運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1979-10-12 第88回国会 参議院 決算委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年十月十二日(金曜日)    午前十時四十二分開会     —————————————    委員異動  十月四日     辞任         補欠選任      片岡 勝治君     野口 忠夫君      大木 正吾君     安永 英雄君      内藤  功君     安武 洋子君      下村  泰君     喜屋武眞榮君  十月五日     辞任         補欠選任      阿部 憲一君     黒柳  明君      柏原 ヤス君     田代富士男君  十月九日     辞任         補欠選任      喜屋武眞榮君     青島 幸男君  十月十一日     辞任         補欠選任      安武 洋子君     山中 郁子君  十月十二日     辞任         補欠選任      山中 郁子君     内藤  功君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         志苫  裕君     理 事                 岩崎 純三君                 楠  正俊君                 降矢 敬雄君                 穐山  篤君                 和泉 照雄君     委 員                 伊江 朝雄君                 石本  茂君                 岩上 二郎君                 河本嘉久蔵君                 北  修二君                 長谷川 信君                 降矢 敬義君                 増岡 康治君                 佐藤 三吾君                 丸谷 金保君                 黒柳  明君                 田代富士男君                 沓脱タケ子君                 内藤  功君                 山中 郁子君                 三治 重信君                 青島 幸男君                 円山 雅也君                 秦   豊君    国務大臣        法 務 大 臣  古井 喜實君        大 蔵 大 臣  金子 一平君        運 輸 大 臣  森山 欽司君        郵 政 大 臣  白浜 仁吉君        国 務 大 臣        (内閣官房長        官)       田中 六助君         —————        会計検査院長   知野 虎雄君         —————    事務局側        常任委員会専門        員        道正  友君    説明員        内閣法制局長官  真田 秀夫君        法務省刑事局長  前田  宏君        大蔵省主計局次        長        西垣  昭君        国税庁直税部長  矢島錦一郎君        運輸大臣官房長  杉浦 喬也君        運輸省鉄道監督        局長       山地  進君        自治省行政局公        務員部長     砂子田 隆君        自治省行政局選        挙部長      大橋茂二郎君        会計検査院事務        総局次長     松尾恭一郎君        会計検査院事務        総局第五局長   小野光次郎君        日本電信電話公        社副総裁     北原 安定君    参考人        日本鉄道建設公        団総裁      川島 廣守君        日本鉄道建設公        団理事      隅  健三君        日本鉄道建設公        団理事      森谷  要君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○国家財政経理及び国有財産管理に関する調  査  (日本鉄道建設公団等経理問題に関する件)     —————————————
  2. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ただいまから決算委員会開会いたします。  この委員会は、参議院規則第三十八条第二項の規定に基づき開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る四日、片岡勝治君、大木正吾君、下村泰君及び内藤功君が委員辞任され、その補欠として野口忠夫君、安永英雄君、喜屋武眞榮君及び安武洋子君が選任されました。  また、五日、阿部憲一君及び柏原ヤス君が委員辞任され、その補欠として黒柳明君及び田代富士男君が選任されました。  また、九日、喜屋武眞榮君が委員辞任され、その補欠として青島幸男君が選任されました。  また、昨十一日、安武洋子君が委員辞任され、その補欠として山中郁子君が選任されました。     —————————————
  3. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本鉄道建設公団等経理問題に関する調査のため、本日、日本鉄道建設公団役職員参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 国家財政経理及び国有財産管理に関する調査を議題とし、日本鉄道建設公団等経理問題について調査を行います。  まず、去る十月三日本委員会出席を求められた国務大臣理由の明示もなくそろって欠席したことは、まことに遺憾であります。  この際、内閣官房長官の所見を伺うとともに、あわせて鉄建公団初め一連政府関係機関不正経理問題について大平内閣がとった措置について報告を求めます。田中内閣官房長官
  7. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 去る十月三日の当委員会開会に先立ちまして出席を要求されました私を含めた各閣僚出席をいたしませんでしたこと、まことに恐縮であり遺憾でございますし深くおわびを申し上げます。  また、鉄建公団不正経理を初め、これらの一連不祥事件につきましても、全く遺憾のことでございまして、政府としては関係省庁の協力を得て、今後このようなことのないよう一生懸命努めてまいる所存でございます。
  8. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 次に、去る三日、本件に関し会計検査院長及び運輸省当局より報告を聴取いたしましたが、この際、補足説明があればこれを求めます。知野会計検査院長
  9. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) 十月三日の決算委員会におきまして、今回の日本鉄道建設公団に関する検査概況を申し上げました。その際、特にカラ出張の問題に関しては、検査内容計数等につきまして事実の確認作業を行っている最中でございましたので、中間的にせよ報告できる段階ではないと申し上げました。  しかし、その後事務総局におきましては事実の確認作業を行いまして、とりあえずカラ出張により捻出をいたしました金額の集計を終わりました。  この金額は、本来、昭和五十三年度決算検査報告に掲載して公表するものでございますが、今回の事態にかんがみ、現在までの検査解明し得た内容報告いたします。  検査実施いたしましたのは、日本鉄道建設公団本社東京新潟新幹線建設局名古屋盛岡支社及び青函建設局で、検査の結果判明いたしましたいわゆるカラ出張による不正経理総額は、五十三年度及び五十四年度において二億七千三百万余円でございます。  会計検査院といたしましては、なお事実の確認を続行し、また、事態発生の原因、経理体制の欠陥など、事態内容を究明すべく、その作業を鋭意進めてまいります。  以上、今回の日本鉄道建設公団に関する検査概況を申し上げましたが、なお、事務総局から補足説明をいたさせます。
  10. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 日本鉄道建設公団不正経理に関する検査概況につきまして、ただいま会計検査院長から御説明申し上げましたが、検査執行いたしました事務総局から検査の具体的な執行状況と現在まで確認できました計数等について補足説明させていただきます。  いわゆるカラ出張検査に際しましては、出張関係旅行命令旅費支給などの関係書類等により可能な限り事実関係確認を行ったところであります。  現在の検査進捗状況について申し上げますと、実地検査で持ち帰った膨大な資料について連日深夜まで鋭意分析検討を行っているところでありますが、昨日までの確認により集計できましたカラ出張金額は二億七千三百万余円でございます。  これを部局別に申し上げますと、公団本社は五十三年度千六百六十万余円、五十四年度四百万余円、計二千六十万余円。東京新幹線建設局は、五十三年度六千三十万余円、五十四年度千五百万余円、計七千五百四十万余円。新潟新幹線建設局は、五十三年度八千七百八十万余円、五十四年度二千五百四十万余円、計一億一千三百二十万余円。盛岡支社は、五十三年度千二十万余円、五十四年度百二十万余円、計千百四十万余円。名古屋支社は、五十三年度二千八百五十万余円、五十四年度四百四十万余円、計三千三百万余円。青函建設局は、五十三年度千三百十万余円、五十四年度六百四十万余円、計千九百五十万余円となっております。  この旅費を不正に経理いたしましたものの使途については、大別いたしますと、一つ超過勤務手当上積みと称して職員個人に支払ったという事態であり、もう一つ雑費的なものに充てたものであります。  これを部局別に申し上げますと、本社はすべて雑費であります。東京新幹線建設局は、職員支給したもの五十三年度四千二百十万余円、五十四年度千二百二十万余円、計五千四百三十万余円。雑費的なもの五十三年度千八百二十万余円、五十四年度二百七十万余円、計二千百万余円。新潟新幹線建設局は、職員支給したもの五十三年度八千六十万余円、五十四年度二千三百七十万余円、計一億四百三十万余円。雑費的なもの五十三年度七百十万余円、五十四年度百六十万余円、計八百八十万余円。盛岡支社は、職員支給五十三年度百四十万余円、五十四年度二十万余円、計百七十万余円。雑費五十三年度八百七十万余円、五十四年度百万余円、計九百七十万余円。名古屋支社は、職員支給五十三年度二千三百五十万余円、五十四年度三百三十万余円、計二千六百九十万余円。雑費五十三年度五百万余円、五十四年度百十万余円、計六百十万余円。青函建設局職員支給は全くありません。そして雑費は五十三年度千三百十万余円、五十四年度六百四十万余円、計千九百五十万余円で、合計いたしますと、職員個人支給したものが五十三年度一億四千七百八十万余円、五十四年度三千九百五十万余円、計一億八千七百三十万余円。雑費的なものが五十三年度六千八百九十万余円、五十四年度千七百万余円、計八千五百九十万余円となっております。  なお、ただいま申し上げました使途のうち、特に雑費的なものに充てましたものについては、いまだ確認困難な面も多々ございまして、具体的な使途金額につきましては、現段階では申し上げるところにまで至っていない状況にありますが、その使途を大別いたしますと、会議費的なもの、交際費的なもの、事務庁費物件費等の雑支出的なものに分けられます。また、使途確認が困難なものも現段階ではあるわけでございます。  なお、賞与上積みにつきましては、前回十月三日に御報告いたしましたとおりでございますので、今回は省略させていただきます。  簡単ではございますが、以上をもちまして補足説明を終わらせていただきます。
  11. 志苫裕

  12. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 日本鉄道建設公団不正経理問題につきまして、現時点における解明状況を御報告申し上げたいと思います。  本問題につきましては、会計検査院もいまだ検査の途上であり、かつ同公団調査につきましてもその精査中でありますので、現時点において必ずしもその全貌が明らかになってはおりませんが、会計検査院並びに公団のおおよその中間報告によりますと、まことに遺憾ながら多額のカラ出張が広範にわたって行われた事実が判明いたしました。  関係監督官庁として今回の事件について迅速適確に対処する必要上、会計検査院に対し非公式に金額等の問い合わせをいたしておりましたが、ただいま会計検査院長報告のとおり、現段階において会計検査対象個所合計で約二億七千三百万円程度になるとの回答を得ております。また公団調査結果につきましても、その内容について会計検査院報告し、検査院からの質問を受けている段階と聞いておりますが、金額はおおむね一億二千二百万円程度との報告を受けております。両者を合計いたしますと、カラ出張総額は三億九千五百万円程度になるものと思われます。  いずれにいたしましても、理由のいかんを問わず、正規の手続によらず、カラ出張という不正な手段によって資金を捻出していたことは許されるべきことではありません。今後、かかる不正な行為の絶滅を図るため、綱紀粛正公団内部管理体制の充実に万全を期する所存であります。また、すでに不正に使用された金銭の措置につきましては、会計検査院検査結果及び公団調査結果を待って対処したいと考えております。  また、国家公務員の水準を上回る特別手当の取り扱いにつきましては、現在閣僚協議会の場において検討中でありますが、私見といたしましては、役員及び管理職にある者につきましては、月額給与を含め国家公務員と同じ方式に改定することにしたいと考えております。  さらに公団役員特別手当及び退職金支給に当たりましては、経営意識の高揚を図るため、勤務状況を勘案し、その支給額増減が図られるようにしたいと考えております。  また予算につきましては、従来の積算内容等について再検討を加えることはもとよりでありますが、執行の面につきましても厳正にすべきものは厳正にし、弾力的に運用すべきものは弾力的に運用する等必要な手続適確に講ずるような措置を考慮してまいる所存であります。  なお、今回の事件にかんがみまして、運輸省といたしましては、大臣官房運輸調査官室制度を設け、公団等給与制度その他の内部管理に関する調査をさせておりますことは、すでに御報告したとおりであります。  今回の不祥事を起こしたことに対し、総裁を含む関係役員から進退伺いがありましたが、速やかに事実関係を明らかにし、今後の適切な対応策を樹立するとともに、当面工事の安全な遂行と事業の渋滞、混乱を避ける必要があると考え、一応これを預かっておりますが、会計検査院検査結果の推移に応じ、できるだけ速やかに厳正な措置を講ずる所存であります。  いずれにいたしましても遺憾至極のことでございまして、国民皆様に対し申しわけないことであったと考えており、深くおわびを申し上げます。  以上、御報告申し上げます。
  13. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 質疑のある方は順次御発言願います。
  14. 穐山篤

    穐山篤君 最初に官房長官お尋ねをします。  今回の一連不正不祥事故はまことに遺憾でありまして、特に選挙中にこの種の問題が発覚をしたということはきわめて印象的だというふうに思うわけです。  さて、そこで、この問題に関連をして関係閣僚会議がしばしば開かれました。官房長官新聞記者発表をしばしば行ってきたわけですが、政府としての統一的な見解あるいは政府としてとらなければならない統一的な措置というものを幾つかお決めになっていると思いますが、まず、その点について冒頭お伺いします。
  15. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 今回の事件は、委員指摘のように、まことに政府としては遺憾と思っておりますし、国民に深くおわび申し上げますが、御指摘のように、たびたび閣議でも総理も綱紀粛正指摘、厳重に各官庁並びに関連公団などにも指示するような指摘がございまして、私の通達といたしまして、まず予算の適正な執行というようなことでも大蔵大臣あてにも通達を出したわけでございまして、その内容を申し上げますと、まず予算の適正な執行につきましては、公務員はその職務の執行に当たりましては厳正に綱紀を保持しなければならないことは当然であるが、政府部内の一部においていわゆるカラ出張等不正経理の問題が指摘されていることはまことに遺憾である。各省庁等においても、いやしくも国民の疑惑や不信を招くことのないよう、予算の適正な執行についてはさらに一層留意されたいというような趣旨のことを数たび通達事項として各省庁並びに関連公団などに出しております。
  16. 穐山篤

    穐山篤君 実は、昭和四十九年度の決算に関する参議院警告というものがあるわけです。これは御案内のように、会計検査院が過度の接待を受けたということが本委員会でも取り上げられまして警告決議になってわけです。これは、事柄は会計検査院運輸省その他であったわけですが、警告意味は、少なくとも検査院を初め各省庁にわたって国会警告をしたつもりでいるわけです。これが昨年の六月十六日に本会議で決まったばかりでありまして、ほぼ一年経過をした後に再びこういう不祥事件が起きているわけです。  そこで、よく調べあるいは検討してみますと、単に偶発的に鉄建公団に起きたというものでなくて、後ほど詳しく明らかにされると思いますが、構造的な問題だというふうにいまや意識しなければ問題の根本的な解決にはならないというふうに私どもは考えるわけです。鉄道公団内部で計画的に行われた問題である、それから監督官庁であります運輸省公団との関係がきちっと整理をされていない、あるいは大蔵省公団の間で癒着があるのではないかと思われるような事件幾つかあるわけです。そういう意味では構造的だというふうにわれわれは考えるわけですが、官房長官、その点いかがですか。
  17. 田中六助

    国務大臣田中六助君) これは時間がかなりかかっておりますし、私どもも非常にその解明に疑問を持ちます。したがって、それが構造的なものであるかどうかにつきましても、いま直ちに結論を出すことはどうかと思いますのは、会計検査院がいま調査中でその結論が出ておりませんけれども、そういう構造的なものだという観点からこの事件を見ますと、やはりそういうこともあり得るというふうな感じも持っております。
  18. 穐山篤

    穐山篤君 半分認めるような御発言のようですが、逐次申し上げていきます。  それから、先ほど運輸大臣私見という立場で特殊法人公団役員あるいは管理職というものについての給与のあり方について私見が述べられましたが、官房長官、これは政府全体の統一見解というふうに受けとめてよろしゅうございますか。
  19. 田中六助

    国務大臣田中六助君) これは、役職員につきましては、すでに先般の関係閣僚会議国家公務員並みとするということに決定しておりますので、統一見解でいいと思いますけれども、その他の一般職員につきましては、労働基本権がございますので、その点を配慮しなければなりませんので、労働省並びにそういう一つの決まりがございますので、その観点から十分調査検討しなければならないというような考えを持っております。
  20. 穐山篤

    穐山篤君 わかりましたが、さて、それはいつから実施をされるんですか。役員管理職給与問題についてはいつから実施をされますか。
  21. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 予算が当然絡みますので、当然次の段階のそういう問題の検討事項から始まるわけで、したがって、ことしの暮れの十二月でございますが、ボーナスつまり賞与の時期から始めます。
  22. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 先ほど私が私見と申し上げました意味は、私は月額給与自体も考えなきゃいかぬということでありまして、ただ何カ月分という割合だけを言うのではないということを明確にしておるのであります。  それから、特別手当それから退職金支給等についても、一律支給というようなことでありますから、そういう問題につきましては支給額増減が図られるように弾力的に運用できるようにという考え方が含まれておるわけです。一生懸命やった人はボーナスもよけいもらえると、いいかげんな人はボーナスの減額もやむなし、あるいは退職手当の場合も考慮しますよと、そのぐらいのことを理事者管理者の間でやれないわけはないと、その他の問題は、まずそれをやってからのことでありますという考え方、それで私は私見と、こういうふうに申し上げたわけでございます。また、そこまでは閣僚協議会の議論は詰まっておりませんから、そこまで詰めてやらなきゃいかぬ、こういうことであります。
  23. 穐山篤

    穐山篤君 公団総裁にお伺いをしますが、公団が独自に調査をしたものが最終的に一億二千二百万円余というふうに報告をされましたが、これは、公団調査はすべて完了した、その上で一億二千二百万円と出たというふうに受けとめていいんですか。まだこのほかにも公団独自で調査を行っておりましょうか。その点をお伺いします。
  24. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお尋ねにお答え申し上げる前に、このたびの不祥事を起こしましたことにつきまして、心から深く責任を感じ、皆様方おわび申し上げたいと思う次第でございます。  ただいまの穐山先生お尋ねでございますが、この調査委員会は九月の九日に発足いたしまして、今日まで精力的にやってまいった結果出た数字でございますけれども、さらにいろいろ現地に即して関係者事情聴取等もまだ続行中でございますので、一応今日まで判明しました数字会計検査院に御報告を申し上げ、その精査を仰いでおるというのが現段階でございます。したがいまして、数字には将来若干のあるいは移動が出てまいるかとも考えておりますが、現在まで調査いたしました結果についての報告内容でございます。かように御理解いただければと存じます。
  25. 穐山篤

    穐山篤君 公団側がみずからカラ出張をやっておって、カラ出張をやった方々がお調べになるわけですから、この数字に多少の弾力性があるというのは当然だと思うんです。  そこで会計検査院、この一億二千二百万円というのは信憑性の高い数字ですか、まずお伺いします。
  26. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 公団が御調査されましたものにつきましては、逐次資料を添えて私どもの方に提出していただくことになっております。で、提出していただきましたものにつきまして私ども入念に精査するつもりでございますが、まだ何せ私ども自身調査いたしました分について現在鋭意確認中でございますので、公団の御調査されましたものについての確認については、まだとうてい手が回らないという実情でございますので、後ほど精査さしていただくつもりでおります。
  27. 穐山篤

    穐山篤君 そうしますと、総裁の方からはまだあるかもしれないと言っているし、検査院の方もこれから詰めるということですから、先ほど説明のありました三億九千五百万円余というのは、相当数字に変化があるというふうに理解をしていいんですか。
  28. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) さよう御理解いただいて結構でございます。
  29. 穐山篤

    穐山篤君 運輸省官房長、ちょっとお伺いします。  運輸省、まあ本省にも予算的には超過勤務費用及び旅費費用というのがあるわけですね。御案内のとおり、業務の範囲も広いし、あるいは国会対策上の問題もあるでしょう。まあ、いろんなことを考えてみますと、官房長手元出張旅費なりあるいは超過勤務手当を各部課に年間なりあるいは四半期ごと配賦をしてしまって、全く手元に置かないということはないでしょう。ある程度のものは置かなきゃならないというのが慣例になっていると思いますが、あなたの場合にはいかがですか。
  30. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) お答えいたします。  予算で一応得られました各年度の超過勤務手当あるいは旅費支給につきましては、予算の算定の際の基準がございまして、たとえば超過勤務手当につきましては、本省で申し上げますと一人一カ月十八時間というようなことで決められておりますし、また旅費につきましては、職員旅費については一応の一人当たりの単価が決まっております。そうしたことで予算総額が決められるわけでございますが、大体超過勤務につきましては、ただいま申し上げました本省あるいは地方の各部局の性格、性質に応じた時間割合に応じまして、これをそのまま配分をいたしております。ただ、超勤につきましては、各局におきまして不測の事態に対応しなきゃならないような追加的な分もございますので、これは官房で保留をいたしまして、適宜その忙しい部局に対するその都度の支給という形で処理をいたしております。なおまた、旅費につきましては、おおむね各局にそのまま配算をしておるというのが実情でございます。
  31. 穐山篤

    穐山篤君 ごく常識的な慣行だろうと思うんですが、さて公団総裁にお伺いしますが、昨日の運輸委員会の議事録もありませんので、正確を期すという意味でもう一度お尋ねをしますが、総裁見解といいますか、説明によりますと、あらかじめプールをさしたような覚えはないと、こういうお話でありましたが、どこの省庁でも多少突発的なことやあるいは不時のことやその他いろんなことがありまして、超勤手当あるいは旅費について調整をするのが慣行ですね。今回の事件といいますのは、その慣行を大いに無視をして大きなカラ出張の枠を取ったと、これは計画的だというふうに私は考えるわけです。しかし総裁の説明ではそうではないというお答えでした。検査院側では、個々の職員が才覚のできる話ではないので十分それは考えられることだというふうに、その点が不十分のままきょうを迎えているわけです。  もう一度その点について明確に、公団側のいままでやってまいりました慣行なり、あるいは今回これだけ膨大なカラ出張費をかき集めてプールをしたわけですから、それについて何ら経営側の意思が働いていないという理屈はまず国民の前には通らないというふうに思いますが、その点いかがですか。
  32. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 昨日先生のお尋ねに対しましてお答え申し上げました内容、大変不十分であったといま反省をいたしております。と申します意味は、先生のお話にございましたそのプールという言葉に、実は解釈を間違えたわけでございますので、そのことをあわせ訂正しながらお答えを申し上げたいと存じます。  公団では、各職員に対します出張命令権者と申しますのは、地方では課長でございます。本社では部長もしくはその委任を受けました課長が権者として出張命令を出しておるのが実際でございます。したがいまして、現実にはそれぞれ部課職員超過勤務の実態でございますとか、そういうふうな勤務状況の詳細をこれら命令権者に当たるポストの者が承知をいたしておるわけでございます。したがいまして、いまお尋ねのございましたように、どこかに大きくプールをしてという意味ではございませんで、申し上げたいと思っております趣旨は、それぞれ各課、事業所別、地方で申しますれば建設所の所長がその課長に当たるわけでございますが、それぞれ作業単位と申しましょうか、そういうふうな部所部所ごとにいま申しましたような必要があって、いま申しましたカラ出張を捻出をしたと、こういうのが実態でございます。  なお、超過勤務だけではございませんで、いろいろ御報告のございましたような雑費充当のものにつきましても、先生も御案内かと存じますが、それぞれ建設所等に参りますればさまざまな来訪社——地権者あるいは見学者、視察者、いろいろな方々が用務があっておいでになるわけでございますが、そういう方々との話し合いでございますとか懇談でございますとか、そういうふうな実態、あるいは会議の必要性、そういうものも、いま申しましたそれぞれの作業単位の長でございます出張命令権者が委細これを処理をしておるというのが実態でございます。  そういうような意味合いで、私の先ほど申し上げましたのは言葉が足りませんで、何か大きく中央で計画的にプールをしておると、こういうようなことではないという意味合いで御回答申し上げた次第でございますので、そのように御理解いただければ幸せかと存じます。
  33. 穐山篤

    穐山篤君 総裁、かばう気持ちはよくわかりますけれども、個人の支給分あるいは雑費の分を含めて約四億円近い金ですよね、これだけの金というのが、単に課長とか係長とかというふうなところで調達のできる筋合いの話ではありませんよね。当然、部長とかあるいはその上の局長とか理事とかいうところの意思が働きませんと、これだけの金の捻出というのはむずかしい話です。これは公団のみならず、その他についても言える問題だと思うわけです。  そこで私は、これは計画的なカラ出張だと、計画的にそれぞれの支社、建設局、本社が資金をかき集めるためにこういう手続をとったというふうに見ざるを得ないと思うのです。  会計検査院、その点についてずっとお調べになってきたわけですから、これが全く個々の部長とか課長の判断でつくられた金であるのか、あるいはそれぞれの支社、建設局、本社の意思が働いてこれだけの金を都合しあるいはプールをしたものであるのか、これはもう調査されているわけですからおわかりだと思うんですが、いかがですか。
  34. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) これは、ただいま公団の方からお答えになりまして、私も昨日お答えしましたことでございますが、いま私どもの方で調査しております旅費の架空の実態から申し上げますと、やはり命令権者である課長なり建設所の所長がカラの出張を命じまして、それを捻出したものを資金にして、いわゆる超勤見合いと称する給与あるいは雑費等に充当しておるわけでございますので、これはその段階においては当然課長とか所長が知らないわけはないという、課とか所ぐるみと申しますか、そういうところでやっておるということは私ども検査の結果確認できるわけでございます。ただ、その上の段階において総括的に指示があったかどうかということば、現在調査段階では解明できていないところでございます。
  35. 穐山篤

    穐山篤君 検査院お尋ねしますが、たとえば超過勤務手当で処理しなければならないけれども予算上、枠の問題で都合ができない、そこでカラ出張という方法をとって、見合いの出張旅費支給をする、そういう手続をとられているわけですね。これは、たとえば年末であるとかあるいは年度末、そういうところに集中をするわけで、東京とか新潟は工事が非常に張っているからかなり連続的に出てはおりますけれども、その他のところでは節目がみんなついているわけですね。これは、考え方によれば、本来ならば中央に上納をして、そして上納した金を地方におろして、カラ出張で見合いの金を払うということになるわけですが、その手数を省いて、公団の中央からおおむね何日分の旅費支給する、こういう形をとった分もあるわけですね。  それからもう一つは、本来本社で領収書を切らなければならない、本来本社で処理しなければならないものだけれども本社予算の枠の都合上、ある特定の支社なり建設局にその始末をさしたと、これもある意味で言えば上納ということになりますね。それから、それぞれの地方の支社及び建設局並びに本社の調整分を全部本社にプールをして、それで会議費に充てる、あるいは交際費に充てる、さらにはその他の諸給与に充てたという例があるわけですね。検査院調べていきまして、上納という形が何らかの方法でとられておったかどうかについて、いかがですか。
  36. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) まず一番先の御質問の、いわゆる給与になった分の実態でございますが、これは必ずしも盆とか暮れに集中しているわけではございませんで、恒常的に配賦されているという状態が多いわけでございます。  それと、私ども検査した実態から申し上げますと、もし一つの統一した基準のもとに行われているといたしますと、ある程度金額なんかもそろっていいんではないかと思うのでございますけれども、先ほど申し上げましたように、盛岡支社などはほとんどございません。青函建設局に至っては全くございません。それからそれぞれの局や支社の中でも課や建設所の中でまちまちになっております。こういう実態から考えますと、どうしても私ども課ごと建設所ごとに計画的にやられているとしか考えようがないわけでございます。  それから次に、上納金というお話でございますが、これは現在まだ使途不明の雑費的なものもございまして、鋭意それを連日深夜までかかって詰めている最中でございます。これが詰め切れないと何とも申し上げられないことでございますので、もう少し時間を与えていただきたいと思います。  次に、交際費そのものは、これは本来本社総裁のところでお使いになる費用でございますので、これを支社等に分配する目的のものではございませんので、本社が一括して……。接待費につきましては、それぞれやはり会議費が各支社、局に配分されておりますので、それを吸い上げて使ったというようなことは現在のところ明確になっておりません。
  37. 穐山篤

    穐山篤君 時間がありませんので前に進みますが、総裁公団の定員は三千三行九十人、ことしの年度末で約百四十人の欠員になっていたわけですね。皆さん方の記録を読ましていただきますと、昨年の春あるいは夏、秋、組合側から、欠員の補充をすべきではないか、それから新潟新幹線の営業開始に伴う要員についても計画的に考えろ、以下幾つかの要求があって団体交渉をした。ところが正規職員の配置はほとんど少なくて臨時職員の配置で済ましている。結果的に実員と定員の差は依然として残っているわけです。これは毎年毎年、人数の多少の幅はありますけれども、百名を前後してここ二、三年ずっと続いているわけです。そのさやが給与総額の中でいろいろお手当てをされたということになるわけですが、公団の業務は波動的ですから、なかなか理屈どおりいかないのはよくわかりますが、なぜ組合側から要求のあった欠員の補充について誠意を持って埋めなかったのか、あるいは埋め得ない具体的な理由が何かあるのか、その点お伺いします。簡単で結構です。
  38. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまお尋ねにございましたように、五十三年度で申しますれば平均いたしまして大体百四十名前後の差がございまして、われわれといたしましては極力欠員の補充に努力をしてまいっております。  先生も御案内のように、上越新幹線が開業準備のために必要な要員を国鉄から割愛を願うべく精力的にお願いをしてまいっておるわけでございますが、いろいろ国鉄側にも事情がこれありまして、非常に協力的にいろいろ要員、人材をいただいておるのが実情でございますけれども、なかなか途中退職者等の者が出ましたり何なりいたしまして、われわれの期待どおりに思うように定員との差が縮まらない、これが今日までの実態でございます。
  39. 穐山篤

    穐山篤君 運輸大臣と大蔵大臣にお伺いしますが、去年の予算編成あるいはことしの予算編成時期に公団側から要求があった、で、最終的に国会で総枠を決めたわけですが、新潟にしろあるいは東北新幹線も五十六年の春には営業開始をしようと、ある意味で言いますと突貫工事の形になっているわけですね。当然それは通常の方法ならばたくさん要員を配置してやればいいわけですが、工事が終われば当然整理をしなきゃならないというふうなことで、超過勤務手当というのはある意味では起き得る話だというふうに思うわけです。私は今度の個人支給分をいいとは認めているわけではありません、決して認めるわけにいきませんけれども、そういう点について監督官庁なりあるいは予算編成の責任者であります大蔵省としては、要員で解決をするかあるいはその他の超過勤務手当などの方法でいくのか、いろんな工夫があってしかるべきだと思うんですが、その点はどういうふうに考えられておったんですか。
  40. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 各個所別の問題について一つ一つ実態を調査しなきゃならぬと思いますが、しかし個人支給がきょうの報告でも総計二億五千九百万円になっておるわけであります。それはたまたま十五カ月分に多分なるんだと思います。したがって、十二カ月分で年間で考えますと、超過勤務手当とほぼ同額の数字に全体として見れば見えるわけでございます。したがいまして、そうなりますと一般職員等を含めての全体のボーナス総額の中に超過勤務手当五十時間分というものが支出されておる、ボーナスの中に超過勤務手当五十時間分が出ている、その分がはみ出して旅費カラ出張という形の中における雑費を除く個人支給ということに振りかわられておるのではないかというふうに推定される面もあります。これは具体的にもっと検討してみなきゃわかりませんよ、わかりませんが、そういうことも私は考え得るというふうに考えておるわけです。したがって、ボーナスの中に超勤手当五十時間分を入れるということが果たしていかがなものだろう。だからこういうカラ出張というものの金額の三分の二というものは、恐らく超勤の肩がわりというようなことになっておるのではないかというふうに数字的には私どもは見ておるわけであります。  したがって、カラ出張の問題を議論するということは、そういう角度からいたしますと、すなわち、いわゆるやみボーナスということと密接不可分の関係にあるのではないか。これはあくまでも断定ではありません、そういうふうに考えられると、考え方があり得る、数字面から見まして。要するに、やみボーナスと言われる中に超過勤務手当一人当たり五十時間分というものが含まれておって、したがって足りなくなった超過勤務手当分をカラ出張の方から流用していると、しかもカラ出張のおよそ三分の二は個人支給であるということでありますね。したがって、今度の問題は、そういう角度から見ますと、カラ出張だけを論議すべきものではなくて、いわゆるやみボーナス——いわゆるでございますよ、いわゆるやみボーナスの問題と切り離して考え得ないことなのではあるまいかと、あくまでもこれは私の、そういう考え方があり得るということを御紹介を申し上げると……。本当のところは実際どうなっているか、会計検査院検査の結果をまって処置をしてまいりたい。しかし、先ほど来のお話ですと、いわゆる超勤問題を中心にして御論議がありましたものですから、私はそういう角度で私の見解を申し述べる次第であります。
  41. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 細かい予算査定の問題でございますので、大臣にかわりましてお答え申し上げます。  まず、超勤手当の予算でございますが、これは認可予算の中で定められておりまして、運輸省の御意見も伺いながら、私どもといたしましては適正な超勤手当の予算を組んでいると思っております。他の公団とのバランス、それから行政府の中央省庁の超勤手当の予算、そういったものとのバランスもとれておりますし、それからただいま運輸大臣がおっしゃいましたように、超勤手当の中から期末手当等の上積みに回された金額とただいまのやみ出張から超勤手当の補てんに回った金額とがほぼ一致するというような事情から言いましても、私どもは妥当な予算計上ではなかったかなと、かように思っております。  それから定数でございますが、定数につきましては、その年その年の事業量を考えながら無理のない執行ができるようにということで組んでおりまして、私どもといたしましては、むしろ公団の方からは定数が少ないということを伺っているものでございますので、今度百四十人もの欠員が出ているということで実は驚いているわけです。定員と現員との関係につきましては、本来定員と現員とが一致するのが望ましいとは思いますけれども、摩擦的には退職の時期と補充の時期が違うとか、それから鉄建公団のような高度な技術集団ではなかなか適当な人がいないというふうなことで摩擦的な欠員が生ずるというのはあり得ることだと思うんですが、恒常的に欠員が出ているというふうな状態は問題があると思いますので、これは査定の仕方等につきましても十分再検討いたしまして、今後よく考えていきたいと、かように思っております。
  42. 穐山篤

    穐山篤君 時間がもう来ましたんですが、運輸大臣と公団総裁にお伺いしますが、先ほども運輸大臣からも指摘があったわけですが、個人支給分が二億五千万円、雑費が一億三千五百万円、まあ過去はこういう膨大な数字になっていたわけですね。で、当然のことながら、これはよくないと、不正な取り扱いだという指摘を再三再四われわれも行ったし、大臣も検査院もそのことは指摘をされているわけです。悪いことは悪いという指摘はいいにいたしましても、仮にこれだけの膨大な金が今日ただいまから全然使われないと、使うこともできないと、そういう才覚もしてはならないということになるわけですね。当然まあ仕事をしております公団側としてははたと困るわけです。業務遂行上必要なものはやらなきゃいけないし、必要でないものは切って捨てるわけですけれども、けしからぬと言うだけでは問題の解決にならないと思うんですが、運輸大臣、その点いかがです。  それからいまの問題に関連をして、公団総裁として、まあいままで慣行的にこういうことが行われておったわけですが、雑費分を一切これから切ったと仮定をして業務はできるんですか、その点をお伺いします。
  43. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 期末手当あるいは勤勉手当の問題につきましては、職員給与規程に「国家公務員に準じ別に定める割合」、すなわち何カ月分というものが出るわけでございます。「国家公務員に準じ」というのはいかなるものであるかということは議論があります。国家公務員と同じかどうかということは議論がありますが、しかし、まあ実額で五割もよけいになってしまうというのまで「準じ」という常識には入らないんじゃないかと、まあこう思いますね。  そういうことで、超過勤務手当を流用しておりますが、これは日本鉄道建設公団予算総則によりますと、「公団は、この予算の範囲内であっても、役職員の定員及び給与を、この予算において予定したところの定員及び給与の基準をこえてみだりに増加し、又は支給してはならない。」、「みだりに」というのは精神規定のようではございまするけれども、それを流用するということ、「みだりに」という言葉、これは私は必ず運輸省に対して相談しなきゃならぬというふうに強く読むかどうかは別にいたしまして、少なくも不適当なる、勝手に流用したというふうに私は考えますので、その意味において管理者の処置は適切でなかった、私はそういうふうに考えるわけでございます。そして私どもから見て、みだりに増加し、または支給したというふうに考えられる事態につきましては、やはり運輸大臣に相談するのが至当ではないか。そういう相談は一切ございませんでした。したがって実態把握が非常に不足をしておった。要するに公団内部だけでなあなあでやってしまった、こういうことでございます。したがって、私ども措置といたしまして、先ほど御報告を申し上げましたように、調査官室を設けて、これから少し、中身の方も知らせてこなきゃそれでいいのだ、便りのないのはいい便りだというふうな考え方でいくべきではない、やはりどんなことをやっているか積極的にこちらからも見るようにいたしたい、そういうふうな措置をいまとっておるわけでございます。  お答えになったかどうかわかりませんが、御質疑の一部に対してお答えしたことになろうかと思います。
  44. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお尋ねでございますが、お尋ねのございました会議費その他の雑費の具体的な使途内容、社会通念から見ましてのその妥当性等につきましては、いずれ会計検査院から御指摘があろうかと思うわけでございますが、しかし事柄は、きょうもあすも、いま仕事は進んでおるわけでございまするので、御指摘を待っているわけにはまいらない、そういうふうな緊急性もございます。したがいまして、先月の二十七日に緊急に支社長・局長会議を開きまして、今回の事件を厳しく反省いたしますとともに、現場第一線におきます管理者といたしまして具体的な問題点の整理をいたしまして、どこに問題があったのか、これからこのようなことを一切してはならないことはいま御指摘のとおりでございまするので、この予算がない場合にどのような具体的な支障が起こるのか、それが自信の喪失なりあるいはまた士気の弛緩なり、そういうふうなものに響かないのかどうか、こういうような点を具体的にいま下部の管理者に対しまして指示をいたし、目下問題点の整理にこれ努めておる段階でございます。その問題点の整理ができましたならば、その内容の具体策をもちまして、監督官庁でございます運輸省はもちろんのこと、大蔵省に対しましても要求すべきことは正々と要求をしてまいり、今後の公団の仕事に支障のないようにやりますのが私の責任であると、かように考えて今後努力してまいるつもりでございます。
  45. 穐山篤

    穐山篤君 運輸大臣、便りがないのはよくないと、ずいぶん運輸大臣としては厳しい態度で臨まれていることはわかりますけれども、目の配り方が運輸大臣運輸省は足りないということについても十分責任を感じてもらわなきゃいかぬと思うんです。やみ賞与と言っておりますけれども、少なくとも一時金の協定というのは、協定が結ばれて、そういうものは常識的に報告されているわけですよ。大臣のところまで届いていたかどうかわかりませんが、これは春闘にしろ、一時金の闘争でも重要な問題だし、幾らぐらい今年度の賃上げがなるか、一時金が払われるかということは社会的にも大きい問題ですから、全く知らなかったというふうに言われたんでは運輸大臣としての責任は務まらぬじゃないかというふうに思います。  最後に検査院お尋ねしますが、今回の事件調査及び追及というのは国民環視の中で行われておりまして、公団の監事のポストは代々検査院から下っているわけですね。その意味では威信が問われていると言ってみてもいいと思うのです。  そこで一つは、調査調査というふうに、調査中というようなお話があるわけですが、ごく近いうちにこの調査が完了して、それぞれについての見解、態度表明というものができるのか。それはいつごろであるのか。  それからもう一つは、検査院の法律によれば不正、不当事項についての指摘ということが中心になるわけですが、われわれ国会なり国民が聞きたいのは、あるいは明らかにしてもらいたいのは、単にカラ出張の問題だけではないんですね。カラ出張の問題を初めとして、一時金の問題もあるでしょう、あるいは入居ビルの問題も非常に大きい話題になっておるわけです。大蔵省と飲んだか飲まないかということも問題ですね。あるいは運輸省の幹部と過度の接待をしたかどうかということも問題です。理屈の上から言うならば、繰り返しておりますけれども、構造的な癒着というものがこの裏側にあるわけです。そういう意味からいきますと、単に不正、不当事項だけを取り上げて発表というだけでは責任は全うされないと思う。通常の検査院報告というのは、検査会議を経て閣議に報告をして報告書が国会に出される、これは通例ですね。しかし事柄が事柄だけに、そういう手順ではわれわれは納得できないと思う。少なくとも検査会議が終わった直後ぐらいには何らかの方法で国会なり国民の前にすべての事柄について明らかにしていく、不当ではないけれども改善をしなければならない問題というのは当然あるわけですね、あるいはその他の官庁にも類似の事例が幾つかあるわけですが、そういう問題についても十分目配りをして国民の前に明らかにする必要があると思うのです。従来の慣例の報告のやり方ではわれわれとしては納得できないと思うのですが、これらについてどういうふうに考えられ、あるいはどういうふうにやられようとしているか、最後にその二つをお尋ねをして終わります。
  46. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) まず、この問題につきまして国会にいつごろ報告するかというお話でございます。私ども事態の推移にかんがみまして、これはできるだけ早く、一日も早く結論を出しまして国会にも御報告をいたしたいと考えております。  それから幾つかお話がありましたが、このカラ出張による不正経理の問題と申しますのは、まあだれが考えましても典型的な不当事項であろうと思います。そういう意味で不当事項としての指摘になることは大体予想できることでございます。  なお、給与の問題あるいは予算の組み方の問題、そういう問題につきましていまなお十分検討いたしておりますが、検討の結果、検査院としまして何らかの改善と申しますか、そういう意見を申し上げるべきであるという結論が出ましたら、そういうこともいたしたいと考えております。  それから先ほども一つ検査院のOBが監事になっておって、検査院もその点の姿勢を問われておるのではないかというお尋ねがあったかと思います。検査院が行います外部からの監査と内部監査というものは、両々相まちまして検査なり監査の実を上げていくということは、これは当然のことでございます。検査院のOBが公団等の監事等に就職をいたしまして今日までの経験なり知識というものを生かして内部監査の実を上げるということは、それ自身私は結構なことではないかと思っておるのでございますが、ただ検査院のOBが監事になっておりますからといって憲法上の機関であります会計検査院検査の上で手心を加えたりあるいは手を抜くということは絶対いたしません。
  47. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 穐山委員からお話がございました先ほどの前二回の質問に対して補足的にもう一つ申し上げたいと思います。  この予算総則の第四条に、他の費目から役職員給与とか交際費等に流用する際には運輸大臣の承認を受けなきゃならないということにまずなっておるわけであります。その当然受けなければならない承認を受けずしてやったというところに今回の一つの大きな問題点がある。すなわち、先ほど来の使途としてあります雑費並びに個人支給は、いずれも他の費目から役職員給与ないし交際費に流用したという点について運輸大臣の承認を受くるべきものであったにかかわらず受けなかった、これはもうはっきり違法であります。  それからもう一つ、私は「いわゆる」というのをいつもつけておりまして、やみ給与という言い方をしておりません。いわゆるやみ給与と言われている実態の中に、超過勤務手当が入っています。これは給与の基準を超えてみだりに増加しているという意味において、これは不適当でないかということを私は指摘をしておる。これが違法であるかどうかというところまでいくかどうかの問題でございますが、はっきり流用禁止とは書いてありませんが、みだりに給与の基準を超えて、すなわち「国家公務員に準じ」というその趣旨に反して、たとえば超勤手当五十時間分を特別手当に流用しているということは、同じ役職員給与の枠内でありましてもこれはみだりにやっちゃいかぬ。みだりとは何かというふうに言われますと、これはなかなかむずかしい。その五十時間分がたまたま二億円程度に当たりまして、この流用禁止の条項に当たる金額とたまたま一致しておりますから、そういう点は問題がないのかなということを私はそういう考え方としてお示ししたと、こういうことでございます。そして運輸大臣の承認を受くべくして受けないという事態があったことについて監督が不十分であったではないかということについては、まさにそのとおりであろうと、こういうふうに思っております。したがって、対策としても立てましたし、それに対する措置を要することも私どもはこれは避けるものではございません。
  48. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 最初に官房長官にお伺いします。  中国の古典に、「法は三章をもって足る」ということから始まりまして「民免れて恥なし」というのがあります。まさに今回の鉄建公団の問題というのは、下の方では、見つかったから仕方がないということであって罪の意識はないんじゃないかと、そしてそのことは、もういまの各官庁において、上の方が乱れているから下の方もこれくらいなことはいいじゃないかという風潮を大きく生んでいるんじゃないかと、こう考えます。  その一番今日的にあらわれてきたのは、けさの新聞に出ていたイランに対する石化支援、政府が二百億出資をするという問題でございます。「時事放談」その他テレビや各種の報道機関等でも、三井グループから多額の献金が自民党並びにあなたの所属している大平派に流れているから、選挙が終わったらきっとこの二百億を出すのだということを盛んに言われていました。この時期に、いま内閣が一遍投げ出して新しい内閣ができるという寸前に、これを閣議決定してあわただしく通産大臣をイランに出張させなきゃならないというのは、まさにマスコミがいろんな形で報道していたことを裏づけるものじゃないでしょうか。事実なぜいまの時期にやらなきゃならぬか、確かにあなたは、それはもう石油の問題が大変だし、これは急いで相手国に出ていかなければならないと答弁されるでしょう。しかし世間はそうは思いませんよ。大平内閣、手形落とさなきゃならぬから、あわ食って自分が在任中にやらなきゃならないんだというふうに解釈される可能性があります。そういうことを、現に選挙中にもマスコミには載っているんですから、それらが載っているにもかかわらずいまやらなきゃならぬと、これは明らかに三井グループに対して何らかの約束があり、選挙期間中に政治資金を何らかの形で流されているという巷間伝うること裏書きすることじゃないですか。どうかひとつ新しい内閣にこういう重要な問題は任せて、いま退陣寸前のあなたたちがやる、そしてきょう閣議決定するということを大平総理にあなたから言ってやめさせてください。どうですか、御所見を伺いたい。
  49. 田中六助

    国務大臣田中六助君) すでにけさの閣議で二百億を海外経済協力基金から二年間にわたって出すということを決めております。私ども責任ある政府といたしましては、疑われるとか疑われないとかいうようなことばかかわりありませんし、国のために、国益のためにやらなければならないことは、いろんなうわさがあろうがあるまいが決断をしなければならないことが多うございます。したがっていま委員指摘のように、選挙中から、選挙前からあるいは選挙後、いろんなうわさがあります。けさの新聞にも一部そういうことも書いておるような印象も受けますけれども、私どもは国家の、やはり民間のプロジェクトとは言いながら重大な石油の問題でございますし、やらなければならないことはやったわけでございます。
  50. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 五月の三十日の参議院の本会議決算の私の質問に対して大平総理は、中川君が新聞等で報道した一連の問題について私は当時証拠を出しなさいとその人たちに言ったけれど、証拠が出ていないから相手にしないと。証拠さえなければいいという考え方、しっぽをつかまれなければいいという考え方、これが今度のこの二百億を急遽決めるところにも介在しているのでないですか。だから鉄建公団総裁あたりが、なに政治家はもっとひどいことをやっているのだから、おれたちこのくらいのことをしてもいいだろうと、こうなるんじゃないですか。そういうことについての反省、官房長官としてどうです。大平派、三井からもらっていないんですか。
  51. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 鉄建公団の問題とかその他の不祥事件につきましての政府の責任と反省は、私他の委員にはおわびを申し上げました。この委員会に対してもおわびを申し上げたつもりでございます、しかし、しっぽをつかまれないからとか証拠がないからこのイランの問題をやったということにつきましては、私は官房長官の職を離れまして国会議員としてあなたに実は逆に抗議を申し入れたいようなつもりでございます。特に大平派とか政府がリベートをもらってこの案件を決めたというようなことにつきましては言語道断です。そういうことは絶対ありません。
  52. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 私は、私に対する大平総理の答弁を申し上げたんですよ。大平総理がそう言っているんです。証拠を出してください、証拠がないものについては云々ということは、本会議の記録をごらんなさい、ちゃんと書いてありますから。いいですか、抗議を受ける筋じゃないんです、大平総理がそう言ったんですから。それから……
  53. 田中六助

    国務大臣田中六助君) それは確信があったからそう言ったんでしょう。
  54. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 だから私はそれを引用しただけなんです。  それから三井の問題等についても、マスコミでそういうことが喧伝されているということを私言っているんです。たとえば「時事放談」の先月の細川、藤原両氏の対談の記録を読んでごらんなさい、その中でどうもそうらしいと。だから私はもらったと言っているんじゃないんですよ。もらったというマスコミのいろいろなそういうことがあるけれども、どうなんですかと聞いたんで、あなたに抗議を受けるなら、あなたはそれらの人に抗議したらいいじゃないですか。
  55. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 私もマスコミ出身でございますが、マスコミでそう言っているからといって、それを直ちに私どもにぶっつけられても迷惑な話でございまして、私どもはこのイランの融資の問題で、政府としてもあるいは大平派としても総理としても、リベートをもらったとかあるいはこれに絡まって献金を受けたということは一切ございません。
  56. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 質問に答えてください。リベートをもらったとは私言っていないんですよ。いいですか。
  57. 田中六助

    国務大臣田中六助君) マスコミで喧伝されておる、あるいは「時事放談」でそういうことを言っておるのはどうかということにトーンを下げましても、そういうことはありません。
  58. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 次に、鉄建公団の問題に入りたいと思います。  この公団経理決算等については国会の論議の対象になっておりませんので、この問題が出るまで私どもは余り精査をするという機会に恵まれませんでした。しかし今度こういう機会に予算書を取って拝見いたしました。昨日も問題になりましたように、これだけの事業をやるのに交際費三百万、これは大変だなと、そして五十二年度の鉄建公団予算書、その予算の変更を見ていきますと、海峡線建設費の中で、一期、二期で、一号、二号で予算の変更がなされておりますけれども、三号、四号では予算の変更がなされておりません。そうして最終の経理状況の中では不用額がゼロになっております、海峡線建設費、事業費を含めて。四百三十五億からのお金を使いながら不用額ゼロというのは一体どういう経理をするのか、この点について会計検査院はどのような検査をしたか、ひとつ。
  59. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 青函建設局の不用額ゼロにつきましては、事業の途中で改定を加えて修正を加えました結果、不用額がゼロになったと聞いております。
  60. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで会計検査院、われわれがちょっと見ても変だと思うことが、あなたたちはそういうふうに聞いていると言うんですが、一期、二期で事業の改定を行って予算書の変更をしているんです。これは上半期ですよ。事業執行というのは下半期までも及ぶわけです。その後予算の変更をしてないんです、三号、四号で。ですから、もう上半期だけで、一期、二期だけで完全に予算書ができて、その予算総額と同じように支出総額がぴたっと決まっている、こんな神わざが一体どうやってできると思います、変だと思いませんか。しかも翌年度の繰越額もゼロなんです。いいですか、翌年度の繰越額も。私はこれを見ただけでおかしいと思ったんですが、残念ながらわれわれはこういうものを見る機会がいままでなかったわけです。これはそういうふうにお聞きしましたというだけなんですか、検査院は。
  61. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 突然の御質問でございまして、実は私手元資料がいまないのでございますが、青函トンネルが非常に順調に工事を進めておりますので、そういう非常に事業の進行がいいということからそういうことになっているんじゃないかと思うのでございますけれども、これは私ども早急に調査させていただきます。
  62. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 資料がないと言いますけれども、ここに私たちの手にも入るくらいの資料なんですから、見ただけでもそのことは……ただ私が聞いているのは、不思議に思いませんかということを聞いている。どうですか。たとえば一期、二期で予算の変更がされて、三期、四期は予算の変更がなくて、財務諸表では予算現額と支出済額がきちっと合って、翌年度繰り越しもなしで不用額ゼロ、四百三十五億からの実行予算を持って。こういうことが不思議だと思いませんかと聞いているんです。直観的にどうですか。そんなことできますか。
  63. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) これは実際に実地に検査に行った者が詳細に検査しておりまして、私それについて特に報告を受けておりませんので、現地に赴きました調査官も特に問題はないと考えておりますので、私としては何ともお答えできないところでございます。
  64. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それじゃ鉄建公団にお伺いしますが、この五十二年度の財務諸表のうちの建設費の海峡線建設費というのは、青函トンネルの関係でございますね。
  65. 川島廣守

    参考人川島廣守君) さようでございます。
  66. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 すると、当然工事費はこの中に含まれておりますね。
  67. 川島廣守

    参考人川島廣守君) そのとおりでございます。
  68. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで、この五十二年度の工事費の中で、きのうも資料として要求しておりましたが、何本の工事が幾らで行われたかというのをちょっと御報告を願いたいと思います。
  69. 森谷要

    参考人(森谷要君) まことに恐縮ですが、再度御質問の趣旨を伺いたいと思います。
  70. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 昨日資料要求として出しておりましたこの青函局の工事費の内訳です。何本で幾らだったというだけでもあしたまでに調べてくれと、こういうふうに——本来は一本一本ほしいんですが。
  71. 森谷要

    参考人(森谷要君) まことに恐縮でございますが、いま手元に持っておりません。早急に資料を整えてお届けしたいと思っております。
  72. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ちょっと資料要求。正式でないと出てきませんので。  五十二年度並びに五十三年度の青函建設局の工事の件数、そしてそれの一本一本の工事予定額。これは本来、指名入札にしろ匿名にしろ——指名入札の場合には公開ですから報告できないわけはないと思いますので、公開ですから。それの予定額と落札額、これの資料要求をいたします。次回までに出してください。
  73. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ちょっと、いまの資料は出せますか。委員会で決めないとだめですか。——出せますね。
  74. 川島廣守

    参考人川島廣守君) できるだけ速やかに御提出申し上げたいと思います。
  75. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そこで、実は会計検査院にお願いいたします。  それが出てきたところでおたくの方は工事の野帳を見ておるわけですね、会計検査をする場合には。一本一本の設計だけでなくて現場の野帳を見ておるんですよ、会計検査院みんな。あなた知らないの、そんなことを。われわれ町長時代にちゃんと受けていたんですから。
  76. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 野帳と申しますのは、これは現場監督の方が個人的にお持ちになっているものでございますので、私どもが要求しても必ずしも見せてくれるとは限りませんので、全部見てるかどうかはつまびらかでございません。ただ、工事関係のいろいろな書類は全部見ております。
  77. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 会計検査院が行って、提出して、野帳を見せないところがありますか、そういう例が。少なくとも地方自治体ではそういうばかなことはないです。  ちょっと鉄建公団に聞きますが、会計検査の場合には、野帳の提示があれば鉄建公団は見せておりますでしょう。
  78. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 大変どうも不勉強で申しわけございませんが、いま尋ねましたら、野帳というものは、それぞれ個人個人でメモ的につくって持っているそうでございます。
  79. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 質問に答えてください。それは会計検査院が提示すれば、現場ではみんな見せてますでしょうと私は聞いているのです。
  80. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 個人のメモであるという立場からお見せしてないということでございます。
  81. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 会計検査院に御質問します。  そうすると、会計検査院は地方自治体などに対する会計検査鉄建公団ではずいぶん違うわけですか。鉄建公団では野帳は見せないと言えば手心を加えているわけですか、そういうふうに理解してよろしゅうございますね。
  82. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 地方公共団体の場合でも野帳は必ずしも見せていただいているわけではございません。私ども本当に野帳を見せていただけば非常に検査の参考になるんで見たいんでございますけれども、これはあくまでも個人のものでございまして、私どもの方でそれを提出して見る権限がございませんので、あくまでも任意に見せていただける場合しか見せていただけないわけでございます。
  83. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 普通、任意に要求されて野帳を見せないということはないんです。しかし、まあそれはいいです。この問題はこの問題でまた少し会計検査院に対して、そういう差別をつけているという実態の中で、時間がないから別な機会に譲ります。  それから不用額の問題もきわめて明確でないので、できるだけ早い機会にもう一回この委員会をやっていただいて、この資料に基づいてやらぬことにはならないんです。  実は、なぜ私がこのことをしつこく質問するかというと、いわゆる政治家のパーティー券の押しつけという問題が昨日から大分問題になっておりました。これが鉄建公団総裁の交際費からなんというのは本当に氷山の一角で、それぞれの現場で、工事を受けた会社、下請、孫請というふうに、特に政治家からの激励集会等の場合に、割り当てられたものをずんずんと下に押しつけて、下の方で悲鳴を上げているという例を幾度も聞くからです。これは鉄建公団だけではなくて、このことについては、そういうことをやっているから下の方だっていいかげんなことをするんだということについては、ほかの役所にも間々あることです。しかし、鉄建公団のこういう問題を中心にして、おたくの場合にもそういうことが間々行われている事実を総裁は御存じですか。
  84. 川島廣守

    参考人川島廣守君) いまお尋ねのございましたようなことにつきましては、総裁の立場では承知いたしておりません。
  85. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 総裁の立場では御存じないとすれば、総裁の立場でない人は御存じであるかもしらぬということでございますね。
  86. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 言葉が大変不十分だったと思いますが、われわれといたしましてはそのようなことをお聞きしておりません。
  87. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 膨大なカラ出張予算操作が出てまいりましたけれども、実は昨日運輸大臣は、「青函トンネルというのはまさに世紀の事業であって」というふうなことを答弁の中でおっしゃっております、そういう技術的な水準の高いものをやらなきゃならぬから公団が必要なんだということの関連で。あそこが世紀の貫通をついこの間したんです。ところが、世紀の貫通にかかわらず、今回だけに限り祝賀会を中止して自粛すると。この間からのいろいろな質疑なり発表の中で、公団職員の士気を鈍らせたら困るというふうな話が再三出ておりましたが、これなどは一体どうなんです。運輸大臣としては、これだけの大世紀の貫通に何らのこともしないで、この問題があるからいいとお考えなんですか。
  88. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお尋ねは、本州側の先進導坑と作業坑とが一応貫通したわけでございまして、まだ本坑の貫通ではないわけでございますが、お尋ねのございましたように、本来でございますれば、作業関係者を含め、私も実は出席をして士気を鼓舞しようと、かように考えておった次第でございまするけれども、このような不祥事が起こりまして、その直後のことでもございまするし、組織の動揺を防ぎ、職員の不安を静めるために各般の努力をいたさなきゃならぬと、かように考えまして、一泊二日の予定を取りやめまして、実は現地でささやかに関係者だけで内輪の祝賀会を催した次第でございます。
  89. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 内輪の祝賀会の経費はどこから出ましたか。
  90. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 当然いただきました予算の範囲内でやったことは間違いございません。
  91. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 パーティー券の問題ですけれど、昨日松尾事務総局次長が、社交的、儀礼的であれば激励会出席は違法でないと、こういうふうに答弁されております。そして私は、これは激励会というのは、出て飲み食いするんだから、そういう飲食費代を会券で払っているんだから、これは社交的、儀礼的な場合には違法でないと、こういう意味の答弁だと思いますが、いかがですか。
  92. 森山欽司

    運輸大臣森山欽司君) 最後のところをもう一回。ちょっと聞き取れなかった、最後のところ。
  93. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 社交的、儀礼的であれば鉄建公団その他の人が出席しても違法でないということは、一万円のパーティー券を持って行ったときには相当程度のやはりパーティーで、自家消費してしまうんだから政治献金とはつながらない、こういう解釈で違法でないと答えられたのですかと、こういうことなんです。
  94. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 昨日私の答えましたのは、正規の交際費から励ます会の会費の支出があった場合に、それはどう思うかということでございますが、正規の交際費から励ます会等の会費を出した場合に、それが交際費の性質から見まして、社交的、儀礼的範囲のものであれば会計検査上特に不当とするにしがたいものであるということを申したわけでございます。
  95. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ということは、交際費以外から出ていればこれは違法だというふうに理解してよろしゅうございますね。
  96. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 交際費というのがこういう会費の性質上最も一適切な費目であると考えております。それ以外の経費から出す場合には——やはり交際費という科目があればそれから出すのが一番いいんではないかということでございます。
  97. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 交際費から出れば違法でないと言うから、じゃ、交際費以外の費目から出した場合には違法かどうかと聞いているんです。
  98. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 交際費の科目から出るのが一番適当で、それ以外の科目が、科目の性状の問題でございますので、これは特に私から言いますと、交際費の科目から出れば一番科目的には適当であろうということでございます。それ以外の科目から出た場合には、交際費に持っていくべきだということをこちらで言うべきであると考えております。
  99. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ちょっとどうも答弁が上手過ぎてよくわからないんですけれども、私の聞いているのは、交際費から出ているのは違法でない、儀礼的であれば。しかし、これにも問題はあるんです。しかし、その他から出た場合には違法性があるのかないのか、これは会計検査院が説明する問題でないかと思いますが、法制局の考えとしてどうですか、そういう問題は。
  100. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) お尋ねは、結局のところ、国会議員さんを励ます会に出席する場合の会費を交際費から出す場合とそれ以外の費目から出す場合とで適法、違法の問題はどうなるかということだろうと思うんですが、どうも私自身私の役所でそういうことが、交際費以外というのは余りありませんし、じかに考えたこともありませんが、これはしかし結局予算の組み方の問題でございまして、官庁内だけの扱いで移用、流用ができるというような仕組み、そういう立て方の予算であればこれはやってもいいんだろうと思うんですが、通例はそういうことはないんだろうと思います。ただ、私、役所の、官庁予算のつくり方とそれから公庫、公団、事業団その他の特殊法人予算の立て方とは若干違うんだろうと思いますし、詳しいそういう予算の仕組みのことは存じませんので、ちょっとはっきりしたお答えはいたしかねる次第でございます。
  101. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それでは、自治省公務員部長が来てましたね。  地方自治法では交際費等への予算流用はできないようなことにして、予算議決のとき必ずそれらの流用はしないということを議決内容の中でうたうように自治省は指導しておりますね。
  102. 砂子田隆

    説明員(砂子田隆君) 私実は公務員部長でして、行政法の方の、自治法の財務会計の仕事をしておるわけじゃございませんので的確にお答えをするのはちょっと避けたいと存じます。
  103. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それじゃそれはまた置いておいて時間がないので少し急行列車でやらなければならぬから、公務員部長さんにお尋ねいたしますが、公務員部長さん名で異例の通達が「違法な給与支給等の是正について」という形で八月の三十一日に各都道府県と指定都市に出ております。これはもういわゆるいろいろな、いまマスコミでもにぎわっておる各種問題について自重するように、それから是正するようにということですが、これは違法と断定して、こういう違法な給与の問題については云々という通達を出したわけですね。
  104. 砂子田隆

    説明員(砂子田隆君) これはお話しの、最近の地方公共団体におきます不適正と申しますか、そういう給与に関しまして給与条例主義に基づかない支出をした場合に違法である、簡単に言えばそういうことを申し上げておるのです。
  105. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そこで鉄建公団の問題について運輸大臣にお伺いしたいと思うのですが、一般の人件費その他の中で税金から鉄建公団の方に補助金等が出ていて運用している分が相当多数ありますね、相当部分。これらはやはり国の税金ですから国や地方公共団体と同じような性質のものと受け取ってよろしゅうございますか。
  106. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 国から補助金等の金が出ておりますから、それはそういうふうに考えますが、事業費全体の中に書いてありますから、具体的な支出が、それが国費であるかあるいは財役によっておるか、それは一々その区別はできませんが、公金であるということには変わりはない。
  107. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 選挙部長さん来ておりますね。急いでください、出て来るの。時間がないので。  そこで公選法の、明らかに政治資金規正法の中で、いまのような公金から逆流されるということは公選法に抵触しませんか、資金規正法に。
  108. 大橋茂二郎

    説明員大橋茂二郎君) 先ほど政治資金規正法の二十二条の三がございまして、国から補助金、負担金その他の給付金をもらっているものにつきましての寄付の制限、さらに、二十二条の三の第2項に、国から資本金、基本金その他の出資金を受けているものについて寄付をしてはいけない、そういう規定がございます。
  109. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで、例のパーティーの問題についてもう少し突っ込んで御質問したいんですが、先ほど松尾次長も言われたように、ある程度飲み食いに使ってそこで消費してしまうんだという観点のパーティーであれば、これは政治資金に流れるということにならないと思うのです。ただ、明らかに政治資金規正法の確認団体として登録されている団体が主催をしてパーティーを開いて、明らかに一万円券で一千円くらいしか出ていないというような場合に、残り九千円については公選法に引っかかりませんか。どうですか。
  110. 大橋茂二郎

    説明員大橋茂二郎君) ただいまの第一段階の話は、要するに先ほどとの関連では寄付になるかならないかということだと思います。先ほど申しました励ます会のパーティー券につきましては、パーティー券の価格そのものが一般の社会常識上の範囲内であるかどうかという問題が一つあろうかと思います。さらにまた、パーティー券を購入した人が一体どの程度の枚数を買ったか、しかしそれも出席するという予定で買う、こういうような前提でありますれば、これはいわゆる寄付には該当しないという一般的な考えを持っております。ただ問題は、じゃその団体がどうだこうだという問題がございますが、先ほど言いました確認団体ということよりも、要するに政治団体という定義が政治資金規正法にございまして、政治資金規正法における政治団体がみずからの事業として励ます会をしたという場合におきましては、その場合について寄付になるということではなくて、むしろ、いわゆる一般的なパーティーの会費として出しましたものは事業収入になり、またパーティーに関する支出は事業支出として計上されまして私ども報告されることになっております。
  111. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それが報告されてないんですよ。五十三年の九月二十六日、札幌で「明日の北海道を語る会」というのが行われているんです。この主催は政治資金法の確認団体である北海道経済懇談会です。このとき二万円券です。約一万枚ばらまいたというふうに巷間言われております。実際にこのホテルはそんなに入れないんですよ、最初から。全然入れないんです。それで主催者の方は困ったと思うんです。集まったのは四千五百人、収入もそれに合わせて七千三百八万六千三百五十七円で、支出が五千百四十万二千九百五十五円で、繰り越し二千百六十八万三千四百二円、こういう収支の報告をしておるんです。それで、これが「みんなで築く北海道の会」というのに寄付をしているんです。それで寄付を受けた方の北海道の会は寄付を受けたという報告をしているんです。ところが、この前のパーティーやった方はそれを報告してないんですよ。もらった方が報告しているのに出した方は報告してないんです。非常にこれはあいまいな形なんですが、ここに鉄建公団の札幌支社、これが大体私の調べたところによると八十二億くらいのあれをやっておりまして、職員が百五十人で旅費が一億二千万、ですから一人当たり八十万くらいのあれをしているんです。これは鉄建公団は内部監査をやったはずなんです。このときここではカラ出張は一切ないとすれば、もしそういうところにばらまいた券を買ったけれども出席しなかったかもしらないんです。あるいは買わなかったかもしらない。その調査は進んでますか。進んでたらそれを報告してください、出席したかしないか。
  112. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお話はいま初めてお聞きする次第でございまして、早速に事実関係調査した上でお答え申し上げたいと存じます。
  113. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 札幌支社については九月の二十五日におたくの方は内部監査をやったでしょう。やっているんです。しかし今度の報告の中には全く不正事項がないように出てきています。それで不正事項がなかったんだと私は思いますが、そうすると、そういうところには一体出席したのかどうか、そういうことの確認はできているかということなんです。
  114. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ちょっとお答えが不十分でございましたが、公団自身で調べました昭和五十三年度分の札幌支社のいわゆるカラ出張は八百万円ございまして……
  115. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 あるんですか。
  116. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 八百万円ございます。そのうちの超勤充当はございませんが、雑費充当が八百万円ございます。ただ、その内容につきましては目下精査をいたしておる段階でございまして、もう少し時間をかしていただければ、もしもいまおっしゃるようなことが事実あったといたしますれば、明らかになろうかと、かように期待をしておる次第でございます。
  117. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 これはちょっと時間がなくてそこまでいけないのですが、せっかくおいでいただいたんで法務大臣にひとつお伺いいたしますが、この種のパーティーの収入については所得税の対象になっておらないんです。不特定多数の者が主催している、しかしそれは明らかに政治確認団体がやって公金から出ているということになれば、これはもう司法の方で調査してもらわないと解明できない問題がたくさんあるんです。調査したけどございませんというようなことになる。会計検査院にも限度があります。この種のカラ出張鉄建公団問題について、法務省としては徹底的に今後会計検査院調査後においてでも捜査をするお考えがあるかどうかお伺いいたしたい。
  118. 古井喜實

    国務大臣(古井喜實君) 現在は会計検査院調査を進めておられる段階でありまして、その調査が進みました暁に、何か法に触れるような事実があるというふうに考えられれば、当然検察の方に通告をされるものだと思っております。まずもってきょうの段階では会計検査院調査、その処理というものを待っているようなわけでありますが、しかしながら、検察の関係で全然独自に手が出せないというわけのものでもないと思いますもので、この辺はしかし事柄にもより事態にもよるわけでありますんで、情勢、事情をよく見まして考えるべきことは考える、こういうことにいたすほかはない、そう思っております。
  119. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 時間がございませんが、最後に総括的にひとつ御質問申し上げますが、違法であればという大臣の考え方、そんな状態ですか、いままでのこの論議の中で。たとえば条例主義の地方自治体では違法だと言っているんです、そういう出し方をすれば。同じ国の機関なり国の補助を受けている関係機関の中で、片っ方は違法だ、取りやめろと通達を出しているんです。片っ方はそれは違法かどうかまだわかりませんか、法務大臣どうです。という段階からまだ一歩も出ていないんですか。——  じゃ、会計検査院に聞きますが、会計検査院はこの一連の中で、違法性をいままでの中に認める問題がたくさん、あんたらも言っているんだが、あるでしょう。おたくの方で何カ所か、これは違法性があると言っていますね、どうなんです。
  120. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 現在十分内容を詰めておりますので、答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
  121. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 私の聞いているのは、現在までの調査段階でもあなたたちは再三こういうのは違法だというふうなことを言っているじゃないですか、新聞その他にも。遺憾だと、違法だというふうな表現を使っていますでしょう。それなのにいま言えないんですか、国会では。
  122. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 失礼いたしました。会計法は抵触ございませんけれども、そういう一般的に会計法規的な考え方で違法だというふうに申し上げております。
  123. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 会計法規上の違法に対しても刑事罰はありますね、罰則規定。どうなんですか。
  124. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) これは公団でございますので直接会計法の適用はございませんが、会計法そのものでも直接罰則はないと考えております。
  125. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ちょっと時間ないので。これは公団の中にあるんですよ。  それじゃ、その違法性と法務省の、特に法務大臣の姿勢の問題等については時間切れでございます。まだ所得税の問題との関連もあります。そういう問題もたくさんありますが、時間がございませんので、きょうは再質問をすることをひとつ留保しておいて質問をやめます。
  126. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 午前中の調査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時四十一分休憩      ——————————    午後一時四十分開会
  127. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  本日、山中郁子君が委員辞任され、その補欠として内藤功君が選任されました。     —————————————
  128. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  129. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 当委員会壁頭運輸大臣から御報告がございましたように、このたび鉄道建設公団の、私はあえて不法経理とこう申し上げますが、発覚をいたしました。事公金にかかわる問題でございますから、にわかに社会問題化しております。しかも、そのさなかに総理府を初め他の省庁も同種の経理を行っておるということで、にわかにこれもまた表面化してまいりました。  私思うのに、この鉄建公団経理につきましては、管理職を初め労働組合もこれに加わって、いわゆる組織的に、しかも多年にわたってこれが慣習化しておるということが大きなまた重大な特徴であるというふうに見ております。かてて加えて、監督官庁が黙認をしておったという事実も報道をされておりますことは、大変私は寒々とした心境でこの報道を読んだ一人でございます。この寒々としてという感じは、こういうことになると、これはよほど腹を据えてかかりませんとこの改善は容易ではない、こういう実感から寒々とした感じを持つわけであります。特に私は、ちょっと大げさな言葉でありますが、時代的な背景を考えますと、大変これまたある面では責任も感ずるわけでありますが、政府は石油パニック以来、五十九兆円余と言われる負債を背負って財政主導型の政策を打ち出して営々として努力をいたしてまいりましたし、またいたしております。そういう真っただ中で、しかもその政府機関において全く公金、税金に対する無感動な無感覚な経理が行われておった。そのことはもう全く国民の行政信頼というものをいたく傷つけております。しかも、政府・自民党という言葉がいつの間にかこれは熟語となっております。そういう意味では間接的には自民党の信を問われる、謙虚に私はそう感ずるわけであります。また一方、労働組合を指導しておるいわゆる野党の関係の政党も信を問われておる。そういう意味で、私どもはこの事件は、これはもう全容を早く解明をして、毅然としてひとつこの改善に努力をされなければならないと痛切に感ずるわけであります。  そういう意味で質問を申し上げるわけでありますが、まず最初に、内閣官房長官から、政府のこの事件の受けとめ方、これからの姿勢、御見解をまず伺いたいと思います。
  130. 田中六助

    国務大臣田中六助君) この鉄建公団を初めとする不正経理の問題につきましては、政府としては遺憾に思っておりますし、責任の所在というものをやはりいま究明しつつありますので、それが終わってさらに考えなければいけないことだと思いますけれども、いままでも関係閣僚会議で協議いたしましたし、総理の指示もございまして、政府としての遺憾の意を表明すると同時に、関係閣僚会議では具体的に、たとえば官房長官談話を出すなどいたしております。  その中で具体的に申し上げられますのは公団、特殊事業団、こういうものの役職員につきましては、批判されておりますような点を考えて、国家公務員並みにするというようなことをすでにボーナスなどにつきましては決定しております。  ただ問題は、その他の一般職員の問題でございますけれども、これも私どもは大きな責任があるというふうに考えておりますけれども労働基本権の問題がございまして、労使双方の責任において解決しなければならない点がございます。ただ、国民に対する方向あるいは指針といたしましては、やはり国民の納得する線で一般職員につきましてもうまい解決を独自にしてほしいという願いがございまして、だれだれの責任だというようなことを言うつもりはございませんが、やはりそこには労使双方の責任が厳然としてあるという事実、これはやはり認めざるを得ないんじゃないかというふうに思っております。
  131. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 ぜひひとつ、官房長官の言われますように厳然として対処をしていただきますように強く要望をいたしておきます。  私はまず最初に、鉄建公団給与問題について解明をいたしてまいりたいと思います。  まず公団総裁に伺うわけですが、これは新聞報道によりますと——おおむね私ども新閥報道以外に得るところがありませんので、マスコミの報道を引例をさせていただきますが、この給与問題につきましては予算の範囲内の操作である、二つは、不法な流用はいたしておらない、したがって監督官庁、いわゆる運輸大臣の承認も得る必要はないというふうに報道をされておりますが、間違いがございませんか。
  132. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお尋ねは、いわゆるやみ賞与についての原資をどこから求めたのかというようなお尋ねかと存じますが、五十三年度について申し上げますと、五十三年度の特別手当のうちの国家公務員の水準を上回る部分でございますが、その総額は八億一千四百万円でございます。これと同時に、超過勤務手当といたしまして総額二億三千六百万円の支給をいたしました。  ただいま申しました公務員の水準を上回ります部分である八億一千四百万円の財源といたしましては、法定福利費などを充てたわけでございまして、いわゆる役職員給与の中で実行額が予算額を下回ったその部分から流用してこれに充てたのが実態でございまして、定員と実員との人員差から出てまいります部分の経費をこれに充てたというのではございません。ただ、いまのお話にもございましたように、以上のようなことでやってまいってきたわけでございまするけれども、本来でございますれば、当然に監督官庁でございます運輸大臣に対しまして御報告するのが筋であったかといま反省をいたしておるわけでございます。そういう観点から申し上げますならば、大変甘い認識のもとに慣行的にこのようなことをやってまいったということを深く反省をしなきゃならぬ、かように考えております。  ただ、この問題につきましては現在関係省庁におかれましていろいろ今後の対策について御協議中であるというふうに承っておりまするので、その結果が出ましたならば、その指示に従いまして措置をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  133. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 実はきのうまで、この予算操作というのは予算定員と実人員との差の操作だというふうに聞いておったんですが、またただいまも法定福利費を充当をした、こういう御答弁でございます。大変不勉強で恐縮でありますが、じゃ法定福利費とは、その内容その他どういうものでございますか。
  134. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 法定福利費などと申し上げましたわけでございまして、法定福利費だけではございません。法定福利費のほか、特殊勤務手当でございますとかその他諸手当がございますので、その差額分から流用したわけでございます。  法定福利費と申しますのは、社会保険でございますとか年金でございますとか、そういう分の事業者負担分の経費のことを指すわけでございます。
  135. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 どうもわかりかねるわけなんですが、福利費ないしは福利厚生費、こういうものは厚生年金の掛金とか労災保険の掛金とか、そういういわゆる法律で決められた掛金であろうと思うんです。ですから、これは法定で決められておりますから、いわゆる税金もかからないという意味で法定というのが使われている。そうなりますと、その掛金の定額も余分に予算化しておったということになりますが、いかがでございますか。
  136. 川島廣守

    参考人川島廣守君) お尋ねございましたように、この種のものは実員数に掛けて予算化してございますので、そういう意味では先生おっしゃいますように、実際の実行額が予算額を下回ったということは、事実上そういうような意味合いからは出てまいります。  ちょっと詳しく担当理事から補足説明させていただきます。
  137. 森谷要

    参考人(森谷要君) 技術的な問題でございますので私が御説明いたします。  法定福利費と申しますのは、大部分が健保それから厚生年金等のいわゆる社会保険料の事業者負担金でございます。これについては、五十三年度におきましては約五億三千七百万、いわゆる一般の公務員より上回っている部分へこれから五億三千七百万を流用いたしたわけでございます。そのほかに、どうしてこういうのが流用できたかと申しますと、対象外経費分を積算の根拠に含んでいたほか、標準報酬等の限度のオーバー等が原因で差額を生じたわけでございます。そのほかに宿日直手当、寒冷地手当等が予算の見積もりよりも下回りましたので、これを流用いたしたわけでございます。
  138. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 それでは、そのいわゆる予算定員とまた実人員の問題に返るわけでありますが、午前中も穐山委員からの御質問に、埋めようとするけれどもなかなか埋まらない、こういう御答弁でございました。これは私は実は事実に反するのではないかというふうに思うんですが、実はこれは鉄建公団だけではなくて、政府全般の予算定員と実員も常に二千人くらいは減員であります。やっぱり年間を通じて随時即応をするという意味合いで、なかなか予算定員と実員というのはイコールにはならない。また、そういう必要からイコールをさせないのではないか。公団においてもちょうど百三十人とか百四十人とかと言われております。ちょうど政府機関と同じように〇・四%から〇・五%前後のものであります。ですから、答弁としてはそう言われておりますけれども、やはりいまも御答弁がありましたように、そういうような必要で実人員というものを〇・四、五%ぐらい低く常に抑えているのではないかというふうに私はいままでの政府の慣例から見て——これはいいという意味で言っているのじゃありませんよ、そういうふうに私は指摘をせざるを得ない。いかがでありますか。
  139. 川島廣守

    参考人川島廣守君) けさほど穐山先生からもいまお尋ねのような趣旨の御質問があったわけでございますが、鉄建公団といたしましては大体八〇%がいわゆる技術者でございます。したがいまして、いま最盛期にかかっております上越新幹線の開業設備関係の業務、そういうものから考えてまいりますと、どうしても経験のある技術者というような方々をぜひとも採用いたしたいわけでございます。ところが、これがなかなか国鉄——ほとんど国鉄に御協力を賜っておるわけでございますが、国鉄側の方にもいろいろな諸事情がございまして、われわれが望むような人あるいは望むような時期にその人をちょうだいできるというわけにもまいらぬものでございますので、非常にその意味では先ほど申しましたように実員の補充が十分意のごとくなっていないというのが実態でございます。
  140. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 その面もありましょう。これは私もわかりますけれども、私の言ったような面もあるということをどうも私も否定はできないわけであります。  そこで、担当理事から伺いますが、法定福利費、またその他を充当をされたと、こう言う。これはもうちょっと私はまだ納得できかねる点もありますけれども、今度は給与の面から見ますと、少なくとも公団法によりますと給与及び退職手当等の支給基準については監督大臣の承認を得るというように規定をされております。予算内の流用だからといって——いわゆる上乗せ分、これは当然支給基準が変わるわけでありますから、流用だから承認を得なくてもいいということには私はならないと、こう思うんですが、その点はいかがでしょうか。
  141. 森谷要

    参考人(森谷要君) 退職金の基準の問題につきましては……
  142. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 いや、退職金じゃありませんよ、そう法にあるんです。だから、この上乗せ分についても……。給与ですよ。
  143. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお尋ねは、いわゆる上乗せ分についてのお尋ねであろうかと存じます。これはけさほど来運輸大臣からるる詳細な御説明があったわけでございますけれども、あくまでも公務員に準じて支給をするということ、それから流用する場合にみだりに支給してはならないということ、二つのいわば枠と申しましょうか、制約条件があるわけでございます。  先ほどお答え申しましたように、われわれといたしましては大変甘い考えであったといま反省をいたしておるわけでございますが、人件費の中の流用でありますれば、総裁の裁量の範囲内で支給しても差し支えないのではないかというふうに実は甘い判断のもとに支給をしておったのが経過でございます。
  144. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 総裁、ひとつ時間がありませんので端的に質問にお答えをいただきます。  言葉をあいまいに濁されますけれども、どう見てもこれは給与の性格からいって他から流用したから大臣の承認を受けなくてもいいということにならない。公団法の条文からいって、やっぱりこれは公団法の違法支給であるというように私は判断せざるを得ないわけであります。  そこで、この上乗せ分〇・八カ月分と一律六万二千五百円と聞いておるわけでありますけれども、これはどういう名目でお出しになられましたか、伺います。
  145. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 上乗せ分の〇・八カ月プラス六万九千五百円はこれは特別手当として支給したわけでございます。その他の五十二時間分の超勤は超過勤務手当として支給したと、これが実態であります。
  146. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 残念ながら私は公団職員給与規程をずっと読みましたけれども特別手当という支給項目は給与の中にはありませんね。第2条に給与の二項目、基本給と扶養手当と調整手当、それから諸手当として十三種類載っておりますけれども特別手当というのはどこにもありません。これはどういうことですか。
  147. 隅健三

    参考人(隅健三君) 特別手当予算上通勤手当、住居手当の次に節といたしまして特別手当がございます。
  148. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 それは何条ですか。
  149. 隅健三

    参考人(隅健三君) いま特別手当と申しましたけれども給与規程上は期末手当と勤勉手当ということになっております。
  150. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 こればとんでもないことだと思うんですが、特別手当というのは総括的な通常の言葉であって、やはり、いまくしくも答弁されたように、期末手当と勤勉手当以外にいわゆる賞与とか何とかというのは規程に載っていないわけです。要するに特別手当という細目で支給をしたということになりますと、これは多少私は給与規程違反ではないかというように思うんですけれども、その点もう一度。端的にお答えいただきたい。
  151. 隅健三

    参考人(隅健三君) これは特別手当と申しますけれども、期末手当と勤勉手当でございます。
  152. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 そうしますと、明らかに期末手当、勤勉手当は給与ですから、給与支給基準がすでに変わっているわけですから、これは先ほども申し上げましたように運輸大臣の承認を得べき性格のものであると思いますが、いかがですか。
  153. 隅健三

    参考人(隅健三君) この点につきましては、基準だけを運輸大臣の承認というふうに考えております。その詳細につきましては御承知……
  154. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 どう見ても私はこれは不正とか不当ではなくて違法な給与支給しておったというふうに断定をいたすわけであります。これは責任は重大であるというふうに考えるわけであります。  そこで、この給与問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、公団法によりますと支給基準につきましては大臣の承認を得ると、さらに給与規程においては国家公務員に準じて所定のそろばんをはじくというように載っておる。ですから、あいまいではありますけれども給与は法定主義をとっておるというふうに私は理解をしておるわけであります。ところが現実には労働組合との協定によってこれが行われておる。そうなりますと、この矛盾、これを根本から是正をいたしませんと再びこのような事態が起こりかねない。大変公団も実はお困りであろうと思うんです。法定主義をとりながら現実には協約でやっている。これを是正しない限り再びこれが起こる。そういう意味で私はいままで申し上げておるわけであります。総裁、この点の御見解はいかがでありますか。
  155. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 労働組合は御案内のように労働三権を持っておるわけでございまして、今日までは少なくとも労使一体となって業務の推進に当たってまいったわけでございますから、われわれといたしましてはこれが唯一の労使交渉のいわば交渉事項と申し上げても言い過ぎではないわけでございまして、そういう観点から今日まで交渉の中でこの額を決めてまいったというのが実態でございます。いろいろな見解が現在あることは篤と承知をいたしておりまするので、今後その点につきましても勉強してまいりたいと、かように考えております。
  156. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 この問題につきましては、この次に運輸大臣にもひとつ御所見を伺いたいと思うわけでありますが、あくまでも今度の上乗せ分につきましては、公団法や公団職員給与規程にないものを支給しているという意味で、しかも大臣の承認も受けないという意味では、これは不当とか不正とかいうものではない、あくまでも不法な支給であるというふうに私はいままでの御答弁をいただきましても断定をいたします。  そこで、大蔵省にお伺いをいたすわけでありますが、不当とか不正ならば修正追徴税というのも可能でありましょうけれども、不法であるということになりますと、これは全額返還以外に道はないというふうに私は考えますけれども、これはだれか局長おいででございますか。——大蔵省の国税局の御見解を伺います。
  157. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) お答え申し上げます。  私どもといたしましては、いま先生のおっしゃったようなものにつきまして、返還すべきかどうかということまでは税務上は特にそう御指摘申し上げる立場にないわけでございますが、仮にこういう雇用関係に基づきましてそういう対価が……
  158. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 わかった。大変なまぬるい、それでは国民か納得しない。特にこの問題につきましては特に運輸大臣の方から厳格にひとつ態度を決めていただくよう希望をいたしておきます。  この給与問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、まず一つ給与の決定方式に問題がある。これはすっきりとしてやらなければ再び問題が起こるのではないか。どうも私は性格上、これは私の感じですからぴたっといかないかもしれませんけれども、どうも給与法定主義オンリーでもいけない。ですから三公社五現業方式あたりの決定をしてはどうであろうかという感じを持つわけでありますけれども、この点。  それから経理のチェック方式、チェック機能——十分これはメスを入れて解明をした上でチェック機能というものは強化を図らなければならないと思うのです。さらにはまた監査機能につきましても、同時にまた不要不急の公団、特に埠頭公団というのがありますが、これらの整理も含めまして毅然とした腹構えでこれらの改善を図らなければならぬと思うわけでありますが、この問題につきまして監督官庁運輸大臣からひとつ御覚悟のほど、御所見を伺います。
  159. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) ただいまの御質疑は非常にむずかしいところでございますが、元来公団、公庫、事業団、この種の政府機関というものは法律に基づき予算の制約を受けているわけであります。したがって、その制約の枠内において労働三法の適用があれば労使交渉の対象となるべきものである、そういうふうに私は考えるわけであります。  予算の制約というものの中には額全体もございますが、款項目節によりまして流用等の制限がちゃんと置かれておるわけでございます。したがって、予算全体のそういう制限の枠内において労使交渉を決めるべきものである。でありますから、たとえば期末手当、勤勉手当には「国家公務員に準じ」という文句がございますから、これが国家公務員の割合、たとえば具体的に四・九カ月とか五カ月とかいうそのままの数字であるかどうかということはひとまずおくといたしましても、少なくも国家公務員に社会通念上準ずるという中身のもので決めていかなければならない、こういうふうに私は考えておるわけであります。  そういう角度から見ますれば、役職員給与に他の費目から流用することについては運輸大臣の承認を受けなければならないということになりますし、また役職員給与の範囲内におきましても、役職員給与はその基準を超えてみだりに増加し支給してはならないということになっておるわけであります。その場合には一々運輸大臣の承認を要するということは具体的に書かれておりませんけれども、みだりにやってはならないと。しかし、みだりにやったということは少なくも不適切であるというふうに私どもは考えておるわけであります。  そういうことでございますから、運輸省所管の公団等特殊法人職員特別手当等の給与は、運輸大臣の承認を受けた給与支給基準に準拠しつつも、公団等は労働三法の適用を受けるということもあり、労使交渉等の結果を踏まえて具体的支給内容が決められる。支給額国家公務員の水準に準ずべきものであって、国家公務員の水準をはるかに上回るものとなっているという実態ははなはだ問題であると思っております。約五カ月のボーナス公務員の基準に対しまして、実際は六・五カ月分になっておるわけでありますから、これは明らかに適当ではないと思っておるわけであります。しかもその原資がもし役職員給与以外の項目から来た場合に、しかもそれが運輸大臣の承認を受けないというような事態があれば、これはもう明らかに違法な支給である、こういうふうに考えなければならないと思っております。しかし、現実には、そういう制約はあるけれども、そういう制約にもかかわらず、公務員の場合約五カ月に対して六・五カ月のボーナス支給されているという事態は私は遺憾なことだと思っておりまして、これをやはり是正する方向に進めていかなきゃならない。  そのためにまず考えなければいかぬのは、一般職員に対してが六・五カ月ありますが、理事者管理者公務員の基準よりも高い基準でボーナスを受けておるということについて、これは給与の基本額を含めて考えた場合、一体このままでいいのか、一般職員のことを言う前にまず理事者管理者自身も考えていくべきではないか。だから私は少し極端なことを申しますれば、理事者管理者国家公務員に準ずるどころか職員に準じてやっておるんですね。こういう姿勢を基本的に考えていかなければ、労使交渉と申しましても使用者側自体がそういう気構えであってはこれを直していくことはできないと思うんであります。  でありますから、先ほど申し上げましたように、まず理事者及び使用者側につきまして、国家公務員に準じた給与額並びに給与率、支給率というものを考えて措置することがまずその第一歩ではないかと思うんであります。一般の職員につきましては労働三法の適用もございますから、その適用が予算の制約の中においていかにして適切な線に将来歩調を合わしていくような対策を講ずべきかということがこれからの検討事項というふうに考えておるわけであります。  これは非常に現実的な議論でございまして、理屈から言えば公務員と同じでいいじゃないかという考え方はもちろんございます。そういう考え方は私は否定はいたしません。したがって、組合側からいろいろ給与についての要求が出ておりましても、公務員と同じ率、ないし公務員と同じボーナスの額、全体としての額というようなところまで、それは理屈としては言えると思いますが、しかし現実には今後の措置といたしましては、労働三法が適用されておるという現実を踏まえますと、その方向に向かって努力をしていく、その方向に向かって、少なくも予算上の制約に対して違法または不適当なやり方によって給与を決めていくという理事者側の責任に一つは問題が帰せられる。組合の方は組合の方でいろいろ言われるでしょうが、理事者の方は自分が第一そういう高いボーナスをもらうことを慎まなきゃならぬじゃないかということが第一。第二番目には、とにかく予算上の制約というものを違法あるいは適当でないと言われるようなやり方でなくて、きちんとした姿勢をもって臨むということが私は第二の問題になろう、これは現行制度の上でございますよ。立法論としてみますれば、三公社五現業並みに、一体現在の労働三法の適用をそのまま認めるようなやり方でいいのかどうかという問題は別途ございます。しかしそういうお考えというものを私は否定はいたしません。しかし、それじゃ直ちにもってそういうやり方でやっていっていいかどうかということは、やはり現実的に物を考えていかなきゃならない。  ですから、私の御答弁は多少現実的な意味でございまして、御質疑のように、きわめて何といいますか、割り切った角度から見ますと御不満かと思いますけれども、現段階においてはそういう形でもって臨んでいくべきではなかろうか、こういうように考えております。
  160. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 大臣の言われることに関する限り理解はできます。ただ私が申し上げておりますのは、大臣の言葉をかりますと、国家公務員に準じていないわけです、鉄建公団給与は。特に賞与は。それからみだりにやっているわけです。これは明確なんですよ。そのことの質問をいま私はしたわけです。裏を返せば大臣が監督不十分であるというそしりは免れない。  さあそこで、そういうような公団法を持ち、給与規程を持っておって、一面においては公団総裁給与担当はかわいそうだ、現実に労働三権を持っておって給与で決めるわけですから、幾らここでわあわあ騒いでもそれを是正しない限り、私は再びこれがまた起こるのではないかという心配を持つから申し上げておるわけであります。ですから、法定主義も取り切れない、そうかといって労働組合協約でも取り切れない、こんなことを与えておってがたがた言ったってなかなか直らない。ですから、大臣いま言われますように、順序もありましょう、大変むずかしいことも承知で、これはあえて割り切って申し上げませんと、これはあれやこれや言ったってなかなかうまいわけにまいりません。ですからひとつこれらは当初申し上げましたように毅然として、今後再び起こるような措置をやはり撲滅することがこれはやはり先決でありますから、むずかしい問題であることは承知で御質問申し上げておるわけであります。どうか毅然として、国民が納得できるような方途をひとつ開発をしてほしい。要望をいたしておきます。  次は、カラ出張問題でございますが、公団総裁、このカラ出張につきましては、あらかじめ配分額ありき、こういうふうにマスコミは報道いたしておりますが、従来否定をされてきておりますが、私もどうもこれが総裁からざあっとあらかじめ配分をしておったとは思いませんが、ある程度のところでこういうものがあり、計画的に行われておったという疑いをぬぐい切れません。端的に御答弁をいただきます。
  161. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 初めに配分額ありきというお尋ねでございますが、これまでもお尋ねがございまして御答弁申し上げている次第でございますけれども、そのような本社が指示をしたとか、あるいは計画したとかいうようなことは全くございません。けさほどもお答え申し上げた次第でございますけれども、実際に現場で何が足りないか、あるいは現実に超勤あるいは会議費、雑費等につきまして具体的に第一線で困っております実態を掌握しておりますのは、あくまでも現場のいわば長でございます。現在わが公団作業単位はそれぞれ百十幾つに及びます建設所がございます。さらにまた各支社、局には課があるわけでございますが、大体その課が作業単位になっておりまして、その作業単位ごとに仕事で動いておるわけでございます。したがいまして、今回の問題につきましても、たびたびお答え申し上げておりまするように、カラ出張によってつくりましたお金は、いわゆる超勤充当分と雑費充当分とに大きく振り分けられるわけでございます。したがって、それぞれ現場の長は、いま申しましたような超勤手当の不足あるいは雑費の不足を補いますために、それぞれ現地で、悪いこととは知りながらつい安易に流れてこのようなことが起こった。それが結果として大変広範囲にわたり多額になったということでございます。けさほど会計検査院の方からもお答えがあったやに承知いたしておりまするけれども、青函局のごときは超過勤務は一銭もございません。したがいまして、これは決して画一的ではないわけでございまして、そういう意味からも御理解をいただければと存ずる次第でございます。
  162. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 納得できかねますけれども、一応御答弁として伺っておきます。  そこで、大体カラ出張で浮かした分が、きょうも中間報告がありましたように、約七〇%近くは個人に定額的に支給をされておる。実はこの定額につきましても、五十時間、これも違法である。明らかに公団職員給与規程には勤務した実時間についてと明確に規定をされておる。かつて定額支給ということもあった時代はありましたけれども、いまやそんな時代ではない。明らかにこれも不法であるというふうに感ずるわけでありますが、それよりも重大な点は、残りの三〇%強につきましては雑費的に使われておる。これも報道によりますと、明らかに大蔵省運輸省等の役人の接遇費、接待費ということであります。これは大変酷な言い方のようでありますけれども、この雑費的な使用ということに問題がある。明らかに私は指摘をいたしたいと思います。これは聞いても同じことでありますからあえてこれは答弁を求めませんが、少なくともいままで答弁を聞いております限りにおいて、この接待費については裏が取れない。したがって、会計検査院は大半は使途不明金で処理せざるを得ないということのようであります。しかも蒸発金まであるやにこれは流布されております。これは大変な問題であると思うんです。  で、これは会計検査院は事実の解明に努力をされておるわけでありますけれども、端的にひとつ第五局長、こういう疑いもあるかないか、あなたが総括検査しておったんですから、可能性があるかないか端的にお答えをいただきたい。あなたの感触で結構です。
  163. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいま御指摘のように、使途がまだ確認できない金額が相当ございます。これは御質問にございましたように、鋭意私ども深夜までかかっていま解明に努めておるわけでございますが、なかなか領収書等がないものについて十分確認ができないのが実情でございます。したがいまして、それが全部解明できませんと、蒸発金があるかどうかというようなことも現在わからない段階でございます。これを徹底的に究明いたしますので、何とぞもうしばらくお時間をいただきたいと思います。
  164. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 この問題につきまして最後に、運輸大臣、いま会計検査院の言われますように私は可能性もあると思うわけなんです。これは国民が注視をいたしております。それから、今後の行政の中で綱紀に対する姿勢というものをこれを機会に厳正に直していかなければならない、そういう立場から、ひとつこの使途不明金、蒸発金等が出た場合、当然刑事責任も出てくると思います。なかんずく横領罪、特に虚偽公文書作成罪等も当然懸念をされるわけであります。出た場合におきましては、大臣は国民が納得できるように毅然としてこれはおやりをいただきますように要望をいたしておきます。
  165. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 先ほど来のお話で、毅然たる態度をもって事に当たれという御激励でございます。もちろん毅然たる態度をもちまして、ただいまお話しの点につきましても万遺漏なきを期して努力をいたします。労働三法との適用の関係におきまして割り切ってやれと、こういうお話もございました。毅然とし、かつ割り切ってということでございますが、なかなか割り切れない現行の制度でございますから、物の考え方として、今後特殊法人のあり方との関連一つの研究すべき課題というふうには考えております。しかし、現実的にこの割り切り方は、降矢委員の先ほど来のお話のような割り切り方もありますし、また現実的な割り切り方もあろうと思います。その点は現実的にひとつ割り切ってまいりたい、そういうように思っております。御了承願います。
  166. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 次に、公団の幹部人事の問題につきまして、これも運輸大臣からひとつお願いをいたしたいと思います。  これは法第十二条によりますと、役員の欠格条項が六項目示されております。この六項目に照らしますとこれは不法とは言えませんけれども、この欠格条項があるという精神から見ますと、公団監事に会計検査院の幹部が就任をしておる。さらには関連性のある企業の役員が監事に就任をしておる。このことは会計検査院からも釈明がありました。最も精通しておるから有能な監査ができると、こういうきわめて美しい御答弁がございましたけれども、こういう事件がありますと、これは逆に会計検査院の権威を傷つけるという結果になるわけであります。ですから、これは半面の理が当然出てまいります。これば会計検査院、否定をしないだろうと思います。ですから、特に内部監査というものが大変重要であるということにかんがみまして、これらの幹部人事も法の精神にのっとって見直し、検討がなさるべきであると思いますけれども、大臣いかがでございますか。
  167. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 役員、特に監事の問題につきまして、会計検査という専門的な分野においてかつて働かれたその人の能力、経験等について大いに期待して選任をしたものであります。結果についてはいろいろ御意見があるところでありますが、それと今日の会計検査院でやっておられるお仕事とはすでに組織的な関係はないわけでありますから、直ちにもって、会計検査院のお仕事とは別個の問題であると考えております。しかし、そういう能力、経験というものに着目して選任いたしたわけでありますから、その能力、経験に期待したその期待に外れた面があったかなかったかと言えば、私は率直に言ってあったと、こういうように考えております。したがって、それなりの考え方を持って臨みたいと思っております。
  168. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 私は今回のこの問題の中で、厳しくこれから反省をし是正をしなきゃならない一つの問題として、特殊法人の身分意識があると思います。これはどうも身分意識に大変欠如をされておる、大変批判がましくて恐縮でありますけれども、そう思います。当然幹部職等もあえて不法をやってのけておるわけでありますから、これは公金を扱う身分意識については大変問題がある。同時に政労協の幹部が、これも報道によりますと、大変私ども読みましてもふてぶてしく、どうも個人の自意識過剰な面が大いにあるわけです。ここで、国会を通じ、いろいろな面を通じてこの是正に努力を政府当局幹部がされましても、こういう特殊法人の身分意識の改革がない限りにおいてこの達成もきわめて至難である、こう私は厳しく思うわけであります。かつて森山運輸大臣、自民党の労働部長も任務をされまして大変その面にも詳しいわけでありますけれども、幹部、職員含めてこの特殊法人としての身分意識に十分改革を与えなければなりませんけれども、これらにつきます御意見はいかがでございますか。
  169. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 身分意識というのは、まあ特権意識とも言うべきものでしょうか、もしそうであるといたしまするならば、私はその種のものがなかったとは言い切れぬと、そういうふうに考えております。したがって、その間の行き方というものについて今後厳しく対処をしていかなければならない、そのように考えています。
  170. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 これも私は人間的には大変言いにくい言葉、表現でありますけれども、大蔵大臣、実は報道によりますと、大蔵官僚が公費を食った、主計局でツケを回している。しかも主計に効く、いわゆる顔役が各省庁にあって、これが行けば予算もつけてくれる。その顔役というのはやっぱりこのツケを、何とか手形を割るのが顔役になるのではないかなというふうな実は推測も成り立つわけであります。こういう大きな見出しで、しかも、その模様が事細かに報道をされておるわけです。ところが、これは現実に大蔵省を除きます各省庁から、どうも主計官というのは偉ぶって、大変特権意識を持ってなんというような苦情が実は出てきておる事実がございます。これは大変であると私は思うわけであります。主計官僚がいわゆる予算編成時における優位性になれて綱紀が緩んでくるということになりますと、これは先ほどの給与の法定主義ではありませんけれども予算主義を根本からこれは覆してくる重大問題であると思います。これは大蔵大臣、厳としてこれも対処しなければならぬと思いますけれども、御所見を伺います。
  171. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) 御指摘のような記事の新聞は私も拝見しまして、事の意外に早速内部でも官房長を中心として調査を進めさしております。今後、仮に御指摘のようなことがないようにひとつ綱紀粛正につきましては一段と厳正にやってまいりたいと思うんでございますが、ただ他省庁との、担当者がかわったというような場合の顔つなぎ程度の食事をやることは従来間々あったと思いますけれども、それは私の聞いているところでは社会的な常識の範囲内であって、事実常軌を逸するようなことはなかったという報告を受けておるんでございますけれども、とにかく予算の配分の実権を握っておりますから、間々そういう目で見られがちな立場にあるものですから、今後も十分に戒めてまいりたいと考えております。
  172. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 あってはならぬことでございますので、ひとつ期待をいたしたいと思います。  会計検査院長、実はこの問題に関しまして会計検査院もその信を問われておることはお気づきであろうと思います。会計検査院には会計検査院の言い分があることは私ども承知をいたしておりますけれども、私は今回の事件に対して会計検査院が毅然として全容を明らかにして、これらに対する勧告その他努力されることが最も必要である。いまEC共同体においても同じような問題が出ております。これは私は日本だけではないから日本がいいという意味じゃありませんが、日本の民主主義社会の発展の過程において自戒意識、またみずから浄める自浄作用というものが健全に働いておったということが私は最もいま必要であるし、また将来に、しかもそう言わしめなければならない。そういう意味会計検査院は全力を挙げて厳正に対処をしていかなければならないわけであります。国民の批判をこれははね返して努力しなければならぬと思いますけれども、院長の御所見を伺います。
  173. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) 会計検査院としましては、限られた人員で膨大な決算検査をいたします関係から、予算額の大きい事業等に検査の重点を置いてまいりましたことは事実でございますが、今回の事例をも反省いたしまして、人件費、旅費、庁費等の一般経費につきましても今後十分注意をして検査をしていきたいと考えております。  なお、検査に当たりましては、仰せのとおり毅然とした態度で厳正な検査を行い、会計検査院の職責を果たしてまいりたいと決意いたしております。
  174. 降矢敬雄

    降矢敬雄君 最後に鉄建公団総裁、従来、いままで私の与えられた時間の中で、私はあえてカラ出張から出てくるもの、それからいろいろ予算の流用だというふうに言われておりますけれども、今回の給与の上乗せにつきましてはあくまでも違法であるというような私は判定のもとに質問をいたしたわけでありますが、国民の疑念、不信が集まっております。ですから総裁においても大いに反省をされておられるようでございますし、どうかひとつ勇気を持って対処をされてほしいということを強く要望をいたしておきます。  最後に、この事件発生以来、公団職員に対する国民の目は大変厳しい。現に公団職員の子弟が学校へ行ってまで生徒にお互いに言われるというような状態を醸しておるようでございます。善良な職員とその家族の不安と動揺、これはどうしても力づけガードをしてあげなければなりません。そういう意味総裁の使命というものは別な意味で大変重いと思うわけでありますけれども、これらに対する総裁の御決意のほどを伺いたいと思います。
  175. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 大変何とおわび申し上げても過ぎることのない不祥事を引き起こしたわけでございまして、そのすべての責任は総裁である私にあることは当然でございまするが、私の指導力、力のなさのために今回のことが起こったことはこれは明白でございます。この事件が起こりまして自来、ただいまお尋ねの中にもございましたように、あどけない子供さんが、それまでの遊び仲間から外されたというような幾つかの事例がございました。さらにまた、診療所に行って、公団の保険証ですかといやみを言われたとか、それに類するケースがかなりございましたことを耳にしたわけでございます。いまお話にもございましたように、何と申しましても、いま公団の業務を遂行いたしております内容は、決して公団だけではございませんけれども、大変高度な緊張度を必要とする業務内容だと私は信じております。そういう意味でも、何よりも大事なことは、この事件が起こりまして一刻も早い事態解明、それに伴いましての措置をとることが大事でございますが、何分その中で私は幹部の自信の喪失あるいは一般職員の共同と連帯の意識の欠如、こういうことから来ます士気の沈滞、そういうことに遠因いたしますところの事故の発生あるいは事業進捗の鈍化、停滞というような混乱というようなものが起こることが何より懸念されるわけでございます。  いまお尋ねございましたように、わが公団がこのような不祥事を引き起こしましたこの償いは、与えられました現在の業務を、国民皆様の期待に沿うように一生懸命業務の遂行にこれ精進いたしますことが償いだというふうに観念いたしまして、その旨を先般来臨時に幹部会議を開き、家族の皆様方にもつたないあいさつ文をお届けいたしまして、家族相擁してお互いに励まし合って仕事の成功の上に支障のないように努力してほしいということをお願いをした経緯でございます。  これからはなお一層いままでの事柄についての厳しい反省の上に立ちまして、懸命に仕事に精進してまいりたい、かように覚悟をし、これを幹部を通じ第一線の職員のすみずみまで徹底を図りまするよう渾身の努力をいたす所存でございます。
  176. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 まず最初に会計検査院お尋ねをいたしますが、この問題は、鉄建公団の組織ぐるみの乱脈経理が鉄建の内部告発によって明るみに出て、会計検査院の手でいよいよ明るみに出たというのが経過のようでございますが、先ほどの報告で、カラ出張金額は約二億七千数百万円に上がる、このように報告を受けたわけでございますけれども、この検査の過程において、受検者側の公団の態度なり、新聞の報ずるところによりますと、いろんな、資料の隠滅とか、あるいは改ざんとか、そういうようなことが行われたようでございますけれども、その辺の検査の過程における隘路といいますか、そういうところは那辺にあったか御説明を願います。
  177. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 結論から申し上げますと、現在、このカラ出張の結末の調査につきましては公団から非常に御協力をいただいております。ただ、このカラ出張というのは非常に複雑にできておりまして、表面上の出張命令簿あるいは出張の請求、それからそれに関連する出勤簿、こういうものは表面上全部整理されて、どこから見てもつじつまが合うようになっております。したがいまして、これは当然私ども検査に入りましても、自分のつくったそういう書類をがんとしてこれが正しいんだということでがんばりますので、私どもそれを一件一件いろいろな傍証を固めながらつぶしていかなければいけないというところに非常にこの旅費の架空に対する検査のむずかしさがございました。  それから、証拠の隠滅の点なんでございますが、一部新聞で報道されてございましたんですが、これは新潟新幹線建設局で出張命令簿を改ざんしたというような点が報道されておりました。これは実は私どもの方でそれまでの名古屋盛岡検査をいたしましたときに、旅費という項目につきまして検査をしてまいりました。ところが、これも私どもちょっと検査の手抜かりがございましたんでございますが、測量及び調査試験費の中にも、費目として旅費はないんでございますが、実質上の旅費が入っていたわけでございます。そこで、それを検査の対象から抜くような形になってしまいまして、それに対して、公団の方では、新たに検査いたします東京新潟の両新幹線建設局につきまして、先に十分検査院に協力するようにという指令をお出しになったようでございます。で、それに従って会計検査院旅費検査するんだということを向こうで認識いたしまして、そしてその結果、測量及び調査試験費に入っております旅費を出張命令簿から抜いて区分してしまった、そういうようなことが改ざんの事実になったわけでございますが、これはそういうことで、公団本社としては決して悪意があってあれしたんではなくて、好意的にうちの方に協力するようにという指示のもとにやられたことが逆に新潟新幹線建設局でそういうような行為を行ったんではないかと判断できるわけでございます。
  178. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 あなたはずいぶん善意的に御答弁になっておるようでございますけれども決算委員会の二十五日の理事懇のときに松尾さんが委員長にいろいろ説明をされた中では、非常に鉄建公団の協力が求めにくい、それで数字等もなかなか把握が困難である、こういう意味の答弁をしていらっしゃったのが事実のようでございますし、また新聞等でも、ある幹部のごときは新潟では本社の方の指令があってこういうようなことをしたんだとか、また名古屋の方のあなたたちの検査が始まったのでそういうような指令が出たとか、こういうようないろんなことが矢継ぎ早に行われたということは、やはり悪いことをしておったから隠蔽するという、そういうような操作が行われたというふうに私たちは理解ができるわけでございます。  運輸省の方としては、こういうような鉄建公団が悪いことをしておった、明らかに会計検査院検査を受けて改めるところは改めるというそういう態度こそ大事でございますのに、そういうふうに指令をして隠蔽をするということは言語道断だと思いますが、そういうような鉄建公団の体質をそのままいままで置いておったという運輸省の指導もなまぬるかったんじゃないか、こういうふうに私は思えてならないわけでございますが、大臣、いかがですか。
  179. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 会計検査院検査については、日本鉄道建設公団に対してかねてから十分に協力するように指導しておりました。で、いまのようなお話もちょっと耳にいたしましたので会計検査院にも問いただしましたが、会計検査院からも全体として見れば協力を得ているという報告を受けておりますので、私は、この検査が始まって以来今日までの段階において鉄建公団は全体としての協力体制というものについては極力努力いたしたものだと確信をいたしております。
  180. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 では鉄建公団お尋ねをしますが、鉄建公団は自主的に特別調査委員会をおつくりになっていろいろお調べになったようでございますが、先ほどの御報告では、一億数千万、カラ出張の実態が明らかになったようでございますが、このカラ出張は何件で、その金額は幾ら、そしてその中にやみ給与とかそういうものは入ってないのかどうか、それからこの中に、接待費、政治献金、そういうふうな種類のものは入ってないのかどうか、そこらあたりを詳細に御報告願います。
  181. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 九月の八日の日に運輸大臣から厳しい御指示がございまして、早急なる実態の解明こそが先決であるという御指示がございました。翌九日、日曜日でございましたが、幹部が相集まりまして、副総裁を長といたしまして特別調査委員会を編成をいたし、早速、書面の審査から入ったわけでございます。調査を行いました対象の支社部局は、会計検査院の方の検査の行われない支社部局について行ったわけでございます。行いました結果の数字は、現在調査は続行中でございまするけれども、とりあえず現在までまとまりました数字を先般会計検査院の方にも御報告を申し上げ、現在会計検査院の方で御精査を仰ぐように段取りをとった次第でございます。したがいまして、その数字について御報告さしていただきます。  五十三年度分と四年度分に分けて御報告をさしていただきますが、五十三年度分、まず札幌支社でございますが、これは八百万円でございます。これは全体が雑費充当の分でございます、超過勤務充当はございません。東京支社分は、雑費分が千八百万円、超勤充当分が五千万円、合わせまして六千八百万円。大阪支社雑費充当七百万円、超勤充当分二百万円、計九百万円。下関支社雑費充当分四百万円、超勤分二百万円、計六百万円。富山新幹線建設準備事務所、雑費百万円、超勤分百万円、小計二百万円でございます。以上、五十三年度分の総合計額が、会議費、雑費等に充当いたしましたものが三千八百万円、超勤充当分が五千五百万円、合わせまして合計五十三年度分九千三百万円でございます。  次いで五十四年度分、四月から八月まででございますが、札幌支社雑費充当分三百万円、超勤充当はございません。東京支社雑費充当五百万円、超勤充当分千五百万円、合わせまして二千万円。大阪支社雑費充当二百万円、超勤充当百万円、合計三百万円。下関支社雑費充当百万円、超勤充当百万円、合わせまして二百万円。富山準備事務所、雑費充当百万円、超勤は百万を切っております、合わせまして百万円でございます。したがいまして五十四年度分の総合計が雑費充当分が千二百万円、超勤充当分が千七百万円、合計二千九百万円。  以上、五十三年度分、五十四年度分全体を合わせまして合計額で御報告さしていただきますと、総合計が雑費充当が五千万円、超勤充当が七千二百万円、合計一億二千二百万円。以上が現在まで把握できました額の御報告でございます。  いまお尋ねのございましたように、ただいま補充資料等につきまして、またさらに現地でそれぞれ旅行命令者あるいは具体的な職員につきまして個々に事情聴取をまだ続けておる次第でございまして、詳細についての把握がまだ終わっておりません。したがいまして、これは今後も精力的に調査を続行し事実関係解明に努力してまいりたい、かような段階でございますので、いまお尋ねございましたように、この中に雑費あるいは会議費の内容がどのようになっておるかということにつきましては、もうしばらく時間をかしていただきたいと存ずる次第でございます。
  182. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 では、次は会計検査院お尋ねをしますが、今回の鉄建のこの問題は、名古屋支社の内部告発が第一段で、次々に告発をされて会計検査院のメスが入ったわけでございますが、監査については鉄建公団の内部では独自の監査室があり、それが一つでありますが、運輸省による業務検査も二番目にあります。そして会計検査、行政庁の行政監察、さらには大蔵省のチェック、こういうようにチェック機関を数えますと五段階あるわけでございますが、今回の場合、これらの調査は何ら役に立たなかった、内部告発によって初めて明るみに出たということでございます。この内部告発がなかったならばある期間やみからやみへ葬り去られた、こういう重要な問題であった、こういうように指摘をしても間違いではないと思います。  特に鉄建公団は創設以来十五年、三千三百人の職員で、新聞の報ずるところによりますと、総額約百十数億円の巨額に達するんじゃなかろうか、こういうふうに算定しているようでございますが、この検査部門が有名無実であったということは私は非常に重要ではないかと思います。  特に会計検査院の場合は、昭和四十六年にこの発端になりました測調費の問題で指摘をされておるにかかわらず、これに注目をなぜせられなかったのか。また五十一年度の旅費予算が急に五十二年度にはほとんど倍額にこの鉄建公団はなっておるようでございますが、そこらあたりで相当に精査という問題をされるべきことじゃなかったかと思うんですよ。そういう問題からすると、部内の監査も非常に問題がございますけれども、一番のとめ役のところの会計検査院のところで、いろいろ理由はあるかもしれませんけれども、そういう事前徴候があったというのにかかわらず、それを見過ごされたということは私は会計検査院の重要な責任ではないかと思うんですが、御所見をお伺いしたいと思います。
  183. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 検査が徹底を欠きましたことについてはまことに申しわけないと思っております。  ちょっと実情を申し上げさしていただきますと、鉄道建設公団を担当しております鉄道検査第二課という課は国鉄の工事勘定、それから鉄道建設公団という二つの約一兆五千億の事業を検査の対象としております。どちらかというと工事専門の検査課でございまして、従来、こういう経理検査については非常に手ぬるい検査をやったんじゃないかと思っております。実際に検査に参りますときも、一応その経理的な検査もやっていたわけでございますが、やはり非常に事業費の多い工事、それから設計業務、こういうものを中心に検査しておりました結果、こういうことが発生したんではないかと思っております。  内部告発の点でございますが、やはり旅費検査というのは先ほど申し上げましたように非常にむずかしい検査でございまして、具体的に内部から告発がございますと、非常にそれが手がかりになって私ども解明していく足がかりになっていくということになるわけでございます。ただ、従来からの経験で申し上げますと、そういう旅費が倍増したりしておかしなことが出てきますと、どうもいつも内部告発があるのが通常でございます。そこで私ども一つ検査の手段としてそういう内部告発を活用していくというような検査方法も実は取り入れているわけでございます。ただ、従来、検査の徹底を欠いたことにつきましてはまことに申しわけないと思っております。
  184. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 鉄建公団お尋ねをしますが、先ほど申し上げたとおり、組織ぐるみで今度のこの不正経理がなされたということは異例なことでございますけれども、おたくの方では独自で特別調査委員会をおつくりになっておるようでございますが、こういうようなカラ出張とかあるいはやみ給与の問題、こういうことは組織ぐるみということになりますから一番よく御存じなのは鉄建公団ではないか、こういうように思うわけでございますが、総裁も副総裁も監事も理事も全然この経理に不審はいままで抱いていなかったのかどうか。どこらあたりでこういうようなことを考え出されたのか、発想のそういうような起点はどこらあたりで起こったのか、そういうことも含めて調査委員会というところは調査をすべきだと思うんですが、まだ日にちがたっておらないと思いますけれども、そういうところに着目をして委員会は活動しておられるんでしょうか。
  185. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいま大変的を射たお尋ねかと存じます。われわれがやっておりますこの調査委員会は、決してカラ出張の額だけについての調査で終わるということではございませんで、あくまでも今回のようなカラ出張が、いまお尋ねもございましたように、どういうふうな一体背景、原因をもって生まれてきたのか、それは体質的なものであるのか、あるいはまたわれわれ幹部を含めた事務の怠慢と申しましょうか、そういうことから由来したものなのか、いまそれも含めて、今後の体質改善と申しましょうか、組織、運営の両面にわたりましての具体的な改善策を探さなきゃならない、そういうような観点でいま現在この調査委員会は活動いたしておるわけでございます。  いまのお尋ねに対しましてのお答えでございますけれども、先ほどもお答え申し上げた次第でございますが、はなはだ恥ずかしいことではございまするけれども、今回のことは私を初め幹部の者が、大変恥ずかしいことながら、実は知らなかったということが事実でございます。したがって、あくまでも本社におきまして計画的にあるいは組織的に統一的な考え方でこのようなカラ出張をたくらんだ、たくらんだと申しましょうか、計画したというようなことでは全くございません。  先ほども報告しました経緯でございますけれども、それぞれの第一線におきましては、いろいろ夜を日に継いで——上越新幹線、青函はすべてそうでございまするし、特に大都市交通線でございます京葉線でございますとか、大都市交通線の建設も大変いまそれぞれ最盛期にかかっておる次第でございまして、そういうふうな最盛期の現場におきます職員からいたしますれば、月にしまして数十時間の実は超勤をしているのが実態でございます。そういうようなものに引きかえまして、本社が超勤につきましても、傾斜配分と申しましょうか、繁忙の部署に対してはより多く予算を配分はしてまいった経緯でございまするけれども、残念ながら、いま申しましたような、われわれの力が足らないために下部の実態を把握し得なかった。したがって現場の第一線において苦労をしておる諸君は、先ほど来申し上げておりまするように、それぞれの作業単位の管理者というものは、自分の才覚で、悪いと知りながらいま申しましたようなことを行ってきたというのが今日までの少なくとも調査の実態から次第に明るみに出ております。したがって、もう少し時間をかしていただいて、具体的にこの問題の責任の所在はいずれ時間の経過の中で明らかにしなきゃならない問題でもございますし、また、時間の経過の中でおのずと明らかになる筋合いのものであるというふうに確信を持っております。したがいまして、もうしばらく時間をかしていただきました上で、責任、処分の問題も含めまして、改善すべき具体的な問題を考えてまいりたい、かように考えておりますのが現状でございます。
  186. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 田中官房長官お尋ねをしますが、いま鉄建公団総裁もおっしゃっておった一つの所感として、自分たちはよく知らなかったけれども、下部の方々がそういうようなことをやっておったと。そうなりますと、新聞の報ずるところによると、環境庁もカラ出張をしておった、あるいは総理府もそういうようなことをやっておったという、前のOBの方がそういうようなことを発言をした、こういうことになりますと、このカラ出張ということは、いろいろ新聞の報ずるところ、あるいは私たちも勉強したところによると、これは全官庁に起こり得る公算が非常に強いようであります。こういうようなことになりますと、政府としてはこのまま傍観をしておくわけにはいかないと思いますが、このカラ出張に対して全官庁はどのような自粛の態勢をおとりになるつもりなのか、その辺のところの御見解をお聞きします。
  187. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 官庁綱紀粛正につきましては、私どもの内閣以前からたびたび注意を喚起しておりまして、このたびのカラ出張を含めましての不正事件につきましては、大平総理の指示、それから関係閣僚会議あるいは閣議などでそれぞれ協議検討をいたしまして、数次にわたり官房長官名で綱紀粛正を指示しております。指示しておるだけではなく、具体的には、役員の手当、そういうのを公務員並みにするとか、一般職員につきましては、たびたび申し上げておりますように、労使の関係で決めるべき点もございます。しかし、国民に多くの疑惑を与え、官公庁の綱紀粛正というたびたびの指示にもかかわらずこういうことになっておりますし、カラ出張を含めまして、私どもは、先ほどの午前中の御質問にもありましたように、構造的なものではあるまいかという大きな疑念を持っております。これは単に最近だけのことではなく、長期の構造的なものではあるまいかという疑念もございますし、目下、会計検査院調査中でございますし、結論を得ておりません。また鉄建公団につきましては、公団そのものもみずから調査しております。それから環境庁におきましてはそれぞれ指摘もございますとおりでございますので、私どもは一層自粛すると同時に、通達の徹底を図るという観点から、国民の疑惑、そういうものの一掃についてより一層これからも努力すると同時に、私どもみずから自戒しなければならないというふうに考えております。
  188. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 いま官房長官がいろいろ決意のほどをおっしゃいましたけれども、戦後、会計検査院法が抜本改正をされて施行された昭和二十二年から現在まで、交際費や諸手当等を飲食代に充当するという不当事項を十四回も指摘をされておるわけですよ。それなのにこういうような大きな問題が内部告発で初めて明らかになったということ、通り一遍のそういう官房長官の示達あたりで改まると私は思わないわけでございますが、ここでヨーロッパの諸国が採用しておる民間人による監視制度というオンブズマン方式というんですか、こういうことを抜本的にわが国も導入をする必要があるんじゃないかと思うんですが、そこらあたりのお考えはどうでしょう。
  189. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 委員が御指摘のようなオンブズマン方式はスウェーデンなどでやられておりますが、それぞれの国柄の歴史などがございまして、私ども大平内閣の発足と同時に、オンブズマン方式の検討も一応は行っております。しかし、ただいま申し上げましたように、国柄と申しますか、伝統と申しますか、そういう一つの行政機構の存立の関係どもございまして、即時に適用というようなことはなかなか至難な面もございます。しかし、そういう方式もいい面がございますので、さらに検討いたしまして、いいところは取り上げていかなければならないというふうに考えております。
  190. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 会計検査院お尋ねをしますが、先ほど申し上げたとおり、総理府の方にもそういうようなカラ出張のOBの人の証言がある、あるいは環境庁の方もそういうような問題があるというようなことが新聞で報ぜられておりますが、この問題が一段落したときには、そういうような中央省庁の問題のいろいろ懸念があるようなところは手をおつけになるおつもりがあるかどうか。そしてまた中央省庁になりますと、公団職員関係が身分が違いますので、やはり予算執行職員等の責任に関する法律ということが適用にならなければならないと思うんですが、そこらあたりもあわせて御答弁を願います。
  191. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) 今回の鉄建公団の事例、及び現在なお検査中でありますが環境庁の不正経理の問題、まことに遺憾な事態であると考えております。私どもは、実際の検査を通じまして判明いたしました以外は、推測を持って物を言う立場にはございません。国の会計経理というのは厳正に行われるべきものでありますし、また、そのように期待をいたしておるところでありまして、ほかにこのようなことがあるという報告は現在のところ受けておりませんが、今後の検査におきまして十分注意をして、突っ込んだ検査に当たらせたいと考えております。
  192. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 総理府の関係の答弁漏れがあるんじゃないですか。
  193. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) 総理府というのは、環境庁のことでございましょうか。
  194. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 環境庁と総理府、総理府も挙げましたでしょう。
  195. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) その点は次長から答弁させます。
  196. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 総理府の件につきましては、新聞報道にも載りましたけれども昭和四十八年度から四十九年度にかけまして若干の不正経理があったということでございますが、これにつきましては金額はたしか百二十万ほどの不正経理で、旅費の架空と会議費の架空で、使い道は部内のやはり会議費に使っていたということでございますが、これにつきましては検査院手続に従った処理をいたしまして、結局、この検査報告に掲記しないという処理をして済んでおります。
  197. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 次は、運輸省大蔵省お尋ねをしますが、鉄建公団不正経理のうち公団本社の千六百六十万円に上るカラ出張分の主要な使途は、大蔵省職員の接待費であったことが明らかになったようであります。公団予算関係の深い大蔵省主計局、理財局の職員が接待が一番多いとされております。赤字財政で増税か行政費の節減かに国民の関心が集まっているときに、このような国費のむだ遣いは許されない事実でございます。しかし、新聞報道によりますと、会計検査院大蔵省の幹部接待は不問に付するような方針を決めたやに伝えられておるようでございますが、これは非常に納得のいかないところでございますが、これについての会計検査院のお考え、それからこの問題についての大蔵省の御所見を伺いたいと思います。  なお、鉄建不正閣僚会議に大蔵大臣は地元の選挙応援で欠席をされた、この姿勢は批判さるべきであると私は思いますが、これに対する大蔵大臣の御所見もあわせてお答え願いたいと思います。
  198. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 大蔵省の接待の問題について不問に付するという新聞に報道があったということでございますが、私ども、これについては初めから問題にするとか不問に付するとかということは一切申してございません。と申しますのは、現在そのカラ出張雑費については徹底的に事実を究明している最中でございます。そしてその裏経理でやられている分でございますので、実は料亭等の領収証がございましても、全く稟議書もございませんので、だれがどこで出席したかというのは全くわからないわけでございます。そこで、いままず、だれがやったということよりも、事実その使途がどうであったのかということの究明をやっておりますので、後からそれをやりましても、とても究明できないんではないかというふうに考えている次第でございます。
  199. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) いま御指摘の千数百万円の飲み食いを大蔵省職員との間にやったという事実は、これは内部で官房長を中心としていろいろ調査してもらっておりますが、一体、そういう事実はないと私どもは確信いたしております。ただ、担当官がかわった場合に儀礼的なおつき合い程度の会食はあったと思います。これは否定しませんけれども、度を過ごした会合をやり、しかもそれが干数百万に上るというようなことは事実問題として私もあり得ないと思うんでありまして、これは検査院にひとつ徹底的に究明してもらいたいと思っております。私どもも、事実がそういうことならば、今後、さらに厳正に内部の綱紀粛正をやってまいりたいと考えておる次第でございます。  それから、最後に御指摘のございました鉄建公団の打ち合わせの際の欠席は、前夜かぜを引きまして熱を発したものですから、欠席いたしました。まことに申しわけないと思っております。報告は直ちに電話連絡で伺っております。
  200. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 次は、運輸省お尋ねをいたしますが、九月の二十七日付の読売新聞によりますと、公団本社カラ出張によって浮かした金額は五十三年度分だけで千六百六十万円もあり、この金は職員には支給されず、すべて会議費など接待用に充てられていたということであります。しかも、その相手方としては大蔵職員が最も多く、一回当たり二十万円もの経費をかけたものもあり、これまでに四百万円もの金が使われていたということですが、公団本社には本来会議費が九百万円、総裁交際費など少なくとも千二百万円に上る既定予算がついていることは御承知のとおりでございます。私は他の公団等にも比べて決して少なくないと思うのでございますが、御所見はどうでしょう。  しかも、このような予算で接待経費などを賄い得ないとすれば、それはどういうところから起こってくるんでしょうか。結局、五十三年度ではこれら予算のほかに違法なカラ出張までやって千数百万円を引き出して、合わせて二千数十万円かけて政治家へのせんべつや官庁職員のもてなしなどを行っていたわけでございますが、事業規模などの点から見ても余りにも多いと思います。監督官庁としてはそうお感じになりませんか。本当に事業運営上必要なら、公団としては予算の増額を要求すべきであり、これが認められないなら他の多くの特殊法人のように認可予算の枠内で接待すべきだと思いますが、公団ではこの程度の接待は社会常識であり、必要悪だと、このような考えがあるんではないかと疑わざるを得ないんでございますが、御見解をお述べ願いたいと思います。
  201. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) ただいま御疑念のとおりであると私も同感でございます。ただ、大蔵省と一緒に運輸省がごちそうになったというような御趣旨の新聞記事がございましたが、お尋ねがございませんが、私もあの記事を見まして事務当局にいろいろ事情を聞きました、また公団に対して聞かせましたが、それによりますと、運輸省職員鉄建公団から社会的常識の範囲を超えて接待を受けたという事実はないということでございます。私は、現段階においては、その報告を了承するほかないんでありまして、もし社会常識を超えた大変な飲み食いが行われていたということであれば、ぜひひとつ会計検査院の方にも調べていただいていかなければならぬ。現段階においてはそういうことはない、こういうふうに御報告申し上げておきます。私も気にしました、あなた以上に気にしました、いま大臣ですから。しかし、どうもそういうことはないようでございます。
  202. 田代富士男

    田代富士男君 関連して。  私が昨日運輸委員会で同じ問題を質問した折に、社会的な判断の上からそういうものはないと言う。いま会計検査院報告では領収証はあるけれども、だれがどのように使ったのか、そこがわからない。そういう事実はあったということは認められている。私は、昨日から一貫して言っている。社会的なそういう常識を超えた会合はない。しかし、会計検査院の方はその領収証があるけれども、だれが使ったかわからない。やったことは事実なんでありまして、そういうこともやったこともない、いまの大蔵大臣といい運輸大臣といい、そういうものはなかったと言うけれども会計検査院のほんの五分前の答弁の中には、領収証はあるけれども、その領収証の中に含まれる、だれが出席したか、それがわからないためにいま苦労しているんだと。だから徹底的に調べてくださいと言っても、もう調べているところがわからないと言う。だからやったことは事実じゃないですか。そういう会合を全然持たなかったのか、どうだったのか。そこらあたり、大蔵大臣と運輸大臣、一切なかったのか、それともそういうものはあったのか。ないとするならば、いまの会計検査院報告の、領収証はあるけれども、だれが使ったかわからないというここらあたりの統一見解を出してください。納得できませんよ。昨日から聞いておりますけれども、一貫して。  まず、大蔵大臣、あったかなかったか。運輸大臣。そして会計検査院は、領収証があるとするならば、その領収証はだれの領収証であるのか、そこらあたり相談して見解を出してください。
  203. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 私は、再三にわたって事務当局にこのことをただしております。その結果が先ほど御答弁したようなことでございますから、それを信頼するほかないと思います。しかし、会計検査院の方でそういうことをやったという形跡があるならば、私どもの方でまた改めて調査しましょう。それは運輸省としてそういうことがあったかないか、もう一回関係者にただすようにいたします。しかし、現段階において、私は、再三再四——四だと四回でありますが、四回も五回も六回も、何回も聞いているわけでございますから、間違いないなと聞いておるわけでございますから、それを信頼するほかないわけであります。しかし、会計検査院の方が確かにやったとおっしゃるなら、もう一回、私どもの方としては重ねて調査をいたしましょう。しかし、私は事務当局を信頼して何回も確かめた結果でございますから、このようにお答えをする次第であります。
  204. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) 本省の官房長を中心にして一々チェックさしております。その結果、いまのところはおっしゃるような事実はございません。中には、その大蔵省が出たということになっている日に事実出てないと言っている者もあるものですから、そこら辺はさらに会計検査院調査と並行して真偽、事実を究明したいと考えております。決してうやむやにするつもりは毛頭ございません。
  205. 田代富士男

    田代富士男君 そうしますと、会計検査院の立場として、いま検査の最中ですから発言しにくい面もあるかと思いますけれども、ほんの五分、十分前の発言の中に、領収証はあるけれども、だれがそれを使ったのかわからないという、そういう金額もわからないけれどもかなりあるのか、ほんの少数であるのか、そこらあたりくらいのことは言えるのじゃないでしょうか、明確な金額は言えないでしょうけれども。  いま運輸大臣は、会計検査院のそういうものがあるならば、参考にして、いままで四、五回にわたって調査をしてきたけれども、さらに調査をするとおっしゃるんですから、ここでほんの小部分であるのか、あるいは常識的判断の上からたくさんなのか、ある程度あるのか。いま大蔵省は一切ないということなんですけれども、果たして大蔵省は一切ないのか。一切ないということば、一件でも二件でも出てきたらどうするかということです。運輸省の場合は、改めてそれを調査すると、まあこれは純真な面があると思うんです、こういうふうに受けましょうと。大蔵省は一切ないと言う。一切ないということは、たとえ一件でも出てきた場合にはこれはどうするか。これは初めての質問じゃありませんよ、昨日からの運輸委員会でもたびたび質問している。しかし、それは明確でない、それで一切ないと言う。本当に一切ないのか。大臣、一切ないと断言できますか、明確にしてください。一切ないならないということで一件でも出てきたらどうするか。
  206. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) 申し上げましたのは、先ほどの御答弁でも社交的な儀礼の範囲内のものはあったと思いますと、ただ、同行した者は一切ないと、いまのところは官房長調査でも出ておりますし、中には大蔵省の者が出席しないで大蔵省の名前が使われている場合もありますと、こういうふうに申し上げておるわけでございまして、検査院検査の結果と相まって私の方も徹底的に究明したい、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
  207. 田代富士男

    田代富士男君 大蔵大臣、改めて言いますけれども、やはりこういうような場合には謙虚に受け入れる姿勢が必要じゃないでしょうか。運輸大臣はそれを受けられた。そのように私の方もいま常識的な範囲を超えないものはあったと言うけれども、それが果たして常識を超えない会合であったかどうか、これまたわからない。だから、それに類似した行為はあったはずなんですから、さらに検査院報告と相まってもう一度厳重に調査する姿勢はないですか、やらないですかどうですか。
  208. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) 当然、それはやるつもりでおりまして、御答弁申し上げておるわけですが、検査院の結果とそれから私の方の内部監査と両々相まって、事実の真相だけははっきりさしたい、こういう気持ちでおりますことを申し上げておきます。
  209. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 いまこれに関連しまして検査院の方が先ほど言われた領収証はあったと、だれが使ったかはわからないということですが、領収証の種別ですね、料理屋のやつか、高級料亭のやつか、ゴルフ場か、そういうようなところをおわかりだったらちょっとお知らせいただきたいと思います。
  210. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 現在、鋭意集計中でございまして確認中でございますので、その職種そのものも果たして信憑性があるかどうかもいまやっている最中でございますので、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
  211. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 先ほど田代委員に対して大蔵大臣は、いまのところ絶対出てないというようなお話でしたが、あなたのところでは調査委員会というのをつくられましたね、その結果でそういうような御答弁をおっしゃったと思うんです。ところが、その調査委員会調査たるものが問題なんですがね。  私たちが確認をした中では、公団不正経理を黙認して、その見返りに接待を受けていたことがあるか、これが一つですよ。二番目が高級料亭やクラブの飲食代金を公団のツケとして回し、さらに接待を催足したことがあるか。それから、どれだけの接待を受けたかについては公団関係のある職員に自主的に申告をさせると。悪いことをしておって証拠書類もないのにわざわざ私がやりましたといって申告をする人が頭脳のいい大蔵官僚の中におるでしょうか。こういうようなことから出てきたその答えをうのみにされて、そして一件もないということをおっしゃるんだったら非常におめでたいと思いますが、いかがですか。
  212. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) 調査のやり方につきましては官房長から具体的に申し上げますけれども、何分にもいま会計検査院調査の最中でございまして、十分そこのところはチェックできない面もございますけれども大蔵省としては最大限の努力を払って事実関係の究明に努力していることは申し上げましたとおりでございます。それで、いまのところはお話のような社会常識に反した大きなものはまだ発見するに至っておりませんけれども、今後、さらにこの問題についてはやはり国民の皆さんの疑惑を晴らさにゃいけませんから、十分検査院と連絡をして解明してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  213. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 次は会計検査院お尋ねをしますが、カラ出張の経費の中から政治家の励ます会の費用が支出されていたということがいろいろと論議されておるようでございますが、この事実はあったかどうか。さらにまた公団の元幹部の証言によると、カラ出張の裏金の大部分を会計検査院の接待に使ったということを言っておるような新聞がありますが、この事実があったかどうか。そして新聞によりますと、非常に重要なことは、大部分は会計検査院検査官の接待に使われた。そもそも検査官の接待費捻出のためカラ出張が始まった、こういうようなことを言ったということが書かれておりますが、そこらあたりはその事実関係をはっきりしていただきたいと思います。
  214. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) いろいろな報道につきまして一々批判をするつもりはございませんが、私もこの公団カラ出張検査院の接待のために始まったというふうな新聞記事は見ました。しかし、今回のカラ出張の件は、私どもが御報告をいたしましたとおり、かなり大きい金額で、しかもその大部分が超勤見合いと称しまして職員に配分されておるものでございます。新聞によりますと、何か検査院が来ると百万ぐらいかかるからこういうことを始めたんだということでございますが、言っている意味が私には全く理解できません。  それから、いまでも検査院が来ると足りないものは公団が負担をしているというふうな記事であったかと記憶するのでございますが、これは全くでたらめでございまして、私は念のために聞きましたけれども、そういう事実は全くございませんでした。
  215. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 政治家の励ます会等のパーティー券についてでございますが、カラ出張で捻出したものの中に一部あるということを聞いております。
  216. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 次は運輸省お尋ねをしますが、九月十日の朝日新聞によりますと、会計検査院が先般名古屋支社検査したところでは、五十三年度の同支社旅費予算は、測調費中の旅費のほか、現場調査費など合計して七千六百万円であったのに対して、これらの旅費からカラ出張で浮かせた金額は約二千三百万円に上がっております。結局、この支社では旅費予算の三分の一がカラ出張の財源になっていたようでございますが、このように予算の三分の一を使用しなくても、つまり職員が出張をしなくても業務上は何らの支障も来さなかったのでしょうか。もし全く支障を来さずに済んだというのであれば、私は、これら七千六百万円もの予算額は本来過大な予算の額ではなかったか、このように思うのでございますが、公団予算を認可をされる運輸省はこの実態をどのようにお考えでしょうか。
  217. 山地進

    説明員(山地進君) いわゆる測調費の旅費といいますのは、全体的に工事付帯費に入っておるわけでございますが、工事付帯費の査定に当たりましては、その用途が非常に多岐にわたっておりますので、建設費との額の関係を考慮して決めるのが通例でございました。ただし、いまの御指摘のように六千万円のうち二千万円がカラ出張に回るというような事実をお聞きするにつきましては、今後の予算の査定あるいは予算の要求に当たりましても、十分その点に配意して考えていきたいと思っております。
  218. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 いま指摘をしたその旅費予算総額上も非常な甘さがあるわけでございますけれども、その旅費の中の各項目にやはり予算額を明示してないところに流用が勝手にできるというところにも大きな問題があるのじゃないかと思います。そういう点も今後は是正をされるつもりがおありになりますか。
  219. 山地進

    説明員(山地進君) 予算の査定と執行関係というのは大変むずかしい関係にあるわけでございますが、今回の公団予算執行状況を見ますと、やはり予算そのものについても今後考えなければいけないということをわれわれ感じております。
  220. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 次は会計検査院大蔵省お尋ねをしますが、私が長崎で見た地方紙によりますと、今回のこういうようなカラ出張という問題が起こるのはやはり法律が少し大まか過ぎる、国家公務員の出張に関する法律をもう少し厳しくすべきじゃないか。たとえば出張をして帰ってきたときの復命とかいうようなものも義務づける必要があるんじゃないかというようなことの御所見を、会計検査院のどなたかしれませんが、おっしゃったということが記事に載っておるようでございますが、それについての会計検査院の方の御所見はどういうような御所見なんでしょうか、そういうことなんでしょうか。それについて大蔵省はどのように取り組むお気持ちがおありでしょうか。
  221. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) これは私どもの方でこういうことを申したあれはないんでございますけれども、これは旅費法の問題ではなくて部内の制度の問題だと考えております。したがいまして、先生ただいま御指摘のように、当然出張する場合には旅行命令の計画を明確にいたしまして、そして帰ってきたならばそれを明確に復命する、で復命書を出すというようなことをやっておけば、そういうような不正なカラ出張は防げるのではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
  222. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) 法律をいかに精緻な法律にいたしましても、執行する面でその気持ちになってくれぬとこれはなかなかうまくいかないと思うんです。私は、やはり執行面とそれから予算配分の面との二つの問題があると思います。執行面につきましては、さらに綱紀粛正を喚起して、いやしくも世間から非難を受けるようなことのないような執務体制をしっかりとってもらいたいと思いますし、また予算配分に当たっても、予算定員と実定員との差額が多くなって、そういう余裕が出ないようなやり方を次の予算編成の際には十分考えてまいりたいと考えておる次第でございます。
  223. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 会計検査院お尋ねしますが、カラ出張というこの不正な所得は、国民はこれは返還請求をされるべきだと当然思うわけでございますが、これもまた新聞報道でございますが、検査院としては修正納税という現実的処理で片づける方針に傾いたらしいというような報道がされておりますが、これでは結局会計検査院もお役人であるし、不正を働いた方もお役人で、結局、国民の目には役人同士の相身互いという、こういうような映り方しかないんじゃないかと思うんですが、もっと厳しい処置、返還命令という処置でやるべきじゃないかと思うんですが、この辺についてはどうお考えでしょうか。
  224. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) 私どもは、カラ出張で浮かした個人支給分につきまして修正納税などというようなことを申し上げたことは一度もございません。このカラ出張によりましてやりました経理は、検査院としましては、全体としてこれは不当であるという考えを持っております。これに対してどういうふうに対応するか、これは一次的に公団なり監督官庁のなさることであろうと考えておる次第であります。
  225. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 田中官房長官に最後にお尋ねをしますが、内部告発をされた方はやむにやまれないそういう気持ちの発露でこういうような不正を何とか正したいということでおやりになったと思うんでございますが、やはり内部告発をされたそういうような事業団とか公団あたりは非常に沈うつなそういう空気になろうかと思うわけでございますが、ここらあたりでこういうような構造的な問題を抜本的に解消するためには政府がやっぱり大なたをふるわなければこの問題は解消しないんじゃなかろうか、私はこう思うわけでございますが、再度、先ほどの民間人の監視制度ということが大平内閣が組閣をされたときに話題になったというのであれば、やはりこういうような問題は前向きに取り上げてやることが非常に大事じゃないかと思うんですが、この内部告発という問題に対する御所見と今後のそういうような抜本的な考え方はどういうふうにお持ちか、それをお伺いして質問を終わります。
  226. 田中六助

    国務大臣田中六助君) お尋ねはオンブズマン方式、つまり監督のチェック機能を採用するかどうかということが一点あると思いますが、そういう民間の監督チェック機能というものを全く無視するという考えはございませんし、十分検討中でございますので、その方法、内容の多少の変更はあっても、採用したいという方向で検討しておるということを申し上げたいと思います。  それから内部告発ですが、これはいまの第一のチェック機能との関連がございますが、それをやっていけば自然と内部告発というような言葉を使わなくてもチェック機能が遂行できれば自然とおさまることじゃないかというふうに考えております。
  227. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それでは最初に鉄建公団のいわゆる不正経理関連して指摘をしていきたいと思います。  昨日の運輸委員会以来の本委員会も含めての報告によりますと、カラ出張による裏金というのが三億九千五百万円、そしてそのうちの職員支給分というのが二億五千九百万円、雑費というところの使用分が一億三千五百万円ということの報告がなされております。職員支給分を何に使ったかという点で、これは会計検査院超過勤務、超勤見合いだという表現をしておられるんですね、職員支給分の金額というのは超勤見合いだと。そうじゃないんですか。それは何ですか。
  228. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 超勤見合いと称してという公団側の御説明に基づいて、私ども実は申し上げているのでございますが、超勤見合いと称して支給した個人支給分という表現をいたしております。私どもの方といたしましては、実際に公団の各現場では非常にお忙しい事業をやっているとは思うのでございますけれども、実際に個人に支給されたカラ出張分について超過勤務命令簿等が全くないものでございますから、確認するすべがないわけでございます。ですから、直ちに超過勤務手当という断定は現在のところできかねている状況でございます。
  229. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、公団は、職員支給分というのは職員の超勤に支給したと、こういうことでございますね。
  230. 川島廣守

    参考人川島廣守君) さようでございます。
  231. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、私は公団の収支決算書を拝見をしたんですね。そうしますと、これはちょっとよくわからないのでお聞きをしたいなと思う点が一点あるんですが、そのうちの予備費ですね。予備費では、これは昭和五十二年度を見ますと十九億九千八百三十四万九千円あるんですが、そのうち予備費の使用額というのが災害復旧費が二億九百万余り、そしてもう一つの大きな分といたしまして役職員給与七億九千万余りというのが出ているんですね。この七億九千万というのは役職員給与になっておりますが、これは給与の中のどういう部分の経費になるんですか。
  232. 森谷要

    参考人(森谷要君) いま予備費の役職員給与七億九千万というお話がございましたが、これはベースアップ財源として予備費から人件費へ充当したものでございます。
  233. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、七億九千万何がしという予備費の使用額というのは五十二年度のベースアップ分。そうしますと、ちょっと大蔵省に聞きたいんですが、これは政府予算の場合には大体ベア分相当額というものを予算に上乗せをしていますね。そうして後決定をした場合には補正予算というやり方をするのですが、こういう特殊法人は全部こういう予備費等で扱うというやり方をしているんでしょうか。
  234. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 事実的な問題でございますので私からお答えいたします。  国の職員の場合には、給与改善費ということで、五十四年度で申しますと二・五%、五十二年度で申しますと五%の予算給与費の中に組んでおりますが、鉄建公団等の公団の場合には、予備費の中にそれに相当するものを計上いたしております。その使用の場合には、公団が独自にやれませんで、監督官庁である運輸大臣の承認を求めまして、その上で予備費の使用をすると、そういう仕組みになっております。
  235. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、なぜこれを聞いたかといいますと、鉄建公団予算、収支決算を見て不思議だなと思うのは、よく見ると役職員給与という本来の予算がある、そうしてベア分という、いま言われた予備費から支出をされるベア分がある。さらに、先ほどからお話がありましたカラ出張で裏金をこしらえて、超勤の支出分というのがあるんですね、いままでの論議を通じますと。何でこういうことになっているのかちょっとわからぬわけですよね。人件費というのはもっとわかりやすく、収支決算書でも、まあ人件費部分というのはこれなんだというのはだれでもわかるような仕組みにしておくというのが普通なんですね。それがおたくの場合には三つになるわけですね。しかも、この予備費充当分が一億以上余っているんですね。私余りおかしいなと思ってずっとさかのぼって調べてみますと、全部そうですね。大体八億から十億ぐらい予備費を流用して、そして七千万から一億余りの不用額が出ているわけですね。片方では予備費を流用して一億余りも不用額を出して、片方では超勤見合い、超勤支出ということでわざわざカラ出張を集めて、そうしてそれを人件費に充当するというやり方というのはいかにもむずかしい経理のやり方じゃないかと思うんですがね。そういうことをやらなきゃならない何か理由がありますか。
  236. 森谷要

    参考人(森谷要君) いまお尋ねの件は、五十二年度の管理費の決算役職員給与を含めて約一億余の不用額が出ているではないかという、それはおかしいではないかということだろうと思いますが、その中の大半は退職手当の見込みが過大であったということでございまして、その関係で不用になったわけでございます。
  237. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いや、私は不用額が出ておかしいと言ってないんですよ。片や不用額が一億以上もあるのに、片方で超勤を支払う金の工面ということで、裏金づくりをして支出をするというようなからくり、予算上、財政上のからくりがおかしいと言っているんです。そんなことをせぬでもちゃんとやれるじゃないですか。その辺が非常におかしいなと思うんですね。で、特になぜこういう超勤分が出たのかということについて、これは私いろいろ聞いてみたんですが、おたくも政府と同じように大体超勤規制というのはあるんですね、現場と非現業のところでは。現業は月三十時間ですか、それから非現業は二十時間というふうに聞いてますが、そうですね。それを現業のところではオーバーした分の人たちに支払っている超勤だとすれば、これは私、当然、こんなカラ出張の裏金づくりで財源をつくって支払うというようなからくりは必要ないんじゃないか。なぜそういうことをやって来たのかという点を簡潔に聞かしてほしいんです。
  238. 森谷要

    参考人(森谷要君) いまお尋ねの件につきましては、確かに一見ちょっとおかしいではないかということのお感じを持つのはごもっともかと思いますが、私ども、遺憾ながら年度の途中におきまして超勤の実態というものを的確に把握できなかった。そのために流用の手続を講ずることができなかったということでございます。
  239. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それはおかしいんでね。ベースアップ分というのがわざわざ予備費で、ベースアップというのは幾らに決まるかわからぬということがあって、予備費の使用を認められているわけでしょう。超勤だってわからないわけですよ。いわゆる予見しがたい支出ですよね。超勤だってやってみぬとわからぬということでしょう。そうしたら予備費でちゃんと、何できちんとそういうふうな予算措置をしなかったか。それができない、あるいは監督官庁からそれをやってはならぬというふうに言われているのでやらなかったのか。その辺はどういうことなんですか。ものすごくわかりにくいですよ、私ども素人にとっては。
  240. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ちょっと担当理事の説明で御納得いかないようでございますが、もしも足らなければまた担当理事から補足させますけれども、確かに、お尋ねのように予備費は不用に立てた額があるわけでございます。これは、元来予備費は、わが公団といたしましては予見できない災害復旧費及びベースアップ分に在来充当してまいったわけでございます。いま担当理事も申しましたように、超過勤務手当をいただいておる分以上に現地で超過勤務をしておるわけでございますが、それがもしも今回のような安易な方法によって捻出をして、そして結局支出をしておったのが実態——大変これは申しわけないことでございますが——なものでございますから、そういうことでずるずるやっていたものでございますから、本来でございますればいまお話しのように、不用に立てないで、それを運輸大臣の承認を得て超勤の方へ回して使うというのが本来筋であったろうと、いま反省をいたしております。
  241. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、予備費でそのまま使ってもよかったわけですな、運輸大臣の了承さえ得れば。その辺の非常にわかりにくい——だから私どもは当然この予備費で人件費を扱っていいというシステムで、これは監督官庁大蔵省もお認めになっておられるなら、これはわざわざカラ出張で財源をこしらえて、そして職員給与分というようなことを言って超勤を出さぬでも、これは予備費で必要なだけ支出をすればいいわけですよ。だって現に過大見積もりであったということで不用額が毎年出ているわけですからね。そんなことは、やれるはずなのにそういうことがやれないというのは私どもから見たら非常に不思議だけれども、まともなことがやられてない。公団職員に聞いたら、いや超勤は予見しがたい支払い条件ではありませんなんてことを言っているけれども、そんなことはないんです。政府だってちゃんと超勤は予備費で支出しているんですよ、実際には。だから政府がやっている姿のことを公団にやっちゃならぬてなことは言うはずがない。それをやらずにわざわざこういう複雑なやり方をしたということは、職員の超勤見合いなどという形で一方人件費を絡ませて、片方の一億三千五百万と言われているいわゆるその他経費ですね、そういうものをつくるための手段としか受け取れない。だからこれは各分野、各出先の責任者がやったやったと言って、さっきから言っていますけれども、こんなことが毎年繰り返されてやっているのはおかしいですよ。そういうことにならざるを得ないので、これは政府のを私、念のために見てみたんですが、政府は各省庁みんな超勤は予備費で支出していますよ、実際。そういう指導だって、これは恐らく監督官庁には連絡がなかったからわからなかったんでしょうけれども、少なくともこんなことはまともなやり方をしてもらうべきですよ、まず。  私はその点で関連をして申し上げておきたいんだけれども総裁ね、あなたの部下で三千数百名の方々が働いている、その人たちに、やみ給与だとかやみ賞与だとか言われるようなそういう財政運営というのはやめるべきです。少なくとも実働の超勤を支払うなら、これは明確にしてきちんとやはり賃金として渡す。それから賞与についても、労働組合との関係で協約の成立したもの、交渉の成立した賃金や賞与、そういうものは当然オープンにして、そうして監督官庁の了承を得るというふうなことはきちんとやるべきだと思うのですよ、これはね。そういうことをやっていないで、そうして片方ではいわゆる使途不明金と言われるような膨大な金を、その資金づくりのために人件費と絡ませてやってきたんじゃないかというふうに見ても見られないことのないようなこんな疑惑の多いやり方というのはやめるべきだと思うのです。その点どうですか。
  242. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 先ほど来たびたびお答え申し上げておりまするように、どのような理由がございましても、今回のようなカラ出張による資金の捻出というものはとうてい許さるべきことではございませんので、向後に向かいましては絶対にやめることはもう当然でございます。
  243. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、時間を余りとりたくないので、その問題はさらに他の公団、公社もそういうベア分について予備費から支出をされているということでございますから、これはまた同様の疑いも起こってくるわけでございますから、この問題は追って追及をしていきたい、そう思っているわけです。  さらに、もう一方の一億三千五百五十万円の使途不明金の問題、ここが一番大きな国民的疑惑の焦点になっているところでございますが、この点でいろいろお話を伺っているんだけれども、端的にお聞きをしたいのですが、一つ公団、それからもう一つ検査院に聞きたいのですが、この使途不明金の解明が本当にできるのかどうかという点、端的に聞きたいのです。どうですか。両方、聞かしてください。
  244. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 現在鋭意使途不明金の確認を急いでいるわけでございますが、何せ、一部に帳簿、領収証等が廃棄されているものがございますので、この実態がどこまでつかめるか、まだ自信が全くございません。もちろん、きょう現在、いま作業している間にでも詰まっていっているものもあると思いますけれども、最後にどうしても使途不明金が解明できない場合には、私ども昭和五十三年度の決算検査報告使途の不明なものということで記載するつもりでございます。
  245. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 公団自体といたしましても、目下懸命に精査、補充調査を行っておるわけでございますので、最善を尽くしてまいりたいと思っております。
  246. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 会計検査院使途不明金といって書いて報告したらしまいですよ。国民はそうはまいらぬ。はっきりしてくれというのは国民の声なんですよ。それで、先ほどからの、朝以来の質問を聞いておりましても、会計検査院が、領収証はあるけれども、たとえば本社分ですね、千六百万何がしの分だけをとらえても、たとえば領収証はあるけれども、その領収証には信憑性がない、だれがつくったかわからぬということなんですが、公団に聞きたいのですけれども、あなたのところは、金を出すときはだれもわからぬ人が金を出すということはないでしょうな。経理部あるいは経理課長、その辺が責任を持って出すのと違いますか。少なくともどこの会社でもそうなっているんだから、公団もそうでしょうな。だれか違う人が好き勝手につかみ金を出せるような仕組みになっていますか、どうですか。経理部は通っていますか。
  247. 川島廣守

    参考人川島廣守君) それぞれ担当の部署があるわけでございますから、そこを通っておることは間違いないと思います。
  248. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、会計検査院にお聞きをしたいのですが、当然経理課長あるいは経理部部長なり次長なりというのを通らないと少なくとも金は使えていなかったろうと思うのですね。その辺はちゃんと判を押しているでしょうな、どうですか。
  249. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 正規の会議費の方でございますと、当然その県議書がございまして、そこで判こをとっておると思います。ただ、裏の経理についてはそういうものは全くございません。
  250. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、公団にもう一遍念を押したいのですがね。そういう公団の裏金であれ表金であれ、金を支出をするときの責任者というのは、少なくとも経理課長なり経理部部長なり次長なり課長なりという、経理の担当者を通さないと金が出ない仕組みになっているのかいないのか。なっているはずだと思うけれども、念のために聞きます。
  251. 森谷要

    参考人(森谷要君) いま裏金裏金とおっしゃっておりますが、少なくとも正規の予算執行は、経理課長それから経理部長のところの決裁を経ております。
  252. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、検査院に聞きたいんですが、そうすると、たとえば裏帳簿は破棄されてしもうて、ないとか言うているでしょう。領収証はあるけれども信憑性がない。後でつくったのかわからぬと。だれが使うたかわからぬと。そんなものを調べていくのに経理課長を呼んで、当時の経理課長、いま経理部次長ですな、兵頭さんという方、その人を呼んで調べていますか。
  253. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 担当調査官は調べていると思います。
  254. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 調べたらちゃんと答えてますか。それはどうですか。たとえば領収証、あなたのところは信憑性がないと思う領収証、これについてはどうやという話はちゃんと言いますか。
  255. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 信憑性のないものにつきましては、それは改ざんしたものもございました。ですから、それは使途不明に逆に立てております。
  256. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、さっき公団の方は、経理課長を通さないと予算執行については金は動かぬとこう言うているわけですから、少なくともその兵頭さんという人がちゃんとその使途不明金について包み隠しなく報告をしてくれさえすればわかるわけですわね。そこ以外は通ってないんだから、金の出るときに。その人が言わなかったらこれはわからぬのです。そういうところへ来ているわけですね。そうしたら、もし言わなくて、その金の使途不明金、あるいは蒸発金もありやと言われている、これがはっきりしなかったら経理課長としては公金横領になるかもわからぬし、あるいは証拠隠滅のおそれも出てくるんじゃないですか。そういう点も明確にして調査をなさっていますか。
  257. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいまのお話の、公団本社カラ出張で浮かした、何といいますか、裏経理のあれからまいりますと、これは経理課だけではございませんで、各課がございます。そこら辺もいま調べている最中でございますが、特に経理課についてはおっしゃるとおりでございますので、そういう考え方調べております。
  258. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 先ほどから、いわゆる使途不明金の使用先の問題で、やっぱり監督官庁大蔵省運輸省の飲み食いの問題、それからいわゆる政治家へのパーティー券その他の政治献金がらみの問題、そういった点は国民的に非常に注目の的になっています。ところがなかなかはっきりせぬ。その課長がはっきり言うてくれたら一遍にはっきりするわけですね。私はこの問題について非常に重要だと思っていますのは、この経理課長、いまの経理部次長ですが、この方が大蔵省から出向されて、すでに御承知のように昭和四十七年からですか、ことしの六月まで出向して経理課長をやっておられた。六月に何か知らぬけれども大蔵省へ帰った。そして七月にはおやめになった。そして再び経理部次長という新しいポストができて、そこへ来られたという方なんで、もともと大蔵省の子飼いの方なんですね、しかも、言わぬからわからぬのか、本人も思い出せないほど数が多いのかその辺は知りませんが、大蔵省との接待等が非常に多いというのは、これは大臣がいろいろ言っておられますけれども、大臣の常識程度というのは国民の常識とは大分違うかもわからぬので、その点もあろうと思うんですが、これは兵頭さんという人は一流クラブや料亭等へ行ったら、タレントでもないけれども顔がみんなに知られて、通っていると言われているほど大蔵省の接待役の中心になっている人だということが現に言われているのです。鉄建公団は慣例的に、何か慣習的にいわゆる経理部の方が大蔵省、それから総務部の方が運輸省というふうに接待をする先が違うらしいですね、担当分野が。そういうことが慣例になっていたようですが、そういうことが言われているその経理課長。あなたの方、検査院がきちんと国民の期待にこたえて全部報告を求めて、報告が可能であるかどうか、判断はどうですか。
  259. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) おっしゃるように経理課長が責任者でございますので、経理課長を呼んで調査いたすことにいたしますが、ただこれは相当な額を扱っておりますので、経理課長が全部承知して記憶しているかどうか、そこら辺、私ども調べていっている最中、途中でも全く見込みがないのでございます。ですけれども、最大限の努力を払っていま作業中でございますので、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
  260. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それの全額とは言っていないんですよ。少なくとも本社分、本社分は職員分がないんだから、全部その他経費でしょう。だからその分は経理課長が本当に言うたら全部わかるはずです。あなたのところが検査院検査の権能で調べるためには書類がないと、こういう関係になっているわけですから、その兵頭経理部次長という人にちゃんと言うてもらうかどうかがかぎになっているんでしょう、それはどうですか。
  261. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 経理課長に限らず、担当の者でございますが、そこのところを解明してもらうのがかぎになるわけでございます。
  262. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 担当の者って、それは担当者は補助的な仕事であって、少なくとも経理課長が判を押さぬと金が動かぬと言っているのだから、これは公団が言っているのだから、その人がどういうふうに使ったかということを言うか言わぬかが解明のかぎだと、こう言うている。検査院のそんな態度では私は解明されると思えない。信頼できない。どうなんですか。はっきりしなさいよ。
  263. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 先ほど公団で申し上げたのは——私がいま伺っているのは裏の経理のことでお答えしているわけでございます。先ほど公団が申し上げたのは表面上の、正規の経理のことで申し上げていると思います。
  264. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 違うんですよ。公団が言うたのは、予算執行についてはと言っている。いまの裏経理と言うけれどもカラ出張でつくった裏金かて予算の範囲なんですよ。予算執行という中に含まれているんですよ。それはあんた、私に一々説明させぬでもわかっているでしょうが。それで検査院が本気でちゃんと話を聞いてもらえるのか、聞かしてもらえるのかどうか、きわめて私は安心できないという気がするんですがね。その辺どうです。必ずちゃんとやりますというんやったら言うてください。
  265. 森谷要

    参考人(森谷要君) 私が先ほど申し上げましたのは、正規のというのは、最後の執行までの意味でございまして、さような意味で申し上げたわけでございます。
  266. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それは重要やな。そうしたら裏金はポケットに手を突っ込むようにだれでもが分けて取っていけるんですか。そんなことをしていたんですか。
  267. 森谷要

    参考人(森谷要君) その裏金の執行の問題につきましては、これは目下検査院のお手によっていろいろ解明をしていただいておりますが、ただやみくもにどこからかお金をぽっとつまんで手に入れるというようなことは予算の組織上とてもできないことでございます。
  268. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、やっぱり経理を通るんでしょうが。
  269. 森谷要

    参考人(森谷要君) それはたとえば——たとえばの話でございますが、カラ出張をいたしまして、その財源で公団本社雑費に充当いたしたという場合には、これは経理課だけであるか、あるいはほかにもあるか、これは検査院の手によっていまお調べを受けておるわけでございますが、たとえば経理課以外の課長なりあるいは課員の出張命令が来た場合には、これは経理課長が判こを押しましてこれは正規の出張と考えて決済を済ますことがあります。それが果たして正規の出張であったかどうかという問題につきましては、経理課長は知らない場合もあり得るということは言えようかと思います。
  270. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 出張の場合には、カラ出張であれ何であれ、経理課長が判を押して出張旅費を渡すんでしょう。あんたいまそう言うた。だから経理課長が知らぬはずがないということなんだ。そうあんたごまかさんときなさい。こんな大世帯で経理も通らぬでだれでもがポケットへ手を突っ込んで金が使えるような仕組みになっていたとは、それほど乱脈だとは私は思いたくない。少なくとも経理を通っているはずでしょう。
  271. 森谷要

    参考人(森谷要君) おっしゃるとおりでございます。
  272. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうでしょう。手間暇かけぬでよろしいがな。
  273. 森谷要

    参考人(森谷要君) おっしゃるとおりという意味は、たとえば出張命令が担当課長からある職員に発せられまして、どこどこへ行ってこいと、そしてその出張旅費をくださいという書類が経理へ回ってきます。その書類に経理課長も判こを押すという意味において経理課は知っておると、こういうことでございます。
  274. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 その話はもうよろしい。  それで、経理課長がみんな知っているはずだから、経理課長がたとえば本社分の千六百六十万円ですか、それについてはかくかくしかじかやと正直に言うてくれるかどうかがいまかぎになっているんですね。それをはっきりしてください。
  275. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 結局明確にしてくれるかどうかがかぎになるわけでございます。
  276. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いや、そうだろうと言って聞いている。それで、検査院がそれを明確にしてもらうかどうかというのは、その帳簿なり証拠書類なりがそろっていて、こうなっていますけれどもどうですかと、そのとおりでございます、いや違いますと、こういうことになるわけですね。ところが、そう言うて突きつけるものがないという話なんです。そうすると、会計検査院では幾ら調査を長時間続行されても、この部分では明らかにすることはできないという判断に立たざるを得ないんですけれども、これはどうですか。
  277. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) やはり正しく申告していただきまして、もし領収証がそろわなくてもそれが事実かどうかということで何らかの確認の方法があるのではないかといま苦慮している最中でございます。
  278. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、千六百六十万もの使い道を何も書類がのうて思い出せと言うたって、大体そう思い出せるもんやないですよ。どこの料亭に何ぼやったかななんて、そんなあんた気の長いこと、そんなことを国民が許すと思いますか、あんた。  それで私、委員長にお願いをしたいのは、たとえば本社分の千六百六十万については、これは証拠書類もないし、会計検査院がこれ以上調査をするということについて物理的に不可能な状況があるということのお話になっています。しかも、その当時の経理課長、現在の経理部次長、この方が言うてくれるか言うてくれないかによって判明するかしないかの境目になっているということでございますので、本委員会としては国民の期待にこたえて、ひとつその御本人を本委員会に証人として出てきていただいて、国民の名において実態を、事実を明らかにしていただきたい、そのことを御要望申し上げておきたいと思うわけでございます。
  279. 志苫裕

    委員長志苫裕君) その前に私からちょっとお伺いしますが、検査院本社分については全然証拠がないんですか、千六百万円については。
  280. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 全然証拠がないわけではございません。大部分はございます。どうしても使途不明のところもまだあるわけでございます。
  281. 志苫裕

    委員長志苫裕君) まあ大部分はあるということですので、もう少し調査は待つことにしますが、その段階経理課長の証人問題については理事会で協議をいたします。
  282. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 私はなぜこの方——何もこの人に特別に個人的恨みがあるわけで言っているわけじゃないんですよ。ただ、その辺のところはやっぱり国民の疑惑にこたえていくという点で明確にしておかなければならないというのが非常に重要なポイントだと思っている。特に、この人の経歴から言いましても、大蔵省御出身なんですよね。大蔵省の主計局の御出身なんですね。で、よくよく調べてみますと、これはちょっと驚いたんですが、いわゆる百十一の特殊法人のうち、これは時間がありませんので私申し上げますが、大蔵省にこれは御調査を、資料としていただいたんですが、百十一のうち六十二の特殊法人大蔵省から天下り、出向というのが百十四人に及んでいるんですね。で、私特に調べてみたのは、公団、事業団、公庫の四十六の特殊法人調べてみたところが、何と大蔵省関係の一人もいないところというのはわずかに四十六中五つの法人だけで、あとは経理担当理事というのが二十六人、それから経理部長というのが二十一人、経理部次長というのが三人、経理課長というのが二十二人、計七十二人です。しかも、その経歴を見ますと、大部分が主計局出身です。これは天下りの場合もあるし出向の場合も含めておりますが、そういう点で、その大蔵省主計局というのが大体予算の査定、さじかげんをやるところでしょう。そこのさじかげんをやるところがその特殊法人へ天下っておって、それがおって、ここの間のベルトをきっちり緊密にして、そうして予算配賦については、予算査定についてはできるだけあんじょうしてもらおうということで、まあ一番緊密なベルトをということで、経理のところは各特殊法人とも全部大蔵省の出向、さっき申し上げた四十六中わずか五つですからね、いないのは。出向ないしは天下りということで理事、部長、経理部次長、それから経理課長というところで占めているわけなんでね。この鉄建の問題が発覚した機会に明確にやはり国民の疑惑を明らかにしておきませんと、これは他の特殊法人も似たようなことがあるのと違うかという国民の疑惑が広がるばかりです。その点で、これは大蔵大臣どうですか、こういう状態になっているのは御存じでしたか。
  283. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) 新しく公団、事業団ができます場合に、やはり経理の専門家を要求される場合が従来多うございまして、そういう人によって公社、公団経理を指導してもらうということで今日までに至った結果が御指摘のようなことだろうと思うんです。中には、まあ退職した人じゃなくて現職でぜひひとつしばらく軌道に乗るまで貸してくれよということで、出向の形で行って適当な時期に引き揚げている場合もございます。しかし、いま御指摘もございましたように、国民の疑惑がこういう点に集中いたしますことは大変私どもといたしましても遺憾に存じます。今後さらにこういう問題の起こらないようにしっかりとひとつ見直してみたいと考えております。
  284. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それは大事なことですよ。大蔵省の主計局で予算配賦する。受ける方も大蔵出身者、都合がええですがな。先輩後輩か同僚か知りませんがね、そんなことツーツーでやられていて、まあまあ常識の範囲でという大臣のお言葉の常識の範囲、国民の側から言うたら常識を逸脱していますが、まあ、なあなあ言うて盛んに公金で裏金までこしらえて飲んだり食ったりされたらたまったもんじゃない。国民はそんなことは許しませんよ。だからいま大臣がおっしゃったように、その点は厳格に見直していただく必要があろうと思うわけでございます。  それから、時間がもうありませんので、白浜大臣わざわざおいでいただいたんですけれども、きょうはちょっと時間がないので、また次回に譲らしていただきます。  最後に官房長官に伺いたいんですが、私はまだ今後解明と追及の必要性があろうと思うんですが、そういう大蔵省との関係。それからもう一つは、これは疑惑の一つの問題点になっておりますが、裏金づくりの指導がやられていたんではないかという疑いも出てきているわけですが、そういった点は今後の課題として追及を続けていきたいと思っているわけですが、特に、私は官房長官の前に聞いておきたいと思うのは、運輸大臣です。午前中からお伺いしていますと、役員給与というのは国家公務員並みにすると。それから退職金はどうしますのかな。
  285. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 退職金につきましても、私は検討の要があると思っております。特に、非常によく働いた人にはその基準より多くてもよろしい、いい加減な働きの人は、それはもう半分でもいい、出さなくてもいいというぐらいのやり方でこれからやったらどうかと思っております。
  286. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 沓脱君、時間です。
  287. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 最後に——もう終わります。  退職金の問題は、これは従来から私ども天下りの問題を含めまして衆参両院でたびたび指摘をしてきているところですが、きょうはもう時間がありませんので、最後に官房長官にお伺いをしたいのは、やっぱり問題は、百十一の特殊法人については徹底的に見直す必要があるということが一つ。それからかねがね、たびたび問題になっておりますこの役職員の高級官僚の天下りの禁止の問題ですね。これは政府としては何回か閣議で申し合わせなどをされておるようですけれども、一向に改まるようではございませんので、その点について、この機会に英断をふるってけりをつける方針をおとりになるかどうか、その二つについて最後にお聞きをしたいと思います。
  288. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 百十一の特殊法人でございますが、これはやはり私も考えなければならないと、つまり、行政整理の一環として整理統合というような方向に持っていかなければいけないと思っております。  それから高級官僚といいますか、官僚の天下り人事でございますが、これば国会でもたびたび指摘されておりますし、私どももチェックすべくいろいろ講じております。これからも十分気をつけていかなければいけないと思っておりますが、ただ、特殊法人とは申せ、十分に責任のある機構でございますし、そこに経験のある人、経験の豊富な人、そういう者を行かせる、これが即天下りというふうに解釈されれば別でございますが、そういう経験豊かな、しかも責任のある地位、そういうものを考えるときに、一概に天下り人事というふうに規定して枠をはめて、それをチェックするということは考えねばならない点もございますけれども、いずれにしても、天下り人事ということは概してよくないという見解は堅持して処理していかなければならないというふうに思っております。
  289. 秦豊

    ○秦豊君 質問に入ります前に、質問順位の変更について賜りました皆様の御理解と御協力に御礼を申し上げて質問に移りたいと思います。  官房長官、公務がおありだそうですから、私は質問構成をあえて変えて、官房長官に対する質問を先にして次に進みたいと思います。  やや概論めくかもしれませんが、今度の総選挙では、長官、やはり鉄建も裁かれたと私は思うのですよ、しかと。それで綱紀粛正こそ行政改革の第一歩だという私の認識を展開したいと思うのだが、したがって国会の中でも相談——行財政改革特別委員会あるいは倫理委員会等の提唱が論議されると思う。それは国会の次元である。行政のレベルでも、何もアメリカに学ぶという意味ではなくて、やはり現在総理府とかあるいは行政管理庁に一部包摂をされている人事チェックの機構をアクセントをつけてもっと強化をして、たとえば行政の中に倫理局、政府倫理局を新設をするとか、あるいは政府倫理法を制定するとか、かねがねグラマン、ダグラス、ロッキード以来言われて久しいのだけれども、こういう問題について、あなた方の内閣が、大平政権がやはり姿勢を示すということがいまこそ必要ではないか。ある程度事実の解明が進んだ後のこれは恒久策であるとは思うけれども、こういうことについて長官のお考えを伺いたいのと、以下あえて質問を羅列いたします、時間を省くために。  知野さんのところの会計検査院は、いまあなた方が持っている検査機能は虚構である。虚像である。強制権がない。国税庁に比べてみれば明らかだと思う。したがって、官房長官の立場からは限界があろうかと思うけれども会計検査院検査機能強化、強制権付与、これはやがてわれわれが直面しなければならない大きな問題だと思うが、官房長官はそれに対してどういうふうに考えていらっしゃるか。  それからもう一つ、あえて伺っておきたいのは、大項目じゃなくて、まず隗より始めよという言葉があるのだけれども田中官房長官もマスコミ出身で、そういう点の感度は残していらっしゃると思うのだが、かつて公用の車はすべてひらがなの「た」ナンバー、たちつてとの「た」ですね、「た」ナンバーをつけて一目瞭然であった。アメリカの場合には、ワシントンを歩けばすぐわかるが、「オフィシャル・ユース・オンリー」というプレートをちゃんと張って納税者の批判にたえるような行動をしている。だからというわけではないけれども、明らかに公用車は、マル公ならマル公、あるいは諸官庁なら諸官庁のネームを付したプレートを堂々とつけて行動をするというようなことも含めて、もちろん捜査上大変隠密性を要するというふうな車は例外ですよ。一般的なものについてはそれほど——えりを正すというのかな、あるいはささやかなことであるが、これを軽視しないで、あえてもとに返すというふうな一つの計らいですね、この辺について私は官房長官にまず伺っておきたいのだが、いかがでしょう。
  290. 田中六助

    国務大臣田中六助君) アメリカ方式のように、政府倫理法に基づいて政府倫理局などを設けたらどうかという提案でございますが、カーターさんが、ウォーターゲート事件の勉強で、そういうこともあったと思うのですが、私どもも航空機疑惑問題等協議会で民間の人、学識経験者四人を委員にしまして一応結論を出しております。その中に、公正な行政を行うという項目が三項目目にございまして、それをいかにして発展させるかということを考えておりまして、これがアメリカ式な倫理法、あるいは倫理局というようなものに通ずるというようなことまでは断言できませんが、御承知のように、すでに総理府に人事局もございますし、行政管理庁あるいは人事院、あるいはいま申し上げました会計検査院などの機能を十分に発揮すればいいんじゃないかという意見もございます。しかし、秦委員のおっしゃるような、新たな統合をして、新たなものを設けたらどうかということ、これも十分私どもも先ほど申しました公正な行政指導というようなことで考えておりますので、十分頭に入れて処置していきたいと思います。  それから、いま申しました会計検査院の機能の問題でございますが、これもさきの国会でも問題になっております。ただ懸念されるのは、三権分立をたてまえにして、第四権目だというようなことも指摘されておりますけれども、今回の鉄建公団を中心とする一連の諸問題について、会計検査院の活動といいますか、機能というものをやはり非常に評価しなければなりませんし、この機能をさらにどうするかということについても前向きの方向で考える立場にあると思います。  それから官公庁の、たとえば車を使用するのにどうとかいう、つまりはっきりした、いろんな点であいまいなことをしないようにということですが、これもこのたびの反省と申しますか、そういうものにつきましては十分考えて、何らかの前向きの方法を検討したいというふうに考えます。
  291. 秦豊

    ○秦豊君 検査院に伺います。  いまの検査院の機能強化、強制権付与、かえって知野さんの場合言いにくいかもしれないが、あえて伺っておきます。
  292. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) お答えいたします。  この種の検査におきまして、検査に当たります調査官の苦労が並み大抵でないことは事実でございます。しかしながら、国税庁のような強制権、まあ国税犯則取締法にありますような領置あるいは臨検、捜索、差し押さえと、そういう意味かと存ぜられますが、そのような強制権を持つべきかどうかにつきましては、会計検査の性格、目的から見まして私はきわめてこれは慎重に考えなければならないと実は考えております。先進諸国の会計検査制度を見ましても、そのような強制権を持たせている国を私は存じません。せっかくのお説でございますから、今後研究はいたしますけれども、現在のところ私としては消極的に考えております。
  293. 秦豊

    ○秦豊君 あなたがそういう見解である限りこのどろ沼はなかなかきれいにできませんぞ、これは。任意で提出される資料に頼って、しかもそれが改ざんされている、焼却されている。メスが及びませんよ。その点だけは言っておきます。時間が短いからあなたと討論していると全部終わっちゃいますから、次回にしましょう。  じゃ、検査院に伺いますが、せっかくいまの権限で奮闘されている。まあ鉄建公団では一億二千二百万円だと、検査院の方では二億七千三百万円を把握したと。しかし、不正不当を組織ぐるみでやって、なおかつ兵頭寛経理部次長みたいに昼間より夜有名であるというような、鉄建の兵さんというふうなそういう存在であって、それこそ接待行政の頂点に、中枢にいるような人物が改ざんの先頭に立っているような組織で洗い出した一億二千二百万円がなぜ一〇〇%の信用に値するんですか。どうしても私その辺が解せない。かばい合いじゃありませんか。けものの傷のなめ合いじゃありませんか、言葉は余り適当じゃないが。どうなんですか、検査院
  294. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 私どもの方で指摘いたしましたのは、全体二億七千三百万円でございます。特にただいまの本社経理のことでございますが、本社はすべて雑費に使用しております。これについては私ども権限上力が及ばない点はございますが、私どもの権限の中でできる限りのことはやって、絶対にそういうさらにおかしなことがないように検査している次第でございます。
  295. 秦豊

    ○秦豊君 じゃ伺いますが、さっきから伺っていると超勤見合いということを小野さんしきりに使っていらっしゃるわね、超勤見合い。ほかに言葉がないんでしょう。じゃ伺いますが、あなた方が照合すべき超勤命令簿も改ざんされているとすれば、漫画的風景ですわね、これ。そうでしょう、うなずいていらっしゃるが。それから超勤手当というのは毎月の労働超過に対して支払うべきものでしょう。そうじゃありませんか、世間的な常識は。ところが実際には、鉄建の場合は、後で川島さんに伺うが、三カ月に一度支給されている。しかも課長クラスが二・〇、係長クラス一・六、平の職員一・〇という配分比率がちゃんと牢固としてあるんじゃありませんか。これだと超勤見合いとは言わない。市民の常識では、納税者の感覚では、これを山分けと言うのです。いいですか。給与の山分け、やみ給与、これが正しい日本語なんです。会計検査院川島さんから、こういう事実関係を把握していらっしゃるかどうか、お二人から伺っておきたい。
  296. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) カラ出張から捻出して職員支給した分は、先ほども申し上げたのでございますが、私ども超勤見合いと言っておりますのは、公団の方でそう言うから言っているだけで、私どもはそういうふうには思っておりません。
  297. 秦豊

    ○秦豊君 それはわかっている。繰り返さないでもらいたい。時間がない。
  298. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ですから、私どもの方は超過勤務簿にないものでございますので、あくまでも職員個人支給したという表現しかとれないわけでございます。
  299. 川島廣守

    参考人川島廣守君) いま秦先生のお尋ねでございますが、超勤につきましては毎月支払っております。ただ、いまお話ございましたように実際上の超勤命令簿は予算の範囲内でつくってあるわけでございますが、事実関係はいま申しましたようにやみ給与と申しましょうか、そのつくりました金で毎月払っております、各人に対しまして。先生のおっしゃいましたのは、六月と十二月と三月に分けて、これはボーナスの方でございますので、それとは別でございます。一般の超勤は毎月支払いをいたしております。
  300. 秦豊

    ○秦豊君 念のために川島総裁、繰り返しませんが、私ども調べではさっき申し上げたとおり、なっていますので、じゃ念のために今年一月初頭から九月末まで超勤の金額リストを本社分に限定してでいいから提出をしていただけますか。それで照合し、さらに追及をしたいと思う。約束だけしてください。
  301. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 提出申し上げます。
  302. 秦豊

    ○秦豊君 法務に伺いたいですが、いらっしゃいますね。  この鉄建公団事件内容的に言えば、あらゆる犯罪のこれは巣窟だ、オンパレードだと。何でもある。詐欺もしくは横領、背任、公文書偽造、印章偽造、民間の感覚なら大変ですよね。懲戒免職が続出をして大変ですよ。ところが検察、警察当局はいつかな動いている気配がない。しかしそれは素人の独断であって、恐らくあなた方はすでにひそかに何らかの捜査活動を開始していらっしゃるのかどうか、ちょっと参考のために。
  303. 前田宏

    説明員(前田宏君) ただいまお尋ねの点につきましては、午前中の質疑の際に法務大臣からもお答えしたとおりでございまして、先ほど来お話のございますように、現在会計検査院の方で検査がなお続行中であるというふうに承知しておるわけでございます。したがいまして検察当局といたしましては、どういう表現を申し上げたらよろしいかと思いますけれども、まあ事態の推移を注目しながら見守っておるとでも申しましょうか、そのような状況にございます。
  304. 秦豊

    ○秦豊君 大変慎重で結構だと思う、皮肉な意味でですよ。ことし初めのダグラス・グラマン、あれと比べれば明らかじゃありませんか。捜査開始宣言、威風堂々じゃないですか。今回は、会計検査院調べておられる、使途不明金が明確に把握できるまで——何とも慎重過ぎる。むしろこれは捜査活動における官民格差じゃないかと言われたらどう反論しますか、局長は。
  305. 前田宏

    説明員(前田宏君) ただいま御指摘のダグラス・グラマン問題につきまして、いわゆる捜査開始宣言というふうに呼ばれるようなことがあったわけでございますが、本来捜査というものはただいま委員も言外におっしゃったように、本来秘密といいますか、密行的な形でやるのがたてまえでございまして、ただダグラス・グラマン事件のときにはやや異例なことでございますが、アメリカとの間でいわゆる司法取り決めを結ばなければならないという事態がございまして、その前提といたしまして何らかの犯罪の捜査を始めるという形をあらわすということが必要であったわけでございます。したがいまして、ああいうようなことは本来ば異例なことだと、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
  306. 秦豊

    ○秦豊君 あなた方は法律の専門家だから、やっぱり法律を踏まえなきゃ迫力はないですね。  この刑事訴訟法二百三十九条二項「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と、これは皆さん暗記していらっしゃる。会計検査院はすでに事実関係を膨大に把握していらっしゃる、こう思う。運輸省もそうである。大蔵もそうである。ならば一体どういう時点であれば捜査を開始できるのか。いわゆるどういう時点であれば事実上の告発という言葉が妥当するのか。検査院と法務両当局に伺っておきたい。
  307. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) 会計検査院は、いま会計検査院等の検査のために事実の究明に全力を注いでおるところでございます。それでこの刑事訴訟法の規定の有権的解釈は法務省の方からお聞き願いたいと存じます。
  308. 秦豊

    ○秦豊君 なるべく簡潔にお願いできれば。
  309. 前田宏

    説明員(前田宏君) 先ほど御指摘の刑訴法の条文があることはもちろん承知しておるわけでございますが、やはり犯罪の容疑があると申しますか、その程度に達しなければあの規定の適用はないというふうに考えておるわけでございますし、いろいろとお話を伺っておりましても、まだ検査院におかれましても結論に達するという状態にないように承知しておる次第でございます。
  310. 秦豊

    ○秦豊君 じゃあ、こうされますか、知野さんと局長ね、これならばどうですか。検察と警察当局、つまりあなた方が捜査に踏み切る一つ段階というのは——言葉を変えましょうね、会計検査院が、知野さんのところが、ある時期にいわゆる使途不明金の金額、範囲、これを決算検査報告書として確定をした時点、それを事実上の告発と検査院はみなすであろうし、みずから解釈をするであろうし、それを受けた法務当局、検察側は、それならばと言って動き得る根拠を得たと、こういうふうに解釈してよろしいですかな。
  311. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) ただいまお話しのように、検査院がこの問題について一日も早く検査を終了しまして、検査会議の決定を経て、不当事項なら不当事項という決定をいたします。その段階で私どもは、先ほども申しましたように国会にも御報告をしたい、公表することになるわけでございます。その段階では検察庁もその事実がおわかりになるだろうと。いまそういう意味であろうと思いますんで……。
  312. 秦豊

    ○秦豊君 事実上の告発でしょう。
  313. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) それを告発と申しますかどうか……。
  314. 秦豊

    ○秦豊君 遠慮しないで言えばそうでしょう。
  315. 知野虎雄

    会計検査院長知野虎雄君) 私ども会計検査院というのが告発をするのかどうか、これは刑事訴訟法の規定によりますと、個々の官吏というふうになっておるようでございまして、その点は私も専門家でございませんので、法務当局の御見解をお聞き願いたいと申し上げたわけでございます。
  316. 前田宏

    説明員(前田宏君) 事実上の告発という言葉もどのように理解したらいいかちょっと問題でございますが、午前中の質疑でも大臣がたしか申したと思いますけれども、だんだん事態がはっきりいたしまして、検査院の方で結果を国会にも御報告になると、それが明らかになるということになりました場合に、検察当局といたしまして、これは犯罪として、刑事事件として取り上げるべきものだという判断ができるかどうかというその時点が問題であろうかと思いますが、いずれにいたしましても、いつからどういう犯罪で捜査を始めるということ自体は、先ほどもちょっと触れましたけれども、本来秘密でなければまずいわけでございますので、その事態の推移に応じまして適切な措置がとられるものと、かように考えております。
  317. 秦豊

    ○秦豊君 手のうちをあらかじめさらせとは言っていない。局長、いいですか。時間がないから非常にあれなんだけれども、あなたの答弁、私の申し上げたような前提であれば、それをあえて言葉を整理すれば事実上の告発とも受け取れるし、刑事局長の方としては動きやすくなる。解釈を聞いているんですよ、違いますか、一言だけ。
  318. 前田宏

    説明員(前田宏君) ただいま御指摘のように、事実上の告発とでもいうような端緒が得られますならば、それは確かにそれが捜査の手がかりになるということは事実だと思います。
  319. 秦豊

    ○秦豊君 じゃあ私はそういうふうに理解しますよ。  最後に会計検査院鉄建公団に伺いますが、いいですか。新潟新幹線建設局は、退職をした、死亡した、転勤をした、そういう現在いない職員の書類を偽造するために、出入りの印章店、新潟市古町五丁目の栗田印房で印章、印鑑二十一個を偽造させた疑いがある、私ども調査である。先ほど電話でもその点は私確認をした。御主人の名前は栗田弘さんである。こういうことは大項目、大上段ではなくて非常にわかりやすいですよね。新潟新幹線建設局の伊藤総務課長のオーダーによって印章二十一個をつくった、新潟の建設局が開局されて以来先月まで仕事をもらっていたという証言なんだが、こういうことは慎重な会計検査院はすでに把握していらっしゃるんですか。
  320. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 把握してございます。しかし、それは測量及び調査試験費の中にございます旅費について別枠にしてつくり直したということでございます。ただ、これはその前に新聞に報道されまして、結局私ども検査に入りました時点では私どもの方には提示がなかったというのが事実でございます。
  321. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいま会計検査院の方からお話がございましたとおりでございまして、測量及び調査試験費の中の旅費を分離するために書類を整理したわけでございます。それに用いるために供用したという事実でございます。
  322. 秦豊

    ○秦豊君 先ほど沓脱委員から兵頭寛氏の参考人ないし証人要求があって、私ども社民連としても実はお願いをしようと思ってリストアップをいたしておりました。できますならば、各委員皆さんの御理解がありますならば、まず資料として、昭和三十九年以来、鉄建創建以来の鉄建公団予算書と決算書、これが一つ。それから、毎月の職員数、これは正規と臨時の別を含めトータルも明示していただきたい。それから、現在の川島さんに至るまでの総裁、理事の給与退職金及びその算定基準、これもぜひ明示をしていただきたい。  それから、あわせて参考人ないし証人、ランクは委員長のお計らい、各理事のお計らいにゆだねたいと思いますけれども、栗田印房の店主栗田弘さん、改ざんの証人として。それから、新潟新幹線建設局長本間寛氏、これはカラ出張その他文書改ざん等の当該最高責任者、そして公団本社経理部長、それから兵頭寛経理部次長、さらに総務部長櫻井敏寛氏、元経理担当理事の根本守氏、現在三井銀行から室町殖産関係に移っておられるかもしれませんが。それから最後に元総裁の篠原武司氏。  以上の皆さんと以上の資料を当委員会にぜひとも提出ないし御出頭を願いたいので、後ほどお計らいを願いたいとお願いを申し上げて質問を終わりますが、鉄建側は資料提出の用意、確約だけを得たいと思いますが、委員長いかがでしょう。
  323. 志苫裕

    委員長志苫裕君) ただいまのまず資料の提出について、川島総裁御発言ありますか。
  324. 川島廣守

    参考人川島廣守君) できるだけ御希望に沿うように努力いたしたいと存じます。
  325. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 証人の取り扱いにつきましては、後刻理事会で協議をいたします。
  326. 秦豊

    ○秦豊君 終わります。
  327. 三治重信

    ○三治重信君 今度の鉄建公団事件について、結局やみ給与と言われている根源は、私は鉄建公団の労使の労働協約によるそれを履行するためで、それがだんだん重なって予算執行上安易な形でこういう結果になってきたと思っているんです。で、今度はこういうふうにして世間の集中非難を浴びて、川島総裁は断固直すと、こうおっしゃるけれども、一人当たり三十万円からの臨時給与を現実に出しているやつを、給与の支払いが違法または不当の経理予算執行上もうできないと、だからこういうことは五十五年度ですか、来年以降はできないと、こう言ってぶっきらぼうにやれば、これは鉄建公団の中の職員管理者は大変な問題が起きると思うんですが、こういう問題を具体的な問題としてどう処理しようか、できるか、この問題をまずお伺いします。
  328. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) やはり、私も今度の問題の基本はお説のようなところにあるのではないかと思っております。   〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕 たとえば、現在一般の職員ボーナス公務員が約五カ月ちょっとに対しまして、公団職員は六・五カ月、一カ月以上多いですね。そして、そのやりくりの中身を見ますと、たとえば超勤問題で五十時間分の超勤を出しておる。これは〇・二五に当たっておるわけであります。それで、この五十時間の超勤手当が二億三千万程度になっておりまして、たまたま今回のカラ出張による個人支給の分と金額が合っておるわけでございますね。したがって、超勤見合いというふうに公団側が言われたような面、それは正確な表現かどうかは別にいたしまして、やはりこの辺のところに根本的な無理がある。カラ出張の問題というのは、これは私は、いわゆるやみ給与のやみボーナス、いわゆるですよ、これはいわゆるやみボーナスに根本的な問題がある。その辺に思いを至さずして、非常に末梢的な——末梢的と言うと大変怒られるわけですが、ささやかなる御議論が行われておりますことにつきましては、やっぱりシカを追う猟師山を見ずというような感じさえ受けるのであります。やはり、問題の根源はその辺にあるのではないかというふうに率直に思わざるを得ません。  それで、これは一般公務員が期末・勤勉手当合わせて五・三カ月ぐらい、それに対して公団の通常の職員が六・五カ月という、この無理というものをやはり正していく必要があるだろうというふうに思うわけであります。その正すにつきましては、一方において労働三法の適用がある。片っ方において法律、予算の制約がある。その両者をいかにして調和していくかということであります。民間の場合でございますれば、労使双方の間でやりとりをしていきましても、これは経済法則の歯どめがありますから、むちゃくちゃな要求をのめばその会社は左前になるということであり、したがって、組合の方もやっていけない。ところが、公団、公庫、事業団は一種の親方日の丸でございまして、ほっておけば際限がない。たとえば、公務員に準ずるというボーナス、準じているはずなんですね、恐らく経過は。実際は知りませんけれども公務員より少しずつ少しずつ多くなってきて、現在のような野方図な状態に至った。民間会社だったら私とうていやっていけないと思いますね。したがって、私は、今朝来管理者の姿勢が重要であるということを一つ申し上げたのでありますが、同時に、やはりこの労働側と申しますかの姿勢というものも必要なんじゃないか。親方日の丸意識を払拭すべきは、いわゆる使用者の立場に立つ理事者管理者はもとより、一般職員の立場を代表する組合側も考え方を切りかえていかなきゃならない時期に、今度のような問題があれば、これはそこまで行かざるを得ない。ただ管理者については、大体一般職員が上がれば、それほどの割合ではないが、それにつれてある程度上がっておりますね。だから言う資格がないんだ、実際のところ。   〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕 だから、私は公務員に比べてみて、そしてまず理事者局長さんと同じ。たとえば鉄建公団で申しますと、鉄建公団の理事は六十九万円月給をもらっておりますね、平理事が。それに対して、先ほど来答弁している鉄道監督局長は六十万五千円でございますから、大体金額も多いわけでございます。そこへもってきて、理事者で申しますと、公務員の場合は五・〇五カ月に対して五・八三一カ月という非常な割合をもらってます。だから、理事や管理者が言う資格ありませんよ、こんなことやっていたら。昔役人をやっていたころよりもはるかに基本給料がよくなって、割合もよくなっている。せめてその辺のところで、割合だけでも同じにするかというと割合も上げている。その辺でやはり頭を切りかえてもらわなきゃならぬ。だから、私は先ほど来厳しく管理者側について言っておりますのはその点でございます。  そうしてそれは、ただ管理者だけではない。やはり労働三法の適用があって、普通民間だったら経済法則の歯どめによって、度を過ぎるということは差し控えられるべき環境にあるが、こういう公団、公庫、事業団のようないわゆる親方日の丸ではそれができない。だから、それを一体、裁くものは何か。やはり国民の意識、それからタックスペイヤー、納税者の立場を考えた、何といいますか、そういうものに対する厳粛な姿勢というもの、それは労使双方に私は望まれる。それが基本であって、そういうことが起きたから、一方において、今回の不正経理のうちの個人支給の分およそ三分の二ですから、残りの二分の一がいわゆる雑費としてやられているんでありますね。もし、雑費としてやられる問題につきましては、これは必要があれば、基本的に予算の流用とか、あるいはその他の手は幾らでもある、必要があればですね。たとえば鉄建公団総裁が、青函トンネルに、まさに世紀の事業でありますから、たくさんの方々が見えられる。そういう方々に対して、これを迎えるような予算上の措置は私は十分とれると思っております。それがこそくなカラ出張というような形でやられているというところに私は問題があると思っておるわけであります。  ただ、いわゆる励ます会等につきましては、節度、限度というものがあることは私は否定しません。しかし、それを頭から全部悪いと、こういうふうな言い方は、そうなってまいりますと、もうほんのごく一部の問題でございますから、ですから、問題の根本は何かと、シカを追う猟師はやっぱり山を見なきゃいかぬと、私はそういうふうに考えますから、ただいまの御質疑はまさにわが意を得た御質疑で、感謝をいたします。
  329. 三治重信

    ○三治重信君 余り感謝されても困りますが、この問題でわれわれも、いわゆる増税の前に行政改革をぜひ政府にと、こう言っている手前、ちょうどこういう問題が起きて、ことにこれが労働組合法を適用になっている政府関係の機関で、最も労使関係が自由な関係になっているところで、その労使関係は労働法で完全適用になっているけれども予算上の問題や経理上の問題で、違法、不当の経理をやらなければ済まぬということを放置しておくのは、これは政府としても、これを機会に、どう処理していくかということについて徹底的にひとつやってもらいたい。これは鉄建公団だけのやみ給与カラ出張の問題ではないと思うんです。大同小異、各百十の公団みんな、労働協約なり上積みのやつは行われているわけです。協約でもって、みんな政府が出させれば、これはどのくらいになっているか、その裏はどう経理しているかということはおおよそのことが大体、具体的な細かいことは今度の鉄建公団でわかったけれども、百十幾つあったと、これと大同小異だと思うんです。だから、労働協約をとって、どれだけ上積み支給されているかと、これを検討していただけば、これはもう超勤のべた払い、カラ出張、何らかの形でこれは裏経理が、どこかで経理関係が、不当または不法の経理がやられていると思うんです。これをどうして直すかという問題が、やはり私は行政改革の第一歩であろうかと思います。  また、これと同様に非現業の場合、これは労働三法でなくて、もっとも職員組合は当局との交渉と、こういうふうに法律上なっておりますが、この中でも私は、盆暮れのやつや、それから末端に行くと経費が少ないということで、超勤も一部しかもらえぬとか旅費も足らぬとかいうことで、やはり実態的に、悪平等的にみんなこう一律的に年間経理が行われている出先機関が、非現業の出先機関でも私は非常に多いんじゃないかと思うわけなんです。そうすると、結局出先機関で現実に仕事をする者は、超勤ももらえなければ正規の出張もできないと、こういう事態が私は相当起きていると思うんです。これは実際だんだんこういうふうな、結局労使関係に何とかおさめようという安易なことからこういう経理が、非常に悪平等的な、仕事に差し支えるまでに第一線には至っているような気がするわけなのですが、こういう問題をこの機会に非現業の各省や出先機関についても再検討というのですか、自己是正をやる手段を政府としてぜひやってほしいと思うのですが、そういう問題について御意見を伺いたいと思います。
  330. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 非現業の問題につきまして、労使の問題、こういう段階の問題は私はないと思っております。しかし、そういうような立場で見られるような問題があるといたしますればこれは考えていかなければなりません。十分その点は私どもも注意してまいりたいと思っております。
  331. 三治重信

    ○三治重信君 それで、何と申しますか、決して私は悪意ということでなくして、むしろ法律上組合なり何なりが当局とやったこととの実行の保証を、これはつぶせということでなくて、実行の保証について政府検討して、その予算経理上そういうことが労使なり職員組合と当局が話し合いで決めたことを実行できるような予算上の措置、あるいは予算上の措置ができないような、あるいは経理上の措置ができないような約束は当局はしないように。結局管理者教育をしっかりやらなければいけない。そういう当局の姿勢によって相手の職員組合あるいは労働組合の姿勢が変わる。まあ元来普通の民間の組合でもやはり労使が悪いところは——いわゆる経営者の姿勢や態度、経理が乱脈だから労働組合も労使関係も悪くなる。経営者が非常にしっかりしているところは労働組合もいいんだと、これは一般の民間で言われるところなんですね。だから、いわゆる当局並びに公団理事者側の姿勢をやはり民間並みにといいますか、民間以上にまず当局からなり理事者側の方から労使関係を直していく姿勢というものもやはりしっかり再検討していただかなければ、不当経理は技術的な問題なんで、決めたことをどう実行するかということだけの問題、それがこういうふうな大問題になっていることを肝に銘じて、やはり当局、政府のこういう問題の処理を基本的に検討していただきたいと思うわけですが、具体的に内閣改造前なんだから何とも言わぬですが、これは自民党全体としてもまた政府当局としても、こういう問題についてやはり継続性を持った態度で処理していただく、この機会にやっていただきたいと思うんですが、その点をひとつ特に運輸大臣にお願いしたいのです。
  332. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 組合員の姿勢を見ておりますと、これは管理者の鏡みたいなものですから、管理者に問題があれば組合にもいろいろ問題があるということである。またその反対の現象もあるだろうと思います。その意味で、管理者が節度を持って事に当たるべしと。たとえば当該鉄建問題で申しますと、「国家公務員に準じ別に定める割合」と、こうある。準ずるということは確かでございます。しかし、仮に公務員が五カ月分だといった際に、それに対する準ずるというのはどのぐらいかということは、いま一つの常識論だと思うのです。何も公務員と同じにする必要はないと思う。しかし、現在のように六・五カ月もボーナスをもらっているというような状況は、これは準ずるという社会常識、社会通念には反すると思いますね。  ここまでいったことについて見てみますと、一つは、管理者の気構えというものが、何といいますか、大きな社会的使命感に欠けておると申しますか、こういう特に最近のような財政再建なんて言われているときにどこまで本気になるか。もう一つは、自分自身が、組合員が上がれば自分も上がるというようなことをやっておるという、その辺にも大きな問題がある。だから、やっぱりそういうことにメスを入れて、そこから解明していかなければならない。ですから、私は昨日来の論議におきましても、労働三法の適用は一般職員については余り言及しませんでした。まず管理者が姿勢を正すということである。それから今度の問題の全体の問題の起きている根本的な原因の一つ——すべてではないと思います、たとえば雑費等の形によって使用されているいろいろな問題がございますが、少なくも三分の二以上——金額的に見ましても——というものは、やはりそういうところに問題があったというところに深く思いをいたした対策を講ずべきであると、こういうふうに考えております。管理者管理者教育という言葉を使われましたが、まさにそのとおりと思っております。
  333. 三治重信

    ○三治重信君 政府、内閣なり何なりがどういうふうに変わるかわかりませんけれども、この問題はひとつ本当に国民的な問題であり、どこで責任をどうするということじゃなくて、どう国民に対して政府関係機関が態度を改めるかと、こういうことを私たちの行政改革の重点にしてまいりますので、ひとつ十分、労使関係をかえって対立さすということでなくて、そういういわゆる良識ですね、民間の良識とあわせて並行的に進めていくにはどうするかということを、やはり政府管理者がいままでのような関係でなくして、姿勢をまず正して、そしてこういう問題に対処していくという姿勢をお聞きしました。ことに労使関係の問題で専門家の森山運輸大臣に、今後全般的な問題としてぜひ取り組んでいただきたいと思っております。  それから官房長官——総理にお願いしようと思ったのですが、総理はきょう出られないということで官房長官お尋ねして、伝えてほしいのですが、私はこういう問題をと思ったときに、やはり予算編成の問題から少しちょっと自民党も考え直したらどうかと、こう思うわけですが、だんだん予算の膨張とともに予算の陳情団から予算編成のお祭り騒ぎ、いわゆる新聞で言う予算の分捕り騒動、こういうものがあるから、予算というものは分捕ってよけいとればそれが政治家の功績でもあり、またそれがいろいろの各圧力団体の使命とされるようになっている。これがまたむだ遣いに非常に通ずると思うのです。零細な補助金で各都道府県から何十人、何百人と予算編成のときに来る。これだってみんな補助団体が出張旅費をもらって来る。自前で東京へ陳情に来るのはありゃせぬ。地方公共団体やしっかりした代表団体のでも、これはみんな東京に来るのは出張旅費をもらって来るわけなんです。補助団体が何百何千とそういうことにあるわけなんで、もちろんこの予算編成で民意を反映する、あるいは与党が責任を持って編成するということでいろいろ関与するということもいいわけですが、これは度を過ぎるといわゆる財政の再建に私は方向として非常に反すると思うのですが、予算編成についていわゆる政府がもう少し責任を持ってやるから、党も、それから補助団体や外郭団体ももっと自粛をするという、その基準なり、もっとこういうふうに自粛してもらいたいという予算編成について、あらかじめもう少し今度の新しい内閣になったら政府が姿勢を正す予算編成についての方向をぜひ出してもらいたいと思うのですが、そういうことについての御意見を伺いたい。
  334. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 三治委員のおっしゃること全くもっともなことでございまして、ただ私どもも現在の予算編成は一応予算全体に民意を反映しなければいけませんし、そういう意味ではいろんな各界の意見を聞くのは当然でございます。それから、そういうことを反映して政府の責任と権限において予算編成をしておりますし、その点も大きな狂いはいままでなかったと思いますが、ただ、おっしゃるように圧力団体あるいはむだな金で地方から上京いたしてきまして、補助金、助成金というようなこと、それがやはりことしの一般会計のうち十五兆という公債発行にもなっておるし、累積公債が四十九兆とも言われておりますが、そういうようなことにもつながっておるというような気持ちもいたします。したがって、いまの予算編成のやり方が間違っているとは思いませんが、やはり警戒すべき赤ランプがあちらこちらについておるというようなことは事実でございましょうし、その点十分配慮してやっていきたいと思います。
  335. 青島幸男

    青島幸男君 まず運輸大臣からお尋ねしたいと思いますけれども、ただいまの三治委員の御質問に対しまして、まさにわが意を得た質問だということで、もとはといえばカラ出張の問題は、何度もおっしゃられましたけれども、いわゆるやみ賞与に問題の起点を発する……
  336. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 大部分です。
  337. 青島幸男

    青島幸男君 大部分ですね。これで不足した分を補てんするためにカラ出張が行われた、だからこそ個人支給分二億三千万という金額と、その足らなかった分というものは暗合するではないか、こういう御所見のように承りました。間違いございませんね。
  338. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) そのとおりです。
  339. 青島幸男

    青島幸男君 そういたしますと、一方では労使間で決まりました金額が一律支給されるわけですね。もう一方では、公団側会計検査院も各個ばらばらで下部の部局が行ったんだ、こういうことを言っておりますけれども、みごとに二億三千万と暗合する数字になってくるじゃないかという運輸大臣のお説をそのまま敷衍いたしますと、全く公団側の意見と食い違いまして、ここでぴったり符合するということは、それ見ろ全体がきわめて計画的に行ったことではないかというふうに御発言になっていること、暗にというか、むしろ明確にそのようにおっしゃっているように私ども受け取ったんですけれども、この辺いかがなものでございましょうね。
  340. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 先ほど申し上げましたように、ボーナスの協約によりますと一般公務員が五・二九、約五・三でございますね。それに対して公団の一般職の方が六・五〇という数字が出ております。その中に〇・二五というのは五十時間分の超過勤務手当でございます。したがって、そういうものが超過勤務として残っておりますれば、いわゆるそういう超過勤務見合いと申しますか、山分けと申しますか、そういうことをしなくても済んだんじゃありませんかと、こういうふうに申し上げているわけでございます。その分が一応ボーナスに入っちゃっていますから足りなくなっちゃうわけですね、超勤が。したがって、その超勤の分をどこかから持ってこなきゃならぬ、それをたとえば旅費から持ってきた、カラ出張をやらしたという形できているわけでございますね。そこにはやはり私は問題があるのではないかというふうに申し上げるわけでございます。おわかりになりましたか。
  341. 青島幸男

    青島幸男君 ですから、トータルでぴしっと見合うというのは決して偶然ではないように思う。そうなると、それこそ組織の下部が個々に行ったんではなくて、こんなにぴったりと暗合するということは、組織ぐるみで行ったんではないかということを暗にほのめかされたという認識を持たざるを得ませんが、いかがなものでございましょうと申し上げているわけです。
  342. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) それが具体的にどういうプロセスで行われたかは私は定かでありません。  それからまた、その数字がたまたまある程度同じような額になっておりますが、それが直ちにそうだというふうに言い切っているわけではありません。しかし、そういう傾向があるということだけはこの中から受け取れる、こういうふうに私は感じておる。しかし、それを組織的にやったか断片的にやったかということまでについては、私は事情を定かにいたしておりません。ただ、公団側は超勤見合いというような言葉を使われ、先ほどの秦委員はそれは山分けではないかという言葉を使われました。概括的に見まして、やはりそういう点に問題がないですかということを私は申し上げたわけであります。
  343. 青島幸男

    青島幸男君 暗にそういう傾向がある、そういう可能性を生むんではなかろうかということまで御発言いただいておるように私受け取りましたので、この問題、これで了承したことにいたします。  それから、先ほど運輸大臣は、政治家のパーティー券の問題などは瑣末な問題である、もうちょっと大きく見なきゃいかぬというような御発言になったように私伺いましたけれども、決して私はそうは考えませんで、二万円三万円という券を十枚、二十枚とまとめて各部局に、一人じゃなくて何人も何人も押しかけてくるというようなことは、現場にとっては大変迷惑な話だと私思うんですよ。ですから、このパーティー券を消化するためにカラ出張を始めたんじゃないかというようなことさえ国民は思うかもしれませんしね。もしそんなようなことがさかのぼってあれば、それはだれが火をつけたんだということになるわけですね。ですから、そんなことの疑いをまで持たれるようなことをやっていいものかどうかということも気になりますしね。もっとも、その関係公団あるいは公社にそういうものを持ち込まなきゃならないようなパーティーをみずから主催して、言葉は悪いかもしれませんが、半ば恫喝的に寄付を強要するようなかっこうで押しかけるというのも非常識きわまりない話ですけれども、しかし、これが来たから世間一般の常識あるいは社会通念に従って買っても当然じゃないかという見方をするのも私はきわめて危険だと思いますね。そういう考え方が、つまり綱紀粛正だの何だの何回言われましても、向こうもやっているんでこっちも困っているんだ、仕方がないからこういうことを始めたんだよということを言われても仕方がないわけですよ。ですから、官房長官どうでしょうね、政治家の方もこれをやめるのは当然だと思いますけれども国家公務員法百二条の問題もありますね、公社、公団というのはそれに準ずるものですわね。ですから、関係の公社、公団へそういうものを押しかけて持っていくというのもこれは認識不足ですけれども、各省庁を通じて、そういうものを持ってこられても受ける必要がない、あるいは受けるなというような申し合わせもしくは通達ですね、そういうことぐらいはなさっても、これだけ国民の目がこちらに向けられている折から、きわめて消極的、適当な処置だと思いますけれども、いかがなものでしょうね、御見解を承りたい。
  344. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 私は、三億九千五百万円のカラ出張の対象、そのうち二億五千九百万というのが個人支給雑費が一億三千六百万円、そういう点から見まして、問題の大きな部分が、ただいま申しましたような法律、予算の制約が一方においてはありながら労働三法の適用があるという、そして民間だったら経済法則がおのずから歯どめをするものがないというところに、そこに大きな問題があるんですと。最もその大きな問題点に対する論議というのが今朝来非常に少ない。そして一億三千六百万、その中の問題として、たとえば励ます会の問題等があります。私は昨日来、これについては節度ある取り扱いをしなきゃならぬということ、好ましいか好ましくないかと言えば好ましくないという面を私は申し上げました。それが問題点の一つであるということは私は否定しません。それにつきましての考え方官房長官からも後ほどおありになると私は思います。  しかし、一体何が根本的な問題でこういう問題が起きてきたんだという全体の問題をつかまずして、ある末端に出た問題だけで問題を考えていくのはどんなものでしょうということを私は申し上げておるわけです。私は、まあお隣に会計検査院長もおるんでございますが、出張旅費というのは、一々カラ出張などやらなくても、たとえばそれを正規に使うなら会議費等に振りかえることだって可能なんじゃないですか、運輸大臣の許可が一体要るんでしょうかと、私はこの鉄道建設公団予算総則を見ながら思っているんでございます。それから、それをたとえば超過勤務にやるとなれば運輸大臣の許可が要るわけでございます。それから、同じ人件費の中で現在ある超過勤務手当ボーナスに流用するというときには、みだりに流用しちゃいかぬと書いてございますから、みだりにというのはいかに考えるかと、「国家公務員に準じ」とありますから。だから、それは手続上の問題でございますから、中身の問題としましては大きなところはその辺に問題があるんじゃないか。で、いま申しました何と言いますか、社会部的には非常におもしろい議論でありますこの励ます会等の問題は問題点の一つであるということは私は認めますよ。しかし、それが今回の問題の基本的な根本にどこまであるかということについては、やっぱり全体の中における位置づけは国会の御論議の中ではっきり御指摘を願った上で、いまのような問題をお取り上げ願ったらいかがかと、こういうことを申し上げているんで、御理解願えましたでしょうか。
  345. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 政治家個人の励ます会、非常にたくさんございまして、私どもも実は励まされたいと思ったぐらいたくさんあったわけですが、やはりこれはそういう意味からすれば非常に迷惑を皆さんにかけておると思います。したがって、政治家そのものが自粛すべきだと思いますし、また公務員の方々がこの会合に出ること自体は果たして違反かどうか、百二条の問題がございますけれども、厳密に言えば果たして違反かどうかは別でございますけれども、やはり多くの人に迷惑をかけておることでございますし、自粛すべき案件じゃないかと思っております。
  346. 青島幸男

    青島幸男君 ですから、お断り申し上げろという通達ぐらいお出しになった方がいいんじゃないかと思いますね。というのは、そのことで困っているのは何も公団、公社ばかりじゃございませんで、その下に関連する企業へ当然押しつけられてくるということを再々いままでも伺いましたけれども、結果は政治家と企業を暗に結びつけるための取り持ち役をあえて公社、公団の方々に押しつけるというようなことにさえなるわけですね。一般の寄付行為なんかから申しましても、奉加帳の一番上になる人というのは非常に重大なんですよね。奉加帳の一番最初に鉄建公団がきて、後、関連業者のところへ回れば、うちも行かないというわけにいかないんですよね。そういうことがただ儀礼上——運輸大臣運輸大臣もちょっとここのところを伺っておいていただきたいんですけれども、ただ通常、社交儀礼的な問題で、一万円ぐらいの会費だったら出ても普通じゃないかとお考えになるかもしれませんが、通常、奉加帳を回して寄付を仰ぐような場合に、奉加帳の筆頭者、一番最初に出てくる人に義理があって、後ずっと右にならえしなきゃならない場合もありますね。現に鉄建公団で言えば、鉄建公団が幾らということになるとそうなるわけですよ、関係業者が。それと同じように、たかだか一万円の会費でやるパーティーだから通常のつき合いでいいじゃないかというお話があるかもしれませんが、これが結果はその業界と政治家を暗に結びつける取り持ち役を公団に押しつけるというような結果になりはしませんかというようなことも含めて申し上げているんで、その辺もお聞きいただきたいというんで、お話し中済みませんでしたけれども、その辺もお含み置きいただきまして、官房長官、再度この問題は検討していただきまして、丁重にお断りしておけと言わなくてもいいですけれども、命令できなければ、丁重にお断りして構わないというぐらいのことですね、それから政治家の皆さんには自粛をしろというぐらいの申し合わせなりなんなりをやってくださるようにぜひお願い申し上げますけれども、その点いかがでございますか、確認をいただきたいと思います。
  347. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 政治家が自粛すべき点は自粛すべきだと思いますし、私どもも陰に陽にそういうふうに進めていきたいと思います。したがって、業界と申しますか、企業の方もこういうものにこだわらずに、自主的な態度をとっていくようにしてもらいたいと思います。
  348. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 昨日来お答えしましたこと、ちょっと繰り返しておきます、これは非常に重要な問題ですから。  交際費は、公団がその業務を円滑に推進するため、儀礼的、社交的な目的で部外者に対し支出する経費であり、具体的な使途については総裁の判断に任せておる。励ます会への支出も、励ます会という儀礼的な場への参加が公団として必要であると判断したことによるものと理解をしている。しかし、公団の公共的性格並びにその予算の一部が国民の税金によって賄われていることを考え、そのような支出をできるだけ抑制すべきものであると考えるというのが昨日来の私の考え方でございます。  しかし、これで予算をひねり出すために、お金をひねり出すためにいわゆるカラ出張等が行われたとは私は考えておりませんということを申し上げるわけであります。
  349. 青島幸男

    青島幸男君 延々と御高説を承りまして、私の時間がもう切れるんでございますよ。ですから、残余の質問もまだたくさんあったんでございますけど、このことに取りかかっておりましたので全然質問に入れませんでしたけれども、たった一つ最後にそれでは御質問申し上げますけれども、一万円以上の会費のパーティーをここ一、二年の間、大臣御在任の間に催したことが森山運輸大臣はございますでしょうか、その点お伺いします。
  350. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) ございません。
  351. 円山雅也

    ○円山雅也君 関係の各庁への質問の前に、まず刑事局長に一、二点確認をさせていただきます。これはもう刑事局長には幼稚な質問でございますけれども確認でございますから御勘弁を。  汚職、いわゆる贈収賄罪に関する昭和四年十二月四日の大審院判例、これによりますと、賄賂を贈る側、つまり贈賄側が公務員でも贈収賄罪は成立する。  それから、職務に関係がなければ社交上の慣習、儀礼と認められる程度の贈り物でも、職務に関して授受されると賄賂になる。  こういう二点をこの判例は宣明しておりますが、この裁判所の考え方はその後判例変更はございませんですな。
  352. 前田宏

    説明員(前田宏君) ただいま御指摘の判例でございますが、まず第一の金品を贈る側が公務員でも、という点のお尋ねでございますけれども、この判例の事案は、むしろ贈る方はいわゆる業者と申しますか、ということになっている事案でございますので、ちょっとその先生の御指摘がいかがかと思うわけでございます。  第二点の方は、この判例自体、表現的にわかりにくい表現を用いておりますわけでございます。先ほどおっしゃいましたようなことでございますけれども、その要点を申し上げますと、公務員の職務に関係なかりせば社交上の慣習、儀礼と認められるべき程度の贈り物といえども、いやしくも公務員の職務に関し授受せられる以上は云々と、こういう表現を用いているわけでございまして、その実質がいわば形の上では社交上の儀礼のように見えても、実態が職務に関する授受であれば賄賂になると、こういうふうに読みますとこれは当然のことでございまして、また一面この判例から、いわゆる社交上の儀礼に本当にとどまるものであれば賄賂とはならないという別な形のような判例もあるわけでございますし、学説でもそういう点があるわけでございまして、そういう点をこの判例がストレートに否定しているというふうにも読めないように思っておるわけでございます。  なお、蛇足でございますが、改めて申すまでもないことでございますけれども、賄賂罪の成否というものは大変きわめて事実問題として微妙なものでございまして、法律的な面もございますけれども、多くはすぐれて事実認定の問題であるように思うわけでございます。要するに、賄賂罪の構成要件に当たるかどうかと、お尋ねに即して言えば、職務に関する金品の授受であるかどうかという認定にかかっておるわけであろうと、かように考えております。
  353. 円山雅也

    ○円山雅也君 その判例は、公私の資格を問うことなくという、贈る側に関して判断しているんです。明言しております。まあ、それは結構です。  そこで大蔵大臣にお尋ねをいたします。  鉄建公団大蔵省予算関係の役人さんを裏金で接待をしたということにつきまして、大蔵大臣は、社交的儀礼のものはあると、だけど社会通念を逸脱した過剰な接待はないというふうに答弁をされております、大体。しかし、そうすると、職務に関しても社交的儀礼程度のものであるならばもらって構わないということになりますかな、公団から。たとえば公団職員予算を多くとるために大蔵省予算関係の役人を接待をしたと、その接待は社交儀礼程度であったというならば、予算を多くとるためのそういう社交的儀礼程度の接待をしてもこれは構わぬという御見解でしょうかな。
  354. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) いまお話の予算を獲得するために特に接待するというような場合には、大体もう応じないたてまえになっております。先ほど私が申し上げましたのは、向こうの担当官がかわったから顔合わせにちょっと顔出してくれよというような場合、社交的なものにはこれは強いて断る必要もないことで、特別の席を設けて大げさな接待でない限りは行くのは普通だと思いますけれども、それ以上のことはやっぱり主計局のあの大きな予算を持っておる者の立場としては、やはりおのずから節度があってしかるべきだと思いますし、われわれでもその節度を守ってもらうようにやかましく言っております。いまのところはまだそういう大げさなのは出ておりませんけれども、それは会計検査院がいまお調べ中でございますので、私ども調査と並行して事実あったかどうか、これはあくまでも真相を究明をして国民の疑惑にこたえる義務があると私は考えてあります。
  355. 円山雅也

    ○円山雅也君 いま私が質問を申し上げた意味は、ちょっと誤解をされて受け取られての御答弁だと思うんです。つまり、私が言いたいのは、大蔵大臣の従来の御答弁だと、社交儀礼的な程度のものならばいいんじゃないか、だからその点は洗わなかったと、それ以外が問題なんだというような御回答になっているんです。私が言いたいのは、その金額の多い少ないじゃなくて、職務に関してならばたとえ社交的な儀礼的なものであっても汚職の問題が起こるんだと、しかも、頼めばもっと重い罪ですけれども、頼まなくたって職務に関して多少のものでももらえば——私どもは裁判官をやったときに、現場検証へ行くときにお茶までは飲んでいいけれども、菓子は絶対手をつけるなと言われたくらいです、汚職の事件で——そういう意味で、ですからぜひひとつこれから御調査をされるのに、いやこれは社交儀礼程度の少ないものだからこれはいいんじゃないかというお考えに立たないで、その接待の度合いが問題じゃなくて、職務に関してかどうかが問題であります。その点をひとつけじめをつけていただきたいと思って御質問したわけなんです。
  356. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) おっしゃることはよくわかるんです。たとえば税の調査に行きましても、お茶はちょうだいします、ほかのものは一切手をつけません。しかし、場合によるとお茶も要りませんなんというのも出てくるんですけれども、まあそこは常識的にやるのが普通だと思いますが、主計局の予算査定の場合にもそうあるべきだと私は考えております。
  357. 円山雅也

    ○円山雅也君 会計検査院かキャッチした——これは後でも会計検査院の方にお聞きしますが——領収書の一部からしますと、大体一人一回三万以上の高級クラブ、料亭の領収書ばかりなんですね。そうしますと、一人一回三万円以上の高級クラブというと、私も飲む方ですから、大体美人のホステスがかなりつきますわな。そういう美人のホステスがついて、一人三万円でどんちゃんやるのも過剰な接待とはお考えになりませんか。この程度ならいわゆる過剰でないとお考えですか、大蔵大臣は。
  358. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) それはもう当然慎まなきゃいかぬことだと思います。事実そういうことがあったかどうかについての報告は、官房長から聞いておりますところでは、そういったのはまだありませんということでございましたので先ほどお答えしたわけでありますが、なお今後も真相は究明いたします。
  359. 円山雅也

    ○円山雅也君 そうしますと、いままでの大蔵大臣のお答えの範囲では、そういうような高級クラブ、高級料亭のそういう接待はなかったと聞いておる、だからそういう過剰接待はないんだ、だからもしそういうのがあれば過剰接待になるんだというふうなお考えなんですね。わかりました。  次に、会計検査院お尋ねいたします。  きょうのある新聞によりますと、鉄建公団の去年のカラ出張による裏金支出の帳簿、領収書——飲食代もですな、領収書は本社課長の指示で裁断、つまり細かく切っちゃった上焼き捨てたと、もとの経理社員が会計検査院に対して告白をしたという記事が載っておりますが、これは事実でございますか。
  360. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 課長の指示で裁断したり棄却したということは存じ上げませんけれども、五十三年度分について、ないものがあるのは事実でございます。
  361. 円山雅也

    ○円山雅也君 その、ないものがあるのは事実だというのは、それは、指示がなかったかもしれない、あったかなかったかどうかは別だけれども、いずれにしても裁断したり焼き捨てたという意味でしょうか、それとももとからなかったという意味ですか。
  362. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 当然もとはあったと思います。
  363. 円山雅也

    ○円山雅也君 それから、残っていたことしの分の領収書は一人一回三万円以上の高級な飲食店のもので、クラブも入るんでしょう、十万円以下が圧倒的に多いから。これから推察すると大ぜいの接待じゃなくて、むしろ自分一人ですっちゃかすっちゃかやったんじゃないかと、だから業務上横領の疑いもあるのだというような記事になっておりますが、この点はどうでございますか。
  364. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) いま現在、私どもの方では、何とかその使途確認できないものを詰めているのをまず第一、先決の作業としておりまして、その次にだれがどう使ったかということについては、まだとてもそこまで手が回らない現状でございますので御了承いただきたいと思います。
  365. 円山雅也

    ○円山雅也君 そうすると、だれが使ったかどうかは別としまして、出てきた領収書というのは確かにそういうふうに一人一回三万円以上もするような高級料亭とか高級クラブの領収書だったですか。
  366. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 私、その細かい領収書を全部見ておりませんので内容はよく承知していないのでございますけれども、これから調査いたします。
  367. 円山雅也

    ○円山雅也君 いずれにしましても、よく見ると言うのですけれども、そういう公給領収証が、しかもクラブや料亭の領収書が出てきたということになりますと、仮にそれでもって接待したならばこれは汚職の疑い濃厚だし、接待なしで自分一人ですっちゃかやったんならば業務上の横領の疑い濃厚だし、どっちかにひっかかるような疑いがかなり濃厚ですね。その証拠を去年分については焼き捨てたまたは廃棄したとなれば、少なくとも証拠隠滅の疑いは十分じゃないのですか、その段階で。いかがでしょう。
  368. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 証拠隠滅のために廃棄したということは私ども断定できないのでございますけれども、説明によりますと、五十三年度についてはすでに年度を経過したのでもう——これは表の帳簿ですと保存期間がございますが、どうせ検査院にわからないだろうということで裏で経理した書類でございますので、もう必要がないということで廃棄したというふうに聞いているのでございます。
  369. 円山雅也

    ○円山雅也君 確かに、その辺の犯意の立証までなると大変だと思います。これは確かに大変だと思います。  そこで申し上げたいのですが、昔からもちはもち屋という言葉があるくらいで、強制捜査権も持たず人手も大変不足、十分な活動資金もないという段階で結局最後詰めていったって、沓脱委員やほかの委員の皆さんが御質問になったように、最後は、わからないから結局は使途不明でもって決算上上げてしまう、それで終わりになる可能性があるわけですよね。だけれども、少なくともあなたのお隣に座っている法務大臣及び刑事局長、日本の司法の捜査はこれは大変なすぐれた世界に冠たる能力を持っております。ダグラス・グラマンではちょっと失点をいたしましたけれども、あれは最後の理由なんというのは私は信じていないので、何か別な力が働いたと思って、もっと特捜部の能力は買っていますけれども、そういう十分な専門の能力を持ち活動能力を持ち捜査権限も持っているその方に告発でお任せした方がいいのじゃないでしょうかな。でないと、その間に証拠隠滅はどんどん進むわ、被疑者は逃亡しちゃうわじゃ、後になって、すっかりやって、はい不発でもって、もう送るときはただ単に、経理処理上使途不明金じゃ、これはとてもじゃないけれども、沓脱委員も言ったように、国民は、何だ、なれ合いじゃないかという結果になるんじゃないかと思うんです。つまり、タイミングがあると思うんです、送るにしても。その辺はどうでございますか。
  370. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) いま現在、私ども毎晩深更まで、それから休日、祭日も全部返上いたしまして、何とか私どもの方で詰められるだけは詰めておる最中でございます。だから、調査官がどこまで詰められるか、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
  371. 円山雅也

    ○円山雅也君 わかりました。  では、法務省にお尋ねします。刑事局長で結構でございます。ちょっと仮定論でぱっぱと進めてまいりますから、イエス、ノーでやってください。  鉄建公団職員予算を多くしてもらうために、大蔵省の担当役人を高級クラブなどで接待したら、これは完全に贈収賄罪になりますね。
  372. 前田宏

    説明員(前田宏君) 簡潔にお答えせよという御指示でございますけれども、やはり刑事事件で、犯罪になるかならないかということは、具体的な事案につきましてあらゆる事情を総合的に判断いたしませんと、確定的なことが申し上げられないわけでございますので、いまの程度お尋ねで、すぐになるとかならないとかということは申し上げかねるわけでございます。
  373. 円山雅也

    ○円山雅也君 じゃ、少なくとも犯罪の確証はないかもしれませんけれども、嫌疑は十分ですな、これだけの事実があれば。捜査に踏み切るための嫌疑は十分だと……。
  374. 前田宏

    説明員(前田宏君) まあその点もお言葉に反するようでございますけれども、ただいまおっしゃった程度で直ちに正式な捜査を開始するかどうかということになりますと、はっきりは申し上げかねるわけでございます。
  375. 円山雅也

    ○円山雅也君 刑事局長が用心深いのは結構ですが、そこで、だからこそ、民間の汚職の事件でこれだけの事実が出たら直ちに捜査は始まりますよ。ぼくは十五年前に公社の汚職の刑事弁護をした。そのときの捜査の端緒は何だかといいますと、業者が一杯飲み屋でもって隣りに、あの公社のあれに盆暮れのつけ届けをしたんだと、ギフトチェックを渡したんだというのを刑事が横で耳にはさんで、それが捜査の開始でもって大きな十五年前のある公社の汚職事件に発展した。そのくらいの捜査でも民間だったら直ちに発動するのに、いま刑事局長公団職員予算を多くしてもらうために大蔵省の担当役人を高級クラブで接待した、これでも嫌疑も犯罪もまだわからぬと言うんですか、そんならいつ捜査というのは始まるんですか、これだけはっきりしていて。民間の場合はその程度で現実にやっているんです、ぼくは。
  376. 前田宏

    説明員(前田宏君) 同じことを繰り返すようで恐縮でございますが、いま御引用になりました民間のケース、どういうことでなったかよくわかりませんけれども、それは一つの捜査の手がかりと申しますか、端緒にはあるいはなったかもしれませんけれども、その時点で直ちに正式に捜査をするということではなくて、その他いろいろと周囲の状況等をあわせ考えて着手したものではないかというふうに思うわけでございます。
  377. 円山雅也

    ○円山雅也君 それならば刑事訴訟法百八十九条二項の「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。」という規定、この規定は捜査しようがしまいが自由だという解釈じゃないですな、これは一致して。少なくとも特別な事情でもない限りは捜査しなきゃいけない、客観的な証拠が出てくれば。それならばこれに違反じゃないですか、いまの見解は。
  378. 前田宏

    説明員(前田宏君) 同じようなことでございますが、いまのお答えは、その刑訴法の規定に反しているとは考えていないわけでございます。当然犯罪の疑いがあって捜査すべきものは捜査すべきでございますが、一面やはり人権の問題等もあるわけでございますので、やはり捜査というものはあらゆる面から慎重にまた考えなければならないもの、かように考えております。
  379. 円山雅也

    ○円山雅也君 時間がないので法務大臣にお尋ねします。  今度の件は不正なお金の返還とか、それから課税をするとか、担当者の行政処分で済む問題じゃないと思うんです、大臣。役人として一番厳重にその責任が問われなければならないところの汚職とか公金横領に関係をしているその疑いのある重大犯罪の成立が問われている問題なんですね、この解明国民が欲しているところだと思うんです。そのためには自分のところの自主調査とか、それから捜査権を持たない会計検査院だけに任して、告発があるまでじっくりおれたちは構えようよと。先ほど大臣が、告発があったならば、またはその後の状況と言いますけれども、しかしこの事件はそういうものじゃないだろうと思うんでございますけれども、法務大臣はこの点についていかがお考えでございますか。
  380. 古井喜實

    国務大臣(古井喜實君) 全部ほったらかしにしてながめておるというそういう意味ではないんですけれども、先ほども申し上げたように、会計検査院の方でせっかく調査を進めておられる途中であるわけでありますし、それからまたその調査の終結というか、進んだ段階において犯罪があるとお考えになれば通告されることになっておるわけですから、そういうふうなことになっておりますので、いますぐさまこっちの方が飛び込んでいって手を出すというのはまだどんなものかと。よく事情を見て——できないという意味じゃありませんけど、いまの段階ではやっぱり会計検査院の方の御調査を待つというのが穏当だと、私はそう思っております。
  381. 円山雅也

    ○円山雅也君 委員長、一点だけ。  官房長官に最後に一点だけお尋ねします。  責任追究はこれから司法もやるかもしれません、状況に応じて。そこで問題は、将来の根絶です、こういうことの。その根絶につきまして、こういうことが起こらないための再発防止につきまして、かねて私ども新自由クラブが御提言をしているところのいわゆる情報公開法、あれしかないんじゃないかと思うんです、将来防ぐには。また一番手っ取り早いと思うし、各国も取り上げている、制度化している、法制化している問題なんですが、この情報公開法について政府としては、いやそんなものは全然要らぬというのか、それとも、いや検討しようじゃないかというお気持ちなのか、政府の御見解をお聞きして、終わらせていただきます。
  382. 田中六助

    国務大臣田中六助君) 情報公開につきましては、私ども航空機疑惑問題協議会、四人の民間の学識経験者を含めました協議会でも検討されまして、ペンディングになっております。私どもはこれを捨てているわけじゃなく、十分検討に値する案件だというふうに思っております。
  383. 志苫裕

    委員長志苫裕君) この際、川島日本鉄道建設公団総裁から発言を求められておりますので、これを許します。
  384. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 先ほど丸谷先生から御要求がございました資料でございますが、御要求の内密は、昭和五十二年、同五十三年度の青函建設局におきます工事発注件数、同件名別の予定価格、同じく同上の落札価格についての資料を提出していただきたい、こういう御要望でございました。  私、すべてについて御提出を申し上げる約束を申し上げたのでございますが、件名別の予定価格というものは社会通念的に非公開が原則だということでございまして、従来も出しておらないということでございますので、これだけは御勘弁をお願い申し上げたいと思います。
  385. 志苫裕

    委員長志苫裕君) これは終わったものでもですね、皆さんの方で終わったものではあるが出せないという意味ですか。
  386. 川島廣守

    参考人川島廣守君) さようでございます。
  387. 志苫裕

    委員長志苫裕君) 先ほど提出しますということでありましたが、ただいまの発言もありますので、取り扱いは理事会で協議をいたします。  本件に対する本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時四十九分散会