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国務大臣(
江崎真澄君) 昨晩おそく
OPECの
臨時総会の結果が入ってまいりました。
新聞などの情報の方がどうしても公式の
電報などより早うございまして、私
どもも最初聞いたときは、十月に気構えられておるいわゆる一〇%
値上げ、
複式計算で一四・五%
程度の
値上げを四月に繰り上げるのだということで相当な
値上げ、それはそれだけですと約九%
程度ですが、この
程度ならばまあまあよかった方かと思っておりましたところが、そのほかに、それを原則としていわゆる
プレミアムもつく。それになお
上積みを二ドルとか三ドルとか四ドルとか上限はなしで、買い方があれば高くてもいいではないかといったような、何かスポットもの扱いみたいな話もその後になって入ってまいりました。全体を総合しますと、これは
予想外の
値上げでありまして、
世界経済はもとより、
わが国経済に及ぼす
影響も相当なものであるというふうに考えられるのであります。
問題は、今後の
値上げがどうなるか、これであります。これをやはり抑えていくためには、どうしても五%
節約は今後といえ
ども国民的レベルで徹底して行っていかなければならぬということを考えます。それから
石油代替エネルギーの開発を促進しなければならぬ。これは残念ながらすぐというわけにまいりませんので、中長期の視点に立ってということにならざるを得ません。とりあえずと言えば、やはり足りない分の五%というものは、本当に徹底しなければならぬということを痛感するわけでございます。
さてそこで、今度の
値上げがどの
程度国内経済に
影響をするのか、いま
数字のお
示しもありましたが、私
どもがとりあえず計算したところによりますと、四月一日以降、いままで十三・三四ドル、これはアラビアン・ライトの
値段でありまするが、これが十四・五四ドル、すなわち九・〇五%の
値上げ、四月一日現在で。いまもうすでに一月から五%上がっておりますから、そういうことになります。そうして、それにいま申し上げました
各国それぞれの
事情によりまして
プレミアムをつける、こういうわけです。したがって
上積みがイラクの場合は一・二ドル
程度と言っております。六月にもう一遍
OPECの
総会を開くと言っておりまするから、またそこで
値上げがあるのかどうなのか。そういうことを考えますと、これはどうしても
節約を
実行して、もう本当に高いものはボイコットできるくらいの体制を今後とっていくことが必要である。
これは量的には現在
心配は要りません。
イランも日産四百万バレルぐらいは産出したいということで
OPECで約束したもののようです。これは政情が本当に安定するかどうかということによって、その
態勢も変化を来しましょうが、当面、そういう計画が立てられたことも事実であります。ですから、本来ならば一方で五%の
節約をする、一方では
北海油田が開発された、
アラスカ石油が開発された、メキシコがもうすでに
輸出こそしておりませんが
国内需要に充てておるというような場面ですから、人気以外の実勢力から言うならば、まさに
産油量というものは、今日
イランの
減産分を数えても、とんとんだということが言えるのです。
それが足りないというために大変なあおりがあるということ。ですから、私は、
IEAで言っておりますように、
世界的に、特に
わが国においては冷静に対処する、これをあわてればまさに
産油国を初め
石油関連業者に利せられるだけで、
一般消費者は
犠牲者になる。今度の場合は、特に量的にはどうやら前年同期並み以上の確保ができつつありまするので、私
ども十分今後冷静に対処をしながら、そうかといって
便乗値上げなどのありませんように、やはり相当なこれが諸
物価に与える
影響は大きゅうございます。たとえばいまお
示しのように――
GNPは〇・五と言っておられましたが、これはちょっと
計算違いじゃないかと思いますが、私
どもがいま積算したのでは〇・二%
程度ですね、これは
GNPを引き下げる、足を引っ張る。それから
卸売物価は〇・六%
程度、これは上がる方ですね。それから
消費者物価は〇・三%
程度の
影響を受けるのではなかろうか。とりあえずの積算でございますが、そういうふうに考えておるものであります。したがって、いま申し上げましたように、
先行き便乗値上げなどのありませんように、
十分値段は監視していかなければならないということを痛感いたします。