○
吉田忠三郎君
大臣ね、これは
大臣に申し上げることは釈迦に説法ですが、今年度
予算をずっと大ざっぱに洗ってみたんですね。そうすると、道路
関係に投資するのが五十四年度で二兆六千七百九十一億ですね。それに
港湾関係については凶兆四千億、航空機
関係は九百七十四億。国鉄はことし六千七百億ですか、こんな状態なんでありますね。ですから、一面、今度は国鉄は逆に公共負担で、これはどうなんでしょうかね、約七百億くらいいまだに公共負担が強いられているということですからね、これを相殺しますと、いかに
わが国鉄は、いろいろな角度からいま論議されておりまするけれども、投資額が少ない。こういうことは今年度
予算だけ洗ってみてもわかると思うんですね。ですから、前の運輸
大臣もその特別な財政確保のためのいろんな検討を加えて努力をするということなんですから、そういうことを
前提として
整備五線決めたわけですからね、ぜひひとつその点で御努力願いたいと、こう私は思うんです。
最後に、国鉄に聞きますが、総裁でもいいです。高橋さんでも結構ですがね。北海道における——ぼくは北海道ですから、国鉄の今後の問題点というのは、これはぼくなりにこう見ているんですがね。
一つはこの現在線でありますけれども、対本州輸送がいままで重点でありましたね。これは改めてやっぱり道内輸送
中心として、札幌を
中心とした都市間輸送と通勤輸送、これに重点を置く必要があるんじゃないかというのが問題点の
一つ。
それから
二つ目は、航空機との
関係ですな。これは連係プレーがうまくいってない。ぼくは無
意味な競争をしろということじゃないんですがね。ここに、——これは遠くて見えないと思いますがね、これ。航空機というのは大変なものなんですね、これはもう国鉄のダイヤ以上ですよ。ちょっとごらんになったらいいと思いますがね。ですから、これくらい、(資料を示す)こういう状態なんですから。これは札幌
中心から東京ですな。これは札幌
中心からそれぞれの道内にある十一の飛行場に飛んでいるんだ。これは大変な人数ですよ。ですから、総裁、これと連係プレーをしてやらないと私はいかないのではないかというのが問題点の第二ですよ。
それから第三番目は、貨物輸送も漸次ふえてまいりましたが、この貨物輸送をもう一回
見直して、やはり国鉄を
利用できやすいような対策をやっていく必要があると思うんです。これは皆さんの方で御
承知おきのとおり、貨物輸送というのは漸次上昇機運にありますな。北海道の貨物輸送が急減したというのは、これは石炭政策でこんなことになったわけでしょう。大半が石炭輸送だったわけですからね。百二十七あった石炭山がいま二十七よりないんですから、皆もう閉山になっちゃって。それが最大の原因ですからね。だとすれば、北海道の今度は道内輸送を
中心的にやるということになれば、ここのところはもう一回
見直して、ようやく貨物がいい傾向になってきていますから、それをやっぱり集約できるような政策を考えていいんじゃないかと、これはこう思うんですよ、第三番目。
それから、これは新幹線の絡みでありますけれども、青函トンネルの使い方の問題ですね。いやおうなしに五十七年に青函トンネルができ上がるわけですね。きのう、おとついも、非常に順調に進んでおりまして、もう七〇%ぐらい進んでいったと、こういうことですからね。そうなりますから、このトンネルをどういうふうに使ったらいいか。私は、パイロット坑もありますし、幾つもあるわけですから、ですからこれを多目的に使ってみたらどうかなというような——これ、私見ですよ。これは私見ですが、そういうものを持っている。それから、青森と函館間の現在線のあり方について、特に貨物輸送の必要性の問題がこれは当然出てくると思いますね、出てきますね。こういう問題これはまあ皆さんの方はプロで、それで商売をしてやっているわけだから、当然これは御
計画されているんだと思いますが、こうした必要性を、もう先手先手にやっぱり策というものをやっていかなきゃならぬじゃないかなというような気が私はするんです。といいましても、やはり地元には、たとえば多目的に使う場合の貨物と旅客の変動等々、これは
地域経済とも非常に結びついていることであって、ですから、
地域住民あるいはそこに働いている労働者がおりますからね、こうした人々のこれは合意も得なけりゃならぬ。それが非常にいままでの国鉄の
やり方というのは、これは悪口じゃありませんで、たとえば——きょうは時間がありませんが、
地方ローカル線の問題にしても、後手後手なんですな。やっぱり先手先手と打って、
地域住民なり、あるいはその所在の市町村長なり、あるいは
関係の労働者とも積極的にやっぱり合意するようにしてやらないと、後手後手に回ると、こういうことになりますから、鉄道
建設審議会でもそのことが
一つ条件になったわけですから、青函トンネルの活用の問題とあわせて青函の航路のあり方について早めに、そういう
計画といいますか、あるいは方針といいますか、あるいは策というものを樹立してもらいたい。これが大体ぼくは北海道における今後の国鉄の問題点じゃないかなと、こう考えますが、いかがでしょう。