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青島幸男君 まず、法務
大臣は
航空機疑惑が表面化した折に記者会見で、この
事件は大変に重大で、かつ根が深いというおっしゃられ方をしたと記憶しておりますけれ
ども、私もいろいろ
調査をした過程で、まさにおっしゃられるとおり、大変に大きなものを背後に持っているんだという
認識を持ちました。
ちょっと話が錯綜しますので、お手元に、御了解を得て
資料を――図かあるはずでございますけれ
ども、これで御説明さしていただきます。まず、トルコにおきましてボスポラス大橋というのをつくるという計画がございまして、これに
伊藤忠、日商岩井機械部が幹事会社となりまして、
幾つかの
企業が入札に参加をするために国際建設協会というのをつくったそうです。そして第一回の入札があったんですが、これは他国に奪われたそうでございまして、そしてトルコ協会というのに働きかけましていろいろ協力を得たところ成功した、第二次入札で成功した、こういうことです。時を同じくいたしまして、日商岩井機械部がF4Eを
防衛庁に売り込むことに成功しております。そして、E2Cの代理店が変更になるというようなことをはさみまして、四十七年になりまして、インドネシアからプルタミナを通じましてLNGを輸入しようという話を日商岩井の燃料部がいたしました。再三交渉していたんですがなかなか成功しなかった。で、突然、どういうわけですか、プルタミナの方でファーイースト・オイル・トレーディングを仲介してほしいという要求が出されて、この会社は木下産商系でございまして、御存じのとおり岸信介さんが深い
関係をお持ちだということだそうでございまして、そしてこのファーイースト・オイル・トレーディングが介在することになったときに、どういうわけか、燃料部で扱っておりましたものを日商岩井機械部に変更いたしまして取り
扱いを、そしてこれも成立をしておるということだそうです。同時に、時を同じくしまして、その時点でRF4Eを、まあダグラスですけれ
ども防衛庁に売り込むことに成功しております。
それから五十三年になりまして、サウジアラビアで淡水化プロジェクトというのが行われるようになったそうですが、これには日商岩井、トーメン、
伊藤忠その他が入札に参加をするわけですけれ
ども、日商は実は三番札のはずなのに、これが落札に成功しておるというので、業界でかなり問題になったといういきさつもございました。それから、この淡水化プロジェクトにつきましては、アドナン・カシオギ氏という方がサウジアラビアで大変に政財界に勢力を持っておられる方だそうでして、この方の代理人、
アメリカでの代理人はハリー・カーンだということになっておりまして、また私
どもで得た
情報によりますと、このアドナン・カシオギ氏の
日本代理人が川部さんであるということも承っております。そして、アドナン・カシオギ氏が来日した際には、帝国ホテルのパーティーに岸信介さんも出席しておられるということだそうです。それから、このアドナン・カシオギ氏はトライアッド・インターナショナルという会社を持っておられまして、これがノースロップ、ロッキード、ボーイング等の代理店の代表権みたいのを持っていられる。そして、このトライアッド・インターナショナルはアン・ゴラ航空にかなりの影響力を持っているということだそうでございます。で、この淡水化プロジェクトに第三番札を出していながら入札に成功した日商岩井は、その時期、同時に、同じくしてF15ダグラスとE2Cグラマンの
予算化というようなことにも成功しているわけでございます。そしてその前には、当
委員会で
証人の証言にもありましたように、問題になりました四十七万ドルは、インドネシアの電信
関係とそれから中近東の淡水化プロジェクトのための工作費として使われたというふうに了解しておるというふうに
証人も証言で述べられておるわけです。
そういたしますと、私はこの図表をつくりますに際しましてはかなり慎重を期したつもりでございますけれ
ども、実際に
国会の中での議事録、あるいは
情報通の署名入りの記事――
新聞、雑誌その他のですね。それから私
どもに直接参りました
情報などを集めまして、一応この図式をここにあらわしてみたわけですけれ
ども、大変に疑問に思いますのは、暗合する部分が非常に多くございまして、日商岩井機械部が海外における大プロジェクトを企画いたしますたびにこのトルコ協会――一番最初のトルコの問題ですけれ
ども、トルコ協会の会長はちなみに岸信介さんでございまして、それからLNGの問題にいたしましても、燃料部から機械部に移行して岸さんが介入すると成功する。淡水化プロジェクトについても川部氏を通じ岸さんを通じアドナン・カシオギ氏を通じると見事に成功すると、こういうことでございまして、同時に海外プロジェクトにおいて日商岩井が赫々たる成果を上げていると、時を同じくして
航空機の売り込みに成功しておるという事実があるわけです。
明確に申し上げますが、これから先は私の推測なんですが、たとえば
航空機売り込みに
政治工作をしても、その成功報酬はそのまま
日本円で国内で受け取るようなことはなくて、そのまま海外プロジェクトの方に移行をする、そしてその第一のフィルターを通して海外のプロジェクトの中に持ってまいりまして、当
委員会でも
証人が明らかにしておりましたが、開発途上国などにおきましては領収証その他の明快な書類がない金が動くこともままあると、暗々裏に工作資金として流れることもお認めになっておられた部分があるわけです。ですからこの海外の大きなプロジェクトに参画するということの手数料あるいは工作費、成功報酬というかっこうで受け取るんではなかろうかと、この工作をなさるある方が。そういうかっこうでまいりますと、国内で
航空機の売り込みに
政治工作、あるいはかなりの関与をしても、
外国に持っていかれたプロジェクトにまずフィルターをかけられて、もう
一つそのプロジェクトに関与するということで成功報酬、手数料でもらうというようなことがありますと、現行法上からは贈収賄を立証することは大変むずかしいということになりはしないかと思うわけですね。
それから、当面問題になっておりますところのボーイング、ボーイングと日航は直取引だと言われておりながら、何だか不明確な百五万ドルが入っておる。この百五万ドルの内訳ですが、突如あらわれてまいりましたアンゴラ航空というのが、これが問題になっております
航空機販売手数料の三十万ドルというのを私文書偽造までしてこの
疑惑を深めておる点でございますが、そしてこの使途不明金の四十七万ドル、これも間にだれか入っている人がいて、その入っている人の名前とこのメカニズムが明確になることを恐れて島田氏はみずからの命を縮めてしまわれたんではないがという推測もあるわけです。いずれにしましても、ただ単にE2Cの問題ということではなくて、こういうグローバルなかっこうで複合した形に成り立っているんではなかろうか。ですからこういうE2Cの問題を
解明するためには、これだけの規模のものを深く追及していって明確にしてこないと
疑惑は晴れないんではないかと私は思うわけですけれ
ども、どの程度これについてお調べになっているかその進捗状況とか、こういう
考え方で
捜査をなさっていられるのかどうか、その点をまずお尋ねしたいと思います。