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1979-03-01 第87回国会 参議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年三月一日(木曜日)    午前十時三分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         赤桐  操君     理 事                 小澤 太郎君                 鈴木 省吾君                 成相 善十君                 案納  勝君     委 員                 長田 裕二君                 郡  祐一君                 新谷寅三郎君                 高橋 圭三君                 西村 尚治君                 前田 勲男君                 大木 正吾君                 坂倉 藤吾君                 中野  明君                 沓脱タケ子君                 木島 則夫君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  白浜 仁吉君    政府委員        郵政政務次官   亀井 久興君        郵政大臣官房長  林  乙也君        郵政大臣官房電        気通信監理官   寺島 角夫君        郵政大臣官房電        気通信監理官   神保 健二君        郵政省郵務局長  江上 貞利君        郵政省貯金局長  佐藤 昭一君        郵政省電波監理        局長       平野 正雄君        郵政省人事局長  守住 有信君        郵政省経理局長  河野  弘君    事務局側        常任委員会専門        員        栗生澤喜典君    説明員        外務省経済局外        務参事官     遠藤  実君        文部省大学局企        画官       前畑 安宏君        通商産業省通商        政策局米州大洋        州課長      安楽 隆二君        通商産業省通商        政策局国際経済        部長       真野  温君        郵政大臣官房首        席監察官     吉田  実君        労働省労政局労        働法規課長    岡部 晃三君        日本電信電話公        社総裁      秋草 篤二君        日本電信電話公        社総務理事    玉野 義雄君        日本電信電話公        社技術局長    前田 光治君        日本電信電話公        社営業局長    西井  昭君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (郵政行政基本施策に関する件)  (日本電信電話公社事業概況に関する件)  (郵政事業における業務運行正常化に関する  件)  (日本電信電話公社の機材調達問題に関する  件)     —————————————
  2. 赤桐操

    委員長赤桐操君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私は、東京ラウンドに関連いたします電電公社の資材調達問題についてお尋ねをしたいと思います。  冒頭に申し上げますが、私は日米間の経済摩擦を、もしあれば、何とかして早く解消して相互の信頼協力関係を深めることは非常に大切なことでありまして、これは私も大いに協力しなきゃならぬと思っておりますが、ただ、いま申し上げました問題につきましては、もっと両国お互いに冷静に事実を掘り下げまして、実態に即して公正な解決策を見出すことが両国の将来にとって非常に大事なことであると思っておるのであります。そういう観点から、私はきょうは率直に自分意見を交えましてお尋ねをしたいと思うのであります。  日米間の折衝でありますから、当然外務省が窓口になられると思いますので、お尋ねすることも主として外務省、それに関連して通産省及び郵政省に対して質問することになると思います。  第一に外務省にお伺いしたいことは、私の手元外務省経済局から資料が配付されておるんでありますが、その経済局の配付された資料経済局の御意見でありますか、それともこれは外務大臣も了承されている外務省としての統一された御意見でありますか、それをまず伺っておきたいのであります。
  4. 遠藤実

    説明員遠藤実君) お答え申し上げます。  先生のただいま申されました書類は、恐らく二月の十三日付の書類かと存じますけれども……。
  5. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 二月の二十六日です。
  6. 遠藤実

    説明員遠藤実君) わかりました。  二月二十六日付の外務省経済局の「電電公社調達問題」という書類につきましては、これは外務省経済局意見でございます。
  7. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 わかりました。  そこで、外務省に伺いたいんですが、現在の段階において電電公社の調達問題についての日米間の交渉状況はどうなっておりますか。  また、これと同様の問題が、やはりアメリカEC諸国、それから日本ECの間でもある程度交渉が行われておると思いますけれども、その現況について、簡単でいいですから、概略御説明をいただきたいと思います。
  8. 遠藤実

    説明員遠藤実君) 政府調達の問題につきましては、御案内のように、東京ラウンド交渉一環として行われております。東京ラウンド交渉関税以外の非関税障壁世界的に軽減する、撤廃する、これによって貿易を拡大し一層の自由化を促進する、それで特に先進国の間におきまして開放体制を維持確保する、このような観点で行われているわけでございます。  そこで、この政府調達の問題は、東京ラウンド一環として行われているわけでございますが、その枠内で日米間の問題として特に争点となっております。で、従来特にこの電電公社の問題につきましては、わが国といたしましては、電気通信事業特殊性、その他のいろいろわが国事情説明いたしまして、この問題については、それと、それに対して国際コードに即した開放主張するアメリカとの間で決着がついておりません。  で、現在実はこの交渉は昨年の六月ぐらいからジュネーブで行われていたわけでございますが、現在米国に担当官電電公社技術担当官とともに行っておりまして、そこでさらにわが国事情説明するとともに、どのような解決策があり得るであろうかということで腹の探り合いをやっているというのが現状でございます。  他方アメリカECの間におきましては、私ども承知している限りにおきまして、アメリカ側オファー、それからEC側のオオファー、これの比較がなされておりまして、それによってどの辺でバランスできるかということを両者が話をしている。しかし、最終的な決着はまだついていないと、そう了解しております。  他方日本ECにつきましては、実はこの問題が特にわが国にとりましてはアメリカとの関係最大の問題になっているということもございまして、ECとの交渉につきましては実質的には特に行っておりません。もちろんコードそれ自体の関連につきましては常時ジュネーブ交渉は行われております。  以上、簡単でございますが。
  9. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大体交渉現況がわかりました。  まだ交渉の途中であるということのようでございますが。ところが、手元に届いております外務省経済局のいま御答弁がありましたこの資料によりますと、ちょっと私はこれを読んで非常に何といいますか、不審な感じを持ったんですね。これを詳しく読んでみますと、外務省は、あたかもアメリカ主張をそのまま是認するような態度でおられるんじゃないかと。書いてあるのを見ますと、たとえば、アメリカの「要求は公平な競争機会の許与であって、これを正面から拒否する大義名分に乏しい」と書いてあります。また、「電電公社希望条件に合致した供給者機器を確保することに必ずしも大きな障害はないと考えられる」と、こういうことを経済局考えておられるようであります。これは、私はアメリカの言い分をそのまま載せられておるように思うんですね。いま日本側主張としまして、電気通信というものの特殊性を十分考え、勘案して折衝をしておるんだとおっしゃったけれども、この配付された文章から見るとそれがどうも出てない。  そこで、これは私の非常な大きな疑問なんですが、どこの国の電気通信事業を見ましても、どこの国でも無差別競争入札電気通信施設を、設備を進めておるという国がないように思うんですね、主要国の中では。そういったアメリカの言うような電気通信施設に関しても各国無差別で、自由に市場開放して競争入札機器を入れているというような国が世界じゅうにどっかにあるでしょうか。あれば教えていただきたいと思うんです、外務省
  10. 遠藤実

    説明員遠藤実君) まず、先生指摘ペーパー性格についてちょっと一言申し上げさしていただきたいと……
  11. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 いや、私のお尋ねしたことを簡単に正面から答えてください。あとの御説明はまた別に機会を見て御説明になればいいんで、私はそういった国はほかにありますかということを聞いているんです。外務省調べでは、あるならある、ないならないと答えてもらったら結構なんです。
  12. 遠藤実

    説明員遠藤実君) 在外公館を通じて調査いたしましたところでは、各国それぞれいろいろな契約方式がございまして、一律ではございません。  たとえばフランスにつきましては、これは指名競争契約方式によるとなっておりまして、機器調達の際は、まず官報に一般公告出し関心企業を募り、同企業技術資産状況を考慮しつつ逓信省側最終応札資格企業を決定すると、こうございます。  それから、イギリスの場合、これは郵電公社でございますが、これは随意契約指名競争入札が主体、一般競争入札という話はないと、ほとんど聞いていない。  それから、公開入札と言っておりますのは、スエーデン公開入札原則としているということでございますが、ベルギーは、公開入札、一般的なオファー提示制限入札、制限的なオファー提示随意契約と五種類ありますということで、それから、ドイツにつきましては、公開入札制限入札、それから随意契約、これの三種類がございます。  したがって、それぞれの国によりまして方式は一律ではないというふうに考えております。
  13. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 いろいろの契約の仕方はあるでしょう。しかし、無差別競争入札をやっているという国は私の調べたところはないと思っております。  仮にEC諸国は、電気通信事業国営ですから、これは政府調達コードに載っておるものがあるかもしれませんが、しかし、電気通信関係機器についてはそういう国営事業でありましても、これはコードから除外すると言っているのが、これがEC諸国のほとんどすべての国の方針だと思うのですね。そういったことを考えますと、先進国全国ネットワークを持っている電気通信事業、こういったものについては非常に標準化の上で困るような、そういう機器類を無差別で入れているというような国はないんだと、こういうような判断をしていいんじゃないかと思うのですが、外務省、どうですか。
  14. 遠藤実

    説明員遠藤実君) 確かに私ども調査では契約種類などは書いてございますけれども、どういう分野でそれが適用されているということまで行き届いておりませんで、したがって、あるいはその先生のおっしゃるとおりなのかもしれませんですが、大変申しわけございませんけれども、その点につきましては調査が十分に行き届いておりません。
  15. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私のいろいろ調べたところでは、EC諸国で、たとえばスイス、これはまあ自分の国にメーカーがないから、ほかの国から買ってくる以外にないんですね。  それから、スエーデンとおっしゃったが、スエーデンはまた多少違った国で、日本もあすこからずいぶんノーハウを輸入しましたが、エリクソンという非常に世界的な通信機メーカーがあるわけです。これが非常にむしろ国内で消費する、国内で使うよりも国外に自分のつくっている機器を輸出して、それを国の財政の基礎にしているというような状況がありまして、ほかの国とちょっとこれは事情が違うわけです。だから、その非常に違った状況の国を、これが標準的なものだというふうにお考えになることは、私は外務省研究不足だと思いますから、よく実態をさらに調べてください。  続けますが、これは私は素人ですが、どこの先進国でも今日では電話を中心にしまして、電気通信施設というものは、ほとんどもうこれは全国的に一つネットワークを形成しているのですね。これは外務省もよく御承知だと思います。したがいまして、全国ネットワークの中で働いておるいろいろの機器類、これはそれぞれの国がそれぞれの国にとって適正な一定規格の上に標準化されておるのがもう当然だと思うんです。一つ規格の上に標準化されている。そうして、その国の電気通信ネットワークを形成していると、こういうことだと思うんです。  これは私も素人だから余り詳しいことは知りませんが、この乏しい経験から言いましても、仮に電話をとってみましても、われわれがだれか相手電話で話しようと思ってダイヤルを回しますね。ダイヤルで通話する間に、このいろんな機器類がどのくらい接続しなけりゃ相手側に通じないかということを調べたことがあるんです。これは一つ電話をかけるのに二百から三百ぐらいの機器接続がないと相手に話ができないんですね。市外通話になると、これはもっと十倍も要るでしょうね。市外のいろいろの、遠くまでマイクロウェーブとか同軸ケーブルを通りまして、それから市外局を通っていきますと、これは何千という機械の、機器類接続がないと通話できないんです。  そういうことを考えますと、仮にあなた方が考えているような、ここに書いてあるような——私は木に竹を接いだようなそういう機器類というものは、これは全国ネットの中で採用すべきじゃないということをよく言うんですけれども、非常にデリケートな機器類ですから、違った種類機器ネットワークの中に混在してくるということは、これは全体のネットワークを混乱させるだけなんですね。この点は電電公社だけじゃないんです。世界じゅう電気通信事業を預かっておる国は、あるいはその機関は全部同じ考えだと思います。で、ATTはどうなっておるかというと、これは御承知でしょう。一〇〇%ウェスタン・エレクトリックに出資していますね。そのウエスタン・エレクトリックにほとんどすべての機器類を発注しているんですね。  日本ではどうかというと、電電公社——これはまあ、よくお調べになるとわかるんだが、日本のいろいろの企業がたくさんありますね。関係企業かあります。その企業にはそれぞれ特色があるわけです。この企業は、たとえばこういう機器類をつくるのに非常な能力を持っておる、高い程度技術を持っているということがわかっていますからね。そういう各分野において信頼度の高い企業と共同しまして技術開発をやっているんです、何年もかかって。企業もそれに対して相当の技術開発費を投入しているわけです。電電公社もやっているんです。そうして、でき上がったある程度の高い、信頼度の高い技術基本にしまして、この機器はこういう設計で、こういう仕様書でということを決めるわけです。ですから、そういう関係企業と共同開発した技術をもとにしまして、そして随意契約でもって発注しているわけです。これはほかへ持っていこうったって持っていけないですよ。この点はATTウエスタンとの関係等も同じことなんですよ。  私、さっき申し上げたように、技術者ではありませんからよくわかりませんが、正確ではないかもしれませんが、それに加うるに、私の考えでは、どの国でも自然環境、自然の、天然の条件というのが違っているわけですよ。非常に精密な機械ですから、温度とか湿度、そういったものによって非常に左右されるんですね。で、室内にある交換機なんかでは、御承知のように、温度湿度をある一定水準に保とうというので非常に努力をして、そういう機械室をつくっていますがね。外へ出ているものはそうはいかないでしょう。やっぱり、その国の温度とか湿度というものが非常に大きな影響を及ぼすことは、もう当然であろうと思うんですね。  そういうことを考えますと、ほかの国のつくった製品——製品ですよ、製品をそのままで日本に持ってきて、すぐ使え使えと言っても、とうていこれは考えられないことなんですね。そういう自然的な条件が違う、生活環境が違うという中で、ほかの国でつくった製品をそのまま日本ネットワークの中に入れようといっても、入るわけがないでしょう、これ。私は技術者でない。あなたも技術者でないか、技術者でなくてもこのくらいのことはわかるでしょう、お互いにね。  だから、私は外務省のお出しになった、経済局意見としてお出しになっているこういうことは、どこから出てくるかと思って不思議でしょうがないんですよ。それは、アメリカが言っているからアメリカの言っていることをそのまま載せましたとおっしゃればそれっきりです。しかし、いまお話しを聞くと、これは経済局意見ですとおっしゃる。経済局はいま私の言ったようなことについては何らお考えにならないのか。それは間違っているとお考えになっているのか。この点については、これは基本的な問題ですから、私は外務当局通産当局郵政当局に、私のいま申し上げたようなことについての意見を述べていただきたい。  私の意見が間違っておれば、私は決して固執しません。皆さんの御意見も承りまして、また考え直します。しかし、これは余りにも私から言えば明瞭なことなんです。だから、こういう点について外務通産郵政の三省の関係官がどういう考えを持っておられるのか。もし反対であれば、どういうわけで反対ですということをここで御説明を願いたいと思うんです。
  16. 遠藤実

    説明員遠藤実君) 先生素人とおっしゃいましたけれども、実は全く私はど素人でございまして、その意味ではこの技術を語る資格はないかとも考えております。ただ、外務省の御指摘ペーパーにつきましては、一つは今回の交渉をやるに当たりまして、広く国内関係方面の御意見を伺って、そしてアメリカ交渉し、かつ妥当な、納得できる結論を出したい、こういうことでございますので、その意味ではいろいろな意見がある一つと、つまり、特に外交交渉をやる立場の者といたしましては、先方が言っていることも日本の方に十分伝えるという義務は一つはあると考えております。  したがって、そのまま今度はアメリカが仮にこのことを言っていたといたしましても、具体的にこういうふうな形で言っていたとは必ずしも思いませんけれども、言っていたとしても、それを外交交渉の場でそのまま受け入れるということではございません。これは、いろいろな意見のテーゼ、アンチテーゼを通して一番妥当な意見ができ上がっていく、こういうことだと、大変厚かましいことを申し上げまして恐縮でございますけれども、おこがましくて恐縮でございますが、一応そういう性格ペーパーであるということでございます。  それからさらに、先生がいまおっしゃいましたことにつきましては、私は最大の敬意と関心を持ってただいま伺いました。ただ、一言だけちょっと申し述べさせていただきますと、いろいろな条件が満たされた場合に、分野によっては支障を来さないということがあるんではないかと、こういう意見でございまして、いかなる分野においても影響がないというふうに言い切っているわけじゃございませんので、その点、念のため申し上げたいと思います。
  17. 真野温

    説明員真野温君) ただいまの質疑を伺っておりまして、私も実は技術の方はわからないわけでありますが、また、電気通信政策全部につきましては、郵政省あるいは電電公社の方が所管されておりまして、私どもその内容について存じ上げる立場にございませんが、私どもがそこから拝見する限り、少なくとも日本電気通信網が非常に優秀である、これは事実でございまして、ヨーロッパ各国参りますと、電話その他非常にかかりにくいとか、故障が多いとか、しばしばそういうことを経験するわけです。そういう意味で、こういうすぐれた電気通信網を完成してきたことは日本としても非常に誇りにする分野だと思います。  ただ一つ、そういう意味で優秀な品質と性能を維持する、そういう目的の中で、そういう条件を満たしながら、なおかつこういうアメリカなりその他諸国に対して広い意味でできる限り門戸を開放する。これは世界の現在の貿易の大勢から見まして基本でございまして、やはりそういう意味で、電電公社なり郵政省あるいは外務省、そういうところが日本電気通信の実情、技術的な水準というのをよくアメリカにもわからし、あるいはそのほかの諸国にもわからすと同時に、向こうの聞くべき点を聞き、そこでいかなる点が両者の間で外交として可能であるか、こういうことに積極的に対応していくということが必要であろうかと思うわけであります。
  18. 寺島角夫

    政府委員寺島角夫君) ただいま問題になっております電電公社公衆電気通信業務に関することでございますが、電電公社がその国際規約政府機関を対象に入れますことにつきまして、電気通信設備をこれに含めるべきでないという主張をいたしておりますのは、そういうことにいたしますと、この国際規約が予定しております競争公開入札というものを原則といたします契約方式を適用いたしました場合には、現在の公衆電気通信業務というものを良好に維持していくということに非常に困難があると、支障があるという観点からそういう主張をしておるものと承知をいたしておるわけでございますけれども、われわれ郵政省といたしましても、現在世界最高水準にあると考えております日本公衆電気通信サービスというものを、これからも安定的にかつ経済的にこれを維持し発展をしていかなければならない、そういう観点から、これに支障を与えないような、悪い影響を与えないような、そういうことは絶対にしなければならないことであるというふうに考えておるわけでございまして、その立場から現在いろいろ対処をしておるところでございます。
  19. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 御答弁で多少問題が残りましたが、それは後にしまして、これは私、一昨日大木委員の御質問を聞いておりましたが、日米間の電気通信機器に関する輸出入の額、これについてお話し合いがあったと思います。私もこの点は大木委員のおっしゃったのと同じ感じを持つんですね。外務省経済局、またこれ引っ張り出しますが、これによりますと、何か電気通信機器輸出日本アメリカとの間で三千五百万ドル、輸入が四百五十万ドル。これは正確に通関統計調べますと、少し数字が違うんです。輸出が三千二百七十万ドル、輸入が八百三十五万ドルが通関統計数字だそうです。しかし、これは本質的には余り、額が多い少ないは大した問題じゃありません。しかし、こんなに少ないのですね、いわば。しかし、大木委員指摘されましたように、自動車とかカラーテレビ鉄綱というようなものは、これはもう画期的に通信機器と比べますと大変な違いなんですね。自動車でいうと六十五億ドルというのですね、輸出が。輸入は一億ドルぐらいというんでしょう。だから問題にならないんですよ。  ところが、外務省のお出しになった資料によりますと、こんなことが書いてあるんですね。日米間の貿易のアンバランスを理由にして、米政府、議会、業界、マスコミ等の不満が高まって、「日本市場閉鎖性のシンボル」であるということを書いてあるわけですよ。私は、なぜこういうことを外務省意見として書かなきゃならないのか、これはもう事実とも全く違うんですよ。ですから、そういうことを言われると、これは単に貿易収支のバランスをとろうということのほかに、何かほかの目的があるのじゃないかということを考えざるを得ないのですね。  それが一体何だろうか、私たちにはわからないんです。で、外務省がわかっておられるなら、それはどういうことだろうかと。国際収支のバランスをとるという点から言いますと、これは三千万ドルだから大したことはないというふうに片づけることは早いと思いますけれども、全体から言うとほとんど取るに足らない額でしょう。それを指して、何か「日本市場閉鎖性のシンボル」だなんていうようなことをおっしゃることが、一体外務省の私は考え方がわからないのですよ。だから、それについてどういうふうな考えなのか、貿易の収支以外に何か考えているものがあるんじゃないかというような疑いを持つんですけれども外務省、知っていればそれについてお答えください。
  20. 遠藤実

    説明員遠藤実君) まず御指摘の、この問題が「日本市場閉鎖性のシンボル」であるという点でございますけれども、これは実は外務省がそう思っているわけではございませんで、米国でこの問題がシンボルと化してしまっていると、これはきわめて遺憾なことでございますけれども、そういう事実をここで述べたわけでございます。  ただ、その背景につきましては、まず、ただいま先生指摘のように、大きなわが国の対米黒字、アメリカからいきますと対日赤字、これが百億ドルを超えるという状況が続いておるわけでございます。そこで、それに関しまして米国側では、もちろんいろいろ議会筋、政府関係者、業界その他によってニュアンス等は異なりますけれども、この貿易不均衡の原因の一端として日本市場が閉鎖的だという印象が非常に根強く抱かれるに至っているという事情があるわけでございます。  もちろん、わが国としては内需の拡大とかを通じて輸入の拡大に努めると、それから種々の措置を講じて、マクロ的な方法によってこれを主として解決したいということでございますけれども、同時にアメリカの方といたしましては、そういったマクロ的なアプローチだけではなくて、個々の分野につきましてもいろいろ障害があるとアメリカ側にとって思われるところについては、これを開放してくれと、こういう要請をいままでしてきているというのが実情でございます。
  21. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 もしそういうことであれば、それはこの文書をとやかく言いません。言いませんが、アメリカの方でそういうふうな傾向になってきているんだという一つの注意だということであればそれでもいいですが、それなら外務省はさっきからお話しになったように、私もまた申し上げたようなことを、それが何というか、正しい事実の認識なんだという観点からいきますと、外務省はそれこそアメリカがそういう各界にわたってそういった印象を受けているというなら、それは間違っているんだと、事実はそれは違うんだというPRをなぜもっとなさらないんですか。それは私が日本電気通信というものは、これは本当に国民生活からいいましても、政治経済からいっても、本当にこれは神経系統ですからね、国の。非常に大事なものなんですよ。それが仮に多少でもこれ傷つけられて、方向が曲がってしまうと大変なことになるわけです。  ですから、外務省もこれはアメリカがそう言ったから伝えたんだということじゃなしに、当然の外務省の責務として、外務省アメリカに対して最大限の努力をしてPRをしなければならないんじゃないんですか。それに対してどういうふうなことをいまおやりになっているのか。まあいま安川さんやら何かがまた向こうへ行っているという話なんですが、それだけじゃない、安川さん一人に任せたってだめですよ、これ。アメリカ大使館を通じまして、アメリカにいる日本大使館を通じて、もっとこれは大きな規模でもってPRをしてもらわないと、アメリカがこう言ってきたからお伝えいたしますというんじゃ足りないんじゃないんですか。どうですか。
  22. 遠藤実

    説明員遠藤実君) 従来、この問題につきましては政府間の交渉になっておりましたので、そのルートでまず電電公社の調達につきましては電気通信機器特殊性、それにかんがみわが国としてはこの開放ということがむずかしいという事情はるるアメリカ側説明してきたところでございます。ただ、問題が非常に技術的なところもございまして、その点についてはあるいは意を尽くせない、十分でなかったところがあるのかもしれません。ただ、その問題につきましては、同時にアメリカ側からも昨年数度にわたって使節団、あるいは調査団でございますか、が来訪をいたしまして、電電公社の方とも何回か会合を持っておられるわけでございまして、そこでの技術討議等を通じましても、この問題はアメリカ側最大限理解させるということで、電電公社と共同いたしましてやってきているわけでございますが、残念ながらいままでのところまだ米側の納得は得られていないという感じでございます。
  23. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 いまのお話は承っておきますがね、私はここまでくるまでに外務省がもっと日本の実情を知って、電気通信事業というものの実情も考えて、もっと事前に幅広くPRすべきじゃなかったかと思うんです。しかし、これは過去のことは言いませんが、今後はただアメリカがこう言っているから何とかというようなことじゃなしに、お互いに話し合って、どこでお互いに折り合うかということは考えながら、実態というものについてはもっとPRしてくれないと困るんですよ。これは特に私からの意見として、これは外務大臣にもお伝えください。これは幸いにして経済局意見だというから、外務大臣は知らないことでしょう。だから、外務大臣にいま言ったようなことを十分お伝えください。  それから、時間がないんでもう次の方に入りますが、さっき通産省からの話、私も通産省の言っていることはそれ結構だと思うんですよ。これは従来もATTもそうだし、電電公社もそうなんです。お互いにすぐれた機器を外国から買い入れているのは事実ですよ、これは。これはATTも現在、ちょっと私の耳に入ったところによると、日本でいま開発中の自動車用の無線電話機、これをある会社に、またある会社に対してはマイクロウェーブのミリ波の測定器、こういったものを発注しようとしている、引き合いが来ているということは事実であります。それで、日本のすぐれた技術開発は何とかして取り入れようという努力をしている。日本も同様だと思うんです。  これは古い話ですが、サンフランシスコ平和条約の締結前に、私と衆参両院議員が何人か国務省に呼ばれまして、これは二カ月半、非常に壊滅した日本電気通信事業の回復を早くするために全部見せてやると、もうあらゆる物を見せてくれました。素人だからわかりませんけれどもね。しかし、そこですぐに飛びついたのは交換機だったんです。クロスバーです。現在、皆さん使っていらっしゃるクロスバーです。これが日本にはなかった。シカゴでそのクロスバーの工場を見まして、すぐそのカタログ持って帰って電電公社に行ったんです。これすぐ採用したらどうですか。そうしたら、総裁が非常にこれはいいと言うんで、すぐに技術者を派遣しまして、クロスバーを入れたんです、非常に高いロイアルティー払って。これだけじゃありません。いまのマイクロウェーブだってそうでしょう、これは。ATTやら、あるいはさっきのエリクソンあたりが開発した技術を取り入れたんですね。ただ、それを取り入れたんで、それはいわゆる一言で言うと、お互いにすぐれたノーハウは、これは幾らでも入れようということです。  それをさっき申し上げたような、いろんな各国の条件があるんで、自分の国の電気通信ネットワークに合うようにそれを改良し、技術開発をして、製品をつくっているわけですよ。いまのアメリカ側の要求はそういったノーハウの輸入というようなことではなくって、むしろアメリカでこしらえた製品輸入しようというんだな。そこに私は問題の、何といいますか考え方、問題に対する考え方が違ったところがあると思うんです。すぐれたノーハウなら、電電公社も当然これは輸入するでしょう。これはお互いのことです。この点、通産省の言ったことは、私はその意味において理解をするんです。お互いにそういうんで世界電気通信というものの発展をお互いの協力でやっていかなきゃならぬということについては全く同感です。それは現実にやっているんです。ただ、現在の問題は、さっき申し上げたように、自分のところでつくった製品を買え買えというのでそこに問題がある。  これは通産省にも郵政省にも考えてもらわなきゃいかぬと思うのは、われわれ昨年も一昨年も補正予算を組みましたわね。補正予算はなぜ組んだかといいますと、これは景気をもっと浮揚しようというので、国内の景気浮揚策として補正予算組んだわけです。その中で、電電公社は実は消極的だった。ですけれども、われわれももう日本の景気浮揚には電電公社もこれはもう大いに協力しなきゃだめじゃないかというので、八百億とか千億の補正予算を組んだんです。これはなぜそんなことをしたかといいますと、これは政府側の問題だけれども電気通信事業については非常に波及効果が大きいというんですね、これは。波及効果が大きい。富士のすそ野のように関係の業界というのは非常に広いんですね。しかも、それが中小企業が多いんです。ですから、そういう意味で、電電公社に補正予算を組まして景気浮揚に役立たせようという努力を日本政府はやったわけですよ。  今度のこういう交渉の中で一番最悪の事態考えると、まあオンラインじゃない、これはオフラインだ、補助的なものだというようなことで機器類輸入されてきますと、日本関係の中小企業というのは一体どうなるかということですね。日本電気通信関係メーカーの中には、たとえば電話機だけつくっている者、あるいはもっと小さな部分品だけつくっているような中小企業たくさんあるわけです。その当時の調べで、全国で七十五万と言われています。七十五万人と言われているんですよ。それに非常に大きな影響を及ぼすわけです。これは、いま政府かやかましく言っている雇用問題に非常に大きな関係を持ってくるわけです。そういった問題について、何といいますか、政府調達コードとの関係でどう処理していくかというのは、これは単にアメリカがそう言っているからというだけで簡単に踏み切れない問題が雇用方面にも私はあると思うんです。  で、こういった問題について、これは労働省の問題かもしれませんが、この通信機器の製造について管理監督しているのは通産省だから——係か違うかもしらぬな、きょうのは。係が違うかもしれませんが、違えばまあ御答弁要りませんがね、これは通産大臣にもこの点はよく話しておいてください。いまの雇用問題というのは、政府の全体を通じての一つの柱なんですからね。それに、もうまともにぶつかってくるような政策を、これは絶対にしてはいかぬとは言えないかもしらぬけれども、最小限度のものにして、やっぱり雇用問題というものは私は守っていかなきゃならぬ政府の責任があると思いますからね。これは労働大臣にも申し上げますが、通産大臣にもよくお話しおき願いたいと思います。  それから、これはいまここで言うのはどうかと思うけれども通産大臣が先般衆議院の予算委員会で言われたこの問題についての考え方は、これは恐らく事実を誤解しているからああいう答弁が出たんだと思うんです。これはもうきょうは言いません。通産大臣の挙げた数字も間違っています。時間があればいつでも申し上げますがね、これは間違っている。こういったのをそのままほっておいちゃいけませんよ。もっと事実を事実として通産大臣にも伝えて、そしてその上で正しい判断をさしてください。これは通産省の部長さんですか、これはあなたもよく知っていらっしゃるでしょう、今日になるとね。非常に間違った答弁をしておられますからね。これについては私がそういうことを言っておったということだけ江崎さんに伝えておいてください。  それで、時間がありませんから最後になりましたが、こういう問題についてただ私が言ったように、これはもうアメリカの言い分は一切聞かないんだというようなそういったことは、日本政府としてもなかなかこれ取りにくいだろうと思うんです。日本の通信政策の上に大きな影響を及ぼさない範囲において、何かここに風通しをよくするような方法を考えられることについては私はあえて反対はしないんです。それをどうしたらいいかということです。それで一番いいのは、私は提言したいと思うんですけれども、わけのわからぬというと失礼ですけれども、全体通信事業というものを余り理解しない、また技術的な経験も何もないというような人たちが、ただ、何といいますか、話し合いをしても、これはいい結論が出るはずはないんですよ。  だから、できれば電電公社技術者ATT技術者、これは両方ともその国の電気通信事業を円滑に運営していく責任を持っているところですね、そのトップレベルの技術者が忌憚なくお互いにどうしようかと、どういったところに穴をあけたらいいのかというようなことを虚心坦懐に話し合うような機会をつくられたらどうかと思うんです、すぐ結論が出ると思うんです。私はATT電電公社も通信事業守っていくという点については共通の責任も持つでいるし、共通の意見持っていると思うんです。そこでお互いにどうしたらいいかということについては、これは技術的にも相談すれば私は結論はわりあいに容易に出るんじゃないかと思うんです。それならばお互い電気通信事業というものは、これからの円滑な運用に差し支えない範囲において何か私はよい結論を出してもらえると思うものですから、これはひとつ提言しておきます。  で、外務省にもう一つ言いたいことは、これも返事は要りませんが、外務大臣にお伝えください。こういったものをやる場合に、アメリカがこう言ったから日本アメリカに対してこうしようということじゃいけないんですね。私はやっぱりこういった問題は相互主義でなきゃいかぬと思うんです、相互主義。日本はこうするからアメリカもこうしてくれと、日本はこうするからECもこうしてくれというような相互主義の原則を貫いてもらいたいんですよ。日本だけがオブリゲーションを負わされて、そして苦しむというような事態は絶対に避けてもらいたい。で、政府機関だとか政府だとか、それは形式は違いますよ。しかし、電気通信事業というものを預かっているのは、片一方はATTであり日本では電電公社なんですから、電電公社がこうするというならATTもそうしなきゃいかぬですよ、当然のことだと思うんです。形の上じゃなくて実質的にこれは処理される必要がある、それには相互主義でなけりゃいけないと、こういうことです。これは外務省の大臣にもおっしゃり、それから経済局長やら審議官にもよくお伝えください、私は強く要求しておきます。  それから最後になりましたが、電電公社に対して私はひとつ苦言を呈したいと思うんです。これは電電公社がこの間新聞に何かこの問題について広告のようなものをお出しになった。非常に経費がかかったようです。これは絶対に悪いとは言いません。しかし、ああいう広告をお出しになっても、日本のどの新聞を見ましても電電公社考えているようなことは余り書いてない。どこから出たか知らぬけれどもアメリカの言い分が中心になって論説その他書かれておる。私は、電気通信事業実態を、もっとあらゆる方法を講じてふだんから、国民全体にも、あるいはこういう言論機関にも十分に知ってもらう必要があると思うのです。その努力が足りないじゃないかと思うのです。  やり方はいろいろあるでしょう。私も具体的な意見を持たないことはありませんが、ここでは申し上げません。とにかく経営の責任を持っておられるんだから、こういうふうに内外を通じまして非常に混乱した状態になって初めてPRに乗り出すというのではいけないと思うのですよ。ふだんから電電公社の内容はこうですと、こういったことが大事なことなんですというふうなことぐらいはもう絶えずPRする努力が必要だと思うのです。今度のこういった問題が非常にむずかしくなった一つの原因も、電電公社のそういったPRについての——PRというといかにも広告するようですけれども、そうではなくて、実態を国民全体に知ってもらうということです。そういう努力についてなお一段の工夫と努力をされるように私は要望しておきます。  なお、他にきょうは放送問題についても一言ぜひ聞きたい問題があったんですけれども、約束の時間ですから、一時間でやめておきます。また次の機会にさしていただきます。私の質問は、最後に提言を申し上げまして、これをぜひ政府の方でもお考えくださって、この問題の処理はもちろんのこと、将来にわたりましても電気通信事業というものが国民の期待するように進んでいきますように、政府で一段の努力をしてくださることを希望いたしまして質問を終わります。
  24. 中野明

    ○中野明君 私も、ただいま新谷委員の方からお話がありましたので、大臣の所信の質問に入る以前にこの問題について二、三お尋ねをしておきたいと思います。  いまお話がございましたように、日米貿易の不均衡、経済摩擦というのは、これは大変な大きな問題でございますが、この不均衡を結局電電公社の門戸開放によって解決しよう、そういうような空気が政府部内にもしあるとすれば、これはゆゆしき問題でございまして、この点、いま郵政大臣も新谷委員並びに過日の大木委員質疑でさらに認識を深められたと思いますが、外務なりあるいは通産考え方が日米のこの経済摩擦を、言葉はどうかと思いますが、公社の門戸開放を人柱のような形で政治的に解決しようとしている空気があるとしたら、これは大変なことになります。  この点、郵政大臣は当面の監督大臣で最も重要な発言権をお持ちになっておると思いますので、先日の二十日の関係閣僚会議では難色をお示しになったという報道はされておりますけれども、結論的に外務通産その他の大臣の話も理解をされてある程度妥協された、このようなことも伝えられているのですが、もう一度関係閣僚会議の空気並びに郵政大臣のそのときの感触を改めてお尋ねしたいのですが……。
  25. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 二月二十日のこの問題に対する関係閣僚会合におきまして、いま中野委員の御質問のとおり、その日の朝刊で、筆をそろえたように電電公社の問題が取り上げられ、さもこれが既定の事実のような一部報道がございまして、私も実は驚いたわけであります。その前の関係閣僚の間の話では、何もはっきりしたものを決めるわけではない、話し合いをしようではないか、それと牛場、安川両代表の話を、経過を聞こうではないかという、そういうふうなことで集まるのだということで私も出席をいたしたわけでありますが、官房長官を座長としてお話がございまして、そして、それぞれ牛場、安川両君から話がございました。  その際に、私は冒頭、こういうふうに自分は理解をしているが、きょうの会合でこういうようなことが決められるようになるのかという話を私は正直に、根が単純でございますから、単刀直入に私は申し上げたわけであります、お尋ねしたわけであります。そうしたら、そのようなことは考えてないんだ、その官房長官の新聞発表にも電電公社のことが話題になったというような発表があったと思いますけれども、報道関係も筆をそろえて書いているというふうなことで、先ほど通産省からもお話がありましたように、アメリカ側の言い分がさもモデルのような形で取り上げられるという、そういうふうな話題の中心だから、そういうことで取り上げたんだというふうな話でありました。  私はその前に、省内でもまた電電公社の総裁ともいろいろ意見を交換をしながら進んでまいっておりましたので、その旨、資料も私の方でも用意しておりましたのを出しまして、はっきりと、こうした技術的な問題でありますから、よく話し合ってこの話を進めてもらわなきゃ困る、またアメリカが何をねらいとしているかということもはっきりわからない段階において、おっしゃるとおり、人身御供みたような形でこれを取り上げて、これで解決すれば何でも解決するんだという、そうした取り上げ方は余り穏やかなものでないというようなこともるる申し上げたわけでありまして、そうしたことで関係閣僚の方々も十分理解をしていただいてあの官房長官の発表となったわけでありまして、新谷先生からいまるる長い間お話がございました。  私も同様な考えでございまして、外務大臣通産大臣、小坂経済企画庁長官も口をそろえて、この際もっと専門的な話を詰めたらいいではないかという、そうした私どもにしてはありがたい示唆がありますし、私もそういうふうなことを望んでおったわけでありますから、これは業界の代表なり何なりがもっと行って話したらどうだろう、説明をして話し合ったらどうだろうということを、実は私も秋草総裁とも話をしまして、そうしていまその段取りをいたしておるところでありますが、幸いにして大木審議官ですか、が外務省から参ります際には、専門家として自分にアドバイザーとしてついてくれというそういうふうな話がありまして、電電公社からも専門家をいまつけてアメリカとの折衝をやっているような次第でございます。  私ども決してこの問題を軽くは考えておりませんし、また御指摘のとおり、日米関係の非常なむずかしい問題、特に六月の会議を控えて日本も主催国としての立場もあるということでありまして、政府全体がやはりこれを成功させたいという気持ちでおるわけでありますから、何もかも反対をするというわけでありませんので、私は正直にどれくらいアメリカが自由競争といいますか、そういうふうなことで入札でやって電電公社の方で買えるのか、あるいは電電公社支障がない程度でどういうふうなものが買えるのかというようなこともわかりませんから、まあ一〇〇%私どもはこれをネグレクトするわけではないということだけはその会合の席でも申しておったわけであります。  これは正直に何もかも私の経過として打ち明けたわけでありまして、その後、予算委員会における三大臣の御発言の内容も、一部その前に予算委員会の御答弁でお話しされておったことも漸次訂正をされてきている。したがって、認識も各大臣とも変わってきておるんだというふうに私は理解をしている、そういういま段階だと私は判断をいたしておるわけであります。  したがいまして、いま業界の代表の諸君も外務省がせっかくあっせんをして、そして、アメリカのどの筋に行って話せばいいか非常にむずかしい段階でございますから、間違いないようにちゃんと行って話をしてきてくれと言って、ゆうべ実は私のところにあいさつに参りましたので、私の方も激励をして、そうしてお別れしたわけですが、外務大臣の方にもこれは十分に関係者の方と連絡をとって、照会をして、話し合いをしてくれということを再三私からもお願いしておりまして、外務大臣もそのことは十分承知をして、必ずそうするからという約束をいたしておるようなわけであります。せっかくいま努力中であることを御理解いただきたい。  いろいろ新谷先生からも貴重なる御意見を承りましたが、私どもも同様な気持ちで一生懸命いま努力をしているということを御理解いただければ幸いでございます。
  26. 中野明

    ○中野明君 先ほど新谷委員の方からお話を聞いて私も非常に心強く思ったわけですけれども、いままでの傾向からしまして、何か日本の役所はアメリカの言いなりになる傾向を私どもは強く日ごろから感じております。特に、先日も、沖繩で名護市というところがありますが、そこで米軍の機銃の乱射事件がありましたが、あのときにも私、防衛庁に行ってみて、あるいは外務省とお話をしてみて、まともに民家の方にねらい撃ちをしてきているのに、向こうは空を向けて撃ったと言っておりますからそれを信じますというような、これは一例でございますけれども、大体向こうの言うたことをうのみにする傾向がやはり日本の役所にあるような気がしてなりません。そういう中で、新谷委員もいまそういう強い御発言がありましたが、やはり言うことを聞けることと聞けないことのけじめだけははっきりつけていただきたい、私はこう思います。  特に、日本通信機器の性能というのは世界でも有名だということも伺っておりますが、それでもなおかつ、先日来問題になっておるように、電話の料金だって明細書が欲しいというような人も出てくるような、こういう非常にデリケートな、微妙なところがあるわけですが、そういうときに全然メーカーも違う、そういうような機器を導入して、そして、もしそういう機器に対する不信がさらに増長されるというようなことになれば、これはもう日本の通信、一大混乱が起こる、こういうことも心配をいたします。  そういう面で、大臣もいま御答弁の中で、通産外務も大分考えが変わってきたという感触をお述べになっておりましたが、向こうが変わってくるんじゃなしに、もう大臣の方から積極的に変わらして、そして、これは聞けますけれどもこれはだめですと、このことをやはり日本の通信を守るためにも厳然とした態度をおとりいただかないと、こういうことは政治的に安易に妥協をするべき性質のものではないと私は思っております。この点、重ねて大臣に強く要望いたしますとともに、秋草総裁もかねがね各方面で、あるいは国会で御見解をお述べになっておりますが、その点、やはりわが国電気通信事業の責任を持っておられる立場で初心を私は貫いていただきたい。そういうことを考えておりますので、御答弁はもう結構でございますから、よろしくお願いをしておきます。  公社の方は結構でございます。  それでは大臣の所信に対する質問に移らしていただきたいと思います。  先日来、郵政労使の紛争でそれぞれの立場から具体的な問題が提起されて質問か継続をいたしております。どちら側がいいとか悪い、こういうことはその当事者にとりましてはまことに大変な問題だろうと私も思います。その点では一々議論なさっていること、それなりの言い分は私はあることは十分承知をいたしておりますけれども、しかしながら、それはどこまで行っても郵政部内の問題でありまして、このことによりまして何の責任も罪もない国民の皆さん方に郵便の遅配という、こういう問題で迷惑をかけて、それでいいということはあり得ないと思います。こういう点で非常に国民は大変な迷惑をしておるわけであります。口を開けばいろいろの面で明るい職場とか、愛される郵便局というふうに言われておるんですが、きょうこのごろはどういうんですか、毎日のように郵便局は特定局がねらわれて、ねらわれる郵便局とでも言いかえなきゃならぬぐらいに、大変不景気の余波を受けて犯罪事件が新聞に載らない日はないぐらいに郵便局もねらわれている。  こういう現状の中で、大臣は御就任されてもう約三カ月、日にちも経過したわけでありまして、年末私どももこの問題を非常に重視しまして、国会で大臣を初め各局長クラスを一日足どめすることによって大切な労使交渉に一日のおくれは取り返しがつかぬことになるという、こういう考えから委員長の裁量に私どもも賛成をいたしました。そして、この交渉のいい結果を大きく期待をしておったわけですが、残念ながら、大臣も所信の中で述べておられるような郵政始まって以来の年賀のおくれ、その他一般郵便のおくれを出してしまったわけであります。こういう点について、大臣は最高責任者としてこの三カ月間いろいろと、それこそ大臣は白紙の状態で郵政大臣におつきになって、最も冷静な立場で物事が判断でき得る立場にお立ちになったと、私はこのように思っておりますが、この労使の問題をどうすれば解決するか、お考えになっておるか、その所信をお尋ねしたいんです。
  27. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 十二月に当委員会で、私ども労使の解決を早くやれということで、委員長初め委員の先生方の御配慮によりましてせっかくの時間を与えていただいたりなどしながら、仰せのとおりな年末の解決がうまくいかないというふうなことで、大変国民の皆様方に御迷惑をおかけしましたことを、私は重ね重ねおわびを申し上げる次第でございます。私が幾ら口でおわびを申し上げましても、これは済む問題ではありませんけれども、今後は一生懸命この解決に向かって努力をしたいと考えておるわけであります。  いろいろ逓信委員会の審議を通じて、それぞれのお立場でいろんな御意見、御示唆をちょうだいしてまいっておるわけでありますが、現場を私も見たかという、そういうふうな御指摘もありまして、私も正直に申し上げまして、なかなか見る機会もありませんで、また組合の幹部の諸君ともお会いする機会がない。まあ年末どうしても解決がこれは見通しがむつかしくなりましたので、私が幹部の諸君と会ってもいいんじゃないかというふうな、そういうふうな話も、意見も出たわけでありますが、何しろ問題が非常にむつかしい問題が要求項目の中にありまして、会いますと、これはノーかイエスかということだけを言えということでありますから、私がここでノーと言わざるを得ないということになりますと、いよいよこれは大混乱になるというふうなことも考えられまして、やはり事務次官以下に、それぞれの立場折衝して、そして一言でも理解をし合うようなことができればということを考えて、私はついに延び延びになって二月の十日に初めてお会いして、そうしてこの交渉の糸口を開いてきたというのが今日までの経過であります。  ところが、いま中野委員がおっしゃるとおりに、これはいつそれじゃおまえは解決できるんだということになりますと、私もなかなかこれは見通しがここで申し上げるほど簡単なものではないと言わざるを得ないわけでありますが、幸いに私が承っておるところによっても、だんだんこう糸口がほどけて、あるいは環境問題その他でも解決している問題も出てきているようでありますから、最後は話し合いによって、私はお互いに反省すべきことは反省して、そうして国民の負託にこたえるように、国民に迷惑をかけてはいかぬということを、これは両方で、労使で考えているわけでありますし、また郵政省全体としても考えなきゃならぬと——当然のことでありますが、私とももそれを考えているわけでありますから、一生懸命これは解決に向かって今後努力をしていきたいということで精いっぱいでございます。事実、解決するめどがあるかということになりますと、残念ながらなかなかその見通しがつかない。一日も早く解決したいという希望だけを、私は熱意だけは持って処していきたいということで御理解をいただきたいと思うわけであります。
  28. 中野明

    ○中野明君 いま大臣の御答弁で、二月に初めて組合の幹部と会ったと、このようにおっしゃっているわけですが、お会いになっても何ら具体的な進展はなかったわけですから——進展というんですか、話し合いの中身が。ですから、それならば私は当面の責任者として、年末私どもが委員会を延期してまで事態の解決を大臣の政治的手腕に託したその時点で組合の幹部にお会いになって、そして、むつかしい問題は考えさしてくれと、しかし、いま解決できることは解決しようという、そういう前向きの姿勢をお示しになれば、やはりこの問題は一歩でも早く前進をしておったんではないかと——後になってこういうことを申し上げるのはどうかと思いますが、そういう感じが私してならぬわけです。  いま、むずかしい問題もあると、このようにおっしゃっておりますけれども、しかしながら、多くの現場の働いている人たちを抱えて、そして労務管理をしていくのは、これは郵政省でございますので、やはりこういう事態が起こってまいりますと、管理責任というもの、そうしてこの間から具体的にいろいろ問題が出ておりますように、やはりいま郵政省だけではなくして、多くの現場の従業員を抱えておる民間会社にしても、労務管理というのはこれはもう大変な仕事の一つになっておりまして、その管理の責任にある人たちは大変な勉強と努力、これをなさって、そして、うまく労使の関係を持っていくために日夜苦労をしておることはもう事実でありまして、その結果大多数のところがうまくいっているわけです。  ところが、郵政省だけがこういうことになってこじれて感情的にまでなっているということになりますと、やはり私は管理責任、管理者として、守住局長答弁なりお話を何回かお会いしたり、この委員会でお聞きしたりしている限りにおいては、局長のお考えでいくんならば、それが下までずっと各管理者に指導徹底されているんなら、何ら問題は起こらぬのじゃないだろうか、こういう気持ちすら持っているんですけれども、どうも途中に頭の古い管理者がおるのかもしれませんし、その辺の事情は私も現場でおりませんのでよくわかりませんが、この管理者に対する、いわゆる労務管理をしていく人に対する研修というんですか、講習というんですか、指導といいますか、これは一体どういうふうになさっておるんですか。定期的になさっているのか、その辺のことはおわかりでしたら教えていただきたい。
  29. 守住有信

    政府委員守住有信君) いま管理者に対する研修のお話が出ましたわけでございますが、私ども管理者としてのあり方といたしまして労務管理、そこには基本的に労使関係正常化、安定、これが基本にございます。それからまた、それぞれ職場を預かっておりますし、多数の職員がおる。それからまた、その職員の仕事も、郵便や貯金や保険やその他共通やいろんな多岐にわたっておりますので、そういう業務上の問題もあるわけでございますが、基本はやはり労使の安定、一方ではその職場を管理し、仕事をどうやって、職員をどうやって生き生きとして秩序の中でやっていくか、そういうことにつきましてのいろんな多面的な面があるわけでございますが、角度での研修をやっておるということでございます。  そのやり方といたしましては、新任の管理者とか、現任の管理者の一部等では、研修所でやる管理者研修というのがございます。そのほかは、郵政局の施策といたしましていろんな管理者の層があるわけでございますが、大体その層別に郵政局施策としての各種の会議や打ち合わせ、あるいは研修といいますか、会議や打ち合わせ自体がまた研修になっていくわけでございますけれども、そういう意味でそういうものに対しての努力をやる。またその中で、労使の安定、正常化論の中での特に過去からの労使の確認と申しますか、あるいはまたその都度、四回ほどでございますけれども、労使関係正常化のための基本通達というのが出ておりますし、また時代も変わっていくということでございますので、そういう面を含めた労務管理必携等を中心にやる。もちろん一方では、職場規律の維持等の問題もございますので、そういう面での訓練もやらなきゃならぬ、いろいろ多面的な内容でやっておるわけでございます。
  30. 中野明

    ○中野明君 まあ、私は四国におるんですが、四国をずっと回ってみましても、非常にうまくいっているんですね、労使の関係は。なかなか人間的にもうまくいっております。ですから、すべての郵便局が全部おかしいんじゃないと思うんです。その辺を考えていけば、やはり重点的にそういう問題のあるところ、何かかつかえているからそういうことになるわけですので、ただ通り一遍の指導方針なり話し合いじゃなくして、個々に内容を分析して、問題になっているところを重点的に局長なら局長が出向いてでもその管理者と話し合いをするとか、そういうことはおやりになってるんですか、どうですか。
  31. 守住有信

    政府委員守住有信君) 先生まさしく御指摘のとおり、職場の風土と申しますか、労使相対の中でのいろんな中で、あるいは職員関係の中で御指摘のとおり、比較的安定しておる局や地域と、そうでない地域といろいろ千差万別でございます。私ども全国的には実はきのうきょうもやっておるわけでございますが、時代の変遷に伴いまして労務管理をもっと近代的な物の考え方というものを入れていかにゃいかぬということで現在東京でやっておるわけでございますが、これは予算の関係もございまして数は限られておりますけれども、近代労務管理セミナーということで民間の経営者の方のお話を聞くだとか、あるいは全逓、全郵政の幹部の諸君の物の考え方と申しますか、そういうことも十分聞くようにだとかということで、これは全国規模でやっておるわけでございます。  お尋ねのとおり、地方におきましてもやはりそれぞれの局情というのがあるわけで、その局情を踏まえてのきめの細かい訓練、指導というのがますますこれから大切になってまいりますので、地方郵政自体も同じ局の管理者を集めるにしても、その局情に応じながらのきめの細かい指導ということでの会議、打ち合わせも今後ますます力を入れていかなきゃいかぬというふうに考えておる次第でございます。
  32. 中野明

    ○中野明君 もうこれ、人間関係が一番大切だと思いますので、そういう点非常に問題の起こっているところはやはり人間関係がぎすぎすしているところから感情的になってみたりしていることも多いんじゃないかと思われますので、その点、今後いまお話しのように、十分近代的な頭の切りかえができるようなそういう方向に努力をしていただかないと、これ大臣のお話を聞いておってもいつ解決するかわからないというんでは本当に困るわけです。ですから、管理責任は郵政省にあるわけですから、やはり管理者の方が胸を開いて、そして職場の人たちがどういうことでつかえているかということを一つ一つほぐしていく以外に解決の方法はないと思いますので、重ねてお願いをしておきます。  それから、これは年賀状のことでございますが、年々お年玉つきの年賀はがきの売れ行き、発行枚数というのは増加してきて、郵政省のこれは一つの大きなドル箱だろうと思うんですが、本年の年賀はがきですか、五十四年度のこの発売枚数と、年内に受け付けした枚数、これおわかりでしたら教えていただきたい。
  33. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 今期の年末年始で発売をいたしましたお年玉つきの年賀はがきは二十七億五千万枚でございます。お引き受けいたしました年賀はがきでございますが、期間中通算いたしまして二十六億五千万枚程度というふうに存じております。
  34. 中野明

    ○中野明君 まず年賀はがきですが、これは特殊取り扱いで特別郵便と、こういうことになっております。郵便の規則で、十二月二十五日から二十八日までの間に引き受けたものは一応一月一日に配達をいたしますよと、一番早い便から配達をいたしますよと、こういうのが特殊取り扱いの精神ではないだろうかと思います。二十八日ということになっておりますけれども、通常は大体遠方は二十日ぐらいまでにと盛んにPRをなさっておりました。大多数の皆さん方がその郵政省の方針に協力をし、そして一月一日に配達を期待して投函をしているわけであります。ですから、この年賀はがき、特にお年玉つきのことについて私も非常に人気があるもんですから言うわけですが、これは期待して郵政省がPRされた、指導どおりに出した。  ところが、ことしのようなことになってしまって、ひどいのになると、まだいまごろ、きのうですか、どっかで一万五千通かなんか出てきたというようなニュースが伝えられて、いまごろこれから年賀がついてくるという人もあるわけです。そういうことになりますと、大臣は先ほどもおっしゃいましたように、もう心からおわびを申し上げますと言うただけではこれは済まぬことだけれどもと、こうおっしゃっておりますけれども、一体こういうことになったときに、私ここで申し上げたいのは、私自身もそうなんですが、普通大体一月一日か三日ぐらいに年賀はがきが来るというのが例年の姿でございます。それを見て、もし自分出してないのには改めて答礼の返事を出す。この返信用に大体何枚か皆留保しているわけです。  ところが、ことしのようにいまごろになって年賀が来たりするということになると、これは返信どころの騒ぎじゃありませんし、また抽せんは日を延ばされましたけれども、抽せんが済んでからお年玉つきの年賀はかきを使うということは、これはまことに非礼な話で、そういうことはできません。そうなりますと、返信用にと思ってとっておった年賀はがきというもの、これは普通の常識では使用できないわけです。それを郵便局の窓口へ行って普通のはがきと交換をしてくれと言うと、やはり一般の普通のはがきと同じく手数料を三円とるわけです、一枚。これは規則でそうなっているようですからなにですが、私は各方面でそういうことを言われるわけですが、これほど年賀をむちゃくちゃにしておいて、そして返信も出せぬような時期に配っておいて、それで今度そのはがきを普通のはがきにかえてくれと持って行ったら三円出せ、これは一体どういうことなんだと、こういう特殊の場合は特例扱いにして手数料なしでかえても構わぬじゃないか。それぐらいの責任といいますか、ことは郵政省にあるんじゃないかと、こういう意見があちらこちらで出るわけです。  商品で言えば、これはいわば元日か三日、三が日以内に着かなかったら欠陥商品と違うかという声もあちらこちらであるわけです。こういう点、いまの大臣のお話を聞いていると、いつこれ解決つくかわからぬ、また将来もこういうことが起こる可能性があるかもしれません。これは特例でも考えて、そういう郵政省がお約束をしたことを守れなかったときには無料ででも交換するとか、そういうような特例の措置はとれないもんだろうか、ことしそういう考えはされなかったのかどうか、その辺。
  35. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 御指摘のように、大変に年賀の排送がおくれまして申しわけなく思っておるわけでございますが、この点につきましては、大臣からもるるお気持ちを申し述べておられますのでございますけれども、例年御指摘のように十五日までにほぼ年賀をお出しになるだろうということで、十五日を一応のお年玉の抽せん日ということにいたしておるわけでございます。そこで、一月の十五日の時点で、年賀の排送でございますが、郵便局でお引き受けいたしておりますものの九九・七%を排送いたしました。で、残りが八百五十万通程度残っておったわけでございます。八百五十万通であればどうでもいいではないかというような考え方を決していたしたわけではございませんで、ただいま御指摘のように、御返信用のはがきもたくさんお持ちであろうというふうに思いまして、私どもとしてはおおむね二週間程度、一月の末までにお出しになるであろうということを見込みまして、お年玉の抽せん日を一月の末にいたしました。  そこで、私どもが掌握しております限りにおきましては、一月の下旬に至りまして残っておりますものは一応お届けしたと思っておりました。で、この間、全国的に一回ならず再三にわたりまして局内を総合的に点検するような指示もいたしたわけでございます。大変残念なことでございますが、その後、再度点検をいたしておりますうちに、御指摘のような場所から年賀が出てきたというようなこともございまして、この点については大変申しわけないというふうに存じております。
  36. 中野明

    ○中野明君 大体十五日済んだら年賀状使え言うたって、それはもう普通のはがきなら構わぬですよ。しかし、年賀はがきということになると、十五日済んでから年賀というのは、これは常識にはありませんし、おかしいんですが、お年玉つきの年賀はがきを交換に来た人どれぐらい枚数になっているか、掌握しておられますか。
  37. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) お年玉はがきだけの交換枚数は掌握いたしておりませんが、年間にはがきの書損その他で交換をいたします枚数はおよそ九千七百万枚ぐらいに及んでおります。
  38. 中野明

    ○中野明君 お年玉は全然わかりませんね。
  39. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) お年玉はがきだけ特別な調査をいたしておりません。
  40. 中野明

    ○中野明君 本当はことしみたいなときは、やはりそれぐらいの神経は配られた方がいいんじゃないかというような気かいたしますよ。皆、ちょっと頭にきておりますよ。で、もう郵政省に対する不信というのか、このままほっておいたら——ただもう、おくれたから済みませんでしたと、それで何もかも済んでしまうということになると、これはもう国民の側は迷惑のかけられっ放しで、それで、郵政事業に協力をせよと言ったって、なかなかその気持ちにはなりにくいです。こういう点は、やはり何か郵政省の方としても、そういう法律ではっきり約束をしているわけじゃありませんけれども、法の精神はやはり元日、少なくとも三日以内には配りましょう、こういうことで、日にちまで指定して出さしているわけですから、それがもう二十日にもなる、一カ月もおくれるということになると、もう明らかにこれは商品としては欠陥でしょうし、契約とすれば契約違反ということにもなるわけです。  そんな大層なことを言おうとは私も思いませんけれども、それに対して、やはり郵政省としては申しわけなかった、だからこういうふうにいたしますというぐらいの配慮があっても私は別におかしくないと思うんです。だから、法律改正しなきゃならぬようなことであれば、大臣の特例なり何なりで、ことしは大変申しわけないことになった、だから年賀はがきの交換だけは無料でするようにと、そういうようなことの手が打てなかったかなと、その辺にもやはり私は郵政省として、独占事業だからそんなのんきなことで済ませられるんじゃないかという不満を持つわけです。大臣、どうでしょう、その辺。
  41. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 御指摘のように、事情は確かに私ども重々反省しなければいけないことと思っておるわけでございますが、法律の条文でお答えすることが問題の解決には決してならないと思いますけれども、書損等のはがきにつきましての交換につきましては、法律の条文の規定がございまして、なかなか大臣限りの裁量というわけにもまいらない点もございますので、この辺の事情につきましては、ひとつお察しをいただきたいというふうに存じます。  それからさらに、これはお年玉の抽せん日をおくらせますと、あるいは書損したはがきでも当せんはがきになる可能性もございますので長く手元に置いておかれる方もございますし、特別取り扱い期間中にお引き受けいたしました賀状でございますと実は消印かいたしてございませんので、本当の書損であるのか、あるいはお使いになったものであるのか、ちょっと見分けしにくい点も実はないわけではございません。そういう点もございまして、全く無料ということも、御指摘のような事情は重々承知をいたしておりますけれども、なかなかいたしづらい事由もございますので、御賢察いただければ幸いだというふうに存じます。
  42. 中野明

    ○中野明君 それはいろいろあるでしょうけれども、白紙のものだけでもそうするとか、やはりそういうどういうのですかね、細かい——細かいというんですか、これは人間の気持ちなんですから、そういうことが独占事業で、法律でこう書いてあるからもうどうしようもないんだというようなことで全然考えもしない。  そういうことが、やはり労使の関係でも、人間と人間のことですから、一応法律は法律であり、規則は規則、労務管理は管理でかくあるべきという規則はあるかもしれませんけれども、そこは人間と人間との、日ごろの同じ職場で仕事をするんですから、過日成相先生ですか、おっしゃっておりましたように、エレベーターに乗るのと階段を下りるのと、そういうことまで起こってくるようなことに相なってくるわけじゃなかろうかと、私はこのように思います。これは、ここで幾ら申し上げても結論の出ることじゃございませんので、その程度でとどめておきます。  次に申し上げておきたいのは、郵政大臣の所信表明の中に「昭和五十四年度におきましては、料金改定はこれを見合わせることといたしました。」と、わざわざお書きになっているわけです。先ほどから申し上げているように、いまこういう状態で国民の郵政不信は極に達している。こういうときに、大臣の所信の中でわざわざ、ここで料金改定は見合わせることにしました。料金改定、料金値上げなんというのは、これは言えるときでもないし、本気で料金改定のことを考えておられたとしたら、これは問題だと思うんですが、ここでこういうことをお出しになった本意はどこにあるんですか。
  43. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 御承知のように、この事業が独立採算というふうな立場でやっておりますが、累積赤字も相当ふえておりまして、財政当局からも値上げの問題がきつい要望としてあったわけでありますが、私どもは、国民の皆様方に対するいままでの責任もございますし、したがいまして、どうしても国民の全体の感情から見ましても、物価の問題なども考えまして、これは上げるべきではないというふうなことで、ようやく財政当局を説得をいたしておりましたので、この点は、私の所信の表明の中でもうたっておいた方がよくはないかというふうな考えで、私がこの中に入れたわけであります。  ことさら上げようとして考えておったのではないかという御指摘でございますが、毛頭そういうようなことは考えておったわけじゃありませんで、むしろ、どうして五十四年度を今日のまま据え置いていくかということに私ども一生懸命苦労してまいった、それが国民の皆様に対する務めであるというふうに考えてこの所信表明の中でうたったわけでありまして、御了解をいただきたいと思うわけであります。
  44. 中野明

    ○中野明君 私、そういう点も非常に感じるんです。心からおわびを申し上げますと、このようにかつてないことが起こって非常に申しわけないとおっしゃっているんですから、これはだれが見ても、終わりの方に財政状態をお書きになっておりますから、ああ赤字だなということはわかるようになっているわけです。これをわざわざここに値上げのことをお出しになるというそういうお考え、私はその辺に配慮——言わなくたって赤字であることはこの説明でわかるわけですから、わざわざここに値上げを見送ることにしましたというふうに、何か恩着せがましく書かれるということに非常に私は抵抗を感じるわけです。これは本当に、いまこういう郵政の現状の中で、もしもことし値上げの法案でも出てきておったら、それはぶつつぶれるのは目に見えております。こういう背景のときに大臣が所信の中でわざわざここで値上げのことを述べられる、その真意というものを私ははかりかねたからお尋ねをしているわけであります。この点、まず値上げを云々する前に、郵政の内部の労使関係正常化なさる方が先決であるということだけつけ加えさせてもらいます。  それから、その次は放送大学学園のことでございます。  これは法案が出てまいりましたが、郵政大臣は主務大臣ですね。
  45. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) そのとおりでございます。
  46. 中野明

    ○中野明君 それで、大臣に一言、これまた生意気なようですけれども申し上げますが、この間の所信表明で、ちょっと読みますと、「放送大学学園(仮称)につきましては、多年郵政省といたしましても文部省と相携えてその実現に努力してまいりましたが、今国会に関係法律案が提出される予定でありますのでよろしくお願い申し上げます。」、こうおっしゃっているんです。これ、この法案いつ提出される予定ですか。
  47. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。  実は、放送大学学園法はすでに二月の二十四日に国会に提出が済んでおりまして、したがいまして……
  48. 中野明

    ○中野明君 いいです。  だから大臣ね、主務大臣で、郵政省としても文部省と携えて実現に努力をしてきた。非常に主務大臣としては、これ、どっちかというと提案者にも準ずるような立場の人ですよ。その人が、二十四日に出しておいて、二十七日に、「関係法律案が提出される予定でありますのでよろしく」、と言って、これ、衆議院で読んだのと同じようなことを平気で読むというのは、本気でこの法律を通そうとお考になっているのかどうか、私は疑いたくなります。二十四日に提出しておいて。  これは大臣ばっかり責めても悪いと思いますけれども、事務当局なんかがもっと本気になって、この委員会で大臣が所信を述べるんですから、そんないいかげんなことを大臣に読ますようなことじゃ困ると思うんですが、これは大臣に文句を言う以前に、ぼくは事務当局がけしからぬと思うんですが、その辺、事務当局ちょっと返事してくださいよ。
  49. 林乙也

    政府委員(林乙也君) ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、法律案は二十四日に国会に提出されたわけでございまして、大臣が所信表明を申し上げます際にはすでに本法案は提出されておったわけでございまして、その点、私どもの全くの手落ちでございまして、この点につきましては早速議事録の訂正につきまして、お願いいたした次第でございますけれども、私どもの手落ちでありますことはただいま先生の御指摘のとおりでございまして、深くおわびを申し上げたいと思います。
  50. 中野明

    ○中野明君 議事録訂正と言うて、そんな簡単に——委員長に言いましたか。理事会でも話がありましたか。
  51. 林乙也

    政府委員(林乙也君) まだ理事会にはお話を申し上げておりません。
  52. 中野明

    ○中野明君 だから、あのとき私は不規則発言で言うたでしょう。出ているじゃないかと言うたけれども、皆さん方は聞いたか聞かぬか知らぬけれども、本当に委員会で大臣が所信表明をされるということは、これは年に一回のことで、最も権威のあるものとして私どもは受けとめて聞いておるわけです。そして、主務大臣として、この放送大学学園というのは非常にいろいろ、これから具体的に質問する場所が出てくると思いますので、私も問題点を感じている法案なんです。それをこれから出しますというのと、もうすでに出しておいて、これ衆議院で印刷したのとそのままでしょう。  事務当局のそういう点、この委員会を何か一つの、まあ言葉が悪いかしれませんけれども、委員会をなめているんじゃないだろうか、こういう気がしてなりません。もっと真剣にやはり大臣の発言というもの、しかも大臣の一年に一遍の所信なんですから、間違いのないようにしてほしいと思います。だから私は、言葉じりをとらえるようで悪かったけれども、料金の改定のことだってこういうところへ出してほしくないと、こういう時節に。これは伏せておいたって、ちゃんと大臣がこれをお読みになったら、ああ郵政の会計は赤字だなということはだれでもわかるようになっている。  そういうことをいろいろ考えますと、非常に委員会で、もうとにかく形式的に出しておきさえしたらいいんだという、そういう考え方があるような気がしていけません。だから、これは正式にちゃんと手続をとって委員長にお願いをして、理事会でこうこうですと、こういうふうな手続をとっていただきたいと思います。よろしいですか。
  53. 林乙也

    政府委員(林乙也君) 私どもの全くの手落ちでございましたことはそのとおりでございまして、おわび申し上げますと同時に、ただいま御指摘のございましたようなことで委員長にも御了承いただきまして修正させていただきたいと存じます。
  54. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) いま中野委員から御指摘のことにつきましては、私が責任者としてまことに申しわけないと深くおわびを申し上げる次第であります。
  55. 中野明

    ○中野明君 ではちょっと、これはいずれ議論する場所があると思いますので、二、三、この大学法案、もう提出されておりますので、これについて私、気になることだけお尋ねしておきます。  まず一つは、放送法の改正というものをこの放送大学学園法案の附則でうたっているわけです。しかし、今回のこの放送大学学園の学園放送というんですか、これの位置づけというものはどういうことになるんですか。わが国の過去二十五年間、テレビの放送が民放とNHKという二本立てでまいったわけですが、この学園ができることによって学園の現在の放送体制の中における位置づけ、これはどのようになるんですか。その辺をちょっと。
  56. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。  今回、ただいま御指摘のように、放送等によりまして教育を行う大学を設置いたしまして、大学教育に対する広範な国民の要請にこたえるために、特殊法人放送大学学園を設けるということでございまして、放送大学学園法を過日国会に御提出をしたわけでございますが、これは放送法の中におけるいわゆる全国あまねく放送を行うという意味のNHKの体系、それから濶達なる放送を行うといういわゆる民放の体系、これに対しまして三番目の性格がこの学園法によって考えられると、こういうふうに理解をいたしております。
  57. 中野明

    ○中野明君 そうしますと、まあ受信料で成り立っておりますNHKと、それからCM、宣伝料で成り立っている民放と、全額国費で運営しようとする特殊法人の放送学園放送、この二本の放送体系が三本立てになると、こういうことですか。
  58. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) 放送大学学園は、大学教育のための放送を行う放送事業者と相なるわけでございますので、国の出資によるものと相なります。したがいまして、受信料にその存立の基盤を持つ日本放送協会と、民間の発意により自由濶達に放送文化を建設、高揚する自由は事業としての一般放送事業者とはその性格が異なるわけでございますので、いわゆる三本立てに相なるというふうに考えております。
  59. 中野明

    ○中野明君 そうしますと、二十五年余りいまずっと続いてきたこの二本立ての放送体系というものが根本的に変わると、このように理解できるんですが、そういうような基本的な大事な変更をするのに、なぜ放送法の改正を改めて提案なさらないのか、この辺が私は非常に不満でございます。これはもう日本の放送法というのは、これもう本当に唯一の言論立法でしょう。それの根幹を揺らすような改正に、大学法案の附則で放送法のこれをこうしますよというような程度の改正の仕方、そういう考え方、放送に対する物の考え方、私どもはとうてい納得できないんですが、なぜそういう改正をなさらなかったのか、また、なさることを主張なさらなかったか、その辺教えてください。
  60. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) 一般的に申し上げまして、法律案の提出につきましては、その内容において密接不可分な関連を有するような場合におきましては、それか複数の法律にわたるような場合におきましても一本の法律にまとめるということが適当であろうというふうに考えられておるわけでございまして、今回の放送大学学園の放送につきましても、これを放送法上どのように位置づけるかというような問題など、その放送の規律の仕方につきましていろいろ検討をいたしたわけでございますが、何分にもこの放送大学学園の目的なり業務と密接不可分な関係にございますので、学園法の附則によりまして必要な放送法の手直しをするということに相なったわけでございます。
  61. 中野明

    ○中野明君 監理局長としては一応これは放送法の改正をしてくれということを主張なさったのか、それとも全然もう最初からこういう形でしようがないと思っておられたのか、その辺のお気持ちをもう一度……。
  62. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) 私どもといたしましては、先ほど先生指摘ございましたように、放送法の従来の二本立て体制が三本立てになるということを深く認識をしたわけでございますが、関係方面といろいろ詰めてまいります段階におきまして、その密接不可分性ということに着目をいたしまして、学園法の中で附則によりまして放送法を改正するということに相なったわけでございます。
  63. 中野明

    ○中野明君 これは、放送法の改正ということも言われてずいぶん長いし、現状に合わなくなっている、こういうことも巷間言われております。こういう機会わが国の今後の放送のあり方というものを根本的に議論する場所をやはり提供することが、これが私は放送を担当している皆さん方にとっても国民に対する親切なやり方じゃないかというような気がするわけです。ここに文部省の提案になってきて連合審査したからといっても、これはやはり向こうに主導権があるわけですから、放送のことなんかそんなに議論をする場所が少なくなってきます。こういうことを考えていきましたときに、その辺に非常に私は大きな不満を持っているということだけきょうは申し述べさしていただきます。  それから、お昼過ぎてしまいましたので、もう一点だけこれは文部省にお聞きしたいのですが、おいでいただいていると思いますが、今度のこの学園の役員になる資格の欠格条項の中から、政党の役員、あるいは同一政党に所属しておる人たちの項目だけ外されておるわけです。この外された理由をお尋ねしたいわけです。
  64. 前畑安宏

    説明員(前畑安宏君) ただいま御指摘のとおり、今回御提案をいたしております放送大学学園法案におきましては、政党の役員というものを役員の欠格条項に掲げていないわけでございます。これは、私ども郵政省初め、政府部内においてこの法案を取りまとめる際に、およそ二つの点からそのようにさしていただいたわけでございます。  まず第一点は、最近の立法例ということでございまして、役員の欠格条項をどのように定めるかにつきましては、それぞれの法人の事情があるわけでございますが、政党の役員ということの取り扱いにつきましては、最近の立法例に照しますと、これを欠格条項に掲げている例はほとんどないというのが第一点でございます。  それから第二点といたしまして、この放送大学学園法案につきましては、大学を設置するということも勘案をいたしまして、欠格条項の中では、たとえば禁治産者、準禁治産者、あるいは禁錮以上の刑に処せられた者、さらには教員の免許状の取り上げ処分に遭った者、こういう者を掲げておるわけでございますが、これらの者が役員として不適格ということは申すまでもないところでございますが、それと並べまして、同じような意味合いにおいて政党の役員の方を学園の役員として不適格というように法律上規定いたしますことにつきましていささか適当ではないものがあるんじゃなかろうか。かように考えまして、政党の役員を欠格条項に掲げないことで御提案をさしていただいたわけでございます。
  65. 中野明

    ○中野明君 これはNHKの経営委員の欠格条項を一応踏襲するというようなことは当初から議論されておったのが、いつの間にかそこだけ外れた。こういうことのように私どもは受け取っておるわけですが、これは同じ特殊法人といいましても、放送をやるわけですから放送法の政治的に中立、公平、こういうことを強く要求されるのが放送でございます。その中からわざわざ政党の役員並びに同一政党に所属する人を外すということは、私はこれは故意、あるいは偶然に役員が全員同じ政党に所属しておる人になる可能性がある。そうなりますと、これはやはり政治的な公正を欠くんじゃないか、放送法に外れてくるのではないか、と、こういう心配もするわけです。  こういう点、この法案をちらっと見せていただきましたが、何ら歯どめがありません。そうすると、マスコミなんかで騒がれている管理体制の強化ということ、この辺にもまた私どもはよけいな心配をしなきゃならぬということが出てくるわけでして、その辺の歯どめ、これはいずれ法案が提出されて審議の段階で具体的にいろいろ議論したいと思いますが、この辺は大変問題があるということを大臣、郵政省もその詰めの段階でそれを認めたと、こうおっしゃっているんですが、電監局長は放送法の政治的公平との関係で別におかしく思われなかったのですかね。
  66. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) 先生おっしゃいました放送法の中におけるNHKの経営委員を縛る条項との関連につきましては、十分に郵政省といたしましても検討をしてまいったところでございますけれども、最終的に関係機関との調整の段階でこのような結果に相なったわけでございます。
  67. 中野明

    ○中野明君 いろいろ次の機会に質問さしていただくとして、本日これで終わらせていただきます。
  68. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分に再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時十分休憩      —————・—————    午後一時十六分開会
  69. 赤桐操

    委員長赤桐操君) ただいまから逓信委員会を再会いたします。  休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  70. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 きょうは、先日来同僚委員からも質疑が各角度からやられております郵便事業の大問題について、実は御承知のように昨年の十二月十七日以来、きわめて重大な問題ということで本委員会でもたびたびその機会を設けたわけでございますけれども、当局の御努力の問題もあるということ等もありまして、実は本委員会での審議はきょうが初めてでございます。  で、私は、各委員からもおっしゃっておられますように、昨年来からことしの年初にかけてのこの著しい混乱というのは非常に大変だったと思うんです。政府・郵政省の発表でも、最大の滞貨が千三百三十一万通、おくれの最大が一週間とおっしゃっておるんですけれども、実情はもっと厳しい。年賀状の時期でございましたから、年賀状の問題が一番問題になるわけですけれども、大体私どものところでも、また私どもの周りの人たちの意見でも、大体元日には通常年度の四分の一程度、で、一週間ほどの間にあと全体の三分の二の量、そうして十五日ぐらいまでの間に九〇%以上と。で、最後は一月じゅうと、こういうことになっておると言われているわけでございます。  ですから、確かに、先ほども出ましたように、お返事を差し上げるということが非常に困難な時期になってくるわけですね。私どももお返事をいただいた中にこういうのが幾つもありました。——到着がおくれましたので大変おくれて失礼でございますが、年賀をいただきましてありがとうございますというので、年賀状でのお返事が来ている分、あるいは松の内が過ぎて、年賀を差し上げるべき時期ではないのでやむなくということで、寒中お見舞いということで書きかえをなさって、わざわざ別のお返事をいただくというふうなことでございました。  報道されているだけでも、速達のおくれだとか、手形決済期限に間に合わない、あるいは就職試験の通知のおくれという、いろんなことが報道されましたけれども、そういうことを見ましても、国民生活に及ぼす影響というのはきわめて大きく、また重大な社会問題になったと思うのでございます。この国民にこれだけ大きな迷惑をかけた郵便事業の混乱、これを起こした責任というのは一体どこにあるのか。これは、私は一にかかって郵政当局にあると思うんです。当局は国民に迷惑をかけてまことに申しわけありませんということを盛んに言っておりますけれども、しかし、実は労使関係の紛争がうまくいかなくてというのが必ずこれについて出てくる。  これは過日も指摘をされましたが、私もひどいなと思って見たのは、「郵政省はこう考えます。」という文章ですね。こんなもの国民におわびになってないですよ、「こう考えます。」というのは。「郵便の遅配で皆様に大変ご迷惑をおかけいたしております。」と、「「問題」はなにか。」ということで「全逓は」云々と、こうなってるんですね。私は、この辺のところというのは、郵政当局が本当に腹の底から考え直さなければならない問題があるんではないかというふうに思うんです。その点どうですか。  だってね、私は非常に残念だと思いますけれども、労使間の問題というのはこれは企業内部の問題ですよ。ですから、当然労使間の問題の解決の責任というのは管理者である当局にあるわけです。労使間の紛争を理由にして国民に迷惑をかけるというふうなことで、しかも、回復しがたい迷惑をかけて日を送っているなどというふうなやり方というのは、これは、私は郵政省の当事者能力を疑うものだ。この点について責任の所在という点だけはまず明確にしていただきたいと思う。大臣、どうですか。
  71. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 責任の所在ということになりますと、これは私が責任者として当然私に責任があるわけでございます。  いま御指摘のとおり、いろいろと国民の方々にも、どうしてこうしたことを出さなければならないかということについては御指摘のとおりいろいろ問題があろうかと思いますが、全逓の方からも意見広告が出されたということでありましたので、どうも郵政省の方としても、国民の皆様に向かって御説明をする必要があるんじゃないかというふうなことになりましてこうした意見広告を出したわけでございます。
  72. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 意見広告を出すというんなら、労務管理の不手際でこういうことになっているので、当局の責任において必ず国民の皆さんに御迷惑をかけないようにやりますというんなら話はわかりますよ。そうじゃないんですよ、そこが問題だというんです。私は、非常にこれは考え直してもらわなければいかぬなと思いますのはね、いまの日本の社会というのは資本主義社会ですよ。労使関係というのはもう全国至るところに無数にあるわけですわ、実際問題として。そうでしょう。労使間の間に矛盾があるというのは、これはもう当然のことなんです、実際ね。どこの企業だって労使問題、労使間の問題、これはきわめて重要でございます。  私も、小さな企業ではあっても病院の管理者として労使問題で頭を悩ましてきたことはたびたびあります。しかし、あなたのところのように、労働組合との労使問題を解決をようしないからといって、私どもは病院ですからね、患者に迷惑をかけるということになったら院長首ですよ、そんなの。労働組合がかくかくしかじかでございますからというて、国民の迷惑知らぬ顔で日を送っていくなどという態度というのは、もうまさに当事者能力、管理者として責任の放棄ですよ。その点は重大な責任問題だと思うんです。第一、国民が二十七億枚の年賀状をこれは郵政省に担保して買うているんですよ。労働組合に担保して年賀状を買うた国民はありませんよ。そうですよ。  そういう立場で、管理者としての立場で、これは当局が労使問題については全責任を負うて解決をするという立場をとらなければならないわけですよ。しかも、国民にかけた被害というのは、先ほども中野先生指摘のように、何一つ国民に対しては迷惑料の千分の一も百万分の一も返すことができないでしょう。法律がございますのでと、法律で決まっていることさえもやっていないじゃないですか。  特殊郵便の取り扱いでは法律はどないなっておりますか。特別郵便たな。——委員長、時間の都合があるからよろしいわ、私言いましょう。これは聞くつもりやなかった、もうすでにやられているから、衆議院でも問題になっているんですね、三十八条の特別郵便について還付制度があるじゃないですか。それだって国民に知らしましたか。やってないでしょう。法律があって、何一つ国民には御迷惑をかけっ放しでお返しはできませんと、さっき、午前中はおっしゃった。法律にあることさえもやらない。国民に対して責めを負うという立場ではないと思うのです、こういう態度というのは。  これは普通の会社だったら、これだけ大問題を起こして、労使間の紛争を解決できない管理者というのは首ですよ。引責辞職ですよ、当然。そのくらいのことをちょっと考えなければいかぬですよ。そういう立場で今後の解決をなさるおつもりなのかどうかということと、私はもう非常に不満だと思ったのは、午前中も大臣、見通しについてははっきり言えないなんというようなことを言っていたでしょう。何たることですか、そんな。来年の郵便どうなるんですか、年賀状は。改めて労務管理上の紛争解決についての当局の姿勢と解決の見通し、これについてお聞きをしたいと思う。
  73. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 紛争をいつ解決するかという、そうした事実については、私も明言できないと申し上げたのでありますが、なるたけ早期に現実的な解決をするということでいま一生懸命努力をしているということで御理解をいただきたいと思います。  その他のことにつきましては、それぞれの政府委員の方からお答え申し上げます。
  74. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 まだ答えることありますか。——そんなら答えてもらおう。
  75. 守住有信

    政府委員守住有信君) 私、一方では労使関係交渉の当時者でございまして、あくまでもこういう労使間の問題は自主的な交渉の中でまとめ切らなければならない。それがまとめ切れなかったということにつきまして非常に責任を痛感しておるわけでございますが、しかし、なかなか要求の項目の内容の性質と申しますか、あるいはまた、言いわけがましくなりますのであれでございますけれども、なかなか年末段階だけでまとめ切ることができなかった。  そこで実は、年が明けましてやはり自主的な交渉の中で、国民に迷惑をかけるようなそういう闘争手段でなくて、平和的な中で、じっくり、イエス・オア・ノーというふうなことでなくて、じっくり話し合いたいということで、幸い大臣と両方の組合の幹部との会見をきっかけとしまして話し合いに入れるといういま段階に入っております。したかいまして、やはり平和的な状態の中でじっくりこの問題をほぐしながら誠意をもって話し合っていきたい。そして、先ほどから出ておりますように、いろんな、ただすべきはお互いただしていきながら、お互いの共通の理解というものを深めていきたい、このように考えておる次第でございます。
  76. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 のんびりしたこと言うちゃ困るんです。国民には迷惑かけっ放しで、それで山を越したからゆっくり平和的になどと、何をのんきなことを言うておるんですか。あなたの労務管理の、管理者としての不手際のために全国民が迷惑をこうむったんですよ、ちっとは考えているんですか。細部にわたっては、それは時間をかけなきゃならぬかもわからぬです。基本的な点で当局が——労働者の要求との関係では、これはいろいろあるの決まっているんですよ。労使間の矛盾というのは千差万別なんです。いろんなものがあってあたりまえなんですよ。それを管理者は、当局の任務遂行していく上でどうしなきゃならないかという判断をあの重大な時期にしなかったという責任は、一億一千万全国民に迷惑を与えている。これからゆっくりやらしてもらいますなどという言い方がありますか。何という無責任なことを言うんですか。  年末の時点できちんと——細部については一定の期限が過ぎてから、山が過ぎてからやったらいいんで、その点の基本点についてはきちんとその姿勢を示すという、あなた方前向きに示さなかったから起こったんでしょう、問題は。私は、中身についてはともかく、労使間の紛争というのは矛盾があるんだから、必然的に矛盾があるんだから、しかも要求は千差万別だと。そういうものをこれはすべての管理者全部企業の責任を果たすために責任を負っているわけですよ。その立場にお立ちになったか、ならぬかと言っているんです。なってないですがな。その責任を感じなさいと言うているんですよ。
  77. 守住有信

    政府委員守住有信君) 実は、この要求項目の貫徹ということで、終わりなき闘いということで、広範囲な闘争手段が現場段階で行われまして、私どもいろいろ中止も要請し、平和裏の話し合いということでございました。しかし、話し合いということでまとめ切らなかったということについては、私責任を痛感しておりますが、一方ではそういう要求貫徹までいろんな闘争を続けるんだという実態がございましたために、その両面で非常な国民に御迷惑をかけたことの責任を痛感しておる次第でございます。
  78. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 私は、管理者である当局が、当局の責任が、まとめ切れなかったという責任が国民に迷惑かけたんだと。そうなんですよ、そこをはっきりしなきゃいかぬです、問題は。どんな事態になろうとも管理責任を持っている当局は、任務遂行のためにはきちんと役割りを果たさなきゃならぬということをまず腹に据えてもらわぬと、来年の年賀状どないなるんやろうかと思いますよ。大臣だって、いつ片づくかわかりゃせぬと言うておるんやから。そこをはっきりしなさいと言うているんですよ、問題は。そういうものなんですよ、世の中というのは。いまの日本の社会というのは、そういうことで正常に動いているんです。だから、あなた方の管理責任重大だと言うているんですよ。  特に郵政当局というのは、職場の職員が、特に郵政関係だけでも三十万以上でしょう。この三十万以上の職場で働いてくれておる職員の皆さん方を、皆さん方に明るく一使命感に燃えて生き生きと働いてもらえるような労務管理をするかどうかというのは、国民のサービス行政である郵政省最大の任務なんですよね。そこをまともにようやらぬかったから国民に迷惑かけたんですよ。その辺ははっきりしなさいと言っている。やりましたけれども、組合が無理な要求があったんで片がつきませんでしたと、組合の責任に転嫁しちゃならぬと言うんです、そこは。問題はそこなんですよ。私は労働組合の肩を持って物を言うているんではない。労働組合の戦術とか、闘いの方針とかというのは労働組合独自のものですから、私どもが介入するべきものではないと思っています。私はそういう立場で当局の責任を追及しているので、その点ははっきりしてくださいよ。
  79. 守住有信

    政府委員守住有信君) 先生指摘のように、労務管理の要諦というのは、先生お話しになりましたとおりだと私も認識をしているわけでございます。ただ、御理解いただきたいのは、一方で公労法上は正常な労使関係の中で平和的に団体交渉を行うというたてまえ、法の規制になっておりますけれども、一方では非常に大きな物だめ等が行われている。もちろん交渉の要求自体、これは労働組合としてのそれぞれの目的がございますだけに、それはまた先生お話しのとおりだと、こう思っておりますけれども、他面、現場段階でいろいろな闘争の対応が行われて、年賀ボイコット、その他いろいろな行為があったわけでございまして、その点だけはひとつ御理解をいただきたいと思います。
  80. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 私はね、国民の立場から言うたら、労使間の関係で、労働者の要求というのは多種多様だということはもう決まっているんですわ。その場合に、それをどんなに多種多様であろうとも解決をしなければならないというのは管理者としての責任だと。労働者が管理者の手に負えぬようなところまで持ってきたというのは、これは長い間の平素の管理政策——あなたの方の労務管理政策に間違いがあったか、あるいは何かぐあいが悪かったか、とにかく抑え切れぬところまできていたからそんなことになったんでしょう。  とにかく労働組合が、労働組合がというのはよしなさいと言うのです。まず管理者の責任というのを明確にしていく。確かに労使間の話し合いをようおさめなかった。事態はどうあれ、客観的にはそうですよ。ようおさめなかったから、一億国民に御迷惑をかけた、実損も与えた。普通の場合あなた、あなたの首飛んでますよ、普通の企業では、本来。そういう性質のものだということをまずきちんと押さえてもらわなかったら困る。大臣だっていつ片づくかわからぬと言っている。そんな国民の前であれだけ迷惑をかけておいて、とにかく努力するだけで、いつ片づくかわかりませんという、そんなじゃらじゃらした答弁ありますか、あなた、はっきりしなさいよ。
  81. 守住有信

    政府委員守住有信君) もちろん労使間というのは、先生おっしゃいますように、労働組合としてはいろいろな要求があるというふうに認識いたしております。ただ、もちろんある意味では、それは労使間というのは妥協の歴史だと、このようにも認識いたしておりますけれども、その要求の内容、性質によりましては、やはりどうしても足して二で割るような妥協のできないような内容、性質の場合もあるわけでございまして、その点について、一方ではどうしても妥協できなかった。しかし、それだけではやはりだめなんで、平和的な中により現実的な道を労使見出していこう、築いていこう、こういう気持ちで今後努力をし、御迷惑をかけることのないような、私ども責任の中で、労使間でまた自主的に解決していきたい、このような立場考えでおるわけでございます。
  82. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それではね、いつ片づくかわからぬという大臣のお話でございますからね、見通しがはっきりせぬというお話ですからね。少なくとも来年の年賀状には、国民に迷惑をかけるというようなことは断じてないという立場で解決を図りますか。その辺ははっきりしておきましょう。
  83. 守住有信

    政府委員守住有信君) 労使のそれぞれの立場主張の問題でございますので、私どもはその中で、より現実的な解決の仕方というものを労働組合の理解も求めながら、また今回のような、年末のような事態を二度と繰り返さないような気持ちで労使間の話し合いに臨んでいきたい、このように考えております。
  84. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 きわめて不明確で、よくわかりにくいんですけれども、しかし、いまの話だけだったら、来年もう一遍起こらぬという保証はわからぬですね。来年もう起こしませんな、少なくとも。その辺だけはっきりしておきましょう。
  85. 守住有信

    政府委員守住有信君) これは労使相対と申しますか、相互関係、相関関係ございますけれども、私ども立場、気持ちとしては、二度と再現しないというふうな物の取り組みと申しますか、それで臨んでいく、こういう考えでございます。
  86. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 労使対々でございますって、妙なこと言いなさんな。郵政当局に担保して国民は年賀状買うんです。労働組合を担保して年賀状を買うている国民はないんですよ。だから、郵政省の責任で、ことしのような不手際は来年は起こしませんと、それまでにどんなに困難であっても解決をいたしますと言うんなら話はわかる。それなら国民もまだ聞きやすいですわ。大臣、どうですか。はっきりしてくださいよ。
  87. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) おっしゃるとおり、今年の年末には、また明年の年始にはこうしたことを繰り返さないように、私ども責任を持って解決したい、こういうふうに考えておるわけであります。
  88. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 大分時間たってしまいましたかち、どうもはっきりせぬのですけれども、私は、やっぱりはっきりしなければならないのは、国民は郵政省——郵政省か管理責任を持っておる、だから郵政省に責任を持ってもらうんだということで郵便は、年賀状でも書留でも扱っているんですよ。だから、その点について全責任は負うんだという立場を明確にしてもらわなかったらこれは話にならぬのですわ、本当は。私はことしの問題についてはもう済んだことで、あんたとこ弁償もせぬのだから、法律で決まったことさえ国民に通知して、少しでも損害の少ないやり方ということさえもやらないという国民に対する怠慢さ、それから管理責任者としての無責任さ、こういうことを露呈しているから二度と繰り返してはならぬということを申し上げているんですよ。これは国民の立場です。わかっていただけるでしょう、それは。  それがはっきりしないんでは、本当は、これからの問題やるのは非常に不安ですよ、国民としては。またやるのと違うか。さっぱり責任持たぬ役所やなあということになっているんですよ。それでもよろしいのやな。郵便については郵政省郵政大臣、全責任を負って国民のサービスに努めますと、これはそうですよ。全責任を負ってということは、どんなに困難があってもこれは解決をして責任を負うという意味ですよ。そういうことです。そういう立場を貫かれるのかどうかということだけ最初に聞きたいんです。
  89. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) おっしゃるとおりの立場で努力していくつもりでございます。
  90. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、私はやっぱり先ほども申し上げたように、郵政当局というのは労務管理、いわゆる労務対策、労務政策ですか、人事管理などというのが省内で一番大きなウエートのある仕事だと思っているんですよ。三十万以上の職員を、国民サービスのために働いてもらうためにどのように気持ちよく、明るく、積極性を出して働いてもらえるかというこの労務政策を打ち立てるかどうかというのは最大の仕事だと思う。  ところが、昨年末来起こった問題というのは、その点での不手際があって、しかも、それを解決をようしなくて起こった。で、そういう解決のできなかった当局の人事行政、あるいは人事管理、労務管理というのは、こういうまずさというのは、職場をいま一体どんなことにしているかということです。私は、年末心配したから、少々あちらこちら事情調査させていただきました。何とかして片をつけてもらいたいと思ったから。調査に基づいて若干どういう事態になっているかということを申し上げて、これは解決に資してもらいたいと思う。  大体、職場の中で職員同士の民主主義が成り立つかどうかという点ですね。職場の団結をうまくやっていけるかどうかというのは、民主的な運営というのが一番大事なんですね。こんなものはイロハのイなんです。その中での人事問題というのはやっぱりまたその中の重要な要諦なんです、実際。何遍も言われておりますけれども、改めてお聞きをしておきたいんですが、郵政省としては昇任昇格、たとえば主任とか、主事とかの昇任昇格については、どういう基準を用いてやっておられるか、ちょっと簡潔に言うてください。
  91. 守住有信

    政府委員守住有信君) 御承知のとおり郵政省、国家公務員でございますので、人事につきましては国家公務員法の成績主義という趣旨に従いまして職員の勤務成績、能力、適性、あるいは経験など、そういう要素を総合的に勘案いたしまして、人事を公正に行うというたてまえといいますか、精神と申しますか、そういうことになっておるわけでございます。したがいまして、職員の昇任や昇格につきましても、職員としての日常職場の中で、勤務管理の中で把握されております職員の勤務ぶり、仕事ぶりなどを十分把握いたしまして、公正かつ適正に選考しなければならない、こういうことになっておりまして、これが基本でございます。  もちろん一方では、御承知の労働組合法の第七条という関係がございますので、不当労働行為にわたってはならないという点を十分に念頭に置かなければならない。したがいまして、あくまでもその人事に当たりましては組合ベースとか、そういうものの見方ではいかぬ……
  92. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そんなことは聞いていない。
  93. 守住有信

    政府委員守住有信君) そうでございますか。職員としての仕事ぶり、勤務ぶりということを基本に置いて、国家公務員法に定める成績主義によってやっていく、こういうことでございます。
  94. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、私、たまたま大阪ですので、大阪の西淀川郵便局というところの事情を独自に調査をしてみました。ちょっとこの職員の一覧表を見て大変不思議だなと思いましたのは、たとえば主事だとか主任というふうな方々が、どの課を見ても、その方々よりも年長者であり、勤続年数の長い方々というのが全部おるんですね。これは私、西淀川で見まして驚いたんですね。  たとえば、庶務会計課いうところで見たら、主任の方が二人おりますけれども、その一人は昭和三十八年三月に採用された方ですね。これはもう大分前になっておるんだろうけれども。それから昭和四十二年十一月二十四日の採用の方が主任なんです。ところが、昭和二十六年六月十八日に採用されているんだから二十七年になりますかね、勤続。で、新大卒なんです、この人は。これはまあ平ですわな。あれと思ったんで、ずっと見ていくと、どの課も皆そうなんです、これは。これは保険課てもそうてすね。主任——まあここはわりあいに古い人が多いらしくてあれなんですけれども、保険課でも昭和二十七年ごろに入った方々が何人かおるけれども、主任が昭和四十一年採用の方がなっているとか、各課別に見たらずっとそういうのが、一覧表見たら気がついたんですね。  それで、なぜそんなことになるんかなということで、いかに能力、適性、勤務成績がどうであったかとはいいながらも、まあ大体、子供のような人が役づきになって職場で働いておるというような状況なんですね。で、いかにも不自然だから、一体どないなっているんかなと思って、どうしてこういうことが起こってくるんかと思って調べてお聞きをしてみたんですが、そうすると、庶務会計で、いま申し上げたように昭和二十六年の方が平で当務者と言うんですか、おられるわけですが、で、その人が職場の中でも客観的にも当然今度は主任にならなければいかぬという状況だと思っているわけですね。  ところが、五十三年の十一月六日に発令をされた大見さんというのが、昭和四十二年採用なんですが、この方がわざわざ集配課から庶務へたらい回しというのか、集配課で仕事の訓練がなされていたのに、わざわざ庶務会計へ連れてきて主任にしておる。それだけかと思ったら、もう一人の主任さんというのが、三十八年採用の方ですが、この方も五十一年六月に主任になっているんですが、このときもその庶務会計課で仕事になれていて主任になったんではなくて、郵便課からやってきた、こういうことになっているんですね。だから、その庶務会計におって能力、適性等があってもしてもらえない。それでこないして残っていくんやと、こうなっているわけです。  そうすると、それだけかと思ったら各課ともそんなぐあいですね。郵便課もそうですね。郵便課も、これは五十二年の六月に主任になった方だそうですけれども、三十七年採用の方なんです。まあそれ以上に古い方々というのが六人ほど同じ職場にはおるんですが、その方はどうしたかというと、その半年ほど前に宝塚からわざわざ西淀川へ転勤されて郵便課に配置された。半年したらその古い、そこで勤務している人たちよりも勤続年数は浅いけれども主任になった。  集配課でもそうなんですね。集配課も同じように四十三年七月に採用された方が五十三年の十一月六日に主任になったんだそうですけれども、この方も郵便課から集配課へ主任になって来たと。それで、三十六年採用ぐらい。だから、まあ七、八年も古い方々が、長い間その職場におっても主任になってない。貯金の職場ではこれも、もう昭和二十二年一月採用だから三十二年なんですね。この人も主任にはなっていない。ずっと平やそうですわ。それから、いまのは貯金課ですが、保険課もそうで、昭和三十年に採用された人がなっていなくて、四十一年採用の人が五十二年の六月に昇格をしていると、こういうことになっているんですね。  こういうふうなことを見ていきますと、職場の団結をしてうまくやれといったって、なかなか無理やろと思うんです。だって、郵便課から庶務会計へ来て主任になったとか、郵便から集配へ回ってきたといったら、大体仕事になれているところで主任になって、他の職員のリーダーとして一緒に仕事をするということでの立場で主任としての役割りを果たすことはできるでしょうけど、なれない職場へぽっと行って、それで、しかも大分先輩がたくさんおる中で仕事をせいと言ったら、なかなかこれは大変ですよね。職場で団結をせいと言ったってなかなか無理だ。  それをたまたま、そういうやり方をしているということで、労働組合がたまたま西淀川も二つありましてね、労働組合別にこれはいや応なしに見んならぬようになってくるわけです。四十一年以降——これは労働組合か分裂して二つになった時期だそうですが、四十一年以降から五十三年の十一月の昇任人事のあったときまでを見ますと、主任が全部で三十一人昇格している。そのうちに全逓の組合員というのは三人ですわ。で、全郵政の方が二十八名。主事はどうかというと、この期間に二十二名の主事が発令をされていますが、その中で全逓が二名で、全郵政が二十名。並べてみたら、こないになる。  こういう結果を見たら職場の中で、人事局長何ぼここでうまいことをおっしゃっても、組合差別だと職員が思わざるを得ぬような結果が出てきておる。これは、やっぱりずいぶん問題があるなあというふうに思いますわ、私も。細かく言えば切りないのですけれども、私はこういうことになってきている、労働者がこの数字を見たら、やっぱり全郵政の組合員は優遇をされて、全逓の組合員というのは差別をされるんやなと思うのは、もう無理からぬことだと思うのは、数字もこうでしょう。さっき申し上げた二十七年勤続していて、新大卒で主任にもしてもらえぬというのは全逓の副支部長さんですわ。それから、二十四年間、昭和三十年から勤務している保険課の方も、これは組合の支部長さんです。だから、そういうのを職場の人が、何千人もおるわけじゃないから、百五、六十人しかおらぬのやから、それ見ていたらやっぱり組合差別だと職員が思わざるを得ぬですよ。  もっと組合員がそう思わざるを得ないという背景があるんですね。これは私がちょうど西淀川におった当時なんで、比較的その当時の事情を知っているんですけれども、ちょうど昭和四十一年十二月の末に西淀川の全逓の労働組合では組合分裂が起こりまして、全郵政の前身は郵労と言っておったんですかね、それが結成された。それまで全逓西淀川支部の執行委員をやっていた池田吉文という二十九歳の人が、その十二月二十一日の全郵政の結成大会で支部長になった。そうしますと、その一カ月後です、四十二年の一月二十一日に二十九歳で勤続十年二カ月の池田さんという人が主任に抜てきされた。ところが、片方全逓の西淀川支部長をやっておった当時の河野寿生という人は、三十一歳で勤続十五年十一カ月、新大卒の方なんですが、その人は抜てきはされなかった、昇格をしなかった。  だから、労働者はそういう姿を見たらどう言うたかというと、私はそのときのことを知っているんですが、当局が組合分裂をさせて、組合分裂の首謀者については抜てき人事功労賞だ、功労賞をやるんだ、職員に対するみせしめをこんなえげつないやり方でやるんだということは当時言われていた。それ以来不明朗な、先ほど申し上げたような人事や非民主的な人事行政——職場の中で納得のいかない労務管理、人事行政がずうっと続けられてきている。ですから、数字として出てきて、三十一の中で二十八対三ということになったら、やっぱり組合差別をしているんじゃないか、組合差別だと職員が思っても無理はない、そういう状況になってきているわけでございます。  さらに、もう一つ聞いておきたいと思いますのは、先ほど昇任昇格の要件として能力、勤務成績、適性、その他とおっしゃったんですが、勤務成績の中に入るんかと思いますが、当局では遅刻の取り扱いというのはどういう取り扱いをしておられますか。
  95. 守住有信

    政府委員守住有信君) 当該局自体はつまびらかにいたしませんけれども、勤務管理というのは日ごろよく国会でも問題になったり、社会的にも問題になったりするところでございますので、正規の勤務時間、それぞれ交代制勤務、その他官執勤務、いろいろおるわけでございますけれども、それを事情を聞いて欠務処理は欠務処理とする。それから事情によりましては、処分の問題でございますけれども、処分の回数当たり、同じ一回やったらすぐとか、そんなことじゃございませんけれども、各郵政バランスをもって考えていかにゃいかぬということで、たとえて言いますと、月に何回以上て何十分以上——まあ頻回と申しますか、そういうのがあれば処分をする、一回やったらすぐする、処分の問題はそういう考え方でやる。しかし、勤務管理は厳格にやらにゃいけませんので、欠務処理はする。処分の場合はいろいろ情状等ございますので、本人だけでなくて、御家族の問題とか、看護の問題とかいろいろあるから、それはいろいろ聞く、こういうことになっております。
  96. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 大阪で私ども現場で聞きますと、大体遅刻三回をすると訓告の処分を受けるのだそうですね、三回で。それで、その訓告が三回あると、三回目に戒告ですか。戒告というたら昇給カットが伴うんだそうですね。こういう厳格に勤務成績の問題として取り扱いをやっていらっしゃるんですね。そういうふうに理解していいんですか。
  97. 守住有信

    政府委員守住有信君) 結構でございます。
  98. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、たとえばこういう問題は、私ちょっと非常にむずかしいなと思うんですが、これは本名を出しますが、伊藤捨夫という人がいるんです。これは西淀川の郵便局の職員だった。この人は採用されましたのは昭和三十三年八月一日、四十四年の七月七日に集配課の主任になった。五十一年の八月の十八日には藤井寺の集配課の主事に昇格をしたわけでございます。この方は、五十一年八月十八日に主事に昇格になったんですが、五十一年の出勤簿の状況を見ますと、五十一年の一月には八回遅刻しておる。同じ年の翌月の二月には九回遅刻しておる。三月には十一回遅刻しておる。翌月四月には五回、五月には四回の遅刻、六月には五回の遅刻、七月には六回の遅刻、八月には十八日の発令までに三回の遅刻、そうして八月の十八日に主事に昇格をしているわけでございます。  こういうこと、だから遅刻というのは、おたくの方は三回で訓告にするとか、厳正にやっておりますと言うんだけれども、こない一月から八月まできっちり、三月なんか十一回というから、二十五日出勤にしたって二日に一遍遅刻やな。これ、遅刻の連続の中で主事に昇格をしていらっしゃるんですが、御存じですか。
  99. 守住有信

    政府委員守住有信君) お尋ねがございましたので、御指摘の職員につきまして調べました。先生お尋ねのように、私の方は月別じゃございませんけれども、五十一年の一月から五十一年の八月まで、あるいはまた五十一年の九月から最近まで、両面にわたって調べましたが、欠勤をいたしております。その中で、私ども、欠勤の中で承認欠勤というものと不承認欠勤というものをやっているわけでございます。賃金カットと申しますか、欠務処理はともにやるわけでございますけれども、交通事故等で、なるほど無理からぬ面もあったという場合が、それなりの理由がある場合が承認で、その事情が正当でない、納得できないという場合は不承認でございますけれども、そういう角度でいろいろ内容を調べてみましたら、当初の段階の方では、子供さんが何か難病かなんかにかかりまして病院に、専門病院でございますかで治療を要するため、自分の車で送り迎えして局へ行く、あるいは局からまた帰るというふうなことがあったようでございまして、治療時間が長引いたというふうなこともあって、その事情を一々聞いてこれは承認欠勤。ところが、別の事由という場合はこれは不承認欠勤、こういうことで対処をいたしておりますようでございます。
  100. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 その人の欠勤というのは承認欠勤だということを職員は、全職員知ってますか。どんなときが承認欠勤させますねん。私、何でこの問題を問題にしたかいうと、いかにも不思議や思うたから局長に聞いたんですわ。何でこの人、こない遅刻多いんですか、そうしたらこう言うんですな。いや、本人が病気で通院をしておりますので再々おくれます、こう言うんです。そんなら診断書出ているんでしょうな言うたら、いや出ておりますとか、出ておりませんとか、はっきりせぬでうやむやになって、そのうちに、いや、子供が病気でと、こういうふうになって、診断書があると初めおっしゃったのが、私がありますかと言うたらだんだんあいまいになって、その次は、子供が病気でと、こういうふうになりましたので、これはおかしいなというふうに率直に感じた。  他意があって私は聞いたわけじゃない、ちょっと不思議に思いましたからね。一月から八月までこない毎月毎月遅刻の連続でね、それでまだ若いのに主事に昇格をするというふうに抜てきをされるから。そうでなくてもずいぶん人事問題というのはおたくの職場では大問題になっているやさきでしょう。だから、不思議だなあと思って聞いたんですよ。はっきりせぬかった、私がお聞きしたときには。こんなこともあるんですな、当局としては。調べて知ったけど、まあこんなの妥当と思いますか。
  101. 守住有信

    政府委員守住有信君) 一般的でございますけれども、冒頭申し上げましたように欠勤については勤務管理を的確にやる、それで事情を聞くと。そして、事情もっともな者、交通事故の渋滞とかいろんな面もあろうかと思いますが、その事情を聞いて判断できるものは、あくまでもノーワーク・ノーペイでございますから欠務処理はすると。そして、その事由によって人事考課上の判断は、その事由も念頭に置いてやると、こういうことでございます。
  102. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 だから、こういう事態もあり得るということですな、いま申し上げたように。遅刻の連続でね、一月から八月まで、発令の直前までずうっと。たまたま十二月のは調べてないのでわからぬけど、いつからこうなっているのか。こういうこともあり得るんですな。人事行政が大問題になっているから私は聞いているんですよ、はっきりしなさいよ。
  103. 守住有信

    政府委員守住有信君) さらに詳細これは調べて判断していかにゃいかぬと、こう思うわけでございますが、一般的には難病等の場合、専門病院の遠方まで行かなきゃならぬというときはあり得ますが、しかし、非常に長期間にわたっておりますし、その事実関係を、本当に最後までずっと専門病院に行っていたのかどうかとか、そういう点も私これを見まして疑問に感ずる、そんなに長くだろうかと、こういう点で疑問にも感じますので的確に対処していきたいと、こう思っておるわけでございます。
  104. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 一般的に職員が家族の疾病などで、あるいは本人の疾病などで通院をするときに、あれですか、一定の遅刻、欠勤等については、当局は無条件に認めておられるんですね。
  105. 守住有信

    政府委員守住有信君) 本人の場合もあるし、家族の場合もあろうと思いますが、基本的には年次休暇で処理してもらう、これが基本でございます。ただ、朝方行って多少のそこは、そんな長時間では問題でございますけれども、多少のあれというのは、事情を聞いてその欠務処理はノーワークでございますけれども事情なるほどという者については、処分上の問題はそう大きな問題としては取り上げないと、こういうことでございます。
  106. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 朝方ちょっとの時間というのは何分くらいですかな。これを見てみますと、二十六分、四十二分、四十一分、二十四分、四十二分、四十六分、三十五分というような遅刻ですが、この人の場合は。このぐらいは大目に見るの。見るというふうになっているの。
  107. 守住有信

    政府委員守住有信君) あくまでも勤務時間が仮に八時半ということになっておりますれば、八時半でそれに対しておくれれば事由のいかんを問わず欠務処理と、これはもう全部いたしておるわけでございます。大目に見るという意味が人事考課上の問題勤務成績の評価という問題につきましては、それなりの事由のある者について、そうそれを最大の問題視はしない、こういうことでございます。
  108. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 なかなか寛大なんですな。ところが、同じ職場で、たとえば雨の日にずぶぬれになって、八時半には出勤していたけれども、ずぶぬれになったから着かえて下へおりるのを六分おくれたということで、六分おくれたと言ってやはり追及されているんですよ。片方では毎日のように二十分、三十分、四十分おくれても昇格をする人が出てくる。片方ではちゃんと定時には入っているんだけれども、天候の都合で着物を着かえたりくつを履きかえたりして五分現場に入ることがおくれた。更衣室でおくれた。そうしたら、やいやい言われているわけでしょう。寛大なら寛大、厳しくやるなら厳しくやる、きちんとやらなきゃいかぬですよ。そういうふうになっていないところに問題がある。おかしいと思いませんか。  それでね、私はいまの郵政省の職場のいろんなお話を聞いていたら、こんな寛大な処理というのは珍しいと思っているんですよ。それで聞いている。この人は何でこんなに寛大に優遇されているのかと言うて聞いたんですよ。職場の人はこなん言いましたわ。この人は四十一年の労働組合を分裂させるときの首謀者の一人や。いま全郵政近畿地本の役員や。これ見たら、組合差別と言えないですかと言うたらいかぬですか、と思うでしょうと、こう言うんですよ。こういうことがまかり通っている。同じあなたの郵政省の職場で働く労働者に同じように規律は規律、仲よくするときには仲よくする。これはきちんとけじめをつけなきゃいかぬですよ。だから、先ほど申し上げた三十一人の昇格者の中で全逓が三人で全郵政が二十八人や。組合差別の連続がこうなったんやと思いますよ、これ見たらね。そこが問題なんです。  それでね、労働者がそう言うのは無理ないなと思いますのは、私は何人かの職員の方に聞いてみましたよ。こんな言うているですよ。これは名前を出したらいいのか悪いのか知りませんが、第二組合に入ると優遇されるぞと直属の職制が言うた。少々遅刻や何かがあっても大目に見てもらえるしな、と平素こう言われている。もう一人の人は、これは全郵政の組合に加盟していたんだけれども、六年前に全逓に入った人ですと言うていましたが、たまたま自分のお姉さんの主人というのも郵政の職場におる人なんですが、そうしたら、そのお姉さんの主人がお姉さんの実家に来て、弟があんなことをして全逓の組合に入ったもので私の顔がつぶれてかっこうつかぬと、上司からやいやい言われているんだと、何とかして戻ってくれと言って圧力をかけにくる、困りますよと言うている。思想、信条、所属団体の自由がないですわ、ここでは。五十二年に入局した若い職員の人が言うてました。全逓に入るなと、得せぬぞと、所属長がしょっちゅう言うと。  そういうことが職場で日常茶飯のように広がっている中でこういう数字が出てきたら、労働者は組合差別だ、不当労働行為だというふうに言わざるを得ないでしょう。個人の良心さえも、あるいは思想、信条、所属団体の自由さえも上司が権力でもって侵すという、圧力をかけるというのはまさに憲法違反じゃないですか。そういうことかまかり通っている。これは一遍よく調べてみなさい。どうですか。
  109. 守住有信

    政府委員守住有信君) 御指摘のこの西淀川の主事でございますか、伊藤、これの関係、それからまたその周辺におきますところの職員の見方と申しますか、そういうのも十分今後参考にしていかなきゃならぬと思いますので、よく調べてみたいと思います。  なお、西淀川のどの部分か知りませんが、公労委の方に不当労働行為として御指摘があった。それはまた公労委の事実関係、法的な判断をお求めになるまで私どもの対応ということになろうと思いますが、先ほど出ました伊藤、それからその周辺、これは調べてみたいと思います。
  110. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 だからね、何というのか、困難や困難やと言いますけれども、ずっと当局はつくってきている。労務管理行政の中で困難さをつくり上げてきているというふうに西淀の例も見られないことはない。  それで、こういう実例というのはいっぱいありますわ。時間大分たってきたんで全部細かく言えませんが、大阪の福島郵便局でもそうです。だから、数字から言うたら、福島郵便局の場合には、集配課では主任が十三人おるんだけれども、全逓に入っている人はゼロですな。それから全郵政の人は七人、未加入の人が六人、郵便課も似たり寄ったり。それから、大阪の中央郵便局、ここもそうですね。最終的に数字をまとめてみますと、ここでは労働組合の組織状況というのは、中央郵便局の特殊部いうところを取り上げてみますと、全逓の組合加盟者は百九十八名、全郵政百八十五名、未加盟九名です。過去五回の主任発令の実績を見ますと、だから組合員の数というのはほぼ一緒でしょう。ところが、全逓は二人です。全郵政は二十九名なんです。そんなら全逓の組合加盟の人に該当者がないのか言うたら、それこそ二十五年、二十六年、二十八年ざらにおる。これはもう細かく言いませんが。  まあ大体それで女子を差別していますなあ、郵政省。これはけしからぬなと思うんですがね。三十四年十カ月という婦人の武野照子さんという人、この人も全逓の組合員のおかげだろうと思います。全逓の組合だけじゃなしに女性差別かもわからぬなあ。これも平ですわ。それで片方では二十九名昇格していて、全逓は二人ですわ。これはだれが見てもおかしいですよ。私なんか組合のことようわかりませんけどね、中身が。そんなあなた、そんなに適格者がないというふうなこと考えられないです、同じほどの組合員がおって。全逓の方が多いんだよ、組合員は。それでこんなこと。女子についてはどうなんですか、おたくは。女子の職員。
  111. 守住有信

    政府委員守住有信君) 私どもの職場で女子職員、交代制勤務の職場というのはなかなか女子の問題、交代制ということで深夜勤務ができないということで男子を主力ということでございますが、貯金、保険とか庶務、会計とか特定局、これになりますと女子は多数おられるわけでございます。その中で、これは女子だからどうということでなくて、しかしその中でも女性らしい仕事といいますか、そういう担務につける、そういう考え方でやっておるわけでございます。したがいまして、やはりそれも仕事ぶりだとか、たとえて申しますと時間外協定があってもなかなか時間外の仕事に協力していただけぬだとか、あるいは平素の仕事ぶり、能力とか、いろいろ庶務、会計等になってまいりますと、複雑な仕事と申しますか、そういうものも出てまいりますわけでございますが、しかし、貯金とか保険とか、そういう分野におきましては女性の方、能力を発揮される方相当数おられるわけでございます。
  112. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いや、三十四年勤務していても主任にもなっていませんぜ、いまの大阪中郵の実例は。   〔委員長退席、理事案納勝君着席〕  もう一つ大阪中郵の外国部を見ますと、これもおかしいんだな。ここは全逓が百七名で組合員数の比率で言うたら全郵政六十六名。昇格の差別というのはよけいありますからね、十七年以上の勤続者の数がどないなったかいうたら、全郵政の中では四名しか残っていないんです。全逓の組合に入っている人の中では二十八名残っている。そんなことが起こってくる。それは職場の中で不満があるのはあたりまえですよ。  それから、ひどいなあと思うのは、あなたのところはどうなんですかな、定時採用以外に臨時採用というのがたくさんあるんですね。時間の都合があるから私ちょっと言いますがね、ここ四、五年見てみたら定期採用よりも臨時採用の方が五十三年度なんか多なっているんですね。大阪の中郵では定期採用が三十二名で、それから臨時採用——不定期な時期の採用ですね、それが四十五人になっているんです、中途採用者ですかな。ところが、この中途採用者に対して、去年の十月三十日で採用されたYさんという人が、訓練期間中に十一月十日の四時ごろに組合加入工作をされて、全郵政の幹部で職制の方だそうですがね、それで組合加入工作をして、署名、捺印をさせているんですね。その後、職場に配属をされてきて、そのことがわかった。訓練期間中にそんなことをやることはいいんですか、認めているんですか。どうですか。
  113. 守住有信

    政府委員守住有信君) 私ども勤務時間中は仕事優先で職務に専念するようにということでございまして、勤務時間中の組合活動ということにつきましては常々職場の中でも注意をしておる、こういうことでございます。したがって、訓練期間中であろうとなかろうと、勤務時間中は組合活動は職場の中でやってはいけない。しかし、時間外はそれぞれ労働組合の活動の自由があるわけでございますので、それは労使間でトラブルの起こらない限りはそれぞれの自由にゆだねておる、こういうことでございます。
  114. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 だから、これは訓練期間中というのを特に私が言うたのは、だって採用されたばっかりだからね、十月三十日に採用されて、十一月十日やからね、職場になれるも何もないですわね。その訓練期間中の勤務時間内ですからね。そういうことを公然とやっていて、これはたまたま労働組合が追及したら、外国部長は今後は、私の在職中にはこんなことが起こらぬように十分指導したいって言うたそうですからね。   〔理事案納勝君退席、委員長着席〕 やっぱり悪いということがわかったんでしょう。でね、事はそういうことだけじゃない。そういうことが横行しているということと、中途採用者の名簿というのが全然わからぬというんですね。自分の職場へ来て初めてわかると。普通は、新規採用者というのは歓迎して入れるのにね、これは労働組合にもわからぬそうですね。そういうことになっておる。そういう人事管理、何でもないことも何となく不明朗なやり方をおやりになるんですからね、これは職場が暗くなってあたりまえなんだ。こういうことがあるということを知っときなさい。  それから、たくさんあるんであれだけれども、東京の国際局、これもきついですね。東京の国際局というのは、組合員は全逓が百二十で、全郵政が百四十、未加盟が七十ぐらいですからね。それで、やっぱり主任だけの例をとりましても、全逓はこの五年間で四人ですわ、全郵政は二十六人。組合員の差はほとんどないですね、そんなふうになっておる。だからもう、年配者、長年勤続者いっぱいいるんですね。これ、もう細かくは言いませんが。  それから、京橋の郵便局、ここも同じですね。ここでは全逓が二百二十八人、全郵政が二百八十人。ところが、四十五年以降の主任人事の発令を見ると、全部で五十二人ですね。そのうち全逓が五人、郵政その他で四十七人。そういう、やっぱり同じことが全国どこでもやられている、西淀だけと違う。それでね、たとえばこういうことが平気でやられてるんですな、私はもう驚いたんですがね。政府機関の職場ですからね。民間で前近代的なことをやっているというんなら、そういうこともあるかもわからぬなと思いますよ。政府機関の職場でね。  これは京橋の例ですが、深瀬という保険課長が、去年の七月十八日の九時ごろに、西川さんという人に対して、この西川さんという人が全郵政におったんだけれども、組合をやめたそうですね。その西川さんをつかまえて課長が、君、組織を抜けたみたいだがどうしてかね。西川さんという人は、全郵政の運動が間違っていると自分は思うので脱退したんですと言うたら、課長が、君も知っているとおり、今度岡林君が主任になったが、その次は君の番なのに残念やと。さらに、今度局長はかわったけれども、今度の局長は組織問題については厳しい人なんで、寝返りを打った人には特に厳しいから、あんたも行動を考えた方がいいんじゃないか、てなことを日常茶飯に、実に平気な組合干渉ですね。こういうことが平気でやられている。  で、まあ東京、大阪だけかと思ったら、仙台を見ても同じですね。仙台の鉄郵局の山形分局、これも同じようなことです。仙台の山形分局なんてのはひどいですよ。山形分局は、全逓が三十五名、全郵政が七十ですが、主任は、全郵政の方は十三名、退職をした人を含めて十五名、全逓は三名。主事に至りましては、全郵政が二十名、全逓はゼロです。だから、どこも同じことをやってる。それから仙台の鉄道郵便局、これもきついですねえ。まあ、私はあっちこっちを資料調べてみて驚いたのは、どこも似たようなことが起こってる。  で、ちょっと角度を変えますが、役職員の中に欠員になったままのが全国でどのくらいありますか。
  115. 守住有信

    政府委員守住有信君) 絶対的な数字は把握しておりませんが、担当者のあれでは大体三%ぐらいに、主任なら主任全体の三%ぐらいになるんではないか……。
  116. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 三%ぐらいいうたら何人ぐらい。
  117. 守住有信

    政府委員守住有信君) 主任の方全体で全国で約六万ぐらいでございますので、まあ二千ぐらいに当たろうかと思います。
  118. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 でねえ、欠員のままで補充をしていないというのが二千ほどあるということのようなんですけれども、これはたまたま宮城県の実情を調べてみた。そうしますと、主任とか主事のうちの欠員が九十四名、郵便局の数で六十というのが出てるんですがね。ただ、これは何でこない欠員があるんですか。私ね、半年とか二カ月とかいうふうな欠員かと思ったら、そうでもないらしいですね。ずいぶん長い欠員もあるらしいですね。長い欠員というのはどのくらい長いんですか。
  119. 守住有信

    政府委員守住有信君) いろんな労働組合からの問題の指摘の中にもそれが入っておりまして、非常に極端に長いものがある。私どもとしても長く欠員をあけておくというのは非常に問題だと思っておりまして、ただまあ、局によりましては、大きな局になりますと各課のバランスというふうな問題もあって、年に一回とか二回とかまとめてやるところもあるようでございますが、そうでないようなところで長くそれをなかなか決断しかねて放置しておるというふうな——放置と言うとあれでございますが、そのままにしておるというところがあるようでございますので、これは指導を強化していきたいと考えております。
  120. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 あのねえ、欠員不補充で——まあ役職員でしょう。が、職場の運営上必要な役職ですね。それがねえ、これは、一番長いのは、これたまたま見たけれども、色麻郵便局、宮城県。ここは二十年以上ですね、昭和三十一年四月一日から欠員が発生しておる。いまだ欠員のままですわ、主任ですよ。それから、十年ぐらいのところはざらですね。中新田郵便局、昭和四十四年四月から。主事です、これは。四十七年三月から欠員のもそのまま欠になっておる。四十八年十一月五日に欠員になったのもそのままになっておる。それで職場の中の職制ですね、主任とか主事。これは業務上、あるいは職員を団結させ、意見を統一して仕事をさせていくために必要な職制として置いているんでしょう。こんな長いことほっといて職場の運営支障を来さぬのですか。要らぬのですか、やめるんですか、これは、職制は。
  121. 守住有信

    政府委員守住有信君) 極端に長いのは御指摘のとおり問題である。職制はあくまでも職場の仕事の、特に主任等は指導者でございます。ただ、問題は非常に過疎の方なんかになりまして、通勤事情その他からいろいろ判断を要するというようなことで、しかも特定局の方になりますと、これは郵政局のあれを必要としますので、その辺の情報交換なり判断、決断がするずるずるずると暇がかかっておるという点に気がついたわけでございまして、そういう判断を急がせるようにしたいと、こう思っております。
  122. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そりゃ、一年や半年なら何とか言い抜けもできまっせ。十年、二十年ほってるったら、適任者がないんですかといって、適任者がないことないですがな、見たらおりますで。適任者がいないんだったら、あんた、西淀みたいに宝塚から引っ張ってきたり、よその課から引っ張ってきたりしてでも主任にちゃんとしとるんや、片方では。片方では十年も二十年も主事やら主任やらいうてちゃんとつけた職制を欠員のままでほってるんです。これは一体どういうことなんですか。大臣知ってますか、こんなこと。ええかげんにもほどがありますよ、あんたとこの管理行政は。労務管理は。人事行政なっちゃいないじゃないか。こんなことで普通の会社はまかり通りませんよ。政府機関がこんなことでまかり通っていたというのはもう大問題。しかも、国民に迷惑をかけてるんです。はっきりしなさい、怠慢じゃないか。
  123. 守住有信

    政府委員守住有信君) 職制の欠の問題につきましては御指摘のとおりでございますので……。ただ、全国二万とある職場でございまして、特に御指摘の長いのは、北海道あたりの非常に交通不便の地域ではなかったか。しかし、その場合にしても、総合判断の中で早急に措置していくべきものと、このように考えておりまして、指導を強化してまいりたいと思う次第でございます。
  124. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 あんたね、全国二万あったかて、あんたが一々歩いて調べないかぬような組織にはなっていないんです。そうでしょうが。必要なことは通達一片で全部すぐに調査できるんだ。なぜやらぬのだ。管理の怠慢じゃないですか、そんなこと。何言ってるんですか。だから、郵便物について全責任を負うのか負わないのかと冒頭聞いたんだよ。こんなことを平気でやらかしておいて、それで郵便物について国民に迷惑かけて、労働組合が、労働組合がなどというようなことを言うて通ると思いますか、あんた。何と思うておる。そうでしょうがな。直ちに調査をして、必要な職制の配置についてきちんとやりなさい。どうですか。
  125. 守住有信

    政府委員守住有信君) ある程度の期間は要すると思われますが、先生指摘のように非常に長期だとか、そういう問題は論外でございますから、早速指示いたしまして、早急に措置させるということをいたします。
  126. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 時間が迫ってきましたから、ちょっと……。それで職場の中でだれが見ても組合差別だというふうに思うようなやり方をずっとやっている。きわめて非民主的で非人間的なやり方をしておる。だから、むちゃくちゃないろんなことが起こってきておる。  たとえば、私はこれはひどいなと思った。これは杉並の南局に起こったことですが、ここではおたくの職員の方、これは高橋勇さんという方ですわ。この方は、五十二年九月に東京逓信病院で病気のために、潰瘍性大腸炎で回腸に人工肛門をつくった、そういう大手術をした方です。この方が東京逓信病院の大野先生という方から診断書をこういうふうに受けておる。「五十二年九月一日より、官執勤務八〇%勤務が可能であることを認める」。官執勤務というのはどういう勤務かあれなんですがね、「官執勤務八〇%の勤務が可能であることを認める」。それで皆さん素人だからちょっと教えておきますがね、人工肛門をつくったような手術患者というのは障害者なんですよ。障害年金の三級受給者なんです。  この人がいま郵便課の勤務で早出、日勤、中勤、夜勤というふうな勤務をしたり、立って行う仕事が多かったり、袋を持つというふうな重い物を持ったりするので、その勤務はこれは主治医の診断書でもぐあいが悪いし、自分も大変つらいと。しかも、左足の静脈血栓症を起こして長い時間立っての仕事はやれないんだ、だから職場を変えていただきたい、官執勤務をお願いしたいと言うた。五十二年十月二十五日に頼んでるんですよ。その後、健康な人は何人か官執勤務に変わっているんです、自分の職場の中からも。ところが、この人はいまだに変えてもらえない。こういうあたりまえのことさえも職場でやられない。何でやられへんや言うたら、これは全逓やから動かせへんというわけですよ。だって、元気な人が他の職場へ、官執勤務に全郵政の人は変わっているというのに。  これは、こういう非人間的な扱いまで起こっているという実例ですが、こんなものは直ちに調べて対処しなさい。そうですよ。こういうことが起こっているんです。それでいま、しようがないから職場の中でこの人どないしてもろうているかというたら、職場の人たちに協力してもらって、何勤というのか知りませんけれども、十一時二十分から夜の七時五分までの勤務を毎日やらしていただいている。それはそうですわ。こんな人工肛門つくって、袋はりつけて仕事するんですからね。それは早出、日勤、中勤、夜勤というて、それはとてもやないけど、他の人たちと一緒に仕事をするのもやっぱり相当苦痛なんですね。そういう人さえもちゃんとやらない。そうなんですよ。おかしいと思いませんか。すぐ調査して対処しなさい。
  127. 守住有信

    政府委員守住有信君) お尋ねでございましたので、早速一応の調査でございますけれども調査をいたしましたところ、御指摘の病気で手術を受け、九月初めに復職をして、復職に当たりましては診断書に一カ月間官執八〇%勤務可能ということでございましたので、さらに同局の庶務課長が主治医に、病状、作業内容などを照会しましたところ、立ち作業は半分ぐらいにした方がいいと、こういうことでございました。  そこで、郵便課長と相談しまして、立ち作業のない書留の——あれはほとんど座ってやる仕事でございますが、書留の処理作業に二割軽減ということで勤務時間を二割軽減して八〇%勤務させることにいたしましたが、一カ月後普通勤務を認めるとの診断書が提出されましたので、引き続き座ってやれる作業が多い書留の作業をやっていただいておる。そして、なお御本人は毎月一回東京逓信病院で検診を受けておるというふうに聞いておるわけでございますが、さらに先生の御指摘でもございますので、なおその状況をよく把握して指導したいと思います。
  128. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 これはもう私、時間かけてごちゃごちゃ言おうと思いませんけど、手術をして障害年金三級受給者なんですよ。もろうているか、もろうてないか知りませんで。しかし、もらえる資格のある人ですよ。そういう人に対してさえも、職場のそういう体の条件を考慮してやらないというようなやり方というのは、もうきわめて非人間的ですよ、こんなのはね。しかも、主治医の診断書には「五十二年九月一日より、官執勤務八〇%勤務が可能であることを認める」と書いてあるんですよ。いまの勤務は官執勤務と言うんですか。私、幾ら知らぬでも言わぬと思う。診断書にわざわざ医師が診断を書いてあるんやから、そのとおりやってあげたらどうですか。そういうことさえもやってない。調査をしてやらしなさい。いいですな。
  129. 守住有信

    政府委員守住有信君) いろいろ配慮させていきたいと思います、そういう御病気の方でございますから。
  130. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 ちょっと時間が足らぬようになってきたんで、サービスしよう思ったけど足らぬようになりましたから。  それで、あと私は、これは東京国際局の意見広告にも出ていた文ですが、やっぱりこれ労働組合に対する干渉がやられているんですね、これも読んで驚いたんだけれども。脱退届です。   このたび私は、一身上の都合により全逓を脱退させていただきます。   実父が七月に失明してしまい、これからの生活に困難を極めています。母からの涙ながらの話によると「仙台郵政局の実力者が息子が全逓を脱退したら何とか田舎の局へ転勤させましょう」との事で、実直な母はすっかりその気になってしまい「どうか脱退して私を安心させてくれ」と泣いて訴えてきます。昔気質な母にここで労働運動の正しさを話しても父の失明で気も動転している現在、両親の言う通りにすることが、今私のしてやれる唯一の孝行なのです。 という手紙ですね。この人はそう言うて全逓をやめたそうです。まだ配転になってないそうですけどね。やめたら何とかしてやる。こんな明らかに労働組合干渉でしょう、こんなこと。まあ、みんなそういうことばっかり言うているんですから。  後でまとめて聞きますがね。中野の北局では宿舎がえを利用して組合脱退、全郵政加盟。これは笹川さんという人ですが、現在一DKで子供二人持っているんですね。で、五十二年の四月に文書によって宿舎がえをお願いした。十一月に二番目の子供が産まれるので何とかお願いをしたいと言うたら、野村という保険課長は、全逓は入居差別で騒いでいるが、私は必ず収容がえをかなえてやると。それでさらにまた頼んだら、全逓に入らないでほしい、直属の主任は、全郵政は宿舎で困っている人は一人もない、全郵政に入れば直ちに収容がえを希望どおりにしてやる。この人は組合に入ってなかったんですね。職制がそんなことを言うているんですよ、本田主任というのが。この人は余りのことに、十二月一日に全逓に加入したためにいまだに未解決だ。こういう非民主的なことがいっぱいある。  こういう宿舎の問題とか、あるいは問題になっている帰郷配転ですね、そういう問題なんかは職場の人たちが一番よく状況はわかっているんだから、職場で民主的にルールをつくって、だれが見ても無理のないやり方をすりゃいいんですよ、こんなもの。一々労働組合抜けよとか入れとか、全逓におったらあかんとか、そんなあほなことを言うたら職場は団結しませんで、実際。団結せぬからもうやたらに暴力事件も起こってますがな。立川局では暴力事件も起こってます、これはもう時間がありませんから言いませんけれども。こういうことを本当に解決をするかどうかというところが問題だと思うんです。これ解決しようと思ったら本当に公正な人事行政、それから職場の中の民主主義というのを確立しなかったらだめです。これは当局がまいた種でこうなったんですよ。  その点について申し上げておきたいんですが、大阪の貯金局の例でこれはいろいろ問題があるんですけれども、もう時間がありませんから問題点のところを言いますがね、たまたま元全郵政の大阪貯金局支部の支部長をやっておられた西川奈良男さんという方が手記をよこされた。この手記を見て驚いた。あなたのところの、いままで郵政の職場の中で労働者に対して組合差別をし、不当労働行為をやってきた手口というのが全部明らかになっている。そうなんですよ。ちょっと読みましょうか。これは大阪貯金局ですから、「貯金局の職場は、年々楽しくない職場になってきました。その原因は二つあります。一つは、省のしめつけと差別が強まっていること。二つは、労働組合が分裂していることです。」ということを書いてある。「私たちは、ここに一つの手記を紹介し、私たちの苦しみがどこから起ったのか参考にして戴きたいと思います。」という手記がここにあるんです。  この手記によりますと、大分たくさんあるんで代表的なところを読みますが、一九六三年五月——これは二月に新組合ができたんですね。それで五月に「山野次長、藤田管理係長、芦田管理係次席と旧郵政労大阪貯金支部三役としばしば時間外に上六「幸八」において会合し、全逓支部の切り崩しと郵政労の拡大について協議する。」。それから——毎日、日記なんですよね、それて一九六五年一月七日、「豊川管理課長、川崎課長と郵政労組三役、鶴橋「両国」で会合。以上の会合、宴会では、すべて郵政労組の拡大強化策であります。一、係長は全員郵政労組に加入するようにする。二、非現課員はできるだけ郵政労組に加入するようにする。三、信賞必罰、表彰昇進は郵政労組員でなければならないということを確認する。」一九六六年一月十二日、高・緑次長、管理課長と組合の幹部が「新世界「いづもや」において会合。現在、当局においては全逓組合員が、或る係・課に集まっていて、それが強い勢力になっている。」それで異動をするために「私たち四名が具体的にその配置すべき者の名簿を提出する。」。一九六七年三月五日、「多田管理課長、蔵本管理係長、芦田管理係次席、木村茂雄全郵政書記長ら四人、学園前の小生宅で麻雀をするという形式で集合し、全郵政の組織拡大のための話しあいをする。」。こういうのが全部ここに書いてある。それで支部長は、一九六七年八月十六日、「これらの功績により大谷登、課長代理となる。」。日記なんです。  これね、お聞きになったとおりですが、労働省おいでになっていますか。ちょっといま私、これ、いままで一連のことを申しておりますが、その一つ一つじゃなしに、こういうふうに管理課長とか係長とかが労働組合の幹部と相談をして、だれを労働組合に入れろとか、あるいはその役職についての相談までするとか、そういうことは労働組合法に抵触しませんか。
  131. 岡部晃三

    説明員(岡部晃三君) 先生御高承のとおり、労働組合法第七条によりまして、労働者が特定の労働組合の組合員であることあるいはこの労働組合に加入していること等のことで不利益な取り扱いをいたしましたり、あるいはまた、労働組合の運営に支配介入を及ぼすというふうなことは、これは不当労働行為として禁止されているところでございます。一般的に申しますというと、ある特定の組合に対しまして加入を慫慂し、そのために他の組合に対し支配介入というふうな事実が生じますとすれば、これは労働組合法上の不当労働行為に当たることは明らかでございます。  しかしながら、そのような事実がこれらの労働組合法の条項に該当するかどうかということにつきましては、具体的なことはこれはたとえば公労委、あるいは裁判所というふうな権限ある機関が判断すべきことでございますので、個別的な問題につきましての具体的な判断ということはひとつ見解を述べることは差し控えさしていただきたいと考える次第でございます。
  132. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 時間がありますから、もうそれ以上聞きませんけども、大臣、この一連のずっと見てきて私が申し上げてきた事例というのは、ある特定の局に起こってるんじゃなしに、全国どこでも起こっとる。しかも、十六年も七年も前から、当局の管理課長とか局次長もあるんやな、これ。管理課長とか管理係長とか、そういう職制が労働組合に、あの人間を入れようとか、この人間をどう拡大しようとか、労働組合の幹部と飯屋へ行って、あるいは料亭へ行って相談をするというのは、こんな醜いことまでして職場の中の民主主義をぶち壊してきた。労働者の良心をねじ曲げてきた。  こんな非近代的な、前近代的なやり方をこの十数年来郵政の職場でやってきたというつけが年末に来たんじゃないですか。その点をほんとに改めるかどうかという点をはっきりしないと、この問題は来年の年賀状もどうなるかわからぬということになるんです。だから、その点がはっきりしなきゃいかぬと思う。こういう憲法違反の疑い、労働組合法違反の疑い、労基法違反の疑い、そういうことが政府機関の職場で横行するようなことをあえてなぜやってきたか。これは直ちに、法違反の疑いのある行動は一切直ちにやめさせなければならないと思うのです。大臣どうですか、その点をはっきりしてください。
  133. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) ただいま沓脱委員から提起されました具体的な事例につきましては、いろいろと労使の見解の対立によるものとか、そうした事例から起きた背景などもあわせ考えるべき事例だと考えますが、私どもといたしましては、仰せのとおり事実をよく調査し、適切に対処するという考えで今後対処していきたいと考えております。
  134. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 少なくとも政府機関の職場で、憲法違反の疑いや法違反の疑い、そういう事例を横行させてはならない、そういうことは一切やめますと言えませんか。どうです。あたりまえのことでしょう。
  135. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 当然私ども不当労働行為はあってはならないと考えておりますし、また、なかったものと私ども信じておりますが、いま提起された問題については、先ほど申し上げましたとおり十分調査して対処していきたいと考えております。
  136. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 あんたね、政府機関の職場で、いやしくも法違反の疑いのあるようなことが横行するというようなことは、なくするのは当然のことです。そうなんです。あっちゃならぬ。そうでしょう。そんなもう初歩的な原則さえも踏みにじられて、これだけ法違反の疑いが横行している。こんなことをやってきたのは何でなんだ。私はその辺はやっぱり原因があると思う。その点では、労働者との関係もありますが、国民サービスと密接な関係があるので最後に申し上げておきたいと思いますが、調べてみたら昭和三十年から今日までの郵便物のふえ方というのは二・八倍、働く人たちのふえ方というのは一・七八倍。物のふえ方二・八倍、人間は一・七倍、特に外勤の人は一・六倍にしかふえてない。ですから、当然公務災害とか労働災害が非常にふえてんですよ。  これ、もう時間ありませんからきょうは言いませんけれども、また別の機会にやりたいと思いますが、つまり非常にたくさんの郵便物をできるだけ人を節約して合理化をしてやるというためにずいぶん無理をしてきたんだろうということかわかる。で、時代の趨勢で、合理化、機能化をするという場合に、職場の中で労働者の良心を踏みにじり、自由と民主主義を踏みにじり、憲法や法律違反までしでかしてやるというふうなやり方というのは、これは労働者に対する冒涜であると同時に、それは国民に対するサービス低下になることは明らかです。  その点では、私は冒頭に申し上げたように、郵便物に対して全責任を郵政大臣、郵政省が負いますという立場をおとりになるなら、国民のサービス低下を来さないためにも当然いま問題に指摘いたしましたように、十数年来、みずから種をまいてきて起こってきておる今日の状態、これを根源から刈り取るという立場にお立ちにならない限り、これは私たち国民の立場としても認めるわけにはいかないと思うのです。この間の国民に対する大迷惑、了解するわけにはいかぬ。その点について最後に御見解をお聞きをしておきたいと思います。
  137. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 先ほども申し上げましたように、いま御指摘の問題については十分今後調査をして対処していきたいと考えておりますので、御了承をお願いします。
  138. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 質問者、よろしゅうございますか。
  139. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それじゃ最後に一言。  私はもう時間ですから終わりますけれども、時間を節約しよう思ってたら、大分オーバーしてきたんですけれども、ちょうど時間いっぱいなんですが、細かい点について私ども指摘をいたしました点、一ぺん御調査をいただきたい、御調査を。それで、あなたの方の御調査の結果も一遍報告をいただきたい、その点ひとつお願いをいたします。郵政省の国民に対するサービスが本当に前進し、守られるために何としても片をつけなければならないという立場で私どもも望んでおりますので、ぜひ御調査をし、その結果について私どもにもお聞かせを賜りたい、そのことを特にお願いを申し上げて終わりたいと思います。
  140. 木島則夫

    ○木島則夫君 年末年始の業務繁忙時期に行われましたマル生反対闘争のために、国民の郵便のおくれはもちろんでありますけれど、年賀状の大幅なおくれなど国民生活に多大な迷惑を与え、その後遺症はいまだに続いております。その損失の一つ一つをここで挙げたら枚挙にいとまがございません。生命、財産を含めた国民の権利が、この闘争によって大きく侵害をされた、まことに遺憾なことでございます。この問題を取り上げるに際しまして、私どもがマル生反対闘争をどういうふうにとらえているか、簡単な立場を申し上げながら御質疑をした方がよろしかろうという意味で、私は立場をまず申し上げておきたいと思います。  全逓が進めてまいりましたマル生反対闘争というものは、これはもう労務変更政策と呼ばれておりますけれど、その目標というものは、郵政省の全逓敵視、全郵政擁護の人事労務訓練政策を改めさせる闘いと、こういうことのようでありますけれど、これは余りにも一方的で客観性に乏しい、私はこう考える。確かに第三者から郵政の労使関係というものを見てみると、ゆがんだ関係にあることは、これはもう否定できないわけでございます。それは、一つはストをめぐる労使の対立、事業の運行をめぐる労使の対立から派生をしている問題と受けとめてよろしいと思います。  第一の問題、ストをめぐる労使の対立について、つまりスト権の問題でありますけれど、このスト権というものは働く者の固有の権利であって、回復をされるべきものであるという主張には立っておりますけれど、スト権か回復されない現段階でのストは違法であるという立場から、全逓の行っております違法ストを批判をし、郵政省が全逓の組合員に対し違法ストに参加しないようにという説得を私どもは支持をしてまいりました。  また、業務の運行につきましては、郵政省は、郵政事業の公共性を維持しながら独立採算を確保するという立場から、郵政三事業の機械化、合理化など、効率化施策を推進する一方で、職員に対しましても目標管理などの諸方策を講じてまいりました。私どもは、郵政事業の健全な発展は郵政に働く方々の幸福追求の基盤になるという考え方から、郵政省の施策に前向きの姿勢を示し、将来の経営参加を展望しながらいろいろな提言を行ってきた全郵政の行き方にも賛意を示してまいりました。こういう立場で今回のマル生反対闘争なるものを見ましたときに、先ほど申し上げた客観性を欠いたものであると言わざるを得ないわけでございます。  今回の闘争に際して対応をされた郵政省が、従来と大きく異なった点を挙げるならば、私は従来から聖域視してまいりました年賀状の元日配達ないしはそれに準ずる反対を犠牲にしても——これは結果であったと思いますから、私の表現はむしろ主観的なものであります。元日配達をおくらせても、その基本にかかわる労務、人事政策に主張を通してきたことは、結果的には郵政の職場の実態を白日のもとに、天下にさらしたということになったわけであります。そして、このことは、アルバイトの学生さん、あるいは地域の婦人団体が参加をし、協力をしたその人たちの目を通じ、さらにそれが輪となって国民の批判を招いた、これは当然のことであると思うし、マスコミもかつてない論調を展開をしてこの闘争に厳しい態度で臨んだわけでございます。で、全郵政の諸君も体を張って国民の郵便を守ってまいりました。  そこで私の結論と、この項目についてのただ一点の質問に入ります。私は細かいことについては、時間の関係からも、また細かいことについて一つ一つ双方から挙げ、これを論議をしてまいりますと切りがない。私は単純な考え方かもしれないけれど、その場合に大事なことは常識である。常識というものは何かというと、郵政の職場に働く方々が国民に対するサービスを全うしたか。もちろん労働者としての権利がそこに守られての話であります。これは当然のことであります。  そこで、大臣にずばり伺いたい。私は現在の法律のもとでまじめに働いた者と、そうでない者とのけじめというものはやはりきちっとつけていただきたいということであります。この一点に尽きると思います。不法行為者に対するけじめというものは速やかに行っていただきたい。一月四日、以降当局と全逓との間に休戦協定なるものが行われたわけでございますけれど、名目と実態とはおよそ違ったもののように承っております。ですから、私はけじめをなさる際、実態に即したものであること、そして、こういう不法行為を見て見ぬ振りをされた一部管理者の責務というものも、これはきちっとおとりをいただきたい。そして、これらは速やかにおやりになること、これが私の集約した質問点でございます。ずばりお答えをいただきたい。
  141. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) ただいま木島委員から御要望のありました点は、私もそのとおりに考えていま進もうといたしているところであります。
  142. 木島則夫

    ○木島則夫君 そのとおりということは、もう一度確認をさしていただきますと、速やかにおやりになる、できれば私はいつまでにおやりになるかということ、休戦協定後もその実態に即すること、一部不心得な管理者に対する責務もきちっととっていただくこと、もう一度ひとつこの点についてお願いをいたします。
  143. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 十分これは調査をいたしまして、私ども早急に仰せのとおり処理していきたいと考えております。期日をいつにするかということは御勘弁願いたいと思います。
  144. 木島則夫

    ○木島則夫君 私が申し上げている趣旨は、ぜひひとつ御実行いただきたいと思います。  郵便事業の宿命といたしまして、年末年始の業務量は平常に比べて倍増をいたします。忙しい中、懸命に仕事に取り組んだ方々に心からの御慰労を申し上げたいと思う。さて、その業務繁忙手当の問題でございますけれど、これは年末年始の繁忙を消化した者に対して行われるのがこの繁忙手当の本来の趣旨であるように伺っております。にもかかわらず、繁忙に懸命に取り組んだ者に対しても支給されない、また取り組まなかった者にも支給をされるという事態が発生をしたわけであります。国民感情からもまことに釈然としない、矛盾きわまりないもの、こういうふうに受けとめるのがこれは常識的な受けとめ方だろうと思います。郵政省にお答えをいただきたい。ひとつフランクにお答えをいただきたい。なるほどこれは矛盾であると素直にお認めになりますか。
  145. 守住有信

    政府委員守住有信君) 先生承知のとおり、昭和三十二年以来からの労使間の協約に基づきまして、年末の繁忙期、時間外労働協定を前提といたしまして、それぞれ繁忙手当を支給するという歴史があるわけでございますが、お尋ねの今回の場合、まず第一は、年始に至るまで三六協定が大部分ほとんど結ばれなかったという事実、それからさらにはいろんな怠業行為というものが行われまして、いわゆる時間外でなくて、正規の勤務時間中もそういう怠業があらわれる。その中で御指摘のとおりの二点につきまして、新聞、その他世論からも、あるいは世間常識から見てもおかしいではないか、御指摘いただいておるところでございます。私どもといたしましても、確かに大きな大枠としては長い歴史がございますけれども、部分で見た場合は、確かに国民の皆様御納得のいかないような点がある、こういうふうに感じております。
  146. 木島則夫

    ○木島則夫君 国民の皆様から見ても納得のいかない点があるということは、矛盾であるというふうにそこに言葉をかえてもよろしゅうございましょうか。
  147. 守住有信

    政府委員守住有信君) 大きな枠としては、やはり時間外労働協定を前提といたすわけでございますが、今回の年末のような事態を念頭に置きますと、そこに部分的に矛盾がある、このように感じております。
  148. 木島則夫

    ○木島則夫君 この矛盾の起因するところは、いま局長からもお述べになりましたように、時間外協定を前提にしているところに主な原因が存在するというふうに考えます。言うならば手当支給の条件に起因をするわけでございます。本来ならば、この時間外協定による以外の別の方法があればいいんでしょうけれど、それはいまない。今回はからずも三六協定がないばっかりに時間内に懸命に取り組んだ者に手当が出なかった、三六協定があるがゆえに時間内にサボタージュをしても手当が支給されたりする矛盾が露呈をしたわけでございます。これまでこの制度のもとでこういった矛盾がほとんど出なかったために、問題を含みながらも今日的な対応策としてこれが続けられてきた。  これはもう局長の御説明にもございました。郵政の職場に働く者のやる気を起こさせる、まじめに働く者への裏づけが講じられるようこの機会にひとつ根本的な取り組みをしてみてはどうだろうか。これはきょうあすという問題ではもちろんございません。やはり郵政事業の中に働く者に希望の持てるように、現在の混乱、混迷、職場の荒廃の再建、正常化への不可欠な問題点として御提起を申し上げたいわけであります。部分的に矛盾点は確かにある、こういうお答えをちょうだいをいたしました。この機会にいかがでしょうか、きょうあすの問題として私はやれと言っているんじゃない。この機会にひとつ根本的にこれを見直すというお考えがあるかどうか。
  149. 守住有信

    政府委員守住有信君) 繁忙手当の問題は労働条件に係ることであるということは御承知のとおりでございますので、労使間それぞれやはり話し合い、団交の中でそれについての議論を繰り返して理解し合って協約を結ぶということでございますので、私どもは私どもなりの考え方でいままでの実態も踏まえながらこの改善問題について取り組んでいきたいと思っておりますが、一方繁忙手当だけの問題でなくて、やはり先生おっしゃいます、まじめに一生懸命に日ごろから仕事をしておる職員と、残念ながらそうでないというような者もあるわけでございますけれども、その点の問題、実はそれが人事考課上の問題としていろんな今回の紛争の遠因、起因になったのではないかというふうな御指摘も実は受けておるわけでございますけれども、やはり仕事にまじめに取り組んで勤労意欲を持って仕事をしていく職員というものに対しては、それなりの単に繁忙手当だけでない問題がそこにあるというふうに考えておる次第でございます。
  150. 木島則夫

    ○木島則夫君 この繁忙手当の問題については、いま人事局長から専門的なお答えがあったわけでございますけれど、私はもう一歩進めてやっぱりこの際こういう矛盾が出たんだから、ひとつ抜本的に問題を前向きに前進をさしてみようという、こういう私の趣旨をぜひ生かしていただきたいと思います。  大臣、どうですか。私がさっきから申し上げているように、こういう矛盾というのは国民の側から見ますと、いまこの不況の中で倒産がどんどんどんどん続いて、中には首をくくる人、自殺をする人がいる中で、こういうものは国民感情としても許すべきではない、許されるべきではないという厳しい批判が出ているわけですね。率直にどういうふうに受けとめられて、いま人事局長から御説明がございましたけれど、大臣だってやっぱり、こうずばりおやりになっていただくというお答えがいただけるんじゃないかと思う。いかがですか。
  151. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 私も全くこういうふうな問題については無知というふうな、そういうふうなことで就任をしたわけでありますが、年末の手当の問題その他の問題を含めて、一体この時間外の仕事をしないということになると家庭の主婦はどう考えるだろうかと、何か出す工夫はないんだろうかということを大分私は個人的にも担当の諸君にもいろいろお尋ねしました。そしたら、いろんな協定その他で縛られておりましてなかなか思うように出せない。繁忙手当の問題などにつきましても労働協定などによりまして、いま局長からお話しの点も御答弁のとおりで、また先生すでに御熟知のとおりでございまして、なかなかこれは思うようにまいらないところでありますが、十分従来の経緯を踏まえつつも、いろいろな問題を含めまして慎重に私どももこれは何とか解決の道を考えたいということをいま考えて検討しようといたしておるところであります。
  152. 木島則夫

    ○木島則夫君 なかなか大臣の答え慎重でございます。いま慎重に検討しようといたしているのか、いま検討し始めたのか、その辺ちょっと私聞き漏らしましたもんですから、恐れ入りますが、本当は検討し始めたという、そういう段階じゃないんでしょうか、もう。いかがですか。しつこく聞いて恐縮です。
  153. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) いま実は慎重に検討しようといたしているところであります。
  154. 木島則夫

    ○木島則夫君 本当に国民感情というものは、国会が慎重に慎重にと言っているうちにどういうふくれ方をするか、これはもう大臣もよくおわかりだろうと思いますよ。政治の衝に携わる方でございますからね。それが将来の郵便事業の信頼につながっていくんですから、私は慎重に慎重に検討するというお答えも結構だと思う。思うけれど、やっぱりこれだけ大きな問題が出ているんですからね。もうちょっと前向きに、建設的にお答えをいただきたいと思うんです。もう結構です。ひとつ私の趣旨を十分生かしていただきたい。きょうあすの問題と言っているんじゃない。人事局長、そうでしょう。ちょっと大臣の答え、あなたの答えからさらに遠いているよ。違う。もう一回あなた答えなさい。
  155. 守住有信

    政府委員守住有信君) 私ども考えや気持ちと——実はこれは労働条件に関することでございますから、労使間の合意を必要とするわけでございます。したがいまして、私どもはそういう角度でいろんな角度からこれ考えようと思っておりますけれども、最後の場合、労使間の合意のための理解、説得、もちろんそれに対しては世論と申しますか、世間の物の見方というのが一番基盤になると思いますけれども、それを踏まえながら、また過去の経緯もございます。したがいまして、それも念頭に置きながら労使間で話し合っていきたいと思っておるわけでございます。
  156. 木島則夫

    ○木島則夫君 大臣、私が申し上げました趣旨はひとつよくよくかみ砕いて、それを御実行の方向に動かしてもらいたいと思うわけでございます。  金融に対する犯罪が非常に多く起こっております。まことに危惧にたえないところでございます。そのやり方も巧妙かつ凶悪性を加えている。郵便局もその対象とされまして、特に小規模郵便局に犯罪が集中をしているきらいがある。大規模の市中銀行なども犯行になすすべがないと言っては失礼でありますけれど、人命とともに国民の貴重な財産が損失を受けていることはもう枚挙にいとまがない。ましてや、無集配特定局に至りましては定員わずか二、三名というような小人数で、これが休暇あるいは出張などで在局一名というようなときにこういう犯行が行われたら一体どうなるか。いただきました統計で五十三年になりますと、この小規模郵便局に犯罪が非常に多発をしている。こういうことを考えますと、やはりこれまた抜本的な対策が必要なんじゃないだろうかということになります。  私は、一番おそれることは、今回発生の連続郵便局強盗事件が、この衝動的誘発という事態につながっていくことを一番おそれるわけでございます。そういう意味でも事前の事故防止、犯罪防止、こういう問題にはそれこそ慎重に検討なんていま言ってられる段階じゃない。ここでいま話をしているこのときに起こっているかもしれない。そういう段階でありますから、これまたひとつ具体的にはっきりとお答えをいただきたい。  で、私はいま幾つかの具体的な提言を申し上げたい。それについてイエス・オア・ノーなんていうことはここでは申し上げない。そういうことをペースにしてやっぱり抜本的に、具体的に早く問題の解決をしてほしいという、その根幹になる幾つかの項目を私は御提言、御提案申し上げたいと思います。  どうでしょうか、まず、特定局における定員の見直しを図って窓口の配置を検討すること。特定局における現行の防犯ベルを普通局並みにできないだろうか。それから、これはもう特定局の窓口の構造でありますけれど、こういう構造についても再検討をして改善すること。これは単なる局舎の改善だけではない、やっぱり防犯、こういうものも含めた根本的な対策、これはもう当然でございます。どうでしょうか、これはもう非常に高くつくけれど、犯罪が行われた後、国民の貴重な財産が、あるいは生命が奪われた後では物の役に立たないから防犯カメラを全局に。これは無理でしょうかね。  それから、所轄警察に対してパトロール強化の協力要請をする。これはもうできないことじゃないと思う。常日ごろから防犯体制について近隣の人家等に依頼をして防犯ベルを設置、あるいは住民の協力を得るように努めること。これにはやっぱり郵便局の信頼がその基本になることは申すまでもございません。各職場における事故発生時の役割り分担などを明確にして徹底訓練を強化すること。こういうことをいままで私どもも特定局の定員の問題、特定局の窓口サービスのあり方、こういうことも含めて何遍も何偏も御提案申し上げてきたわけであります。しかし、最近のこの犯罪の多発という環境の中で、これこそ私は緊急性を持った大事な問題ではないだろうか。いかがでしょうか。
  157. 吉田実

    説明員吉田実君) 最近郵便局に御案内のとおり、大変強盗事件が頻発しておりまして、先生方にまで大変御心配をおかけしておる状況でございまして、残念に思っているところでございます。  この種の強盗事件でございますけれども、一般に昼間、お客様のおるときに侵入してくるという、大変不可抗力的な要素が多うございます。その対策、いろいろと腐心しておるところでございます。率直に申し上げまして、私ども監察官、大変数も少のうございますし、この種事案に対する監察官ということにもなっておりませんので、全面的に警察署に協力依頼するというほかない状況にございます。  したがいまして、従来から全部の郵便局に、局舎の外で非常ベルが鳴りますところの防犯ベルと言いましょうか、非常ベルを設けております。それから、また一定の規模の大きさ以上の郵便局につきましては、直接警察にその旨を緊急に通知するところの非常警報機といったものを設けております。防犯に対する心構え、郵便局内部のいろいろな組織的な防備体制、こういった問題については従来から再三指導しておるところでございますけれども、二月に入っては、これも御案内のとおり大変強盗事件が頻発しておりまして、大変異常な状態になっております。そこで郵政省といたしましては、過般から数回にわたりまして防犯対策本部という、私が一応本部長ということになっておりますが、もうこの際さらに一歩を進めたいろいろな案を検討したいということでいろいろ検討いたしておるわけでございます。  まず、さしむきの措置といたしましては、先ほど先生もお触れにおなりになりましたように、これは通達という形で各郵政局、監察局に指導したわけでございますけれども、警察との連携を一層緊密にするということで、それぞれの対応をする県警、あるいは警察署に対して、その対応する機関から局周辺のパトロールの強化を、また問題の多い局については、特に女子職員の多いとか、そういった問題の多い局については特にパトロールを強化していただくように、これは緊急に要請方いたし、措置したところでございます。  また、防犯体制の整備、再点検という意味で、これも先生御案内かと思いますが、特推連という組織がございまして、特推連の組織及びその下部機構でございます部会がございますが、それぞれに防犯推進連絡責任者というのが過般の相模大野事件を契機にして設置しておるわけでございますが、こういった方を主体にいたしまして、そういった集団的な防犯の心構えづくりというようなものをやってもらうというようなことをいたしておりますし、さらに、賊に侵入された際に職員相互のいろいろな組織的な動きがとれるようにあらかじめ職務分担するとか、そういったようなこととか、模擬訓練をするとか、そういったようなことを郵便局に指導しております。  万一賊に侵入された場合には、これはもちろん人命の尊重ということが第一義ではございます。こういったものを十分に念頭に置きながら、冷静かつ柔軟に対処するというようなことを内容とします通達を発出したところでございます。なお、地方組織におきましては、それぞれ大変具体的な、私ども一部は掌握しておりますが、そういった際におけるマニュアルのようなものを作成して郵便局を指導しておるというような実情でございます。そういうわけではないと思いますけれども、初期段階に比べまして最近はかなり郵便局長諸君も冷静に対処してくれておりまして、別にあれではございませんけれども、最近は多少被害が少ない、あるいは検挙ができるというような状態になってきたわけでございます。  なお、先ほどいろいろの御指摘がございました人的措置、あるいは物的措置、こういった問題については、それぞれ所管の部局がございまして、そこで鋭意問題点を詰めて措置するものから措置しておるというような実情だと承知しております。
  158. 木島則夫

    ○木島則夫君 根本的な考え方はそれでいいと思います。しかし、これは緊急を要するわけですね。ですから、できることからどんどんやってもらいたい。特に私は先ほどから申し上げておりますように、無集配特定局非常に小人数で郵便業務に取り組んでいらっしゃるような、そういう無集配の特定局においては、これはもうさっき申し上げたように、出張があり、お休みがあるということになると一人しか在局をしないなんということだってあり得る。だから、そういうときには臨時の——これは私いま十分考えての上ではございませんけれど、臨時のガードマンとか、ほかからの応援を求めるとか、勤務体制に無理がいかないようにとか、いろいろ御配慮いただきながら、たとえば開庁時、閉庁時には局長、職員がきちっとそろっているとか、やっぱりそういう体制も私はおとりになっていただきたい。  で、そういうことで多少金はかかりますけれど、やはりそこに金と心をかけることが結局郵便局のまた信頼性につながっていく、国民の財産を安全に保管をして運営をしてくれている、そういうことに私はつながっていくと思いますので、ひとつこれは緊急性を要しますので、もう一度その点を確かめたい。
  159. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 無集配特定局についての定員の見直しを中心として、防犯体制をもう一遍考え直してみたらどうかというお話でございますが、決して防犯のために金と心を注ぐことを惜しむというわけではございませんが、御案内のとおり郵便局の定員、どこでもそうでございますが、無集配局といえども、業務量を中心といたしまして定員の算出がなされておるわけでございます。先生の御質疑が、あえて自衛体制を定員によってという意味だというふうには受け取りませんけれども、防犯措置というのは、ただ単に人の頭がそろっておればいいということだけではないと存じますので、私どもといたしましては、首席監察官を中心といたしまして、総合的に防犯体制というものを急いで再検討させていただきたいというふうに存じております。
  160. 木島則夫

    ○木島則夫君 これこそ具体案は、私ははっきり期限を切って、いつまでにそういう具体案を郵政省はつくるんだ、これはもう示していただいていいと思う。さっきの三六協定の繁忙手当の問題とは事は違う。この辺はどうですか。きちっと私は時限を切って、いつ、大体どのくらいにどういう骨子を骨子とした防犯体制ができるんだと、このくらいいま検討なすっているでしょう。
  161. 吉田実

    説明員吉田実君) ただいま御説明申し上げた内容は、もうすでに措置したといいましょうか、緊急に措置した内容について御説明申し上げたわけでございます。したがいまして、各郵便局、私どもの何といいましょうか、量的なものとしてでなく、職員の模擬訓練とか、あるいは相互分担体制とか、あるいは賊が現にいて、大変人体、生命に危険のあるような場合においては、もちろんどうすることもできないわけでございますけれども、その後の警察等に対する通報装置とか、通報方法とか、そういったものについて、かなり地方局ごとに具体的なマニュアルをつくって、それにのっとって、もうすでに各郵便局は動いておるということでございます。  なお、人員の問題あるいは装置の問題、こういった問題については、ちょっと私の方ではお答えしかねるわけでございますが、それぞれの担当部局で早急に整備すべく、可能な限り努力をしておるというところでございます。
  162. 木島則夫

    ○木島則夫君 これはもちろん、いま専門的な立場で、各部署からのお答えをいただいたわけでございますけれど、郵政大臣ね、この問題というのはゆゆしい問題だと思いますね。これはやっぱり大臣の決意をひとつ伺いたい。
  163. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) いま政府委員からもお答え申し上げましたが、私ども、閣議でも問題になりまして、これは警察庁長官ともよく連絡をとりながら、木島委員の仰せのとおり、これを早くやらなきゃいかぬじゃないかということで、いま一生懸命努力をしておりますが、これは何といいますか、これをやってもどこまでも大丈夫だと、一〇〇%大丈夫だという保証がない仕事でありますので、私ども配慮しながら、なるたけこれは、余り手の内を示さぬ方がいいんじゃないかという考えもありまして、慎重に急いで措置するという方向で進んでおりますので、御了承賜りたいと思います。
  164. 木島則夫

    ○木島則夫君 それじゃ大臣ね、ここで手の内を見せないでいいですから、あっと驚く、そういうものはやっぱり郵政省考えてくださいよ。ここで手のうちは見せないで結構です、それじゃ。いまお話をしましたのは、外部からの犯罪を防止をし、人命を守って、国民からお預かりをしている財産を初め、こういうものを守るために早急な抜本体制を実行してほしいということでございます。  最後に、この項目に関する最後でございますけれど、郵政の職員のモラルが果たしてこのままでいいんだろうか。たとえば、これは関西地方の新聞に載ったことで、私の頭に二つ三つ残っている事例をいま挙げさしていただければ、御本人は悪意はなかったと思いますけれど、知人からピストルを預かった、これが問題になる。あるいは、郵便局のあの赤自動車で場外馬券売り場に乗りつけて馬券を買った。これも事実ですからしようがない。どうもモラルの低下が、私どもの想像以上のものがあるんじゃないだろうか、こういう現実をどうするかということでございます。  先日、郵便局の現場に長らくお勤めになってやめた先輩の方から私ちょっとお話を伺った中で、郵便を預かった数と送り出す数とが合わなかったことがあったけれど大変なショックを受けたというお話を聞いたわけであります。これは、そのお話の後で私なりの比較と申しますか、私なりの比較を勝手にしてみたわけでございますが、預かったたとえば金額と現金が合わない場合、これも問題ではございますけれど、自分が立てかえる、お出しをするということで償いができるかもしれないけれど、郵便の場合は、まさにこれがかけがえのないものであるという、ここら辺が私は根本精神にならなければいけない、こういうふうに考えております。  もし、モラルの低下が職員としての基本的な教育とか訓練の不足、こういうものに原因があるとすれば、今後具体的にどうこの問題と取り組んでいくか。組合に入りますと、いろいろ組合の教育なりお考えというものはどこでも徹底しておやりになるようでありますけれど、もう一つ、その前の段階としての公務員なり、郵政の職員なり、公共企業体の職員なりという、その職員があるべき基本ということになると、多少問題があるんじゃないだろうか。これはもう政治全体を見回してもいろいろ問題があるから、政治家への自戒も込めながら、こういうことは発言をしなきゃ、いけない、こういうふうに私は心得ております。いかがでしょうか。
  165. 守住有信

    政府委員守住有信君) 御指摘の点、最近新聞紙上にも出まして、衆議院の逓信委員会でもこういう点お話が出たわけでございます。それで、実はその中で、たるみ事故と申しますか、職場の規律なり勤務管理なり、あるいは御本人自身の、先生指摘のモラルといいますか、そういう点が最近まずいんじゃないか、こういうことで私どもも反省をいたしておるわけでございまして、やはりお話にございました、一方は組合員としての面がございますけれども、勤務中は職員でございますので、やはり国家公務員、郵便局員、職業人としてのモラルを高め、われわれとしてもさらにそれに即応しての教育訓練指導、あるいは職場の管理、規律、そういう面で今後意を払っていかなければならぬ。  ただ問題は、よく規律をあれいたしますと、またそこで曲解されまして、職場紛争ということになってはなりませんので、その辺の正しい意味を理解してもらって、一人一人の職員が管理者と一緒になって自覚していく、これが非常に大切だ、こういう考え方で臨んでいきたいと思っておるわけでございます。
  166. 木島則夫

    ○木島則夫君 その基本に沿ってひとつ十分にやっていただきたい。これはどっちの組合とか、組合の問題じゃないと思うのですよ。組合以前の問題、そこにやっぱり一つ大きなポイントが抜けてやしないだろうか、これを私は御指摘を申し上げるわけでございます。  それから電電公社の方いらっしゃいますね。ガット東京ラウンドに関連をして、政府の調達物品購入方を電電公社に門戸を開放しなさいという問題がアメリカから提起をされまして、政府も日米貿易不均衡、これを是正する見地から、若干にしろ譲歩をされるやに報道をされているところでありますけれど、この報道が一体確かなのか、そうでないのか、まずこの辺の真偽からお伺いをしたいと思います。
  167. 前田光治

    説明員前田光治君) お答えいたします。  確かに一時期そのようにとれる報道が流れていたように思いますが、私どもの関知しているところでは、そのような譲歩をいたす所存は全然ございません。
  168. 木島則夫

    ○木島則夫君 きょう、私はあえてと申しますか、外務省の方お呼びしておりません。したがって、通産郵政、電電のこの三者の方々から、それぞれのお立場でこれから伺いたいと思うわけでございます。  よく随意契約あるいは競争入札、その差異がどういうものであり、おのおののわが国の通信施設ないしは通信システムを運営をしていく立場から言うと、どういう差異があって、どういうマイナス・プラス点があるのか、これを簡潔に教えていただきたい。
  169. 前田光治

    説明員前田光治君) お答えいたします。  簡潔にということでございますが、若干ちょっと問題が技術的に少し複雑な点がございます。お許しをいただきまして。  入札という購入方法で電気通信設備を購入いたしました場合には、電気通信事業運営にどのような理由でどんな支障が及ぶかというのがお尋ねの趣旨かと思います。  まず第一点に、競争入札で物品を購入いたしますと、当然世界じゅうのいろいろな製造会社の機械がいろいろとまざって設備の中に入ってくるということになります。そういたしますと、機種が統一をされないという問題がございますので、当然電電公社の大きな業務でございますこの機械を保守する作業、あるいはこれを設計したり建設をしていくという作業、これが標準化ができませんのでその能率が著しく落ちる。たとえば、一つ電話局の中にいろいろな機械がまざってまいりますと、故障を起こした場合に直す直し方も、いろいろなことをすべて従業員が覚えていなければならない。これはなかなか無理なことでございまして、一種類のものであればきわめて簡単に覚えられるわけでございます。そういったことで、故障が起きた場合にそれを直す時間も長くなるといったような点もございまして、結局電電公社の業務の能率が下がり、すなわちコストが上がり、かつサービスの品質が落ちるということになるわけでございます。  それでは、買ってくる場合の仕様書をきわめて厳重、詳細にして、全部機械標準化して入札すればよろしいではないかという反論も出るわけでございますが、これは確かにそのような仕様書をつくれば可能かと思われます。しかし、これが非常にまずい点がございますのは、そういう標準化した作業が完全にできるような詳細な仕様書というものの中には、当然製造図面に及ぶようなものまで添付しなければ標準化はできない。そういうことになりますと、電電公社が長年研究開発に人と金をかけて蓄積いたしましたノーハウ、それから電電公社に開発時点から協力をしてまいりました、これも多くの研究費用と歳月をかけてきた製造業者のノーハウというものが、そのコンペティターである他の会社に、応札の際に仕様書を通じてただで世界じゅうに漏れてしまうという問題がございます。これは製造会社にとって非常に耐え得ないことでございますし、電電公社といたしましても、国民の電話料金からいただいたものの中から研究開発の費用を出しているわけでございます。こういうものがただで世の中に全部流れ出てしまうということは非常に問題があろうかと思います。  それから第三点目に、電話は、先生御存じのように、全国に五千万に及ぶ電話機がございまして、これらがケーブルとか、市内市外交換機あるいはマイクロウェーブの伝送装置といったようなもので全部が一体に接続をされて日本全国を覆う一つのシステムになっております。したがいまして、たとえば東京から大阪へ電話するにいたしましても非常に多くの機械を経由していきます。一つ一つ機械には非常に高い信頼度が要求をされるわけでございます。この信頼度をどうやって公社が保証しているかといいますと、でき上がった品物を買ってきます際にそれを幾ら検査してみても、十年、二十年、三十年というような長い信頼度というものは保証する技術的な方法がございません。そういたしますと、その工場に行きまして、その製造工程の詳細、それからどのような信頼性管理を行っているかということをすべて調べ上げまして、それで推計学的な手段を使いまして、この品物はこれは平均故障間隔は五十年であるとか百年であるとかということを保証しておるわけでございます。  ところが、入札制度ということになりますと、メーカーから言ってみれば、このお客さんは買ってくれるか買ってくれないかわからないわけでして、そういう人に会社の完全な企業秘密、ノーハウを全部見せなきゃならぬということはとても耐え得ないことでありますし、世界的に常識としてこれ要求ができないわけでございます。  ただし、随意契約の場合であれば、合格さえすれば買ってもらえるわけですから、そういう場合には工場のそういうノーハウ、企業秘密にわたるまで全部調べることができまして、信頼性の確保ができるという問題がございます。  それから、非常に重大な点は、入札によりますと、当然ながらあるときは落札できればどさっと買ってもらえる、しかし、次の期間には落札に失敗すれば全然納入ができないということになりますので、製造業者は計画的な生産ということができなくなりますので非常に経営が不安定になります。そういたしますと、当然工場の経営能率が落ちますので、それがコストにはね返って、電気通信機械のような特注品の場合は入札で行った場合の方がコストが上がってしまうという現象が起きます。これは一般市販品の場合とまさに逆の現象でございます。そういったことがございます。  さらに、全世界にわたって競争入札をするということになりますと、その公示をする手続、それからそれらの工場を世界じゅうにわたって審査をする手続、それから応札してきた多数の書類を審査する手続、そういったものに莫大な人員、経費というものを必要といたしますし、それからそれに非常に長い期間を必要とします。現在後進国等で行われております国際入札では、通常三年とか四年という時間がかかりますが、現在われわれは、随意契約ですとこれは六カ月以内にできております。そういたしますと、現在のような単年度予算でやっております場合に、三年も四年も先のことを決めて契約をしなきゃならぬということになりますと、需要の変動に応じた弾力的な事業の運営といったことが不可能に相なりますし、現在のように能率よく大量の工事をはいていくということができなくなってまいります。  以上、少し長くなりましたが、まだ若干の理由ほかにございますが、余り長くなりますので以上にとどめておきたいと思います。これが入札を行いました場合に電電公社の事業の能率を低下させ、それからサービスを落とすということの理由でございます。
  170. 木島則夫

    ○木島則夫君 この問題のとらえ方としまして、こういうふうに受け取られているところもあるわけですね。つまり外国品は外国だからだめなんだ、黒船来襲シャットアウト、ナショナリズムでいこう、こういうことではないんですね。これは確かめておきます。
  171. 前田光治

    説明員前田光治君) 私どもは、昨年政府の閣議決定でございましたように、その調達する物品につきましては内外無差別原則にのっとっておりまして、外国品であるからいけない、国産品であるからいいという態度をとっておりません。入札がまずいということでございまして、随意契約であればよろしい、そういう意味でございます。
  172. 木島則夫

    ○木島則夫君 入札はもう問題にならない、たとえ外国の申し出であっても、それが随意契約ということでの契約ならばこれは問題がないということですか。そうですね。
  173. 前田光治

    説明員前田光治君) 原則としてそのような形でございまして、現在でもわれわれ安くていいものがございますれば、随意契約で外国から購入をいたしております。購入額は非常に少ないわけでございますが、われわれは決して外国を排除しているということではございませんで、やはり遠い国であることと言葉の違いというような支障がございますので、外国品のいいものを探し、かつそういうところの人たちと細かい技術的な打ち合わせをするというようなことが、遠い離れた国言葉の違う国では国内とは違ってかなりやりにくい、相手側も経費も手数もかかるというようなことから、自然にその量が余り多くはなっていないということでございます。
  174. 木島則夫

    ○木島則夫君 これが一番聞きたいところなんですが、今回の問題は、東京ラウンドの問題と日米二国間貿易の不均衡是正というものが何か絡まり合って提起されてきた、アメリカもこの矛盾については私は十分承知をしていると思うんですね。その問題の絡まり方からきた問題の複雑性と、その問題を同じ土俵の中で論議をしているところに問題の複雑性がある、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
  175. 前田光治

    説明員前田光治君) 私も先生と同様に考えておりまして、多国間貿易交渉であります東京ラウンドの問題といたしましては、私どもは先進諸国すべてが電気通信設備をこの政府調達規約から除くということにしておりますのに、日本一国だけがなぜその問題を、非常にその国の大事な事業である電気通信サービスに重大な影響を及ぼすにもかかわらず、なぜ日本だけが特別に不公平な扱いを受けなければならないかということに、多国間交渉の問題として非常に大きな矛盾を感じております。しかし一方、日米貿易交渉日米貿易インバランスという問題から考えますと、これは日本国に、全体にとって非常に大きな問題でございますから、公社の事業に支障のない限りなるべくこれに御協力をしていくというのは当然の姿勢かと思いますが、これは東京ラウンド政府調達コード電電公社を加えるという問題と直結的に関連する問題ではないかと存じます。  ジョーンズ・レポートというアメリカの議員さんの書かれた報告書にも書いてございますが、日米間の公衆電気通信機器にかかわる貿易のインバランスは三千五百万ドルのアメリカに対する輸出アメリカから日本への四百五十万ドルの輸出ということで、そのインバランスはわずか三千五十万ドルになります。これは日米間に現在存在しております百億ドルを超えるインバランスのうちではわずか〇・三%程度にしかならないかと思いますので、これが解消のために電気通信サービスに重大な支障を与えても、かつまた世界のほかの国々どこもやっていないことを日本にだけ強要するということは非常に矛盾ではないかと感じております。
  176. 木島則夫

    ○木島則夫君 だから、私は、それとこれとはやっぱり切り離して問題の処理を考えなきゃいけないし、扱いをしなきゃいけない、これはもういまお話しのとおりだと思います。いろいろ取りざたをされておりますね、なぜアメリカがこんな矛盾したことを承知の上で日本に提起をしてきたか。カーター大統領の力が低下をしてきた、議会が強い、カーターさんの周りにはIBM関係の人たちが何人かいるとか、いろいろいろいろ取りざたをされております。  これから先の問題というのは非常に大事な問題なんだけれど、どうでしょうか、皆さんいわゆる過日の委員会でも、アメリカのねらいは何ですかと伺うと、わかんない、わかんない、わかんないというお答えであります。非常に重要な問題だから、そういうふうなお答えは私も無理はないと思うけれど、どうですか、こういう席ですから、さっきの防犯ベルの仕組みが外部に漏れるというようなものとは性質が違うんでね、その辺は私見というといやな言い方かもしれないけれど、ある意味でそういう私見も交えて、こうではなかろうかという大胆率直なひとつ予測を立てていただきたい、いかがでしょう。郵政省通産省いますね。
  177. 寺島角夫

    政府委員寺島角夫君) 御質問の、アメリカが現在東京ラウンド政府調達コード電電公社を入れろということを強く主張しておるわけでございますけれども、この背景と申しますか、そのねらいがどこにあるのかという御質問でございますが、大変にむずかしいお話でございまして、私どもも、外交で実際に当事者として当たっておる者はあるいは何らかの感触を持っておるかもしれませんが、私どもなかなか的確なものを持ち得ないわけでございますけれども、大胆な推測でもというお話でございますので、こういうことも考えられるのではないかという推測ということでお聞きをいただきたいと思います。  現在、一つは、この問題に関しまして、日本あるいは米国、それからEC諸国がそれぞれ一定の額のオファーをしておるわけでございます。この金額がアメリカECに比べまして、日本の現在のオファー額が小さいというふうにアメリカが判断をしておるようでございます。そのことがやはりそのオファー額を大きくするために調達量といたしまして、非常に相当の量を持っております電電公社というものをそれに加えるべきだという主張一つ出てきたのではなかろうかという感じもいたしておるわけでございます。  さらに、そのことの根底には、やはり先ほどもお話が出ましたが、日米間の大きな貿易のインバランスと申しますか、貿易の収支格差というものがあって、アメリカとしてこれを何とか改善をしたいという気持ちがやはりありまして、そういうことが出てきたものではなかろうかと思うわけでございます。なお、このジョーンズ・レポート、先ほどもお話が出ましたが、この中には電気通信に関しまして、未来産業というふうな言葉も使っておるわけでございまして、こういった未来産業と言われるようなものに対しまして、強い関心をも持っておるのではなかろうか。  以上、すべて推測と言えば推測でございますけれども、私はこの一つの背景としてこういうことがあるのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
  178. 安楽隆二

    説明員(安楽隆二君) 先生、いま御指摘の点でございますけれども、確かにこの問題には二つの側面がございまして、東京ラウンドの側面と、それからもう一つ日米貿易インバランス解消の問題と両方ございます。ただ、米国といたしましては、世界経済の安定的拡大と保護主義の防遏を図るということで、一方において東京ラウンドを成功させる、そしてこの場合にアメリカ日本世界の二つの大国として、ぜひ成功させたいということが一方にあるとともに、それからまた、現在当面しております日米貿易インバランスをできるだけ早く解消して世界貿易の安定的発展の基礎を築きたい、こういう二つがあるわけでございます。  そして、この電電公社の問題も東京ラウンドの方につきましては、先ほどからいろいろお話がありましたように、政府調達コードの作成ということの一環として電電公社についてもコードの適用対象範囲に含めてほしいということもアメリカがこの交渉の過程でずうっと言ってきておりまして、それからまた、この日米貿易インバランスの方につきましては、いろいろいま収支も少しずつ改善の方向は見せておりますけれども、依然としてインバランスの幅がかなり大きいということで、われわれとしてはアメリカ側にも相当責任があるから、インフレ抑制その他、輸出努力をするようにということは言っておりますけれども、同時に日本のいろいろな市場開放ということをやってほしい。  そのときにほかの問題もいろいろありますけれども電電公社の政策というものがもう少しオープンにならないかということを言ってきているということでございまして、確かに先生の御指摘のように両方ありますので、複雑な様相は呈しておりますけれどもアメリカの意図としては、とにかく保護貿易主義を抑えてできるだけ世界貿易、それから米国の貿易が安定的に発展していきたいという、同じ一つの動機から出ているのではないかというふうに考えております。
  179. 木島則夫

    ○木島則夫君 もう時間がございませんし、あんまり推測の話をここでしてもいけないと思いますけれど、どうなんでしょうか、通産省の方にもう一項目伺いたいんだけれど、あなた方、日米通商交渉、あるいはアメリカとの通商交渉の過程を通じて、つまり電電公社そのものにずばりねらいをつけてきたのか、電電公社を押すことで、ほかに、つまり考え方は、アメリカは本能寺というか、そっちの方の目的の方が大きいのか、いままでの折衝感覚から何かございませんかね、その辺は。
  180. 安楽隆二

    説明員(安楽隆二君) まあこれ、私ども考え方といたしましては、アメリカといたしましては、なかなか貿易収支が改善しない、それから東京ラウンドを成功させていく場合に、アメリカの保護貿易主義の動きを抑えるためにも外国における、彼らにとって少なくとも閉鎖的と見えるような問題点はすべて解消しておかなければいけないということで幾つかの問題を取り上げる、そのうちの大きな一つとしてこの電電公社の問題を取り上げているというふうに見ておりまして、必ずしも何かその裏にまた別の目的があるというふうには必ずしも思っていないというのが率直な考え方です。市場開放要求の一つの大きな柱としてやっぱり要求しているのではないかというふうに考えております。
  181. 木島則夫

    ○木島則夫君 もう時間でございますから電電公社に伺いますが、どうですか、この問題というのは非常に複雑な問題であり、日米間の従来のいきさつ、また日米の友好というものを片方で維持をしながら、やはり国益にのっとった現実的な、客観的な解決をしていかなければならない、こういう非常にむずかしい私は問題を含んでいると思うわけでございますけれど、今後のこの問題への取り組み方というものはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
  182. 前田光治

    説明員前田光治君) 先ほど御説明申し上げましたように、入札という形態をとりますと、国民のための電気通信サービスというものの運営に重大な支障を及ぼすと考えておりますので、入札を大原則としておりますガット東京ラウンド政府調達コードに公社の電気通信設備を対象として入れるということには、われわれ電気通信サービスを運営している者としてこれを肯定するというわけにはまいらないと存じております。
  183. 木島則夫

    ○木島則夫君 最後に、直接関係のございます郵政省にもう一度伺って私質問終わりたいと思います。大臣。
  184. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 繰り返し私からも申し上げますとおり、これはアメリカ日本の問題でございまして、事は外交折衝でございますし、いまるるお話を申し上げましたとおり、なかなかねらいがわからないというふうな点もありまして、私ども苦慮をいたしておりますが、何といたしましても、やはり電気通信事業の本体に関する問題は私ども譲るわけにはいかないということで、せっかく閣議においていま努力をいたしておりまして、外務大臣通産大臣、経済企画庁長官初め、関係の閣僚も一体となってアメリカ側に対する理解を求めることに努力をいたしておるところであります。  事は技術の問題で、先ほどから電電公社前田局長からもお話しのとおり、非常に理解しがたい、私どもにも理解しがたい、だんだんわかってきた、ようやく何かしらわかってきたということでありますが、アメリカ側にも政府側にそういうふうな適任者がいなかったということが非常な障害になっているんじゃないかということを考えまして、私は外務省にもお願いして、また、外務省からも審議官が出張に際して技術者を同伴していきたいというふうな申し出があるということで、その説明役に電電公社調査役が随行してまいっておりますが、また、業界からも近日中にアメリカ側折衝説明の役をして、そして理解を求めようと努力をしている最中であります。一生懸命同じ気持ちで努力をしているということに御理解していただきたいと思います。
  185. 木島則夫

    ○木島則夫君 最後に一点だけ。  いわゆる閣内においても関係者が一体となってこの問題の解決に努力を続けている。もちろん解決の方向というのは、日本の国益に準じた方向ということでございましょうね。そこのところをもう一回確かめさせていただきます。
  186. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) おっしゃるとおりで、私どももその気持ちで一生懸命関係閣僚と話をしているところであります。
  187. 青島幸男

    ○青島幸男君 私は、もっぱら電気通信事業につきまして若干の質問をさせていただきたいと思います。  最近、一般に市外通話料金が高過ぎるんではないかという声がしきりに言われておりますけれども、公社はこれについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、まずその見解から承りたいと思います。
  188. 西井昭

    説明員(西井昭君) 公社の電話料金の度数料の体系のことでございますが、おっしゃいますとおり、わが国の度数料と申しますのは、市内通話の料金が、市内通話と申しますか、一番最低の単位料金区域内の料金が諸外国と安い関係もございまして、長距離と近距離とのいわゆる遠近格差が相当に開いております。で、この問題につきましては、公社も戦後いろんな機会をとらえまして努力をしてまいってきておりまして、戦後昭和二十二年におきましては、この遠近格差が一対二百以上の格差でございましたが、その後いろんな機会をとらえまして逐次改正を行いまして、現在は遠近格差が一対七十二になっております。  しかしながら、先ほどおっしゃいましたとおり、依然として諸外国に比べてこの遠近格差が大きいという問題は残っておるところでございます。この問題は、実は公社の内部におきましてもいろいろ議論をいたしておりますほか、国会でもいろいろ議論がございまして、そういう経緯を踏まえまして公社でも検討を進めておりますところでございますが、この通話料体系の是正ということを行います場合に、公社の経営上に問題が生じないようにわれわれといたしましては対処をしていく必要があると考えているところでございます。  その際に、われわれが一番問題にいたしておりますのは、現在の距離別の通話回数と収入分布を見ますと、回数は近距離が非常に多うございますが、収入は遠距離に多いと、こういう関係にございますので、この遠近格差を是正いたしますに当たりましては、遠距離通話料の値下げと同時に、やはり近距離通話料の値上げが必要であると、このように考えておりますが、そういたしますと、遠距離通話をたくさんおやりになる方と、近距離通話を主としておかけになっておる方との間に利害が相反する面も否定できないところでございまして、そういった問題について関係方面の御理解と御協力を得まして、その是正時期とか具体的方法等について検討を進めていると、こういうのが現状のところでございます。
  189. 青島幸男

    ○青島幸男君 よくわかるんですけれどもね、しかし、独占事業でもございますし、外国のことは別といたしましても、実際に電電でやっていらっしゃる事業のほかに扱っているところはないわけですから、他と比較検討して高いか安いかと言うようなこともできませんし、実態としてはほかにないと、だからこそ料金の問題については国会の承認、あるいは審議が要るということになっているんでしょうけれども、実際比較検討するものがないんだから、高いと言えば高いかもしらないけれども、安いと言えば安いんだと言われればそれまでなんですね。  ですから、この問題を突き詰めていきますと、コストはどうなっているんだろうということで一般の方々は理解を押し詰められるのじゃないかと、その辺がわからない。算定基準がどうも理解できないから、高いか安いかと論理的な詰め方ができないという認識を持っていらっしゃるんじゃないかと思うわけですね。その辺についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
  190. 西井昭

    説明員(西井昭君) ただいまのお尋ねの、長距離、近距離ごとの原価がどのようになっておるかという御質問でございますが、電気通信と申しますのは、御存じのとおり、一つの伝送路に近距離通話も乗っておれば遠距離通話も乗っておるということでございまして、また、同じ対地にかけます場合でも、そのときどきによりまして必ずしも同じ伝送路を通ってまいりませんでして、迂回中継その他の機能を持っております関係で、いろんなルートを通じまして実際の通話は運ばれておるわけでございます。さらに同じ距離でございましても、非常に大束の回線が行っておりますところと、地方等におきまして非常にわずかの通話しかないこういったところでも、原価は、同じ距離当たりの同じ一通当たりの原価も著しく乖離をしてまいります。  で、そういう関係がございまして、実際的にこの距離別原価というのは算定するのは非常に困難でございまして、これはわが国だけではございませんでして、世界各国ともこの距離別原価というところを出しておる国はございません。アメリカ等はかなりいろんな、内容的に細かい資料をつくっておりますが、市外と申しますか、距離別の通話料の原価というものはなかなか諸外国等も出せないのが実態でございます。しかし、そうは申しましても、まあきわめて大胆な仮定を設けて検討するということはわれわれとしても必要ではないかとは思っておりまして、そういった問題についてはどのような方法で、どういう前提を立ててやるかということについては目下検討いたしておるところでございます。
  191. 青島幸男

    ○青島幸男君 それはよくわかるんですわ。きのうきょうできた設備じゃございませんしね。これだけ膨大な設備が歴史的に逐次培われてきたことでしてね。しかも、この設備の保守だとか取りかえ、あるいは新増設、あるいは減価償却の問題につきましても大変問題が起こるでしょうし、一定区間を確かに一つの通話が行われるにしてもオートセレクションと言うんですか、さまざまなかっこうの回線をどういうふうに通るかよくわからないし、しかもそのほかに、災害時予備線なんというものを考えますと、これをどういうふうにコスト計算していいかよくわからないという御主張もよくわかるんです。しかし、いずれにしましてもこの料金体系というものは、遠いところは高くつくんだという認識の上に歴史的に成り立ってきているわけですね。  その辺のところがちょっと違うんじゃないかと思うのは、最近は、テレビなんというものもできましたし、テレビは全国どこへ行ったって料金は同じじゃないかと。テレビは電波でピュッと飛ぶんだからいいけれども、こっちは電線をずっと伝わっていくんだから経費がかかるんだと言えば、それじゃ持っていって手で運ぶはがきが同じなのはどういうわけだということもあるわけですね。そういう意味合いで全国自動化が達成された折から考えますと、遠いからコストがかかるんだという認識はもう失われているんじゃないかという気がするんですね。  認識の違いの前提が長距離電話が高過ぎるという認識にたしかつながるんじゃないかと私は推測するんですけれども、たとえば電話の使用の仕方についての認識ですけれども、即時通話になりますと、昔のようにたとえば福岡なり愛媛なりかけると朝、市外通話を申し込んでやっと夕方になったら通じたと、しかも違う家に通じていたみたいな繁雑なことがありましたね。何回も何回も交換手がつないでいくという、そういうつてを経ていればなるほどこれは高いんだろうという認識はありますわね。それに愛媛まで行って帰って五日もかかるというような実情の時代でしたら、もう電話料金はかなりの高額なものであってもありがたいものだ、安いものだという認識があったわけですね。ところが、いまは近所のそば屋に注文の電話をかけるのとおおむね近い感じでかけられちゃうわけですね。ですから、遠いところ、繁雑な手立てを通じて多くの労力を培われて遠距離と話ができるんだという認識が薄れているんでね、遠いところが本当は高いんだという前提はもうなくなってきているんじゃないかという気がしますね。  もう一つ料金についての認識なんですけれども、従来はもうお上が決めているものだし、使わしていただくんだから向こうで決めていただいた金額で結構だというような認識があったかもしれませんけれども、いまは市民といいますか、消費者の意識が非常に高くなりまして、大体同型同様のテレビジョンであったらインチ当たりの単価はどのぐらいになるんだろうと。どうしてメーカーによって同じなんだというようなことで原価を公表しろというような運動まで起こっているような、料金についての意識の違いもありますね、一般の方々の。  ですから、この二つの意識の違いが相まって市外通話が理不尽に高いんじゃないかという印象をお持ちになっていらっしゃる。しかも、事情の違う外国との比較なんかをその上でなしますとね、ましてその感が強くなるんじゃないかという気がするんですけどね。ですから、逐一原価計算をしてどうのこうのということではなくて、同一区域内の料金への影響もすごく大きいということもありましてね、原価計算などをしていったんでは説明がつかないんだということをこの際明確にして、トータルで皆さんのサービスにこれ努めますので御理解いただきたいということをもうこの際胸を張って言っちまった方がよりわかりやすいんじゃないかという気がするんですけど、総裁、その辺はどうお考えでしょうね。
  192. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 少し技術的な話になりますので、恐れ入りますが私からお答えさせていただきたいと思いますが、まあおっしゃいますように、原価でいくというのは先生おっしゃるように非常にむずかしい点がございまして、外国でもいわゆる配分論といいますか、どういうふうに配分したら皆さんが公平感を持っていただけるかという問題だと思いますが、先生おっしゃるように、私たちも、原価もさることながら、配分を非常に公平感を持たれるように持っていくというやり方がいいんじゃないかと私も思っておりますが、その場合に、先ほども申し上げましたですが、終戦直後二百倍ぐらいであったのが七十二倍まで順次、百二十倍、百倍、七十二倍というふうに落としていっているわけでございますが、これは弁解になるかもしれませんが、そういう過去の経緯もありますものですから、一挙に持っていくとこれは近距離をかなり上げなければいかぬという問題も起きますので、その辺の調和点の問題でございまして、それを私たちも検討しておるわけでございます。  それともう一つ、遠距離の問題のほかに、最近は生活圏が拡大しておりますので、大都市近郊なんかは単位料金区域だけでなくて、隣接区域も同じ料金にしたらどうかと、イギリスがやっておるわけでございますが、その両方の意見がございますので、それを調和させてどう配分したらいいかというめどを立てる必要がございますので、検討にわれわれも苦慮しておる状況でございますが、先生おっしゃるように、公平感を持つような配分というのが私どもも一般に御理解いただきやすいんじゃないかというふうに考えております。
  193. 青島幸男

    ○青島幸男君 今後ともこの市外通話料金が不当に高いじゃないかという意識は抜きがたくあって、しかも、高まる一方だと思うんですね。ですから、今後どういうふうにして皆さん御使用になられている方々に公平に負担していただくようにしていくつもりなんだということを、まず理解していただく必要があると思うんですね。このための手立てを、大臣、どういうふうに監督者としてお考えになるか、その辺を聞かせていただきたいと思います。
  194. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 自由民主党の中にもこのために小委員会をつくっていま厳しく検討している最中でございまして、私などは最も高い料金を選挙区から見ると払っている一人でございますし、そういうような関係もあって非常にやかましい問題になってまいりまして、全国の自動化もおかげで本年度完成をするわけでございますから、来年度は、いま青島委員の言うように、今度は遠距離の料金を低減するという方向に向かって努力しろということを党の方からも私からも要望して、電電公社の方でもいろいろと委員会をつくっていま検討をいたしておるところでございます。これは当然実現しなければならないと思いまして、郵政省もまた電電公社の方でもせっかく努力をしている最中でございますので、しばらくお待ちを願いたいと思います。
  195. 青島幸男

    ○青島幸男君 何よりもそういうことに努力をしているんだという姿勢を使用者の方々に認識していただくということが公社に対する信頼を高めるゆえんだと思いますので、その辺、御配慮をいただきたいと私は要望しておきます。  それから次の問題に移りますが、ダイヤル通話料の明細書の問題でございますけれども、明細書を作成するということを確定したやに伺っておりますか、いつごろから着手する、あるいは完成するという御予定なのか、それをまず承りたいと思います。
  196. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 明細の関係につきましては、私どもも御要望を承りながら検討しておるわけでございますが、これにつきましては、私たちといたしましても、なるべく安い経費で御満足いただけるようなかっこうで持っていきたいというふうに考えておるわけでございますが、そうなってまいりますと、いわゆる従来のステップ・バイ・ステップ交換機とか、あるいはクロスバー交換機ですと非常に高くつきますので、ただいままだ五%程度しか入っておりませんが、電子交換機によってやっていきますと、比較的安くできるという関連がございますので、電子交換機にかえながらこれを設備していくのが一番いいのではないかというふうに考えておるわけでございます。  そうしますと、現在ございますステップ・バイ・ステップないしはクロスバー、これを電子交換機に取りかえる期間が関係してまいるわけでございますが、ステップ・バイ・ステップにつきましては、現在の六次中といいますか、五十七年度ごろまでにできるだけ電子交換機に取りかえたい。それから、クロスバーについてもその途中で取りかえてはまいりますが、これはまだ新しい部分もございますので、耐用命数はほぼ十九年程度ございますので、やはり非常に長いという御感覚もあるとは思いますが、やはり耐用命数のこないクロスバー交換機を捨ててしまって電子交換機に変えてしまうというのもある意味では問題がございますので、その耐用命数が済む都度取りかえていくというようなやり方で、ほぼ耐用命数に近いような期間をかけてやっていきたいというふうに考えております。それで、そういたしますと、電子交換機でほぼほとんどやれますので、それでなるべく安い投資でやっていくということで考えておりますが、その場合にいろいろ問題になりますのは明細書の出し方でございます。  これはいろいろございまして、アメリカでやっておりますのは通話月日、対地名、州名、相手番号、通話料金、通話分数、接続時刻、通話種別——これは夜、昼の割引の関係がございますのでそういうのを入れておりますが、片っ方では、そういうのを全部の人にお渡ししますとこれ問題がありますし、いわゆる希望者だけにお渡しするとか、そうかといって設備を希望されるところだけに設備してほかは設備しないというふうにいたしますと、いつどこでだれから希望が出るかわかりませんので、これは設備はやはり先ほども申し上げましたように、全国的にやっておかざるを得ない。  それから、出す場合には、希望される方にだけ出す場合でも、いわゆるアメリカ式にこれだけ詳細に全部出すかどうか。もう少し、対地だけにして番号は入れないとか、いろいろそういう御要望がございますので、その辺を十分承ってまいりませんと、通信の秘密の確保とかそういう点の解決に問題がございますので、そういう点も検討いたしておる段階でございますので、いつから着手するというふうにはまだ決めかねておるところでございます。
  197. 青島幸男

    ○青島幸男君 この決定、あるいはその方向が打ち出される陰に行政管理庁の勧告があったというようなことも聞いているんですけれども、この勧告についてはどういう受けとめ方をなさっているわけですか。
  198. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 行政管理庁の勧告につきましては、先生御存じだと存じますが、ここでもやはり遠距離通話と近距離通話との格差が大きい関係もあって、料金に月々の変動が非常に大幅に起きやすい。遠距離をかけた月は高くなってまいりますし、かけない月はずっと安いというようなことで変動幅が非常に大きい。それからもう一つは、住宅関係——もう大体六七%が住宅でございますが、住宅がふえてまいりますと、いわゆる家計費に占めるウエート等が、いままで電話を持ってなかった人が全部持っちゃうというような関連で関心が非常に強くなるという関連もございまして、そういう関連も考えて行政管理庁で勧告をいただいたんだと思っておりますが、行政管理庁ではこれを有料にするのかどうか、そういうことも含めて至急検討しろという勧告があったわけでございます。  私たちもこれを素直に受けまして、いま先ほどからるる申し上げましたような、いろんな問題点を解決しながら実施していきたいということで検討しておるということでございます。
  199. 青島幸男

    ○青島幸男君 こういう重大なことを行政管理庁が勧告をして、すぐそれに唯々諾々と従わなきゃならないのかということに私大変疑問に思うんですけれども、常日ごろ行管庁の見解がいつも正しいとは限りませんし、いま非常に価値観も多様化しておりますし、立場も環境もまるで違えば、違う考え方をお持ちになる方大ぜいおいでになるのはもう当然のことでございますし、ですからそういう明細書が出ることを大変に望んでいらっしゃる方もおいでになることは事実でしょうけれども、それがもたらすプライバシーの侵害とか、その他のことについて大変に心配なさっている方、不安に思っていらっしゃる方もおいでになるわけです。  ところが、そんなことを全く無視して、きわめて安直に、八百屋だって魚屋だって明細があるじゃないか、明細出さずに勘定を取るばかがあるかというような安直な考え方でこの料金明細書についての勧告をすること、しかもそれに唯々諾々と従わなきゃならないということだったら、委員会の審議なんていうのは要らないんじゃないかという気がしますけれども。私は大変、そのことについてはどういう権限が行管庁にあって、どういう見解でこういうことを言い出しているのか、しかもそれをどういう考え方で唯々諾々と従っているのかという感じが理解できがたいんですけれども、その点についてはどうですか。
  200. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 私たちも行政管理庁の勧告だけでこれを始めるという意味で申し上げたわけではございませんで、先生承知のように、五十一年度の料金改定以後苦情件数が非常にふえておりまして、御承知かとも思いますが、苦情件数自体が年々増加しておりますが、したがいまして、五十二年度でたしか二十四万件ぐらいあったと思いますが、ただし私たちも、もう行政管理庁から勧告がある前から、いろいろ苦情が出ておりますので、いわゆる料金につきましては正確に、誤りのないように出すということでチェックも二人でやるとかいろいろやってまいったわけでございまして、そのほかにいわゆるお客さんからの意見、要望が出ておりますが、その中に料金についての意見が最高位を占めておるわけでございますので、私たちも年々調査をいたしておりますが、そういう点も考えております。それから改めていろいろどういうかっこうで利用していただいたらいいのか、その利用の意向の有無とか、そういうのも実は調査してあるわけでございます。したがいまして、そういうようなことを総合的に考えながら検討してまいりたいということで考えておるわけでございます。
  201. 青島幸男

    ○青島幸男君 それは料金の行き違いがありまして、十二万件か二十万件か苦情があるということもあるかもしれませんけれども、実際この明細書の作成、あるいは送付額の装置が完成されたときにはあるいは二十万、それに匹敵するぐらいのプライバシーの関係の苦情がそれに増して出てこないという保証は何にもないわけですね。だからといってやめるというわけにいかないですよね、一回つくっちゃうと。そういう重大な問題をはらんでおるのに、便利なら、あるいは合理的なら何でもいいというふうに考えない人間も私のようにいるわけですよ。  たとえば私もこの間新聞に掲載されておりました漫画を見て愕然としたんですけれども、四こま漫画なんですけれども、一こま目に、失恋した男が涙ながらに相手から来た手紙を燃しておるんですね。二こま目は、送られたネクタイなんでしょうか、あるいは写真などを燃しておるわけです。そこへ第三者が来まして三こま目は、しかしあんたの通話記録は残っているわと、こう言うわけですね。そうすると、あああれは何ともならないなと言って一こま目よりももっとオーバーに嘆き悲しんでおるわけですよ。これを見まして、他人から見れば実にばかげた問題かもしれませんけれども、本人にとっては死をもってもあがないがたいぐらい重大な問題だってあるわけですよ。  それで、日常われわれがこうしていますけれども、それぞれの立場、それぞれの考え方で何が大事か、何がばかげたことかということは、人が判じたり決めたりする問題じゃないですね。だから、そこに明細が出た、あるいはその明細が漏れたということで、商売上すごい支障が出たり、あるいはその人を死に追い詰めるような事態にだってなりかねないわけですわ。そういうことを安直に、ただ合理的ならいいだろう、苦情を解消すればいいんだというような考え方で処理されてしまうということが実に私は恐ろしいことだと考えるんですよ。  どうしてその利用者の代表なり、技術的な説明をするなり、そういうコンセンサスを得た上で、こういう方が便利なんです、こういうやり方ならいいでしょうという了解を得てからやるというようなお考えをなさらないわけですか。勝手に便利ならいい、苦情が処理できればいいんだということで、こんな大事なことをうやむやにされるということが実に耐えがたい屈辱に思うんですよ、私ども利用者としては。そういう考え方を持つのは単に私一人じゃないと思いますけれども、そういう点に対する配慮はどうなさっておるわけですか。
  202. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 先生おっしゃるように、個々人の方によって受け取り方もいろいろ違います。先生おっしゃるとおりだと思います。したがいまして、私たちも単に経済性とか技術的な面だけで着手するわけにまいりませんので、先ほども申し上げましたように、いつから着手するかというお話ございましたけれども、そういう個々人の受け取り方、プライバシー問題、通信の秘密問題等非常に重要な問題がございますので、それについてめどがついてからでないとまだ着手するわけにはまいらないということで、検討いたしておるという段階を申し上げたわけでございます。
  203. 青島幸男

    ○青島幸男君 いずれにしましても、利用者のコンセンサスが得られるということを最優先に考えませんと、そのための公社なんですから。大変な本末転倒になりゃしないかという気がしますね。ここにも広告が出ていますけれども、たかだか六万足らずで電話機一台につけると、電気計算機まで付属している機器で、何月何日の何時ごろ、どこどこへ何秒かけて幾ら出るという明細まで出る機器があるんですね。だから、どうしても明細が欲しいと、どうも事務所で会社の電話を私用に使ってしようがないからという御要望もお持ちの方もおいででしょう。そういう方は個人で必要な分を、こういう機器があるんですからね、いまは六万弱ですけれども、最初われわれが見た電卓だって、あれは大変高価なものでしたけど、いまは量産もできますし、技術も進歩しましたから、それこそゲーム場の景品にまでわりあい高価なものがなっていますけどね。ですから、量産体制が整い、一般に普及するめどがつきさえすれば、そんなに負担にならずとも勝手に欲しい方がつけられるという機器が開発されると思いますね。  ですから、欲しい方は——公社のおっしゃっているのは、欲しいとおっしゃった方に、有料か無料かわからないけども、明細はお渡しするんだと、あるいはトラブルが起きたときにお渡しするんだということでしょう。たった少数の人間の要求のために利用者全員のプライバシーを損なうようなことがもしあるとしたら、そんなことに踏み切るのは大間違いで、欲しいと、記録が要るんだという方だけこういう器械がありますということを御推薦になるか、あるいは開発にお手伝いをするかとか、料金の面で幾らか、全部の機器を通じてやらなきゃ意味ないわけでしょう、これは。それに費やす金の額といったら、それは大変な膨大なものになりますね。ですから、その分で必要な人に補助を与えるとかサービスをするというようなことだって、うんと低廉に、しかも要求だけは満たせるということになるはずだと思いますし、いずれにしてももう時間がありません。  要望いたしますけれども、拙速に決めないでください。少なくとも利用者の認識を第一義に置いて、利用者の方々たちの権益を守りながら利に便するということをお考えいただきたい。とにかく権益を大事にするということを第一の眼目に置かなかったら、公社のサービスはどんなに行き届いたパンフレットを配ろうとどうしようと、新しい機器を入れようと何にもならないと思うんですね。そのことだけを心から要望したいと思いますが、これは大臣と総裁にぜひ私の要望の趣旨を御納得いただいて、明確なお答えをいただきたいと思いますので、それをお伺いできれば私、質問終わりたいと思います。
  204. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 青島先生の御心配なさる点は重々わかって、この前も、もう一方の先生からこれと同じような強い御疑問と御質問をちょうだいしました。この問題は私たちも非常に考えると重い話であったんでございますが、当委員会でも決算委員会でも延べ十一、二人の諸先生方から、当時は料金の明細というものがないという不満からかなり世論が沸いておりました折でございましたので、新聞等もかなり激しく私どもに迫っておりましたので、これをやるということも、やらなくちゃいけないけれども、なかなかいろんな問題があって考えさせておったんでございますが、前大臣も、まあひとつ余り急にやらないで、じっくりと時間をかけて、長い目でやればそう経費もかからない。  しかし、プライバシーの問題はいずれにしても残るけれども、これも極力ひとつ慎重に取り扱って、いま青島先生も、わからない苦情のある人には配っちゃう、そんな乱暴なことは絶対することは考えておりませんで、別部屋かなんかでその記録をお見せして、係の者が少しでも納得しやすいような、説明しやすいような資料を持っている。もちろん、それも三カ月ぐらいで破棄するということになりますが、そうしたことでもやらないといろんな点から問題が派生的に起きるということで悩んでおったわけです。実は五十四年度からでもやろうかなということでございましたけれども、いろいろ御質問がございましたので、心配する点が後から出てきましたので、ひとつもう一年かけて、ちょうど利用者委員会等にも諮って、ゆっくりひとつ考えてから決断しても十分だということでございますので、もう少し慎重にやってみたいと思っております。
  205. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) いま秋草総裁からもお話のとおりでございまして、非常な衆参両院の委員会で御要望が強かったわけでありますが、だんだんと検討をしていく過程でいまの通信の秘密及びプライバシーの問題などのことがいろいろと話題になりますのと、相当これは利用者の料金を上げなければいかぬのじゃないかという、そういうふうな両面からの問題が多くなりまして、非常に慎重にこれは検討した方がいいのではないかということで、いま検討をしている最中でございます。  私個人の意見を申しますと、これをやるよりかも、もう少し時間をかけて器械の開発その他をやって、希望者にだけは届くような、そういうふうなものができないものかという、これは私は夢のような希望をいたしておるわけであります。幸いに青島委員から貴重な御意見を承りましたが、これは非常に恐縮ですが、青島委員は相当テレビその他にも出る機会があるのでありますから、何かの機会にまた利用者に向かってそうした啓蒙をしていただければ非常にありがたいと思いますので、私の勝手なお願いでございますが、お答えとともにお願いを申し上げます。
  206. 案納勝

    案納勝君 私は、まず最初に大臣の御意見を承りたいんですが、その前に、二十七日から本日と当委員会は、昨年年末から引き続いて年末の郵政の紛争問題について十一月は二十三日、さらには年が明けては理事会、理事懇等で早期な解決について郵政省にその誠意を求めてきました。そういう経過で二十七、本日と二日にわたって労使問題紛争解決についてのお互いの知恵を出し合っているわけです。  そこで、私は最後になりましたが、同僚議員、先生の御指摘ずっとお聞きをいたして、大臣の答弁をお聞きしてまいりまして、できるだけ重複を避けるということにしたいと思います。ただ、明確にしてもらわなくてはならない、まだ明確でない問題がいっぱいあります。その辺は大臣からひとつはっきりお答えをいただきたいと思います。  郵政事業はこの年末年始に有史以来といいますか、事業始まって以来まさに大混乱となったことはもう各先生方の御指摘のとおりだと思います。国民の郵政事業への信頼と負託を裏切ることになって、多くの国民の批判をいただいているわけです。ところで、私はそういう立場に立って年末の早期解決に努力をささやかなからしながら、大臣とも二回お会いしました。さらには特権官僚と言ったらおかしいですが、お役人の皆さんにも何回か要望いたしました。ささやかな努力をする中で、今日の時点になって大臣の所信をお伺いしました。  ところが、先ほど中野先生も御指摘になりましたが、心からおわびを申し上げる、何とか解決をするために精いっぱい努力を傾けた、しかし残念なことになってしまった、二月十日に組合と会見をして、交渉再開して軌道に乗せたという、今後むずかしい問題が残されているけれども国民の負託にこたえるよう努力しますという程度の内容。先ほどの中野先生の御質問について大臣お答えになりましたがはっきりしないわけです。  一体、有史以来という今日の事態を招いてきたその責任、反省というのは、行政責任、管理責任というのは、大臣はどういうふうにお考えになっておられるのかどうか。大臣も昨年年末は大臣になられたばかりでありましたから、私どもは十二月の十一日に委員会を設定をしていました。それは当委員会として大変年末を心配をしたからで、十一月の十七日に、ことしの年末は大変な状態になることが予想されるよと、当時の服部郵政大臣、守住人事局長に、それは単に従来のような物の考え方だけではなくして真剣にとらえないと大変な事態になる、こういうことを私は申し上げた。  みんなが心配するから十二月十一日設定をした。これは大臣がなられたばかりだから、もう少し労使の誠意ある交渉というものを見守って、最終的には大臣の決断の時期というのは大体十二月の二十三日ごろだろう。だからその時期に合わせて委員会を設定をしよう、こういうふうに私ども理事、小澤先生やその他の皆さんと相談をして、最終的大臣の決断を求めよう、こういう話し合いをしてきた。それで今日までの経過を経てきています。  しかし大臣、その経過で、大臣が新任大臣だけに十分に事情がわからないという点があったことはわかりますが、有史以来のこの大混乱を招いている事態に対して、その行政責任であれあるいは管理責任というものが、いずれにしても明確にさせられなければ、国民に何と言って、国民の負託に対してどうこたえるのか。私は明快に大臣がその責任の所在というのを明らかにして今後の問題にかかるということにならなきゃならぬと思います。その点について、大臣の御見解をまずお伺いいたします。
  207. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 仰せのとおり、十二月の当委員会も、委員長初め委員各位の御配慮をいただきまして私どもに時間を与えていただきましたことに対しましては、まことに心からお礼を申し上げます。  責任は、行政責任はどうか、経営責任はどうかと言われますと、これは全く私の責任であるということに間違いはございません。私も皆様方のお気持ちを体して何とか一生懸命努力をしたいということで、また国民の皆様方に対しても、せっかくの年始が間違いなく各家庭にそれぞれの御意思が伝わるようにと思いまして努力をいたしたわけでありますが、なかなかこの問題の解決がむずかしくて、ついに年を越さざるを得なかったということでありまして、各委員の方々からおしかりをちょうだいいたしましたように、一生懸命努力しながらその成果をおさめることができなかったということに対しましては、まことにおわびをする以外にないわけであります。おわびをすれば事足りるのかというおしかりでございますが、これは私ども一生懸命今後努力をしまして、そうして国民に早く解決をして、国民の信頼にこたえるようにすることで責任を果たしていきたいと考えているわけであります。どうか、その点御理解をいただきたいと思います。  その間に、いま案納委員から仰せのとおり、皆様方にはわざわざ郵政省まで二度にわたっておいでいただいていろんなお話もございましたが、何しろ郵政事業基本にかかわる大きな問題を端的にノー・イエスで回答をしなければ話にならぬというふうな、そういうふうな問題でありましたので、私も何としてもここで踏み切りをつくることができない、やっぱりこれはゆっくり話し合って将来の郵政事業を円滑にいくように図らなければならないと考えて今日まで参ったというのが実情でありますが、幸い二月の十日に組合の幹部の諸君と会うことができまして、その後だんだんと話が一つずつ一つずつ解決をしてきたということで、私も希望を持っていま対処しているところでございますので、御了承をお願いしたいと思います。
  208. 案納勝

    案納勝君 大臣にお尋ねをいたしますが、十一月の十七日の逓信委員会で私は服部郵政大臣に、今日の事態、特に年末に当たって今日のような問答無用の抑圧的態度があるとするならば、労働組合にとってこれは労働者の地位、労働条件の向上、維持改善を図るという本来の趣旨から言ってそのことは認めることはできない、なるのは当然だ、不当労働行為が仮にあるとすると、おまえは全逓を脱退しなさい、でなきゃ転勤させない、全逓におる限り昇任、昇格はできない、こういうことがある、不当労働行為もしくは類似行為が広範に行われる、あるいは人事差別がそこに行われる、訓練のときそのことが、おまえは全逓に入ったら出世できないと、こう言われる、こういうことが不信感となりトラブルとなって起こってくる要因だ、こういうことでは健全な正常な労使関係は生まれない。そこで服部郵政大臣に対して、こういうことが行われるということについて大臣はどう考えるかという質問をしました。これは議事録にあります。服部郵政大臣は、当時「私はそういうことは断じて許されるべき行為でない」「かように考える次第であります。」と、こう言っている。  白浜さんは、私と同じ九州で長崎ですね。私はこの間、白浜さんお見えになった後ろをついて長崎、佐賀へ行ってきたんです。私はいまよけいなことを申し上げましたが、この十一月十七日に服部郵政大臣がそのようにおっしゃった。これは服部前郵政大臣の言葉だけであります。今日まで何回も当委員会ではこのことについてお話があっています。私は大臣も同じ、変わらないと思いますが、いかがですか。
  209. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 服部前大臣が不当労働行為などはあってはならないと、そして、労使の信頼関係を確立していかなければならないという、そうした立場で努力したということは私も承知をいたしておりますが、私といたしましても、もとより服部前大臣と考えを同じくするものであります。
  210. 案納勝

    案納勝君 大臣、連日のことでお疲れだと思いますが、いましばらくつき合ってください。  もう一回確認しますが、こういう行為は絶対許されるべき行為ではない、こう服部郵政大臣が言われました。私は、そのとおり大臣も言われたと思って、確認をいたしておきます。  そこで私は、十二月十八日に——さっき大臣か御答弁になられた中で、行政責任は大臣にある、私はそのとおりだと思う。そこで、一生懸命努力をされた、しかし、基本にかかわる大きな問題のために、実は今日、こういう解決をする事態にならなかった、こう言われました。私はお尋ねをしますが、全逓から要求をされている二十九項目、さらにこれを十二項目に最終的に整理をされたと思います。守住人事局長お尋ねをします。これは、基本に係るというのはどういうことですか。まず、それをお尋ねします。
  211. 守住有信

    政府委員守住有信君) お尋ねのとおり、二十九項目、郵政省の人事労務政策の廃止、変更を求める要求ということでございまして、その中におきますもちろん不当労働行為ということの根絶に対しては、これは当然のことでございますし、われわれどもまだ十分この徹底を図っていかにゃいかぬ、こういう立場でおるわけでございますが、その他の項目自体といたしまして、私どもがやっております国家公務員法下の成績主義によります人事だとか、あるいはまた組織運営の問題、例示として上がっておりますような集配業務の基本をなしております班長制度の廃止だとか、あるいはまた、いろいろ多岐にわたっておりますが、そういう人事なり労務なり訓練なり組織なり、これはそれぞれの基本的な本来の目的があるわけでございます。  したがいまして、他方不当労働行為の根絶にはいろいろ手だては講じ、努力をいたしていかなきゃならぬところでございますが、その人事なり労務なり訓練なり組織なりの基本の廃止あるいは変更を求める、こういう内容がいろんな項目の中で多岐に出ておるわけでございますが、そういう点で、非常に事業の運営、法の要請、いろんな角度で、長期的な郵政事業運営確保、発展と、こういう基盤について非常に物のとらえ方が基本的に衝突するような内容を含んでおる、一々例は申し上げませんけれども。さらにはまた、二十四日でございましたが、当初の二十九項目は十一月二十五日でございますが、二十四日になりまして、いろいろ知恵を出し合おうということで、当委員会の御配慮もいただきまして、事務次官段階で交渉も持って、知恵を出し合って……
  212. 案納勝

    案納勝君 簡単に言えよ。
  213. 守住有信

    政府委員守住有信君) その十二項目がしぼられて出ましたが、その前文にありますような、従来の郵政省の人事政策、労務政策等の非をも認めて反省して陳謝せよ、それをするかしないかが今回の年末交渉の妥結の入り口であり出口であると、こういう形で、いわば二者選択を迫られる。本来、そういう交渉のあり方も、私どもそんな簡単なものではないととらえて、平和的な中で話し合いをしたかったわけでございますが、そういう形で選択を迫られて、遺憾ながら決裂に至った。後はまあ公労委の方の場へ移ったということは、先生承知のとおりでございます。
  214. 案納勝

    案納勝君 守住さんねえ、今回の要求十二項目、二十九項目は、郵政省はことさらに新聞広告等で、基本的なかかわる問題であるから妥結はできない、全逓の違法行為があるから郵便はおくれた——あたかも全逓あるいは労働組合に責任を転嫁する。私はいまここでは大臣の行政責任ないしは郵政省の管理責任の問題を明確にしようと思っていま質問をしています。ところが、一切の不当労働行為、これに類する行為の根絶を初めとする二十九項目について、今日まで唐突として出てきた内容だと思いますか。今日の事態は、今日まで、平たく言うなら四十二年、四十五年の一二・一四、四十六年の一丁五、四十八年の一二・一確認、五十一年の一二・一九、毎回同じように——ここにありますがね、同じ内容じゃありませんか。これは何を意味するか。今日まで全逓が毎年のように郵政省との間に確認をし、交渉をしてきた内容でしょう。しかも、それらについて郵政省はそれぞれ答弁をしています、内容は別にして。そして、郵政省に対してこの完全な実施が守られてないからといって要求してるのが今回の要求じゃないですか。  それを、基本的な対立、基本的問題があるから今回の事態に解決ができませんでした、あるいは、もう有史以来の混乱を起こした……。いままで何回この確認を、何回この種の問題について郵政の労使の間でやってきてますか。今回の場合、ことさらに、大臣の意思はさておいて、事務当局が対立をより拡大をさせ、今日の事態を招いたと言っても言い過ぎじゃないんじゃないですか。その辺はどう考えますか。
  215. 守住有信

    政府委員守住有信君) 先生指摘のとおり、過去においても不当労働行為を中心にいろいろ問題点の指摘があり、かつまた年末におきましてもいろいろ確認をし、そして双方その徹底を図ろうということでやってきたことは御指摘のとおりでございます。ただまあ、最近、ここ一、二年でございますが、不当労働行為のお申し立てなどなかったところに、いろいろな点検、摘発という中で掘り起こすということで、まあそのことはさておきましても、この要求自体がこういう、立て方と申すとなんでございますけれども、不当労働行為の根絶論についてのいろんな問題ということでなくて、こういう基本的な人事や管理や、組織や訓練等の制度の廃止、変更という形での要求でございましたので、非常にむずかしい争点と申しますか、こういうことになったと、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。
  216. 案納勝

    案納勝君 私はね、そんな詭弁では納得できないんですよ。「一切の不当労働行為、これに類する行為を行わないむね確認するとともに次の通り扱うこと。」、「全機関で対応する組合機関との間で確認すること。」、「前項の確認を全職場に一年間掲示すること。」、これは四十八年の回答、五十一年の回答、五十二年、五十三年の回答を私持っております。これが守られないから、こういうふうに全組合の機関や職場に「守ります」ということをはっきり言ってくださいと言うのが、何が新しい基本にかかわることですか。さらには、「昇任・昇格などの人事、宿舎入居等すべての面で差別を受けた組合員の救済を全面、無条件に行う」、差別があることを指摘をし、こういうことはやりませんって書いてあるじゃないですか、今日まで。そのことを指摘をして、だからこれについて救済をしなさいとこう言っている、約束事を守ってくれとこう言っているんですよ。  たとえば、あなたたちが指摘をしました、単純先任権をとこう言われる。これはとてもとこう言われる。しかし、先任権問題については、公労法の中でも団交事項になっています。ただ、公務員法との関係があるとあなたたちは言われる。しかし、先任権問題、先ほど沓脱先生が言われたように、昇任、昇格に全くそういうものが生かされてない。そこで差別が出るとするなら、そのことについて是正を求める要求というのはあなたたちと確認をしてきた一二・一四確認以来中身ある問題じゃないですか。しかも、そういう問題が今回の組合の要求じゃないですか。  あなたはこの一、二年なかったと言う。私も知っています。なかったのは一二・一四確認以来いろいろ暫定ルール、あるいはそういう交渉方式の問題もめぐって話をしてきた、毎年確認してきた。その確認に基づいて組合の方が一歩前に出てきて、問題は内部で解決しましょう、外へ出さずに。歩み寄りをしてきて、組合の方がそういう姿勢をとってきたから、この二、三年なかったんじゃないですか。その上に立って、しかし今日まで守られていないという実態が余りにも多い。したがって、いままでの約束を守ってくれと言って郵政省に要求したのが、何が基本にかかわり話ができないんですか。しかもですよ、そのことをあなたは百もわかっているんじゃないですか。ここにおられる人は皆わかっている。  しかも、そのことがわかっていながら十二月十八日に警告書なる物が出ている。いいですよ、出すのは。この要求は「事業運営、労務・人事政策の基本にかかわる主要な要求事項について」「基本的に受け入れ難いものであるが」、こう書いてある。「基本的に受け入れ難いものである」という前提にしていくならば、いままでの十何年間の確認はどうなるんですか。そういうものを前提にするから話にならないじゃないですか。組合の主張については、従来から十年、いや十七年の間、後ほど触れますか、三十五年新しい管理者方式——三十六年ですね、あれは。あるいは三十五年の団体交渉は三六、二四しかないというところから発生をしてきたじゃないですか。そして、何回もこう確認をしてきたもの、いままで全部基本にかかわるもの。これは、ここに中野先生もおられますが、両院の国会でこの種の問題についていままで歴史的に委員会で論議をされた資料があります。私の先輩であるかつての永岡先輩、あるいは中野先生は衆議院の逓信委員のときに。  そういう状態で、今回の年末問題を迎えて私は十一月十七日に、それだけの問題だから深刻に今日までの経過を踏まえて対処してもらいたい、こう要求した。それをあなたは、こういうことで知ってて、しかも二十日までの間に何回本格的交渉が行われたですか。組合の方は、いままで約束をしてきたこれだけの問題です、完全に実行してもらいたいんだと。だから、いままでこれが実行されてないという事例がたくさんあるじゃないか。だからそのことを経営責任としてまず反省をした上で話し合いに入ろうじゃないか、こう言うのはあたりまえじゃないですか。  ところが、あなたの方は、いや、これは基本的に受け入れられません。私はこの姿勢が果たして、大臣が先ほど来行政責任だと言われた。国民から預かって、負託をされている郵便、貯金、保険事業、国民の福祉につながっているこの事業をしょっていくのはあなたたちじゃなくて第一線の人たちじゃないですか。その第一線の人たちが差別をされ、Uターンについても、人事についても、宿舎に入るについてもさまざまな差別を身をもって感じている、それが出てきたことについて答えようとしないんです。今日までのこの年末の責任ある交渉なんていままで何回行われましたか。その点をはっきり答弁してください。あなたたちは経営を委任されている、管理を委任されているんです。  私がこの間佐賀、長崎に行ったときに、一般の人たちはこう言うんですよ。郵政省が悪い、全逓が悪いとか言ったってそんなの私は関係ありませんと。要は、私たちは郵便というのを信頼しているのに届かない、これをどうしてくれるんですかと、こう言うんです。この管理をする責任はあなたたちにある。そのあなたたちが約束を守ってこない、こういう紛争が起こった、解決する努力すら行われない、いいかげんな努力しか行われていない。大臣はなったばかり——つんぼさじきに置かれたか何か知りませんよ、そして有史以来の事態を招いた。郵政省は自力排送だ、労働組合は相手にしませんと、こうきた。ところが、やった七五%というのは、七〇%というのは東京だけじゃないですか。そういう姿勢が今日の事態を招いている管理責任をあなたはどう思いますか。大臣は行政責任があるでしょう。あなたは管理責任者としてどう思いますか。そこのところをはっきりまず答えてください。
  217. 守住有信

    政府委員守住有信君) 私どもその御指摘の労使の確認等十分踏まえまして、そういう点についても、また御指摘のいろんな事実等についても話し合おう、こういうあれでございますが、この要求自体が二十九項目ということで、しかもそのトータル論というのがございまして、なかなか個別分解ができなかったわけでございます。実は十二項目の方も個別分解ができなかったわけでございまして、それぞれの点については十分話し合いたい、こういうことでございましたが、二十九項目自体も、これ実は三十回ぐらい公式、非公式にやっておるわけでございますけれども、その中身の分解と申しますか、従来の確認の延長的な角度での話し合いというものが事実上できないという、労使相対の中でできなかったわけでございまして、その点についてはひとつ交渉の実情ということについても御理解をいただきたいと思うわけでございます。
  218. 案納勝

    案納勝君 いやいやちょっと、それじゃだめだよ。大臣ね、私は、今回二十九項目、十二項目出されているのは、あれですな、賃金をこれだけよこせとか、あるいは組合から能動的に要求されたものではないんです、これは。大臣、聞いてください。要するに、差別があるというのは、差別をするのは郵政省、管理者なんですよ、差別権、差別をする力があるのは。不当労働行為と言われるけれども、組合からの不当労働行為ないんですよ。これやるのも郵政省なんです、管理者なんです。Uターン人事について、おまえは全逓脱退せいと言うのも管理者なんです。  労働組合は対等の関係と、大臣はそう思われると思うんです。今回の要求というのは、私は木島先生のように、全郵政とか全逓とかいうんじゃないんです。労働組合というのは社会的地位を確保し、社会的地位の向上を図り、職場の労働条件の維持、改善を図ると、法律的に憲法上もしっかり認められている、労使対等でと。そして今回出されているのは、人事上もいろいろ言うけれども、いままでずっと十年間やってきた問題だけです。そして、しかも常に主導的にとっているのは当局の郵政省の人たちから出てきた問題なんです。そこが肝心なんですよ。  そこで、その出てきた郵政省の経営責任として、内輪の問題をおさめも切らぬで国民に迷惑をかけるこの経営責任も一つある。そのおさめ切らぬという経営責任が、私はいまのような答弁では納得することはできません。私は、守住さん、あなたを初め関係の人にやめてもらいたいんだ。責任をとるというのはそういうことだよ。そして、二度と繰り返さないということですよ、こういうことを。大臣、来年もこんなことを繰り返したら大変なことになりますよ。  私は、大臣にお願いをしたいのは、大臣が言うように、責任を持って行政責任として全力を挙げて解決に努力する。それは当局側が出してきた内容に対する改善要求なんですから、全部当局の方の手がかかった内容なんだ。新しい要求で、賃上げで途方もない要求を出してというんなら別ですよ。これは、全部この項目。だから、そのことに出てきている問題についての改善措置を要求しているんじゃないですから。それがまとめ切らぬ、国民に迷惑をかけた経営責任は、それだけでも私は重大だと思う。しかも、中身はいま申し上げたようなこと。  私は、守住さんもう一回そこのところはっきり——下の方の幹部が、私は後ほど指摘をしますが、局長、課長がそういう不当労働行為をやったその責任も私は明らかにしてもらいたい。しかし、そういうことを管理をするのが管理責任者のあなたたちじゃないですか。郵政局であり、本省のあなたたちでしょう。あなたたちは不当労働行為をやっちゃいないと、こう言っている。あるいは差別をやっちゃいけぬと。ところが現実に出てくる。中には不当労働行為や差別にならない、あるいは類似行為があるかもしれません。  しかし、こういう問題が要求として出てきた場合に、いままでも十何年同じことが繰り返されてきたあなたたちの受け取る姿勢というのは、本当ならそれを受け取って、一件でも職場の中にそういうことがあるならまことに申しわけない、自分たちの責任だと、その改善のために全力を尽くしましょうという姿勢が出るのがあたりまえじゃないですか。そして二度と来年はこんなことは繰り返しませんと、お互いにそのことについて私どもも全力を尽くしましょうが、あなたたちの責任で明確にするのがいま今日国民にこたえる道じゃないでしょうか。大臣、いかがですか。そして守住さん、どうですか。はっきりしてください、そこを。
  219. 守住有信

    政府委員守住有信君) この要求自体は別といたしまして、先生指摘のいろんな確認がある、それが十分守られていない、特にその中で不当労働行為という事実の確定があるというふうなお尋ねでございます。  この不当労働行為につきましては、私ども責任を持ってこの根絶に努力をして徹底を図っていかなきゃいかぬ、このように考えておるところでございまして、また、こういう年末のようなやり方の対応ではなくて、もっと基本的に、あるいはまたもっと現実的な解決の仕方に向かって、私ども来年に向かって、もう今期年末になりますけれども、それに向かって一生懸命努力をしたい、このように考えておるわけでございます。
  220. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) いま人事局長からお答えいたしましたとおりでございますが、不当労働行為というふうなものはあってはならないというふうに考えておりますが、いろいろ組合側からも公労委に提訴されているというふうな問題もありますので、幸いに、案納委員初め皆様方からの御協力によりまして組合の幹部との話し合いの糸口もついたところで、せっかく一生懸命これは努力をして解決しようではないかと、お互いに反省すべきところは反省して、正しい話し合いの場をつくろうではないかということでいま一生懸命努力をいたしておりまして、御心配されるような、ことしの年末などにもそうした事態が起こらないようにと思いまして一生懸命努力をいたしておりますので、どうかひとつ時間をかしていただきたいと私はお願いをする次第であります。
  221. 案納勝

    案納勝君 大臣、それはだめです。それは国民に責任を持ったことにならぬでしょう。守住さん、不当労働行為は絶対に私はやらないと約束をしてもらうことだと思うんですよ。やっちゃならぬということはやらないことだ。あなたはおととい、国の法律を預っている郵政省ですとこう言われた。だからこれを完全に守らなきゃいかぬ、こう言われました。不当労働行為は国で禁止されている法律、そしてやっちゃいけない、絶対にやらない、こういうことを今日まで繰り返されてきている。私は六十五国会以来の議事録を持っているんです。ここにおられる中野先生の発言も載っています、衆参両院の。何回も繰り返されてきているんですね。  私は不当労働行為だけ言っているわけじゃありません。そしてしかも、ここに先輩議員がたくさんおられますが、いままで当委員会で何回も、郵政省の正常な運営を確保するため正常な労使関係の樹立について確認がなされていますよ。しかも、郵政審議会が昨年、今後の郵政事業について答申をしています。その中にもわざわざ実は労使の正常化、安定についてという要請がある。  守住さんに、私はいま大臣の答弁で納得できないというのは、こういう経過を経てきている郵政事業、そしてこの年末有史以来の混乱を起こし国民に迷惑をかける。そして全逓との話というのは内輪の話ですよ。あなたたちの言う「新しい管理者」じゃなくて、四十六年に出した、ここにありますが「労使関係の安定のために」という中にも労使の関係書いてあります。労使というのは内部においては対立があるけれども、しょせんは相関連をして協力をしていく間であり、パートナーシップだとか。  この労使の関係というものは外の国民に対する問題でないんでしょう。国民に対しては、郵便を国民の委託に応じて確実に配達していくことが、あるいは貯金は国民の福祉に利していくことが郵政事業の責任でしょう。その大混乱を起こしているあなたたちが常に労働組合の責任に転嫁していく。しかも、内容たるや、従来から、十年来の問題、毎年やってきた問題。ことさら特別に新しい問題じゃない。しかも中身は、省側が常に前に出てきて手をかけた問題ばかり。完全に守ってください約束を、と言うのは組合の方だ。だとすると、経営責任としてあなたたちがいままで守ってこられなかった事件が幾つかある。長崎県のが全部じゃないかもしれない。そのこと一つとっても責任はあなたたちがとるべきだと思う。  大臣は、来年はもう二度とこんなことは繰り返しません、内輪の問題は全力を挙げて取り組みますという約束をここで国民にするのが当然じゃないですか。行政責任であり管理責任のとり方じゃないですか、それが。来年は努力しますで、来年もだめでしたとなったらどうなるんですか。国民にどうやって顔向けるんですか。私は全く情けない。大臣、明確にお答えしてください。
  222. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) これは御指摘のとおり、私は、ことしの年末にまたああしたことが起こっては大変だということを先ほども申し上げ、それがないようにということでいま努力をしている最中だということを申し上げたわけでありますが、何を申しましても、これは職員の一人一人がやはりその気になっていただかなければ解決できない問題でありまして、大臣一人が、あるいはアルバイトの人たちが手伝って解決できるという、そういうふうな問題ではないわけでありますから、労使双方が十分話し合いをして納得し合って、そうして解決をしていく以外にはないと考えておりますので、いまその努力をしている最中でありますということを申してお願いをいたしたわけでありますから、そのように御理解をして御了解をいただきたいと思います。
  223. 案納勝

    案納勝君 大臣、私は大変大臣を尊敬をしているんです。私の尊敬する小澤先生ここにおられますが、十二月の段階でも、もうしばらく待ってくれ、あるいは大臣は政治決断をされる、政治家として。あるいは早期に事態の解決のために努力をされているのをしばらく見守ろうという、そういう意味で年末の段階当時にも要請もし、各委員の先生方の協力も得てきました。  私は大臣、政治家として大臣に——決して大臣に厳しく言っているんじゃないんです。国政を預かる政治家としてこのような事態を二度と繰り返すことはできない。私は、その政治責任を持って政治家としての責任の上で大臣が指導する、その誠意が組合にも伝わる、そのことによって私は両方とも第一線に働いている、郵便を配っているのは全逓の組合員ですよ、保険、貯金やっているのも組合員ですよ。いやこれは三十万の組織ある職場の中の職員の中で三分の二です。しかし、同じように第一線で働いている労働者の人たちなんです。  大臣、私は大臣を責めているわけじゃない。私も国会に籍を置く、端に一人として籍を置いているとしても、政治家の責任として私は大臣にその決意を明確にしていただきたい、ひとつ大臣の答弁を。
  224. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 先ほども申し上げましたように、いま案納委員からお話しのとおり、全逓の職員は郵政従業員の三分の二の数を占める大多数の勢力でございますから、そうした諸君の力をかりなければ、御指摘のとおり私どもが幾らがんばってみてもこれは解決できる問題ではないことは私も百も承知をいたしておるわけでありますから、双方話し合って、話し合いをして、そうして物事の解決をし、同時に今後再びこうしたことが起こらないようにということを一生懸命念じながらこの解決に当たっているということを私は申し上げておるわけでありますから、ほかに他意はないのでありますから、御理解をしていただきたいとお願いをする次第であります。
  225. 案納勝

    案納勝君 弱りましたね。大臣、無理ないでしょう、私の言っているの。大臣、いかがですか。国政を預かり、そして当委員会としては所管委員会です、ここは。そして、しかも真剣に今日まで郵便事業のあり方についてお互いに知恵を出し合って討議をしてきた。そこで、たとえ内輪の話にして、内輪の対立や内輪の問題かあったにしても、国民に今日のような多大な迷惑をかけることがあってはならないことなんですね。しかも、二度と有史以来のことは繰り返すことはできない問題だ。  大臣の気持ちはわかります。わかりますが大臣、私は大臣としては二度とこういうことは繰り返さない、そのために私も率先をして事務当局に、そして組合にも会って事態の解決に全力を尽くしますという答えが出てくるのが当然ではないでしょうか。私は意図を持って言っているのじゃないです、このことは。大臣、私も郵政事業の中に私の青春もささげたのです。この間も言いましたけれども、私のきょうだいとも郵政事業に。おやじもそうだったんです。  それだけに、ある意味じゃ今日の事態というのを、その一人の職員で青春をささげた一人として、いても立ってもおられないという感じですよ。国民に申しわけない。みんなが本当に気持ちよく働ける職場と、そして国民の負託にこたえることがお互いの責任でしょう。だから、大臣に私はそのことを申し上げているのです。もう二度と繰り返しちゃいかぬ、そのため大臣は全力を尽くす、それは労使双方に対しても、大臣として。私たちもそのために努力をしましょう、そのことを私は大臣、ここで国民にはっきり言っていただきたい。私言っているのは間違いですか、間違いなら間違いと言っていただきたい。大臣、いかがですか。
  226. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) いや、間違いとか間違いでないとかと申しておるわけではありませんが、おっしゃることが、また私がお答えしていることも同じだというように、私はそんな気がして承っておるわけでありますが、これは不当労働行為などというものはあってはならない、また、あるはずはないというふうなことを前提にして私はお話ししておるわけですが、そのことはそのことといたしまして、これは三十二万の郵政の職員の中の出来事でありますから、これは労使双方がやっぱり仲よく、信頼して話し合って、そして解決していかなければ、せっかく案納委員が心配しているようなことは、私が心配しているようなことと同じですから、それがないようにするためにはせっかく話し合いを進めておりますから、少し時間をかしていただきたい。  しかも、話し合いの糸口がついて、だんだん環境的な問題やいろんな問題が一つ一つほどけてきているというふうに私も承っておりますから、また十分案納委員もそのことは恐らく承知しておられると思いますから、私は時間をかしていただきたいということをお願いをいたしておるわけであります。
  227. 案納勝

    案納勝君 大臣、私が先ほどから言っている両者の話し合いというのは、いまそれぞれ問題、課題について入ることになっているわけですよね。だから、私はそれはそれで、そんな労使のことについて、とかくじゃあこの問題はなんていま言ってないんですよ。私がいままで言ってきたのは、今日の事態を招いたのは従来十何年の問題についての中身じゃないか。毎年十二月の十四日なら十四日片をつけ、歩み寄りをしてきたんじゃないか。  それなのに、ことさらことしになってこういう事態を招いてきたその責任は、管理運営をする管理の責任にあるんじゃないかと、それは。その責任は常に管理者の側から出てきた問題ばかりじゃないですかと。これはこれで、いまのところ私は触れてない。これは労使で今後詰めることですよ。それよりも行政責任として、国民から郵政事業を預かっているあなたとして、二度とこんなことを繰り返さないためにも私は全力を尽くして、当局にも組合にも努力をしますということがなぜ言えないかと言うんです。私は二度とこういうことをしませんと、年末はさせないと。これが国民に対する約束じゃないでしょうか。
  228. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 言えとおっしゃれば言いますというやけくその答弁はするつもりはございません。ありませんが、やっぱり実際にそういうような結果が出るわけですから、年末になって。それが出ないように私も一生懸命努力してみますということを私は言っているわけですから、組合の幹部と会うこともやりましょう、また、御指摘のようなこともいろいろと相談の過程で話が出てくればそれも解決する方向でやりましょうということを私は言っているわけですから、頭のいい案納委員が御理解がいただけないというのはまことに遺憾だと私は思うわけですから、これで御理解をいただきたいと思います。
  229. 案納勝

    案納勝君 時間はとれないけれども、こればかりに。ただ、私は納得できないんですよ。あなたの言葉の裏には、努力しましたがだめでした、国民にまた迷惑をかけましたとなりかねないんですよ。(「対等の相手だ」と呼ぶ者あり)それは先ほど沓脱さんも指摘をされたんですよ。要するに、あなた方の言われるのは、それじゃね、対等の相手だといまやじが出ていました。対等の相手で話をする、確かに。しかし、両者とも郵政事業を預かっている人でしょう。  それて郵政お互いにもう——しかも、郵便を配っている人たち。この間私が行きましたら、確かにそれはね、みんな職場、郵便を配っていって一般の国民の人から、何でこんな遅くなるんだと文句を言われるのは一般の組合員の人たちです。いや、実はこうだと言っても、そんな話は聞くんじゃない。まず郵政省の郵便を何で——それは当局も悪い、あんたたちも悪いと、こうなるでしょう。  ぼくはね、私が言っているのは、それはいずれにしても両者の間で話をして詰めにゃいかぬが、国民にそういう迷惑をかけているのは、郵政事業を預かっている行政責任を持っている大臣じゃないですか、管理責任を持っている側じゃないですか。そうしたら、私どもは誠意をもって今回に続いて二度と国民には繰り返さない、内輪の問題ですから。さらに、このことについてそのために全力を尽くしますと、まずなぜ言えないか。大臣の言うのは、私はね、それがなぜ言えないかわからない。私は、こんなことばかり繰り返してここでやり取りしても余り意味はありませんが、しかし大臣ね、私は真剣に言っているんですよ、そこのところ。なぜ国民に言えないかというんだ。来年はもう絶対こんなことさせませんと、しませんと、その立場で努力をしなさいよ、それで。
  230. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) これは、こんなことを言っては申しわけないですが、私がこの年末まで大臣でいるかどうかというようなことは、恐らくこれはわからないことです。そこで、私が、今度は代がかわりますと、また前の大臣はこんなこと約束しているじゃないかと責められても申しわけない。したがって、そういうようなことが、私が在任中に国民の皆様方にも御迷惑をかけないように、そうしてせっかくいままで委員長を初め委員の各位が御協力をしていただいたわけですから、一生懸命私も努力して、そういうような結果にならないように私も一生懸命がんばりますということを私が申し上げておるのがどうもおわかりにならないということになりますと、なかなかこれは——私の表現か悪いのかどうかわかりませんか、御理解をしていただきたいと思うわけであります。
  231. 案納勝

    案納勝君 私はね、大臣、このままだと、これ以上詰められないですよ。  それで私は、もう一回その前に守住さんに聞きます。先ほど私が言いましたね。管理責任、しかもいままでの中身についてもどう考えておられるのかですね。それは現場のしっぽ切りだったらこれは大変なことになりますが、トカゲのしっぽ切りじゃなくて、私はこれは公式な、しかも国民の立場で申し上げているんです。しかも、それには国民だってね、それなりに十分にいまの事態というのわかった上だと思うんですよ。私は、一切の管理責任をどう感じておられるのか。不当労働行為は法律を守るという。守るのが当然です。守るあなたたちは不当労働行為やっちゃいかぬと、こうなっている。そういうものはやらないという立場を明確にすることが私は大事だと思いますよ。  その辺は守住さん、どういうふうに管理責任としてお考えになりますか。ぼくは守住さんだけを責めているんじゃない。郵政省の次官以下全部責任があると思う、今度は。そのことを言っているんです。だから守住さんの答弁を……。
  232. 守住有信

    政府委員守住有信君) 私、労使交渉の一方の当事者でございますので、先ほども申し上げておりましたように、いろいろむずかしい問題はあったにしろ、この年末年始まとめ切れなかったと、こういうことにつきましては、国民の皆様にその結果御迷惑をおかけしたということを非常に残念、申しわけなく思っておるわけでございます。  ただ、私の気持ちを申し上げますと、やはり労使の関係は公労法下で律せられておるわけでございますので、第一条に定めるように、正常な状態で、業務の運行に支障のない状態で、労使間のルールに従って、そして理解し合う。もちろんお尋ねの不当労働行為、これはあってはならぬことでございますので、これは管理者側の一方的な責任でございますが、他方労使間で、不当労働行為はさておきましても、十分共通の認識、理解を持って今後の労使間の正常化のために努力をしていく、公労法のルールのもとで努力をしていく、こういう考え方でおるわけでございます。
  233. 案納勝

    案納勝君 努力をするって、あなたは、どうもはっきりいま答弁わかりませんが、あってはならないというんじゃなくて、やってはいけないと、こう理解していいですね。
  234. 守住有信

    政府委員守住有信君) 不当労働行為につきましては、やってはいけないことでございます。
  235. 案納勝

    案納勝君 管理責任についてもう一回お尋ねします。どういうふうにお考えですか。
  236. 守住有信

    政府委員守住有信君) 管理責任もいまいろんな面があるわけでございますが、私先ほど申し上げましたように、交渉の一方の当事者として十分な解決が図れなかった、むずかしい問題はあったにしても、結果として図れなかったということは、国民の皆さんに対して申しわけないと、こういう感じで、立場でおるわけでございます。
  237. 案納勝

    案納勝君 それは、申しわけないと、おわびだけで済む問題じゃないんです。私は、申しわけないと言うよりか、それについて、こういう事態を招いた管理責任というものについて、みずから明確に感じる、そういう立場で、私は、今後の郵政事業運営なり、郵政事業全体について見ていくということが大事じゃないですか。一方の立場でというよりか、私はこれはね、先ほども言うように、労使が賃上げ問題なり何らかの問題について、全くの対立の状態でというならまた話は違うと言うんです。双方の責任もあるでしょう。しかし、今日までに毎回約束し歩み寄り、話し合いをして妥結をしてきた毎年の繰り返しの問題が守られていないということで起こった問題でしょう。新しい問題じゃない。そうすると、なぜ守られない、しかも約七千件、五十三件と。  後ほど私はそれは組合の指摘は、裏指導が行われているんじゃないか、表は表で。事実行われていますね。そんなことについて、しかも差別が、現実にこの約束が守られていないことで起こってきた責任は、守らなくちゃならない側の責任じゃないですか。その上で、それが、しかもその責任にありながらまとめられない。管理責任にありながら、それがおさめることができない。私は守住さんだけの責任だと言っているんじゃない。次官以下全体の責任だ。全局長クラスの責任だ、その責任を明確にしてくださいと、こう言っているんです。もう一回答弁してください。
  238. 守住有信

    政府委員守住有信君) 団体交渉交渉事はやはり相対でございますので、なかなかお互いに妥協ができないような性質の問題になりますと、経済問題等はいろいろなあれがあろうと思いますが、なかなかできないとなりますと、これを一方的に私の方だけという交渉のまとめということではそういう面があると思いますが、しかし、まあいずれにしても業務運行の乱れ、これは組合の違法行為もあったわけでございますけれども、最終的には私どもの方にも一半の責任がある、こういうふうに考えておるわけでございます。
  239. 案納勝

    案納勝君 責任があるといま言われましたね。私はね、多く言わなくてもいい、ぐずぐず言う必要はないと思う。私は大臣ね、大臣の先ほどの答弁ではね、来年もまたこんなことが続くということになると、大変心配なんです。大臣が七月あるいは十月になるか、解散になって、内閣改造になるかどうかしりませんよ。いまは大臣はやっぱり郵政省の将来に向かって対処をしていかなくちゃならない最高の責任者ですよ。私は、大臣が仮に現実にやめられても、やはりその意味お互いに努力し合うというのが、これがお互い政治家の仲間じゃないでしょうか。  だから、私は部内問題であるだけに、しかもこんなことを繰り返すことはもう二度と許されないだけに、国民にも。大臣もその気持ちで、その体制をきちっと約束を国民にして、お互いに努力するということかいま郵政事業にとって——これは単に国民が聞いていると同時に、あなたたちの管理者も組合も聞いておるわけですよ。そういう立場に立って今回の事態を解決するのが、あなたが言う行政の責任をとることじゃないですか。  ここに年末にかけて各新聞社の論説がずっとあります。謝ることが、おわびをすることがそれが実際の責任を果たしたことにならぬ、こうあるんです。私はいま、この際郵政省、大臣を含めて、これはもちろん相手もあるでしょう。そうして、いままでの長い歴史の中で、今日までこういう陰湿な関係が続いてくる。これ以上続けてはいけない、二度と繰り返して国民に迷惑をかけないという、その意味で本当に腹を据えてその決断をするときじゃないでしょうか、郵政事業のために。郵便はどうなるのですか。私はこのままだったらもう今国会について協力できませんよ。郵政事業の今後について協力できないですよ、こんなのでは。国民に対して何と言うのですか。  国会の皆さんが一生懸命審議をしているのに、わかりません、来年のために努力しますがと、こう言う。この場を通じてあなたは組合にも国民にも、そのことについて協力してやろうじゃないかとなぜ言えないのですか。私はこれ以上、それはここに守住さん、あなたたちが裏指導をやってきたやつがたくさんありますよ。だからそのことを、私はいまこの問題について大臣以下、当局の大臣が国民に約束できないようでは審議進められませんよ。今後の郵政省の今国会について私、協力できませんよ。その点を大臣、これは大変厳しい言い方をしているわけじゃない、本当にお互いに責任を感じるからそう言っているんです。
  240. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) 私の言い方がまずいのかどうかしれませんけれども、これは私の気持ちといたしますれば、十分私の方の担当の諸君にも、また組合の諸君にも理解を得られるように、また何回でもお会いした方がいいということでありますれば会って、そして解決の努力をして、二度とこういうふうな事態が起こらないようにします。私はそのことを考えて申し上げておったわけでありますから御理解をしていただきたいと思います。
  241. 案納勝

    案納勝君 わかりました。それじゃいま言われた、二度とこういう事態起こらないようにしますと、いま大臣も言われ、そのことを考えてお答えをしていたと、こう言われました。そのことについて、それを大臣の真意として、二度とこういう事態が起こらないようにする。こういうことで私どもお互い郵政事業、しかも所管委員会として全力を尽くす、こういうことについて大臣の御見解を一応確認をさしていただきたいと思います。よろしいですね。
  242. 白浜仁吉

    ○国務大臣(白浜仁吉君) はい。
  243. 案納勝

    案納勝君 そこで、大臣というよりか人事局長お尋ねをします。  不当労働行為はしない、また、絶対にやってはならない、こういうふうにいま答弁をされた。今回問題になっている事態についての認識ですが、人事局長ね、今日の事態というものについてきちんと実際問題として事実確認を一つしておきたいんです。郵政省は今日こういう紛争が起こった最大の原因は、私はこういう言葉を使うのは適切かどうかわかりませんが、壮大な郵政労使の相互不信が存在をしている、こういうふうに理解をします。人事局長はどういうふうにお考えになりますか。
  244. 守住有信

    政府委員守住有信君) やはり労使間に相互の不信が、表面は二、三年安定しておりましたけれども、現場の中で不信があったと、このように認識いたしております。
  245. 案納勝

    案納勝君 その現場の中で不信があったということについての具体的なあらわれとして、七千件と言われる不当労働行為もしくは介入、あるいは昇任、昇格、差別、こういう問題が指摘をされていることについては御存じですか。
  246. 守住有信

    政府委員守住有信君) 七千件と直に結びつくかどうかは別であると思いますけれども、一方で労働組合のいろいろ幹部の諸君の話、主張を聞いておりますと、私、そう感じておる次第でございます。
  247. 案納勝

    案納勝君 これは五十三件の問題の公労委提訴も含めますがね。あわせて沖繩の管理事務所長新見さんの発言は、あなたはどういうふうに受けとめるか。
  248. 守住有信

    政府委員守住有信君) 沖繩の元管理事務所長のことに関しましては、本人自身がかつて交渉委員でもあったというふうなことの中からの自分の全逓との労使関係の中での体験、そういうものが気持ちの中にあったと思います。また、沖繩における年末年始という状況、非常に郵便の混乱という状況を前に置いて、沖繩の管理事務所の職員と現場の応援という問題も問題意識の中にあったと思います。しかし、いずれにいたしましても、何と申しますか、時、場所と申しますか、そういう場所としてはその発言の中にいろいろ気持ちは入っておりますけれども、一部にそういう意味で、TPOという意味でふさわしくない発言があった、このように受けとめまして、私といたしましても遺憾の意を全逓にも表して、何と申しますか注意処分にも——これは大臣の直接のあれてございますけれどもされたと、こういうことでございます。
  249. 案納勝

    案納勝君 これは当局の管理者の皆さんの本心をあらわした中身じゃないでしょうか。相互不信の中の一つの本心をあらわしたんじゃないですか、そういうふうにとれませんか。
  250. 守住有信

    政府委員守住有信君) 必ずしもそういう本心というふうに見てはおらないわけでございますが、話しておるうちに、まあいろんな歴史的ないきさつの中から、自分の何と申しますか、かつて労使関係が非常に信頼、安定しておったのに、この年末非常に混乱状態になったわけでございますので、その混乱状態の中での自分の気持ちが、場所柄をわきまえず一部不適当なところがあった、このように見ておるわけでございます。
  251. 案納勝

    案納勝君 これは余りやってもあれですが、これは、要するに私が指摘をしたのは七千件、五十三件、公労委にです。先ほどから冒頭申し上げておりましたように、従来の確認が守られない、そのことによって不当労働行為、あるいは類似行為、あるいは人事差別、昇任、昇格、Uターン、人権問題等がこんなに出てきた。そしてあわせて、反対に新見発言に見られるようなそういう相互の不信感というものが今日郵政事業の中にあることについて、私は事実関係として明確にしておかなきゃいけないと思って質問したわけです。  そこで、私は大臣に、よく労働組合が準備なしに、全逓が準備なしに今回唐突として要求が出された、こういうふうに言われている。このことについても私は少し理解をしていってもらいたいと思うんです。全逓の組織といいますか、労働組合の組織にとっても、本来第一線になって国民の負託にこたえてやる人たちであります。その人たちが、あなたも知っているように、有史以来、結成以来、年末を越して今日の事態を迎えたというのはいまだかつてない状態だと思うんですね。  そして、これだけ私は、この年末年始について、私自身も国政を預かる末端の一人として、しかも逓信委員会の一人として、職場の実情というのを見て歩きました。その中で、組合側から言わせると、今日ほど盛り上がった時期はこの二、三年ない。このことはもう否定できないわけです。郵政省は、なぜこういうふうに盛り上がったかというふうに、このことについてどういうふうに判断をされているのか。私は、このことをしっかり見きわめていただかなくちゃいかぬ。たとえばことしの、これだけ年を越して、いまだかつてない状態なんです。  たとえば守住さん御存じかもしれませんが、三十三年の団交再開という闘いがありました。これは一つの、今日を招いた根っこになっています。一年八カ月、あるいは一年じゅう長期にわたって、年末結んだときありますが、三六協定を結ばずに実はきたことがある。年末になって三六を結びました。このときは、あの三十三年のときは地方の段階で、いうところの三六を結ぶという、独自で結んでいくところがばらばらばらばら出てきた。そのこともあって三六をあのときは全体で結んだんですね。今度の場合はそういうところは全く出てこない。  あわせて、先ほどから木島先生からお話がありましたが、年末繁忙手当はもらっていませんね、大部分の全逓の人は。過半数の組織や、全郵政にあって、そして三六を結んでその中で仕事をしているのを別にして、ほとんどの全逓の組合員はもらっていない。約十万円ぐらいありますよ。しかし、金一銭をくれ、もらってくれという声が一言も出てこない、地方から。これは大臣、要するに金の問題じゃない。ある人は魂の問題だと、こう言う人もいます。いや、私のところに北海道の退職者の人から手紙が来ました。案納さんがんばってくれと、国会で何とかただしてくれと。それはおれたちが局におるときに実はこんなのをいやというほど感じてきたんだ、差別を。だから、今度はそういうことが二度と後輩の中にないようにしてくれという手紙が来ました。私は、この辺についての郵政省の理解というのがされないと問題の本質というのを見誤ると思います。  確かに先ほど指摘をされました、木島先生から、これも。中断になって、そのあとどうなっているのだ、こう言われました。三六協定というのは事業所で結ぶんです。しかも、あの中断の中における公労委とのあっせんの中でも、問題について前向きに職場段階で、全体の職場の人たちが三六を結んでいけるような雰囲気にならなけりゃ結べない。その三六締結権は現場段階にあるわけですから、道義的には中央の統一指導になるとしても。だから、結ばれないところも出たことは間違いありません。しかし、結ばれないところが出たというのは、いや、もっと問題の解決ができないからということで結ばれない状態が出たのであって、要するに、気分的にはもうこの問題をしっかり解決をしてもらわなければならぬという空気の方が強いからこういう状態になった。  このことを私は省側が、本当にこの今度出されてきている問題について、十二項目なり二十九項目の問題の中身について、郵政省にいままでお互いに歩み寄って決めてきたことを守ってくれという、守るべきだという要求がどれだけ職場に強いのか、そのことを物語るぼくは実証だと思います。私はその点について人事局長はどういうふうに考えられておるのか、どう理解をされて今回の年末対処をされたのか、今後どう対処をしようとするのか、ひとつお聞かせをいただきたい。
  252. 守住有信

    政府委員守住有信君) 今回の紛争、闘争の原因、また現場での闘争が非常に熾烈、あるいは継続的であったと、まずそういう角度からどう受けとめておるかということでございますけれども、いろいろ新聞社説その他、評論家の先生方等々から話が出ておりますけれども、私も労使の一方の当事者でございますし、どういう意見がどう当たっておるのか、また、先ほど案納先生からも、こういう実態、見方について受けとめよという意味も含めてのお尋ねであろうと思いますが、そういう点を考えました場合、一方の当事者としてなかなかどうだと言えない立場にあるわけでございますけれども、また、私もいろんな先生方のお話なり、いろんな現場の管理者なり組合のまた話、いろんな各界からの意見等々参考にしながら、今後のための労使の正常化ということについて判断の一つの総合的な基盤といいますか、要素に入れていきたい、このように考えておる次第でございます。
  253. 案納勝

    案納勝君 そこで、そのことをしっかりひとつ踏まえて事態の解決というものについて踏み出していただきたいと思うのです。  あわせて、私は時間の関係で取り急いでいきますが、今日のこういう事態を招いた原因というのは、郵政省が今日まで約束をしたことを守らなかったということを私は先ほどからしばしば申し上げた。それに関連をして一、二お尋ねをいたします。  郵政省は、労使はパートナーだと、相互不信をなくしてと、そういう違反をするようなことはやってないと、こういうことを言われています。しかしながら、ここでお尋ねしたいのは、五十三年九月二十六日から十月六日まで新任管理者訓練というのがあります。この新任管理者訓練について、私中身についてお尋ねします。仙台郵政研修所での資料をいただきました。「労務管理の基本労使関係のルール 法令上の諸問題 職場の秩序の維持 職場管理のあり方 事業の現状と問題点  同和研修」、こういうのが訓練項目です。こう指摘をされています。  そこでお尋ねをしますが、訓練についてこの前の一二・一四の確認がありますね。この中でお互いにこういう確認をしました。訓練について省の実施している訓練は事業経営上必要に基づいて行っているものであり、組合対策を目的として行っているものではない。訓練生の選考については一二・一四確認にあるように所属組合の差別を行ってはならないものであり、また訓練内容も労働運動を否定したり全逓を敵視するようなものであってはならないと考えている。こういうふうにお答えをいただいていますが、間違いありませんね。りっぱな内容だと思う。
  254. 守住有信

    政府委員守住有信君) おおむね間違いございません。
  255. 案納勝

    案納勝君 間違いないですね。
  256. 守住有信

    政府委員守住有信君) はい。
  257. 案納勝

    案納勝君 ところで、この新管理者訓練ですが、こういうことが、これはおとといの日に坂倉委員からも指摘をされていますが、私がお尋ねをしたいのは、人事部管理課長の「労使関係のあり方」についてという話であります。力と力ではだめだ、コミニュケーションを通じて安定へ。管理者になったからには郵政労使関係の安定が必要だ、そのために努力をせいと、こういう言い方でしょう、安定。こう言っているが、ここに線が引かれている。きれいな言葉だが裏があると。私は全然力と力の対決では不毛の闘争しかない。コミュニケーションを通じてお互いにその辺労使の意思疎通を図って安定をしていく、これはりっぱなことだ。管理者になったら郵政の労使関係の安定に努力をする。これもりっぱだと思います、言われていることは。ところがその後で、きれいな言葉だが裏がある。裏とは何か。省ペースか全逓ペースか、ルール運用は省ペースで。もっともこれは私もようわかりません。ルールの運用は組合対策より職員対策。これはルール上組合対策、職員対策ってあるんですか。  そして、続いていきますよ。これは人管の補佐、名前はおととい坂倉委員が……。「新コミニケーションルール」。管理者を説明員として出す場合、組合からの要望ではだめだ、こちらから同意を求める。記録者、一応いなくともいいではないかということで断ること。これは全く親切にして、もう新コミュニケーションルールのお互いの話と全く逆な話が出てきておる。  「懲戒処分上の問題点」、的をしぼって三人ぐらい目をつけて行うこと。どこの局でもその核を取り除くこと。交通規則でも赤信号のことでつかまった例があるが、つかまった者が悪い。目をつけられた人は運が悪いという意味だ。証拠を十分に、処分をするに当たって。でっち上げのときはどうしても穴が出る。書く場合は庶務課長が各人のメモにより、ストーリーをつくる。それに基づいて各人が書くというんです、ストーリーをつくってね。きょうは現認してやろう、処分してやろうという気持ちで書くというんです。これはどうも……。  それからまだまだあります。「月曜日の年休について」、「局長が不承認した。組合員は労基局に走った。局長が呼ばれて労基局から是正させられた。〃部外にはことばをきをつけろ〃」、これは「(局長が)月曜日は年休をくれない(と労基局で説明したからだ)」と、まあかっこして書いてある。これはこのとおり、これはいずれはっきりなりますが……。  この裏があるとか、こういう指導が郵政局の人管課長や考査係長によって行われるということは、今日までの労使間の信頼ルールをつくってきたこととどういう関係になるんですか、守住さん。ここに不信感があり、今日の事態を招いている一つの証拠ということじゃありませんか。私はもう全部——さっき沓脱先生がいっぱい申されましたが、一つ一つずつきょうは言う気はありません。あなたはそれで責任ないと言えますか。  もっとありますよ。たとえば今回の協議ルールの問題で、暫定ルールの問題ですよ。これは私が四十五年、全逓の中におったときに北さんと四十五年の一二・一四、そして四十六年、暫定ルールという、協議ルールというのをいまの暫定ルールの前に私は確認したことがあります。それで暫定ルールになってきた。先ほど将来の展望を見定めて六・三最高裁判決を受けていこうと、こういう話がついた。  ところが、続いて実行の段階で、私はきょうもらいましたが、この中に要求準交について抜けている。要求準交についてお互いに話したことと違うことを、締めつけを事務連絡、事務指導で行う、それは知ってはるでしょう。私のところに資料があるんだ。きょうそれを正式によこしなさいと言ったら、実はそこのところないんです。これまた裏指導というのはどういうことでしょうか。これは大臣ね、私は先ほどから申し上げて、大臣のところで先ほど引っかかって時間が中途半端になりそうなんですが、いまのような裏指導、表と裏の指導が公然と行われるというところに、何で労使の信頼関係やコミュニケーションが生まれますか。  私はもう一点指摘をしておきます。これはたくさんある中で一つですが、これは噴飯物ですよ。成相さんが言われたように子供のけんかだ。これは陸前高田局の話です。これは読むと大変なものなんです。どこからいきますかね。「庶務会計室五月二日」労務連絡官、「皆さんもご承知のとおり、出勤簿押印と、更衣の問題で注意していますが、時間内に出勤簿を押印して、出勤したら直ちに取り上げる。私が居ない場合は西条主任の方でやって下さい。」これはまあいいです。これは関係があるから読んでいるんです。  「五月四日 九時二分」「朝郵便課で代理の指示に従わないで自分勝手な仕事をした人が居た。(清水君のことらしい)管理者がやれる範囲の業務指示をする人であるから指示に従わなければならない。庶務会計の出勤簿の押印は、今朝は遅い人で一〜四十秒おそく押した。三十分に引き上げようと思ったが、皆さんと顔を合わせたら情が移って取りあげなかった。土曜日から八時半きっかりに取り上げる。つかない所は庶務だけだ、押さなくてもいいと言うことはないから……。」。  代理が同じ。「貯保の部屋では全員八時三十分に押していた。私が確認した。八時半に出勤したあかしとしてつくんだから、八時三十分までには必らず押すように。この間私は、たまたま八時四十二分十秒に押したが、私は出勤して来た時から局長の命令で別な業務に入っていた。たまたまそうゆう事もあるが押さない前に管理者等から話しかけられたりして遅れた場合は遠慮なく申し出て下さい。」  まあここまではまだまだですが、「五月十五日一時五十分」「今朝ミーテングをやらなかったので只今からやります。けさの出勤簿の押印が完全に押印されたと両主任から申し出がありましたので——八時半過ぎたら押す必要がない。代理にそめいをして押していただく。」。これは八時半過ぎたら押すなと、こういうことです。  「当課の出勤簿押印について、テレビを見ている等悪意には解釈出来ないので、或る何等かの団体からの指示によるものであれば、組合からの指示か、私が、約二年間教えている。それでもわからないとあれば命令だけだ。納得出来なくとも私の命令に従ってもらいたい。佐藤代理が勝手に言っているわけでないので、就業規則を調べて見ればわかるはずです。上司の命令には従わなければならない最低条件だ。そうゆう点で法無視で成田空港をこわしたのと同じだ。エスカレートして悪意に解釈すれば、モロ事件、国家秩序を犯したことになる。四名〜二名注意処分、従わない場合は注意処分をくり返してゆく。何等かの指示があった場合、なくとも私の命令には従ってもらいたい。成田事件犯人のようにふく面して他人の家をこわし、もくひ権を使い日本国民全員にうたがいをかけられ、皆に迷惑をかけた。堂々とやるんならまだ勇気あると言えるが、今言った私の理論がおかしいと思ったら申し出て下さい。陰でこそこそ言うのは覆面すると同じだから、今こそ申し出ること。」、何でここに成田事件が出てくるんですか。八時半に出勤簿を押すか押さないかということで。  そこで、貯金保険の外務で、五月六日ですが、「及川さん来週いっぱい休暇。外務打ち合せ会、保険打ち合せ 郵外について、出勤簿一せい押印、八時三十分になったら、出勤簿引き上げる」、これは代理が言っているんだ。「八時三十分前につく必要ないという人は訓練をする必要がある。局長室に呼んで指導する。今日は十秒ぐらいおくれているのが十名ぐらいいる。働らく意志がない。三六の中央協約は結ばれているが、当局はまだ結ばれていない。」、この十秒の出勤簿の押印について、これはどういうことなんです。  これは私が一連に申し上げればもっとひどいんですが、時間がありませんから……。賃金カット〇・〇一秒ですね。これはまあ全く、こういうことが職場の中で、今日郵政の中で行われ、そして注意処分が出される。命令と服従しかない。しかも、このモロ事件や何かが何でこの押印の関係で出てくるんです。こんなことが一体郵政の職場にあるとするなら、先ほど、この間言われた子供のけんかもいいところ、子供のけんか以上です。私は大変な職場だと。カニ工船であり、それこそまさに奴隷部屋ですよ。人格も何も全くないですよ。十秒、二十秒ですよ。その人の時計は正確なのか知りませんよ。カーンといって十秒と、こうすればわかるかもしれぬけれど、一分や二分違うのあたりまえじゃないですか。私はきょうこう申し上げましたが、人事局長ね、ここで不信感が生まれないというようなことが私はない方がおかしい。これは出過ぎ行き過ぎじゃない。  それからきょう、今回もう一つ指摘をしておきます。もう時間がありませんからこれで終わりますが、東京郵政局であなたたちは体にさわったら処分だ、こう言っています、管理者は。そして暴力行為があった、暴力行為があったと。これは同じ陸前高田の問題でもそうです。これはもう少し私の方も調べますから。この東京の中野で、中野の第一集配課長国重という人おります。十二月十六日職員に対する暴行傷害で、これはひじで突いて倒したというんですね。いま警察で調べている。ところが、この人はいままで板橋、板橋北の前任局で同じような事件が繰り返されている。そして交渉の席上で陳謝、謝罪をした。前科がある、前科といったら言葉悪いですが、前の繰り返しがある。ところがですね、こんなことを職員がやったら、これはまた即刻処分です、即刻告発です、告訴です。ところが、この人は郵政局長表彰を二月の十七日帝国ホテルで受けているんですね。片っ方てこういう暴力か——暴力はいけないとお互いに言っています。ところが、こういうことをやった管理者の場合は、あっても局長表彰が行われる。これ、職場の人は何と受け取りますか。私はこういう関係というのは、ここにたくさんあります。きょうは私はこの程度にとどめます。  それで守住さん、これらについて、こういうものをなくして、そして労使の安定、正常を図ろうとして今日まで一二・一四を初め毎年確認をしてきたはずである。それらは膨大な資料で郵人管何号ですか、これ。郵人管九〇号以来というのはずっと、これ四十一年五月二十四日出されてきた。ところが、さっぱり中身が変わってない。そこで、今度の年末は、先ほど言うように労使が本当に信頼ができる職場づくりというのを、人間として尊厳を認める、こういうものをお互い認め合っていくということを努力をしようじゃないかということでお互いに確認をしてきたのが守れないところに今日の事態があるわけです。これは郵政事業郵政省だけ。だから言われる。私が十一月十七日言ったように三公社並みに、ほかの五現業並み。それしか求めてないじゃないかと、全逓は。あなたにそう言ったはずです。その点についてどう思われますか。守られていないこういう事実について。先ほどからの一連について答えてください。
  258. 守住有信

    政府委員守住有信君) 先生の御指摘の幾つかの点、まだ正確じゃございませんけれども、私どもの方も調べておりますけれども、たとえて申しますれば、最後の方から申し上げますと、あれは中野でございましたか、たしかあそこの課長、集団抗議の中で押されまして、押されながら区分だなが動いて、そしてよろめいて足が上がったのに職員と申しますか、全逓組合員の足に当たった。これは告訴を受けておりますけれども、実はそういう実情、事情、背景があるということだけを申し上げておきます。  それから陸前高田の問題も調べたわけでございますが、これは御承知のとおり朝の出勤時刻、勤務管理ということで、ひとついろいろ慣行があったけれども、定刻にそろうように、いま出ておりますのは、ある代理の発言だけが出ておりますが……
  259. 案納勝

    案納勝君 そんなことないよ。きょうは時間がないからね……。
  260. 守住有信

    政府委員守住有信君) まああれといたしまして、実はそういう本当に子供らしいといいますか、何でモロ事件が出てくるのかというような点は、まさしくおっしゃるような点があると思います。しかし、売り言葉に買い言葉の中での勤務管理上のきっかけから、そういういろんな紛争、トラブルが起こっておるということを御理解いただきたいと思います。  それから東北の訓練につきましてもいろいろ調べておりますけれども、もちろん労務管理というのは、いろんな多面的な面があるわけでございますが、その中で、一方ではやはり職場秩序の維持という角度から国家公務員法上の懲戒処分、これはまた人事院規則、裁判ということにもなりますので、そういう技術的な面も要りますので、いろいろな面、実は労使の対立が一番そこで先鋭的に出る点でございますけれども、そういう訓練も一方ではせにゃいかぬ。もちろん私ども労働組合側の方の相対の関係でございますけれども、そこの問題は私は一切申さないわけでございまして、管理者訓練の中ではやはり労使関係基本もやりますれば、職員管理、職場管理、あるいは処分の問題等々についても多面的に訓練しなけりゃならぬ。一言一句の中の言葉が果たしてその場として適切であったかどうかは、いろいろ御批判を受けなきゃならぬと思っておりますけれども、その辺のところも御理解をいただきたい。  また団交の新ルールの問題で、非常に労働組合からは裏指導というふうな言葉で言われておりまして、時間もございませんので何でございますけれども、決して裏ということではない。ただ、労使間でいろいろそういう指導を話し合おうじゃないかという受けとめ方があって、そこのところの誤解から、いろいろ裏指導と受けとめられたようでございますけれども、私ども三月一日から初めて発足した新ルールについて、やはりスタートに当たってはいろいろきめの細かい指導をし、もちろん指導の中では棒をのんだようなやり方でなくて弾力的にということも言っておるわけでございますが、そしてその最初の段階からだんだん体験を積むことによって、今後の新ルールの本当の実りあるものにしていきたい、こういう気持ちでございますが、裏指導と言われておりますことについては、私どもの担当者も非常にそういうつもりじゃなかったんだと、いつでもあれしますよということを話し合いの中でも言っておるわけで御理解いただきたいと思います。
  261. 案納勝

    案納勝君 守住さんね、そんなばかな話がありますか。きれいごと言って、労使関係には裏があります、そういうことが人管課長から。それで訓練の場に出される、先ほど読み上げたような。それは多面的な訓練ですか。それがそんなことだったら約束ごとがどうやって守られるんですか。陸前高田の問題だってそうですよ。物の言い方じゃないですよ、態様ですよ。これは不当労働行為に関する救済命令の中に、局舎の使用のことで郵政省は局舎管理権があるだろう。しかし労働組合が、特に今日の日本の労働組合の場合には企業組合、これを使用するときに局舎管理権を盾に許可をしない、こういうやり方は不当労働行為だと、この使用については、そういう権利と両者の調和を労使間というものについて図っていかなければ不当労働行為になりますよと書いてある。これは裁判所の判決です。  私はいま守住さんの答弁は納得できません。こんなばかな答弁が私はまかり通るところに今日の郵政の労使関係の問題があるんです。新しい管理者方式というのはそのまま今日も生かされているとしか理解できない。何回か書き直しましたと言いました。確かに労務管理必携、労使関係の諸問題、職場づくり、秩序ある労使関係、きょうはまあ持ってきて一つずつやろうと思ったけれども時間がありません。そういうものがずっと出てきました。しかし、この中にある中身というのは、全逓というものとの間で、きれいな相対論とかなんとか言われるけれども、治安問題視して、まさに敵対関係の中において、労使の中で労務管理を進めようという、これは三十六年六月出された中身ですが、私はいま守住さんの答弁を聞いている限りそういうふうにしか受け取れない。そんなことで労使問題解決しません。  今日、六・三判決に基づく団体交渉問題が、協約がもう三月一日切れます。この中でも同じことが私は言える、今後。私は、この中でも郵政省——最高裁の判決か出されているあの中身というのは、いままでの郵政省の論理が崩壊をしたことを物語っている。法を守る立場にある郵政省がそういう労使問題の取り扱い方をしている限り事態の解決にならぬと思います。これは守住さん以下あなたたちの責任だ。私は、そのことをここでことさら荒立ててというよりも、本当に誠意をもって郵政省がその責任を感じて労使の安定を、正常化を図っていくという、そういう道筋が明らかになることを私は望んでいる。だから質問しているんです。  しかし、私は今後の質問は保留さしてもらいまして、この次に回してもらって、本日はこれで打ち切ります。いまの守住さんの答弁は納得できません。そういう答弁が続く限り、私は今後についてきわめて重大な事態になるだろう、こういうふうに恐れます。
  262. 守住有信

    政府委員守住有信君) 先ほど私お答え申し上げましたところで、個別のことだけ申し上げまして、基本のところを全然申し上げておりませんで非常に申しわけなく、遺憾に思う次第でございます。個別の話でございましたので、余りに、諸先生方にそれだけだというふうにお受けとめになると現場の管理者の立場もなかろうと、こういう実は気持ちでございましたが、それはともかくといたしまして、やはり私ども、いろいろ労働組合側から主張が出ておる、そのまた原因もよく考えろということでございますし、そういう点も踏まえながら、やはり長い歴史もございます。おっしゃいますような一二・一四以降のものもございますので、そういうものを踏まえて、さらに今回の新たな事態というものを十分教訓にしながら、お互いやっぱり正すべきものは正す。またしかし、管理者としてなすべきものはなしていくけれども、その中で郵政の労使関係信頼というもの、あるいは信頼の修復というもの、これをどうやっていくかということを十分考えて話し合いの中で解決していきたい、このように考えておる次第であります。
  263. 案納勝

    案納勝君 では、最後ですが、私は最後に資料要求をしておきます。  不当労働行為救済命令が今日まで出されています。このときの管理者。それで、これについての処分が行われたか。その後の管理者がどういう位置にあったのか。今日どういう状態になっているか。これは宮崎延岡、都城、東京新宿、北海道留萌、秋田八幡平。それからこれは判決の方も同じでありますが、それだけの局ですね、要求しておきます。  いま守住人事局長の言われた答弁については、もう少し他の分野も含めて明らかにしてもらいたいと思います。きょうはこれで打ち切りますから、この次の委員会に回します。  大臣ね、私は、いままで申し上げてきたのは、きょうは大臣というよりか、行政を預かっている、しかも、国営企業を預かっているその意味での、今日これ以上の事態、あるいはこれを繰り返す事態を避けていきたい、こういう意味で大臣の決意や大臣の責任というものについて申し上げました。あるいは当局の管理責任についても明らかにお聞きをいたしました。そして、今回の事態が、単に言われるように、人事管理の基本にかかわるという言葉で解決しない問題なんだ、こういうことを申し上げました。十年来の、毎年このことをやってきたやつは、新たな問題じゃない。中身はいままでの約束をしたことを忠実に守ってくれるかどうかということです。  今日までこのやりとりを通じて、きょう、あるいは二十七日も委員会開かれましたが、私はそれを聞きながらいま質問申し上げましたが、今後さらに委員会も継続をされるでしょう。今後の郵政省のこれに対する真摯な、誠意ある態度というものが、私は、今後の今国会における郵政省の諸問題等についてのことまで関係をしてくると思います。十分、私は、大臣がお約束をいただいたような立場で努力をしてもらいたいし、私どもも、その意味でもそれは協力することにやぶさかではありません。本当に国民の立場に立ってその責任を明らかにし、経営管理者はその責任を明らかにしていくという姿勢を明らかにしてもらいたい。そうすることによって、中身については、それは私は組合側でも、お互いにそういう立場である限り、解決をすること、促進できることは間違いない。その点を強く要望して、次回にあとは残しまして、きょうは終わります。
  264. 赤桐操

    委員長赤桐操君) ただいまの案納君から要求のありました資料を、後日当委員会に御提出を願いたいと思いますが、よろしいですか。
  265. 守住有信

    政府委員守住有信君) かしこまりました。
  266. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時四十三分散会