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案納勝君 これで私、この問題を終わりますが、
会長ね、要するに、単に今日の
NHKの
財政上の問題は、今回五十四
年度の
予算に出されましたように、
事業支出をできるだけ、極力抑える。私は、七・八%に経常
事業支出をことしは抑えられている、前
年度比。これは、従来から見るときわめて厳しい
事業支出になっています。私は、いま
NHKが新しい
事業計画その他の中でも、日進月歩の電波技術の開発等を含めて、
放送衛星等も今度は実用
放送衛星がいよいよ五十八年から始まる、打ち上げられてくる。あるいは難視聴解消についても
NHKのこれに対する責任はきわめて重大であります。そういう問題、多くの新しい
事業を進めていかなくちゃならない
課題を抱えておる
NHKとして、
事業支出あるいは
建設計画自体を
削減をしていくということは、私はどんなにやっても
限度があると考えるんです。
そして、私は放漫になってはいけないけれ
ども、
努力をする中で、
NHKが持っている
NHKの
使命、
公共放送の
使命を本当に
国民に果たしていく、あるいは
国民に還元をしていくというものが、逆な意味で、なくなっていったら、これは、
NHKの将来というのは、私は大変な
状態になると思います。そうするならば、場合によっては
国民に積極的に訴え、あるいは
国民の
理解を求めて、
国民の
NHK、
公共放送ですから、あるいは
受信料について
協力を求めていく、みずからの責任を果たすというのは、これは当然でありますが、そういうことも私は必要だと思うんです。
みずから責任を果たすという大事なことは、たとえば先ほど言ったように、
受信料についてこれだけの膨大な欠損償却をしなくちゃならぬ、不払いがある、これを一日も早くなくしていくとか、あるいは
国際放送について、もっと
政府から金をもらえる分だけははっきりいただくような措置をするとか、あるいは免除の問題についてはもっと見直していく、積極的に。そういうことが、それこそ責任であって、そういうことを言えば、仕方がないからこの程度でということで、十分な責任も果たさないままに、
事業支出だけにしわ寄せをしていくようなやり方になりますと、大変な
心配を私はするわけです。
だから、ぜひ今後の
運営の中で、必要なものについて
国民の
協力を求めるという姿勢を私は
NHK自身、
協会自身持っていいと思う。それを訴えるに当たって、しっかりした責任をやはり私はとってもらいたい。大胆に訴えるものは訴えてもらいたい。そうして大胆に、やっぱり
国民に
協力を求めるものを出してもらうということを、私はこの際、特段に要望しておきたい。これらの問題が働いている人たちにしわ寄せにならないように、やはり処遇の
改善をしながら、本当に
国民にこたえる
NHKの中でそういうがんばりをやってもらう、希望を持ってやってもらうという体制を職場の中でもつくってもらいたい。この点特段にお願いしておきたい。今日の、厳しいだけに特にその辺についてお願いを申し上げておきたいと、こう思っております。
次いで私は、
放送大学の問題について若干、二、三点だけお尋ねをいたしたいと思います。
放送大学の創立に当たっては、きわめて教育
制度と
放送制度が絡んでいますだけに複雑な問題を抱えています。これは十分承知をしています。この問題については改めて別途
機会がありますのでそれに譲りますが、二、三点だけ簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
放送大学学園法案をちらっと見ますと、全額
政府出資によりまして
放送大学学園を設置し、この学園が
放送大学を設置をする。そして同大学の主たる教育手段としての
放送を学園が行う、こうしています。同学園法案の附則で、
放送法を改正して、この学園の行う
放送を
公共放送と位置づけ、今後テレビ、FMによる大学教育のための
放送を全国に
普及していく方針、こういうのが内容になっていますね。
ところで、お尋ねをするのですが、郵政省は、この
放送大学の創立に当たって、
放送法制との関連で、国営
放送となることは好ましくない。こういう考えを持っておられたやに私は承っています。しかし、出てきた内容を見ますと、国立大学と実質的に変わらないといいますか、特殊法人立の大学という形になる。これに
公共放送の免許が与えられる。
公共放送として位置づけられて、附則で
放送法が改正をされる、こういうふうに実は受け取っているわけであります。言いかえるならば、まさに今回の
放送大学は、特殊法人立大学として、
放送学園を中心に
運営をされていくわけですが、
中身は国営
放送、こういう形を私は実体的に持って教育
放送大学が行われる。この法体系に出されている
中身は、こういう国営
放送というイメージを払拭するための単なる擬制にすぎないのではないのか、いまの出され方は。こういうふうに実は
理解をします。間違いだったら間違いとして
指摘をしていただきたい。この結果、わが国における今日の
放送法の基本体制に大きな基本的変革をもたらす結果になる、こういうふうに私は、今回の
放送大学の法案については考えざるを得ないのであります。
こういう形をとったその理由と言ったらおかしいんですが、
放送大学の性格について、郵政省はこの
放送法の関係、今日までの
放送法体系の関係の中でどういうふうにお考えになって法案を
提案されているのか。
放送法の改正を
提案されていますが、もちろんこれは文教で、学園法の中の附則で改正をされるわけでありますが、郵政省はどういうふうにこれについて
理解をしてこういう措置になったのか明らかにしていただきたいと、こう思います。