○下田京子君 特に補助的というだけじゃなくて、私は、重要な部門があるんだよということでまた再度言いたいわけですけれども、それはいろいろ後継者
問題等も含めましてお聞きしましたところが、生活改善ということがいま非常に重要である。それで、朝早くやっぱり漁に出ていくでしょう。だから、その間にだんなさんのお弁当もつくってやらなきゃならない、そしてまた子供たちもめんどうを見なきゃならない、帰ってきたらあしたの
準備もやるということで、非常に婦人は困難であります。それから、おばあちゃんなんかがおれば、うちを預けて自分も漁に出るという実態でありますね。この後継者問題の中でも、お嫁さんの来手がないなんということになってなかなか深刻なわけですね。そういう点で、共同のふろだとか共同の炊事場なんかを漁協の中に設置できるようなことが確立されたら大変助かると、こんな話も出ております。ですから、補助的というんじゃなくて、それぞれ漁家を歩いたりいろいろと環境を見ておりますから、そういったいままでの研究といいますか、調査といいますか、いろんな苦労を吸い上げていって、さらに生かしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に移りますが、やはり同じ後継者問題なんですけれども、特に漁家の後継者の中で一番早道は、何といっても
水産高校に学ぶ子供たちではないかと思うんです、
一つはですね。その
水産高校に学ぶ生徒のいわゆる
漁業に関する知識、教育、これに非常に問題があるんです。どういう問題があるかといいますと、これは昨年十二月十八日ですね、毎日新聞なんかでも出ておるんですが、「
時代遅れ教科書
水産高「二百カイリ」記述ゼロ」なんていうことで、八戸高校の問題が具体的に出されております。
私は、高等学校の
先生方からも聞きましたけれども、実際に問題になっている教科書をいただきまして見てみました。どんな点で問題かといいますと、
一つの問題点は、大きく言いましてこの「
水産一般」という教科書と、それから「
漁業」という教科書、まあそのほかありますけれども、特にこの二つ。この中で、
漁業をめぐる
情勢が正しく述べられてない。特にどういう点かといいますと、いわゆる五十一年の四月にアメリカが一九七六年
漁業保存
管理法というものを成立されて、翌三月一日から二百海里
漁業水域を設定してきたわけですね。それに基づいてメキシコ、カナダ、EC、北欧諸国、そしてソ連も含めまして、連鎖的に二百海里の
水域設定ということになったわけです。こういう記述がない。さらには、
日本でもすでに領海法、さらには二百海里の
漁業水域設定のための
漁業水域に関する暫定措置法等が五十二年五月二日に成立しているわけです。その記述が全く述べられてないんです。
で、どういうふうに教科書に書いてあるかといいますと、これは「
漁業」の教科書なんですが、
遠洋漁業に関するところ、これをちょっと読ませていただきますと「
遠洋漁業はわが国
漁業の原動力ともいうべきもので、北洋のサケ・マス・カニ、底引きなどの北洋母船
漁業をはじめとし、
遠洋カツオ・マグロ
漁業、以西底引網
漁業、アフリカや南米海域を
漁場とする南方トロール
漁業、その他」云々、こう書いてあるわけです。そして最後に「わが国の漁獲生産量の伸びは、この
遠洋漁業によるところが大きいので、今後ますますその
発展が期待されているものである。」と、
遠洋漁業についてこういう記述をされている。これはいつの資料で書かれているかというと、四十五年のときの資料です。教科書は五十三年出版なんです。で、四十八年に一度あって、五十三年に改正されて出ているんですが、全然改正じゃなくて、同じものがまた出てきているというふうな問題もあるんですけれども。
さらに、「
水産一般」の方を見ますと、どういうことを書いてあるかというと、やはり「
遠洋漁業」のところなんですけれども、「わが国が加盟している
関係漁業協定には次のようなものがある。」というふうなことで、北西太平洋の
公海における
漁業に関する
日本国とソビエト社会主義共和国連邦との間の条約、こういうものやら、
日本国とアメリカ合衆国
政府との間の
漁業に関する協定、こういうのが入ってきている。それで、いま実際はどうなっているかといえば、これは私が申すまでもなくわかり切ったことなんですけれども、日ソ
漁業の問題については、従来は確かにここにあるように、日ソの
漁業条約だとか、あるいは日ソカニ協定だとか、それから日ソのツブ協定なんかがあったわけですけれども、いまはこういう形ではないわけですね。それが昔のまま述べられている。これは大変やっぱり問題であると思うんです。もちろん
先生方は、このままうのみにしてこれをそっくり教えているんではなくて、いろいろと資料集めに苦労をしている、それで努力されているわけなんです。
私は、
大臣にまず言いたいことは、教育にいろいろ問題が、具体的な形での不当と言われるような介入ということになれば問題ですが、後継者の問題とも兼ね合わせて、この
水産関係、
漁業に関する正しい知識、それから正しい資料、そういうものを
水産高校のみならず、後継者
対策の一環として、具体的にそれらが
対応できるように資料等流していただくということが必要ではないかと思うんですが、
大臣、どうですか。