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井上計君 いま初めてごらんになったわけでありますから、公取としてもこれについては明確なお答えはもちろんおできにならぬということは
承知をいたしております。ただ、先ほど申し上げた本郷についてはやや逆に
向こうの
説明が若干違っておるのではなかろうか。というのは、B3とB4が同じということはあり得ませんので、それらの点についてむしろこれは
向こうが間違いだと、すべて統一されていることは間違いなかろうかと、こう思います。ただ、どこで協定をしているのか、またそういう事実があるのかどうか、あるいはその協定によってこれらの料金が実際にこれ以外のものは受け付けていないということ等の事実はおわかりにならぬことでありますけれ
ども、ただ事実としてはこの料金を持っていかなければ新聞の販売店が印刷業者なり広告代理店業者なりが持ち込んだ新聞折り込みチラシを扱ってくれないということは事実でありますから、ぜひひとつ御調査をいただきまして、実はこれが非常に高いわけですね、この料金が。極端な例を申し上げますと、紙質等によりますし、また印刷の内容等によりますけれ
ども、折り込み料と紙まで含めたそっくり印刷したチラシ一枚の価格が同じだという事実もあるんですね。だから、小さな小売商店等につきましては、実は折り込み料が高いのでもっと売り上げをふやすために宣伝をしたいができないのだというふうなことも事実方々で聞いておりますので、ぜひこれについては御調査をいただきたい。これはひとつお願いをしておきます。
そこで次に、日刊新聞社というのは本来どのような業務を営むべきかということについてはいろいろと定義があるわけでありますが、特に一つは、地方税法の第七十二条の四第二項第一号の新聞業とはという中のこれを見てみますと、「時事の報道を目的とする新聞」とは、
一般人に対して政治、経済、文化、社会等に関する日々の事象を報道するということが一つ新聞の定義づけだということになっておりますがね。ところが、最近では日刊新聞社が民間の
一般印刷業と競合するような営業活動をずいぶん行っておるんですね。
そこで、新聞業というのは、先ほどの新聞定義からいきましていろいろな優遇措置が各面でなされております。私の調べたところによりますと、まず事業税は非課税である。それから固定資産税が設備の中で
一般の印刷業者等は法定耐用年数が大体十一年でありますが、新聞社の設備については全部ではありませんけれ
どもかなりのものが五年というふうなものがあると、こういう事実もあります。それから郵便法によりまして第三種郵便ということによって非常に低廉な郵便料金になっておる。あるいは鉄道輸送においても優遇措置がとられておる。そのほか、建築基準法あるいは首都圏整備法等につきましても新聞社は除外されておるという面もあるんですね。だから、
一般の印刷業ですと、仮に建築基準法からいきますと商業地域等におきましては百五十平米ということで制限がありますけれ
ども、新聞社については制限がないとか、そういうふうな優遇措置があるわけですから、したがって、新聞社と
一般の印刷業者というのはやっぱり対等の地位にはないということが言えると思うのですね。ところが、対等の地位にない、すなわち有利な状態にありながら、
一般の印刷業者と競合するような営業活動、果たしてこれが妥当であるかどうか、こういうことを私自身感じざるを得ないわけであります。
もう時間がありませんから引き続いて申し上げますが、いま申し上げたようなこと等から
考えて、これから申し上げることが直ちに独禁法あるいは
中小企業の分野法等に違反とは言えませんけれ
ども、やはり法の精神からいってもやや問題があるのではなかろうか、こういうことを感じております。
そこで、例を一つちょっと申し上げますと、最近ごらんになったことがあると思いますけれ
ども、新聞社が、本紙の一部であるというふうなことで、こういうふうな新聞の中にずいぶんチラシが出ておる。これは朝日新聞であります。こういうものがあるわけですね。これはもう全面チラシなんです、どう
考えましてもね。ところが、これがどう
考えても本紙とは言えないわけですよ。事実その証拠にはページ数が一ページ、二ページとこうなっておる。新聞の一ページは政治面であり、二ページは御
承知のようにやっぱり政治面ですが、これは一ページ、二ページということはあくまでチラシだということになる。ただ、上に、何年何月何日朝日新聞、それから地域広告版と、こう入っておりますが、これはだから本来もうチラシであると、こういうふうなことが言えるというふうに思います。この場合は大体本紙と似たような紙であるということが言えますけれ
ども、まあしかしこれはあくまでもチラシである。
それからさらにこれは最近の例でありますが、熊本日日新聞が出しておりますこういうふうなチラシがあります。これはもう紙も全然本紙とは全く違う紙。これらのものがただここに題字が入っておって熊本日日新聞何年何月何日地域広告版と入っておりますが、これは新聞と一緒に折りたたみをしないで別に新聞販売店に納めて、そして新聞販売店が折り込みをしておる。したがって、駅頭販売だとかなんかには一切これは入っていないわけですね。明らかにチラシであると、こういうことが事実出ておるわけでありますけれ
ども、これが先ほど申し上げたように、直ちに独禁法あるいは分野法等に抵触するということではありませんけれ
ども、やはり精神からいうとおかしいと、こういうふうに
考えておりますけれ
ども、これについてどうでしょう、公取としてはどういうふうな御感触をお持ちでありますか、お伺いをいたしたいと思います。