○熊谷弘君 私は
証人の上申書をしさいに拝見いたしまして、この上申書の中に御指摘になっておられるように、こうした
証言等を通じて
証人自身及び
証人の御周囲の方々に至るまで、大小の差はあれ、精神的苦痛や物的な損害を受けておられるという点につきまして、大変御理解を申し上げたいと思うわけであります。
と申しますのは、実は
証人が
衆議院の
予算委員会で
証言をされた後、私ども衆参両
議院の中で与野党通じまして十五人の代表団でアメリカの方へ
調査に参りました。グラマン、ダグラス、
ボーイング、あるいは司法省その他回ってまいったわけでありますけれども、この中で、新聞等で
証人も御存じかと思うのですが、アレンさんという人の名前が一度出ました。アレンさんにお会いしていろいろいわゆるロッキード
事件が出たころのアメリカにおけるパーシー
委員会のさまざまな
証言活動というものを伺ったわけでありますけれども、チャーチ
委員会の中でたまたまこのアレンさんの問題が出てまいりましたときに、御存じのようにチータムという方がアレンさんについていろいろ
発言をされて、これに耐えがたいということで直ちにその三日後にアメリカの議会のチャーチ
委員会を開いてもらって一々反論を加えて潔白を訴える行動をあえてとったという経緯を伺ったわけでありますが、このチャーチ
委員会でのパーシー議員が、私どももその議事録を拝見したわけでありますけれども、この議論の中で、こういう議会における
証言その他の活動の中で非常にしばしばこういうところへ呼ばれる方々の個人的な人権、名誉というものを傷つけることが多いんだ、そこでわれわれアメリカの議会の中でもこういう点について大いに反省をしなきゃいけない、それぞれの方々の名誉というものをいろいろなことをしていかなきゃいけないという反省が議事録にも出ております。アレンさんもそういう指摘をされております。
そういうこともわれわれもよくわかるわけでありますけれども、しかしなお、御存じのように、その後の
事件の展開を見ますと、私どもはどうしても
証人の御
証言をいただいて幾つかの点について明らかにしなければ、今回のこの
事件全体の姿というものが明らかにならないのじゃないか。私は、そういう立場で、率直に
前回の
衆議院における
証人の
証言を踏まえながら幾つかの御
質問を申し上げたいと思うわけであります。
その第一点でございますけれども、
前回の
衆議院の
証言の中でもしばしば引用されて、
証人にとっては余りにもしばしば聞いた記事の
内容でございますが、五十四年の一月二十一日付の毎日新聞の中で
証人がいろいろな御
発言をされた、それに対して
衆議院の
予算委員会の
証言におきまして、いや、それは誤解であるという御
発言をされておられるわけでありますが、実はこの中の記事を見ますと、たとえば、「ダグラスのやり方はきたないのだ。特に日商岩井のやり方は問題がある。なぜ、F15の売り込みにからむ日商岩井のやり方を追及しないのか。とにかく日商岩井の
海部氏がどんなあくどい手を使っているか、君たちはそれを知らない。」こういうようなことを、もちろん、
衆議院の
予算委員会におきまして、
証人は、そんなことはなかった、およそ誤解だ、私はそういうことを言っていないという趣旨のことを御
発言になっておられるわけでありますが、逆に言えば、こういう記事がもし毎日新聞の記者の想像もしくは歪曲によってつくられたものだとすれば、実は
証人自身の名誉にもかかわりますけれども、ここに挙げられた方々にとりましても大変な名誉棄損になるわけでございます。そういう
意味で、私はここではっきりと
証人のお口からこの記事
——実は、この記事があるがゆえに、全体のダグラスの売り込みについて何か
証人がいろいろなことを知っておるのじゃないか、いろいろなかかわりがあるのじゃないかという憶測を生んでおるわけであります。
証人が、この記事につきまして、いままで毎日新聞社に対して抗議もしくは訂正の申し入れをしたことがあるのか、もしそういうことがなければ、この場におきまして毎日新聞のこの記事については全く誤った記事であると、こういうことを断言できるのか、この点について御
証言をいただきたいと思います。