですかと言って聞いているのですが、どうしても個人的な感情は言えないとおっしゃるならば、前に記者会見で言ったことは未来永劫残ります。よろしいですね。  いつまで言っても仕方がありませんから、私は警告をそれで与えます。個人的感情は言わない、前に言ったことは本当だ、あるいは個人的感情だ、こういう堂々めぐりの中に、あなたの腹の中にある、頭の中にある信念というか理念というか、グラマン、ダグラス、ロッキードに関する信念、理念、そういうものがちゃんとあるのだなとみんなが思うのですよ。それも何回もあなたにお答えの場を提供しておるのに、それをとぼけておっしゃろうとしない。言うなら言うで私どもは考えがございます。  それからその次に、この問題に関連をして、にわかに閣僚の中で法務大臣倉石忠雄、それから後藤田自治大臣兼国家公安委員長、この二人の顔が大平内閣の中でずうっと浮かび上がってきたと世間は言っておるわけであります。あなたのこの発言がなければ、そう問題はいかなかった。けれども、後藤田さんの今日までの政治経歴、選挙経歴、そして派閥の動向、あなたが党三役の中からわざわざ法務大臣に出てきたそのバックグラウンド、そしてこの記者会見、そのことを考えますと、大平内閣が航空機汚職、ロッキード、グラマン、ダグラスの裁判、それにどういう姿勢で臨もうとしておるのかということがにわかに浮き彫りになってまいったわけであります。あなたはそのことについてどうお考えになりますか。
  62. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 初めてそういうお話を承ったので、別に何の感じも持っておりません。
  63. 横山利秋

    横山委員 そのことについて、世間の目というものを全然カワズに小便でちょっとも意識していないとすれば、あなたの政治家としてのあれを疑うわけです。     〔委員長退席、金子(岩)委員長代理着席〕 大平内閣の中で倉石法務大臣、後藤田国家公安委員長・自治相、その存在というものがどういう政治的な意義を果たすのかという点について、評論家はもちろんでございますが、国民、マスコミ、すべて注目をしておるわけであります。なぜあなたは党三役から法務大臣におなりになったのですか。三役はそのまま留任ということになっておったのに、あなたが法務大臣におなりになった、大平さんから慫慂されたその理由、いきさつを聞かしていただきたいと思います。
  64. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 その前に、お話のありましたことで申し上げておきたいと思いますのは、法務大臣としての立場個人的感情とは厳に区別すべきものでございまして、私情によって職責が左右さるべきものではないという自覚はきつく持っているつもりであります。  なおまた、この間大平総理大臣の新聞記者会見の終わりの方で、私に法務大臣就任を慫慂したけれども何遍かきつく辞退された、そういうことであるということを申しておりましたが、私も、何で法務大臣にという、私に何の特徴もないわけでありますから、何遍か御遠慮いたしたのでありますが、いろいろ人の配置でそういう都合になったのだろうと想像はいたしておるわけであります。
  65. 横山利秋

    横山委員 あなたも先ほど申したようにもう本当に長い政治生活で、自由民主党の中では大幹部の方なのであります。そんな感覚の鈍い人だとは私も思いませんし、またそう不用意な発言をなさる方とは思いません。  不用意だということは、要するに、仮に不用意と見られようとも、あなたの政治理念、あなたの人生信念、そういうものがはしなくも氷山の一角として表へ出た、そういうふうに受け取るのがあたりまえでございます。一年生や二年生の国会議員ならいざ知らず、長年のキャリアと党の大幹部としてのあなたが、こういうようなめかけ憲法だとかあるいは青天白日になることを友人として念願するということが本当に思いつきで、本当に不用意で、本当に思いがけないことだったと、そんなことは通りませんぜ、長い間の政治生活をお互いやっておって。あなたの本心がはしなくも出た、あなたがそう思っている、場合によれば、機会さえあればそうしたい、そういう念願、政治的影響力というものを意識せずして行うはずがない、そう見るのがあたりまえじゃありませんか。  最後にお伺いをいたします。先ほど山崎君の質問に答えて、政治倫理綱紀粛正自分としても十分にやりたいと思っているのに、それが今回のことで消極的発言と受け取られたのは残念だ、こうおっしゃいました。  政治倫理というものはどういうものだとお考えになりますか。われわれは国会議員であります。したがって、検察司法行政あるいは裁判、そういうものについての、裁判の独自性なり検察陣のあるべき姿というものについての一定の理解を持っておるわけであります。そういう舞台と違いまして、私どもが担当しておるのは政治の世界であります。また人間の心、国民の心をどういうふうにとらえ、どういうふうに国民をよりよき方向にある意味においては誘導していくか、国民の希望をどういうふうに達成するかという政治の分野でございます。そういう意味合いで、われわれがみずから姿勢を正して政治倫理確立したい、しなければならぬと思っているのは、これまた言うまでもないのであります。  その政治倫理と、あなたがお逃げになる裁判のことは任せる、指揮権の発動はしない、どうおっしゃろうと、政治のお互いの世界から言うならば、公明正大を確信する、懇意な友人だ、そういう言葉がどんな政治的影響力を与えるかということをあなたが意識していないとしたらおかしいですよ。あなたが政治倫理をこれから確立しなければいかぬと言っておりながら、あなた自身がその大きな影響力の行使を結局はした。意識すると否とにかかわらず、なった結果というものはきわめて重大じゃありませんか。おやめなさいよ、あなたは。めかけ憲法と言って、国会が騒いでから仕方がなくやめた、こうあなたはおっしゃるけれども、あのときとこのときとは格段の相違があります。今度は公式の発言じゃありませんか。あなたの就任早々の第一声じゃありませんか。そして天下を騒がせたグラマン、ダグラス、ロッキード裁判に影響力を与えたじゃありませんか。その責任を甘受しないのですか。甘受したらやめなさいよ。
  66. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 法務大臣職責はことに重大でございますので、裁判所検察庁、これはいまわが国は全くりっぱに不覊独立の厳正公平な立場で行われていることを私どもは大変力強く感じておるわけでありまして、ここに在職いたしておる間、全力を挙げてこれを守り抜くように最大の努力をいたしてまいりたいと思っている次第であります。
  67. 横山利秋

    横山委員 納得ができません。社会党といたしましては、あくまで法務大臣倉石忠雄君の退陣を要求する決心でございます。  一応時間の関係で、これで終わります。
  68. 金子岩三

    金子(岩)委員長代理 沖本泰幸君。
  69. 沖本泰幸

    沖本委員 先ほどの社会党の御質問に続いて、私も公明党を代表して御質問したいと思います。  感情的にはこういうことをお聞きしたくないという気持ちでいっぱいなのですけれども、地元へ帰ってみましても国民の皆さん方が怒っているわけです。非常に、おこっているというより怒っている。その言い方というのは、先ほどからしばしばお言葉の中へ出てきましたように言語道断であるとか、どうしてこんな人を法務大臣にするのかとか、法務大臣にこういう方を置いておかなければならぬのかとか、歯に衣を着せないような激烈な質問が地元に帰りますと私たちにも飛び込んでくるわけでございまして、この場をかりて大臣真意をお伺いしたいというつもりであったわけですが、最終的にはただいまのお答えで、一生懸命職責を全うしたい、こういうお考えのように承ったわけでございます。  ただ、いままでの報道なり何なりを経過しながら、直接いま御自身からお答えを伺うことになるわけでございますけれども、党務に精励していらっしゃったので詳しいことは知らなかった、こういうお答えがあるわけでございますけれども、少なくともこのロッキード事件というのは世界じゅうを震骸させて、そうしてわざわざ司法当局はアメリカまで調査に係官を出張させ、国会もまた内容を知りたいということで総理に食い下がり、法務大臣に食い下がって、国会の場でこの問題を解明をしていこう、こういうことで真剣な質疑が繰り返されたことは御承知だと思うわけでございます。そういう面で来ておるわけででざいまして、その中でもやはり当委員会でも一番問題になったのは、法務大臣がいわゆる中身をわれわれにどこまでお示しになるか、ならないかというところが議論の分かれ道だったわけです。  そういうことですから、だから、いまは裁判の方へ問題が移行しておって裁判所の問題であるから、いま直ちに法務大臣関係ないというお話になりますけれども、しかし大臣は申し継ぎがあるわけですし、その職責をずっと引き続いてこられるわけですから、そういう観点から考えていきますと、当然問題と関係があるという立場におありになるわけでございます。また憲法内容からいっても、法務大臣はその法務検察の事務を分担、管理するということになるわけですから非常な関係の強いところで、いまロッキード事件裁判の方へ問題が移っているから大したことはない、そういう個人的なお考えを持ったのかどうかわかりませんが、その辺をお考えになったこと自体にやはり大きな問題があるのじゃないか、単純にそう考えます。  まあ、いろいろ私たちの仲間の雑談の中にもありますけれども、だんだんお年を召してくると、ときどき子供みたいな発言があるのだというようなこともありましたけれども、そういうことでこの問題は済まされないというところまで来ておりますし、きょうの問題でわが党の各議員も様子をじっと見ておるということでございますし、そういう事柄の内容を見ながら大臣真意を確かめてみて真剣に問題を考えよう、こういうことでございます。  横山先生は、もうやめてもらいたい、こういうことでもございますが、そういう意向の党もあるわけですし、ほとんどのところがそういう方向で物事を考えておるわけです。少し踏みとどまっているかどうかということで、最終結論は皆その辺にいっておるわけでございますが、先ほどからのお話のように、政治家としての政治的な倫理の上から考えてみましても、どうしてもこの問題は看過できない、見過ごすことはできないし、また国民感情からいっても、この問題をその程度に考えておった人、単に不用意に言葉を滑らしたという、そういう方に別に法務大臣になっていただかなくても、ほかにお入りになる方はたくさんいらっしゃるはずだというのが率直な国民の皆さんの意見でもあるわけでございますし、その辺が問題にもなるわけでございます。  ですからその辺を、いまの私の申し上げている点についてもう一度お考えいただいて、国民がそういうふうにお考えになっておっても、一たん引き受けた以上は、より以上万難を排して自分職責を全うすることが釈明に当たるのだ、まだこうお考えになるのか。  それだと、大平総理が、責任をとってやめることより総理に指名されることの方がより職責を果たすのだ、こうおっしゃったことと同じようなことになるわけなんですけれども、その辺いかがなんですか。     〔金子(岩)委員長代理退席、委員長着席〕
  70. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 先ほどの御質疑にもお答えいたしましたように、私、初めての記者会見で、個人的なことを思いつくまま申したわけでありますが、しかし、その会見の全部の文章が新聞その他に出たわけでございませんで、その一部しか出ておりませんので、それだけごらんになれば、いまお話しのように、大変変わった印象で受け取られておることもあるだろうと思います。したがって私は、公人として発言する場合は非常に気をつけなければいかぬなということをつくづく感じておる次第であります。  私、不敏をも顧みず今回法務大臣の職を命ぜられまして、内部に入りまして事務のいろいろな報告を承りまして、先ほどもお答えの中に申し上げましたように、わが国の治安が安定いたしておるのは、司法権の不羅独立がしっかりしておる、検察がしっかりしておるということが大きな力になっているなということを痛感いたす次第であります。  そういうことにつきましても、今度の問題は、ロッキードの問題等すでに裁判に入っておりますので、私は、これがきわめて厳正公平に行われることを待望いたしておるわけであります。したがって、私が考えておりますことは、いま法務大臣として、不覊独立の裁判進行中のことであり、また検察がしっかりしておるという、この二つの条件のもとで諸般の裁判が行われておるわけでありますから、私は、その裁判についてしっかりした結論が出ることを期待いたしておる以外に何物もないわけであります。冒頭に御指摘になりました、個人的なものが記者会見の中に出てまいりましたということは、これは大変私の不行き届きでありまして、将来はそういうことについて十分注意をいたしていかなければならぬ、こう思っておる次第であります。
  71. 沖本泰幸

    沖本委員 すでに裁判に入っていることだったからということで、そこに油断があった、あるいはいろいろなことをいまお述べになりましたけれども、新聞にありますとおりに公明正大、青天白日ですか、この青天白日というのをなくしていただいて、公明正大に司法当局に裁いてもらうことが一番望ましいのだ、こうおっしゃっていただいたら、何ということはなかったと思うのです。  だけれども、もうおっしゃってしまった後、出た後は、われわれとしましては、実は違うのだ、そういうことを言ったのじゃないのだということでなければ、言ったことはあのとおりなんだけれども、心の中にそうも思っていなかったのだとか、いろいろなことを、理由をお述べになってみましても、当委員会に属する委員としてはどうしてもそういうことを、ああそうですか、では結構ですと言うわけには——国民の側から、私たちも同罪という物の見方をされる、そういうふうに私は考えるわけでございます。  そういう意味合いからも、どうしてもこの場合はもう一度もとへ戻っていただいて、お考えを改めていただく以外に方法はないのじゃないか、私はこういうふうにも考えておるわけでございます。あえて申し上げないと、私たちも責任を免れないということになるから、あえてこのことを申し上げるわけでございまして、そういう点から考えてみても、御自分でもう一度国民の前に身の振り方をはっきりしていただくということの方が筋が通っているし、国民も納得するということになるのではないかと私は思います。  このままで、おっしゃるとおり、このことがあったからより以上に、前以上に身を引き締めて司法行政法務行政に携わっていく、真剣に取り組んで、みんなも督励してやっていくとお述べになっても、やはり国民感情は納得しないのじゃないか。そういう立場に立って御質問したわけでございますから、これ以上騒ぎが大きくなって云々ということよりも、おやめになっていただくことをお考えいただくことの方が妥当ではないか、私はこういうふうに考えるわけでございます。  以上で質問を終わります。
  72. 木村武千代

  73. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 法務大臣質問をする前に、やはり私もこの委員会の運営の問題について一言申し上げたいと思います。  というのは、日本共産党としては、法務大臣の今回のこの発言につきまして、これは法務大臣にあるまじき発言であると考えておりますし、そのために法相自身が辞任されるということを要求し、辞任されなければ大平総理が解任すべきであるということも要求している段階で、そしてきょうの理事懇談会においても、この問題についての釈明が最優先の課題であるということで、この委員会が開かれることになったわけですけれども、それが何かセレモニーの就任あいさつが先行するまことにゆゆしい事態になったことを非常に遺憾であると考えております。そういう意味で、委員長の今後の委員会の運営について公正な、厳正なやり方を要求しておきたいと思います。  そこで法務大臣伺いますけれども法務大臣のこの発言内容ですが、先ほど横山委員からいろいろ御質疑がありました。なかなか答えようとされないわけですけれども、要は個人発言だ、あるいは私的な発言だと言われているわけでありますけれども、あの記者会見の席は、法務大臣になって最初の公式の記者会見であり、法務大臣としての見解を述べる記者会見である。そういうところで私的な問題、私的な気持ちというようなことが果たして許されるというふうにいまも思っていらっしゃるのかどうか、まずお伺いします。
  74. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 お答え申し上げましたその言葉の中に私的な感情が出た、こういうふうに考えております。
  75. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 私的な感情が出たというわけですけれども、そういう私的な感情をそうした席上で出すということはいいと思っているのかどうか、もう一度お伺いします。
  76. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 やはり誤解を生ずるようなことになりやすいのでありますから、そういうことは注意すべきことだと思っております。
  77. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 誤解の問題でなくて、これは法務大臣としての発言であるという意味で、単に誤解を生じるというようなことにとどまらない、法務大臣として私は非常に不穏当な発言であるというように考えているわけです。  そこで、先ほど質問がありましたけれどもロッキード事件について裁判を受けている人、これは懇意な人である、そしてそれがだれとだれであるかということを言われないわけですけれども裁判を受けている人であるということは、あなたのおっしゃった中に入っておりますか。
  78. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 あの事件関係のある国会議員さんが何となく頭の中には浮かぶわけであります。
  79. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 ところで検察庁法の十四条、ここで結局法務大臣は「検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」こうして検察官全体について全般的な指揮監督権を持っているわけです。  そういう中で考えてみました場合に、いまロッキード裁判検察庁が起訴して裁判係属中である。検察庁立場からすれば、起訴をするというのは、これは裁判において有罪の判決を求めるということなのですけれども、その認識はおありでしょうか。
  80. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 よく心得ております。
  81. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 起訴されていて、法務大臣指揮監督下にある検察庁が有罪の判決を求めるためにいろいろな公判活動をやっている。  そういう中で、そこに起訴されている国会議員青天白日になってほしい、こう言われることは、これは非常に重要な問題であると思うわけです。検察庁に対して、あなたが最高の責任者としてそういう発言をするということは、全く影響がないというようにお考えですか。
  82. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 先ほどもちょっとお答えの中で申し上げましたのですが、私が述べましたことを初めから終わりまで全部文章にして発表していただけば、こういう誤解はわりあいに少なかったのではないかと思うのであります。したがって、その全文の中にいまのお話のようなことがあったわけでありますけれども検察関係並びに裁判所などは、もちろんそういうことについて影響があるとは思っておりません。
  83. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 その全文がある。全文があれば誤解が生じないというのであれば、その全文をこの委員会に出されたらいかがですか。出す気はありますか。
  84. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 そういうものはいまありませんけれども、私のしゃべりましたことを聞いていた人たちは、ほかの社の人もたくさんおったわけでありますし、私自身も他に影響があるようなつもりでお話をしたつもりではないものでありますから、大変残念に思っているわけであります。
  85. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 それではまさにマスコミに対して攻撃するような、マスコミが間違っている、まさにそういうことを言わんばかりの態度だというように思うのです。だから、この問題についてはもっと正確に、ではその全体を、本当に自分の意のあるところを出すくらいのつもりでやってもらいたいと思います。  ところでロッキード事件ですけれども、これは、捜査はもう終結しているわけですか。
  86. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 これは起訴されて、裁判に入っているわけでございます。
  87. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 だから、その起訴されている分については、もちろん一応捜査が終結して起訴される。しかしそのほかの、まだあのとき国会で問題になったたくさんの問題があるわけです。こういう問題は、ロッキード事件については捜査終結という宣言をしたわけでもないし、当然まだ残っていると思うのです。  それから、私も公判を直接見たわけではないのですけれども、新聞などを見ていますと、検察官の面前で述べた検察官調書と食い違った証言がなされる。こうなりますと、検察官は普通そういう場合にもう一遍補充の捜査をする、これが常識なのです。これはもう法務大臣ですから御存じだと思うのですけれども、一つは、この起訴された被告についてはともかく、そのほかの関係の捜査がまだ残っていると思うし、そしてまた補充捜査もやらなくてはならない。そういう段階においてあなたの発言があるということは、もう検察官のそれに対する意欲を失わせる、こういうようなことになりませんか。
  88. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 私は、それほど事件内容についてお話をするような気持ちはちっともないものでありましたから、そこまでは考えておりません。
  89. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 それから、もう選挙中から問題になりました鉄建公団の問題あるいはその前のダグラス、グラマンの問題あるいはKDDの問題、これも当然、あれだけ新聞に出ていますから、検察庁とすれば、捜査当局とすれば捜査を始めているとわれわれは思うわけです。  そしてまた新聞でもわかりますように、こういうのに国会議員が関与しているということになるのですが、そうした国会議員に対して、まあ同僚だから青天白日になってほしいというような私的なことを法務大臣が述べられるということは、こうした問題に関連した国会議員の懇意な人々、こういう人に対してもやはり青天白日になることを望む、こういうようなことと一致すると思うのですけれども、いかがですか。
  90. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 そういうことについてここでお答えを申し上げることは困難だと思います。その事件それ自体も、私ども何の報告も受けておりませんので……。
  91. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 それから、先ほど言いました検察庁法の十四条によりまして、法務大臣指揮権発動、その権限も実際はあるわけです。ですから、検事総長に命じて公訴の取り下げをやれ、こういうことだって法律の上ではできることになっているわけです。いまはそういう気はないとおっしゃるわけですけれども。  そこで、ちょっと振り返ってみますと、造船疑獄の当時吉田内閣指揮権発動をした。その造船疑獄のときの指揮権発動はなぜなされたのか。これはどのように考えていらっしゃいますか。
  92. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 全然その事件内容を存じませんので、お答えの申し上げようがないわけです。
  93. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 造船疑獄の当時は法務大臣はもう国会議員であったろうと思うのですが、私まだ学校を出たばかりだったのですけれども、それでもある程度覚えているくらいですけれども、覚えていらっしゃらないというのは非常に問題だと思うのです。結局、吉田内閣がこれ以上造船疑獄で次々に国会議員が逮捕されていくと崩壊する。自分の懇意な人たち、これがつかまるのが困る、こういう懇意な者を救おうということから始まっているわけです。  そういう面から考えてみて、あなたが発言をしたということは、この造船疑獄の指揮権発動の事例もあるし、国民に対して法務大臣として非常に不信感を持たせる、こういうことになるというように思われませんか。
  94. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 そういうようなことのないように厳に警戒をし、注意して行政を進めてまいるつもりであります。
  95. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 それから、先ほども出ました後藤田国家公安委員長、警察のトップになる人ですが、この人がいわゆる金権選挙をやって大量の選挙違反を出した。そうした人が国家公安委員長の職につくということ。それから、こうした自分の管轄する検察庁が有罪を求めてやっている被告について、これが青天白日になってもらいたい、こういう願いをしている、こうした閣僚のいる大平内閣もとで、政治倫理確立だとか綱紀を厳正にするとかいつも言われること、これが本当に実行できるとお考えですか。  国民はこの点について、やはりいまの内閣ではとても、これはえらい内閣をつくった、こういう不信感が非常に強いと思うのです。その点についての御意見をお伺いします。
  96. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 ただいまのような御意見もありますので、私どもとしては厳に注意をいたしまして、検察行政が不羅独立でしっかりしてやってもらえるように鞭撻してまいりたいと思っておるわけであります。
  97. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 いままでの質疑応答の中で、みずからの誤解を生むような行為をしたというようなことも一部認められたわけですが、裁判制度においては、裁判官は、親戚の人を裁かなくちゃならない、親戚の人が自分裁判にかかってきた、こういうような場合は、除斥もされるし忌避もされるし、また刑事訴訟法の規則によって裁判官自身が回避をする、こういうことになるわけです。そしてまた検察官としても、自分と非常に懇意な人が自分の担当に来た、こういうことになれば、それを、友人として親しい人を調べておれば誤解を生むということから、検察官自身が、やはりこれは自分の担当から外してかかわりのない人が調べるのが妥当である。こういうふうにしてやっていると思うわけです。  そういうことから考えてみますと、法務大臣として、自分の同僚であるから青天白日になってもらいたい、こういうことを言う——裁判官がもしそういうことを言ったとすれば、それはもちろんもう忌避の対象になるでしょう。不公平な裁判をするおそれがある。検察官の場合にはそういう制度はないのですけれども、実際上、やはり準司法というような考え方から、厳正さを保つために、親戚だとか関係のある人、こうした者は避ける、こういうことをやっているわけですけれども、まさに厳正な行政をやる、こういう立場から考えると、検察庁自身、検事自身がそうやっている中で、法務大臣自分の懇意な人だから青天白日になってほしい、こういうことを平気で言いながら、それで法務大臣の席に居座る、こういうことは、私はとても許されないことと思うのです。  そういう意味で、まさに裁判官や検察官に学んでみずから辞任する、こういう態度をとるべきだと思うのですけれども、この点もう一度お伺いします。
  98. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 先ほどしばしばお答え申し上げたとおりであります。
  99. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 それから、新聞などを見てみましても、要するに不用意な発言であるとすれば、これは法務大臣として不適格であるとか、あるいは裁判官、検察官といえども人の子であるから、法務大臣がそういうことを言えば影響を全く受けないというのは断定できない、こういう識者の意見が新聞などにたくさん出ているわけです。  この問題について新聞などもいろいろごらんになっていると思いますけれども法務大臣として、この世論に対してどのように考えておられるのかお伺いします。
  100. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 先ほど来お答えいたしておりますのが私の本意でございますので、したがって、私自身のことについては、なおこれから将来誤解を生ずるようなことのないよう全力を挙げて行政に携わってまいりたい、こう思っておるわけであります。
  101. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 問題は結局、いま検察当局がいわゆる総理大臣の犯罪の立証に総力を挙げているときに、検察全体に対する指揮監督権を持つ法務大臣がこのような発言をしたということは、これは職責上相入れない問題だと私たちは厳しく受けとめているわけです。  ですから、共産党としても法務大臣辞任を要求しているわけです。この問題につきましては、非常に重要な問題でありますし、私は、法務大臣としてこのような発言をされることはまさに不適格であると考えますので、このみずからの発言を反省され、そしてまた国民の世論をよく調べていただいて、進んで責任をとって辞任されるように要求して、きょうの質問は終わります。
  102. 木村武千代

  103. 岡田正勝

    岡田(正)委員 私は、まず第一番に委員長に苦言を呈したいと思うのです。  大体、理事懇談会といいますか、まだ理事ができていなかったときですが、そのときの打ち合わせによりまして、政府与党の約束で、あいさつをするのではなくて釈明をするということを了解をいたしまして、この席に入ったわけであります。ところが、あにはからんや大臣はそんなことは知らぬ顔して、いけしゃあしゃあと就任のごあいさつをまず冒頭にはっきりされました。その後で釈明らしきものをごくわずか言われましたが、私は憤慨してよほどのことで退席をしようと思いました。それは余りにも大人げないと思って席に踏みとどまっておりましたが、この際委員長に対して遺憾の意を表明しておきます。  さらに大臣にお尋ねをいたしますが、そういう約束があったということを知っておられましたか、知りませんでしたか。
  104. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 こちらは、要求がございまして到着いたしましたらドアがあいておりまして、すぐに入ったわけであります。
  105. 岡田正勝

    岡田(正)委員 ますますおかしいことになるわけでありまして、ということになれば、政府与党の人は大臣に何も連絡をしてなかったということになるではありませんか。委員長、この責任はどうとりますか。(発言する者あり)
  106. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 何も聞かなかったというわけじゃありません。  お答えいたしますが、けさあることは承知いたしておりましたから政府委員室に来ておりました。それで時間が参りましたので委員会の方へ行こうということで、ちょっと手洗いに行っておりましたので私だけがおくれたものですから急いで参りましたということで、全然知らされていないというわけではありません。
  107. 岡田正勝

    岡田(正)委員 大臣、いいかげんな返事をしないでください。こんな簡単な事柄ですよ。新聞で言うたかな、言わなかったかなということを聞いているのじゃないのですよ。  いまここで、この委員会がつい最前始まったばかりですよ。そのときにあなたは、理事懇の中において約束を取り交わされた釈明をして、その上で質疑を受けることになっておったという、この政府与党と野党とが一致した意見というものを、一番最初の答えは聞いていませんでしたと言われた。その次の答えは、やじに答えて、聞いていないわけではないと言った。どっちが本当ですか、はっきりしてください。
  108. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、本日この委員会が開かれることはもう承知いたしておりましたから、朝から政府委員室に参っておりまして、時刻が来まして、こちらと政府委員室の間を連絡をしておる者がございまして、それから連絡がございましたので、何時でありましたか正確に記憶しておりませんが、その者の案内で入ってまいりました。こういうことでございます。
  109. 岡田正勝

    岡田(正)委員 ということは、もう一度はっきり言いますが、聞いていなかったということになるのですね。はっきりしてください。
  110. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 そこまで詳しくは報告を受けておりませんが、とにかく開会の時刻であるからということで入ってきたわけであります。
  111. 岡田正勝

    岡田(正)委員 そういう言葉裁判用語かどうか知りませんが、これは一体どうなっているのですか。聞いてないわけではないがとか、詳しくは聞いてないがということは、聞くのは聞いたのですか、聞いてないのですか、どっちですか。
  112. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 ちょっと済みませんが、何を……。
  113. 岡田正勝

    岡田(正)委員 まあ全くもう発言するのがいやになりますが、もう一度言いますよ。よく聞いておってください。  本日のこの委員会が開かれるに当たりまして前もって、まだ正式の理事には任命されておりませんから、理事懇談会という名称をもちまして、隣の部屋で委員長を囲んで与野党の理事候補の諸君が打ち合わせをいたしました。その合意事項というのは、私どもの主張いたしましたことは、大臣が常任委員会に来られて最初だから、大臣あいさつをさしてもらいたいという与党の皆さんからの御要求があったことは事実でありますが、だがしかし私ども野党といたしましては、新聞の報道によってのみあなたのロッキード裁判の問題についての発言を知っているわけです。  したがって、これは国民の間に非常に政治不信を起こし、そして検察不信を起こさせる非常に重大な事柄であるからして、この際、この異常な特別国会でありましたから、なおさらのことあなたの真意を聞いて、その上であいさつを受けようではないかということになって、その間いろいろと意見がありましたけれども、合意したところは、釈明のごあいさつを申し上げるのだからいいじゃありませんかということになって、それではその釈明あいさつならお受けして、直ちに質問に入ろうというのでやったのでありますけれども、余りにもはっきりと就任のごあいさつをやられましたね。私どもは、そういうところで政府与党の皆さんは一体大臣にそのことをお知らせしたのか、しないのか、それがどうもおかしくてならぬ。よほど席をけって出ようかと思ったのですよ。出ようかと思いましたが、余りにも大人げないと思って、最初委員会ではありますし、がまんをして座っておったのですが、黙っておるわけにはいかぬから、私いま質問しているわけです。  それを聞いたか聞かないかということを私は簡単に尋ねているわけです。そうしたら、聞いたような聞かなかったようなという、どっちが本当やらさっぱりわからぬことをおっしゃるから、私はそのことを確かめているわけです。以上です。
  114. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 大体私は、ここでまずもって就任のごあいさつをやってこう進んでいくのだ、きのうそういうことになると思いますと言われておりましたので、入ってきて発言を許されましたので、その段取りでごあいさつをいたした、こういうことでございます。
  115. 岡田正勝

    岡田(正)委員 それでは結局何も聞いてないということでありまして、この問題については改めて委員長に対してその責任を私どもは追及していきたいと思います。  本論に入らせてもらいます。  いままで承っておりまして、大臣のお答えを聞いておりますると、結論的には注意をしていかねばならぬと思うという程度のお話でありまして、この発言に対して、法務大臣としていささかの反省もないように見受けられますが、いかが思っていらっしゃいますか。
  116. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 先ほどもお答えの中に申し上げておりますように、誤解を生ずるようなことになりましたので、まことに遺憾千万であるというふうに申し上げたわけであります。
  117. 岡田正勝

    岡田(正)委員 誤解を生ずるような発言であって、まことに遺憾に思っておる。遺憾に思っておるということは、大臣、あなた自身が一人で自問自答ではないのでしょうか。あなたには、本件について心から国民に陳謝をしようとか、そういうような気持ちはさらさらないのではないかと思われますが、いかがでありますか。
  118. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 私が会見のときに申しましたことにつきましては、誤解を生じまして遺憾である、遺憾であると申しますのは、将来はこういうことのないように努力をしなければならぬという自省でございます。
  119. 岡田正勝

    岡田(正)委員 基本に関する問題ですから、しつこいほど聞きますが、大臣は自己反省をしていることだけはよくわかりました。自己反省をしておりますというふうに受け取ってよいのなら御返事は要りません。しかし陳謝をするまでのことはないと思っていらっしゃるのかどうか、もう一度はっきりお聞かせください。
  120. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 私は法務大臣として、つまり検察等に対して悪い影響でもあるようなことがあっては大変なことであります、そういうことについての心配をいたしました。  しかしながら皆さん御存じのように、日本の裁判はもちろん検察当局は非常にしっかりしておって、わが国の治安がこうやって完全に保たれておるのは裁判検察等の力も大きにある、こう思っておるわけであります。そういうことについて影響がないように、私どもはこれから努めなければならないのでありまして、そういうことについて、いろいろみずから一人反省をいたしておる、こういうわけであります。
  121. 岡田正勝

    岡田(正)委員 しからばいま少し徹底したことをお尋ねしたいと思いますが、将来考えていかねばならぬ、影響はないと思う、こういうふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、この際改めて当局に対し、あなたが御発言になって触れられたロッキード裁判の問題は国民注視の問題でもあるし、徹底的に不正をただせというような御指示を出される御意思があるかないか、お聞かせいただきたいと思います。誤解を与えたのですからね。
  122. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 先ほど申し上げました中に、私が同じ日の夕方、二度目の会見をして、そしてその会見で申しました写しがございましたので、これをさっき読んで聞いていただいたわけであります。  そのところに、前段を省きまして、しかしながら法の執行最高責任者たる法務大臣として、国民誤解を招くような発言をいたしましたことは遺憾であり、反省をいたしておるところでございまして、ここに国民代表である皆様方の前におわび申し上げるとともに、今後このようなことがないよう十分注意してまいる所存でございますと、こういうのをお読みいたしたわけであります。こういうつもりでやってまいりたいと思っております。
  123. 岡田正勝

    岡田(正)委員 そのことにつきましては、委員席におきましても承りましたし、新聞も拝見をしております。  そのことについてお聞きをしようと思っておるのではないのでありまして、これだけ大きな誤解世間に与えた問題でありまするから、改めて大臣として、ロッキード裁判等のこの種の問題については徹底的にただしていけということを御指示なさる御意思はないかどうか、それを聞いておるのであります。その回答をしてください。
  124. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 先ほどのお答えの中にも申し上げましたけれども、どなたかの御発言のときにございました指揮権のことでありますが、私は先ほど申し上げましたように、すべて検事総長信頼いたしまして、かりそめにもその意思に反するような指揮をすることはいたさない所存でございます、こう申し上げたわけでございます。
  125. 岡田正勝

    岡田(正)委員 それでは、何遍繰り返しても時間がなくなりますので、再度確認をしておきますが、国民にこれだけ大きな政治不信と検察不信を起こすような発言をされたのにもかかわらず、私どもが親切心をもって、ならば改めて当局に対し、ロッキード事件の問題については徹底的にそのもとをただせということを指示する御意思はないかと言ったことに対して、ないと大臣は思っていらっしゃると考えてよろしいですね。
  126. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 御存じのように、ロッキード事件というのはもうすでに起訴されまして、司法部に、裁判の方に回ってしまっておるわけでありますから、これへ私どもがとやこう申すべきではなくて、もう裁判の方で処理をいたされておるわけであります。
  127. 岡田正勝

    岡田(正)委員 わかりました。改めて指示する御意思はないようでございます。  それでは、その次の質問に入らせていただきますが、大臣は——聞いていますか。休憩しましょうか。いいですか。委員発言中は私語は慎んでください。  まず第一に確かめておきたいことは、いままでの質疑を聞いておりますと、発言をしたことは個人的な発言であって大したことはない、影響もない、こういうふうにおっしゃいました。  そこで、改めてこの際もう一度聞いておきたいと思いますが、法務大臣には指揮監督権があるのかないのか、その点を明確にしてください。
  128. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 検察権行政権の一部でありますから、内閣行政権行使について国会に対し連帯して責任を負うという原則から申せば、内閣の一員である法務大臣検察権行使についても必要な指揮監督権がなければならないと考えるのでございますが、検察司法権の作用と密接な関連を持っておりまして、いわば司法に準ずる性格を有するものでありますから、これに対する法務大臣指揮監督権にも性質上当然の制約があるものと考えるのであります。検察庁法もこの趣旨を含んでいるものと解されるのでありまして、私といたしましては、具体的事件の捜査や処理に関してはすべて検事総長信頼いたしまして、かりそめにもその意思に反するような指揮をすることはいたさない所存でございますと先ほど申し上げましたとおりでございます。
  129. 岡田正勝

    岡田(正)委員 さてそこで、指揮監督権があることははっきりとお認めになっておるわけでありますが、もちろん検察庁法第十四条にも明らかになっておるところでありますが、そういうお立場におられるあなたが、きょうのやりとりを聞いておりますと、新聞報道があたかも間違っておる、正しいことを伝えていない、話をした趣旨が大変違う。趣旨が大変違うという項は山崎議員が質問したときにお答えになったのでありますが、大変違うとはどこが違うのでありますか、その点をお聞かせください。
  130. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 趣旨が、この新聞記事が違うとは私は申しておりません。つまり、私の答えましたときの気持ちが十分にあらわれていなかったのは残念である、こういうふうに申しておるわけであります。  私は、その質問に対するお答えのときに個人的な感情が強く出過ぎたということに反省をいたしておるわけでありまして、したがって、私はあのときにも申したのでありますが、しかしまあ、本件は裁判に移ってしまっているので、これはいかんともしがたいことなんですよと、こういうことは申しておるわけであります。その程度にひとつ御理解をいただきたいと思います。
  131. 岡田正勝

    岡田(正)委員 どうも耳ざわりなお言葉をおっしゃるのですが、事はすでに裁判に移っておるのであるからして、そんなものは関係がないよと言わんばかりのお言葉であります。  しからば、はなはだ初歩的なことをお尋ねいたしますが、裁判というのは、被告人と弁護人と裁判官だけであって、検察陣は一切出席しないことをもって裁判というのですね。笑わないで答えてくださいよ。
  132. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 検察官は、刑事事件でございますから当然入っていると思います。
  133. 岡田正勝

    岡田(正)委員 しからば、裁判に移っておっても大変な影響があることは間違いないのでありまして、話をごまかすような御返事というのははなはだ迷惑に思います。  次に大臣にお尋ねをいたしますが、あなたは、記者会見で答えたものであって、個人的な見解を言ったのであるということをおっしゃっていますが、私は、記者会見というのは、大臣という立場記者会見をなさるときには公のものであると理解をしております。間違いありませんか、どうですか。
  134. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 私が答弁が下手なものですから、私の真意が伝わらなかったので残念でありますけれども、私が申しておるのは、その会見のときのお答えが私の私情、つまり私情の方が強く出過ぎて私の答えるべき意思がそのまま伝わらなかったのが残念だ、こういうことを言っておるのであります。
  135. 岡田正勝

    岡田(正)委員 しからば重ねてお尋ねをいたしますが、大臣も人間ですね。赤い血潮が体をめぐっているわけです。あなたはロボットではない、機械ではない。大臣である前に、あなたは人間であります。倉石さんという人間が法務大臣になったのであります。  そうなれば、記者会見という公の席における話が、話をした後で騒がれたら、あら、あれは個人的見解だよというふうにおっしゃっておるように私は思いますが、そういう使い分けというのはどこを基準にして使い分けを判断したらいいのか、この際後学のために教えておいてください。
  136. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 個人的見解というのはどうかと思うのでありまして、個人気持ちが強くあらわれ過ぎた、こういうふうに自分は感じておるということを申し上げたわけであります。
  137. 岡田正勝

    岡田(正)委員 この問題で余り長くなったら時間がなくなりますから次に参りますが、それでは、いまのお答えを踏まえてもう一度ここで考えてみられて、改めてこの委員会において、ロッキード事件裁判について大臣はどういう御感想をお持ちですかと聞かれましたら、どう答えますか。
  138. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 これは裁判に対して私ども立場で余り公に批判などすべきではなくて、裁判の公正なる進行を期待しておる、こういうことでございます。
  139. 岡田正勝

    岡田(正)委員 しからば、静かに見守っておるというだけのことですね。  そこで、いま一つお尋ねしたいと思いますのは、あの新聞の記事の中にありました懇意な人なのでということは、あれは発言に間違いありませんか。そのとおりですか。
  140. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 どういうふうに申したか、はっきりは記憶しておりませんが、大体そういうつもりだったと思います。
  141. 岡田正勝

    岡田(正)委員 しからば、いままでの委員の皆さんからもこれについては御質問がありましたが、その懇意な人というのは、あなたがいままでお答えになった分から言いますと、長い間の議員生活のおつき合いがあるしというようなことまで、この答弁で言っていらっしゃいますので、ということになれば、ずいぶん個々の人間というものが明らかになってきておると思うのでありますが、その懇意な人、懇意な議員とはだれを指さすのか、それをこの際教えておいてください。
  142. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 どうも、そういうことをこういう席で具体的に申し上げるのは御遠慮させていただきたいと思います。
  143. 岡田正勝

    岡田(正)委員 しからば重ねて聞きますが、その懇意な人というのは、係争中の国会議員全員でありますか、その中の特定の人でありますか。このぐらいは答えられるでしょう。
  144. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 会見でしゃべっているとき、そういうことまで考えたわけではありませんで……。
  145. 岡田正勝

    岡田(正)委員 それでは続いてお尋ねをいたしますが、今回のあなたの発言個人的な見解であろうがなかろうが、公の記者会見の席上で出た問題であり、しかもその中身について否定をなさらない。新聞の記事は正確でありますとあなたはいまおっしゃった。  そのことが国民に伝わって、国民は、この何もせぬ特別国会と言ってもいいような、所信表明も行われない、代表演説も行われぬという、いままさにあした会期を閉じようとするこの国会に対して、国会そのものにも不信を持っておりますが、それ以上に、大きく取り上げられたあなたのこの発言に対して、ますます国民は政治不信を高めております。検察の不信を高めております。このことについてあなたは責任を感じませんか、感じますか。
  146. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 私は検察の権威が落ちているとは思っておりません。検察並びに司法府は大変しっかりしている、先ほど来申し上げておるとおりだと思っております。
  147. 岡田正勝

    岡田(正)委員 問題の趣旨をすりかえてもらっては困るのでありまして、私がお尋ねしているのは、あれだけ新聞に取り上げられて、この種の裁判に対しては徹底的にやってもらわなければならないというふうに、ほとんどの国民が考えておるこの問題について、いかに個人的な見解といえども青天白日の身になることを望んでいるなどということを大臣が言われて、国民はものすごい政治不信を感じておる。その責任をあなたはどうするのかということを聞いておるのであります。検察のことを聞いてはおりません。
  148. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 私は、司法府がしっかりとその職場の仕事を遂行していただけることを期待いたしております。
  149. 岡田正勝

    岡田(正)委員 時間ですというのですが、いけませんですか。
  150. 木村武千代

    木村委員長 一言だけ。
  151. 岡田正勝

    岡田(正)委員 大臣、どうも私はここが肝心なところだと思うのですよ。検察信頼なさるのは大臣としては当然でしょう、自分の部下ですからね。それは当然のことです。そんなことを聞いているのじゃないのですよ。  私が聞いているのは、国民があなたの発言に対して非常なショックを受け、非常な不信感を持っておるこのことについて、ひいては政治全体に不信感を及ぼす問題でありましょう、そのことについてあなたは責任を感じておるのですか、おらぬのですかと簡単なことを聞いているのですよ。簡単に答えていただけませんか。感じてないなら感じてない、感じているなら感じていると、それだけでいいと思います。
  152. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 さっきお答えいたしましたように、私の言葉の中で個人的な感情の方が強く出過ぎて誤解を生じたのは残念千万であります、こういうふうに申し上げている、そういうことであります。
  153. 岡田正勝

    岡田(正)委員 あなたがおっしゃるのは自己反省ばかりでありまして、対外的に私は陳謝をするとか責任をとるとかいう、政治家らしいはっきりした態度というものが見えないのですよ。それが腹立たしくてならないのです。私は、委員長、特にお許しをいただきたいと思いますが、余りにも大臣がそういう態度をおとりになるから、私は言うまいと思っておったのでありますが、あえていま一つ言わせてもらいます。  あなたが昭和四十三年二月六日、コーヒーを飲みながら、正式の記者会見ではない、雑談をしたことによって、日本の憲法はおめかけ憲法だと言ったことによって、あなたは責任をとって当時の大臣をおやめになりました。そのおやめになったのは、なぜやめたのかということを委員質問したら、正規記者会見ではなかったのだけれども国会の皆さんが騒いだからとおっしゃった。しからば、あなたの責任のとり方というのは、国会が騒がなければ責任を感じないというのかどうか、最後にお尋ねをしておきたいと思います。
  154. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 国会が騒いだからなどという言葉を私は使った覚えはございません。  それから、先ほどのお答えの中で補足させていただきますが、法の執行最高責任者たる法務大臣として、国民誤解を招くような発言をしたことは遺憾であり、反省いたしておるところでございまして、ここに国民代表である皆様方の前におわびを申し上げるとともに、今後このようなことがないよう十分注意してまいる所存でございますと、こういうふうにお答えいたしておることをひとつ御了承願います。
  155. 岡田正勝

    岡田(正)委員 どうも委員会におけるお答えとしては、私はどう考えても納得のいかぬことであり、大臣自分のみずから吐いた言葉に対していかなる責任をとるのかということ、あるいはどう責任を感じておるのかということに対して何ら言及をなさらないし、反省の色が見えないということはまことに残念であります。  私は、もう受け持ちの時間がなくなってしまいましたので、幾らやってもきょうはむだだと思いますし、わが党は質問を留保させていただきます。
  156. 横山利秋

    横山委員 議事進行。  各党の質問が時間の関係でこれで終わりましたけれども、すべての質問者が納得していないのです。ですから、いま民社党は留保とおっしゃったのですが、私どももさらに確かめたいと思うのでありますが、その中で倉石さんが、要するに自分の言ったことが新聞記事に本意でないふうに載っておる、こういう言葉が端々に見えるわけであります。新聞が悪いのじゃないんだけれども自分の言ったことがどうもストレートに新聞記事になっていない。で、その全文があるのかと言うと、ないとおっしゃる。それなら、あの席上でどういうことを言ったのか思い起こして、一遍文書にして出してもらいたい、こういうことが一つであります。  それからもう一つは、すべての野党の理事が憤激をしておりますのは、要するに、あれだけ朝から一時間半、休憩しまた再開し、与党だけ、野党だけの懇談をした結果として、とにかく野党は釈明を一斉に要求をする、釈明を聞いてから質問に移る、こういうことでございます。それがすりかえられた結果になりました。大臣就任演説らしいことを冒頭におっしゃったのであります。理事懇談会の運営と著しく違っている。  なぜかと言ったら、大臣は、理事懇談会の結果について何ら聞いていない、こう言うのであります。ゆゆしい話であります。われわれをこけにしたのではないか。委員長を初め与党理事は、われわれをばかにしておる。こういう結果に私どもは憤激しておるのであります。少なくとも大臣が公式の場で理事懇談会の結果を聞いておらぬと言われたのでは、私どもの立つ瀬は全くありません。委員長釈明を要求いたします。
  157. 木村武千代

    木村委員長 いまのは委員長としまして行き違いがあったのじゃないかと思うのでございますが、一遍その点について——いわゆる文書にして出すという初めの問題につきましては、これは私はまた法務大臣の方へ聞かなければわからない問題でございますので、私はここでお答えをすることはできません。  しかしながら後の、理事懇談会の結果と話が違うじゃないかということにつきましては、理事会においてひとつ話をし、検討さしていただきたい、こう思います。(「一党独裁、野党無視じゃないか」と呼ぶ者あり)そのことにつきましては、これは次回の理事会におきまして釈明をしますが、私もそばにおりましてじかに大臣の話は聞いております。聞いておりますが、私たちの了解と少し食い違いがありますので、これはひとつ理事会にお任せ願いたい、こう思うのです。  これにて本日の質疑は終了いたしました。  次回は、明十六日金曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後二時八分散会