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亀長友義君 私は質問通告をしておりませんが、別に通告がなくてもお答えできることでございますので、よろしくお願いいたします。
二問ほどお伺いしたいと思うんですが、渡辺
大臣、もう政務次官当時から総合農政、生産調整ということについて大変御苦労なさって今日まで持ってこられたことを重々
承知しております。また自民党の中でもいろいろな研究が行われておりますが、総合農政という言葉はございますけれ
ども、実際上は米作を転換する、いわゆる生産調整ということを意味しておるわけでありまして、過去何年かそれをやってまいりました。まあ全面的には成功していないが、それなりの私は価値は当然あると思っております。ただ、ここで私は生産調整の後に来るべきものというものをそろそろ
考えておくべき時期じゃないかという気がいたしておるわけであります。現在の生産調整と言いましても、歴史的に見ますと、農産物の生産の大きな要素になります価格支持制度というものは、御
承知のように、歴史的な積み重ねでありまして、戦争直前に米、麦、それからさらに、でん粉とか芋とか、野菜とか、だんだんいろいろ形は変わり、拡大はしてきましたけれ
ども、それはそのときどきのあれによるものの積み重ねであって、現在もその法律を根拠に行われておるわけであります。したがって、総合農政、生産調整と言っても、価格体系の、価格支持の法律というものはそういうものに
関係なく歴史的に積み重ねられたもののもとになって、いま生産調整、総合農政を
考えていかなければならない、そういう
一つの前提のもとにいろいろ苦心をしていまの制度を仕組んでおるわけでございます。御
承知のとおりだと思います。
この生産調整も、もちろん、何年かという計画もおありなので、今年度
予算とか来年度
予算とか、私は性急なことを言うわけではありませんが、この四、五年、さらにいまの価格に関する法律が、米価から計算をいたしますと、かれこれ四十年近くになる。かなりその間に私は日本の農業の事情は変わってきたと思うんであります。そういう意味から言いますと、現在の価格支持に関する諸制度というものをやはり新しい農業のもとで生産調整の後にどういうふうに
考えていったらいいか。この価格支持制度のあり方ということも含めて、生産調整の後に来るべき農政というものについてそろそろ私は準備をして
検討していくべき時期でないかと思っております。もちろん、農政審議会というものもございますし、
大臣が御諮問なさるか、あるいは農政審議会にどのような諮問をしたらいいかということについてでも結構だと思いますが、そろそろ事務当局や専門家の間で、総合農政、生産調整の後に来るべき農政というものについて基本的な、過去四十年間歴史的にできてきた価格制度のもとでしか泳ぐことができなかった生産調整のやり方の問題も含めて根本的に、これは何年か後にはあるいは実行されるべきものかもしれませんが、そろそろ私は、農政というのはこれは時間がかかるものでございますから、研究をすべき時期じゃないかというふうに
考えております。
いろいろ現在の価格制度はどちらかと言えば不足というような前提でつくられたものが多いのでありまして、基本的には生産費補償主義、露骨に言うと増産主義というような観念が基本的にはあってできたものがそのままいろいろ踏襲をされております。もちろん、現実の運用におきましては、需給係数であるとか経済事情だとか、いろいろ苦心をして是正といいますか、というようなことをやっておられることも
承知をいたしておりますが、恐らくいまの状態が続けば非常に余るものと足りないものがはっきりしてくる。そういうふうな状態のもとにおいては、やはり価格支持のあり方というものもどういうふうなことがいいのか。諸外国にもいろいろ例があります。EC等では、いわゆる予示価格制度をとって、それで農家がつくる、つくらないものをそれに対応して決めていくというようなこともやっておるようであります。あるいは蔬菜等の生産計画をもう少し農業団体が自主的な調整計画を立てて、もちろん、需要予測とか供給予測はむずかしいのでありますが、それぞれ役所の専門家も加えて、ある
一つの計画を立てて、それに従って農家もつくる。いろいろな事情でそれが狂った場合には、これは農業団体も
政府も共同して財政かなんかのめんどうを見るというようなことも私は
一つのやり方でないかと思いますが、私、別にいま具体案があるわけでございませんので、よけい申しませんが、生産調整の後に来るべき農政のあり方、特に価格支持制度のあり方ということについてそろそろ研究を始められるべき時期でないかと、かような
考え方をいたしておりますので、もしお差し支えなければ
大臣の御所見を承りたいと思います。
もう
一つは、これは小さなことで
——小さいことと言うとあれですが、犬伏局長にお伺いしたいんですが、御
承知のように、農林省で非常に消費増大のためのいろいろな
予算が組まれております。それはそれなりに結構でありますが、マイクロ、ラジオ、テレビからいろいろなものでありまして、私は集計すれば相当な金が使われておると思うんでありますが、なかなか実行という点になると金ほど効果が上がっておるかどうか、非常にむずかしい問題ではありますが、疑問に思います。むしろ私は非常に細かな努力が必要でないかと。法律があって
予算と金があれば、これはだれでもできる行政になるわけでありまして、法律がなくても
予算がなくても、こういう問題は国民の嗜好に関する問題なので、私は細かな配慮が必要だと思います。
そういう点で、今年度
大臣の施政方針に、国産農産物の消費拡大ということをうたわれておられるようでございまして、特に本年度外食産業に対するリース
予算というものも計上されておるようであります。いままで私は農林省には例のなかったこれは
予算であると思っております。それなりに評価をいたすものでありますが、一例を申しますと、私は日本全国よく旅行しますが、たとえば飛行場の中でボデーチェックがある、待ち合いの時間がありますから、大きな乗りかえ飛行場には必ず数戸の売店があります。その売店で売っておるものはコーヒーと紅茶だけであります。牛乳も売らなければお茶も売らない。羽田でもそうです。ボデーチェックが済んで、中へ入って何時間待っておっても日本茶や牛乳を飲むことはできないんです。どうしてそうなっておるのかよくわかりませんが、これは御
承知のように、大きな乗りかえ飛行場では、スカイ何とかという、どういうものですか、国鉄の弘済会みたいなものか何か知りませんが、独占機関が売店を持っておるわけであります。お茶は余りもうからないからじゃないかと思うんです。牛乳は腐りやすいからじゃないかと思うんでありますが、私などはよく乗りかえをして忙しいから、そこで、すしとか、何か米をとりますが、仕方がないから、すしでコーヒーを飲んでいるわけです。こういうことが続くと、いずれ日本人は全部コーヒーか紅茶の時代になって、お茶などは飲まないようなことに一まあ学校給食の例というわけでもありますまいが、そういう面から間接的に消費
規制が行われている、露骨に言えば。そういうところが私はあると思っております。これは
運輸省の管轄ですから、これは普通のところならば、商業の自由でございますから余り役所も言いにくいと思うんでありますが、ああいう独占機関のところでコーヒー、紅茶だけを売るというのは余りにも私はどうかなと、農林省から
運輸省に頼んで、やはり農業団体でもそういう活動をして、消費の拡大とまでいかないけれ
ども、細かな努力だけれ
ども努力をすべきじゃないかというふうに私は思っております。
そういう例は至るところにございますけれ
ども、商業的にやっておるところでは幾ら言っても仕方がない。一例を申すとそういうような経験を私も持っておりますけれ
ども、そういう目に見えない細かな努力を
——予算をとったり、法律をつくることも結構でありますが、消費拡大という面については、私はそういう細かな努力を行政当局もしていく必要があろうかと思っております。これは別に局長さんお答えはなくても結構ですが、私の
考えだけ申し上げておきます。