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安恒良一君 どうも、将来においてといっても
共済はこれから二十年かけて六十になるわけですよ。あなたの方はこれから二十年かけて、どうもえらい遠慮されて
厚生年金を六十五歳にすると、こう言われているんですね、
国民年金はすでに六十五歳になっているんですから。そうするとまた二十年以上ずっとずれが続くわけです。ところが、
年金懇の
答申はそんなこと書いてない。そこで、これはまあここからになるとあなた
たち両方とも
答弁できないということになるわけだから、これは
官房長官に来てもらうとして、
官房長官来るまでちょっとお聞きしたいんですが、なぜそれならば、いわゆる
支給開始年齢を
引き上げるかということになりますと、
一つはあれでしょう、
財政問題でしょう。これは
大蔵省も
厚生省も異論がないところですね。
財政問題に
一つの
原因があると、大きな
原因が。そういうことでしょう。いいですかそれは。
厚生大臣も
大蔵省の方も
支給開始年齢の
引き上げは
一つは
財政問題にある。それだけじゃないと思います。そうしますと、私はいま
財政状態がどうなっているかということでしますと、
共済年金の方が早く
財政難に陥るんですよ。たとえば、二十年後の
昭和七十五年に、
厚生年金は十人
加入者で
年金支給者は大体約二人ですよね、これは二人です。
共済年金の場合には十人で四人を賄わなきやならぬ。これは二十年後ですよ、七十五年。さらにこれが八十年となっていけば、
共済年金の方が――そういうのに、いまあなたがおっしゃったように、これは
大蔵省にお聞きをしたいんですが、長期的な
安定化ということで
厚生年金は来年から二十年かけて六十五歳になる。
共済年金はことし決めてこれも来年からということになるでしょうが、二十年と。これは全く相矛盾するんじゃないですか、
財政の安定ということを
考えられるならば、
財政のより苦しいのは
共済の方が苦しいんだから。そうしますと、しかも
年金懇の
指摘というのは、私は何も六十五歳に全部そろえろという意味で言っているわけじゃないですよ、そういう矛盾点を包蔵したままやるというところに大きい
年金には
国民の問題がありはしないか。少なくとも、私は
年金を、雇用された労働者の
年金と自営業者の
国民年金、この二本立てでいきたいと。
ちょうどいいところに
官房長官来ていただきました。実はいま
官房長官ね、こういうことを御
質問をしているわけです。実を言いますと、現在
共済年金はすでに法
改正を内閣から
提案をされておりまして、そしてこれは、現在五十五歳を六十歳にしたいと、こういうことになっているわけですね、それがため二十年
経過措置が必要だと。
厚生大臣は、ことしの
年金懇の
答申を受けまして、来年度の
改正のときに現在の
厚生年金六十歳を、六十五歳とはっきりはおっしゃいませんでしたけれ
ども、
支給開始年齢を
引き上げたいと、こう言われているわけですね。それから、
年金懇の
答申は
共済年金も
厚生年金も含めて被用者
年金はやはり六十五歳に
支給開始年齢をそろえたらどうだと、こういう
提起をしているわけです。ところが、あなたがおいでになる前に
大蔵省に聞いたら、
大蔵省は、いやいま案を出しておりまして、やはり二十年かけて六十歳に持っていきたいと、こう言っているわけです。
厚生大臣は、いや私は
共済は所管でありませんから、私の所管である
国民年金はすでに六十五になっているし、
厚生年金は六十歳ですからこれはひとつ六十五歳にしていきたいと、こう言っておられるわけですね。ところが、じゃなぜいわゆる
支給開始年齢を
引き上げるかということの最大の理由の
一つとしては
財政問題だと、こうおっしゃるわけだ、両方とも。ところが、
財政問題でいきますと
共済年金の方が苦しいわけです。いま私が
一つの例を挙げたんですが、
昭和七十五年に
厚生年金の場合は
加入者十人で二人の
年金受給者を賄う、
共済の場合には
加入者十人で約四人を賄う、倍ですね。それだけ
共済の方が財源的には苦しいんです。しかも、いまお二人の
意見を聞いておりますと、これは全くまた二十年以上もいまのちぐはぐのままでいくと。そうでなくても官民
格差ということで、
支給開始年齢、私は現実にやっと
共済が六十歳にするということについて、厚年とそこの
水準は合うなと、こう思っている。しかし、これに、後からいろいろ聞きますけれ
ども雇用問題がありますから、何も雇用問題ほったらかして手放しで
賛成しているわけじゃない。しかし、
年金という観点から見ますと、やっと
共済と厚年が六十歳にそろうなと、こう思っておったところにそういうちぐはぐをされる。
そこで、まず
官房長官にお聞きしたいんですが、
年金懇が
答申を出しました。そこで、どの
大臣が
中心になって、もしくはどういう機構で
年金の
改正をこれからやられるのか。それはどういうことかというと、
厚生大臣所管が
国民年金と
厚生年金、船員
年金ですね、大蔵
大臣がいわゆる
共済、それから三公社五現業、これは一応運輸
大臣ということになっていますね、
所管大臣は。地方
公務員は自治
大臣、こういうふうになっています。このほかに、総理府には
公的年金制度調整連絡会議というのがありますね、そういう
政府機関があるわけです。ところが、私は
官房長官にお聞きしたいことは、
老齢化社会に対応していくためには
年金だけではないわけです、この問題は。これは後から順次
質問を展開していきますが、
年金と雇用という問題は
年金支給開始年齢のときに重大な課題でありますね。それから、
老人の生きがいというのは、
一つは私は、やはり所得保障については、まず直ちに
年金生活者に入るよりもできるだけ長く働きたいということだと、こう思います。そうすると、雇用問題をどうするのか、それから
老人になりますと若い人の約四倍病気にかかります。しかも合併症状が多いわけです。ですから、
老人の医療をどうするのかという問題、そして
老人になりますと所得が減りますから、
老人の所得問題として
年金をどうするのか、さらに今日、住宅問題まで波及している。たとえば、ヨーロッパではなるほど親と子供が離れている、しかし孫のおるところにはスープの冷めない距離に住みたいと、これはヨーロッパでもそうなんです。でありますから、住宅問題、がありますね。しかし、一方避けて通れない問題としては人口の老齢化、これが大体
昭和八十年ごろになりますと約ヨーロッパ並みの
老人国になる。八十年越しますとヨーロッパでも経験したことのない
高齢国家になる。こういう現実の姿は避けて通れません。それから、
わが国の将来の経済
社会を確実に推測することはだれしも困難なことだと思いますね。五十年先の経済がどうなっているかとか、そんなことなかなかできない。しかし、あえて、できないんですが、そういうことも含めましてやはり何らか方法を
考えなきゃいかぬだろう。
そうすると、いまあなたが来るまでにでもすでに
厚生大臣と
共済担当の大蔵の間には全く違った
意見といいますか、やや支離滅裂になりかねないんですから、私がお聞きしたいことは、きょうは本当は総理にお出まし願いたいんですが、まあ総理外国へ行っていらっしゃいますので
官房長官にお出ましを願ったんですが、急速な
高齢化社会を迎える
わが国に対して、これらの諸対策をどのような機関でどうされようとしているのか、だれが
中心になってやられるのか。まさか総理自体がやられないわけでしょうから、たとえば何らか
関係閣僚
会議でもおつくりになるのかどうなのか。それからいま
一つは、その中の
一つの重要な問題について、
年金についてもこれだけ担当
大臣がばらばらではなかなか私は決まらぬと思う。
年金制度調整
連絡会議というのはいわば事務官僚の
連絡会議でありまして、最終的にはやはり
大臣の
意向がきちっとしないとなかなか決まっていかないと思うんです。ですから、そういう問題について、これは各
大臣にまたがることですから、
官房長官としてはこういう問題について、特に
年金懇の
答申が一いままでは、
官房長官も議事録を読みますと
年金制度基本構想懇談会の
答申を見まして、それから私の
考え方を申し上げたいということでもっぱら逃げられていますが、もう今度は逃げられませんね、出ましたから。その上に立ちまして、どういうふうにいま申し上げたようなことを、いわゆる
高齢化社会に向かう
わが国の対策を全体的にどこでどう
考えていくのか、それから、その中の
年金について非常に各省に縦割りにまたがっている、しかし、これは
年金懇も
指摘しているように整合性を持たなきゃならぬ。そういう場合にはどこでどうしようとされるのか、その
考え方を大平内閣の方針としてひとつお聞かせを願いたい。