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政府委員(
佐野文一郎君) やはり事柄としては、いま大臣からお答えを申し上げたように、それぞれ
大学がすぐれた特色を持って発展をするように助けていくと、それによって
大学の多くの峰を立てていくということだと思いますけれ
ども、それについては問題が大きく言えば
二つあるだろうと思います。
一つは、全体に見て、
大学間にたとえば旧制
大学と新制
大学との間には、
学部、
学科の構成であるとか、あるいは
大学院の構成であるとか、それらについての差があるわけでございます。これはそれぞれ
大学に歴史的な事情、沿革があるわけでございますから、それぞれそれに応じて
規模、
内容が異なっているというのは、これまた当然のことではございますけれ
ども、やはりこれから、いま大臣からお答え申し上げましたように、地方における
国立大学というものがそれぞれの将来
計画を
考え、地域の
要請等も
考えながら、自分の特色を伸ばそうとしているときに、それについて
文部省もできるだけ
大学の積極的な意欲というものを助ける努力をしなければいかぬということが
一つあるだろうと思うんです。
それからもう
一つは、いわゆる教官当たり積算校費であるとか、あるいは
学生当たりの積算校費であるとか、教官
研究旅費であるとか、こういったいわゆる基準的な
教育研究経費の面で具体的に相違が出ている点でございます。これはもっぱら
専門分野の違いであるとか、あるいは
大学院レベルの
教育研究活動の必要性に着目して、そういった相違が現在あるわけでございますけれ
ども、その相違というもの、これはそれぞれの事情に応じて、一律に適用されている共通の基準ではあるけれ
ども、その基準の
内容が違うということが、格差として
指摘されている
一つの問題点にもなっているわけでございます。したがって、こういった基本的な
教育研究条件について、今後とも全体的にその充実を図っていかなければならないということがございます。この充実を図る場合に、現在の博士講座、修士講座、あるいは
学科目、それらの間にある差であるとか、あるいは実験系と非実験系の間にある差であるとか、そういったものを一律にならして、平準化してしまうということは、私は決して合理的ではないと思います。しかし、全体としてどのようにそれを改善をしていくかということは、やはり重要な課題になるし、それはこれからの
大学全体の
教育研究活動を支えるものになるわけでもございますから、それには十分配意をする必要があるということでございます。ただ、教官
研究旅費のように、単価の
考え方が必ずしも十分合理的でないというようなものについてはもちろん是正をしていく、現在も是正の努力をしているわけでございます。