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吉田正雄君 私は、約二年間科学
技術振興
対策特別
委員会でこの
エネルギー問題にも触れましていろいろ
論議をやってまいりました。しかし、科学
技術振興
対策特別
委員会における
論議というのは、どちらかというと原子力が
中心でありまして、
エネルギー全般についての
論議が十分行われなかったという点では隔靴掻痒の感を免れなかったわけです。幸い
商工委員会に今度所属をすることになりましたので、これからこの
エネルギー問題について、いろいろ先生方からも教えていただきながら、問題の解決に努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけです。
先ほど来の
論議で私が一番感じましたのは、
エネルギー危機というものについてのとらえ方というものが非常に違っておるという点で
論議がかみ合わないと思うんです。私は、きのうの原子炉等規制法の総理大臣に対する
質疑の中でも申し上げましたけれ
ども、
危機の原因というものを
中東の政治
情勢であるとか、あるいは
OPEC諸国の
価格引き上げや
生産の抑制ということに求めるというのは、私はこれは
エネルギー危機の本質的な問題解決につながらない、先ほど
小柳先生がおっしゃいましたように、そういう面から見ますときわめて政治的な陰謀とか策略と言われても仕方がないんじゃないかという感じがいたしてならないわけです。しかし、
石油を初めとする化石燃料というものが有限であるということもこれはまあ確かなわけですね。ところが、有限だと言いながら確認
埋蔵量とそれから究極的な可採量ということになってまいりますというと、各研究所の資料や同じメジャーの内部でも非常に数字が違ってまいるわけです。きょうは時間がありませんので、その点についても実は若干
質疑をいたしたかったわけでありますが、
質疑の通告もしてありませんから、資料提出だけをひとつお願いをしておきたいと思うんです。
いずれ通産省では、先般の新聞発表ではありませんが、何か三つとか四つの
エネルギー法案というものを用意をして、次期国会に提案をしたいというふうなことが報道されておりました。それに向けて本格的な
論議と問題の正しい解決をするためには、同じ条件といいますか資料というものが違っておったんでは、これは
論議かみ合わないわけですから、そういう点で資料の提出をお願いをいたしたいと思いますが、次のようなものをお願いしたいと思うんですね。
石油の
需給状況なんですけれ
ども、とりわけ
埋蔵量について一口に究極可採量が二兆バレルくらいだろうと、現在の確認
埋蔵量が六千六百億バレルだというふうなことが言われておりますけれ
ども、資料の出所というものを明確にして、通産省はどの資料に基づいて判断をされておるのかという、そのことを明らかにしてもらいたいと思うんです。単に六千六百億バレルだとか二兆バレルと言ってみてもどこに根拠があるのかわかりませんから、そういう点で出所、資料というものを明らかにしてもらいたいということです。
それから、私がいままで調べた中では、メキシコ、北海、アラスカ、中国、それからインドシナ半島等の
埋蔵量について必ずしも明確にされておらないわけです。二兆バレルという中には、私がいま
指摘をしたあたりの
埋蔵量というものが含まれていないんじゃないかというふうなことも言われておるわけですね。そういう点で現行入手し得る限りの資料というものをひとつ整えていただきたいということです。
それから、これは
法案にも
関係をしてまいりますが、私はこの
エネルギー危機というものを解決をしていくという場合、いま言ったような
埋蔵量というものを明確にしていくということもきわめて重要でありますと同時に、先ほ
ども申し上げましたように、限られた化石燃料というものを一体だれが消費をしておるのかという点を抜きにして
エネルギー問題の解決はあり得ないと思うんですよ。皆さん方通産省が発表された資料に基づきましても、一九七六年の一人当たりの
エネルギー消費量というものを見ますと、
アメリカを一〇〇とした場合、イギリス、フランス、西
ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリーの六カ国平均が四五です。それから
ヨーロッパ計画経済
諸国、いわゆる社会主義
諸国になるわけですが、ここが四五です。それから
イラン、イラク、
サウジアラビアの産油三国が平均一二なんですね。それからアフリカ
諸国に至っては三・四です。それから中国が六、インド一・八、インドネシア一・六、
日本が三一・八と、こういうぐあいになっておって、一体
石油が足りない足りないと言うけれ
ども、だれが大量に消費をしているのかということと、その消費というものが絶対やむを得ないのかどうなのか、そこにはむだがないのかという、そういうものを含めた全体的な
検討というものがなされずして、単に
エネルギー危機ということで大騒ぎをしてみてもこれは問題の解決にはならぬわけですね。そういう点で私は今日の
エネルギー危機というものを
イランの革命のせいにしたり、
サウジアラビアの産油量が思ったよりも抑制をされているというところに非難の矢を向けるというのは私は当て外れだと思うんですね、的を射ていないと思うんです。まさに主客転倒だと思うんですね。そういう点で私は遅まきながら、今度通産省がこの省
エネルギー法案というものを提出されたことについては、時期が遅くなったとは言いながらこれは当を得た
法案であるというふうに思っているわけなんです。その
取り組みの姿勢については敬意を表する次第なんですが、ただこの内容を見ますと、どちらかといえば精神訓示規定的な
法案ではないかと思うわけです。具体的に各分野における省
エネルギーの目標とかそういうものが定めてないわけなんですね。そういう点で、仏つくって魂入れずといいましょうか、画竜点睛を欠くうらみなきにしもあらずというふうに思っておるわけです。まあ、いずれその点は皆さん方の方でも十分
承知をしておられることと思いますので、次の国会に向けて本格的な省
エネルギー法案の提出というものを要望いたしたいというふうに思います。
そこで、いまさっき第一点の資料を申し上げましたが、第二の資料といたしまして、
エネルギー消費の実情が、通産省から出されております資料集の中ではまだ内容が十分詳細ではありません。たとえば皆さんの出された資料では、製造業部門であるとか運輸部門あるいは民生用というふうな非常に大まかな分野別になっておりますけれ
ども、これでは
論議をするにはいささか資料としてきわめて不十分であります。そこで、たとえば民生用といっても家庭用が幾らなのか、それからいわゆる中小企業等の商店がどれだけなのか、官公庁がどれだけなのか、病院がどれだけなのか、資料をつくられる場合には当然そういうふうにずうっとバックデータというものがあるわけですから、もうちょっと詳細な資料というものをつくっていただきたいと思うわけです。特に電力については、電力会社別にいま言った各部門分野別の消費がわかるようにひとつ資料をつくっていただきたいと思うんです。
この点よろしゅうございましょうか。