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1979-03-31 第87回国会 参議院 予算委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年三月三十一日(土曜日)    午前十時開会     —————————————    委員異動  三月三十一日     辞任         補欠選任      片山 甚市君     野田  哲君      勝又 武一君     粕谷 照美君      相沢 武彦君     阿部 憲一君      太田 淳夫君     黒柳  明君      沓脱タケ子君     内藤  功君      山中 郁子君     橋本  敦君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         町村 金五君     理 事                 井上 吉夫君                 岩動 道行君                 糸山英太郎君                 嶋崎  均君                 久保  亘君                 瀬谷 英行君                 多田 省吾君                 内藤  功君                 栗林 卓司君     委 員                 浅野  拡君                 石破 二朗君                 上田  稔君                 小澤 太郎君                 上條 勝久君                 亀長 友義君                 熊谷  弘君                 下条進一郎君                 鈴木 正一君                 田代由紀男君                 鍋島 直紹君                 秦野  章君                 林  ゆう君                 山本 富雄君                 粕谷 照美君                 小柳  勇君                 野田  哲君                 広田 幸一君                 福間 知之君                 矢田部 理君                 阿部 憲一君                 黒柳  明君                 矢追 秀彦君                 矢原 秀男君                 神谷信之助君                 橋本  敦君                 三治 重信君                 青島 幸男君                 円山 雅也君    事務局側        常任委員会専門        員        菊地  拓君    証 人                 海部 八郎君                 辻  良雄君                 郷  裕弘君       (海部証人随伴者 井本 臺吉君)       (辻 証人随伴者 石井 成一君)       (郷 証人随伴者 和泉  久君)     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○昭和五十四年度一般会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和五十四年度特別会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和五十四年度政府関係機関予算内閣提出、  衆議院送付)     —————————————
  2. 町村金五

    委員長町村金五君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  委員異動に伴い理事一名が欠員となっておりますので、この際、理事補欠選任を行います。  理事補欠選任につきましては、先例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 町村金五

    委員長町村金五君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事内藤功君を指名いたします。     —————————————
  4. 町村金五

    委員長町村金五君) 昭和五十四年度一般会計予算  昭和五十四年度特別会計予算  昭和五十四年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  昭和五十四年度総予算に関し、外国航空機購入予算問題について、海部八郎君から証言を求めることといたします。  まず最初に、委員長から確認をさせていただきます。  あなたは海部八郎君御本人ですか。
  5. 海部八郎

    証人海部八郎君) はい、海部八郎本人です。
  6. 町村金五

    委員長町村金五君) 一言ごあいさつを申し上げます。  海部証人には、御繁忙中にもかかわりませず、去る十九日に引き続き、本日再び本委員会に御出席いただき、まことにありがとう存じます。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。  証言を求めるに先立ちまして、証人に申し上げます。  議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただきます。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、次の場合に限られております。  証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族、または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、並びに医師歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実で黙秘すべきものについて尋問されたとき。  以上の場合以外は、証人宣誓または証言を拒むことができません。  正当の理由がなくて証人宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられます。  また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  なお、今回の証人喚問についての当委員会理事会決定事項については、すでに証人には文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。  その第一点は、証人随伴者助言を求めることが許される場合についてであります。  すなわち、証言は、証人がみずから知り得た事実を証人自身記憶により申し述べるのが原則でありますが、証言を求められた事柄が議院証言法証言を拒否することが認められている事項に該当するかどうか確認しようとするとき、その他委員長がこれを中心として判断し、許可を与えるのを相当としたものについては、証人随伴者助言を求めることができます。これらの助言は、いずれもその都度証人委員長にその旨を申し立て、委員長許可が得られた後に認められるものであります。  その第二点は、資料についてであります。  証人は、すでに御通知いたしましたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。  その第三点は、証人メモをとることは認められておりません。  その第四点は、随伴者についてであります。  随伴者は、委員会では発言することはできませんが、メモをとることは許されます。  また、随伴者は、証人委員長許可を得て助言を求めた場合は助言することができますが、自分の方から証人に対し助言することはできないこととなっております。  以上の点を十分御承知願います。  それでは、法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。  全員起立を願います。   〔総員起立
  7. 町村金五

    委員長町村金五君) 海部八郎君、宣誓書を朗読してください。   〔証人は次のように宣誓を行った〕      宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又  何事もつけ加えないことを誓います。              証人 海部八郎
  8. 町村金五

    委員長町村金五君) 宣誓書署名捺印してください。   〔証人宣誓書署名捺印
  9. 町村金五

    委員長町村金五君) 全員御着席ください。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際はその都度「委員長」と呼んで許可を得て御発言なさるようにお願いいたします。  なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際は起立されて御発言をお願いいたします。  この際、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等議事進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。  それでは、お手元の質疑者名簿に従い順次発言を許します。井上吉夫君。
  10. 井上吉夫

    井上吉夫君 海部証人には、再度の御出頭、御苦労さまでございます。  十九日のあなたの証言をいただいた後に、御承知のとおり二十二日に山村謙二郎井上潔証人から証言をしていただいたわけでありますが、その両者の間に幾つかの点で食い違いがあるように思われますので、きょうはその点についてもう一遍お尋ねをして明らかにしたいというぐあいに考えます。  その第一は、海部さんは、入金処理であるとか、交互計算であるとか、あるいは外国に口座をつくるとかいうようなふうなことはすべて財経本部の担当であって、営業関係ではこのあたりについては全く知らない、したがって、私は全くこのことについては関知していないという意味の御答弁をなさいましたが、山村さん及び井上潔さんの証言では、財経はいわば銀行みたいなものであって、いわゆる第一義的には営業本部営業活動を通していろいろな仕事をやる、あるいは集金もやる、必要な場合によっては融資もやる、そういうことについては営業中身を知っているのであって、その実施をした入金ないし出金に必要な実施をしたことについて明細書をつけて財経の方に回す、そこで初めて財経の方で繰り入れるというような意味のことを証言なさいましたが、いかにもあなたの証言では、今回起こっております私文書偽造関係であるとか、あるいは外為等に関連してではありましたけれども、一切営業はタッチをしないという意味の御証言がありましたが、その食い違いについて御説明を願いたいと思います。
  11. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。井上先生の御質問にお答え申し上げます。  口座の開設とかあるいは資金の移動とか入出金処理につきまして、私は大変長いことそういう入出金伝票その他の扱い、あるいはいまの交互計算とか、そういうことをやっておりませんでしたものですから、私帰りまして早速勉強いたしまして、まことに申しわけございませんが私の若干の誤解がありましたことをおわび申し上げます。特に航空機関係につきましては、亡くなられたベテランの故島田常務実務ないし経理のことは全部任せておりましたものですから、まことに不手際な、認識不足と申しますか、あるいは実務を長いこと離れておりましてああいうような発言になりました。それについては深くおわびし、訂正させていただきます。それから島田さんからあるいは大綱については報告を受けていたことかと思いますのですが、それにつきましては、記憶に思い出せないか、あるいは忘れてしまったのか、まことに申しわけなく、深くその点訂正し、おわび申し上げます。
  12. 井上吉夫

    井上吉夫君 それでは次の質問に移りますが、あなたの証言の中で、いわゆるあのアンゴラ航空へ、これは実は実態と違うわけでありますけれども、三十万ドルの金については、例のボーイング社との百五万ドルとは無関係であって、二百三十八万ドルの関係だと思うという意味のことをおっしゃいました。ところが、その後の二十二日の証言等を通していろいろ検討してみますと、どうもこれは百五万ドルの関係経費であって、二百三十八万ドルの方ではないという感じがするわけですが、この点はいかがですか。  それからついでにもう一点、二百三十八万ドルのいわゆる事務所経費と称されるものの理由といいますか、内訳、そういうものについて、あなたは、為替リスクであるとか、輸送経費であるとか、関連する保険であるとかというようなふうのこととあわせて、いろいろな調査なりあるいは制服組調査に来られた場合の間接費、とりょうによってはいわゆる接待費と受け取られるようなそういうものが二百三十八万ドルの事務所経費内訳の主たる要因のような説明がありました。もちろん事務所に日本人が三人ですか、現地採用の三人等があるようでありますけれども、さっき申し上げましたように、主たる要因をさっきの三つぐらいをおっしゃいました。  その後、二十二日の証言ないしはこのことについて防衛庁に当委員会でいろいろ質問があったわけでありますけれども、制服組等についての接待は一切受けていないというはっきりとした防衛庁筋答弁がありました。このことは明らかにしないと、防衛庁としても大変迷惑なことであります。  あわせて、為替リスクについてもおっしゃいましたけれども、これは契約中身を聞きますと、そのときの円相場によって決済するという契約条項が入っているというような説明でありますので、これも理由になりません。  それから輸送についても、これは現地引き渡しであり、米軍の方で運んでくるということでありますので、これも経費内容としては大変理由になりがたいと思うのですが、その辺のことについてもう一遍御説明を願いたいと思います。
  13. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  ただいま井上先生から御質問のございましたオフィスエクスペンスと申し上げますものは、何といいますか、メインコントラクターですか、ということで、初めから終わりまで代行ではなくて、私の方で引き取りから納入までさしていただくということでございまして、それにつきまして、いろいろな関係経費人件費その他いろいろ、通常マクダネル社から——ちょっと失礼しました。委員長、もとへ戻します。御質問混乱しておりました。  まず第一に申し上げます。第一の御質問の三十万ドルについて、ボーイングの百五万ドルとそれからマクダネルオフィスエクスペンスの二百三十八万ドルと完全に混同しておりまして、私、実は三月十九日の当委員会に出席させていただく前にいろいろ説明を受けましたのですが、数字その他非常に混乱しましてまことに申しわけございません。三十万ドルは、ボーイングの百五万ドルの、いわゆるアンゴラ航空関係と、こういう数字でございます。訂正させていただきます。  それから第二のオフィスエクスペンスにつきましては、事務所の、何といいますか、この本契約を遂行するに当たってはメインコントラクターとして非常に専従者も要るし、それからとうてい経費が賄い切れないということで、私が聞いております報告によりますれば、マクダネル・ダグラス社といろいろ交渉を重ねまして、その手数料の増額ということでオフィスエクスペンスというものは会社収益に入っております。その後私がいろいろ勉強しましたところ、これはやはり特別口銭というぐあいに財務の方で処理されている。マクダネルの方ではこれをオフィスエクスペンスと言い、われわれの方ではこれを会社収益計上した特別口銭であると、こういうぐあいに、その後勉強してはっきりいたしましたので、訂正させていただきたいと思います。  それから……
  14. 井上吉夫

    井上吉夫君 済みません、ちょっと簡単に。
  15. 海部八郎

    証人海部八郎君) それから私非常に混乱しておりまして、防衛庁の方々について大変な御迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。そういう事実はございませんでございました。
  16. 井上吉夫

    井上吉夫君 時間がありませんので、最後に、証人は、ボーイング747SRの追加手数料百五万ドルのうち、二十万ドルは正式に会社入金されておって、残り八十五万ドルが、これは故島田さんが現地におります若い職員と話し合ってそこに口座を開いた云々ということでありますが、その経理のために五十五万ドルは実は税法上否認をされて、そのうち四十七万ドルはついに使途がわからなかったというようないきさつがありますが、このいきさつをあなたが承知されたのは、前回証言では、五十二年大阪国税庁税務調査の際に知ったようなぐあいに言われておるようでありますけれども、山村さんの証言によりますと、五十一年の二月ごろ山村さんがアメリカにヨーロッパの帰りに立ち寄られて、このことの存在を知って、いろいろ帰ってきてから島田さんに問いただされ、そこで事情がある程度わかって、残っておった三十八万ドルは直ちに会社に正式に入金するように指示をし、四十七万ドルの使途不明金についてはどうも中身がはっきりわからぬので、そのことは最終的に社長のところにその調べた内容を含めて報告して、社長の判断を仰ぐことにしたという意味証言がありました。となれば、管掌役員として島田さんと特別の関係にありましたあなたには、そのときに島田さんから話がある、ないしは報告を受けられた当時の辻社長からあなたに話があったのではないかと思うのですが、ございませんでしたか。
  17. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  いま井上先生のおっしゃいました四十七万ドルという使途不明金については、五十二年の秋の大阪国税局の御調査のときに初めてその内容を、中近東とか、あるいはインドネシアの内容を聞いたわけでございます。いま井上先生のおっしゃいました五十一年の春ごろ、辻前社長から呼ばれまして、不適正な手数料計上の問題があるぞということを辻社長から指摘され、注意を受けました。そのときに、私は、私の記憶によりますと、まあそういうことは私は知らないと、こういうふうに申し上げたと思います。それにつきまして辻前社長から、よく島田君にその間の事情を注意しろと、こういうことを私は強くおしかりを受けた記憶がございます。それで、私は、島田さんに、まあ航空機ベテランでございますし、それから実務とか経理とかそちらの関係の方はみんな任しておりましたのですが、島田さんに、たしか電話だったと思ったですが、強く、何か不適正な手数料計上という問題があるのかというようなことを問いただしたと思います。問いただしたはずでございます。
  18. 井上吉夫

    井上吉夫君 ありがとうございました。
  19. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で井上君の発言は終了いたしました。  次に、久保亘君。
  20. 久保亘

    久保亘君 社会党の久保亘です。証人には引き続き、再度御出頭いただいて、大変御苦労さまでございます。  最初に、去る三月二十七日の役員会で副社長代表権を御辞退になったと聞いております。それは今回の事件について職務権限上の責任をおとりになったことなのでしょうか。その点をひとつ手短にお答えいただきたいと思います。
  21. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  三月二十六日に代表取締役及び副社長辞任届け植田社長に提出いたしました。それは、私としましては、監督不行き届きということで責任をとりまして、やめさしていただいたということでございます。
  22. 久保亘

    久保亘君 それではやはり管掌役員としての職務権限上の責任をおとりになったことだと思うのですが、実は、前回のあなたの証言について、その後当委員会証言をされました山村井上両氏は、あなたは当時大変お疲れになっておって錯乱されておったのではないか、このようなことを言われております。職務権限や今回の事件認識について錯乱されておいでになりまして、事実にもとるような証言を十九日の日になさったと思っていらっしゃいますか。もしそういうふうに思っていらっしゃいますならば、どの点か、その点をひとつ具体的に挙げていただきたいと思います。
  23. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。久保先生の御質問にお答えいたします。  三月十九日の私の申し上げました発言と、三月二十二日の山村前副社長とのお話で、錯乱しておりましたとか、あるいは混乱しておりましたとかいうのは、まことに申しわけないのですが、三月十九日の委員会に出席させていただく前に、いろいろ書類とか、いろいろなことをいろいろ聞いたわけでございますが、完全に混乱——数字その他につきまして、あるいはボーイングとかダグラスとか、非常に入り乱れまして混乱を生じた点については、先ほど申し上げましたとおりおわび申し上げます。  混乱しておりました点については、久保先生に申し上げますが、三十万ドルの件でございます。三十万ドルは、その後、私帰りましてまたいろいろ人にも聞き、いろいろ調べましたところ、これは明らかにボーイング関係の三十万ドルでございます。それが混乱しておりましたです。申しわけありませんでした。
  24. 久保亘

    久保亘君 そのほかの点について、あなたの証言と、他のお二人、専務さんと山村さんの御証言との、少し私どもの認識では理解しがたい点についてお伺いいたします。  最初に、契約に基づく手数料を受け取って、それを本社経理に納金するまでは営業部仕事だということを山村さん、井上さんは言っておられますが、このことは海部さんもお認めになりますか。
  25. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  普通契約に基づきまして、先ほど申し上げましたのですが、入出金伝票によりまして処理する、そうして入出金伝票をつけて財経に渡す、それから財経処理すると、こういうぐあいになっております。それは、前回久保先生にも私の方から御説明申し上げたいのですが、長いこともうやっておりませんでしたので、それについての交互計算も含めてでございますが、認識不足といいますか、実務に対する感覚が完全にもうずれておりましたので、ああいう発言になったと思います。申しわけありませんでした。
  26. 久保亘

    久保亘君 それからこの三十万ドルの問題に関連して、山村さんは、本社経理に入ってくる前に特別手数料などが操作をされたその資金の動きというのは財経以前の問題であって、それは営業責任に属する問題であると、こういうことを言われておりますが、この前はあなたは三十万ドルの資金操作についても、これは財経のことであって営業は知らないと、こう言っておられるのですが、この点については、それはやっぱり正式に受け入れられるまでの間に操作した資金というのは営業責任だということはお認めになりますでしょうか。
  27. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。久保先生に御回答申し上げます。  三十万ドルというのは、実は新聞で初めてそういうものがあるということを知りまして、これは全く、何といいますか、権限以前の問題と申しますか、それまではっきり言いますと、これは亡くなられた方がおやりになったんだと思いますのですが、権限以前の問題と解釈していただくより方法がないのじゃないかと思います。
  28. 久保亘

    久保亘君 権限以前の問題ということになりますと、その問題についてもしあなたが私は知らなかったと言われるならば、これは財経責任ではなくて、やはり管掌役員としてのあなたの職務権限上の責任の中で行われた、しかしあなたは知らなかった、こういう問題になりますでしょうね。
  29. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  この問題につきましては、ただいま司直の方でお調べになっていると思いますが、詳細は私もまだ承っておりませんのですけれども、これはやはり航空機部長、それから故島田常務、ですから、直接の責任と申しますと、島田さんのところへ行き、島田さんのところからまた私のところへ間接的には責任がある。したがいまして、内容につきまして詳細については知っておりませんが、責任については私は認めざるを得ないと、こういうふうに思います。
  30. 久保亘

    久保亘君 ところで、先ほどの質問にもあったのですが、ボーイング社から受け取った追加手数料の百五万ドルのうち八十五万ドルをカリフォルニア・ファースト・バンクの架空名義口座に入れてあることを山村さんが五十一年の一月にお知りになって、そしてその問題を二月の末に島田さんとお会いになって追及をされた、そしてキヨシ・ニシヤマの口座も明らかになり、三十八万一千ドル残っていたこともわかったので、そのお金をすぐ本社経理に返すようにという指示をすると同時に、使途不明金の問題などについても厳しく追及した上、その処分については辻社長にお願いをした、辻社長はあなたにも事情を聞いて処置したい、こういうふうに言われたと山村さんはお答えになっておるわけです。そのときあなたは辻社長さんからお話があって電話で島田さんから事情を聞いたと。しかし、三十万ドルの問題については私は詳しくは知らなかった、四十七万ドルの使途不明金についても五十二年までは知らなかったと、こう言われるのですが、それはちょっと私はわかりにくい点なんです。営業の一番最高の責任にあられたあなたが不適正な資金処理がされているという問題で社長から指摘をされたら、その問題についてあなたのすぐ下の部下である島田さんについて具体的な内容をお聞きにならないということはないのじゃないでしょうか。その内容については君適当にやっておいてくれよと、こういうことでお済ませになったとは私考えられないんです、あなたほどの方が。当然、そのときに、島田君、一体これはどうなっておるのかということで内容についても詳細お聞きになったはずではないかと思うのですが、そうではなかったのですか。
  31. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  五十一年の春ごろに、辻社長から、恐らくいま久保先生のおっしゃった経過だろうと思いますが、辻社長から私呼ばれまして、何か不適正な手数料処理の問題があると聞いているが君知っているかと言われましたので、私は事実それを知りませんので、私はそれは存じ上げませんと、そうしましたら、辻前社長が、それじゃ君、あの島田さんにですね、その点について厳重に注意するようにというたしかおしかりを受けたと思います。そこで、私は、これは記憶にはっきりしておりませんのですけれども、多分私は電話で島田さんを探して、そして島田さんに、何か不適正な手数料処理の問題があるんじゃないか、そういうことがあるのならもうすぐそういうことはやめた方がいいぞというようなことを私はきつく言ったはずでございます。それに対して、まあこれはいつもの島田さんの、まあこれはもう本当に申しわけないのですが、ベテラン航空機の専門家でございますのですけれども、私に対して、多分、記憶がはっきりしておりませんが、そういうものは一切あなたは関係ないんだから、自分の責任処理すると、たしかこういう返事があったのじゃないかと思います。それで、私もそのときに、いまになって思いますれば、もっときつく追及すればよかったと、こういうぐあいにいま思っております。それで五十二年の秋に国税庁の調査がございまして、初めてその四十七万ドルでございますか、中近東あるいはインドネシアという話を聞きまして、島田常務が国税当局に対して報告申し上げたのですが、実はびっくりした。それからいま久保先生のおっしゃいましたキヨシ・ニシヤマなるアカウントにつきましては、ごく最近まで、実は新聞を見てびっくりしまして、キヨシ・ニシヤマとは何だということを問い合わせた記憶がございます。
  32. 久保亘

    久保亘君 私は、いまの海部さんの御証言については、やっぱりどうしても私として納得できない点があるんです。というのは、島田さんはそのときに山村さんから大変厳しく追及されて、自分の進退をかけて使途不明金については言えないと、こう言われたそうです。それだけの問題を、しかもその使途不明金は新規の市場開拓のための工作資金となったと言われておるわけですから、それだけの大きな問題を営業管掌の役員であり、しかもあなたが最も信頼されていたと言われるその島田さんが、あなたに相談されなかったということは私どもとしてはどうしても考えられないことです。そういうことがあり得るだろうか。しかし、それをあなたが相談を受けなかった、島田さんは言わなかったと、こう言われるのだったらそれ以上聞きようがありません。しかし、そういうことは一般的には考えられない、私はそう思うんです。  それからその島田さんがそれほど厳しく会社の幹部から追及されるような問題を資金操作をめぐっておやりになっておったというのに、島田さんはその後間もなく平取締役から常務取締役に昇進されておりますね。これはどういうわけだったのでしょうかね。あなたは御承知になっておりませんか。私の首にかけても言えないというようなわからない経理操作をやられた役員が昇進をされる、間もなく。そういうことについてはこれはなかなか理解しがたいことなんで、もし自分ではわからないということならもうそのことだけお答えいただけばいいです。
  33. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  いま久保先生のおっしゃいました、それだけいろいろな不適正なことをやったのにもかかわらず、島田さんが常務に五十二年でございますか、昇格したのはおかしいと言われますのですが、これは恐らくそのほかいろいろな仕事もしておられましたし、いろいろな点で考慮されてあるいは社長が決裁されたのじゃないかと、こういうぐあいに思っております。
  34. 久保亘

    久保亘君 そうすると、結局そのときに適正な処理に直すようにということで、社長山村さんから指摘をされた問題については、あなたは、内容を余りわからないまま、島田さんに、適正に処理してくれ、あなたに一任するからと、こういうことで営業管掌役員としてその問題を済まされた、こういうことになりますね。
  35. 海部八郎

    証人海部八郎君) 発言さしていただきます。久保先生に申し上げます。  辻社長は余り長い説明をいつもされない方で、あのとき、私は、たしか、こんな不適正なことがあるぞ、島田君に君よく注意したまえと言われたことを記憶しております。それで、私はそういう事実を知っておりませんでしたから、辻社長のおしかりを受けましたものですから、故島田さんに、いま社長に非常に強く怒られたけれども、何か君あるんじゃないか、そういう問題は困るというように強く注意したはずでございます。それで、ただ、それに対して、いや、これはもうあなたは関係ないんだから、一切自分の責任処理すると、こう言われますと、私としてもそれ以上追及できなかった。あるいはそのときにもつと追及すべきではなかったかといまになると残念に思っております。申しわけありません。
  36. 久保亘

    久保亘君 次に、営業上、会社のために必要とした場合を含めて、海部さんは外国に銀行口座をお持ちになったことがございますか。
  37. 海部八郎

    証人海部八郎君) 申し上げます。  そういうのはございませんです。
  38. 久保亘

    久保亘君 ジュネーブのスイス・ユニオン・バンクに口座の心当たりは全くございませんか。
  39. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  ございませんです。
  40. 久保亘

    久保亘君 ちょっと見てもらいたいものがありますが、よろしゅうございますか。
  41. 町村金五

    委員長町村金五君) どうぞ。
  42. 久保亘

    久保亘君 いま海部証人にごらんいただいておりますのは、私の知人が、去る三月二日、東京銀行営業部外国送金部を通じてスイスのユニオン・バンク、口座ナンバー五六九五二四、あて名は海部八郎という名前で、この口座にある金額を振り込んでおります。ところが、すでに一月近くたちますのにこの送金については何のトラブルもなく、照会がありません。私も東京銀行の直接の責任者に聞いてみました。普通の場合、外国の銀行に送金した場合にトラブルがありますと、早ければ三、四日、遅くとも十日ぐらいの間に、口座がなかったりしますと照会があるそうです。ただ、ルーズな銀行の場合には非常におくれることがあると聞いております。ところが、東京銀行の意見では、スイスの銀行というのは決してルーズでないそうであります。私は直接伺ってまいりました。それで、東京銀行としては、トラブルの照会がないからこの口座に送られた金は入金されたものと思う、こういうことでありました。また、同じ時期に、デュッセルドルフのドレスナー銀行にも同じような送金が行われたのでありますが、こちらの方は口座が見当たらないということで解約請求が向こうから三日後に参っております。こういうことがあるのでございますが、これでもやっぱり海部さんはこのスイスのジュネーブのユニオン・バンクについては全く心当たりがございませんか。
  43. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  これについては全然心当たりはございません。
  44. 久保亘

    久保亘君 いま申し上げました口座ナンバーは、いわゆる海部メモに出てまいりますユニオン・バンクの口座ナンバーでございます。したがって、この口座がもし存在をしておるとすれば、これは海部メモに関するあなたのこれまでの一切関知しないというお答えとも少し抵触してまいるわけであります。ただ、あなたがこれは一切関知しないと、こう言われておりますから、いずれこの問題については、あなたの御証言が正しいことが証明されることを私は心から期待をいたしております。  時間がありませんので、最後に、航空機部で売り込みに当たって、やっぱり商売をする以上、協力してもらった人たち、あるいは新たな売り込みに協力を依頼する人たちに対して、何らかのその協力に対する謝礼をしなければならぬ。その場合に、一々経理を通してやっておったのでは営業部営業活動というのが思うにまかせないから、特別口銭などが入った機会にそういうお金をプールをしておいて、営業責任でそれを使っていくというふうなことが、従来、日商岩井に限らず、航空機などの外国メーカーなどとの取引の場合にはあったのではないか、この点について、海部さん、いかがでしょう。
  45. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  そういうような、つまりプールをしておいて、そしてそれをいろいろな資金に使うと、そういうようなことは私の知っております限りないのではないかと思います。
  46. 久保亘

    久保亘君 そう言われますと、島田さんがそれでは特別口銭をプールした資金は一体これは何だったんだろう、使途不明金は一体何だったんだろう、本社経理を通さずに使われたお金は何だったんだろう。島田さんはあなたのもとでずっと仕事をされてきた人です。そういうお金は一体何だったんだろう、こういう疑問がどこまでもついて回るわけです。だから、やっぱり営業活動の常識としてそういうことがあったのじゃないか。あなたはいまそういうことはどうも記憶にないと言われるから、時間もありませんからそれ以上は申し上げません。  それから日商岩井では、政治家に献金をするときには、営業部の具申を受けて社長が決裁すると、山村さんはこう言われております。そして、機械の方からは相当な具申というか要請が社長にあったはずです、こういうことを言われておりますが、このことについてあなたはどのようなこれまでの経験がおありでございますか、その点をひとつ率直にお聞かせいただきたいと思うのであります。
  47. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  政治献金につきましては、いろいろな各部門、それは営業に限らず管理部門でもまあいろいろお願いがございますが、そういうものは一応全部秘書課へ回しまして、それで秘書課がそれを調整して社長の決裁で払うと、こういうぐあいになっております。したがいまして、私の経験では、いろいろな長い間の会社全体としての何と申しますか節度あるおつき合いをしているのじゃないか、こういうぐあいに思っておりますが、詳細については私は余りタッチしておりませんですからよくわかりませんです。
  48. 町村金五

    委員長町村金五君) 矢田部君。
  49. 矢田部理

    ○矢田部理君 短時間ですので、若干の関連質問を行いたいと思います。  グラマン社の8Kレポートでは、日商岩井がE2C売り込みの手数料の一部をグラマン社のコンサルタントである一人のアメリカ人、ハリー・カーン氏だと思われますが、に払う可能性があることを知った、またコンサルタントは彼の手数料の一部を一人またはそれ以上の政府高官に払うかもしれないということを知ったと指摘をしておりますが、ハリー・カーン氏と密約をした前後に日商岩井側として一人またはそれ以上の政府高官にお金を払ったことがないか、あるいは払う計画などをしたことはなかったか、その点について伺いたいと思います。
  50. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  いま先生のおっしゃいましたハリー・カーン氏との契約に基づいて払ったかと、あるいは払う約束をしたかと、そういう御質問でございますが、払った事実はございませんし、それから払うというような約束もございません。
  51. 矢田部理

    ○矢田部理君 計画は。
  52. 海部八郎

    証人海部八郎君) ございませんです。
  53. 矢田部理

    ○矢田部理君 証人は、航空機の売り込み等に関してさまざまな契約にタッチをしたと思われますが、みずから署名をした契約はどれとどれか指摘できますか。
  54. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  みずから署名した契約と申しますと、売買契約でございますか、あるいは代理店契約とか、そういうものでございますか。
  55. 矢田部理

    ○矢田部理君 含めて。
  56. 海部八郎

    証人海部八郎君) 代理店契約をしたのは、ダグラスとボーイング、それからグラマンはどうでしたかちょっと記憶がはっきりしておりませんが、タイトル……何といいますか、職責上そういうのはサインした記憶がございます。ただし、最近の契約につきましては、島田さんのサインしたものもあるかと思いますので、どの分が島田さんのサインであったかどうか、それについては帰りまして調べてみないとちょっとわからない、こういうことです。
  57. 矢田部理

    ○矢田部理君 百五万ドルの追加手数料の基本になる契約、つまりもとの契約、基本契約ですね、これはだれがサインしたのでしょうか。
  58. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  百五万ドルの要するに追加手数料をちょうだいするというこのボーイングとの契約は、私がサインしていると思います。
  59. 矢田部理

    ○矢田部理君 百五万ドルもあなたがサインした契約ですね。となりますと、当然のことながらあなたは百五万ドル入ることを知っている、そのあなたに黙って島田さんだけが、あるいは島田さんを含む航空機の幹部の人たちが、裏金づくりや勝手な資金操作をやったのでしょうか。
  60. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  いま先生の御質問の、百五万ドルがこの何年かあの契約に基づいて入るということを知っておって、それに基づいて私の部下が勝手な資金づくりをやったということについては、まあアグリーメントそのものは、確かに私は代表者としてサインしておりますのですが、それから先の実務及び経理面ということは、どういうふうに入ってきたかということは、この前申し上げましたように、いろいろほかの仕事もずいぶんやっておりますので、最も信頼したベテラン島田さんに実務及び経理の面を、営業に関する経理の面を任しておりましたので、その裏金づくりに使われたというようなことは私の想像もつかなかったというのが実情でございます。
  61. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなたがサインした契約本社経理はどうもそういう追加手数料をもらうことを知らなかったらしい。言うならばあなたが最高の責任者として知っておられる立場にあるのに、そのあなたに黙って勝手に裏金操作をやる、キヨシ・ニシヤマの預金口座をつくる、四十七万ドルもの使途不明金を出す、これは常識的に見て考えられないことです。しかも、あなたは、先ほど、辻社長から注意を受けたときに島田さんに電話でただしたと言うのであります。あなたがサインした契約なら、あなたの責任じゃありませんか。当然のことながらその行方を厳しく具体的な詳細な内容も含めて追及すべきだったのではないでしょうか。それをやらなかったのは何かあなたに事前にかかわりがあったのではないか。相談なり報告なりがあったのではないでしょうか。そう思うのが常識だと思いますが、事実を率直に話してくれませんか。
  62. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  いまの矢田部先生の言われたのは、百五万ドルにおまえがサインしているから当然出の方も厳しく監督すべきではなかったかというお話でございますが、実際申し上げますと、このキヨシ・ニシヤマ——ニシヤマ・キヨシですかのアカウントとか、それから大阪国税局調査による四十七万ドルの使途不明金とか、そういうものは、何度も申し上げましたとおりに全く私にとってショッキングなニュースであったわけでございます。  それで、この前にも申し上げましたのですが、私のところに約一千人の、私は機械関係を飛行機、航空機だけでございませんでやっておりまして、百五万ドルにつまり入金の予定があるのについておまえは知っていたのにそれから先までやっていないのはおかしいじゃないかと、こう言われると、まあそれに対しては直接間接の責任とかいうものは私はあるのじゃないか。したがって、監督不行き届きということで今回副社長もやめそれから代表取締役もやめたわけでございますから、その点を言われますと本当に申しわけないことであったと、こういうぐあいに責任を痛感しております。
  63. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で久保君及び矢田部君の発言は終了いたしました。  次に、黒柳明君
  64. 黒柳明

    黒柳明君 公明党の黒柳明でございますが、再度の御出席ありがとうございます。どうぞお座りください。  いままで証人の方が数人いらっしゃいまして、亡くなられた島田さんのことを私もじかにお聞きしました、人柄あるいは海部さんとの関係を私も調べました。それによりますと、海部さんが一番島田さんのことはよく御存じだと思いますが、非常に明るくて正直な人だったと、こういうふうに聞きましたし、私もみずから調査した結果そういう内容のものは出てきました。ところが、この問題に限りましては、八十五万ドルのことも裏金にしていた、四十七万の使途不明についても全く言わなかった、海部さんから聞かれても。まあどういうふうに聞いたかわかりませんよ、聞き方が鈍かったのかわかりません、全く自発的には言わなかった。聞かれてもさらにそれについては口をつぐんでいたのか。そうすると、海部島田というのは非常に名コンビであると、こういうふうなことも事実だったと思うんですね、社の中においては、飛行機、航空機の売り込みにおいては。そうすると、島田さんというのはこの問題だけに限ってそんなに上司の海部さんに対して不正直だったのか、不誠実であったのか、ほかのことについてはこういうことはなかった人なんでしょうか。いままで海部さんが直属の部下としておつき会いしていて、この問題だけに限ってこういうふうに不正直だったのでしょうか、ほかのことはなかったのですか。
  65. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  いま黒柳先生の御質問の、確かに亡くなられた島田さんは非常に明るいし、それから活発でもあったし、それから航空機ベテランでございましたから、まあ学校もそういう教育を受けておられますし、あったんですが、その問題につきましては、実務とか経理とかそういうものは島田さんにもう全く任せておりましたので、いま黒柳先生のおっしゃったとおりに、もっときつくおまえが質問をすればあるいはもっと詳しいことがわかったのじゃないかと言われましても、私よりちょっと年上でもございますし、まあ航空機のことは全部任せておりましたものですから、そう言われても、いや、私が一切やっているんですからと言われますと、これ以上どうしても追及はできなかったと、それについてはまことに不明であったと、こういうぐあいに思っております。
  66. 黒柳明

    黒柳明君 本社、支社の資金の配分等につきましては、これは当然経営会議で諮られますね。単独で経理本部長とか航空機部長がやるということはないですか。
  67. 海部八郎

    証人海部八郎君) 黒柳先生、資金の配分でございますか。
  68. 黒柳明

    黒柳明君 たとえば、二十万本社にやるとか、百九十八万のうち九十七万、九十七万米国と本社にやるとか、そういう問題については当然経営会議……。
  69. 海部八郎

    証人海部八郎君) これは経営会議と申しますよりも、それはやっぱり営業部長と——全体のやっぱり資金繰りとか、そういうものはやはり財経が見ておりますから、資金の不足のところもございましょうし、それを補てんするというような意味もございましょうから、それはやはり営業部長とそれから財経の方と相談してやっていたのじゃないかと、こういうぐあいに思います。
  70. 黒柳明

    黒柳明君 相談したとしましても、当然これは本社の重役会で了承なり事後に対しての認識なりをしなきゃならない問題じゃないですか。アメリカ日商にどのぐらい資金があるのか、本社にどのぐらい還流されているのか、そういうことはわからないはずはない。本社の重役会としては、やっぱり資金の流れというものは的確に知っていなきやならないのじゃないですか。配分あるいはその計算あるいはその相談等は先に財経本部長がやっている。当然重役会でこれは認識していなきやならない問題だと思うのですが、いかがでしょう。
  71. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  資金の流れとかそういうものにつきまして、重役会で、たとえばいま黒柳先生のおっしゃった二十万ドルがどちらへ持っていくとか、そういう話は重役会には出なかったと思います。
  72. 黒柳明

    黒柳明君 そうすると、航空機部長の山岡さんが三十万ドルの私文書偽造、外為法違反で逮捕されたわけですけれども、百五万ドルの要するに契約の証書をつければ、これは全く外為法も私文書偽造も必要ないわけです。ところが、三十万ドルについては私文書偽造をしてまでもやらなきゃならなかったわけですね、本社還流を裏から表に。それは間違いなく本社も知っていたことじゃないのですか、そういう操作というものを、なかんずく海部さんも。百五万の証書があればこれは問題ないのじゃないですか。それを三十万だけに限ってやらなきゃならない。それには五十五万の使途不明金もあった。四十七万も使途不明だった。そういうものがあるから百五万の証書をつけることができなかった。だから三十万だけを偽造してやらざるを得なかった。これについては当然本社でもこれを知っていたのじゃないですか、こういう仕組みについては。
  73. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  この百五万ドルのうち、三十万ドルについて航空機部長がそういう私文書偽造をやって利益送金をしたということを本社として知っていたのじゃないかというお話でございますけれども、これは私、実はもう何度も申し上げているのですが、もうごく最近になって、今度の事件が起こりましてからそういう説明を受けまして、ですから本社全部がこの問題を知っているというぐあいにはちょっとむずかしいのじゃないかと私は考えております。
  74. 黒柳明

    黒柳明君 先ほども証言がありましたけれども、五十一年のとき島田さんに聞いたら、要するに、そういう不適当なことがあるなら是正しなさいよと、こういま証言されたんですけど、そうすると、山村さんは島田さんに聞いた。それで社長に、八十五万ドルの裏金もあった、四十七万の使途不明金もあった、それについて問いただしたけれども島田さんはがんとして口を割らなかったと、具体的なことを聞いて報告しているんです。海部さんは、先ほど、電話か何かで、不適切なことがあったらただせよと、こう言っただけだとおっしゃいましたが、そこの中で、八十五万とか四十七万とか具体的なというよりも基本的なですよ——もっと具体的な問題があるんです、どう使ったかというのが具体的ですから、基本的な数字なんか当然聞いたり話に出たのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  75. 海部八郎

    証人海部八郎君) 黒柳先生に御回答申し上げます。  いま具体的に四十七万ドルとか八十五万ドルとかについてもっと知っていたのじゃないかとおっしゃるのですが、辻前社長に呼ばれまして、何か不適正なことがあるぞという叱責を受けまして、実は、そのときに、私この問題については全然存じ上げませんと回答を事実を知らなかったものですから申し上げたら、辻社長が、それじゃ君、島田君に十分注意しとけと、こういうたしか非常に短い御注意だったと思います。それで私は帰りまして故島田さんに電話して、一体これはどうなっているんだ、いま社長にきつくしかられたけれども、何かあるのかと、こういうぐあいにお聞きしましたところ、島田さんは、この問題は海部さんは一切関係ないから、自分の責任処理するから黙っていてくれと、こういうことなので、それじゃそれ以上もう追及しなかったというのが、私の記憶をいま一生懸命思い出しているのですが、そういう状態ではなかったかと思っております。
  76. 黒柳明

    黒柳明君 前回証言のときに、百五万のうちの五十万は入金、七、八万はニューヨークの子会社に、あとの金はインドネシア、中近東の入札資格の問題に使ったらしいと島田さんから聞いた、こういうことですけれども、これは今度はお仕事の問題です。島田さんにじかに聞いた問題ですから。いままでのは、島田さんに不適切な点があったら処置しておけよとか、島田さんに聞かなかったとか、こういうことですけれども、今度は島田さんに聞いた、しかも仕事のことであり、相当高額ですね、四十七万ドルですから。このインドネシア、中近東というのはどこなんですか。いつごろどういう形でどんな契約について払われたのですか。これぐらいは上司ですから部下の島田さんから話は聞いたのじゃないですか、このぐらいのことは。いかがですか。
  77. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  上司として、インドネシアとかあるいは中近東の入札資格について使ったというようなことは聞いたはずじゃないかと黒柳先生はおっしゃるのですけれども、私は、そのときには、ただもう辻社長に強くしかられまして、それで島田さんにそう言って、島田さんが、それはあなたもう全然関係ないんだから、私の責任処理する問題ですと、こう言われたのでそれ以上追及しなかった。そして、五十二年の国税の調査のときに初めてこの内容島田さんが書きまして国税へ出した。それを見まして、ああこういうことに使ったのかと、こういう説明を読んだと、これが実情でございます。  まあそういうことを知らないのは非常にけしからぬじゃないか、おかしいじゃないかとおっしゃるのですが、私の方の部門としても、先ほど申し上げましたようにいろいろな、重機械から産業機械から船舶から用材から建設から皆やっておりますので、別に深く故島田さんに問いたださなかったというのが実情でございます。
  78. 黒柳明

    黒柳明君 いまくしくもおっしゃいましたね、国税に届けた、これは水処理の問題で使ったと、こういうことですけれども、山村さんもいわゆるその四十七万の使途不明について聞いたら、先ほどありましたように、言えないと、職を辞してもいいと居直ったわけですね。それほど重要な問題なんです、島田さんにとっては、航空機部にとっては。あるいは海部さんにとってはと私は言いたいんですけどね。重要な問題が、国税の届けには水処理の問題で使ったと。そんな問題が職を辞してまでも言わないという範疇に入りますか、常識的な解釈で結構ですよこれは、常識的な解釈で結構です。どうですか。
  79. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  島田さんが職を辞してでも山村前副社長に言えないと言ったくらいでございますので、私についてもその問題についてはもう全く五十二年の国税のときまでその内容については知らされていなかったというのが実情でございます。
  80. 黒柳明

    黒柳明君 水処理についての問題で金を使ったと国税に届けたと。国会でも国税は言ったんです、そういうふうに届けましたと。これが島田さんが職を辞しても命をかけても言えないと山村さんに反抗し、そして辻社長にバトンタッチした、そんな重大問題だと常識的に考えますかという質問なんです、これは常識論で。
  81. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  それほど重大な問題、職を賭してでも言えないというような重大な問題を常識的に考えて知らないのはおかしい……
  82. 黒柳明

    黒柳明君 そうじゃない、そうじゃない。それは常識的に重大問題ですかと言うんです。国税に届けた、水処理に使ったというこれは重大ですかと言うの。職を賭しても言わない、言っちゃいけない問題ですか。そうじゃないでしょう。重大じゃないでしょう、そんなに。
  83. 海部八郎

    証人海部八郎君) ちょっと常識的にそれほど重大な問題じゃないのじゃないかと、国税に届けるのがと言われるのですが、これは亡くなられた島田さんが山村前副社長にももうそれは職を賭してでも言えないということを言われたということなんですが、これはどうも私としてはもうどうにも解釈のしようのないということを御返答申し上げるより仕方ないと思います。
  84. 黒柳明

    黒柳明君 だから、島田さんは航空機の本部長でしょう。そうすると、インドネシアのLPGや中近東の淡水化とどう関係があったんですか、航空機本部長の島田さんが。
  85. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答を申し上げます。  島田さんは、機械第三本部長として、電機部、それから原子力部、それから建設部、それから航空機と、これを機械第三本部長としてやっておりました。そして私の知っている限りでは、インドネシアの郵電総局の回線か何かの入札の問題はこれは電機部がやっておりました。それから電機部でいまの水処理の問題の方も、それからパイプラインその他の方も電機部の関係でやっておりましたので島田さんがそういう扱いをされたのじゃないかと、こういうぐあいに思っております。
  86. 黒柳明

    黒柳明君 済みません、最後に一問。  結局、先ほどの国税の方でも水処理に使った、どうもそれについて何か重要なことであるかどうかわからない、私は理解できない、そこにやっぱりポイントがあるのじゃないのでしょうか。いまこの証言では言えなくても、必ずや海部さんがその裏金の操作を御存じで、いつかこれを言わなきゃならないときが来るのじゃないのでしょうか、私はこう思うのですが、全く知らないと、知らないからいつが来たってそんなことは知らぬものは言えないのだと、こういう御判断でしょうか。それとも、どうしてもやっぱりいまの時期じゃ言えないんだと、時期が来れば言わざるを得ないときが来るような感じがすると、こう思いますか。
  87. 町村金五

    委員長町村金五君) 黒柳君、時間が参りましたからこれでおとりやめいただきます。
  88. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  いま黒柳先生にそう言われましても、それはわかりませんです。
  89. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で黒柳君の発言は終了いたしました。  次に、神谷信之助君。
  90. 神谷信之助

    神谷信之助君 共産党の神谷でございます。どうぞおかけください。  有森さんの証言で、岸事務所海部さんのお供をしてかばんを持って数回は訪問した記憶があると、数回あると、こうおっしゃった。そして、主として会ったのは中村長芳さん。自分有森さんはその場所には入らないで外でといいますか別のところで待っておった、こういう証言をなさっております。そこで、委員長の方から再尋問をあなたにされました。そうしたら、あなたは、一緒に行ったかどうか記憶がないというようにおっしゃいましたが、否定はされませんでした。ですから、恐らく何回か行っておられると思うのです。この岸事務所訪問の目的は一体何でしょうか。
  91. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  十何年前のことでございますので、記憶に定かでございませんが、岸事務所へ訪問して中村さんにお目にかかったことはございます。その目的は何であったか、もう十何年少なくともお邪魔しておりませんのでわかりませんが、何であったか、あるいは向こうからお呼びがあったのか、何かそれについてはもう記憶がはっきりしておりません。それから、有森君が一緒に行ったような記憶もございますし、それからいま先生のおっしゃった有森君が外で待っていたというような記憶はございません。
  92. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、あなたが中村さんとお会いになっておるとき、お話しになっておるときには、そこには有森さんも同席をしていたということですか。
  93. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  一緒に同席しておったか、あるいは別に廊下で待っておったか、そういうことは記憶に全く定かでございませんので、申し上げられないと思います。
  94. 神谷信之助

    神谷信之助君 有森さんは数回お供をしたと、それから有森さん以外の方も海部さんのお供をして行っておるかもしれぬと、こうおっしゃっています。じゃ相当回数行っておられるわけですがね。記憶がないとおっしゃるのですが、日商の業務と、あるいは航空機販売——航空機を担当されておったんですから、そのことと岸事務所とはどんな関係があるんです。
  95. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  岸事務所航空機の問題とどういう関係があるかと言われるのですが、その問題について関係はございませんと思います。
  96. 神谷信之助

    神谷信之助君 関係がないのになぜお忙しいあなたがしばしば訪れるのですか。
  97. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  いま先生がおっしゃいましたのは、しばしば訪れると言われるのですが、そんなに訪れたというようなことはないと思います。事実それほど、特にまあどんな話をしたか、それからしばしば訪れたというようなことは私はないと思います。
  98. 神谷信之助

    神谷信之助君 中村長芳氏は、一々内容は覚えていないが、FX問題だったような記憶があると、こういうようにおっしゃっていますが、これは否定されますか。
  99. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  中村さんとはもうここ十年以上会っておりませんので知りませんが、FX問題であったと中村さんが言われているようですが、これについては私は全然記憶がございません。
  100. 神谷信之助

    神谷信之助君 記憶がないということであれば、事実があったかもしれないということであります。  その次の問題に移りますが、先ほど政治家への献金などは各本部ごとに出してそれを秘書課でまとめて調整をして社長が決裁する、こういうことですが、機械本部あるいは航空機部として政治献金を、そういうリストを出すということはなさっているわけですか。その記憶はありますか。
  101. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  政治献金につきましては、秘書課で長い間のおつき合いとか、そういうようなもののリストがございまして、それに基づいて、もちろん政治資金規正法ができましてからはもうそのとおりでございますが、その前につきましてもそういうようなリストを秘書課が持っておりまして、それに基づいて社長が決裁して支払うということでございまして、特にこれは全く社長の決裁権限でございますので、われわれがそれについてとやかく言うあれはございませんです。
  102. 神谷信之助

    神谷信之助君 いまは大体そうなっているでしょう。当初あなたが航空機関係を担当されたころの日商岩井の航空機部というのは非常にまだ小さい時期ですね、そういう時期から航空機関係の取引をなさる、その必要上からいろいろな政治家の方やあるいは団体にごあいさつをしなきゃならぬということで申請をするといいますか、そういうことをなさっておるのじゃないかと思いますが、有森証人もいろいろな政治家にあいさつをしたということをこの間証言をされています。そういう点はいかがでしょう。
  103. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  有森君がそういういろいろごあいさつしたということを言っておられるのですけれども、有森君は当時まだ非常に、もう会社をやめて十二年にもなる人でございますし、それから年齢的に申し上げてもはなはだ失礼ですけれども、そういうことを知っているとか、そういうごあいさつをしたとかいう、どういうごあいさつか知りませんが、陳情に行ったのか何か知りませんが、そういうような立場ではなかったのじゃないかと思います。
  104. 神谷信之助

    神谷信之助君 それじゃ、具体的に聞きますが、岸信介さん、松野頼三さん、福田赳夫さん、田中角榮さん、田中六助さん、いま何名かの政治家の名前申し上げましたが、これらの方々への政治献金あるいはごあいさつ、こういうのはなさっておる記憶はありますか。
  105. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  ただいま政治家の偉い方々のお名前を言われましたのですが、この方々に政治献金をした覚えがあるかとおっしゃいますが、これは前の予算委員会でも申し上げましたとおり、節度あるおつき合いで健全な政治の発展のために会社として社長決裁で後援会あるいは支援団体等に出しておることはあると思います。
  106. 神谷信之助

    神谷信之助君 いま申し上げた政治家の方々は、日商岩井にとっていろいろお世話になっている政治家ということでしょうか。
  107. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  お世話になっているというよりも、むしろ健全な政治の発展のために、まあ趣旨に賛同して後援会その他に寄付させていただいていると、こういうことでございます。
  108. 神谷信之助

    神谷信之助君 企業がどぶに捨てるような金を使うはずがありません。  それでは問題を次に移します、時間がありませんから。  前回内藤君の質問に対してF15イーグルですね、これの契約内容あるいは手数料率などについて質問したら、後で報告をするという約束でした。改めてその内容を答えていただきたいと思います。
  109. 海部八郎

    証人海部八郎君) 神谷先生にお答え申し上げます。  この前F15の契約につきましては余り内容を承知しておりませんでしたので、お約束どおり、それから調べましたところ、一九七六年に調印されております。それから手数料につきましてはきっぱりと一・五%と。これはひとつ御了承願いたいのですが、マクダネルの方の御了解は得ておりませんので、やはり企業間のことでございますが、特に先生の御要求でございましたので……。一・五%でございます、それ以外にございません。  それからFMSになり……
  110. 神谷信之助

    神谷信之助君 まだ聞いていませんから、ちょっと座ってください。
  111. 町村金五

    委員長町村金五君) もう時間が参りましたから。
  112. 神谷信之助

    神谷信之助君 最後にお伺いしますが、このF15イーグルについてMDC社の方から手数料あるいは成功報酬で何らかの金を受け取っておられるのかどうか、あるいは受け取っておられるとすれば、その額はどれぐらいか、お答えいただきたいと思います。
  113. 海部八郎

    証人海部八郎君) 神谷先生に御返答申します。  一切まだ一銭もちょうだいしておりませんでございます。
  114. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で神谷君の発言は終了いたしました。  次に、三治重信君。
  115. 三治重信

    ○三治重信君 民社党の三治でございますが、時間がほんのわずかでございますので、中心点のところをお尋ねしたいと思うのですが、各質問者からも、同じ中心点は、社長に言われて八十五万ドルの処理の問題について知らなかったという答えだと、こういうことなんですが、そのときに、社長さんは、先ほどからの話だと、簡単なことだと言われるのですが、ただ簡単に言われるわけはない。山村さんからは相当詳細に社長に言われて、海部さんには、あなたには社長から言ってもらうと、こういうことの証言があったわけですから、社長から言われたことをもう少し正確に全部を言っていただきたいと思うのです、社長さんのおっしゃったことを。
  116. 海部八郎

    証人海部八郎君) 三治先生に御回答申します。  先ほど申し上げましたのですが、五十一年の春ごろだったと思いますので、詳しいことは辻社長はいつも言われない方で、ただ非常に短い言葉で、おまえ何かおかしなことがあるぞと、よく注意しておけと、この程度のことで、そのときに非常に内容を詳しい話は辻社長もお聞きになっておられても私に言わなかったと思います。事実よく、長年辻社長にはお仕えしておりますが、非常に短い言葉でおしかりになるというのがあの方の性格だったものですから、性格というと大変失礼ですが、ことをいつも言われるものですから、それ以上私は承っていないと思います。
  117. 三治重信

    ○三治重信君 それからもう一つ、あと電話で島田さんに事情を聞き、また社長からの注意を伝えたと、こういうことなんですが、その件について電話で一回やっただけで、あとは、島田さんと、社長からの注意の問題について、八十五万ドルの処理の問題の注意について何ら直接会ってお話しするとか、その事情を自分でもう少し島田氏の周辺を調べるとか、そういうことは全然おやりにならなかったのですか。
  118. 海部八郎

    証人海部八郎君) 三治先生にお答えいたします。  お互いに、何といいますか、商事会社としてもう飛び回ってやっておりますので、電話で私はたしか一回しかやっていないと思います。そのときに、先ほど申しましたとおり、この問題は海部さんは御存じないんだから、私が責任を持って処理するんだからということを言われますと、それ以上もう追及のしようがない、こういう状態であったと、いま記憶に一生懸命思い出しておるところでございます。多分、たしかそれに違いないと思います。
  119. 三治重信

    ○三治重信君 しつこいようで申しわけないのですが、いま一つ、そのときに社長から、山村さんがこの前もここで証言されたのですが、アメリカへのセールのときに特別な隠し口座を持っていたということを証言があったわけですが、それは事実出たわけなんですが、少なくともこの隠し口座の、何というんですか、キヨシ・ニシヤマ名義の隠し口座ぐらいは社長から何か言われたのじゃないんですか。
  120. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  隠し口座と申しますのは、三治先生に申し上げますが、本当に平たい言葉で申し上げますと、キヨシ・ニシヤマですか、それを聞いたときには実は私はびっくりしたわけでございます。それはごく最近でございまして、それで一体これはだれだということで、たしか私は一遍それじゃ職員名簿を調べてみようと、それで見たんですが、それもありませんし、これは一体何だということで初めてそれを知ったと、こういうことでございます。
  121. 三治重信

    ○三治重信君 それから後、検察の方の調べや最近になって、いわゆるこの前御証言のRF4Eの正規な手数料のほかに、二百三十八万ドルを受け取るようになった。それにはいろいろの経費がかさんでその不足分としてやったんだと、こういうことなんですが、このサインをしたのは山岡部長さんであることは間違いないですか。この点について、後で、何というんですか十二万ドル払って、あと半々に本社現地で決めると、こういうような経費の使い方については海部さんが指示して、それが経理の方へ回ったと、こういうふうに理解していいわけですか。
  122. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。三治先生にお答え申します。  それはそういう指示は私はしたことはございませんです。
  123. 三治重信

    ○三治重信君 それからあとの二百三十八万ドルの処理で、アンゴラ航空とか、それからカレドニアン航空との売り込みの手数料をもらったように契約書を偽造されたと新聞に出ていましたね、事実はどうか知りませんが。こういうふうになると、お話ではまたおたくの方がいままで関係した、商売のことでスポットでも関係した会社だと。しかし、こういうことが出て、にせの契約書だということになると、これは相手の会社側との関係で非常にまずいことにもなるし、こういうにせのやつで表面をごまかすというような商売をするのは、これは大きな商慣習上からも、普通は余りないことじゃないかと思うのですが、どういう事情でこういうふうなにせの契約書ができ、つくられたわけですか。
  124. 海部八郎

    証人海部八郎君) 三治先生に御回答申し上げます。  まあにせの契約書とかにせのアグリーメントをつくるなんということば、まあこれはまことに、何と申してみましても申しようがない非常に不愉快なことでございまして、そういうことは、非常に何とも、この場で何と申しますか、だれがやったにせよ、非常にもう何とももう説明ができないぐらい残念なことでございます。
  125. 町村金五

    委員長町村金五君) 時間が参りました。  以上で三治君の発言は終了いたしました。  次に、青島幸男君。
  126. 青島幸男

    ○青島幸男君 第二院クラブの青島幸男でございます。  まず、四十七万ドルの使途不明金について辻社長から島田氏によく注意しろというおしかりを受けたということをいま伺いましたけれども、よく注意しろということとよく調査しろということとは私は違うと思うのですけれどもね、意味合いが。ということは、社長の職責から言えば、よく調査して報告しろと、こういうことだったと思うのですけれども、いかがでございましょう。
  127. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  青島先生に御回答を申し上げますが、よく注意しろというのと調査しろというのが違うのじゃないかと、社長の命令は調査しろということじゃなかったかとおっしゃるのですが、私は注意しろというぐあいに聞いたような記憶がございます。したがって、島田さんにも何か不適切なことがあるんじゃないかということを注意を促す、注意したということでございますので、そこら辺のところはどういう言葉をお使いになったか、いま記憶にございませんです。
  128. 青島幸男

    ○青島幸男君 いずれにしても、あなたは島田さんにそのことを問いただして、そのあげくに社長報告する責任がおありになったのじゃないでしょうかね。ということは、あなたはその時点ですでにもう熟知しておられたのじゃないですか、この問題は。
  129. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  青島先生に御回答申し上げますが、その問題について熟知していたのじゃないかとおっしゃるのですが、この問題については、島田さんにそれを問い合わしても、あなたは一切これは関係ないんだからということを、いつもそういう言葉を使った人なんですが、言われたので、それ以上私は追及しなかったというのが私の記憶でよみがえっておるのでございますが、実際に詳しい話は故島田常務から私は聞いておりませんです。
  130. 青島幸男

    ○青島幸男君 大商社の責任あるお立場の方としては、とてもちょっと心外な感じがするんですけれども、島田さんとは大変に親しい間柄でおいでになったということでもありますし、先だって山村さんがこちらへおいでいただいたときに、航空機部の金があなたの御存じないうちに中近東工作費に流用されるというようなこと、このこと自体おかしいし、これはあなたが御存じなくて島田さんの一存でやれる問題ではないというふうに明確におっしゃられたのですけれどもね、その点どうお感じになりますか。
  131. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御返答申し上げます。  青島先生に申し上げますが、ただいま少し前に申し上げましたのですが、この機械第三本部長を島田さんがやっておられまして、その管轄に中近東関係それからインドネシア関係仕事をしておりますので、私が聞いておりまして、まあ後この件が起きましてから聞きました事態では、島田さんがこの管轄をして、自分の直轄の電機部その他の方にこの資金を流用したと、そういうぐあいに聞いております。それについて、これは機械第三本部長から私の方についてはそういう報告はなかったのではないかと、なかったと、こういうぐあいに記憶しております。
  132. 青島幸男

    ○青島幸男君 有森さんの証言にも山村さんの証言にも、会社の機構自体でそういうことはちょっと考えられないと、こういうふうにおっしゃられておりますので、その点私は大変疑問に思うのですけれどもね。  それからもう一つ、先ほどのお話に出ました岸事務所を訪れたときはFXの話は出なかったと、そういう御記憶だとおっしゃられるのですが、当時、有森氏は航空機部の課長代理だったわけですね、航空機部の課長代理を伴って岸事務所を訪れるということは、当然航空機の話に関与してのお話が出るのじゃないかとわれわれは思うのですけれども、御記憶を思い出していただけませんか。
  133. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  有森君が課長代理になったのはいつか記憶しておりませんですが、有森君は飛行機はやっておりましたけれども、まあそれで有森君が私について岸事務所へ参ったということで、それが必ずしもFXというような問題に続くかどうか、それについての私は定かな記憶はございませんです。よく有森君は私についてあっちこっちいろいろ行っておった記憶がございます。
  134. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で青島君の発言は終了いたしました。  次に、円山雅也君。
  135. 円山雅也

    ○円山雅也君 あと五分でございますので、お疲れでしょうけれども、御協力をお願いします。  航空機の売り込みの商戦というのは大変競争が激しいと聞いております。しかし、衆議院、参議院、本日も含めまして三回のあなたの御証言を聞いておりますと、何かこの日商岩井の担当重役さんは寝転んでいても簡単に取引ができるような印象を受けるんです。と申しますのは、売り込みに当たりましても、特に買い主側日商岩井の場合は、国とか防衛庁の要人とかに積極的なアプローチはされておらないようだし、それから今度はお金の取り立て——利益のですね、取り立てについても営業証人は御存じない。経理に聞くと経理も知らない。ひとりでに金が入ってくる。何か航空機の売り込みというのは、そんなに簡単に寝転んでいてもできるものなんでございましょうかね。
  136. 海部八郎

    証人海部八郎君) お答え申し上げます。  ちょっと申しわけないのですが、航空機の売り込みというのは、そんなに、寝転んでもできるのじゃないかと言われるのですけれども、これは前に証言申し上げましたのですが、国、それから防衛庁、あるいは日本航空、全日空ですね、まあそのほか東亜国内さんもございますが、航空機の売り込みが、寝転んでもできるというのじゃなくて、もうこれは、ちょっと、どう申したらいいのでしょうか、前にも申し上げましたのですが、世界で一番よく飛んでいる飛行機、ということは、要するに一番売れているという飛行機ですね、その代理店を取れば、寝転んでいるという言葉はちょっとあれなんですが、もちろん、技術的説明とか、それから仕様とか、あるいは宣伝も要りますし、それからわれわれは素人ですから技術屋さんのいろいろな意見も聞かなくちゃいけないし、こちらの情報も提供しなくちゃいけないということで、私は元来が機械関係、特に船舶をやってまいりましたものですから、どうしていいかわからなかったときに、ともかく世界じゅうで一番売れている飛行機、飛んでいる飛行機を、言葉は悪いのですが担いで売れば、まあいいものは皆さん世界的に認められているものでございますから、そのほかあとの部品の供給が世界じゅうどこでもやれる、特に商業航空機の場合には部品の互換性、それが直ちに行われるということが最も重要なことでございますので、最も売れている飛行機を担ぐと言うと語弊がございますが、扱うということがうまくいく方法であろうと、こういうぐあいに思っております。したがって、非常にわれわれとしましてはラッキーと申しますか、そういう点については非常に恵まれたと、こういうぐあいに御回答申し上げるより仕方がないと思います。別に寝転んでいるわけではございませんですから。
  137. 円山雅也

    ○円山雅也君 それではちょっと角度を変えますけれども、ダグラス社のRF4Eの売り込みに関しまして、事務所経費として二百三十八万ドルが入金されることになった。これに関しまして、証人は、私はタッチしていないとか、逮捕された担当者が経費もかかったから追加請求し事務所経費でもらったんだと聞いておるというお答えでございました。しかし、証人は御存じのとおり、アメリカというのは商売は大変シビアでございますね。根拠もなくてお金を出すはずがない。そのアメリカのダグラス社が、一介の担当者からのそんな請求でもって、正規の手数料、つまりダ社の場合は正規の手数料の四倍以上になりますね、それから日本の手数料の十倍以上、そんなお金を簡単に払うものでしょうかね。それに見合う特別な働きを日商岩井が何がしたから、だからこそそういう追加のものが出たのじゃないでしょうか。どう思われますか。
  138. 海部八郎

    証人海部八郎君) 御回答申し上げます。  そういう追加のものが出たという事情はございませんです。私の知っている限りにおいては、そういうのはなかったと思います。なぜアメリカのメーカーが非常に計算のシビアなところがそういうのを出したかと申しますと、私の聞きました報告によりますと、これは主契約者として、日米の法規上の相違、それから予算制度の相違、それからいろいろ保証の問題、それからあと契約解除に伴うペナルティーとか、それからもちろん為替の問題もございますのですが、いろいろな契約上のリスクがある、それにしかも相当なこれは専従者を置かないとこの仕事はできないということで、何か長いことかかってつまりいまの会社収益に上がりました特別な口銭というものを交渉して、マクダネル・ダグラスの方ではそれをオフィスエクスペンスという項目で処理して、そして私の方にはそれが会社収益として入金していると、こういうことでございまして、実はこの前にも申し上げたのですが、幸い為替リスクの問題はなくて済んだのでございますけれども、ことによると莫大な損害をこうむるというおそれがありまして、最後の最後までこれを、故島田常務報告によりますと、やるかやらないかどいうことについてはもめたと、こういうぐあいに私は聞いております。そういう事情でございます。
  139. 町村金五

    委員長町村金五君) 円山君、時間が参りました。以上で円山君の発言は終了いたしました。  本日、海部証人は、去る三月十九日の本委員会における証言を訂正されましたが、本件の取り扱いにつきましては理事会において協議いたします。  これにて海部証人に対する証言聴取は終了いたしました。  海部証人には長時間にわたりまことに御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。  午後一時から委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩      —————・—————    午後一時二分開会
  140. 町村金五

    委員長町村金五君) 予算委員会を再開いたします。  昭和五十四年度総予算三案を一括して議題といたします。  昭和五十四年度総予算に関し、外国航空機購入予算問題について、辻良雄君から証言を求めることといたします。  まず最初に、委員長から確認をさせていただきます。  あなたは辻良雄君御本人ですか。
  141. 辻良雄

    証人(辻良雄君) さようでございます。
  142. 町村金五

    委員長町村金五君) どうぞお座りください。  一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御繁忙中のところ本委員会に御出席いただき、まことにありがとう存じます。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。  証言を求めるに先立ちまして、証人に申し上げます。  議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただきます。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、次の場合に限られております。  証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族、または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、並びに医師歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実で黙秘すべきものについて尋問されたとき。  以上の場合以外は、証人宣誓または証言を拒むことができません。  正当の理由がなくて証人宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられます。  また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  なお、今回の証人喚問についての当委員会理事会決定事項については、すでに証人には文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。  その第一点は、証人随伴者助言を求めることが許される場合についてであります。  すなわち、証言は、証人がみずから知り得た事実を証人自身記憶により申し述べるのが原則でありますが、証言を求められた事柄が議院証言法証言を拒否することが認められている事項に該当するかどうか確認しようとするとき、その他委員長がこれを中心として判断し、許可を与えるのを相当としたものについては、証人随伴者助言を求めることができます。これらの助言は、いずれもその都度証人委員長にその旨を申し立て、委員長許可が得られた後に認められるものであります。  その第二点は、資料についてであります。  証人は、すでに御通知いたしましたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。  その第三点は、証人メモをとることは認められておりません。  その第四点は、随伴者についてであります。  随伴者は、委員会では発言することはできませんが、メモをとることは許されます。  また、随伴者は、証人委員長許可を得て助言を求めた場合は助言することができますが、自分の方から証人に対し助言することはできないこととなっております。  以上の点を十分御承知願います。  それでは、法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。  全員起立を願います。   〔総員起立
  143. 町村金五

    委員長町村金五君) 辻良雄君、宣誓書を朗読してください。   〔証人は次のように宣誓を行った〕      宣誓書  良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又  何事もつけ加えないことを誓います。              証人 辻良雄
  144. 町村金五

    委員長町村金五君) 宣誓書署名捺印してください。   〔証人宣誓書署名捺印
  145. 町村金五

    委員長町村金五君) 全員御着席ください。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際はその都度「委員長」と呼んで許可を得て御発言なさるようにお願いいたします。  なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際は起立されて御発言をお願いいたします。  この際、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等議事進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。  それでは、お手元の質疑者名簿に従い順次発言を許します。井上吉夫君。
  146. 井上吉夫

    井上吉夫君 大変御苦労さまです。自民党の井上です。  まず、ボーイング社にかかわります百五万ドルの関連でお伺いをしたいと思うんですが、東京地検は日商岩井関係者二名を逮捕しておりますが、その逮捕事実の一つに、日商岩井がB747SR七機を日航に売り込んだことにより、ボーイング社から受領した追加手数料百五万ドルの一部の三十万ドルに関するものが挙げられております。  前回海部証人あるいは山村証人等から十九日並びに二十二日に証言をいただいたわけでありますけれども、その結果によりますと、この百五万ドルのうちの二十万ドルは日商岩井の利益に計上されており、残り八十五万ドルはカリフォルニア・ファースト・バンクのキヨシ・ニシヤマの架空名義口座に預金してあったということは事実のようでありますが、当時、社長であられました証人は、このような裏預金があったことを御承知でございますか。  なお、海部氏は、この東京地検の逮捕事実にある百五万ドルのうちの三十万ドルについて、二のことは島田氏がやったことであって、私は知らないというようなことを証言しておられますが、このアグリーメントは海部氏がサインをしておられるわけでありますので、当然にその契約に基づく入金等については深い関心を払って、間違いなく会社入金されたかどうかということについては、これは管掌役員としての総括的な責任ということから考えても、当然にその入金の模様等についてはそのたびごとに、逐一ではないにしても、責任があるところでありますから、御承知あったのではないかという気がするわけでありますけれども、このあたりについて証人はどういうぐあいに理解をしておられますか。
  147. 辻良雄

    証人(辻良雄君) この当時、百五万ですか、これの受け取るべき金、これについて職務海部君は承知すべき立場にはございますが、彼自身の仕事の量から見ましてあるいは知らなかったということが言えるかもしれませんが、これは一般的な仕事に対する責任者というものに対する私の考えを申し上げた次第でございます。  もう一つございましたが。
  148. 井上吉夫

    井上吉夫君 結構です。  山村謙二郎さんの証言によりますと、山村さんがこのことを知られたのは昭和五十一年、ヨーロッパからアメリカを回って帰ってこられるときに、このことを聞かれまして、いろいろ調査をしたところ、八十五万ドルのキヨシ・ニシヤマ名義による口座があった。すでにその残金はおおよそ三十八万ドル程度しか残っていなかった。そこでその三十八万ドルについては早急に正式に本社の利益の方に計上すべきであり、その処置を早急にやるようにということと、あわせて八十五万ドル引く三十八万ドル、四十七万ドルの使途不明金についての内容をいろいろ島田氏に問いただしたけれども、内容がどうもはっきり納得するような説明を受け得なかった。私のところで役員である島田さんにいろいろ問いただすにはおのずから限度があるので、そのことを一切当時の辻社長に御報告をして、そして社長の手元で裁断をされるというか、取り扱われるように進言をしたという旨の証言がありました。  そのときに、島田氏から辻さんはどういう説明をお受けになりましたか。そしてその説明について、辻さんは、内容説明を受けながら、正当なものというようなことで納得されたのかどうか、お伺いをします。
  149. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 時日、つまり月日の点につきましては正確な記憶がございませんが、たしか、しかし五十一年の二月か三月ごろであったと記憶しますが、山村君から本件についての概要を承りました。ただ、多少私の記憶が、その後承った事実と当時山村君が私に話してくれた事実といろいろと問題を繰り返しておる間に、混同が生じてまいりましたが、ただ申し上げておきたいのは、特別口座といいますか、架空口座というものがあるということは、当時、彼が私に申したのははっきり記憶しておりますが、ニシヤマ・キヨシという名前につきましては、承知したのは最近のことのように記憶いたします。  それから金額のことにつきましても、当時の説明、恐らく山村君の説明は、彼自身の記憶の方が正しいと思いますが、詳細については当時どういう金額を言うたかということは現在の私は正確には記憶いたしておりませんが、しかし、四十七万ドルという金額と、何か三十八万ドルという金額ですか、これについては承ったように記憶いたしております。  それから島田君につきましては、たしか彼を呼びまして、余り詳しい話はせずに、そういう事実、つまり金を——裏金と申しますか、当時の言葉は正確には覚えてませんが、要するにおかしな金の使い方をしておるじゃないかと、特に別口座をつくるというのは何事かというようなことで彼を詰問した覚えがございます。  それと、この四十七万円の使途、これについては、これはああいう、どう言いますか、海外における入札資格資金とかなんとかというようなのは証拠書類がついてなければいけない性質のものではございますが、往々にしてそういうこともあるように聞いてます。  したがいまして、彼の言うことが考えようによれば正しいとも言えますし、そうでもないと言えますし、山村君は財経の立場でもって、どう言いますか、管理監督といいますか、というような立場でもってかなり批判的に金の動きを見ておりますが、私としましては、それまでの島田君の仕事ぶり等から見まして、あるいは彼の言うておるのが正しいんではなかろうかというふうな判断もいたしましたし、結論、確たる証拠もなしに正しいとも正しくないとも判断しかねたような状態でございました。  以上でよろしゅうございますか。
  150. 町村金五

    委員長町村金五君) ちょっと、いま四十七万円とおっしゃいましたが、四十七万ドル……。
  151. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 失礼いたしました。混同いたしておりますので。
  152. 井上吉夫

    井上吉夫君 ただいまの御証言によりますと、四十七万ドルの使途不明金については、証人のただいまのお話では、どうも内容については細かく解明されないまま、それで終わったような印象を私は受けました。  新聞報道にも、あなたが社長退任の記者会見において述べられたと報道されておりますが、この四十七万ドルについては調べたが疑惑はなかった、仮に誤解を受ける点があったとしても個人的問題で、会社とは無関係というぐあいに述べられておるという報道がありました。  で、私は、四十七万ドルという金額はかなりな金額でありますし、そしてまた、この四十七万ドルと、後で三十八万ドルの処置をする際に、これは私文書の偽造等があったわけでありますけれども、一応、三十万ドルは会社入金されたが、うち八万ドルは米国日商の方に移されたために、これは正当な権利義務関係があるわけでありませんから、税務上は否認をされて、そして四十七万ドルとの合計五十五万ドルが結局経費として認定されなかった。したがって、この五十五万ドルに対しては後で課税の対象になって、しかも重加算税がかかった。実効税率四割としますと、五十五万ドルに対する税額はおおよそ二十二万ドル、それに加えて三割の重加算税でありますから、六万六千ドルが税金としてかかったわけであります。もしこれが最初から正当な経理がされておって、しかもその使途に疑惑がなく、当然に正しい使い方がされたとするならば、いま申し上げました重加算税等合計いたします二十八万六千ドルは税金を納めなくてもよろしかった金額ではないかというぐあいに思うわけであります。  で内容が、これほどの事件が具体的に解明されないままに置かれたということは、いささか私は責任者としての処置として欠けるところがあるのではないかと思うんですが、いかがでしょう。
  153. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 最初の、疑惑がなかった、あるいは疑惑を解明したが疑惑がなかったという問題と、それからいまの四十七万ドルの問題、これは直接の結びつきはないように私思いますが。といいますのは、疑惑云々、疑惑解明云々の問題は、たしか私が社長交代のときに言うた言葉を引用なすっておるんじゃなかろうかと思うんですが、そのときは、一般的な問題として、私、記者会見でそういうふうな言葉を述べた記憶がございます。それと、いまの四十七万ドル使途云々、これとの直接のかかわりはないのじゃないかと、かように考えますが。  それから、もう一つの御質問は何でしたか。
  154. 井上吉夫

    井上吉夫君 その四十七万……
  155. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私の責任問題。——御指摘のとおり、いま振り返ってみますと、少なくともこういう事実を最終まで解明せずに置いておったということは、社長として、少なくともいまにおいては非難をこうむるもやむを得ないと。しかし、当時の事情といたしまして、これは彼の、島田君の上司である海部社長に、一応の指示といいますか、監督といいますか、当時の言葉も、これも私余りはっきりした記憶ないんですが、一応彼にこの問題を取り上げるように指示したようなわけでございますが、しかし、事の最終的な責任は、当然、社長の私にあるものと考えております。
  156. 井上吉夫

    井上吉夫君 山村謙二郎さんから報告を受けた当時の辻社長は、四十七万ドルについて、当然に島田さんからいろいろお聞きになってお調べになったと思うんですが、そのお聞きになった内容と、それによってわかった内容をお聞かせ願いたい。  同時に、このことについて、あなたは、島田さんのさらに直接の上司であります海部八郎さんにはどういう質問をされ、あるいは海部さんにはどういう指示をなさいましたか。
  157. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 島田君とのやりとりについては、いまのところ、どうも正確には記憶いたしておりませんが、これは後で私の頭に入ってきたとも言えるかもしれませんが、要するに、インドネシアにおける、何ですか、電信総局か何かいうような言葉、それからもう一つは、中近東における淡水化装置の入札資格の問題とかというような説明がございましたが、それ以上に、私が、それはその取引がどんなものかというようなことにつきましては深く追及しなかったと記憶します。  で、この問題につきまして、いつでしたか、いつごろかということは正確に覚えていませんが、海部君に、何かお互いに旅行その他でなかなか会う機会もなくて、私の部屋に呼び込んだですか、とにかく彼にたしか私の言ったのは、君は、島田君が手数料処理についておかしな処理の仕方をやっておるようだが君は知っとるかと、たしかそういうふうな私は物の言い方をしたと思うんですが、で存じません、知りません、まあとにかくそういうふうなやりとりで、で知らぬじゃ困るから、君、よく——たしか事情を聞いてよく監督してくれよというふうな表現で、彼に指示と言うていいか、連絡——連絡じゃないでしょう、まあそういうふうな言葉で彼に注意したことを記憶いたしております。
  158. 井上吉夫

    井上吉夫君 海部さんの証言によりますと、キヨシ・ニシヤマの口座が開設されて、そっちの方に先ほど来申し上げております金が入金されていたということを知ったのは、ずうっと後であるということでありますけれども、証人のいままでの御証言から通して考えますと、山村謙二郎さんから辻社長に、個人名義の口座に百五万ドルに関連する金が入金されている、そのうち四十七万ドルについてはどうも使途がわからないというようなことなどの報告があったわけでありますから、そのことを受けて、あなたは、島田氏にもそのことの説明を求め、管掌役員、上司であります海部氏にも、そのことについて、どうも正当でない扱いがあるようだから、厳重に注意せいというような意味のことを言われたということであります。  そこで、キヨシ・ニシヤマという名前の口座であるかは別といたしまして、海部さんも、この個人名義で、正当でない扱いにおいてカリフォルニアのファースト・バンクに預金をされているというそのことを知られた時期は、あなたと同じ五十一年の春の時点、山村さんからあなたに報告があった時点と同じ時期に、その事情は知られたと考えてよろしゅうございますか。
  159. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私は、海部君にこのニシヤマという——当然、私も、その当時ニシヤマという名前は聞いてなかったと思います。別口座が云々と彼に言うたかどうかも記憶は定かでありませんが、まあ彼の立場から見て、私の彼に対する言葉、それをベースとして、当然、彼は島田君に質問、詰問、何かのアクションを起こしておるべきはずだと、かように判断いたします。これは判断の問題です。
  160. 井上吉夫

    井上吉夫君 あなたは、海部八郎さんに先ほどお述べになりましたような指示をされた。そのときに、島田君に注意するようにというような指示をされて、その後十分調査をして処置をすると同時に、その処置の経過等も含めて報告をせいというような指示はなさいませんでしたか。
  161. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私は、そこまで言ったかどうか、はっきりした記憶を持っておりません。
  162. 井上吉夫

    井上吉夫君 最後に、四十七万ドルが、結局、実質上、いわば正当に経理されずに裏金として個人口座に組み入れられたという感じがするわけでありますが、その内容に問題があるだけでなくて、いわば本来会社に正当に経理されるべきものを個人口座に振り込むなんということは恐らくは会社としては許されないことだと思うんですが、私は、その一言をもってしても、当然に適当な処分を必要とするものであり、何らかの処置を、同時に、明らかにその使途が明確になっていないものについては、これはできるだけの証憑をそろえてその使途、明細を明らかにする必要があるというぐあいに会社としては処置すべきだと思うんですが、いかがでしょう。
  163. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 御指摘のとおりでございます。それで、島田君の場合は、たしかこれは自分の責任でやったんで、これについては私はいかような処分を受けてもやむを得ませんというような言葉があったと思います。それについて私は強く譴責しておいたわけですが、この問題につきまして、昨今のように非常に問題が大きくなり世間をお騒がせしておる、そういう意味合いにおきまして、当時、私どものとった処置、これはきわめて不満足であったという御指摘、これは私も受け入れざるを得ない、かように思います。
  164. 井上吉夫

    井上吉夫君 ありがとうございました。
  165. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で井上君の発言は終了いたしました。  次に、瀬谷英行君。
  166. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 社会党の瀬谷でございます。どうも御苦労さまです。  いまの話の続きになりますが、検察庁筋から事情の聴取などをお受けになったことがございますか。
  167. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私にでございますか。
  168. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 はい。
  169. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私にはございません。
  170. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 いままでの、たとえば午前中の海部証人に対する質疑がございましたけれども、テレビ等でごらんになりましたか。
  171. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 拝見いたしました。
  172. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 それでは、余り細かい話はしなくとも筋道については御承知のことだと思いますので単刀直入にお伺いいたしますが、午前中に海部さんが言われた問題、これは辻社長から呼ばれて手数料の問題があるということを指摘をされ、注意を受けた、こういう意味のことをおっしゃっています、そして島田さんに話をしたと。ところが、島田さんは、これは自分の責任処理をする、あなたには関係がない、こういうふうに言われたと、こういうことになっているんです。  そこで、社長であるあなたに、じゃ島田さんの話はどういうふうに伝わっていって、答えられたのか。つまり、あなたは社長として、海部さんを通じて、島田さんにおかしなことがあるんじゃないのかと、聞いておけよと注意をされたわけでしょう。それに対して答えが返ってきたわけでしょう、海部さんを通じて。その答えは返ってきたのかこなかったのか。返ってきたとすれば、どういうお答えが返ってきたのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
  173. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 答えは返ってきておりません。
  174. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そうすると、海部さんは、社長から言われたけれども、その言われた事柄について島田さんと話をしたが、どんなことだったのかという詳細を社長であるあなたには報告をしてない、こういうことになるわけですか。
  175. 辻良雄

    証人(辻良雄君) さよう御了解願いたいと思います。
  176. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 山村さんは、この委員会における証言でもって、こういうことを言っておられますね。相当言葉鋭く迫ったんでございますが、職を辞すというような、最終的などう言いますか、言いたくないことでございますが、居直り的といいますか、そういうことになりまして、それ以上の追及はできなかった。これはやはり社長に付託すべきであるということで報告社長にしたわけでございます。こういうふうにおっしゃっているわけです。  辻社長は、そのお話を聞いたから、海部さんに、これは島田さんに当たってくれ、調べてみろ、こういうことをおっしゃったんでしょう。それに対して答えがないで、そのまま済ましておいていいようなものとお考えになったのかどうか、その点をお伺いしたいと思うんですが。
  177. 辻良雄

    証人(辻良雄君) いまの御指摘に従うと、当然、彼から答えが返ってこなければいけない問題ですが、彼にしましても私にいたしましても非常に多忙な身でございまして、私もこの問題を取り上げて彼に話したにしろ、日常いろんな仕事に追われまして、日が次々に延びてきたわけですが、忘れると言うと非常に大変な言い方になりますが、そうじゃなくして、まあ取り上げる機会がなかったと申し上げたがいいのではなかろうか、かように思います。
  178. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 忘れるわけではなかったけれども、取り上げる機会がなかったというと、やっぱり結果的には忘れたようなことになってしまったんですね。  そこで、ちょっと図に書いて見たんですが、辻さんと海部さんと島田さんと山村さん、この関係は、山村さんの方が島田さんにいろいろと聞いてみたけれども、どうも要領を得ない、怪しい、おかしいなと思ったが、そのことはほっちゃおかれないというので辻さんの方に報告をした。これはいいですね。そこで、辻さんが、これはほっておかれないというんで海部さんに今度は話をした。そしてこれは何かおかしいぞ、だから調べてみろ、こういうような意味のことをおっしゃった。そこで今度は海部さんが島田さんに当たった。島田さんに当たったけれども、その答えは海部さんどまりで辻さんのところには戻ってこなかった、こういうことになるわけですか。
  179. 辻良雄

    証人(辻良雄君) ただいま御指摘のとおりだろうと思います。
  180. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そこで、この金額はいままでいろいろとお話がございましたけれども、非常に多額のお金ですよね。裏金といいますか使途不明金といいますか、こういうお金が今度は島田さんの手元にあって、それがどういう使い方をされたか具体的には副社長海部さんにも社長の辻さんにも報告がされずに処理をされてしまった、こういうことになるわけですね。   〔委員長退席、理事岩動道行君着席〕
  181. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 使途不明金と、こうおっしゃられるんですが、取り扱いとしましては、証拠物件は十分そろっておりませんが、とにもかくにも入札関係で使っておると。そうでないという確証もございません。さすれば、一応これは島田君の言う言葉を信用して、そして入札資金その他に使われたものと了承せざるを得なかった状態でございます。
  182. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そうすると、これは一万円や二万円のお金じゃないんですよね、けたが違うわけです、億の金ですよ。億のお金が社長も知らない、副社長も知らない、それから経理担当の山村専務も知らない、島田常務だけが勝手に使えると、会社の組織としては、そういう機構、組織になっているんですか。
  183. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 組織あるいは制度から言えば、金の出入りにつきましては、これは財経が担当すべきであって——処理でございます、処理は。もちろん現実に払いに行くとか、金を受け取りに行くとかということは営業でいたします。   〔理事岩動道行君退席、委員長着席〕 で、一たん入った金を出す場合には財経が担当するわけでございます。したがいまして、こういう、いまおっしゃったような別口座をつくって云云というようなことは、適当な、当を得た処置ではない、かように御了解願います。
  184. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 この種の架空口座ということでありますが、架空口座の有無、架空口座があるかないか——架空口座ということをさっきおっしゃいました。キヨシ・ニシヤマといったような話も出てきましたがね、この架空口座のあることを御存じだったのか、御存じなかったのか。聞かれたならば、どういうルートを通じて聞かれたのか、その点をお聞かせ願いたいと思うのですが。
  185. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 最初に聞きましたのは山村君でございます。
  186. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 キヨシ・ニシヤマというようなのは最近聞いたというお話でございましたが、その当時は架空口座ということだけで、どういう名義であるかということは知らなかったとおっしゃるんですか。
  187. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 架空口座というような名前で呼んだかどうかは確かでございませんが、要するに別の口座であったと。しかし、キヨシ・ニシヤマですか、こういう名前を聞いたのは、今度の事件が表面化して、たしか衆議院で取り上げられたときに初めてその名前を耳にしたように記憶いたします。
  188. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 ちょっと私どもには理解しにくいところがあるんですけれども、その職務権限表によれば、日商岩井のですね、契約についての金額でも、部長の場合あるいは本部長の場合、管掌役員の場合と金額のランクがあるわけです。そういうふうに厳しくランクがあって契約をするようになっておる。しかし、契約はするけれども、今度ふところに入った金の使い方になると、裏金あるいは表金、手数料が、たとえばボーイングなんかの場合、表と裏でずいぶん入ってくるようになっているわけでありますけれども、その裏金の操作というものは、そのサインをした当事者にわからない、たとえば副社長社長報告を聞いてない、こういうふうにして済まされてしまっているわけです。その点がちょっと不思議に思うのですよ。  それで、裏金というのは、極端に言えば、領収証も要らない、監査も要らない、税務署に届ける必要もないといったような金と、こういうふうにも解釈のしようによればなるわけです。その点は、会社とすればチェックをしないで済ませられたのかどうかですね、その点どうも腑に落ちないんでありますが、その使い道はどういうのに使われたかということは、じゃ具体的には証拠書類も何もなければわからないということなんですか。それは島田さんの言い分を信用するというだけのことであって、しさいな内容についてはわからないということなんですか。
  189. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 会社に入ってくる金が表の金と裏の金と二通りあるという御指摘は、これはちょっと納得いかないんでございますが、入ってくる金は裏も表もなく当然入ってこなきゃいかぬ。ただ、担当者が自分の地位を利用して表に出さなかった、これが裏金と言うべきだろうと思うんです。で、この場合、島田君はたしか営業本部長でございましたか、ですから、かなりの権限を持っておるわけでございます。したがいまして彼が自分の仕事の範囲内において金を動かそうと考えた場合に、正当と思われる書類をそろえて財経の方に持ってまいりますと、恐らく財経はそれに従って金を出すだろう、出すべきである、かように考えます。  ただ、今度の場合に、財経に金を出さずに、自分の方で別口座の預金をつくった、これが架空口座と先ほど言われておるわけなんですが、で、われわれとして問題にすべきは、四十七万ドルのこの使途、これは善意と言うと語弊がありますが、入札資金として正当に使われたという彼の主張もある程度までわれわれとして正しいものとして——正しいというのは彼の言っていることが間違いのないものと、かように考えてやらなきゃならないという点がございますが、問題は、そういう金を出すのになぜ裏金として処理したかと、私は、その点をきつく追及したわけなんでございます。
  190. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 追及はしたけれども、内容はわかったのか、わからなかったのか、その点はどうなんですか。
  191. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私といたしましては、一応当時の彼の説明で納得せざるを得なかった、かように考えます。
  192. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 内容がよくわからないけれども、納得せざるを得なかったと、こういうことですか。
  193. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 内容がよくわからなかったでなくして、この内容につきましては、社長の私として一々取引の具体的な細かい点まで追及するわけじゃございませんので、それまでに報告のあった点あるいは彼の言葉を一応信用いたしまして、そしてオーケーしたわけでございます。オーケーしたと言うと語弊がございますが、一応それで納得せざるを得なかったということでございます。
  194. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 日本の円に換算して億になるような大金が、その詳細な使い道を副社長にも社長にも報告をしないで、処理できるということは、これはずいぶんまあいいところだなあと思われますよ、それは。だけれども、これはそんなことができるということになりますと、たとえばそのお金を使って政府高官なり、特定の政治家に渡したりすれば、これは贈収賄、渡すふりをしてふところに入れてしまえば背任横領になってしまう。どう転んだって、使った以上はこれは問題になるわけです。それらのチェックが会社の機構として不十分だったのかどうか、この点がやはり世間の人の常識から言うと非常にわかりにくいところですね。それはいまの証人のお話によると、了解せざるを得なかったというふうなお話なんですけれども、なぜその億の単位のお金の使い道の詳細が了解せざるを得なかったということでもって処理されるのか、その辺をわかりやすく説明していただけませんか。
  195. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 御指摘のとおり、証拠書類が全部そろっておればこれはもう問題ございませんが、往々にして、発展途上国での仕事につきましては、いろんな協力費とかなんとかということで領収証の取れない取引もあるやに聞いております。そういう点を考慮いたしますと、領収証がないからこれはもう不正な使い方をしておるのだ、横領である、あるいはいまおっしゃったように政治家に流れたんじゃないかという結論をすぐに出すということは、やっぱりいやしくも取締役という立場にある男がさようなことをやるとは考えられない、かように思う次第でございますが、よろしゅうございますか。
  196. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 海部さんと島田さんの関係も、話を聞いてみたけれども、どうも納得されないまんまうやむやに済まされてしまった、こういう間柄だったということはまことに不思議だと思うんでありますけれども、しかし、海部さんからの報告が、島田さんからの話が海部さんどまりになって辻社長のところまで行かなかったということは、先ほどお聞きいたしました。  そこで、今度は政治献金の問題についてちょっとお聞きしたいと思うんでありますけれども、政治献金なんかの場合は、秘書課の方から社長のところに行って、社長の決裁でもって政治献金について決定をするというふうにお聞きをしておるわけでありますけれども、この政治献金のやり方等は、副社長あるいは島田常務のような立場の人のその職務範囲の中でやるようにはなっていない、全部社長のところへ持ってきて社長の決裁でやるようになっているんだというふうに理解してよろしいんですか。
  197. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 御理解のとおりでございます。
  198. 町村金五

    委員長町村金五君) 野田君。
  199. 野田哲

    野田哲君 いまの四十七万ドルの問題ですけれども、聞いてみると書類も何もない。ただ、島田さんのインドネシア、中近東への入札参加のために使った、こういうふうなことで了解をされたように伺うわけですけれども、いま証人からの説明を聞いていると、これは表の金で財経の方へ正式に請求をしてもそれは出し得る金だろう、こういうふうな意味のことをおっしゃったと思うんですが、島田さんは、山村さんから四十七万ドルの行方についてただされたときに、この内容についてはインドネシア、中近東への入札参加のために要るんだと、こういうふうな意味説明があったけれども、具体的な内容については職を辞してもこの内容は言えないんだと、こういうふうな説明があったというふうに証言されているんですが、インドネシア、中近東への入札参加を得るための工作資金については、職を辞しても言えないような性質のものなんですか。
  200. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 山村君の言った言葉、どうも島田君が職を辞しても言えないと言ったんじゃなくして、非常に——こんなことを言うとおかしいんですが、まあ言うなれば営業の方は金を出してほしい、使わしてほしいと、財務の方はなるたけ財布のひもは締めようというふうに、財務と営業は金というものを中心にしてある程度まで対立関係にあります。よく言われるように、うちの財務は渋過ぎる、かた過ぎるとか、営業の方は、もっと金を出してくれればもっと大きな商売ができるんだというようなこともあるわけなんですが、たまたま、当然財務の方で処理すべき、あるいは場合によれば許可というか、承認すべき金の出入りを営業で単独でやったということについて、相当山村君は怒ったというか、頭にきたというか、そういうことで、私はかなり両者の間にヒートしたなにがあったんじゃないかと、それで、そんなことを言うんだったら私やめまっさというふうな発言になったんではなかろうかと思うんです。私が話した際には、要するに私の責任でございます、私が責任をとらしていただきますというような意味の表現でございました、はい。
  201. 野田哲

    野田哲君 山村証人は、相当語気鋭く迫ったけれども、この職を辞すというような、いや最終的には言いたくない、居直り的、そのようなことになって、それ以上のことは社長の方へ持ち上げざるを得なかったと、こう言うんですね。結果的には、そういう形で四十七万ドルの使途については財経を通さないで処理をしたこと、これを海部社長も、そして当時社長であった辻社長としても、そういう処理の仕方を容認をされたわけですね、そうですね。
  202. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 容認というわけではございません。したがいまして、その処理の仕方についてはきわめて不適当であるということで、島田君をきつく譴責いたしました。
  203. 野田哲

    野田哲君 譴責はされたけれども、後でこれは昇格されているわけですね、取締役としては上のランクに上がっているわけです。  で税務処理としては、結局、インドネシアあるいは中近東の入札のための費用ということで処理をしたけれども、認められなかった。ということは、つまり会社処理としては、そういう財経を通さないで裏金で扱ってきたことを、手続としては会社は容認をされたと思うんですがね、いかがですか。
  204. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 本件につきましては、やってしまったことなんで、容認というわけではございません。やってしまった結果については、いま申しましたように譴責ということであれしたんですが、それから、したがって今後そういうことがまたとあってはいかぬということは、これは当然のことでございまして、そういう処理の仕方をよろしいと、あるいは容認するという立場、意味じゃございません。  それと、もう一つの……
  205. 野田哲

    野田哲君 税務処理
  206. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 税務処理の方は、これは使途不明ということで否認されたわけですが、したがって使途不明のまま、何ですか、税金をかけられた、こういうことになっているわけです。  それからもう一つは、昇格の問題でございますが、これは私が社長をやめてから後の問題でございますが、会社の中では、一応、一般社員にしろ役員にしろ昇格が行われます。まあいまのような問題もございましたが、彼自体非常に仕事熱心であり、そして非常にまじめ——昨今のことは別にしましても、まじめな——昨今のことと言うと語弊がございますが、うわさです。
  207. 野田哲

    野田哲君 一億三千万円ぐらいの金、社内でも通用しなかった、税務処理の上から言っても認められなかった、つまり使途不明金をつくった者が昇任をしていくということは、一般の世間ではこれは全く理解できない。だから、これはそういう裏金で処理をしていくということをやはり直属上司である副社長もそれから社長も、私は、島田常務がやったことを承知をしておったからこそ、そういう扱いになったんじゃないかと疑わざるを得ないわけです。  そこで、もう一つ伺いますが、航空機部で上げた利益を裏金にして、今度は中近東とかインドネシアの入札資格を得るためにということであれば、これが本当のことであれば、これは全く部が違いますね。第三機械本部としての業務ではあっても、航空磯部で利益を上げたものを、別の口座に入れておいて、今度は別の部の担当する金に使う、こういう経理の仕方、これはできないと思うんですが、社内の規程としてはいかがですか。
  208. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 社内規程からいきますと、入ってきた金は財経一本に入ってきますから、これは今度は、さっきも申しましたように、表面処理——表面に出ておる金であれば、当然、これは必要経費は出せるわけなんですが、しかし、裏の場合は、これは会社財経がどうこうという——財経の方で知っておれば裏金じゃないわけなんですから、知らない金ですから、航空機部といいますか、機械第三本部ですか、これでそういうふうに勝手に処理したんですが、たまたま、私は、機械第三本部は島田君の所属ではないかと、島田君が監督したんじゃないかと、したがって彼の配下の仕事ではなかろうかと了解しておりますが。
  209. 野田哲

    野田哲君 このインドネシアの電話の問題とか、あるいは中近東の水の処理、こういう仕事はどの本部のどの部でやっていたわけですか、営業の中では。責任者はどなたであったわけですか。
  210. 辻良雄

    証人(辻良雄君) ちょっと当時のなにを記憶しておりませんが、同じように島田君ではなかったかと思いますが。
  211. 野田哲

    野田哲君 社内規程として、これは営業担当の副社長、具体的に言えば海部さんですが、この方は全くノータッチでそういうことができるわけですか、島田さん限りの責任で。
  212. 辻良雄

    証人(辻良雄君) いわゆる裏勘定といいますか、裏金をつくるとかということはこれは権限外の問題でございまして、それは当然許されるべきなにじゃないですが、しかし、仮にそういうものが必要であるということになれば、やはりそれぞれ上司に相談してやるべき性質のものではなかろうかと、これは私の解釈でございますが。
  213. 野田哲

    野田哲君 それからもう一つ、社内的な扱いについて伺いたいと思うんですが、私的な口座をつくって、そこに財経を通さないで架空の名義で一億何千万かを預金をしていた。そしてこれをやはりそのまま別の事業、つまり航空機部の経理から今度は中近東あるいはインドネシアへの水とか電話とか、そういう方の仕事のために使う、こういう処理がされておれば、これは当然社内の監査機構から調査をすべきことではないかと思うんですが、その点なさったのか、なされなかったのか。
  214. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 御質問は、社内……
  215. 野田哲

    野田哲君 監査機構がありますね。
  216. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 社内の……
  217. 野田哲

    野田哲君 ええ。そこからやはり調査をすべき事項ではないかと思うんですが、いかがですか。
  218. 辻良雄

    証人(辻良雄君) その点につきましては、ちょっと私記憶がございませんが……。
  219. 野田哲

    野田哲君 日商岩井ともあろう大企業の経理が、私どもが承る範囲では、いかにもどんぶり勘定的な処理をされていたなあと、こういう感じがいたします。  別の問題で伺いたいと思いますが、辻さんは、巷間いろいろ問題になっているいわゆる海部メモ、これ現物を——現物ではなくてコピーか何か、どの程度のことを承知をされておりますか。
  220. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私の記憶では、新聞に出た——いろんな記事が載りますが、その新聞に出た程度のものしか現在見た覚えございません。しかも、それは全容でなくして一部のように思います。雑誌でも見たかもしれませんが、その程度でございます。
  221. 野田哲

    野田哲君 こめ問題については、辻さんが社長時代に、いろいろ見え隠れして世間のうわさになっていたわけですね。海部メモの問題がいろいろうわさになっていたわけですが、社内で、この問題について海部さんにただすなり、あるいは調査をするなり、そういうことはやられたことはありませんか。
  222. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 海部メモ——ごく最近非常にやかましく言われておりますが、以前に、たしか、このメモの問題がいろいろとうわさになったようにも記憶していますが、これは私が社長就任前ではなかったかと思いますが、したがいまして調査その他の件につきましてはどの程度やられたか、私もつまびらかにいたしませんです。
  223. 野田哲

    野田哲君 じゃ別の問題で伺いますが、マクダネル・ダグラスからのRF4E偵察機十四機、これの事務所経費二百三十八万ドル、これはどうして隠す必要があったんですか、隠匿する必要があったんですか、社内で。
  224. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 二百三十八万ドルの件は私全く存じませんで、そういう収入があるという問題、また、その収入の処理について何か架空な、何ですか、手続をやったとかというような問題は、今度これが事件として取り上げられて初めて承知いたしました。
  225. 野田哲

    野田哲君 証人社長在任中に契約をされておりますね。そして金もかなり、未収分もありますけれども、あなたが社長在任中に入ってきているんですね。それが隠されていたということ、あなた全然知らなかったわけですか。
  226. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 全く存じませんでした。
  227. 野田哲

    野田哲君 それでは、証人社長として御存じのことについて、御存じのはずのことについて伺いたいと思うのです。  政治献金の問題ですが、これは先ほども質問がありましたが、山村さんの証言では、営業で必要に応じて具申して社長が決めると、こういうふうに言われているわけです。いままあそのとおりだと言われておるのですが、営業から具申があるときには、何々代議士にはどういう必要があってこれだけ寄付をすると、こういうような必要の理由についても書かれているわけですか。
  228. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 山村君が営業からと、こう言ったのは、この前の証言記録を見て私も存じますが、これは必ずしも営業からだけではございません。総務関係の寄付の御依頼もございますし、それから金融関係もありますし、いろんな部門から、いろんな関係から要求がございますが、なぜかということではなくして、大体、こういう先生の後援会、いろんな加盟の御依頼が来ておるとかいうようなことで、会社と特殊の関係理由に後援会加入のなには余りないように記憶いたします。  で、言うなれば、私七年在任しておりますが、社長就任前からこれは献金というものは毎年ございまして、大体、いままでのおつき合いをベースにして、まあつり合いと申しますか、いろんな先生方の立場に応じて秘書の方で、秘書室で立案しまして社長のところへ持ってきて、ここで決裁する次第でございます。
  229. 野田哲

    野田哲君 いままでのおつき合いによってということですが、海部さんも、午前中、ずっと長いつき合いの中でリストがあって、それによってと、こういうことなんですけれども、おたくの方から届け出があったのを見ると、突然ある時期だけ出てきて、前後は全然ない人がときどきあるわけですね。具体的に聞きますけれども、昭和四十五年下期、それから昭和四十六年上期、この二回だけ、中曽根康弘さんの後援会に対して、そのときだけこの献金がされている。それから昭和四十九年上期、この一回だけ、松籟会、松野頼三さんの後援会に一回だけぽんと百万献金されている。これはどういう理由があったわけですか。
  230. 町村金五

    委員長町村金五君) 時間が参りました。
  231. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 中曽根さんの場合は、たしか、あの党の、あの派でございますか、あの方のどなたでしたかお見えになりまして、ぜひひとつ後援会に入ってくれという御要望がございまして、入ったように記憶いたしています。  それから、いまの松籟会でございますか、これはどうも私の記憶では一回だけではなかったように思うんでございますけど、どうもずっとこうあったんじゃないかと思うんですが、これは記憶でございますから、はっきりいたしませんが。
  232. 野田哲

    野田哲君 それは裏でやられたんだな、表はないです。
  233. 辻良雄

    証人(辻良雄君) いえいえ……。
  234. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で瀬谷君及び野田君の発言は終了いたしました。  次に、黒柳明君
  235. 黒柳明

    黒柳明君 公明党の黒柳明でございます。お疲れのところ恐縮でございます。  百五万ドルの件でありますけれども、二十万が本社に納入されて八十五万が裏金になったと。で五十一年の一月に、山村さんが、三十八万ドル、ニシヤマ名義で残されていた、これを裏から表にする、こういうことについて、当然、その当時の社長さんに御報告があった、こう承っております。  その手続の問題なんですけれども、当然、これを操作するためには百五万ドルの証書をつけなければだめなわけですが、これはつけられない。五十五万ドルの使途不明金もありますし、そうすると、これはいま地検当局で摘発されております私文書偽造、外為法違反、要するに私文書を偽造しなければこの処理ができないということは当然わかっていて、山村さんは三十万ドルの処理をするように命じたと、こういうふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。
  236. 辻良雄

    証人(辻良雄君) この財務処理の問題につきましては、私も余り詳しく存じませんので、いまの御質問にはちょっとお答えいたしかねますが。
  237. 黒柳明

    黒柳明君 これ別に詳しい、むずかしいことじゃないです。  為替で、いわゆる百五万の契約海部さんがアグリーメントにサインしたわけですね。そのうちの三十八万だけ残っていたわけですよ、裏で。そのうちの八万は残して、三十万だけ裏から表にしたいと、こういう書類を添付しなきゃできないわけでしょう。それには百五万の中の三十万ですから、その百五万ドルを添付しなきゃならないわけですよ、証書としましてね。ところが百五万としては添付できない、三十万ですから。よろしいですか、その三十万をどういうふうにして裏から表にするか、当然、これは私文書を偽造しなきゃならない、こういうことになるわけですよ。じゃなきゃ、この三十万を裏から表にする方法はないわ、操作は。それを山村さんがそうしたと、すぐ表にしなさいよと命令した。それを社長さんは当然報告を受けていますね。と、そのことを御存じで私文書を偽造しなきゃならない、すなわち会社ぐるみで私文書を偽造と、偽造したのは山岡さんかわからない、島田さんかわからない、ですけど、行使したのは会社じゃないですか。
  238. 辻良雄

    証人(辻良雄君) ただいまの御質問のポイントがちょっとわからないんですが、事情の御説明を受けたようなぐあいで、それでどの点につきまして私に御質問になっておるんですか。
  239. 黒柳明

    黒柳明君 ちょっとこれね、みみっちい話ですけれども、時間が限られておりまして、非常にこれはもう初歩的なことですよ、為替の処理の問題です。
  240. 辻良雄

    証人(辻良雄君) わかりました。
  241. 黒柳明

    黒柳明君 それでわかりましたか、それは結構ですけれどね。
  242. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 裏から表にするのに私文書云云とおっしゃいましたから、私はそれは別に違法な手続をとらなきゃできないものとも思いませんが、問題は、その出てきた金を内地に送る、送る場合に交互計算にのせなきゃならぬ、その交互計算にのせるためにその私文書偽造が起きたと、こうだろうと思います。
  243. 黒柳明

    黒柳明君 そのとおりですよ。
  244. 辻良雄

    証人(辻良雄君) それは山村君が表に出しなさいという指示は確かにしたわけでございます。しかし、その指示に従ってだれがどういう方法で、また、その方法の決定につきましてだれがアプルーブしたか、こういう点で責任者はだれか、こういう問題が起きておるものと了解いたしております。しかし、いままでの、どう言いますか、調査に基づく検察御当局のあれで見ますと、この手続上の違法といいますか、違法性は航空機にあるとごらんになっておるんじゃなかろうかと、かように思います。
  245. 黒柳明

    黒柳明君 まだ、検察の捜査はこれで終わったわけじゃない、これからが本格的ですからね、まだ端緒ですから。  要するに、いまおっしゃったように、交互計算にのっけるためには、ほかに私文書を偽造しないでのっけ方ありますか、ないじゃないですか、ないですよ。それを当然知っていて山村さんは指示し、それを社長報告したということは、社長さんも——それしかない、ほかにありますか。私が言うまでもなく、一流会社社長さんはいろんなお仕事をなさってきた経歴を持っていますから、そういう方法をとらなくして、三十万ドルを交互計算の中に入れる方法がありますか。  それからもう一つ、実際に私文書をつくったのは山岡さんでしょう、それをやっぱり行使したのは山村さんであり即会社じゃないでしょうか。
  246. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 交互計算にのせるために私文書をつくらなきゃいかぬと、こういう私文書を偽造しなきゃならぬと、こういう点につきましては、私、遺憾ながらそういう財経関係の経験がございませんので、いま先生がおっしゃるように、それは山村君が違法であると知ってやったんだ、社長であるおまえも知っておるはずだと、こういう御指摘を受けますと、最終的には会社のやったことは社長責任に帰するわけでございますので、御指摘のようなことを、違法といいますか、責任問題ですから、これは当然社長である私に帰すべき問題ではなかろうかと思います。
  247. 黒柳明

    黒柳明君 私は、そういう抽象的なことより、もっと深く具体的な事象をつかまえて、何かやっぱり、先ほどからありました社長さんと海部さんとの話は、あの四十七万ドルをめぐってですね、島田さんとの問題、山村さんとの問題、何か一連の、悪い言葉ですけれども、もう会社の中でナーナーの話し合いがあったのじゃなかろうか。感触です、これは。  というのは、事件になった今日だから、そういう問題がこう起こってきたわけですね、何聞いたか、どう指示したか、どう報告受けたか。ところが、あの時点におきまして島田さんにいろんなことを聞いた、ところが非常に不明瞭。四十七万ドルについて何にも証拠が残ってないわけでしょう。そうすると、あの時点においては少なくともこんな大した問題にならなかった、まあこれはわかりませんな、いまの時点では。あの時点においても、そんな大した問題じゃないんじゃなかろうかという御判断があったんじゃないでしょうか、当時の辻社長さんには。
  248. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 当時のことを話すと何ですが、少なくともこの事件処理の問題を今日に至って振り返ってみますと、御指摘のとおりきわめて不十分な、不徹底な処理のまま今日まで来た。したがって、また世間をお騒がせしておるということにつきましては深く責任を感じております。
  249. 黒柳明

    黒柳明君 中東関係、インドネシア関係の入札資格を得るために使った、その証拠は何にもない。そうすると、三十数人とかの取締役がいらっしゃるとか聞きましたけれども、一平取締役が秘密工作資金を使うために、全く会社の上層部の人に知られずに使えるシステムが日商の中にもあると、極端に言うと確立されていたと、こういう判断が、また当時のことを振り返ってみてさらに大きな反省材料になる。その反省材料は、日商の中だけじゃなくして世間を騒がして大きな政治問題、国際問題にまで発展している。これについても当然責任、反省以上のものがあるべきだと思うんですが、どうでしょうかね。私は一取締役が秘密工作資金を証拠も何もなくして使っちゃった。それに対して天下の日商の社長さんが、まあ善意で使ったのだろうからいいだろう、こういうような、詰問、しかりはしたけれども、善意であろうと、こういうような判断が相当あったのじゃなかろうか。悪意ならば、それじゃどこの国だ、だれがやった、どういう契約なんだ、どういう接待なんですか、こうお聞きになったのでしょうか、そのときに。
  250. 辻良雄

    証人(辻良雄君) ただいま御指摘のように、そう徹底追及ということは、まあ私の立場から言ってやるべきとも言えますが、同時にまた社長としていろいろ仕事もございます。時間的な制約もありましたし、かたがた彼と私との間には会社の副社長もおりましたし、そういう意味におきまして、私自身が、いまから考えればもっと徹底究明すべきであったろうと考えられますが、当時としてはまああのまま放置という意味ではございませんが、かなり徹底を欠いたと深く反省いたしております。
  251. 黒柳明

    黒柳明君 その当時当時という当時が問題なんでして、いまさら言うまでもなくロッキード事件があって、日米あるいは世界に飛び火して企業は防衛に大わらわになったわけですね。そういうときが当時なんです。それでロッキード事件に関連して三十万ドル、四十五万ドルの裏金工作も行われたわけですよ、大わらわで。にもかかわらず、その当時の背景を見ますと、海部さんは島田さんに電話一本でどうなったんだと聞いただけである。それから、山村さんの報告社長さんに承ったんだけれど非常に抽象的で何か忘れちゃった。社長さんは島田さんに聞いたのだけれど、具体的な裏もなくして、叱責だけしていると思う、いまになってみればもっと追及すべきだったとこう思ったということは、当時当時と先ほどから言っていますが、そのロッキードの中においての丸紅、やがてはという日商、当然そうでしょう、航空機の中心メーカーですから。その日商がやっぱり企業防衛というものを考えざるを得ない立場にあった。その中においてナーナーと言っちゃ失礼かと思います、だれかナーナーだったって、社長さんは当時ナーナーじゃなかったかと思いますよ、そういうものが当時の背景であったことはこれはもう否定できないんじゃないでしょうか。それが社長さんの意識にあったかなかったか別にして、潜在的にはその時代背景は当然日商の社長さんですから、日商を守るための意識はもう十二分にあったと思うんですよ。その中において、むしろ社長さん、二人の副社長さん、それから営業本部長がむしろナーナーみたいな関係になっちゃったことが大きな失敗だったんじゃなかろうか。もし皆さんのお言葉を信ずるならばです。徹底解明をしなかった、いまになったら反省しているとか、海部さんは電話一本で島田さんに聞いただけだとか、それを信ずるならば——信ずるほかありません、私たちはそのために皆さん方においでいただいて証言を聞いているわけですから、それを信じた上では、余りにも時代背景というものの中にあって、企業防衛だけに頭が追われて、特に社長さんは一生懸命であったんだけれども、それがもう潜在的に抜け切らないで、余りにもその調べ方というものが全くおざなりになっちゃった、こういうことについてはいま反省させられる材料はないでしょうか。
  252. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 先生のいまのお言葉そのまま受け入れざるを得ないのじゃないかと、当時の、当時のというとまた何ですが、いろいろとお言葉に従って反省しなきゃならぬ点が多々あると、かように存じます。
  253. 黒柳明

    黒柳明君 前の証言の人をまた呼ぶわけにいきません、また証言をいまから覆せというわけにいきません。私のいま言ったことをある程度御承認いただくということは、それは抽象的な御承認じゃなくして、具体的なことがあるわけです。当時の時代背景があったからこそ、企業防衛ということに専念したから、島田さんについても海部さんについてもあるいは山村さんについても、一応四人しか出ていませんが、その間の報告というものが全く、あったかもわからないけれどもここにきてあいまいにせざるを得ないのか、それともその時点においてもうお互いにナーナーでやったのか。そういうことから言いますと、全くお互いにむしろ隠さなきゃならない、この問題は。いま事件になったからこそこういう問題になりましたが、当時は何とか隠しておかなきゃならない、社内的にも、当然外部的にも。一月のSECの報告でもなければ、あるいは地検の捜査でもなければ、完全に四十七万ドルでも、外為法違反、私文書偽造なんてなかったわけだよ、社内的には。いままで完全に本社経理として三十万ドルはのっかってきたわけでしょう。それが地検の摘発があって事件になったわけですから、内部的には何の問題もなかったわけです。私文書偽造、外為法違反なんか何にも問題はなかったわけでしょう。それがその当時の皆さん方の行動、詰問したとか叱責したとか、その中に含まれて、いわゆるすべてを隠蔽しようということも何分かあったことが原因しているんじゃないですか、意識的に。
  254. 辻良雄

    証人(辻良雄君) どうも先ほどから申し上げましたように、少なくともこの事件の解明は、当時もっとやっておけばよかったという考えになっておるわけでございますが、しかしいまおっしゃる、当然社長としては企業防衛をしなければいけませんが、何もかにも隠蔽して、そしてナーナーで済まそうという考え方ではなかったということを御了承願いたいと思います。
  255. 黒柳明

    黒柳明君 山村さんは、むしろ島田さんに対して処分を考えていたが、ロッキード発覚当時でまずいと判断したという御証言もされているんですよ。  それから例の四十七万ドルについて、日商の公式の説明を国税庁関係にこれは水処理の問題で使ったと。これはもう否認されましたけれどもね。海部さんは、これは日商の公式の見解だと、島田さんに書かしたと、文書として。ところが、山村さんが四十一年の調べの段階で相当重要なミスをしているから処分しなきゃならないんだと、島田さんをですよ、だけれども時が時だからまずうまくない、こう判断した。にもかかわらず四十七万ドルに対して、国税庁に対して島田さんが日商の公式見解として水処理に使ったと、これは島田さん個人の文書なんだと。こんなことはないんじゃないでしょうか。明らかにこれは処分しなきゃならない人が、そんな四十七万の隠し金について、これは水処理に使った、自分の見解だなんということじゃなくて、これは日商岩井として公式に国税関係にこれを出した書類なわけでしょう。この点はどうですか。
  256. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 国税局に書類が出されたのは、五十二年の秋でございますか、私はこの事件の半ばにして、五十二年の六月に社長を交代いたしまして、その後のそういう関係仕事は私は関係しない立場にあるわけでございまして、したがいまして、当時出された書類、もちろん国税局との折衝の報告は受けておりますが、いかなる書類がどういう方法で出されたかということについては私は承っておりません。
  257. 黒柳明

    黒柳明君 百五万ドルのうちの二十万ドルの正規に本社に入った分、これの添付書類はコミッション契約書が添付されて本社に入ったんですか、これはどういう書類がつけられたんでしょうか。
  258. 辻良雄

    証人(辻良雄君) その点につきましては、私つまびらかにいたしておりません。
  259. 黒柳明

    黒柳明君 これもやっぱり国税当局では調べが終わっていないと言うのですね。それから捜査当局では調べて何もなかったような感じがします、調べたんだと思いますからね。ところが、やっぱり百五万のうちの二十万は三十万と性格が同じなんですよ、これは百五万の中ですから。だから百五万の契約書が添付されることはないんです、二十万ですから、百五万のあとの八十五万は裏金ですから先ほどの三十万と同じなんです。これも非常に私たちはどういう証書が添付されて本社経理の中に入ったのかこれは疑問なんです。ひとつこれまたしかるべきときにお知らせいただければ、これについての私たちの認識が新たになる、こう思いますので、その点は頭にお入れいただきたい。
  260. 辻良雄

    証人(辻良雄君) いま御要望になりましたのは交互計算のシステム、これについての説明の御要求でございますか。
  261. 黒柳明

    黒柳明君 二十万ドルだけ何の書類を添付したか、これだけで結構です。
  262. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 手続でございますね。
  263. 黒柳明

    黒柳明君 コミッション契約書を添付したのか、それだけです。
  264. 辻良雄

    証人(辻良雄君) わかりました。
  265. 黒柳明

    黒柳明君 それから三十八万ドル、米国日商に八万置いて三十万を表にしましたね。これは社長さんが御存じでそうしろと言われたんですか。
  266. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 三十八万ドルの処理は私が指示したんじゃなくして、山村社長がこういうふうに処理いたしましたと、たしかこういうふうに私は記憶いたしております。
  267. 黒柳明

    黒柳明君 それで、これにつけられた書類が私文書偽造だったわけですな、警察で問題になった。
  268. 辻良雄

    証人(辻良雄君) その事実は今度の事件が表面化して、さよう理解いたしました。
  269. 黒柳明

    黒柳明君 その時点におきまして、どういう方法で交互計算に入れるかということにつきまして全く知識がなかったと、こう先ほどおっしゃったんですね、知らない。そういうことなんでしょうか。非常に私はそれに疑念を感ずるんです。  時間が来ましたから最後に一言。先ほどから反省反省とおっしゃいましたが、ついせんだってまで最高の会長の地位にいらっしゃったわけであります。うわさによると、これだけ世間を騒がしました航空機部門の全面撤退とか縮小とか、こういうことが出ておりますが、こういう問題は社内の役員会等で検討になったのでしょうか。あるいはついせんだってまで会長さんだった辻さん、当時事件が起こったときの最高責任者であった辻さんが、今後どうこの日商の航空機部門というのはあるべきか、反省反省だけじゃやっぱりうまくないと思いますので、どうあったらいいのかと、この点ひとつお聞かせいただけますか。
  270. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 責任のある地位を去った現在、私が申し上げることは会社の言葉じゃございませんが、もう私といたしましては、少なくともえりを正すというような意味にもおきまして、軍関係の飛行機、航空機というようなものはこれは御辞退申し上げるのが妥当ではなかろうか、かように判断いたします。
  271. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で黒柳君の発言は終了いたしました。  次に、内藤功君。
  272. 内藤功

    内藤功君 共産党の内藤功でございます。  先日の井上証言では、外国に架空口座をつくるというようなことは、これは社長といえどもやってはならないことだと、こう言っておりました。あなたもそれと同じ考えですね。
  273. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 同感でございます。
  274. 内藤功

    内藤功君 しかるにカリフォルニア・ファースト・バンクに架空口座ができておったと、このことを聞いたとき、あなたは社長として架空口座をなぜつくったかという理由山村氏なり島田氏なりに正面から聞いていると思いますが、どういう答えが出てきたのか。
  275. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 山村君からその理由説明はございませんでしたが、島田君の方からこれは軽率でございましたという答えで、それ以上私の方で軽率と言ったって何か理由があるだろう、いやこれは私の責任でございます、悪うございましたと言うだけで、それ以上の答えは引き出せなかったように記憶いたしております。
  276. 内藤功

    内藤功君 そうすると、本人が否定した場合に、海外の支店関係者を調べるなどして、徹底的にこの口座をつくった理由を調べるということはなさらなかったということですね。
  277. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 理由は追及できませんが、どういう方法でだれの指示でこの架空口座をつくったというその事実についての追及は財経としていたしております。
  278. 内藤功

    内藤功君 社長として理由を確かめる必要がない、こう思われたんですか、そこまで詰める必要がないと思われたんですか。
  279. 辻良雄

    証人(辻良雄君) その必要は十分あると考えました。
  280. 内藤功

    内藤功君 理由を調べる必要が十分あると思いながらそれをやらなかったということがこれではっきりした。   〔委員長退席、理事岩動道行君着席〕  それで次に、島田当時の取締役から事情を聴取したときのことですが、中近東あるいはインドネシア関係で工作資金などが要ったと、こういう説明があったようですが、これはいつ、どこで、そういうお金をだれに渡したのかということは追及調査をされましたか。
  281. 辻良雄

    証人(辻良雄君) その点は私自体はやっておりませんが、財経担当者としてはやっておるはずでございます。
  282. 内藤功

    内藤功君 その報告財経担当者から聞いておりますか。
  283. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 最も必要な証拠書類でございますが、証拠書類は入手できないが、一応の説明としては筋が通っていますから財経としても認めざるを得なかったというふうに聞いております。
  284. 内藤功

    内藤功君 証憑書類も何にもない、それから本人の陳述だけである、そうしてこれを信用する、世にも不思議な私は話だと思うんです。  そこで、島田氏自身の着服、横領の疑惑というものは、あなたは社長として感ぜられたのかどうか、当時の社長としての判断です。
  285. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 当時の私たちの彼に対する見方から見まして、非常に仕事熱心でまじめな男であるという認識は持っておりましたので、彼が着服するというようなことは万ないと判断いたしました。
  286. 内藤功

    内藤功君 まじめな男だと言われている人間が横領、着服するということは世の中でよくあることなんです。ですから、その場合には本人を厳しく追及し、裏づけの証拠も集めるということがこれだけの会社を預かる社長責任なんです。不思議なことの連続であります。そうすると、そういう着服、横領でないとすれば、その架空口座のお金は島田以外のところに流れたと、こう判断をせざるを得ない。それは何かということを追及し調査しなければならぬと思うのに、いままでの証言ではこれがきわめて根拠のないものになっております。  次に、海部氏に話した模様についてお伺いいたします。これは昭和五十一年の何月ですか。場所はどこですか。
  287. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 場所は私の部屋だったと記憶しますが、何月何日かということにつきますと私の記憶も非常にあいまいでございます。ちょっと頭にございません。
  288. 内藤功

    内藤功君 海部氏を呼んで話をしたのは一回ですか、二回以上ですか。
  289. 辻良雄

    証人(辻良雄君) この件につきましては一回でございます。
  290. 内藤功

    内藤功君 海部氏は春だと言っておるし、ある新聞によりますと、五十一年の七月に海外出張中の海部氏に帰国を求めて監査役立ち会いで会ったと言っている。どちらですか。
  291. 辻良雄

    証人(辻良雄君) その新聞報道は事実でございません。
  292. 内藤功

    内藤功君 そうすると、こういう大事な日ですが、何月かもおわかりにならないということです。時間は何分間ぐらい話したのですか。
  293. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 当時、彼も非常にあっちこっち飛び回っておったように記憶いたします。私も非常に多忙でございまして、ほんのもう短い時間に、またきわめて、こんなことを言うと何ですが、短い言葉じゃなかったかと思いますが。
  294. 内藤功

    内藤功君 そうすると詳しく、カリフォルニア・ファースト・バンクにこうで、名義はこうで、金額はこうでというような話はしなかったと、こういうことですか。
  295. 辻良雄

    証人(辻良雄君) そういうふうに具体的に彼に言った覚えはないように思います。非常に抽象的に話したように思います。
  296. 内藤功

    内藤功君 海部氏から何か事実についての反問、あるいは海部氏からの反論はありましたか、ありませんか。
  297. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私は知りませんというふうな言葉があったと思うんですが。
  298. 内藤功

    内藤功君 言葉は、知りませんですが、態度、顔つきから見て、これは知っていると、理解をしているというふうには思いませんでしたか。
  299. 辻良雄

    証人(辻良雄君) ちょっと当時のこれは推定になりますので、ひとつお答えしにくいと思うんですが。
  300. 内藤功

    内藤功君 参考までに。
  301. 辻良雄

    証人(辻良雄君) どうもはっきり当時のなには思い出せませんが。
  302. 内藤功

    内藤功君 答えは、その結果海部氏がこういうふうにしたという報告はなかったとさっきお話がありましたが、あなたの方で、海部さん、あれはどうなったかということで報告を促したり答えを促したことはないんですね。
  303. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 残念ながらございません。
  304. 内藤功

    内藤功君 海部氏は、あなたから聞いて電話で、同じ社内でしょうが、電話で一回島田氏にかけて、島田の方では自分の方でやるから、あなたの責任じゃない、こう言われて、それで終わったと、こう言っております。あなたはこの海部の言うことを信用いたしますか。
  305. 辻良雄

    証人(辻良雄君) これは非常にデリケートな問題ですが、私自体から申し上げますと、もっと突っ込んだ話があってしかるべきじゃなかろうかと、つまりこれは海部君と島田君との間でございます。これは私の判断の問題でございますが、さように考えます。
  306. 内藤功

    内藤功君 どんな突っ込んだ話ですか。
  307. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私が海部君に言った言葉は、いまその言葉どおりを正確には思い出せませんが、島田君が手数料処理の問題でどうもおかしな処理の仕方をやっとるが、君、それを知っとるかというふうな質問だったように記憶します。それに対して彼は、知りません、存じませんと言ったと思うんですが、知らないじゃ困るから、君、よく島田君の話を聞いて、監督をしてくれなきゃ困るよというふうな表現だったと思うんですが、彼に注意を促しました。
  308. 内藤功

    内藤功君 どうもその点、非常に含みのあるお話を聞きました。  残念ながら私の持ち時間の関係で次に移ります。政治献金のメリットですね、日商岩井として、社長としてどう考えておられましたか。
  309. 辻良雄

    証人(辻良雄君) いまおっしゃるのは会社に対するメリットでございますか、社会に対するメリットでございますか。
  310. 内藤功

    内藤功君 会社です。
  311. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 会社に対するメリットとしては恐らくないんじゃないか、どうも、さように見ておりますが。
  312. 内藤功

    内藤功君 営利会社が、株主もたくさんおりますね、十年間に何億というお金をメリットなしに使うということがあり得ますか。これは必ずメリットというものがなきゃならぬです。いまのはおかしいですよ。
  313. 辻良雄

    証人(辻良雄君) やはり直接メリットがはね返ってくるというよりか、やはりわれわれ企業といたしましては資本主義経済を守っていくと、この健全なこの発展を期すると、そういう意味合いにおきまして、いわゆる保守政党でございますか、これを援助する、言うなれば現体制を維持していくという意味合いにおきまして、やはりこの現政府……
  314. 内藤功

    内藤功君 わかりました。  最後に一問。
  315. 岩動道行

    理事岩動道行君) 内藤君、質疑時間が過ぎました。
  316. 内藤功

    内藤功君 最後に一問。  それならば献金先の政治家を選択する基準は何ですか。また、この十年来私の調べたところでは、自治省届け出で一番金額の多いのが田中六助氏の後援会、東京六宏会ですか、これがずば抜けて金額が多いのですね、それはどういうわけか。資本主義経済を守るためと言いますが、そういう政治家を選んでいく基準は何か。それと資本主義経済がどう結びつくのか。東京六宏会に一番多いのはなぜか。この点だけ最後にお伺いいたします。
  317. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 政治家の方の一人一人の献金についてはつまびらかにいたしておりませんが、私どもの方から積極的にいかがですかと、こう献金を申し出るわけでもございませんので、やはり多少の縁故、つながりというものがあるだろうと思うんです。ですから、幾ら自由主義経済を支持する自民党さんの方に献金するにしたところで、皆さんに平等にというわけじゃないと思います。それでよろしゅうございますか。
  318. 内藤功

    内藤功君 六宏会。
  319. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 六宏会、これは私の前の西川さんが、まあずいぶん古い話になりますが、かなりおつき合いされておったんじゃないかと思います。特にあの人に多くしなきゃならぬという意味合いのものじゃないと思いますが。
  320. 内藤功

    内藤功君 西川だれですか。
  321. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 西川前社長でございます。
  322. 岩動道行

    理事岩動道行君) 以上で内藤君の発言は終了いたしました。  次に、三治重信君。   〔理事岩動道行君退席、委員長着席〕
  323. 三治重信

    ○三治重信君 民社党の三治でございますが、一番問題になっておりますのが、辻証人も御承知のように百五万ドルの裏経理についての会社内部のいろいろのやりとりなわけですけれども、大体各質問でわかったわけなんですが、きょうの朝の証人では、海部さんと辻さんとの話ばっかりですが、島田さんを呼んでお話しされて、しかも島田さんの方に詳しくいろいろ問いただされたようでございますが、海部さんとのやつは、海部さんもほんのちょっとしか言われないし、知らなかったから知らぬと言って、それで終わったみたいなことになっているわけですが、この関係がどうもわれわれの方では納得できない。島田さんにこれほど強く言われて、海部さんの方へはほんのちょっとしか言われないというのは、そのバランスがちょっと非常におかしいという感覚なんです。  で、お尋ねしますが、海部さんの方に質問して、まあ、知らぬと言ったから余り強くも言わなかったと。それで後、島田さんを呼んで強くいろいろ大分聞かれたのか。島田さんを先に呼んで、海部さんを後からそれについて言ったから簡単で済んだと、こういうふうに考えているか、どちらですか。
  324. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 島田君の方を話を先にしたように記憶いたしております。
  325. 三治重信

    ○三治重信君 これは社長としても非常に重要な発言だと思うのですけれども、いわゆる財務上は結果としては使途不明金になっても、営業なり何かの方が必要と思えばある程度財経の方は出すんだということになると、そういう非常に政略的といいますか、裏金的にいろいろ商売をやっていくやつについては社長に必ずこれは相談があるはずだと思うんですけれども、そういう後からきちんと計数的に事務的な手続で経費が出るやつならば、あるいは社長や何かのところまで行かぬにしても、これは非常に、この契約を後進国なり発展途上国の特定のところで取らなければならぬ、それには領収証の取れないやつも使わにゃならぬと、こういうようなやつについては当然社長まで上がって、その上で判断を得てやることだと思う。それが会社の方の経理に言わないで出すというところには、だから会社の方の社長にも話さない。これはインドネシアやそれからサウジアラビアの淡水化計画というのは、この当時は社長にも話がなかったんですか。
  326. 辻良雄

    証人(辻良雄君) その程度の話は管掌役員どまりで大体片のつく話でございます。
  327. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、結局それぐらいのことならば、別に何もそう裏金を使ってまでやるようなことではないと判断されていいわけですか。
  328. 辻良雄

    証人(辻良雄君) ちょっと御質問の御趣旨がわからないのですが、何ですか、二十五億ないし二十二億ですか、この金が使われておるんですか……
  329. 三治重信

    ○三治重信君 四十七万ドル。
  330. 辻良雄

    証人(辻良雄君) その程度の金を使うのはおまえの許可が要るかと、こういう意味合いでございますか。——これは営業の最高責任者の管掌役員と、それから場合によれば財経責任者との話し合いでやれると思います。
  331. 三治重信

    ○三治重信君 ちょっと話が変わりますが、新聞報道で今度は会長をおやめになった。それも海部社長と御一緒だということでありますが、これはまあプライベートにわたることもございましょうけれども、今回のこういう社内の役職の辞任処理はどういう理由で、海部さんとの関連で今度おやめになると、こういうことですか、社長をやっていたときの責任海部さんと一緒に、海部さんの責任を今度とらせなくちゃならぬから自分も関連してやめたと、こういうのが公のことになるわけですか。
  332. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 今回の私の辞任海部君の降格と申しますか、これについてはいろいろと新聞によってこの報道が違います。私は、今回の事件が起きまして、事件が起きたといいますか、いろいろと問題が起きた際に、先ほどからいろいろと先生方から御指摘された裏金に関する問題、これをいま振り返ってみますと、この当時の私の処置といいますかやり方にいろいろとまずい点がございます。これに対して、社内的にまず責任をとらなきゃいかぬ、同時に、会社としてこれだけ世間をお騒がせしておるということにつきまして、一体だれが責任をとるかということになれば、問題の起きたこの時点に最も長い間社長をしておった私が責任をとるべきであると、この二つの理由によりまして、私はすでに一月の経営会議でございましたか、二月でしたか、すでに当時辞意を表明いたしております。したがいまして、今回海部君が降格するという問題とは全然関係はございません。  新聞によりまして、最も的確に伝えておるのは——毎日新聞が初め何か私が海部と抱き合い心中でもやったように報道しておりましたので、私の方から抗議を申し込んだというのかどうか知りませんが、明くる日かその次の夕刊に訂正記事に近い何か出ております。余言になりますが、どうも最近の新聞の報道は想像でお書きになる記事が多いように了解いたしております。
  333. 三治重信

    ○三治重信君 そういう社長時代の責任で、海部さんとの関連は別にないのだということでございますが、そうすると、日商岩井が今日の問題になっているのは、やはり軍用機の売り込みの問題から国会や、いろいろ政治的にずっと長く問題になってきていることは御存じのとおりですね。そこで社長さんの時代に、この日商岩井が住商のやっていたE2C関係の売り込みのための代理店の契約もされたし、それからカーン氏とのつき合い、こういうのについていまから反省されて——反省というのじゃなくて、当時を顧みて、やはり無理をやったのか、あるいは日商の商売の発展上そういうことに自分が決心して海部にやらしたのだと、こういうふうにお考えでありますか。当時こういうふうにやったのはあるいは余りいいことじゃなかったとお考えなんですか。
  334. 辻良雄

    証人(辻良雄君) E2Cでございますか、この契約はたしか四十四年の六月か七月でございまして、私が社長に就任いたしましたのは四十四年十一月でございます。したがいまして、この契約には私は関知いたしておりません。  それからカーン氏ですか、カーン氏とのいわゆるアグリーメントというのですか、密約というのですか、これは遺憾ながら全然存じておりません。一月の何日でございましたか、あのときの社長発表直前ぐらいに知ったわけでございます。
  335. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で三治君の発言は終了いたしました。  次に、青島幸男君。
  336. 青島幸男

    ○青島幸男君 第二院クラブの青島幸男でございます。  時間がございませんので、引き続きボーイング使途不明となりました四十七万ドルの件につきましてお尋ねいたします。証人のお言葉を聞いておりますと、先ほどから必ずしも領収証がなくても海外の入札その他の場合、特に発展途上国などでの場合だとそういう事情はあり得るんだということもおっしゃられましたし、山村さんは財経の立場でおられてそういうことには批判的であったけれども、そういう実情から踏まえると島田さんの言も信ずるに足る部分があるんだと、こうおっしゃられておりますね。ということは、つまりこの程度のことは日商さんとしては日常的に行われていたことであって、特別に問題さえ起きなければさして事改めて取り上げたりする問題ではないという実情ではなかったんですか。
  337. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 先ほどからもこの点についてお答えいたしたと思うんですが、そういうふうな資金を出さなきゃならぬケースも間々あるんじゃないかと。しかし、それをやる場合には、やはり会社でもってよく皆の納得を得た上でこれは出すべきであると。同時に、裏金をつくってまでやるというのはこれはおかしいと。ですから、海外でいろんな機械類などの売り込みについて情報を得たり、連絡を頼んだり、特に中近東あたりはえてしてそういう問題の多いところでございます。しかし、それがもう常にそうだという意味じゃございません。往々にしてあると。
  338. 青島幸男

    ○青島幸男君 入札資金としてある程度了解していたと、こう言われているのは、つまり入札に関する特別な工作費として了解していた、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
  339. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 特別の工作費というのがどういう意味かなんでございますが、きわめて常識的な使途の場合にはやむを得ないのじゃないか、こういうことで、その問題になったその資金が特別工作資金と呼ばれるものかどうかということは、これはちょっと……。
  340. 青島幸男

    ○青島幸男君 つまり、商売を円滑に進める上でその程度のことは必要だと。つまり車一台売りに行くにしても、パンフレットを持っていってお願いしますですぐまとまるものじゃございませんのでね。ですから、たとえば海外での入札の資金とすれば、入札に影響力を持っているような実力者に暗々裏にそういう金が渡るというのも、これも商売の常識として仕方がないという了解を持っておったということなのかどうかをお尋ねしているわけです。
  341. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 非常にお答えしにくい問題でございまして、そのケースケース、その場合場合によりましてオーケーと言える場合、ノーと言う場合、いろいろございます。必ずしも工作費を使えば仕事になるから、よろしい使いなさいと言うわけのものじゃございません。
  342. 青島幸男

    ○青島幸男君 そこで、各部門が財経に、表にしない金をつくって営業活動を推進していると。そういうことによって営業が成り立つとすれば、会社ぐるみこれはある程度認めなきゃならぬだろうという背景があったというのがこの問題の実は一番深いところにあるんじゃないかと私は考えるわけですけれどもね。商売していく上にはそれも仕方がないんだという御認識をお持ちでしょうか。
  343. 辻良雄

    証人(辻良雄君) これはその支払いが常識的に見てリーズナブルなものであるということになれば、認めざるを得ないと思います。
  344. 青島幸男

    ○青島幸男君 ですから、特に先ほどの御発言で大変問題だと思ったのは、発展途上国などの入札の場合などには、えてして領収証もつけられないような金が出る場合があるということは証人はお認めになったわけですから。
  345. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 認めざるを得ません。
  346. 青島幸男

    ○青島幸男君 結構でございます。
  347. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で青島君の発言は終了いたしました。  次に、円山雅也君。
  348. 円山雅也

    ○円山雅也君 新自由クラブの円山でございます。  政治資金のことについてお尋ねします。証人最初野田委員質問には大変政治資金理由についてかっこういいといいますか、きれいな御理由を述べられておりましたが、内藤委員質問になりますと大分苦しくなりまして、最後は資本主義現体制を支持する方に、しかし、だからといって自民党の議員でも、だれでもというわけにはというようにお答えになりました。とすれば、当然にじゃあ同じ現体制を支持し、資本主義を支持する同じ自民党の議員さんでも、これはだめ、これはいいという分ける基準があるはずなんですね、選別するんですから。その基準は何でございますか。
  349. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 全然存じ上げない方にこちらから差し上げましょうと言っていくわけじゃございませんで、まあどの先生方も政治をなさるのには資金が要るんだろうと思います。したがいまして、いろんな縁故関係だとか団体関係などを通じて、後援会に援助してくれというお申し出がございます。それに応じてやっておる、お渡ししておるわけでございますが……
  350. 円山雅也

    ○円山雅也君 いや、時間が足りません、続けてやります。
  351. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 規正法が改正になりましてからは最高百万でございましたか……
  352. 円山雅也

    ○円山雅也君 いや、結構ですよ。  そうしますと、じゃあ自民党の議員さんならば、縁故関係を頼ってお申し出をすれば、すべてにお出しになるんでしょうか。それともやはり申し出の中からやはり何かの基準で、これはいかぬ、これはいいと、こう分けるんでしょうか。
  353. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 自民党さんの名前だけ出ますが、献金は、献金といいますか、後援会は必ずしも自民党さんに限ったわけじゃございませんので、誤解がないようにひとつ。  それと金額の問題でございますが、規正法ができまして、いまも申し上げかけましたが、どのようにしても枠がございます。私どもの枠は大した枠じゃございませんが、その枠内において、もう従来から後援会に寄付さしていただいておるのも、ずっともう下がったんじゃないかと思うのですが。
  354. 円山雅也

    ○円山雅也君 結局、やはりあなたは利益を追求する商社の社長さんでした、まあいまはあれですけれど。率直に言えばやはり会社に役に立つかどうかを基準にして、私は自民党さん、自民党さんと言いましたから大変失礼しましたけれども、結局は会社に役に立つかどうかを基準にしてお決めになっているんじゃないでしょうか、率直に言えば。なぜそれが言いにくいんでしょうかね。
  355. 辻良雄

    証人(辻良雄君) 私、後援会関係の先生方を全部知っているわけじゃございませんが、本当にこの仕事にもう全然かかわり合いがない先生方でも非常にまあ尊敬しておる先生方、また何かの縁で非常にごじっこんに願っておる、しかもいささかも会社仕事関係のない方でも、りっぱな方であれば御援助申し上げておるつもりでございます。
  356. 円山雅也

    ○円山雅也君 では最後に、大変僣越でございますが、私は新自由クラブでやはり自由主義、民主主義を信じております。私が縁故を頼りましてお願いしたら献金をしていただけるでございましょうか。
  357. 辻良雄

    証人(辻良雄君) たしか新自由クラブの方と思いますが、私個人で献金申し上げ——これは新自由クラブの方じゃないかもしれません、自民党さん以外の方に個人としてでも、私いささかながら献金申し上げておる向きもございます。また先生とおつき合いしまして、先生にもこれは献金申し上げなきゃいかぬと考えましたら、私が社長であれば献金はさしていただきます。
  358. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で円山君の発言は終了いたしました。  これにて辻証人に対する証言聴取は終了いたしました。  辻証人には長時間にわたりまことに御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。     —————————————
  359. 町村金五

    委員長町村金五君) 引き続き、郷裕弘君から証言を聴取いたします。  まず最初に、委員長から確認をさせていただきます。  あなたは郷裕弘君御本人ですか。
  360. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) そうでございます。
  361. 町村金五

    委員長町村金五君) 一言ごあいさつを申し上げます。  郷証人には、目下重要な商用のためフィリピンを訪問されていたと承っております。本日は当委員会に出席のため、特にその一部日程を割愛の上わざわざフィリピンより一時帰国され、本委員会に御出席くだされ、まことにありがとうございます。ここに委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。
  362. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 恐れ入りますけれども、私は自分の人権問題でこれは重大な問題だと存じますが、上申書を二通提出してございます。この件につきまして、私はこの両方の上申書を読み上げさしていただきたいということをお願いしたにもかかわらず、却下されております。二度却下されております。その却下される応分の何か理由が、法律的の理由がおありになるかどうか、ここでお伺いしたいと存じますと同時に、私にとっては大変な重大な問題であり、これを私は潔白を証明しにここへ来ております。衆議院の場合も潔白を証明したつもりにもかかわらず、決してここの席に座る以上はクロだということを一般の人はきめつけているわけでございます。そういう人権のじゅうりんに対して、どういう処置をとっていただくか、お伺いしたいと思います。
  363. 町村金五

    委員長町村金五君) ちょっと私からまず申し上げ、いまの事柄についても後刻申し上げたいと思いますので、まず私の発言をひとつお聞き取りをいただきたいと思います。  証言を求めるに先立ちまして、証人に申し上げます。  議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただきます。  宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。  証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族、または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、並びに医師歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実で黙秘すべきものについて尋問されたとき。  以上の場合以外は、証人宣誓または証言を拒むことができません。  正当の理由がなくて証人宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられます。  また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  なお、今回の証人喚問についての当委員会理事会決定事項については、すでに証人には文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。  その第一点は、証人随伴者助言を求めることが許される場合についてであります。  すなわち、証言は、証人がみずから知り得た事実を証人自身記憶により申し述べるのが原則でありますが、証言を求められた事柄が議院証言法証言を拒否することが認められている事項に該当するかどうか確認しようとするとき、その他委員長がこれを中心として判断し、許可を与えるのを相当としたものについては、証人随伴者助言を求めることができます。これらの助言は、いずれもその都度証人委員長にその旨を申し立て、委員長許可が得られた後に認められるものであります。  その第二点は、資料についてであります。  証人は、すでに御通知いたしましたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。  その第三点は、証人メモをとることは認められておりません。  その第四点は、随伴者についてであります。  随伴者は、委員会では発言することはできませんが、メモをとることは許されます。  また、随伴者は、証人委員長許可を得て助言を求めた場合は助言することができますが、自分の方から証人に対し助言することはできないこととなっております。  以上の点を十分御承知願います。  なお、郷証人に申し上げますが、いまも郷君からお話がございましたが、二回にわたって提出されました上申書を朗読したいと、こういう御要求でありましたが、実はこれらの上申書はいずれも本委員会に対するものでありまして、すでに全委員にその写しを配付いたしました。本委員会としても十分その内容を承知をいたしておりますので、この際、その朗読はお差し控えを願うことにいたしたいと存ずるのであります。  なお、郷君が上申書の中で、御自身疑惑を受けるようなことは一切なく潔白である旨を申し述べておられまする趣意は、これから各委員からの証言を求められた範囲でお述べになる機会があるかと思うのであります。引き続き、委員長としては宣誓の上、証言をされますようにお願いをいたしたいのであります。  それでは、法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。  全員起立を願います。
  364. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 委員長、その前に恐れ入りますが……
  365. 町村金五

    委員長町村金五君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  366. 町村金五

    委員長町村金五君) 速記を起こして。  それでは、法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。  全員起立を願います。   〔総員起立
  367. 町村金五

    委員長町村金五君) 郷裕弘君、宣誓書を朗読してください。   〔証人は次のように宣誓を行った〕      宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又  何事もつけ加えないことを誓います。              証人 郷 裕弘
  368. 町村金五

    委員長町村金五君) 宣誓書署名捺印を願います。   〔証人宣誓書署名捺印
  369. 町村金五

    委員長町村金五君) どうぞ御着席ください。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際はその都度「委員長」と呼んで許可を得て御発言なさるようにお願いいたします。  なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際は起立されて御発言をお願いいたします。  この際、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等議事進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。  それでは、お手元の質疑者名簿に従い順次発言を許します。熊谷弘君。
  370. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 私は証人の上申書をしさいに拝見いたしまして、この上申書の中に御指摘になっておられるように、こうした証言等を通じて証人自身及び証人の御周囲の方々に至るまで、大小の差はあれ、精神的苦痛や物的な損害を受けておられるという点につきまして、大変御理解を申し上げたいと思うわけであります。  と申しますのは、実は証人衆議院の予算委員会証言をされた後、私ども衆参両議院の中で与野党通じまして十五人の代表団でアメリカの方へ調査に参りました。グラマン、ダグラス、ボーイング、あるいは司法省その他回ってまいったわけでありますけれども、この中で、新聞等で証人も御存じかと思うのですが、アレンさんという人の名前が一度出ました。アレンさんにお会いしていろいろいわゆるロッキード事件が出たころのアメリカにおけるパーシー委員会のさまざまな証言活動というものを伺ったわけでありますけれども、チャーチ委員会の中でたまたまこのアレンさんの問題が出てまいりましたときに、御存じのようにチータムという方がアレンさんについていろいろ発言をされて、これに耐えがたいということで直ちにその三日後にアメリカの議会のチャーチ委員会を開いてもらって一々反論を加えて潔白を訴える行動をあえてとったという経緯を伺ったわけでありますが、このチャーチ委員会でのパーシー議員が、私どももその議事録を拝見したわけでありますけれども、この議論の中で、こういう議会における証言その他の活動の中で非常にしばしばこういうところへ呼ばれる方々の個人的な人権、名誉というものを傷つけることが多いんだ、そこでわれわれアメリカの議会の中でもこういう点について大いに反省をしなきゃいけない、それぞれの方々の名誉というものをいろいろなことをしていかなきゃいけないという反省が議事録にも出ております。アレンさんもそういう指摘をされております。  そういうこともわれわれもよくわかるわけでありますけれども、しかしなお、御存じのように、その後の事件の展開を見ますと、私どもはどうしても証人の御証言をいただいて幾つかの点について明らかにしなければ、今回のこの事件全体の姿というものが明らかにならないのじゃないか。私は、そういう立場で、率直に前回衆議院における証人証言を踏まえながら幾つかの御質問を申し上げたいと思うわけであります。  その第一点でございますけれども、前回衆議院の証言の中でもしばしば引用されて、証人にとっては余りにもしばしば聞いた記事の内容でございますが、五十四年の一月二十一日付の毎日新聞の中で証人がいろいろな御発言をされた、それに対して衆議院の予算委員会証言におきまして、いや、それは誤解であるという御発言をされておられるわけでありますが、実はこの中の記事を見ますと、たとえば、「ダグラスのやり方はきたないのだ。特に日商岩井のやり方は問題がある。なぜ、F15の売り込みにからむ日商岩井のやり方を追及しないのか。とにかく日商岩井の海部氏がどんなあくどい手を使っているか、君たちはそれを知らない。」こういうようなことを、もちろん、衆議院の予算委員会におきまして、証人は、そんなことはなかった、およそ誤解だ、私はそういうことを言っていないという趣旨のことを御発言になっておられるわけでありますが、逆に言えば、こういう記事がもし毎日新聞の記者の想像もしくは歪曲によってつくられたものだとすれば、実は証人自身の名誉にもかかわりますけれども、ここに挙げられた方々にとりましても大変な名誉棄損になるわけでございます。そういう意味で、私はここではっきりと証人のお口からこの記事——実は、この記事があるがゆえに、全体のダグラスの売り込みについて何か証人がいろいろなことを知っておるのじゃないか、いろいろなかかわりがあるのじゃないかという憶測を生んでおるわけであります。証人が、この記事につきまして、いままで毎日新聞社に対して抗議もしくは訂正の申し入れをしたことがあるのか、もしそういうことがなければ、この場におきまして毎日新聞のこの記事については全く誤った記事であると、こういうことを断言できるのか、この点について御証言をいただきたいと思います。
  371. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  ただいまの記事につきましては、衆議院の予算委員会においてお答え申し上げたとおりに、私は誤解だと申し上げております。これは確かに毎日新聞に対しては抗議を申し込んでおりません。抗議を申し込み始めましたら、印刷機で抗議を申し上げなきゃならないような状態に私は置かれているわけでございます。どういうわけだか存じませんが、私は確かに食事をプレスクラブで一緒にしました、ある記者と。一人か二人おりましたか、いろいろ雑談で飛び出した、それが十二月の末ぐらいだと、私は二十何日にアメリカに立ちましたので、その前でございます。まだこういうことがなっていないときでございます。そういうところの何かから誤解ではないか。私はどなたにも傷つけたくはございません。ただ、そういう記事が出るとか、またそれから申しますれば、いろいろと憶測その他で新聞紙上に何ゆえかわかりませんが、SEC報告を初め誤った翻訳から発端が起きて、そういうようなことから次々と何か私をやり玉に上げなきゃならないという理由はどこにあるか。むしろそちらの方をお調べいただき、人権を擁護していただきたいという私の気持ちでございます。
  372. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 毎日新聞のこの記事は全く誤った内容のものであったという御証言をちょうだいしたわけでありますから、この会見は、毎日新聞が何らかの形で恐らく、これはテレビで報道されているわけでありますから、訂正が行われるだろうと私は確信をいたしております。  そこで、私は衆議院の予算委員会証言全体を通じまして検討してみたわけでありますけれども、まず問題を二つに分けてみたいと思うのですが、その一つは、証人が主張されておりますように、潔白である、何ら不当な不正なことはしていないということを立証するためには、証人がダグラス社の販売等についてどういうかかわりを持っていたかというその立場、役割りの問題だろうと思うのですが、前回衆議院の証言におきまして再三いわゆるエコノミックアドバイザーというような役割りであったということを強調されておられる。実は、私どもも、アメリカへ参りましてダグラス社に直接御質問を申し上げたわけであります。そういたしますと、ほぼ証人のおっしゃっておられたと同じことを、いわば裏書きするような形の御発言をダグラス社の幹部から私どもいただきました。しかしながら、その中で幾つかどうしても証人からもう一度伺っておかなければならない点を感じたわけでありますが、その一つは、証人はいわゆるエコノミックシチュエーションその他についてアドバイスをするというようなことを再三御指摘になっておったわけですけれども、一体証人の活動——これはダグラス社に対するわれわれの質問であったわけですけれども、証人は一体ダグラス社にとってどういうメリットがあったんだ、大変役に立ちました、こういう答えであったわけですけれども、たとえばということで証人からDC10のデモフライトというんでしょうか、これを飛ばしてみたらどうだというようなアドバイスをいただいた、これは実は非常に貴重なアドバイスであったというような回答を得たわけであります。そういたしますと、私は実はその話を伺いまして、衆議院の証人の一貫した証言の筋道というのは、自分は売り込みとか販売ということに直接関係はしていない、それはダグラス社もそう言っているわけですけれども、つまり買い付け先に対しては接触してはいけないぐらいの規定があったということすらダグラス社は言っておりましたけれども、しかし、DC10という航空機そのものの売り込みについてさまざまな証人がすでに持っておったいろいろなノーハウとかあるいはビジネスの体験とかいうようなものについては、相当程度アドバイザーとしての機能の中で発揮しておったのではないかというふうに思うのですけれども、衆議院の予算委員会における証人証言、いろいろな委員がいろいろな発言をしておりますので、それをひとつまとめる意味でいま一度私どもがダグラスで聞いてきた話を踏まえて、証人の口からその役割りというものはやはりDC10の売り込みに直接営業活動はしていないけれども、その環境条件とかそういうようなものを調べるいわば情報収集あるいはその他のアドバイスというものであったということを確認をいたしたいわけでありますけれども、御証言をお願いいたします。
  373. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) まず、私、委員長にお伺いしますが、DC10の売り込みの問題は本委員会予算問題とどういう関連がございましょうか、承りたいと思います。
  374. 町村金五

    委員長町村金五君) 今度の予算は、全体としては、御承知のとおりとりあえずの問題としてはE2Cの問題についていろいろな疑惑があるというふうなことから始まってきたわけなんでございまして、やっぱり飛行機全体についてある程度のこの際究明が行われるということになったのでありまして、直接いまおっしゃったような飛行機をとりあえず政府が買うというその予算にはないと思いますけれども、広い意味において私は関連があると、こういうふうに考えてこの委員会でも御証言を求めるということに相なったのかと思うのであります。
  375. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 委員長の御説明には必ずしも一〇〇%私は納得できませんが、しかし、お答え申し上げさしていただければ、私の活動については、衆議院の予算委員会において十二分に御説明申し上げたつもりでおりますので、それを御参照いただければ、時間の問題がございますので、何かそこの中に具体的にこれはどうか、疑惑だとか、いま委員長から疑惑というお言葉を伺いましたけれども、疑惑というお言葉を伺うたびに私はぞっとするんです。実にいやな立場であるということは私は心外にたえないのです。EC2だかE2Cだか存じませんが、私は何にも関係ないわけですから、関係ないのにあたかも関係があるように国民に映るようなこういう場に出されること自体が、私は再三申し上げる人権のじゅうりんではないかと申し上げているわけです。
  376. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 この役割りは、実は後ほど質問しようと思っていたのですが、それでは同じことを別の観点から申し上げますけれども、証人はすべて衆議院の予算委員会でもうすでに完璧な説明をしたというふうに言われているのじゃないと思うのです。なぜならば、五万ドルプラス五万ドルというお金を受け取りましたと、これについての税務処理についてはただいま調べておるところだという御発言をされておられるわけですね。それでは、私は追加の最後にいただいたという五万ドルの中身についてどういう性格のものであったかということをはっきりするために質問をしているわけなんですけれども、この五万ドルについてどういう税務処理をしたか、その後お調べになった内容について御回答をお願いいたします。
  377. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) ただいまの先生の御質問に対しましてお答え申し上げますが、私はアドバイザーとしてそれに対するリテーナーをいただいているわけなんです。すなわち、一つの私の報酬と申しますか、それを一々——税務署には確かに報告いたしました。一々ここで何かよほどの疑惑があるとおっしゃるなら記憶を起こして一生懸命御説明しますが、どういうわけで一々私の所得に対してまでも触れることはこれもまた一つ私的のものに触れることになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  378. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 こういうことなんですね。証人の活動が本当にエコノミックアドバイザーで、そして全く商業ベースのものであって、そして何らいわゆる政治家その他への不正な支払いをしていないということを立証しなければならないわけですね。そういたしますと、この五万ドルというものが、証人経費として処理をしたんだと、こういうお話なんですけれども、しかし、証言の中で、また私どもがダグラス社で確認したところによれば、それはあらかじめDC10の売り込みというものが成功したならばボーナスとして払うと、これは証言もされておられるわけですけれども、そういたしますと、それは全く経費として払うというのはおかしいじゃないか、これは衆議院の予算委員会の中でも質問を、質問じゃないけれども感想としてある委員が述べていますけれども、これに対するお答えがなかったわけですね。これについてはっきりいたしませんと、民間の航空機の売り込みだからそれは全く無関係だというお話ですけれども、御存じのようにロッキード事件というのは民間の売り込みの問題でありますけれども、それに政治家が介入したかどうかというような議論がずいぶんあったわけですから、そうしたものについて証人が全く無関係であるということを確認するためには、そうした点についてお答えをいただきませんと私もわからないのじゃないかと思うわけです。そういう意味で御質問申し上げたわけであります。
  379. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  上申書に書いてあるとおりでございまして、そのリテーナーという、またいま何かボーナスというお言葉をお使いになりましたけれども、これは私ちょっと訂正しなきゃならないと思いますが、衆議院のときは、私は全く何も研究をしないでそのまま準備なしで伺いましたので、その場で記憶を起こしまして、何かボーナスいうお言葉があったのではないかというような考えで申し上げましたのですけれども、その後ダグラスに問い合わせますと、リテーナーとしてもらっていることになっておりまして、もちろんそれはチームエフォートでございますから、リテーナーでもそこと関連がありますが、しかし、この代金をいただいたことについて、何か私が不正なことでもあるということなら、むしろそれを御指摘願って、私はこういうふうに不正に使ったということはございませんから申し上げかねると思いますが。
  380. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 不正に使ったかどうかということではなくて、事実として、どういう契約内容に基づいてどういう支払いが行われて、どういう経理処理がされて、どういう税務処理がされたということが確認できれば、それはおのずからはっきりするわけですから、そういう意味で御質問申し上げているわけです。  いまボーナスということではないということですけれども、あらかじめ契約の中で、成功した場合にはある程度の金額が支払われるということはあったわけですね。その点はいかがですか。
  381. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  そういうふうに契約にうたってあったと存じます。
  382. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 証人のいろいろ訴えたいといいますか、主張したい点については大変よくわかるのですけれども、事実をまず確認することなんですから、ひとつ率直に、不正とかなんとかということは、あらかじめ私どもも当然不正があったに違いないということで御質問申し上げているわけじゃないのですから、そういう意味に受け取らないで答えていただきたいのですけれども、金の流れで言いますと、五万ドル、五万ドルというのがあって、一万五千ドルについては証人もこの上申書の中に添付されております手紙の中にありますように、自分には心当たりがないと、こういうことを御指摘になっているわけですけれども、立てかえ払いということが衆議院の予算委員会のとき質問の中であったわけです。この立てかえ払いというのは、私には、エコノミックアドバイザーである証人が、本社の、ラインなのかスタッフかわかりませんが、本社付の、日本へ来て売り込みをやっている方のいろいろな活動の立てかえ払いをするということの趣旨がちょっとよくわからなかったわけでありますけれども、この立てかえ払いというのは、証人契約に基づく役割りに基づいてどういう活動をしていたときに立てかえ払いが必要になったのでしょうか。
  383. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  その立てかえ払いと申しますのは、先生はこうかた苦しく考えておられて、契約に基づいての立てかえ払いとかそういうものではございませんで、この前にも申し上げたと思いますが、ゴルフ場に行けば、やはり私のゴルフ場ですから一応私がそれをサインする。そうした後で、これだけかかったと。しかし、ゴルフをやる場合には、御承知のとおり、外国人というのは日本人みたいに仕事を必ずしもゴルフ場に持ち込むわけじゃございません。何か営業活動に使った何かではないかという御懸念があるでございましょうが、そういうことは全くございません。また、箱根にウイークエンドに行こうというようなときに、それは富士屋ホテルその他私の顔がききますから一応サインする、それで楽しく雑談をするという程度のものでございまして、そう先生がおっしゃるほどの深い意味がございませんと思います。
  384. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 最後になるわけですけれども、一万五千ドルのはっきり言えば使途不明のお金があったと、これをダグラス社が社外の会計監査専門家、弁護士等に調べてもらったその過程で憶測したものだということをダグラス社の幹部はわれわれが調査団で行ったときに言っておったわけです。一万五千ドルというのは、ダグラス社の幹部の御発言でも、郷証人に伺いましても、また他方、ボガート氏ですか、当時売り込みをやっておられたボガート氏に聞いても、それは知らない、よくわからないと、こういうことであった。そこで、そういうふうに憶測をしたのだと、したがって何の不正に支払われたということの証拠もなければ何もない、こういうのがあの8Kレポートについてのダグラス社のコメントであったわけであります。そういたしますと、いま証人は、立てかえ払いの問題は、推察をいたしますと、ボガート氏かどうかわかりませんが、少なくともダグラス社の売り込みに来られていた方々との全くプライベートな、営業活動ではなくて全くプライベートな活動としてたまたま自分が先に払ってやったり立てかえ払いをしたりと、それをさらに後に精算してもらったりということであったという意味で、この一万五千ドルとは全く無縁のものであったと、こう了解してよろしいのでしょうか。
  385. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  そのとおりでございます。
  386. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で熊谷君の発言は終了いたしました。  次に、瀬谷英行君。
  387. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 社会党の瀬谷であります。  冒頭私申し上げておきますけれども、私は、郷証人に対して、不正があるかとか、あるいは疑惑があるかとか、そういったような気持ちはみじんも持っておりません。そのことをまず申し上げたいと思う。あなたは、この上申書を拝見いたしましたけれども、ここに呼ばれるということ自体が何か疑惑を持たれているのではないかということをしきりに強調されております。お読みになりたいと言われるけれども、時間の関係で省略いたしましたから、私が内容について少しそのことについて触れるのですがね。だけども、ここに呼ばれる証人がみんな疑惑を持たれているというふうな理解をされたのでは、ほかの証人に対して失礼になるんですよね。衆議院ではたとえば海原参考人、それから参議院では井上証人山村証人、いろいろな人に来てもらいました。ちっとも私はそれらの人たちに対して疑惑を持っておりません。まあきょうお見えになりました辻証人海部証人はちょっと問題があるわけなんでありますけれども、しかし、その海部証人にいたしましても二回ここで出ていただいたんです。きょうが三回目なんです。ですから、私ども意地が悪ければ、最初の一回目の証言と二回目の証言が食い違っていれば、食い違い放しにしてそのままほうっておけば、後でもって違うじゃないかという指摘ができる。だけれども、そういうことをしたのではかえってそれは気の毒だから、一回目と二回目の食い違いがあったら、三回目でもってこれが本当だということを言っていただくような機会だって設けなければ悪いのじゃないかと思いまして、そういうような考え方もあったから三回もおいで願った、こういうことなんです。だから、あなたに最初に申し上げるのは、予算審議に無関係だと、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、全然無関係とは言い切れないものがある。それはなぜかと言えば、予算で問題になっておりますのはE2Cだ、E2Cの輸入に絡んでおりますのは日商岩井だと、こういうことになる。そこで、日商岩井がいままでいろいろやってきたことについて何も問題があるのかないのかということを究明するということが一応私どもがやっておりますことなんで、もし問題があった場合にどうするかということはこれはその筋でもって考えることなんです。私どもがやる仕事とはまた別になってまいります。  そこで、あなたが衆議院でもっていろいろお述べになっておりますけれども、私は、だから、あなたがアメリカの会社から五万ドルもらおうと、十万ドルもらおうと、そういうことはどうでもいいんです。それは正当な報酬としてお受け取りになった、それはそれで結構な話で、そんなことについてとやかく言うつもりは毛頭ございません。しかし、じゃ日商岩井についてどのような見解を持っておられるのかということは大変に参考になるわけなんです、われわれとしては。この衆議院の会議録を読んでみましたけれども、衆議院の会議録で私どもの方の大出議員からいろいろ質問があったのでありますが、その中であなたは、「日商岩井の内容につきましては存じませんし、そういうことを申した」つまり新聞記事のことでありますが、「そういうことを申したという報道については、何かの誤解だと存じます。」と、こういうふうに言っておられるのであります。そこで、日商岩井について何にも御存じないんならばないとおっしゃっていただければよろしいし、日商岩井のやり方についていろいろと苦い目に遭ったとか、あるいは結構だと思ったとかいうことがあれば、これを述べていただくということはきわめてわれわれにとっては有益な話になるのでございますから、その点をまずお伺いをしたいと思うのであります。
  388. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  いろいろと私の立場を御配慮願いましてありがとうございました。お心持ちはよくわかりましたでございますが、ただいまの御質問に対して、日商岩井に関しましては、衆議院の予算委員会で御報告したとおりに私はよく存じません。ただ、そのとき申し上げましたと存じますが、私はLPG、液化ガスという業界のあるパイオニア的の仕事をやりまして、船をつくりましてそのガスを全国に販売していただくのにいろいろな商社各社から御協力いただいたときに、日商岩井が非常に熱心にわれわれと協力していただき、むしろ励ましていただき、船ができる一年以上前からでございましょうか、いろいろと打ち合わせをやり、またその後もいろいろな意味でつながっているというふうに考えておりますが、私は数年前から実際のその会社実務から離れておりますのでその後の経過をよく存じませんが、私が考えますところには非常にりっぱな商社であるし、正当な仕事をやっているように私は率直に申し上げで受けとめておりますが、なお補足さしていただければ、航空機問題については私は一切おつき合いがなかったわけでございます。それだけははっきり申し上げられると存じております。
  389. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 LPGのガスの販売で日商岩井の協力を得た、こういうお話でございます。ガスの販売に協力を得たからといって、決して私は臭いとは思っておりません。  航空機関係のことはよく御存じないと、こういうことなんですけれども、それではF16の販売の問題でたとえば日商岩井と競争関係のような立場に立ったことがあるのかどうか、あるいは日商岩井のやり方について出し抜かれたというような印象をお持ちになったことがあるのかどうか、その点をお伺いしたいと思うのですが。
  390. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  ただいまF16という飛行機につきまして御質問がございましたが、私は御承知のとおり、ただいまゼネラル・ダイナミックス社の顧問をいたしておりまして、それも心情的な援助、たとえば他人にまたは友人等の効き目があったかどうか存じませんが、16というのは非常にいい飛行機であり、その性能は抜群にいいし、しかも安い、また七割ぐらいその国で部品ができるというような非常に優秀な、もともとそういうデザインをされた優秀な飛行機であるということは、確かに申しましたことばございます。いまぶつかるということは、そういうことをいろいろな方に機会があるかまたは問われた場合に、当然、たとえば私の会社のガスは純度が高いから少しぐらい高くてもいいんだというような意味で心情的な援助をしたつもりでおりますが、ただ、16は残念ながらここでお買い上げにならなかったので、本予算委員会とは問題が違うと思いますけれども。
  391. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 つまり、日商岩井のやり方について、あなたが非常に優秀な会社であると、また協力をしてもらっているということで問題がないとおっしゃれば、それはそれで結構なんです。しかし、F16の問題について、非常に優秀な飛行機だと思うと。ところが、そのF16が取り上げられなくてF15の方に持っていかれてしまったと、その辺に関係をしてどうも日商岩井のやり方はおかしいのじゃないかとか、汚いのじゃないかとかいうような感想をお持ちになったということはあるんですか。
  392. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  感想は持ったことはございませんし、また飛行機の直接の売り込みと申しますか、ということはほかの者がやっておりましたので、いま申し上げたように、私は心情的な援助しかいたしておりません。日本政府の防衛庁でございますか、この前申し上げたと存じますが、防衛庁の防衛計画に基いて防衛官が適切だ、適当だと思う飛行機をお買いになったわけでございますから、私はそういうふうに了解しております。
  393. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 先ほどもちょっとお話がありましたが、毎日新聞の記事は誤解であると、こういうふうにおっしゃっております。誤解なら誤解で結構なんですけれども、誤解というのと、あったことを全然否定するのとまた違うわけなんですよね。毎日新聞の場合には、郷さんが断言をされたと一問一答の形でもってお話しになったということが載っているわけなんです。その中でF15とF16の問題がたまたま出てきた。日商岩井のやり方について大変強い御批判があった。また防衛庁の人たちも憤慨をしておったといったようなことが出ているわけなんです。だから、こういう事実がもし本当でないとすれば、先ほども熊谷さんのお話がございましたけれども、これはこういう記事を載せた記者に対して、やはりまるっきりうそのことを書いてくれるなと言って抗議をしなきゃならないと思うのであります。それをしないと、書かれた方が名誉を傷つけられるということになるわけです。だから、そういう措置は当然おとりにならなければならないと思うのでありますけれども、たとえば新聞の編集局の責任者に対して、あれは事実とは違うといったようなことは何かおっしゃったことがございますか、そういうことは別におっしゃいませんでしたか。
  394. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたような次第でございまして、私は一々新聞紙上で私のプライバシーに至ることまで、また親族に至るまでいろいろ書かれておりますし、たとえば例をとりますれば、私の関係会社社長談として出ているものは社長が会ってもしないのに出ていたり、こういうことは新聞の方の方がお書きになるのは自由なものでございますから、これに対して私は抗議するとかいたしますればもう印刷機でも使わなきゃならないというようなことであると申し上げたとおりで、私は決してマスコミが間違っているとかけしからぬとかいうのではございません。往々にして不正確または誤解とかいうことがあるのではないかということは先生は十分御自分でも御存じだと思いますが。
  395. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 新聞が間違ったことを書くということが決してないわけじゃございません。だけれども、しゃべらないことをしゃべったということを書かれたのではこれはやっぱり腹を立てなきゃいけないですよね。もう郷さんはここへ呼ばれること自体が、疑惑がないのに疑惑があるような感じでもって呼んだということで怒っておられるのですね。だから、私は、決してそんなことじゃないと、ここは法廷じゃないですから。証人という立場の人には、本当のことをなるべくわれわれは知りたいから、真相を知らしていただくためにここへお客様としてお呼びをしているわけです、丁重に。その点を誤解しないでもらいたいと思うのです。それが、郷さんのこの上申書なんというのが本当の誤解なんですよね。決してわれわれはそういうつもりじゃないのに、これは何か自分に不正があると思っているのじゃないかなんというのは、これは思い過ごしであり、誤解なんですよ。しかし、いまの新聞の記事なんかの場合は、これは誤解というのとはちょっと違うのですよね。だから、それならそれで結構です。あなたが、新聞に書かれたということは全然違うとおっしゃるのならば、これは新聞社とあなたとの関係だから、ここで言われたことが正しいというふうに私どもは理解をせざるを得ないのであります。それはそれで一応そのように理解をしたいと思いますが、よろしゅうございますね。  それでは、今度はもう一つの問題でありますけれども、あなたのやはり上申書の中で、参議院の自民党は政治家や外人の証人喚問について反対をしたと。その反対をしたというこの記事のことについて不満を持っておられるようでありますけれども、私どもは政治家や外人といえどもこれは来ていただける方には来ていただいた方がよろしいと。それから証言をしていただけるのならば身の潔白を証明していただく方もあるし、あるいは事実を教えていただく方もある。そういう意味で、外人あるいは政治家を決してボイコットしているわけではないんです。ただ、意見がまとまらないために実現しないだけなんであります。その点もまた誤解のないようにしていただきたいと思うのでありますけれども、今回の問題について、それならば政治家や外人等についても出頭し、証言をすべきであるというふうにあなた自身も思われますか、どうですか。
  396. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  ただいま先生の御発言どおりに私考えております。国民と、または国民を代表すべきである国会議員、政治家の方々も、やはりわれわれ市民と同等の立場で証言する必要があればなさってはいかがかと思います。むしろ先生方の方が率先して、みずから進まれていろいろとお知り合いの事実をここでお述べになることが適当じゃないかと考えられます。  それからそのお呼びになる場合のいろいろ組織的の問題があるように承っておりますが、何か私の不満と申しますのは、組織の力も何も私はございません、個人の力も全く微力であり、しかもたまたまダグラス社から頼まれて大した仕事をしていないのに大変多い金額をもらったじゃないかというようなつまらない疑い、SEC報告誤訳から何か私がこういうところに出ることに対して、私は非常に不満を感じているということをここでもう一回申し上げたいと存じます。
  397. 町村金五

    委員長町村金五君) 久保君。
  398. 久保亘

    久保亘君 どうも御苦労様です。社会党の久保亘です。  私は最初にちょっと確認さしていただきたいことがあるのですが、先ほど、一月二十一日付の毎日新聞の記事について、郷さんは、プレスクラブで記者と一緒に食事をしたことがある、そのときの話を誤解して載せられたものだと、こういうふうなお答えをなさったようにちょっと私聞いたのですが、そうでございましたですか。
  399. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私は一々詳しく覚えておりませんが、いろいろ言葉を使って失礼ですが、くどくこの問題をお取り上げになるので考えますと、何か確かに食事もした覚えがあるということは思い及んでいるわけでございますが、しかし、新聞新聞とおっしゃるのでございましたら、その事実があるかどうか、私にお問い合わせでなく、先生方の方でお調べいただいてはいかがでございましょうか。  あわせて申し上げますと、たとえばでございますね、この前の……
  400. 久保亘

    久保亘君 いや、お聞きしたことにお答えいただけば結構です。
  401. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) いや、委員長が先ほどおっしゃいましたように、私がほかの発言も自由にしてよろしいとおっしゃいましたので申し上げたのでございます。
  402. 久保亘

    久保亘君 そんなことはありませんよ。委員長、そういうことになっておりますか、はっきりしておいてくださいよ。
  403. 町村金五

    委員長町村金五君) いや、そうは申し上げておりませんけれども、御自身の先ほどももうちょっと申し上げたようなことは……
  404. 久保亘

    久保亘君 お聞きしたことに対して関連してそのことについてお述べになるのは結構です。しかし、全然違ったお話をなさいますと私の方も困ります。
  405. 町村金五

    委員長町村金五君) 関連したことでおっしゃることは一向差し支えございませんけれども。
  406. 久保亘

    久保亘君 別にそれをやかましく申し上げるつもりはございません。  ただ、この新聞社が報道した限りにおいてはあなたの事務所——新国際ビル九階にございますのですか、そのあなたの事務所でお会いしたという記事になっております。そういう事実は全くなかったのかどうか、これは御記憶はおありになるんじゃないでしょうか。
  407. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  いろんな友人が私の事務所に遊びに来ることがございますので、どなたがどうということをお示しいただかないと、またここではっきり記憶を起こせません。
  408. 久保亘

    久保亘君 誤解と捏造というのは大変違うのでございまして、お話しになったことをニュアンスが違って表現をされたという場合には、あるいはあなたがお話しになったことを何かこう受けとめ方が違って書いたという場合誤解でございますが、全然その問題に触れもしないのに書いたというのはこれは捏造だと私は思うんです。あなたは先ほどから誤解という言葉を大変お使いになっておられますけれども、私はあなたにいろいろお聞きしたいと思っておりますのは、この新聞で述べられたような、あなたのインタビュー記事として載ったようなことが本当にあったのならば、この商社の商法について、その道にいろいろと関係のお深いあなたに、体験も通して具体的にお尋ねしたいと思っていることがあるんでございます。しかし、この新聞は全くの、特に衆議院で指摘されたような部分についてはこれは全くの捏造であって、私は全然関知しないことだと、こういうふうにおっしゃられるのかどうか、その辺をお聞きしてから私は少しいろいろな問題をお尋ねしたいと、こう思うんでございます。
  409. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  裡造ですか誤解ですか存じませんが、ひとつ具体的に、何かございましたら、お役に立つことがございましたらお尋ねいただきたいと思います。
  410. 久保亘

    久保亘君 いいえ、あなたがこの新聞の記事は誤解だと、私はこういうことを話していないという意味のことをおっしゃいます以上は、あなたもこれをお読みになっていらっしゃるわけでしょう。読まないで誤解とかなんとか言えないのですから、あなたもごらんになっておっしゃっていることだと思いますから、この新聞の記事についてこれは捏造の部分がたくさんある、特に衆議院でいろいろと尋ねられた部門などについては、これは捏造されたもので私には全く責任のないことだと、こういうことなのかどうかということを私お尋ねしているわけです。
  411. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  先生が非常に詳しく御質問なさるその目的をひとつはっきりおっしゃっていただけないでございましょうか。それを私は確かに記事を読みましたが、もう一カ月以上前に読んだことでございますし、一々そういう記事を気にしておりませんが、どういう趣旨でおっしゃるのか私にはわかりません。
  412. 久保亘

    久保亘君 どうもあなたは私がお尋ねしていることに真っすぐお答えいただいておらぬような気持ちがしてなりません。この中に、このFXでF15が決定をしていく段階について「ダグラス社のやり方はきたないのだ。特に日商岩井のやり方は問題がある。なぜ、F15の売り込みにからむ日商岩井のやり方を追及しないのか。とにかく日商岩井の海部氏がどんなあくどい手を使っているか、君たちはそれを知らない。私の家には一佐クラスの制服組が遊びに来るが、F15に決まったことに皆、義憤を感じている。政治家のA氏やB氏」、これはいずれも実名をお挙げになったということになっておりますが、この「A氏やB氏が私腹をこやしているのだ。」質問者が「不正があるということか。」と尋ねたら「そうだ。もっとも石油問題にからむ不正は、航空機など問題にならないほど大きい。」こういうくだりがあるわけですね。で、この部分は捏造なのか、あなたは全くこの記事については責任を持っていない、関係のない捏造なのかどうか、そのことはいかがでございますか。
  413. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) もう新聞記事のことならいいかげんにしていただきたいと存じますけれども……
  414. 久保亘

    久保亘君 そんな言い方はありませんよ。
  415. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) これは一体そのどういうこの委員会関係があってこの私にその捏造だとか何か——どちらかわからないと、よく覚えていないということを申し上げているわけです。よく覚えていないと、誤解ではないかということをお答え申し上げているわけでございます。
  416. 久保亘

    久保亘君 いや、よく覚えていないと言われるので、私はわざわざいま読み上げたのです。だからそのことについて、そういうあいまいなことをおっしゃると私たちとしては大変困るわけです。もしこれが多少のニュアンスの違いがあってもこれに類することをあなたがお話しになったのならばこのことについてお聞きしたいんです、私たちは。しかし、あなたが、このことについては一切自分が話をしたことじゃない、全く私には責任のない、新聞社の勝手な捏造だ、こう言われるのなら私はもうこのことについてお尋ねすることはないわけです。それをはっきりしてくださいと言っているんです。
  417. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) この問題についてちょっと和泉弁護士と相談したいと思いますが。
  418. 町村金五

    委員長町村金五君) はいどうぞ、結構ですよ。
  419. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) どうも趣旨がよくわかりませんで恐れ入りました。御趣旨は弁護士から説明をもらいましてよくわかりました。私は部分的にこう一つ御質問いただければ、たとえばあくどい商法云々と、そういううわさはあることは、これはまあ何と申しますか、ある程度の実業家ならうわさがあるぐらいなことは大抵知っておりますね。そういう面においては私はそうかなというようなことを言ったかもしれませんが、そのほかの「制服組」云々というのについては、これをお調べいただければ、どういう制服にあっても私は一切おつき合いしておりませんから、そういう点ではちょっと私はそういった記憶があるかどうかというのが非常に、あいまいで申しわけございませんが、私は正直にお答え申し上げているつもりでございます。
  420. 久保亘

    久保亘君 まあこれ以上この問題で問答をしてもなんだと思いますが、少なくとも衆議院で郷さんがお話しくださいましたときには、商社の商法についてのくだりは、私の記憶に間違いがなければかなりきっぱりと、私はそのようなことは言っていないと、こういうことで御否定になりましたけれども、きょうはその点については、あなたのこの商社の商法について、いろんなうわさは聞かぬでもないと、そういうことについては話をしたかもしれない、こういうお話でございますから、よくその点はわかりました。  それでは余り時間もございませんけれども、少し具体的なことを尋ねさしていただきたいと思うんですが、郷さんはエコノミックアドバイザーという言葉をお使いになっておりますね、ダグラス社について。それでこのエコノミックアドバイザーというのは、SECの報告書ではコンサルタントという言葉が使われておりまして、これは郷さんとは別の方を指すものだろうかどうか。このエコノミックアドバイザーというのは、ダグラス社の中に正式なそういうような職といいますか、そういう仕事の名称が存在しておるんでしょうか。
  421. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 先ほどの第一点にお答え申し上げますが、私は商社全体としての日商岩井はりっぱな会社だという意味で一切そういうことないと申し上げたわけでございます。うわさはうわさで別でございます。  それから、ただいまの御質問に対しての機会を得られまして、私ここにSEC報告を持っておりますが、先生のお手元にございましょうか。
  422. 久保亘

    久保亘君 いや、いまここにはありませんが、私がお尋ねしたことにお答えいただければ結構です。
  423. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) はい。このSEC報告をちょっと拝見さしていただきますが、まずここに、おっしゃるとおりにエコノミックアドバイザーとは書いてなく、セールズコンサルタントというコンサルタントという字がございます。私のこれは推測になってお答えになるかどうかわかりませんが、たまたまこれを書きましたオニール弁護士がいるわけでございます、SEC担当の。それがこれを立案、作文したわけですが、先生の御指摘とおりに、非常に鋭い英語力と申しますか、鋭いところをおつきになっていると思います。私自身も気がついておりますけれども、これは英語力に対して敬意を表しますが、おっしゃるとおりだと思います。たまたま五万ドル、五万ドル私が受け取りましたということを私みずから進んで申しておりますので。ただ、立案者が私のアドバイザリーアグリーメントだということを、私はその衆議院の後で内容について電話で聞きましたときに、確かにアドバイザリーアグリーメントだと言っているわけです。そうすると、そのアドバイザリーアグリーメントと知っている人がここでコンサルタントという名前を使ったので、そのときから少し先生のおっしゃるような疑問を私は感じ始めました。私にはわかりませんが、絶対にないとはこの文章から見て言えないんではないかとも思いますが、しかしそれは断言できません。恐れ入りました。
  424. 久保亘

    久保亘君 エコノミックアドバイザーの場合にはコンサルタントが果たすべき役割りという部分には全く無関係なのでしょうか。やっぱり商社が、経済顧問にせよ政治顧問にせよコンサルタントにせよ、そういう仕事を企業が依頼する場合には、企業の営利活動に対して貢献をしてもらいたいという期待は非常に強いのではないでしょうか。その場合、エコノミックアドバイザーの場合には、これはもう何か特殊な任務というようなことなのでしょうか。その点をちょっと教えていただけませんか。
  425. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  コンサルタントという場合は、私が理解いたしておりますところでは非常な技術を持った専門家で、たとえば私の業界でございますと、冷凍設備に対する技術を持ち、そのコンサルタントと、まあ簡単に申し上げますとそういうことでございますが、アドバイザーと申しますのは非常に広い範囲であり、また、これというだれに属しているというような職務ではないように私は思っておりますし、また実際の仕事の上ではそういったような、先生方にとりましては、また日本人一般というのは何かこうものを型にはめなければならないと、何々担当とか、何々部長とかと、何々付顧問とかいうような非常に限定されたものでないように私は当時から理解しております。
  426. 久保亘

    久保亘君 それでは次にデビット・ルイスさん、これはジュニアの方かもしれませんが、この方とは大変親しくしていらっしゃるのではないかと思うのですが、この方とはいつごろからお知り合いなんでございましょうか。
  427. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 私はいまよく覚えておりませんが、十五年か二十年前だと思いますが、はっきりいたしません。
  428. 久保亘

    久保亘君 そうすると、その点はやっぱりこの新聞に書いてあるマサチューセッツ工科大学での同窓生というのは、これはもう間違いでございますね。
  429. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  ルイス氏はジョージア・インスティチュート・オブ・テクノロジーの優等生として出られまして、マサチューセッツ工科大学とは関係ございません。
  430. 久保亘

    久保亘君 このルイスさんはダグラス社の社長をされ、いまはGD社の日本の社長さんですかね。
  431. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  ルイス氏はゼネラル・ダイナミックスでございます。この本社社長でございまして、直接日本の社長ではもちろんございません。
  432. 久保亘

    久保亘君 このダグラス並びにダイナミックス社の役員をされておりますときにルイスさんはかなり日本をお訪ねになったと聞いておりまして、そして日本では航空機の問題などについても非常に活躍された方だとも聞いておりますが、これは事実と違いますでしょうか。
  433. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 私はその当時の記憶を起こさせていただいておりますが、先生のおっしゃるほど陣頭指揮と申しますか、日本に来て売り込みをやっておられたようには考えられませんでございますが、私の知っている範囲で当時は一回見えたか見えないかぐらいだと思います。
  434. 久保亘

    久保亘君 それから日商岩井がダグラス社と代理店契約を結ぶ一方、同じ時期にこのダイナミックス社とも代理店契約を結んでいたことがありましたでしょうか。これはあなたは幸い両方に、一緒じゃありませんけれども引き続き御関係になっておりますから、その辺はよくおわかりじゃなかろうかと思うんですが、いかがでしょうか。
  435. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  いつごろのことでございましょうか。
  436. 久保亘

    久保亘君 七六年ごろ。
  437. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 七六年ごろ、日商岩井は、私の了解しているところではマクダネル・ダグラスのエ−ジェンシーを持ち、それもたしか戦闘機だけだと思いますけれども、ゼネラル・ダイナミックスとどういう関係があったかは、私は存じませんと言ってはあれでございますが、何かいろいろ、御承知のとおり商社というのは幾つかの独立会社が一緒になったようなものでございますから、時には、日商でございますか、片方は戦闘機をやり、もう一つは新聞紙上で拝見しますとボーイングとか、ほかの航空機関係会社とも関係しているようなことがございますので、その点、具体的に何とおっしゃっていただければ記憶を起こしてみます。お答えになるかどうか存じませんが。
  438. 久保亘

    久保亘君 実は、F15とF16の争いがありましたときに、日商岩井が両方のメーカーにそれぞれ直接かどうかは別にして、代理店契約を何らかの形で持ち、それでF15とF16の機種決定について日商岩井が非常に有利な立場を持ち得たと、こういうようなことは全く御存じありませんか。
  439. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  そういうお話は今日初めて伺いました。
  440. 久保亘

    久保亘君 それでは、時間がありませんから、最後に時間があるだけ一つ二つお尋ねしたいと思います。  あなたが直接いろいろな商社の売り込みなどに御関係になったということではなくて、やはり商社とかメーカーなどとのかかわりのある非常に重要なお仕事をなさっているという立場で、日本の商社の航空機等の売り込みのやり方で、商業道徳の上でフェアでないやり方がある、また、あなたの仕事を通じてそういうことについて見聞きをされたり、お感じになったようなことはございませんでしょうか。これはぜひ私どもが今後いろいろと問題を考えていく上で大変参考になることだと思いますので、お話しいただけたらと思うのです。
  441. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私は述べておりますとおりに、エコノミックアドバイザーという非常に広範囲な、しかも、ここでちょっと補足説明をお許し願えましょうか、エコノミックアドバイザーと申しますのはリテーナーをもらいます。リテーナーというのは、聞かれたときに、問われたときに答え、また他社の、同類の会社仕事をしないためにひとつまあ枠をはめておこうと、自分の陣内に置いておこうというので、その末端の実際のセールスまたはマーケティングの商社の活動とか、そういうことについては私には質問が全くなかったように覚えております。
  442. 久保亘

    久保亘君 これが最後のお尋ねです。  日商岩井の島田常務が亡くなられます前に郷さんは何か言いましたか。生きていたら告訴したいという意味のことを書き残されていると報道されております。で、ここに言う郷さんというのは、別にあなたのことだと指定されているわけではありません。しかし、この島田さんの書き残された言葉について郷さんは何かお感じになることがございますでしょうか、その点をお聞きして私のお尋ねを終わりたいと思います。
  443. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  島田氏が亡くなったことは私は非常に残念だと存じますのは、特に私は島田氏にお目にかかったことはございませんし、島田さんの御名前を知ったのは非常に最近のことでございまして、この前衆議院で申し上げたとおりに、全く私はどういうわけでお書きになったか全くわかりませんのでございます。
  444. 久保亘

    久保亘君 どうもありがとうございました。
  445. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で瀬谷君及び久保君の発言は終了いたしました。  次に、黒柳明君
  446. 黒柳明

    黒柳明君 公明党の黒柳明でございます。本日はありがとうございます。  先ほどから、本委員会においでになるに当たって人権問題、上申書でも見せていただきましたし、また先ほどのお言葉も聞かしていただきました。個人の人権だけではなくて家族の方も、あるいは御友人の方、その他関係の方も迷惑をこうむっていると。そういうことにつきまして、例になるかどうか、同じく本事件関係者でハリー・カーンという方がいらっしゃいまして、その方がSECを相手にとりまして告発した。私たち国会におきまして、機能の問題、調査権の問題いろいろありまして、なかなかアメリカで起こった事件を日本独自に解決する方法というのが四年前のロッキードでもむずかしかった。今回の場合でも同様でありまして、必ずアメリカからボールが投げられて、それに対してこちらがいかに受けとめるかと、その一つの足がかりとして国会が存在すると。アメリカの国会から見ると、議会から見ると、非常にアメリカ通の郷さんにとっては歯がゆいと思われる面もありますし、ある面においては非常に無礼だと思われる点もあるかと思いますけれども、機能も違います、あるいは権限も当然違います。ですから、国際人としての郷さんが日本を考える場合に、それに当てはめて国会をお考えいただくと、若干やっぱり、自分の人権を優先しなきゃならない、あるいは周りの迷惑を取り上げても若干腹立たしく思う場合もあるかと思いますが、その点はひとつ同じ日本人の仲間としまして、あくまでもいい方向に解決していかなきゃならない、この意思についてはそんなに違いはないと、こう思うわけでありますので御了承も賜りたいと思います。  またさらに、いまの関係につきまして、どうですかひとつ、ハリー・カーンさんはSECを相手に闘う気がやはりありますから、それほどお憤りになるならばといっちゃ何か他人事みたいで失礼な言葉ですけれども、ひとつSECから来たボールですからそれを思い切り打って、ハーグの国際裁判所か何かに提訴すると、こういうことは考えているんでしょうか。まあ米米間ですと告訴、告発ということがありますけれども、日米間ですから告発をじかにというわけにまいりません。国会で向こうに物を申すという段階にもないわけですね、まだ解明が端緒についたばっかりですから。すると、御自分のいまの憤りというものは国際裁判所が守ってくれる唯一の機関で、私がこんなことを言うまでもことないですが、先ほどから聞いたり上申書を見ますと、何分かの私も理解という以前の問題ですけれども、ああこんなこともあるのかなと、こういう感じがいたしますが、現在の心境をそういう面で行動にあらわすということはお考えはないのでしょうか。
  447. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  大変私の立場を御理解いただいて恐縮いたしております。ただいまの御発言に対して、私はいろいろこの事変の発端から考えましたのは、いまハーグあたりでSECを告訴したらどうかと。そういう気持ちにもなりましたが、ただ、私はなるべく物議を醸したくないと、人様に御迷惑をかけたくないという私の一つの生き方、やり方でございますので、時がたてばわかってくださるというような意味で、ここでお許し願えるかどうかわかりませんが、このSEC報告というものを、まあ読み上げる必要はないでございましょうが、もう非常にはっきりいたしておりますのは、一万五千ドルというのは私の手に渡ったと、今日、どこの新聞だか覚えておりませんが、非常に疑惑が残っているというような書き方をしたりしておりますが、どうして日本の記者が、またはこちらから視察団でいらしたのでおわかりになったと思いますが、向こうでもう少しこういうことを詳しく実際の立案者に質問して、一万五千ドルは本当にこのコンサルタントに渡ったのか、それから、先ほど非常に適切な御発言が社会党の先生からおありになったように、お前はアドバイザーだと、ここにはコンサルタントと書いてある、これは違うじゃないかと。もしかしたらそうかもしれません、わかりません。したがいまして、全般的に申し上げまして、いまSECというものは、日本では何か非常に大きな機関のように、おっしゃるようにボールを投げられた。私からしては、何もここまで私のことを書くのだったら名前を出して書いてくれたらもっとはっきりしたんじゃないかと思いますが、そうしないで、こういう誤解を招くような書き方をしたことに対しては確かに不満がございますが、このくらいなことで、本当に法的に向こうに告訴するということは、できればしたいと思いますが、なかなかむずかしいと思います。
  448. 黒柳明

    黒柳明君 まあ物議を醸したくない、時が来ればというならば、この国会ではひとつ感情的になりませんで、時のたつのをじっとがまんするのも一つのいい方法かと思いますけれども。  それから、先ほどSEC、衆議院でもそうなんですけれども、SECの8Kの報告ですね、この中に誤訳があるから私は誤解されているんだと。それは具体的にどこでしょうか。誤訳があって誤解される面というのはどこでしょうか、指摘していただけますか。
  449. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 具体的にそれでは読み上げてお答えさしていただきます。  ちょっと英語講座みたいになるんでございますが、一応お許し願います。
  450. 黒柳明

    黒柳明君 いやいや、私もちょっと英語をかじりましたから、二人だけでも結構。
  451. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) もちろん皆様そうだと思いますが、ここに「SECURITIES AND EXCHANGECOMMISSION」「CURRENT REPORT」「Form8−K」ということで「McDonnell DouglasCorporation」「November 1978」とございます。その中の八ページの一番下に「In 1970 MDCPaid $15、000 in sales−support expenses and$50、000 in consultant fees in connectionwith」云々と書いてあります。その問題になるのは、一万五千ドルのセールスサポート・エクスペンシズと書いてあるのは、先生の御承知のとおりエクスペンシズと複数でございます。一人に渡したならエクスペンスということになるんではないかと思います。というのは、御存じのとおりに、よくエンターテイメントとかその他の交際費を、エクスペンス、またはエクスペンスアカウントという言葉を使われておりますので、それから援用しましても、これはどうも複数の人にではないか、または一つの機構に対して渡されているのではないかと私は考えております。  それからセールスサポートというのは、先生の御存じのとおり、日本の新聞では促進という言葉を使っている。促進は御存じのとおりにセールスプロモーションであり、非常に積極的に持っていくと。これはサポートですから一種の助成金、まあその意味がどう違うか別といたしまして、私にこれが渡ったということは、この「and」で切れておりますし、それからここ、に「Part of the$15、000 in sales−support expenses reportedlymay have gone to a government official、but MDC has been unable to confirm thishearsay report」。問題はヒアセイリポート、すなわちこのリポートは「support exepenses re−portedly」のリポートでございますが、このヒアセイリポートは伝聞と日本語に訳すべきじゃないかと思いますが、御承知のとおり英語のヒアセイというのは、うわさのルーマーより弱いものであり、また聞きのまた聞きのまた聞きでもヒアセイである。ヒアセイエビデンスという伝聞証拠というのは、日本でもそうでございますが、必ずしも証拠にはならないというのを「可能性がある」というふうに訳している。それで、その可能性は一体この文章のどこから出たのかということも私は誤訳ではないかと。それからなお、そのおしまいに、私がいろいろその五万ドル、五万ドルに対して何かおかしなことがあってるのではないかというような、本委員会ではお聞きになりませんけれども、明確にしろということがございましたが、私からここで、この「He」はこのコンサルタントを指していると思いますが、「was neither agovernment nor an airline official、 and thereis nothing to establish that any of his com−mission and consultant fees were transmittedto goverment or airline personnel」。すなわち、政府または航空機会社の方々にこのコンサルタントフィーまたはコミッションというものは渡されていないということを非常にこれは明確に書いてある、これも新聞には一切取り上げてないことが非常に残念だと思います。  以上でございます。
  452. 黒柳明

    黒柳明君 私もSECへ二回ばかり行きまして、事務担当ないしそのトップの方にお会いしていろいろ話してきました。SECはSECなりに、その文章にあらわれないような根拠を持っている、これはもう御存じだと思うんです。しかし、ここではSECはいませんから相手にできません。  まず、いま郷さんがおっしゃったことをある程度信ずるということを前提で御質問したいのですけれども、いまおっしゃった一万五千ドルのこと、複数かもわからない、先ほども社会党の先生がおっしゃいましたね、それから機構かもわからない。そうすると、郷さんがアドバイザーとしてダグラスと関係を持っている。その中においての機構というのは、たとえばどんなものが考えられますでしょうか。あるいはもう一つ、その複数。これは先ほどわからないとおっしゃいましたが、五年間おつき合いをダグラスとなされた間の中で、そういうような感触を得た、ダグラスと日本とのアドバイザーなり、リテーナーであるかコンサルタントであるか、そういうような感触を持たれたような方があるいはいたんでしょうか。お名前は当然挙げられないと思いますけれども、いたかどうか。
  453. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私はその一万五千ドルにつきましては、返す返す申し上げておりますように何ら心当たりがございませんし、それがどこにどうなったということは、私は直接、返す返す申し上げておりますように、スタッフでございまして、そういう用途については何も知らされておりませんでした。
  454. 黒柳明

    黒柳明君 それから後半のは。だれかいたか、そういう感触がありましたか、複数だったら、そういうような方が。
  455. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) そういう感触もございませんでした。失礼いたしました。
  456. 黒柳明

    黒柳明君 これは衆議院の議事録を済みませんがまた参考にさしていただきますけれども、ここに、五年間の間に、私がいろいろ立てかえさしていただいたものを清算してもらったことがありますと、それは一万五千ドルであったかどうか、あるいはそれ以上のことだったかと思いますと。   〔委員長退席、理事岩動道行君着席〕 日本人の常識としましては、さっきサポートとプロモートとの違いを教えていただきましたけれども、いわゆる人とのつき合い、当然ゴルフあるいはお食事、何もアメリカ人はゴルフ場で仕事の話は出さないんだと、私もそういうふうに認識しておりますが、出さないにしても、つき合いというものは、何らかのやっぱり、こちらがアドバイザーであり売り手であるならばそのことを潜在的に意識している、というよりも、もう代理店でありアドバイザーである、ダグラスの。これはもう間違いないんです、ゴルフ場へ行っても食事へ行っても。ですから、これは非常に大きな枠の中で、SECの指摘したものはいろいろな裏が私はあると思うんです、ここにあらわれてない。それを今度は推察した場合に、セールスサポート・エクスぺンシズというのは、相当広い中における費用と考えても誤りじゃないと私は思うんですが、いかがですか。
  457. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。その点に関しては、先生のいまの御発言どおりであるかどうかは、私は申し上げているように心当たりはございませんし、いまいろいろ記憶を起こして、その立てかえ払い、これはその五年間の間の総額にそのくらいか、それ以上になったんではないかということを、できる限り正確に衆議院のときに記憶を起こして申し上げたのでございまして、この一万五千ドルという数字そのものは私は心当たりがございません。
  458. 黒柳明

    黒柳明君 ですから、私は一万五千ドルのSEC報告にこだわる必要はないと思うんですね。ただ、指摘されていることは間違いない。そのSECもある程度の根拠があることは私じかに話を聞いている。郷さんは郷さんなりの見解を持っていて関係ないと断言されている。しかし、要するに郷さんがおっしゃったのは、そういう立てかえ分が一万五千ぐらい、あるいはそれ以上あったろうと。そうすると日本語で言うと販売促進費ですか、それは相当広い、ただ単なるつき合いもSECから見れば、ダグラスから見ればそういう範疇に入れたのかもわからないんです、これは。わかりません、どういう根拠か。これは日本政府は問い合わせたって裏のことは言わないんです、SECはですね。そういう可能性も私はあるかと思うんです。ですから、この一万五千ドルというのが全く、セールス・サポーティング・エクスペンシズで、私はそんなセールスに関係してないと、一万五千ドルなんかもらったことはないと断定されている。ところがSEC、ダグラスの考えというのは一〇〇%私もわからない。捜査当局も日本側もわからない。当然郷さんもおわかりないと思います。そうすると、くしくも数字的には似通ったものがここに出てきていることもこれは一つの現実です。そうすると、私はこの数字をとらえて、この一万五千というのは、要するにセールス・サポート・エクスペンシズというのは広い範囲で向こうが考えて、これが政府高官に払われたかどうかというのはこれは切り離してもいいと思うんですよ、それと非常に数字が近い。だから、そういうものも含めて、あるいはそれである可能性が向こうの指摘はあったんじゃなかろうかと。これは否定も肯定もできないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  459. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  ここに8Kのリポートに書いてあるとおりに、一万五千ドルは一九七〇年に支払われたと書いてございますね。私がダグラスの顧問に任命されたのは一九七〇年で、私が立てかえ払いをいろいろいたしましたのはその都度その都度、三カ月に一回か六ヵ月に一回か覚えておりませんが、これだけかかったといってその都度もらったわけでございまして、大変先生の誤解と申しますか、もとになって申しわけなかったのは、私はできる限り正確に一万五千ドルちょっとオーバーした金額に合計すればなるんではないかというのは私の一つの考え、記憶を起こしたところでございまして、私からしてみれば別のものだというふうに考えております。
  460. 黒柳明

    黒柳明君 国際契約のことですけれども、日商さんなんかもう全くやってなくて公取から指摘されているんですけれども、郷さんの場合には断熱材の共同開発の問題とか、LPGとか、この国際契約というのは公取の方にはお届けしたことがあるんですか。
  461. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  正直に申し上げまして、その当時は個人の契約は届け出ないでいいというふうに私は聞いたものですから届け出ませんでしたけれども、その後気がつきまして急遽届けてございます。
  462. 黒柳明

    黒柳明君 五万、五万の十万ドル、これは必要経費にお使いになった。そうすると、お使いになった分について、まあこれは過去のことですけれども申告はなされてなかったと、こういうふうに聞いております。必要経費でみんな使ったとなると、その明細はさかのぼって、これは当然やっぱりしっかりしなきゃならない問題だと思うんですね。この点についてはどうでしょうか。ということは、衆議院の一番最後のときに、要するに資料をできるだけ集めまして、しっかり報告しますと、こういう証言で終わっているんですが、あれからもう一カ月以上たっておりますが、その間に衆議院、院は違いますけれども十万ドルの内容についてどういう使い方をしたか、その明細はもうお調べいただいたのでしょうか。
  463. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  ただいまの御指摘の五万ドル、また次の五万ドルに対しては、この前できる限り、私の可能なる範囲において資料を集めまして衆議院の方に提出してございますし、また必要あれば先生の方にも提出して結構であります。
  464. 黒柳明

    黒柳明君 それは十万ドルの収支というのは相当明快に出ているわけですか。  それからもう一つ、税務署に所得申告しなかった理由、やっぱり失礼ですけれど脱税というような御意思もあったわけでしょうか。これは公取の個人のこととは違うわけですから。
  465. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  それは私は脱税というふうには言うつもりじゃございませんで、間違いなく経費に使っておりましたので、そういうふうに心得ておりました。
  466. 黒柳明

    黒柳明君 脱税の意図なんか全くなかった。
  467. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) ございません。
  468. 黒柳明

    黒柳明君 そうすると、これはもうかつて申告を忘れたと。そうすると余りにもこれは大きな問題でしてね、十万ドルですから。それはもう公取の方のあれは、国際契約、法人、個人、まあちょっと個人のは届けなくていいかと、それは間違えましたという理屈は成り立たないのですが、国際人の郷さんとしてはですよ、われわれ素人ならそんな点もあろうかと思うんですけれど。しかもこの十万ドル申告、これもしなかったと。そこらあたりに、ですからSECに指摘されるような何分かの、全部とは言いませんよ、やっぱり疑惑が持たれる。私はあえて疑惑が全くないからおいでいただいたんだとは断言しません。これから解明するんですから。司直の手も、果たしてこれから参考として、あるいは事情聴取する可能性もゼロじゃありません。まだ緒についたばっかりですから。ですから、私はそういうようないままでの郷さんの行動にやっぱり不明快な点があった。必ずしもSECに指摘されたそれはおれは知らないよと、こういうことじゃなくしましても、それに間接的に連動した面においてのやっぱり疑惑、疑義があった、これは間違いありません。それからこちらに連動するという方程式も成り立つわけでありまして、そこら辺をやっぱりお考えいただかなきやならないかと思います。  それで最後に、時間がありませんが、F16のコンサルタント、まあ15が幸か不幸か   〔理事岩動道行君退席、委員長着席〕 導入されることになるわけですけれども、これはF15についても、これはうわさでもあるのですが、何か売り込み工作をやったということはありますか、この点はどうなんですか。16だけだったんですか、それで負けたわけですか、15については全く関知しなかったんですか。
  469. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  先ほどの税務申告の問題でございますが、私は、契約は御承知のとおりミズーリ州の法に従ってということで、あちらの弁護士といろいろ相談いたしまして経費として使って、これは当然私の立場であれば秘書を使わなきゃならない、事務所を使わなきゃならない、本当の意味経費で使いましたことをできる限り明確に報告いたしておりますので、脱税の意図は全くございません。  それから、ただいまの御質問につきましては、御趣旨よくわかりませんが、15の……
  470. 黒柳明

    黒柳明君 売り込みに関係したことはありますか。
  471. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 売り込みには、もちろんございません。
  472. 黒柳明

    黒柳明君 最後ですけれども、要するに16は負けたが、16はいいと、こういう信念はお持ちだったと思うんですけれども、どういう理由で15に負けたと思いますか。
  473. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、15に勝った負けたというよりも、私は日本人でございますから、日本の防衛のためにできる限り、防衛庁の方々が防衛計画に基づいてやっておられることが私は正しいと思っておりますので、これはお答えになるかどうか存じませんが、私はそういう見解を持っております。
  474. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で黒柳君の発言は終了いたしました。  次に、橋本敦君。
  475. 橋本敦

    橋本敦君 私からも証人にお伺いをさしていただきたいと思います。  まず最初に、証人がいまおっしゃったダグラスのエコノミックアドバイザーにおなりになったとき、ダグラスDC10の日本への販売の代理店は日本の商社では三井物産がおやりになっていた、このことは証人は御存じだったわけですか。
  476. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  三井物産が日本のエージェントになったということは、私は記憶がはっきりしませんが、相当たってから知ったわけでございます。
  477. 橋本敦

    橋本敦君 そうですか。  先ほども証人のお考えを伺ったわけですが、SECの報告書の中で、証人のおっしゃるアドバイザーではございません、コンサルタントという名前になっておる問題ですが、ここで五万ドル、それから追加の五万ドルを日本の独立した商業コンサルタントがダグラスから受領したと、こう書かれているここをお読みになって、これは自分のことを指しているのかなというようにこれをお読みになってお感じになられたでしょうか。
  478. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  率直に申し上げて、私は考え過ぎたのかもしりませんが、少し正直にばかがつくものでございますから、どう考えてみてもぼくではないかという考えで、ただコンサルタントという言葉が使っているのはおかしいということで、友人その他に、どうもこれは私のことを指摘しているらしいということは言っております。
  479. 橋本敦

    橋本敦君 わかりました。  このダグラスが、日本に、代理店は三井物産さん、それからあなた以外にアドバイザーとかコンサルタントを当時DC10に関連して契約をなさって日本に置かれていたというようなお話は聞かれたことはありますか、あなた以外に。
  480. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私は本社から任命されて本社付でございまして、日本の社員が何名いたか……
  481. 橋本敦

    橋本敦君 いや、社員じゃありません、アドバイザーが。
  482. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) コンサルタントとかアドバイザーとか、それもおられたかどうかよく存じませんが……
  483. 橋本敦

    橋本敦君 聞いたことはないですか。
  484. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) どなたか私の数年前に航空機業界の方がおられたというふうに、これは何も隠さずというので正直に申し上げますと、聞いたことは記憶がございます。
  485. 橋本敦

    橋本敦君 それは、聞いたとすれば、どなたであるというように聞かれたですか。
  486. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答えいたします。  その御名前までは私は聞いておりません。
  487. 橋本敦

    橋本敦君 しかし、ダグラスとあなたはアドバイザーという契約をなさって、また意見もお述べになっているわけですが、またルイスさんもお越しになっていらっしゃる。その中で自分以外に日本にアドバイザーがいるのか、コンサルタントがいるのか、直接に確かにコンファームしてお聞きになったということはないのですね。
  488. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  そのとおりでございます。
  489. 橋本敦

    橋本敦君 そうすると、いまの点は、あるという話は聞いたといっても、きわめて不確かな話だと伺ってよろしいですね。
  490. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  そのとおりでございます。
  491. 橋本敦

    橋本敦君 ところで、あなたがお立てかえになった経費が一万五千ドルあるいはそれ以上というようにおっしゃっておりますが、正確に一万何千ドルであったのかというような正確な数字はいまわかりませんか。
  492. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  それはダグラス社の経理に問い合わせてみないとはっきりいたしません。ただいまわかりません。
  493. 橋本敦

    橋本敦君 じゃ、約一万五千ドルというぐらいの見当で大差はありませんか。
  494. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  それ以上だったと記憶していると……
  495. 橋本敦

    橋本敦君 以上でも二万ドル超すとか。
  496. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) それほどではなかったように思います。
  497. 橋本敦

    橋本敦君 これが私あなたにお聞きしたいのは、ダグラスの幹部がお越しになったときに、ゴルフなどであなたが自分のクラブで使われたときに立てかえたとおっしゃる分があるわけですが、ゴルフでの立てかえということになりますと、約一万五千ドルとしても、かなりの金額でございますから、お立てかえになったのは、ゴルフということだけじゃない、ほかにもいろいろお立てかえになったのじゃないかと思うのですが、具体的にお立てかえになった費目を覚えていらっしゃるものがありますか。
  498. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私はゴルフを一例にとりまして、これは御承知のとおり五年間を通しての金額でございますから、年間にいたしますと、まあこういうことを申し上げては失礼ですが、そう金額としては張ったものではないので、ただいまの御質問に対してお答え申し上げますのは、それはここのこういう席で申していいかどうか存じませんが、料亭に行くとか、自分たちだけでバーに行きたいというのは、相当加算しまして立てかえた覚えはございます。
  499. 橋本敦

    橋本敦君 そういう料亭とかバーとかでお話しになるのは、ダ社の幹部としてはルイスさん以外にどういう方がおられましたか。
  500. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) ルイスさん以外とおっしゃいましたけれども、私の記憶では、ルイス氏は一回来たか来ないかという程度でございまして、ルイス氏の場合は、そんなお立てかえしたような大それたことは、社長ですから、いたしません。
  501. 橋本敦

    橋本敦君 ほかの人は……。
  502. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) ほかの人と申しますと、記憶はございませんが、いろいろダグラスロングビーチ——ロングビーチがダグラスの民間機の本社でございます。技師長とか副社長級の人とか、いま一々名前をはっきり覚えておりませんが、特にゴルフ好きな人が多く来ておりまして、そういうお相手をしておりましたのは、これは仕事の上でまたどういう……
  503. 橋本敦

    橋本敦君 簡単で結構です。名前が聞きたい。
  504. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 名前は、私いまちょっと思い出せませんが、調べて当時の名簿か何かを見れば、まあこれとこれということはわかると思います。
  505. 橋本敦

    橋本敦君 そういう食事とか、バーでお話しになるという、そういうときに、日本の関係者と一緒であったということはありませんか。
  506. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。ございません。
  507. 橋本敦

    橋本敦君 五年間で約一万五千ドルあるいはそれ以上ということの立てかえですが、こういうゴルフとかバーあるいは食事ですね、こういったものの立てかえばっかりだというのは私ちょっと解せないのですが、この使途について、これはそれ以外に立てかえた費目というのはいまのところ御記憶には出てまいりませんか。
  508. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  記憶にはございません。
  509. 橋本敦

    橋本敦君 証人は、この8K、レポートに関連してダグラスの顧問弁護士の方に照会をされまして、この8Kレポートには郷さんの名前は言及していないということでこの委員会にも資料をお出しいただきましたが、そのときに、いわゆる8Kレポートで一万五千ドルの経費を支払ったというのは一体だれなのか、私はこの点で疑惑を受けて困っているのだ、だからはっきりしてほしい、はっきりしてくれれば私は国会の証言でもこのことが言える、これはだれかということをお聞きになりませんでしたか。
  510. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  それは聞いておりません。
  511. 橋本敦

    橋本敦君 それは聞くべきじゃないかと私思うのですが、どうしてお聞きにならなかったのでしょう。聞いたらはっきりするのじゃありませんか。
  512. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私は私だけのことを明確にしたいと思いました、その当時は。
  513. 橋本敦

    橋本敦君 あなただけのことだけれども、あなたが潔白だということを立証するために必要ではないかと思うから私は聞いたんですけれどもね。それをお聞きにならなかったという点が私なぜかなあと思ったから聞いたんですよ。  次の問題に移りますが、あなたは一九七五年からゼネラル・ダイナミックスの顧問もなさっている。国会にお出しいただいた契約書抄訳という資料を見ますと、この契約書の中の活動範囲として、LNG及び戦闘機関連製品のほか、ときに応じて通知する製品と書いてございます。この七五年当時ゼネラル・ダイナミックスの製品で言う戦闘機というのは、先ほどから話題になっているF16のことであることは間違いございませんね。
  514. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  そのとおりでございます。
  515. 橋本敦

    橋本敦君 そこで、この契約に基づくあなたの顧問としての提供するサービスのこの契約上の義務として、まず第一に日本の政治経済状況についての報告というのがございます。ここに記載されておりますね。  そこで私はお伺いするのですが、あなたが顧問に就任なさった一九七五年の暮れ、これは五十年の暮れですが、いよいよ五十一年防衛庁の機種選定の具体化を目指して第三次FX戦闘機の機種選定が非常に煮詰まってきておる時期だ。こういう時期だということは明らかですが、それに関連をして、五十一年になりますと、防衛庁が十二月にF15を内定いたしました。それが国防会議にかけたが、決まらずに延期になってまいります。こういう防衛庁と日本の国防会議をめぐる政治の仕組み、これは当然あなたはこの契約上の義務として、日本の政治経済状況についての報告ということでGDCに御報告なさっておると思いますが、いかがですか。
  516. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私のその契約は、できる限りアメリカの契約というのは詳しくいろいろ網羅しなきゃならないという点がございましてそういうふうにつけ加えてあると思いますが、私は報告をいたしておりません。
  517. 橋本敦

    橋本敦君 そういたしますと、契約書があるけれども、契約上の第一の義務は履行されていないのじゃないかということになるのですね。  先ほど、あなたは、F16は心情的に協力をしたと、衆議院でもおっしゃったし、ここでもおっしゃいまして、F16というのはいい飛行機だよと友人には話したことはあると、こうおっしゃいました。これはやっぱり飛行機に関係する人に話しませんと何の話をしているかわかりませんので、この友人というのは飛行機関係の人と解せられるのですが、具体的にはどういうお方ですか。
  518. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 私は返す返す申し上げておりますように、この契約に基づきましても本社直属の仕事でございまして、その売り込みについて心情的な援助というのは、正確にものを言えというので心情的な援助をしたと申し上げておりますので、友人といっても何か話題になった程度で、飛行機関係の人は私は存じ上げませんのでそういう話をしておりません。
  519. 橋本敦

    橋本敦君 だから、その友人というのは、たとえばどういう方なんですか。どういう範囲の方か知りたいんです。
  520. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  それはいろいろな方がおります。お医者さんもおりますし、飛行機関係の飛行機やろうみたいな古くからエンジンをいじっていた人とか、そういう違う業界の人、また私の業界の人というような方で——先生の御意図は、何か飛行機業界に関係があるかということが御意図だと思いますが、そういうことはございません。
  521. 橋本敦

    橋本敦君 それじゃ、心情的な援助も何も、援助でなくなっちゃうんですよね。それはやっぱり私は納得できませんよ。飛行機やろうというようなあなたのお話で、飛行機やろうといってもいろいろありますね。防衛庁の制服で飛行機をさわっていた人が退職した人もいろいろある。そういう人も入りますか。
  522. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  飛行機やろうという言葉を使いましたのは、大変申しわけございませんが、それは旧帝国海軍でパイロットをやっていたような私の運動部の友人とか、そういうものを正確に指して言っております。いま何ら防衛庁とも関係ない人たちでございます。
  523. 町村金五

    委員長町村金五君) 橋本君、時間が参りました。
  524. 橋本敦

    橋本敦君 最後に伺いますが、どうしても私は納得できないですね。こういう契約まであり心情的に協力をしたいと友人に話した。いまのあなたのお話はちょっと私は納得できないんですが、最後に伺いますが、毎日新聞の記事に関連をして、うわさとして日商の商法が汚いということはうわさに出ていた、実業界ならこれは知っている人もあるだろうとおっしゃいました。あなたもお聞きになった、その日商の商売の汚いというのは、第二次FX、第三次FXに関する汚いうわさですか、これが第一点の質問です。  第二点として、そういう汚いうわさがあるということは毎日新聞の記者に話した。これは話したことは間違いありませんか。  この二点を伺います。
  525. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) そういううわさは、汚いという言葉であったかどうか、私はその汚いという言葉は自分では余り使いません。非常に積極的な売り込みをやっているといううわさは聞いております。  第二の点につきましては……。
  526. 橋本敦

    橋本敦君 それは第二次FXか第三次FXかと言っている。
  527. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) それもはっきりいたしません。
  528. 橋本敦

    橋本敦君 要するに、そういうことですか。  第二番目の点は。
  529. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 第二番は何でございましたか。
  530. 橋本敦

    橋本敦君 毎日新聞の記者にそういう趣旨は話したことはあると。
  531. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) そういう趣旨を私の方から話したということはございません。
  532. 橋本敦

    橋本敦君 話し合ったことはある……。
  533. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) その点もはっきりいたしません、いろいろな話題がございましたから。
  534. 橋本敦

    橋本敦君 否定はできないですね。
  535. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) それは、否定はできませんが、肯定もできません。
  536. 橋本敦

    橋本敦君 終わります。
  537. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で橋本君の発言は終了いたしました。  次に、三治重信君。
  538. 三治重信

    ○三治重信君 証人は今度喚問されることに非常に不服のようでございますし、上申書も出されて、拝見しました。しかし、われわれがもう一度参議院においても証人をお願いしたいというのは、この前の議事録を読んで、やはりこれだけで——郷さんは十分説明して何の疑点もないというふうにお考えになっておられるかもしれませんが、この御証言の速記録の関連から見てももう少し聞いておく必要があると、こういうことでお呼びしたわけでございます。わが党もお呼びするのに賛成したのであります。  それで、一番最初に簡単なことからお尋ねしますのですが、この前の御証言だと、五万ドル、五万ドルをいわゆる契約に基づいてボーナスまたは経費としてもらわれたわけなんですが、それが御証言だと、みんな経費に使ったと、こういうことになっておるのですが、あとの五万ドルはボーナスとして出すと。ボーナスというのは、普通は、経費じゃなくて純所得になるのが普通なわけなんですが、しかし、そういうことをおっしゃる理由はどういうことか。普通はそういうことによる売り込みのボーナスと言えばそれは純所得になるわけなんで、ただ所得として届け出なかったから使ったんだと、こういうふうに証言をすることになったわけですか。
  539. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  非常に言葉にこだわっておられるようでございますが、この前に十分申し上げていると存じますが、私は最初記憶を起こして、ダグラスとの契約書を御報告申し上げた、そのときに何かそこに言葉がボーナスと使ってあったように思いましたのでボーナスと使いましたが、そのときも申し上げたように、一つのプロジェクトチームとしてチームエフォートがその成果を上げたと。しかし、私の場合は、ダグラスに問い合わせますと、リテーナーという言葉が使ってあったということがその後わかりましたのでそういうふうに申し上げておりまして、それは当然もちろん初めからの了解で経費として使っているわけでございますから、もし先生が、これがどこか不当なところに行ったとお考えならそれを具体的にお示しいただきたい。そんなことは絶対ございません。
  540. 三治重信

    ○三治重信君 いや、言葉を返すようなんですけれども、ほかへ献金なりどこかへ資金として使ったということでなくして、むしろ私の方はそれより前にいわゆる調査費その他必要経費で使ったと言われるからそういうことになった。そんなに十万ドルやボーナスまでもらったやつを必要経費として出すというのは、何かほかに献金しなければそんな必要経費として使うことはないじゃないか。正直にこれはボーナスとしてもらったんだから自分の所得として受け取ったんだ、それはアドバイザーとしての契約で、それについての当然の報酬なんだと、こういうふうに御説明になれば、私の方では別に疑問としてお聞きすることはない。ただ、問題は、必要経費だと、こうおっしゃつて、それは全部自分のポケットの中に一つも入ったものじゃないんだと、こういう説明に聞こえるからそこに問題を提起する。個人のエコノミックアドバイザーとして、また本社直属のスタッフとして働かれたならば、当然それは個人所得としてたくさん得られていいはずだと、こういう感じであるわけなんですが、あなたが特に調査費その他必要経費でみんな使っちゃったんだと、こう言われるゆえんが納得できない。それはそういうのが常識じゃないかと思うのですが、いろいろ契約されてそのスタッフとして働かれたなら、それは個人として当然報酬が相当あってしかるべきだと思うのですが、その点はどうなんですか。
  541. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私は正確にいままで申し上げておりますので、先生のおっしゃることも一理あると存じますが、ここで補足説明さしていただけましょうか、委員長
  542. 町村金五

    委員長町村金五君) はい。
  543. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 先生は、恐らく、アドバイザーまたはダグラスのみが私の収入源と考えておられるのじゃないかとも思います。そういう向きもこういうことは許されなかったので衆議院のとき伺わなかったのですが、どうもそういうことである。私は、ダグラスにいろいろそういうお手伝いさせてもらったのは、アメリカの企業の経営の勉強のつもり、それからあの優秀ないろいろな技術を自由に見せてもらうということが私のむしろ無形の報酬と考えておりましたので、いまおっしゃることもごもっともだと思いますが、私は事実のことを申し上げたわけでございます。
  544. 三治重信

    ○三治重信君 衆議院の方のときも質問を受けておられるわけなんですが、毎日新聞の十二月十八日と二十日の二日間のインタビュー、これも記事によれば三時間にわたっていろいろインタビューをしたというふうになっておるわけなんですが、その中で特にいまおっしゃったアメリカの商法のことも勉強したいしというその結論がいこのインタビューで、ダグラス社の商売のやり方も汚いし、日商のやり方にも問題があると、こういうふうな結論になったのだろうと思うのですが、そういうアメリカの商法の中で、今度ダグラス社にしてもボーイング社にしても、みんな正規の手数料のほかに特別手数料なり、または特別な経費としていわゆる裏金操作をやるような経費をたくさん出しているわけなんですが、こういうのは、アメリカの商法を勉強されて、販売を強引にやるためにはそういうものも相当出してやるのがアメリカの商法であり、またそういうことによってよく飛行機が売れるんだと、アメリカ商法の一端としてそういうことは非常に鮮やかなものだと、こう見られたわけですか。それを汚いとおっしゃったわけですか。
  545. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) その点大変誤解があると存じますが、私は、アメリカの商法というよりも、経営の仕方と技術をいろいろ見てまいりましたので、そういう裏金の操作とか、そういうことについては私は一切関知しておりませんし、また余り興味がございません。いいものをつくれば必ず販売できるんだという向こうの自信、それからダグラスの最高幹部をかばうわけじゃございませんが、非常にりっぱな人が多くて、いまこういう状態になっていることは非常に残念だというようなことに向こうは言っているように弁護士を通じて漏れ伺っております。
  546. 三治重信

    ○三治重信君 ダグラス社のは五年で、七五年に契約を解除されて、七五年末からゼネラル・ダイナミックスのまた契約をされておられるわけなんですが、こういう世界的な多国籍会社とコンサルタントなりあるいはアドバイザーとして契約をされておるわけですが、こういうことは、何と申しますか、あなたの非常に性に合った仕事としてやってこられたわけですか、何か特別ほかから頼まれてやむを得ずこういうふうにやったのか。先ほどだと、私はこの契約を自分の生活の資としてやったのじゃないと、こういう御発言もあるわけなんですが。
  547. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  それは不思議にお思いになるかもしりませんが、偶然そういうふうになりまして、衆議院のときもどういう経過でダグラス社と関係があったことも御説明してございますし、それからその後のことも御説明してございます。私の性に合う合わないはよく存じませんが、私としては頼まれたことを引き受けてやっているというような状態でございます。  なお、お伺いしますが、ゼネラル・ダイナミックスの言葉が大変ここで出ておりますが、本委員会の趣旨とはぼくは何ら関係ないと思います。
  548. 町村金五

    委員長町村金五君) 三治君、時間が参りました。  以上で三治君の発言は終了いたしました。  次に、青島幸男君。
  549. 青島幸男

    ○青島幸男君 第二院クラブの青島幸男でございます。若干の質問をさしていただきます。  証人は、エコノミックアドバイザーとして向こうの企業から日本の商習慣あるいは日本人の考え方を問われたということがあるというふうに伺いましたけれども、商習慣についてどういうふうにお答えになられたか、内容をお聞かせいただけますでしょうか。
  550. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) まずここで申し上げておきたいのは、この委員会にダグラスを持ち出すことは私はどうも納得いきませんが、御質問がございますからお答え申し上げますが、商習慣ということは、前にも申し上げたように、たとえば日本の稟議の制度とか、それから日本人が夜夜中遅くまで働くのは向こうでは非常に理解できないことを私なりに説明しようとするとか、そういう非常に漠然としたものでございます。
  551. 青島幸男

    ○青島幸男君 大変唐突に思われたかもしれませんけれども、そもそも始まりましたこのグラマン、E2Cの問題から起こっていることなので、向こうの企業の方々がどういうふうな考え方を持たれているかというような認識について少しく知りたくてこういう御質問を申し上げているのですけれども、それに、先ほど橋本さんの御質問にもお答えになられましたけれども、具体的な日時あるいは時期は挙げませんけれども、経済と政治というのは非常に密接な関係を持っておりますので、大体いまどういうような経済状態でどういうような政治状況になっているんだというようなことは、具体的な時期については申しませんけれども、御説明になるなりしたことはございますでしょうか。
  552. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 先生の貴重な時間でございますので簡単に申し上げますが、この前衆議院で述べましたように、いわゆるエコノミックフォーキャストというものを、五年先、十年先どうなるだろうというような問題について向こうは専門家を持っておりますから、その専門家の仕事をチェックするというようなこともございますし、それからまた、いま申し上げたような細かい点にもいろいろ聞かれれば、不審の、不審と申しますか、なぜ日本人がこんなに働くのかというようなくだらないことでも答えるという非常に広範囲なものでございます。
  553. 青島幸男

    ○青島幸男君 国が決定権を持つ、あるいは購入決定に際しまして大きな影響力を持つ取引の場合ですね、政治家の意思が強く働くという認識は当然お持ちだと思うのですけれども、このことは、そういうことを証人助言したとかということとは別に、御自身の御認識なんですけれども、いかがなものでしょう。
  554. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  先生のおっしゃるとおりだと思います。
  555. 青島幸男

    ○青島幸男君 これも一般論としてで結構なんですけれども、向こうの企業としてもそういう認識を持っているというふうに理解してよろしゅうございましょうか。
  556. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 先生にお伺いしますが、日本に関してのことでございますか。
  557. 青島幸男

    ○青島幸男君 そうです。
  558. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) わかりました。お答え申し上げます。  そういう、何と申しますか、政治がどの程度日本の経済に影響力があるということは、向こうでは具体的に別に取り上げておりません。これは先生の方がむしろ御承知のとおりに常識的な範囲だと思います。
  559. 青島幸男

    ○青島幸男君 事実といたしましてロッキード裁判などで明らかになっていることなんですけれども、つまりそういう場合に日本の商習慣として政治家にあいさつをするということが明らかになっておるわけですけれども、こういう問題について向こうにアドバイスをなさるとか、そういうことはありましたでしょうか。
  560. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  ございません。
  561. 青島幸男

    ○青島幸男君 日商岩井が航空機を売り込む手法につきましては、エコノミックアドバイザーとはいえ、証人は多少の関心はやっぱりお持ちになっていたのではないかと思いますが、このことも前に質問者が何人か御質問になりましたのですけれども、F16の売り込みに直接手を出すことはなかった、しかし心情的にはF16はいい飛行機だと思っておったというふうに証人はおっしゃっているわけですけれども、それだと、ライバルとしてのF15を扱っている日商のやり方について多少関心をお持ちになっても不思議ではない、むしろその方が自然だという感じがいたしますけれども、その点はいかがだったでしょうか。
  562. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げておりますように、私は、こういう国防に関することは非常に慎重にしなきゃいけないというたてまえでございますし、なおスタッフとしてこの問題に直接タッチしておりませんので、心情的ということをできる限り正確に申し上げるつもりで申し上げた次第でございます。
  563. 青島幸男

    ○青島幸男君 ありがとうございました。
  564. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で青島君の発言は終了いたしました。  次に、円山雅也君。
  565. 円山雅也

    ○円山雅也君 大変お疲れでしょうが、あと五分でございます、御協力をお願いします。  毎日の記事に関しまして、大変いやだと思いますけれども、というのは、先ほど久保委員質問で、何か従来のお答えとここへ来て変わったようなふうに印象を受けましたので、その辺を確かめたいのですけれども、具体的にどう変わったかと申し上げますと、衆議院では、とにかく誤解だ誤解だと言って全面否定、あの記事に関して。ところが、久保委員質問から、最後には何か一部には似たようなことを言ったことがあるというような意味で一部の点ではお認めになるような形に変わったと思うのですけれども、その点どうでしょうか、まず確かめさしていただきます。
  566. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私は国会議員ほど頭がよくないので、当時としてのできる限り記憶を起こしてお答え申し上げましたので、人間でございますから、一生懸命に考えて、ああそういうことがあるかもしらないと、あったかもしらないというふうに申し上げている次第でございます。
  567. 円山雅也

    ○円山雅也君 それでは、先ほどから証人が、よく、具体的にひとつこう聞いてくださいと、そうすれば一つ一つ言ったか言わないか答えられると言うんで、私は具体的にお聞きします。あの記事の問題になっているところですが、一つ一つお答えをお願いします。  まず、「なぜ、F15の売り込みにからむ日商岩井のやり方を追及しないのか。とにかく日商岩井の海部氏がどんなあくどい手を使っているか、君たちはそれを知らない。」——この点について、このようなことを言われたか、または似たようなことを言われたことがあるかどうか。
  568. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私は海部氏を存じ上げておりません。したがいまして、存じ上げていない方のことを直接そういう名を挙げて批判した覚えはございません。そういう意味で何か誤解ではないかと申し上げております。
  569. 円山雅也

    ○円山雅也君 似たようなことは。
  570. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 似たようなこととおっしゃる範囲はどういうことでございましょうか。
  571. 円山雅也

    ○円山雅也君 じゃ、結構です、時間がないので。次へ移ります。  「政治家の某氏や某氏が私腹をこやしているのだ。」——この点はどうですか。
  572. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 某氏某氏という、どなたのことだか指摘していただかなきゃわかりませんが、そういうことは私はそういう言葉で言ったことも記憶はございませんし、「私腹をこやす」という言葉は、こんなことを言っちゃ恐縮ですけれども、私はむしろ日本語では口下手であって、そういう「私腹」ということは私の自身のボキャブラリーに余り使われていない言葉なんです。
  573. 円山雅也

    ○円山雅也君 表現を問題にしているのじゃなくて、私はだから最初から、似たような意味のことも言っていませんかと断っているんです。その点ちょっとお答えください。
  574. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) 似たようなことを言ったとは、私、はっきり記憶はございません。
  575. 円山雅也

    ○円山雅也君 では、次に、「不正があるということか。」という質問に対して、不正がある、つまり「そうだ。」と言っておられる。−この点はどうですか。
  576. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  不正があるかどうかは私は知らないので、そんなことばどうも言ったという記憶はございません、どういう不正だか存じませんが。
  577. 円山雅也

    ○円山雅也君 じゃ、最後の「もっとも石油問題にからむ不正は、航空機など問題にならないほど大きい。」——この点はどうですか。
  578. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  それはどういう意味でそういうふうに出たのだかよく存じませんが、週刊誌か何かに出たことを記者が言ったのに同意したのかもしれません。それはわかりません。
  579. 円山雅也

    ○円山雅也君 そうしますと、私がいま指摘したような点については、いまの証言からは全部否定でございますね。そういうことば言ったことはほとんどない、似たようなことも言っていないということになりますね。
  580. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私は、本委員会でどうして問題になるのかよくわかりませんが、できる限り自分の記憶を起こして申し上げているわけでございます。
  581. 円山雅也

    ○円山雅也君 最後に一点だけ。  証人は、アメリカの航空機の日本への売り込みに関して日本の国内事情調査されて、それをアメリカの方に御報告なさったようなことがありますか。
  582. 郷裕弘

    証人(郷裕弘君) お答え申し上げます。  私はエコノミックアドバイザーで、飛行機の売り込みとは関係ございません。
  583. 町村金五

    委員長町村金五君) 以上で円山君の発言は終了いたしました。  これにて郷証人に対する証言聴取は終了いたしました。  郷証人には長時間にわたりまことに御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。  次回は明後四月二日午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十七分散会