○
説明員(柴崎敏郎君) 国以外の法人で貸付
業務を行っております出資法人は、分けますと、国が全額出資をしている法人と、全額には満たないけれ
ども何割かの出資をしている法人とに分けられるわけでありますが、そのうち、まず全額出資法人につきましては、法人数としては二十九法人ございます。その主なものは国民金融公庫、住宅金融公庫あるいは農林漁業金融公庫といったような金融公庫
関係の
政府関係機関、あるいは日本
開発銀行、日本輸出入銀行といったような銀行
関係の
政府関係機関、また公団といたしましては石油公団とか地域振興整備公団といったような公団、また労働福祉
事業団とか石炭鉱害
事業団とかあるいは国際
協力事業団といったような
事業団、その他、海外経済
協力基金とか私学振興財団といったような法人がございまして、これらを合わせますと二十九法人になります。
その第二といたしまして、国が何らかの出資をしているという中でも、特に二分の一以上出資している法人は数にいたしまして十法人ございますが、この十法人の主なものを申し上げますと、日本住宅公団とかあるいは雇用促進
事業団、東北
開発株式会社といったような法人がございます。
それで、これらの貸し付け
業務を行っております法人の融資先についてもわれわれの
調査権が及ぶようにということで、目下院法改正についての折衝を
政府とやっておるわけでございますが、これらのうちには、相当数の団体においては、私
ども院法上の明記された権限はございませんが、私
どもの検査の必要ということ、これをよく理解していただけまして、事実上、これはもちろんこれらの法人の融資そのものの検査の
一つの手段ということではございますけれ
ども、貸し付けを受けた先に、これらの団体の担当者とともに、立ち会いのもとに
伺いまして、融資先の
調査をさせてもらうという形を事実上相当数の法人についてはとっております。おりますが、しかし、やはりはっきり申し上げまして、都合の悪いようなときにはやはり何らかの形で御
協力を、そういう意味の
協力を願えないということも実例としてはございます。またそのほかに、全くそういう形の
協力を得られないままになっている法人もあるわけでございまして、そこいら辺の不均衡の問題ももちろんございますし、やはり私
どもの検査を徹底させるという意味におきましては、融資先についてまではっきりとしたわれわれが
調査権を規定の上でも持ちたいというのはわれわれの願いでございますので、これにつきましては今後もさらに
努力を続けてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
それから、定員の増員の問題でございますが、これは私
ども会計検査院現在千二百二十名の職員を抱えておりますが、しかし過去十年の間に国の財政
規模は約十倍、あるいは財政投融資だけとりましても過去五年間に五倍ということで、われわれの検査対象というものは非常な割合でもって増加をしております。そういうところから、これはひとり
調査権を融資先に及ぼすそのための人員ということだけでなしに、もともとわれわれといたしましては現有勢力では徹底した検査というものがなかなかできない、人員不足であるということで、これは当局にも毎年のように繰り返し増員の要求を続けているところでございます。で、大体現在われわれの実地検査の施行率というのが一割にも満たないというのが実は実情でございまして、そこいら辺のところを何とかまずもって一割ぐらいに引き上げたい、こういうことではじきました数字が増員百五名、百五名をいただければ全検査対象のうちの一割は毎年見ることができるというようなことで、この計数をもってお願いをしてきているわけでございますが、その百五名のうち現在まででは十名を数カ年にわたりまして、まあ幸いにしてことしの五十四年度におきましても二名の増員ということでいただくことになりましたけれ
ども、しかし、この歩みはまことに遅々たるものでございますので、ここら辺のところをさらに要求を続けてまいって、検査要員の充実を図ってまいりたい、このように考えている次第でございます。