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渡辺武君 県の方が県議会に提出した資料があるんです。それ見ますと、無認可で宮地グループが採石したという
土地の所有者、これの名前がずっと出ております。時間がないので一々読み上げませんけれども。その中には宮地グループの構成員かなりあるんですね。
ですから、まあ宮地芳子一例でもいいんですけれども、とにかくね、自分の家族
——宮地芳子というのは宮地忠美の奥さんですね、自分の家族や組員に
土地を買わしておいて、そしてそこのところを知事の認可も得ないでもってどんどん採石する。これは意識的、計画的な行為だというふうに見なきゃならぬと思うのです。決してこれは偶然にやったものじゃないということをはっきり私は見なきゃならぬと思うのですね。それが
一つ。
それからもう
一つ。先ほど警察庁の方からのお話しもありましたが、採石法違反だけじゃないんです。そのほかにもいろいろやっているんですね。私、ここに、県議会が「川上川・嘉瀬川問題に関する要望決議」というのをやっておりますが、その決議文の
内容を持っております。これは、県議会の川上川・嘉瀬川対策特別
委員会、これが昨年の十二月二十日に出した特別決議ですが、その中に、決議の二ですが、「業者の砂利採取法、河川法、森林法、採石法等違反の疑は明らかであり、その規模、
内容は極めて大きく悪質である。
県当局は、
行政処分を速やかに行なわれたい。」と、はっきりうたっている。この対策特別
委員会が宮地グループの行為についていろいろ
調査した、その結果としてのこの決議ですからね。一々細かく言う時間がありませんから私申しませんけれども、いろんなことやっているんですよ。暴力団として人殺しもやれば、殺人未遂もやれば、恐喝もやれば、傷害事件も起こす。それだけじゃない、採石法違反。これに加えて、いま読んだ河川法、森林法、砂利採取法、これらの
法律にも違反する行為をたくさんやってるんです。採石法違反というのはそのうちの
一つなんだ。まさに悪質なやり方だというふうに私は言わざるを得ないんじゃないかと思うんですね。
それからもう一点、通産省が出している採石技術指導基準というのがあります。これを
私見てみましたら、採石をする場合に、大体角度六十度くらいで
土地を採石するという指導基準になっているんですね。ところが、実際はそうなっていないんですよ。私ここに現地の人たちが
——殺されるのを覚悟で撮らなきゃ危なくて撮れないんですが、殺されるのを覚悟で撮った写真、幾つかここに持ってきております。ぜひこの機会に見ていただきたいと思うんですが、(写真を示す)これ、六十度の傾斜ですか。九十度近いじゃないですか。至るところにこういう
状態があるんですよ。いつ土砂崩れが起こるかわからぬという
状態を平気で放置して、そうしてやっているというのが実情です。後からこれはお届けしますから見てください。
それから、こうした数々の不法行為の結果どういうことになったか。私は、採石法の三十三条の四ですね、ここには
自然環境等々、それからまた公共の福祉に違反しないようにということがはっきり書かれていると思うんですけれども、まさに三十三条の四に真っ向から違反するようなことをいろいろやっているんですよ。たとえば、
一つは自然の大破壊。(写真を示す)これもそちらからもし見れたらごらんいただきたいと思うんですが、ここに流れている川が嘉瀬川という川です。こちらが上流。だから嘉瀬川の左岸から撮った写真ですね。この辺は佐賀の嵐山と言われまして、風光明媚、水がきれいなところだったんだ。ところがどうです、この左岸の方、これは福光物産が採石のたびにこれほど掘っくり返している。それだけじゃない、この対岸の山々、こうして削り取っているんですよ。この辺が先ほど話の出た他人の
土地、不動産侵奪で削り取ったところです。全くそれはもう
自然環境破壊もはなはだしいという
状態がつくられている。
しかも、こういうところで取った砂をこの嘉瀬川の水で洗っているんです。そして真砂土を取っている。どろはどんどん川に流れる。そうしてその真砂土を取った残りの土を、これ、昔中の島と称されて中州だった、その中州にどんどん積み上げている。高さ十メートルくらいの大きな堤防のようなものができている。そうして、これも色づきじゃないですがそれが中の島の様子です。非常にはっきり出てますが、その土を積み上げた上の方で、これ池みたいになっていますが、ここでどろを洗っている。そうして、真砂土を取った残りの土をどんどんこう積み上げている。これは土どめも何にもしていないんです。雨が降ればどんどん崩れて川へ流れ込む。ですから、天下の清流と佐賀県人が誇っていた嘉瀬川が、どろがいっぱい沈積しまして、そして、ここに写真がありますけれども、人が歩けばこんな
状態で、どろの中にのめり込んで足跡がちゃんとつくというような
状態になっているんです。下流の方もずっとどろが沈でんしてるんですよ。これ、もう自然の大破壊です。さっき私ちょっと読み上げた県議会のこの要望決議の中にも、「自然の大破壊」という
言葉がはっきり書かれている。
それだけじゃないんです。中の島にこうやってどろを積み上げるでしょう。そのために、この嘉瀬川というのはここに中州があって集中豪雨なんかがあったときには遊水地の役割りをしていた。それでも以前はこの辺に水がつかって大きな災害を引き起こしている。そこにどろを積み上げて事実上堤防
状態にしてしまった。しかも、県の方が流量を誤りましてね、これほとんど放任しているんです。したがって洪水が起こるおそれがあると、集中豪雨が来たらどうするかと周辺の人たちは大問題にしている。そういう事態が進んでおりまして、公共の福祉が著しく踏みにじられているというのが実態になっております。
この近くに大和町という町がございますが、その大和町の町議会が出した
意見書を私、持ってきておりますので、参考までにちょっと読んでみますと、大和町議会が五十三年十二月の二十二日に出している「川上川改修並に真砂土採取事業に対する
意見書」というところにこういうことが書いてある。「しかし近年乱開発が進行すると共に、河川は汚され、緑の山は削られて昔の面影を失いつつあります。しかも河川や採石場の
状態は、一旦集中豪雨にでも襲われるなら流域
住民はもとより佐賀平野一帯に甚大な被害を及すであろう事は明らかです。」と、「佐賀平野一帯に甚大な被害を及すであろう」と言っているんですよ。
こんなことがこの福光物産の不法行為、無法行為によってやられているんです。採石法違反というのはこうした行為の一端にすぎないんです。まことにこれは悪質なやり方だと見なきゃならぬと思うんですね。ですから私は、国としても当然の判断として、これは三十二条の十の中でも一番重い登録の取り消しという処分こそが最も適切な処分じゃないかというふうに思いますが、その点どうでしょうか。