○片山甚市君 私は、
大臣は忙しいから新聞など読む暇がないんでしょうけれ
ども、五月二十一日の朝日新聞の表を見ると、山の形ができ上がって滑り落ちておるわけです。
賃金のことですよ。
賃金が、あなたみたいに高給で何の心配もないような御身分はよろしゅうございますが、私たちは四十歳から四十五歳が最高になって、それから後滑り落ちていく。それで実は子供たちが学校へ行く、嫁に行くということになる。金が要るようになったらどんどん下がっておるというようなことで、何が終身
雇用だ、何が生涯
雇用だ。いままでぬかしたんです、そういうふうに資本家の餓鬼
どもが。そうですね。資本家というか、財界というか、いわゆる経済界という人たち、人を使っておる人間のやつらはこういうことを大きなことを言っておったんですが、経済が一たん石油ショックだなどということになったら、とたんにいわゆる本当に人間をぼろくずのように捨ててしまった。そして、いまあるものは、実際は五十歳以上の方方にとっては窓際の人生とか何とか言われるように、もうやめてくれと言わんばかりの作戦をとる。
賃金も下がってくる。こういうような
情勢であることについては、私はけしからぬと言っておるのじゃないんです。それにかかわらず、もう
一つの問題は、それだけではありません。実はあなたの方の報告によると、二十年ぶりの高さということで、
昭和五十年度平均として三月に再び二%だというけど、二・二%のいわゆる
失業率を持っておる。その
失業しておる
内容が、いわゆる
中小企業を中心とする
中高年齢者になっておる。こういうものについて、先ほどからお話があるんですが、
完全失業者をなくしていくことも大変大切なことでありますが、問題は、いま私の方からきちんと聞きたいのは、
中高年齢者をどうして守るのかと、こういうようなことになれば、例がありますから、これについて
賛成をしてもらいたい。たとえば
アメリカとか西ヨーロッパの国においては、
年金と
雇用との
関係で言えば、具体的に言えば、
年金支給年齢と
定年、リタイア、退職とはちょうどリンクするようになっている。
中高年齢者の
雇用の確保、たとえばそのためには、会社が困ったら若い者は雇わずに年寄りをちゃんと守る
先任権制度があります。
日本の国でいろんな珍しい機械を
外国に先んじて入れる経営者ですから、人間を大事にしなければいかぬという、
日本の国は資源がないけれ
ども人間が資源だと、こういうようなことを福田も三木も——田中は言うたかどうか、あれは疑獄があって物を言わぬでやめたからわからぬけれ
ども、大平も言っておるんと違うんですか。人間が
日本の国の最も大切な資源ならば、これについて当面私はこの
先任権制度といいますか、お年寄りを大事にしてもらいたい。大体、
審議会に来ている連中見ておると六十歳過ぎた連中ばかりです。ポンコツですから、それでは。
審議会に来ているのありますね、あなたたちが
審議会の
先生集めていますな。六十歳以上のような人が多いですな、これ。あれは頭きくんですか。あれがきくんなら一般の民間の人間がきかぬということはおかしいですな。
意味わかるでしょう。私は三十分しかないから余り——いやだったら答えなくていいんですよ、一人だけで演説するから。腹が立ってしょうがないんですよ。何々
審議会、何々
審議会というのによう来ておるおっさん見たら、もう老化現象じゃないかと思うような人で、学者だからりっぱだからということで、時代が明治憲法時代に育ったような人が偉そうにやっておるがね、失礼でございますが。私は明確に言いたい。いま当面、戦後に
日本の国をこれだけつくった人間を
失業させるようなことだけはさせぬ。若い者はちょっと
失業したってしんぼうせい、何ぬかすか、おまえらうろうろするな、もっとボランティアか何かして就職の機会があるまでしっかりやらんかい、勉強せいと、こういうふうに言う男にならぬですか、人間に、男にですよ。おやじになりませんか。いわゆる若い者をいいかげん雇うているのをやめて——若い者が町にあふれれば革命が起こりますよ、棒切れ持って走り回りますし、火炎びん持って走り回る。ところがそれがこわいから若い者を低
賃金でようけ雇って、年寄りは五十になり四十五になればどこも雇ってくれませんから、窓際行ってでもじっとしんぼうしますわな。減量経営やっておるんですよ、これ。首切って、あなたの方は
雇用と言えばどこ雇われてもいいと。それはそうですよ、官吏の人は一たん
年金がつきますよ、併給もききますよ。厚生
年金の場合は在職すればもらえませんよね。もらえても在職
年金の場合は、またこれは在職
老齢年金もありますけれ
ども、しかし原則的に言えば併給はできませんよね。これ役人中心じゃないですか、恩給といって天皇からもらって。一銭も掛金を掛けていない者が一兆円も金取っていますね、いま。いや極端に言いますよ、極端に。
日本の国は恩給族、これがはびこっておるんじゃないですか。こんなもの貢献したとか何とか言うんだったら掛金掛けてくれ、いまから。こういうふうに言いたい。
いま質問したのは、富士山の絵をかいたように、
賃金が若いときから順々にしか上がらずに、四十歳、四十五歳になってようやく上がったと思ったら、ひゅうっとおりてくるような形でしょう。こんな
賃金構造になっていることについては
大臣は知ってほしい。知らぬと思うから私は言うのです。
それで
局長の方に言いたいのだが、
雇用を安定させるとか何とか言いよるけれ
ども、
雇用を安定させるのは若い者と違う、若い者はほっとけ。いま
年金もらわなきゃならぬ年になってから
賃金が引き下げられる。そうしたら
年金が少なくなるんですよ。わかりますか。いまのような年功序列の
賃金やめようと思ったら、初任給みたいなことを言わないで一人前
労働とは何かと決めて、それに達すればちゃんとした、いわゆるいま三十歳になるか四十歳になるか知らぬけれ
ども、もらっている
賃金、家族を養えるだけの
賃金を渡すようにちゃんと国が指導していく、そうしなきゃならぬ。ついこの間まで、つぶれかかった、つぶれかかったと言って一兆何千億円もの金をたくさん出したけれ
ども、みんな増収減益、増収増益、こういうことになっておる。ところが、助かっておらないのはわれわれいわゆる働いておる者だよ。特にいま言うように五十歳以上の方々が追い込められておる。このことについて、中高年
労働者と違うんですよ、新規
労働者をまた雇わなきゃならぬのですよ、
大臣が知ったとおり。一年間に七十万から八十万新規
雇用をしなきゃ大変になろう。これについてほっとけなどと言っているんじゃないんです。しかし、それもさることながら、
年金と退職と
雇用——
雇用が切れるとには、
年金上げますから下がってくださいと言えるような体制にしたい。にかかわらず、片一方の方の
年金懇を初めとして、いわゆるお金がないから
年金支払うのはずっとおくらそうと、それから第二、第三の就職をしたらいいじゃないか。
賃金が低くても一生涯通ずればほどほどのものをもらえるに違いない。こういうお年寄り、もう金もあり地位もあり、とにかく何の苦痛もないような
審議委員がようけ来てのたもうてますよ。社会保障
制度審議会で言っていますがね。好きなことを言っていますよ、私から言わせたら、本当に。一般の人たちはそんな生活をしてないんです。ですから、
雇用の問題については単なる数の問題でなくて、これだけの
日本の国の経済をつくった者たちに対して、具体的に
年金と
雇用とがつながっていく、
雇用があるか
年金があるかどっちかにしてあげる、これが厚生省と
労働省が力を合わすべきことだと思うが、
大臣もそう思っておると思うんだが、
大臣、考え方を聞くんですよ、私は数字など余り言いたくないんです。どうですか。