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1979-02-28 第87回国会 参議院 交通安全対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年二月二十八日(水曜日)    午後一時開会     ―――――――――――――    委員異動  二月十四日     辞任         補欠選任      内藤  功君     山中 郁子君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         竹田 四郎君     理 事                 竹内  潔君                 林  寛子君                 安恒 良一君                 阿部 憲一君     委 員                 高橋 圭三君                 高平 公友君                 福岡日出麿君                 降矢 敬雄君                 小山 一平君                 浜本 万三君                 上林繁次郎君                 山中 郁子君                 森田 重郎君    国務大臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    澁谷 直藏君        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       三原 朝雄君    政府委員        内閣総理大臣官        房交通安全対策        室長       三島  孟君        警察庁交通局長  杉原  正君        通商産業大臣官        房審議官     島田 春樹君        運輸政務次官   林  大幹君        運輸大臣官房審        議官       杉浦 喬也君        運輸省自動車局        長        梶原  清君        運輸省自動車局        整備部長     小林 育夫君        建設政務次官   渡辺 紘三君    事務局側        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        農林水産省食品        流通局流通企画        課長       中島 圭一君        運輸省港湾局管        理課長      大森 国章君        運輸省鉄道監督        局民営鉄道部長  石月 昭二君        建設省都市局街        路課長      並木 昭夫君        建設省都市局公        園緑地課長    田辺 昇学君        建設省河川局次        長        重元 良夫君        建設省道路局道        路交通管理課長  浪岡 洋一君        自治省税務局府        県税課長     吉住 俊彦君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○交通安全対策樹立に関する調査  (交通安全対策基本方針に関する件)  (自動車総量規制に関する件)  (過積載規制強化に関する件)  (原付自転車安全対策に関する件)  (交通事故発生地域格差等に関する件)  (大型自動車左折事故防止対策に関する件)  (子供交通事故防止対策に関する件)     ―――――――――――――
  2. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二月十四日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として山中郁子君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、交通安全対策基本方針等について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 安恒良一

    安恒良一君 前回の本委員会報告をされましたが、わが国交通事故による死者の数は、昭和四十六年以来連続八年にわたって減少を続けており、昨年一カ年の死者の数は、対前年比で一・八%の減、八千七百八十三人となりました。このことは、総理府警察庁運輸省建設省等関係官庁並びに民間の交通安全対策協議会を初めとする関係各団体の努力、さらに国民各位の協力の成果だというふうに私は考えます。私はこれらの各位に対して心から敬意を表するものであります。  ところが、死者の数は減少いたしましたが、その中身を見ますと、やはりすでに警察庁報告によりますといろいろ問題点がございます。たとえば問題点一つといたしましては、交通事故発生件数は、むしろ残念ながら昨年度増加をいたしています。で、私はこのことに対して一つ重要視をするものであります。それと同時に、この死者中身の中で、たとえば小中学校の生徒がふえている、こういうような問題もありますし、それから加害者という場合に、主として営業用トラック等かなり加害者になっている等々、時間がありませんから、すでに警察庁の方から前回報告書として出ておりますので中身は省略いたしますが、問題点があるというふうに思います。そこで、依然として国民交通事故の脅威から守り、交通安全を確保することは大きな政治的な課題だというふうに私も考えます。  以下、以上のような前提の上に立って、これから何点かについて御質問を申し上げたいと思います。  まず第一点は、交通事故発生件数増加原因をどうお考えになっているのかということ。それから、それのためのいわゆる重点的な対策について。というのは、各省から一応この対策をいただいています。これは知っておりますから、これをいまさら読み上げていただく必要はありませんが、その中でいまも私が申し上げた点、一つはいわゆる死者中身の問題、それからいま一つ事故件数が残念ながら増加をしている。こういうことに対する重点的な対策についてひとつお聞かせを願いたい。なぜ私が重点的かといいますと、各省からいただいたのを全部資料を詳細に拝見いたしましたが、やや網羅的もしくはやや抽象的になっておりますので、以上の点について、これはまあ総理府長官に、ひとつ全体の交通元締めでありますので、お聞かせを願いたいと思います。
  5. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) まず、安恒議員に対しましては、交通専門家として長い間交通問題に従事され、また国会におきましてもこうした点において御指導、御鞭撻を受けますことを心から敬意を表する次第でございます。  そこで、交通問題が当面いたします大きな政治の課題であるという御指摘、そのとおりだと受けとめておるわけでございます。総理府におきましても、交通安全の対策につきましては、重要な施策として受けとめてまいっておるところでございます。特に本年度は、具体的には、この交通安全のための施策といたしましては、いろいろな施策考えておるわけでございまするが、中でも本年度特色家族会議というようなものを中心にして運動を展開をいたしたい。と申し上げまするのは、ここ数年来の状況を見てまいりましても、少年の事故が非常に多い、あるいは原付などの自転車等が使用されるようになりまして、婦人の方々の事故が多い、そういう点が昨年から今日に至ります、特に顕著な事情でもあるわけでございます。そういう点におきましては、どうしても国民全体の御理解を、交通安全に対する御理解とともに、私はこれを根絶させるためには、茶の間において、家族中心にして、その中にはドライバーとしての父があり、あるいはまた自転車などを利用される母親があり、そして子供さんがおるし、しかも老人の方もおられる。そこで、茶の間において交通安全に対しまするいろいろな御理解を願い、また技術的にも話し合いがされ、その中でいろいろな話題が出てくる間にお互いが理解を深めていく、その輪をぐっと広げて一つ国民的な運動の核にいたしていきたい。そういう方針交通安全の施策の特にポイントをそこに置いてやりたいということでおるわけでございます。  そのほか、いろいろな施策につきましては、もうすでにデータなどで御承知と思いまするので多くは申し上げませんが、特色としては五十四年度重点施策としてそういうものを掲げておるということでございます。
  6. 安恒良一

    安恒良一君 長官、私、御質問申し上げたのは二つございまして、これは長官ではなくして警察庁の方がお答えになるのかどうかわかりませんが、残念ながら死者の数は減ったが、交通事故発生件数増加をしていると、だからその原因と、それに対する重点的な対策をどうお考えかということを申し上げた。それから死亡者の場合は、私読み上げませんでしたが、ここにある警察庁交通局からの中で府県間の格差が大きいと、たとえば一番多い香川県は人口十万人当たり十四・九人、東京は二・五人、それからその次に挙げられている特徴としては、歩行者自転車死亡者の比率が高い、それからその中でいま長官お答えになった子供中学生、それから原付自転車及び自転車使用中の死亡増加しているとか、さらに当事者としては事業用貨物自動車それから事業用普通乗用車が多いということですね。事業用ということになるとドライバーとしてはプロなんですよね、これは。にもかかわらず、これが当事者として多いと、こう書いてある。ですから、そういうものを含めて重点的に何をことしはやろうとされているのかということをあわせて質問申し上げましたから、これはまあ交通局長になるのかわかりませんが、そこのところについてひとつお答えを願いたい。各省から出ている資料はもう全部詳細に読んでいますから、その中でこういう点をやるんだということだけ言っていただきたい。
  7. 杉原正

    政府委員杉原正君) お答えをいたします。  実は昨年、まあやっとということでありますけれども、死亡事故は若干減少いたしましたけれども、交通事故そのものというのは絶対数は若干でありますがふえておる。で、昨年の死亡事故中心にいたしまして分析をしたものを出しておりますけれども、それと同じような傾向は、実は昨年、一昨年もございました。そういうことを反省しまして、どういう手を打っていけばいいのか。従来の施策の延長であってはもう事故は大きな壁にぶち当たって減らすことがむずかしいという認識の上で、おととしの十二月、改正道路交通法の試案を公表をいたしました。諸先生方の御審議を受けまして、昨年の五月に改正道交法として成立をいたしまして、十二月から施行になったわけでございます。この中で重点に取り上げましたのが、先ほど安恒先生から御指摘がありました死亡事故等がふえておるものが、大体今度の改正道交法重点に取り上げられています。一つ子供さんの事故でございますが、これがほかの年齢層が全部減っているのに、小学生と中学生だけの死亡事故がふえている。なぜかと言いますと、これが大半自転車という関連がございます。  そこで、まず自転車対策について道交法にいろいろな穴があるんじゃないかということで検討いたしまして、考えてみますと、この自転車というものについての法律上の地位道交法かなり不明確であって、この際、自転車型式認定を含めて――これは自転車というのは売って、買いますと、もう後、ブレーキがきかなかったり尾灯がはずれたりしているものがそのまま使われているという――自動車のような車検の制度がございません。そういうふうなことがやはり事故の大きな原因になってきているというようなことで、自転車型式認定の問題も含めて、その自転車道路交通法上の地位、たとえば歩行者横断歩道と同じように自転車横断帯を設けるというふうなこともその一つの例でございますけれども、そういうふうなことを考えています。  それから、先ほど営業車の問題が出ておりますが、実はこれはいろいろ営業車事故がどういうことだろうということでやってみますと、営業車というものの事故の中のかなりな部分が、いわゆる過積などはその典型でございますけれども、やはり通常の道交法違反と違いまして、運転手がそういう違反行為をせざるを得ないような、そういう条件が背後にあるということでございまして、こういう構造的な違反については、その基本にさかのぼって背後関係にメスを入れていかない限りはこういうものがなくならないということでございまして、営業車の問題も、そうでないものも含めまして、そういうトラック等中心にいたしましたいわゆる企業の社会的な責任として、車の使用者に対する、そういう運転手違反行為を下命したり容認したりするような者について厳しくこれを刑事並びに行政上の責任を追及するというふうなことを今度の道交法改正の中でやったわけでございますが、これらもいわゆる営業車等中心にいたします一つ対策であるというふうに思います。  それから、府県間にかなり格差がある、事実でございます。これは東京等でとられております諸般の交通対策と地方の府県でとられております対策との間には、大変なまだ差があるということでございます。これなどは、道交法改正もさることながら、いろんな安全施設の面、あるいは安全教育の面、そういうものに従来手の行き届かなかったところを、特に府県単位というよりも、むしろもうここまで事故が減少してまいりました後は、自治体の中で各市町村がどういう取り組み方をするのかということが大変大きなこれからの行政課題になるであろうと思います。そういう点にこれから力を入れて、この事故原因となっておったようなものの排除というものに努めて、事故防止の万全を期していきたいというふうに考えております。
  8. 安恒良一

    安恒良一君 お答えいただきましたが、私は、道交法改正をして、道交法取り締まり強化を通じて事故を防止する、これは事故防止一つだと思いますが、それだけでは余りにも前向きではないんじゃないか、もう少し前向きの対策があってもいいんじゃないかと思います。  そこで総理府長官にお聞きをしたいんですが、いまも原動機付自転車、それから自転車乗用中の死者増加をしているということがありますから、この際、たとえば、いま建設関係では自転車置場法という問題が議論されておるようですけれども、置き場だけの問題ではないと思うんですね。自転車法というものをきちっと設定をして道交法との関係等を明確にする、そういうことについて、交通を担当される大臣としてのお考えはないだろうか。もちろんこれは自転車法ということになれば通産関係も出てまいります。まいりますが、私はもう自転車についても、これだけ原動機付で、しかも三段式とかいろんなものが出てきていますから、この際は単なる置き場だけではなくて自転車法自体政府としては用意をされて、そしてこの委員会とか関係委員会の中でもう議論をすべき段階に来ておりはしないかと思いますが、そういう前向き問題についての発想はありませんか。  これはひとつ、きょうは総理府長官、それから国家公安委員長としての自治大臣もお見えですから、両方にも関係することですが、そういう点はどうなんでしょうか。
  9. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) 御指摘のように、今回の事故調査の結果、内容的に見てまいりますれば、自転車、中でまた原付自転車もあるわけでございますが、そういう点について一つ問題点指摘があっておることは御承知のとおりでございます。  そこで、自転車だけということにいたしますか、問題といたしましては、いろいろな事故原因等から解明をいたしまして、総合的にひとつ安全対策ということについてどういう法的な準備をする必要があるか、自転車だけをとらえて解決ができるものかどうかというような観点から、いま関係省庁において具体的に新しい法律準備する必要があるかどうかということを検討を進めておる段階でございます。
  10. 安恒良一

    安恒良一君 それじゃ、自転車だけと言われましたが、自動車に関しましては、トラックとか乗用車にはいろんな法律的な規制、それから現行道交法との関係等、それから道路運送法との関係等でこれはもう明確になっているわけですね。いま問題になっておりますのは、たとえば原付自転車とか、それから自転車そのものについて、やはりもう私は検討すべき段階に来ていると思いますし、与党の方なんかも、衆議院で聞きますと、場合によれば議員立法でもと、こういう動きもあるやに聞いておりますので、どうかひとつ総理府長官交通安全の総元締めでありますから、関係各省とひとつ前向きに検討していただきたいということをお願いします。というのは、これからも聞きますが、大体聞くといつも検討中とか努力しますということだけになりまして、これから私が聞くことは一年前に私が聞きましたことを、そのときも努力する、検討中と言われましたから、本当に努力されたか、検討されたか、これから検証させていただきますから、どうかそういうことで前向きにこの点は関係大臣の方で御相談をお願いしたい、こういうことにしておきます。  続いて次に参ります。  そこで、私はいまここに議事録を持ってまいっていますが、去年の四月二十一日のこの対策委員会の中で関係大臣との間に次のようなやりとりをいたしております。  それはどういうことかと言いますと、第一点といたしまして、いまも警察庁交通局長が認められましたように、もう従来的な対策だけでは不十分だと、これ以上なかなか死者も減らないし、ましてや負傷者も減らない。そこで、抜本的な対策としてもう考えなきゃならぬことの一つとしては、いわゆる自動車が非常に野放しにふえている。そこで私は、自家乗用車トラックその他全体を含めてのいわゆる交通規制総量規制ということについて考えるべき段階に来ておりはしないかということで、当時、一つ交通安全対策観点から、二つ目は省エネルギーという問題から、三つ目交通渋滞からくるところの国民経済的な時間のロス、四つ目はCOを初めとするいわゆる環境保全、これらの事例を挙げながら交通規制ということについて検討すべき段階に来ておりはしないでしょうかということを、当時御出席大臣並びに各省担当者に全部御意見を伺ったのであります。伺いましたところ、最終的に、きょうお見え三島交通安全対策室長がこのことについてお認めになりまして、やはりすでにそういう問題についてはもう検討せざるを得ないところに来ておりますと。そこで、総合的な交通規制問題等をめぐりまして、調査研究を五十一年度から三カ年計画で進めておりますと。したがいまして、五十三年度結論を出すということですと。私は重ねて聞いていますから、いつ結論を出すのかと聞いたら、「五十三年度結論を出そうということでございます。」と、こういうことなんですよね。そこで、五十三年度ということになると、まだ三月まであるとこうおっしゃるかもわかりませんが、すでにもう五十一年から研究を始められていますね。ですから、私は少なくとも三月末日をもって締め切ってということではなくして五十一年、五十二年と、それから五十三年の大半をもう研究に費やされておりますから、何らかのそういうものが総理府からの報告なりそういうものの中に載っておりはしないか。実は、あれだけ委員会かなり時間をかけて議論をしていますから、今回の総理府長官所信表明、それから所信表明には細かく書かれなければ、総理府なり関係官庁からいただいた資料の中に、いわゆる総合的な交通規制問題についての三年間の調査研究成果といいますか、それからさらにこういうことを検討したいんだというようなことについてぜひ出していただけるものだと思って期待をして読んでみましたら、残念ながらそれはありません。そこで、そのことについてこの交通規制という問題になりますと、これは総理府だけでありません。いわゆる交通規制の大元締めは何といっても国家公安委員長だと思いますから、いま申し上げましたようなことについて、すでに皆さん方は、ことしの三月でまる三年になるわけですから、もう三年間も研究されているんですから、どういうお考えをお持ちなのか、どうしようとされているのか、そのことについて、これも私はやっぱり前向きの対策として必要なことだというふうに思います。  ここではきょうは、各省から自動車トラック増加状況等々細かくいただいていますが、これは後にいたしまして、どうしても私は、特に政令十大都市においては、交通問題はもうどうにもならぬところに来ていると。これはいろんなことがあっても、自家用を中心とする総量規制ということにもう踏み切らなきゃならぬ時期に来ているんじゃないかと思いますが、去年のこの委員会におけるやりとりを思い起こしていただきまして、ほぼ一年たちましたからこういう点についてどういうふうにお考えなのか総理府長官国家公安委員長、それから運輸省建設省政務次官がお見えのようでありますから、それぞれでどういうふうに交通規制問題について考えているのか。もう検討中じゃ困るわけですね、検討三年されていますから。どうかそういうことについて聞かしていただきたい。  それと同時に運輸省側でも、これももう大分長く御研究くださっているようですが、自動車安全基準拡充強化を目標に、たとえば自動車事故調査を四十八年、四十九年は石川県、五十年、五十一年には埼玉県、五十二年、五十三年は茨城県ということで、五十三年があと一カ月残っていますが、そういうような中で、すでに五十一年の十二月から運輸技術審議会自動車部会審議を再開しております。今後、この審議の結果に基づいて計画的な安全規制強化を図る所存であります、ということがこの前されていますね。これも、もう調査はほぼ全部完了しておると思いますし、それから五十一年の十二月から運輸技術審議会自動車部会が再開をされておるようでありますから、これも五十一年の十二月ということになると、五十二年、五十三年の十二月でまる二年経過しておる。ところが、どうも私たちいただく報告書には、そういうことをやっておりますやっておりますということで、それに基づいてこうしますということがないわけで、そのことについては、これは後からで結構ですから、ちょっと関連といたしまして、ひとつお考えをお聞かせを願いたい。  以上です。
  11. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) 自動車交通量抑制と申しますか規制の問題は、御指摘のように当面する特に都市交通のふくそうした現段階におきましては、どうしても解決せなければならぬ問題であることは一昨年でございますか、はっきりそういう点が話し合われたことを承知をいたしておるわけでございます。  そこで、総理府といたしましては、その三年目を迎えておるわけでございます。ことしの三月で本年度も終わるわけでございまするから、年度内にということでございまして、現在の段階におきましては大体の最後の総括的な詰めをする段階でございます。そうした準備をいたしておるわけでございますが、その成果を得て関係省庁と連絡をして、具体的な対策を進めてまいるということにいたしておるところでございます。  なお、今日までの経過の内容、そして今後に処しまする方向等については政府委員から説明をさせたいと思います。
  12. 三島孟

    政府委員三島孟君) 私から若干補足的な御説明を申し上げたいと思います。  自動車交通量抑制を行う場合には、地域住民の生活や事業所業務活動等に与える影響が大きく、また交通規制とあわせて都市行政運輸行政等を含めた施策を総合的に行う必要があることから、総理府におきまして去る昭和五十一年度から三カ年にわたりまして、抑制の是非を含めて交通量抑制に関し総合的な調査を実施してまいったところでございます。  御承知のとおりわが国においては、交通渋滞、公害、交通事故等都市交通問題に対処するための当面の施策といたしまして、駐車規制バス専用レーン設置等施策自動車交通量を減少させる効果があるものとして各地で実施されておりますけれども、今回の調査におきましては、抑制の目的に対応した規模、対象、手段、効果、その問題点等都市における自動車交通量抑制策の検討時に必要な諸情報がガイドラインとしてまとめられる予定になっております。都市の性格、規模、構造等によりまして、その抱える都市交通問題は異なるものでありますので、その解決のための手段は当該都市の政策決定者の判断で定められるものでございますので、その検討時にこの調査結果が活用されるよう配意されるようになっておるわけでございます。  なお、交通量抑制の実施上の問題点につきましては、今後ともこの調査結果が出ました段階で、この調査結果を踏まえつつ各省庁とも連絡をとりながら研究会を開催するなど、さらに必要な検討を進め、適切に対処してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  13. 安恒良一

    安恒良一君 去年あなたが答えた議事録読まれるとわかりますが、それから少ししか出ていないわけですよね。私は、いま言われたように交通規制問題というのは非常に重要でありますが、重要であると同時に、やはり結論は急がなきゃならぬと思うんです。  たとえば建設省見えになっていますが、今日、少々道を広げてみたところで自動車増加には追っつかないわけですよ。ですから、その意味から言いますと、これもうこれ以上やりとりしてもしようがありませんが、いま言われたようなことを三月末までには全部調査が終わるということですから、私どものこの委員会にはいつ出していただけるんですか、報告として。私どもの委員会で十分に議論をしたいと思いますが、いまあなたのお聞きをすると、何かガイド的な指標つくって、それを今度はそれぞれの各都市に流して、各都市は各都市で一生懸命議論してもらって、さらに今度は横の各省庁の連絡をとってなどということになると、また来年のいまごろになってこんなことぼくが聞かなきゃならぬようなことになりそうな気配になりますが、少なくともこの三月でまる三年あなたたちは調査研究をしたわけでしょう。そしたら、調査研究したならば、それを本委員会報告をされ、本委員会では十分議論できると。幸い本年度の通常国会は五月二十日までありますから、さらに三月、四月に入れば本委員会を開かなければならぬと思いますが、本年度のいわゆる通常国会中にそういうものは資料として出していただいて、私たちの十分な審議に供していただけますかどうか、そのことを聞かしてください。
  14. 三島孟

    政府委員三島孟君) 一応五十三年度末までに調査研究を終えていただくということでお願いしてございます。そういうめどでいま諸先生方が御研究を続けられておるわけでございますけれども、いま現在の作業状況をお伺いするところによりますと、大体三月末ごろまでには結論的なものがまとまるだろうと。そこで報告書ができ上がり、これが本格的に印刷されて私どもの方にお届けいただくのは、私どももできるだけお急ぎいただくようにお願いしておるわけでございますけれども、五月ごろまでにはちょうだいできそうでございます。私ども報告書をいただきましたら、早速当委員会にも御報告申し上げたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  15. 安恒良一

    安恒良一君 それじゃ大臣お願いをしておきますが、三月末までは結論が出るそうですから、出次第早急に、ぜひひとつ私どもの方にそういう資料をいただきまして、今会期中に私はもう一遍この問題について、その資料に基づいて、大臣並びに関係各省との間にやりとりをやりたいと、こう思います。でないと、これはすでに去年の四月に私がこのことについて注文つけたときに、来年の三月いっぱいに結論を出しますと、こういうことを議事録にはっきりこれはしてることですから、三月いっぱいに結論が出れば、幸い今国会の会期は五月二十日までありますから。  それはなぜかというと、きょうお見え総理府長官や、それから国家公安委員長関係官庁はどうか知りませんけれど、これも時間がありませんから去年のこと繰り返したくないんですが、去年私が言いましたように、自動車規制ということについては、率直に言って、国民側からの強い希望があるにもかかわらず、いままでは自民党政権としては、なかなか手がつかなかったわけです。これは自動車産業の保護育成という問題も一つありましたし、それから自動車産業が鉄綱を初めとする関連産業に大変な関連があるというようなことでなかなか手がつかなかった、こういう問題も去年の委員会ではやりとりしています。しかし、もう今日そんなことを言っておられない段階に来ておるということで、去年の委員会で、私はいつまで結論を出していただけるのかと、こういうやりとりを当時の大臣との間にはしているわけです。その結果へことしの三月いっぱいに結論を得るようにすると、こういうことでありましたから、去年私は了解をしたわけであります。でありますから、どうかひとつ大臣の方でお約束をお願いしておきたいんですが、今会期中にわれわれが十分な審議ができるように、ひとつ三月末に結論が出ましたならば、早急にひとつわれわれの方にその問題の資料を出していただいて、そして本委員会の中でやりとりができるようにしていただきたい、こういうふうにお願いします。よろしゅうございますか。
  16. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) 御提案の趣旨に沿うようにやってまいる所存でございます。
  17. 安恒良一

    安恒良一君 運輸省関係の点、いまさっきのやつ、それから国家公安委員長、どうですか。
  18. 林大幹

    政府委員(林大幹君) ただいま安恒先生の御質問の趣旨につきましては、運輸省といたしましても、大都市におきましてこれ以上に自家用乗用車交通量がふえますことはこれは防止しなければいかぬという、そういう考えに基づいて作業を進めておりますので、細部につきましては政策委員であります杉浦審議官に答えさせます。
  19. 杉浦喬也

    政府委員(杉浦喬也君) 大都市、特に大都市におきまして、先生御指摘のように自家用自動車の増大、この問題は、混雑緩和とか、あるいは特に一番大きいのは安全の問題でございますが、そのほか公害あるいは今後の省エネルギー、いろんな観点からいたしまして、いま政務次官申し上げましたように、これ以上はやはり増加をさせるべきではないという基本的な態度で行政考えておる次第でございます。  具体的にはいろんな観点がございまして、総理府におきましてもおまとめいただくわけでございますが、私どもといたしまして、まず考えたいのは、直接的な規制というより、むしろ誘導といいますか、公共輸送機関、鉄道、まあ私鉄、地下鉄、国鉄等ございますが、あるいはまたバス、そういうような大量輸送、公共輸送機関に何とか自家用輸送というものを誘導してまいりたいというふうに考えているわけでございます。  で、この誘導の仕方でございますが、やはりこの各種の公共交通機関をできるだけ整備いたしまして、相互の有機的な連携を密にいたしまして、利用者が非常に便利であるというようようなことで、そちらに向かっていくというような方向をぜひともやってまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、実は成功いたしませんでしたが、五十四年度の予算要求におきましては自家用自動車に新しい税金をかけまして、それを財源といたしまして公共輸送機関を整備するというような特別会計を実は考えた次第でございます。いろんな御批判、御意見ございまして、引き続き検討ということに相なったわけでございますが、そうした観点から今後も検討を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  20. 澁谷直藏

    国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘の問題は、私なども個人的に考えましても、このように無制限に大都市において車がふえていったら将来どうなるんだろうと、こういう素朴な疑問をこれは持つわけでございます。したがいまして、この問題は何らかの対応策というものを講じなければならない、そういう段階に来ておるという点については全く同感でございます。せっかく三年がかりで調査の結果が間もなくまとまるわけでございますので、その調査結果を見て、しさいに検討をして、対応の具体策を見出してまいりたいと考えます。
  21. 安恒良一

    安恒良一君 そこで私はお願いをしておきたいんですが、これは抽象的にお互いに言うのは簡単ですが、かなりぼくはやっぱり勇気の要ることだと思います。率直なことを言って。しかし、ヨーロッパ各国、アメリカ、資本主義、社会主義を問わず、大都市における自家用自動車を初めとする交通規制というのはかなり大胆に行われています、これはもう私が細かく例をアメリカではこうだ、イギリスではこうだと申し上げませんが。ところが、わが国だけは、いままでは、いわゆるたとえばバス専用レーンを設けるとか等々の間接的な規制はやられています、間接的な規制は。しかし、直接的な規制というのはわが国ではとり得なかったわけです、これは。残念ながら政治として。しかし、もう私は間接的な規制だけでは政令十大都市はどうにもならぬと。――それも必要ですよ、間接的な規制もいろいろ。しかし、そういうところに来ていますから、これこそ私は政治の課題として、私はやっぱり与野党一致して、勇気を持ってやはりやるところに来ていると、こういうふうに思いますから、どうかせっかく三カ年の長年の調査の結果が実りましたならば、関係大臣はひとつ勇気を持って御検討をぜひお願いをしておきたい、こういうことをこのことについて強く申し上げておきます。  そこで、直接的規制の問題はその程度にしまして、今度は間接的な規制問題について少しお伺いをしてみたいと思います。  もう時間かございませんから――私の手元にはいわゆるバスの営業用、自家用の輸送人員や輸送人キロ、それから乗用車営業用、自家用の輸送人員・人キロ等をいただいています。いただいているということを前提にしてひとつお聞きしたいのでありますが、政令十大都市におけるこれらの最近のいわゆるいま申し上げたこのバスの営業用、それから自家用の輸送人員、輸送人キロ、乗用車営業用、それから自家用のそういう状況について資料をお願いしておったんですが、ありましたらその資料をいただきたい。私の手元には三大都市圏、いわゆる首都圏、それから関西圏それから中京圏、こういうことで運輸省から資料いただいていますか、私はやはり、いろいろ直接、間接規制を行うにしても、この流れというのを正確につかんでおかないと政令十大都市ではいけないと思いますから、そのことについての御説明をお願いしたい。
  22. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 御指摘資料につきましては、現在私どもの手元には三大都市圏別の輸送人員の推移しか用意できなかったわけでございますが、先生御指摘の政令各都市状況等につきましては、鋭意早急に作成をいたしまして、後日、先生のもとへ届けさせていただきたいと、かように考える次第でございます。
  23. 安恒良一

    安恒良一君 まあ私がきのう質問通告をしたのは昼ごろでしたから、時間的に無理があったというならやむを得ません。ただ、私たち運輸白書なんかいただいておりまして読ましていただいていますが、どうしても三大首都圏別にそういう諸資料があるわけです。しかし、いまや交通問題というのは、三大都市圏はもちろんのこと、政令十大都市において大きい問題になっていますから、私はやはり諸統計を整備をされまして、政令十大都市におけるいま言ったような輸送人員とか輸送人キロとか、そういうことについてぜひ資料を整えていただきたい。でなければ、これからの論議が十分できませんので、きょうはやむを得ないと思いますので、よろしくお願いをしておきます。  そこで、今度は警察庁にお聞きしたいんですが、これらの政令十大都市における一時間当たりの渋滞キロの問題、これも去年議論をした問題です。私は、どうしても、どの程度渋滞があるのか、速度低下があるのかと、こういうことをつかんでおかないと、これは交通安全議論規制議論も十分でありませんから、政令十大都市における一時間あたりの渋滞キロ、速度の低下の現状についてひとつ御報告をお願いをしたい。
  24. 杉原正

    政府委員杉原正君) 御質問の一時間当たりというかっこうで必ずしも出ないのでございまして、一応現在の渋滞状況の把握につきましては、交通管制センターの車両感知器、この設置地点のうちから特定の渋滞状況の測定地点を選びまして、同地点におけるこの渋滞の長さが三百メートル、都市によっては五百メートル、それ以上になった時間を渋滞延べ時間としてとらえておるわけでございます。で、数字が細かくなりますので省略をいたしますが、五十一年を一〇〇として見ました場合に、五十三年は東京二十三区では一〇四、大阪では一五六、名古屋では九三、京都一五〇、神戸八五、福岡九六というふうなことになっております。  それから走行速度でございますが、これも全部言いますと長くなると思いますが、東京の第一京浜をとりますと、これは五十二年対五十三年でございます。午前が一時間毎時二十四キロが二十二キロにダウンしています。午後は二十キロが十九キロにダウンしました。それから大阪の梅田新道、国道一号線ですが、これが毎時四十五・六キロというのが四十四・八キロにダウン。名古屋の昭和橋東、国道一号線でございますが、ここですと、三十四・二キロ毎時がこれちょっと上がりまして四十一・五キロ毎時。京都の府道につきまして調べてみますと、三十七キロ毎時が三十四キロ、福岡におきましては、十五・七キロ毎時が二十・二キロ毎時というふうなことで、場所によって若干は違いますが、全体としましては渋滞が増加しておる傾向にございます。
  25. 安恒良一

    安恒良一君 これもいま杉原さんぺらぺらしゃべられたんですけれども、去年かなり私はやっぱりこの議論をしておりましてね、私が去年持っておった資料は五十一年度の数字しかないから、そこで、次回議論をするときには、いわゆるこの一時間当たりの渋滞による速度低下、当時私が各省から取り寄せた資料で計算すると大体十二キロというのが出ておりまして、どうかこの次議論をするときには各省と連絡をとって――警察で調べられているのは、そういう主要な交差点とか主要なところをとられてやっていますけれども、東京都なら東京都の二十三区における渋滞が大体どの程度あって、特に大衆輸送であるバスとか、そういうものの平均キロが何ぼ出ているかと、これがやっぱり一番重要な問題ですね。いま運輸省も言われたように、公共輸送を確保したいということ、問題は公共輸送確保ということになると、鉄道の場合は、これは専用鉄道ですから、これはもうキロ数はすぐわかるんですが、一番問題になるのはバスなんですよね。そのバスがどの程度の速度で走れているのかと、それがどうなっているのかと、スピードアップができているのか。というのは、もちろん四十キロ制限とか五十キロ制限がありますから、その範囲内で。ところが、私どもが調べる限りにおいては――これはお答え運輸省の方が的確なのかもわかりませんが、そのバスの一時間当たりのキロ数が年々低下をしているわけですね。それが、やはりもうバスは当てにならぬと、こういうことになるわけですから、そういうところについて私は去年の委員会でも議論をいたしましたし、きのう質問通告したのは、大体その速度低下がどうなっているんだろうか、本当に改善されているんだろうか。私が見る限りにおいては、残念ながら政令十大都市においては、ごく一部の地域を除きまして、いわゆるこのバスなどの運行速度というのがさらに下がってきていると、こういうふうに考えているんですが、そういう点はどうなんですか。これは運輸省ですか。
  26. 梶原清

    政府委員(梶原清君) バスの表定速度の推移を申し上げますと、これを東京都の例で申し上げたいと存じます。  昭和三十五年に時速十五・三キロ、これが年を経るに従いまして落ちてまいりまして、五十二年は時速十二・一キロ、このように低下しておりますが、これは表定速度でございまして、実際はさらにもっと下がっておるんじゃないかと、かように考える次第でございます。
  27. 安恒良一

    安恒良一君 まあ、いまの数字を聞く限りにおいて表定速度でもそういう状況ですね。その実際の運行から言うと、さらにそういうことになっていると思います。  そこで、これも時間がありませんから、余り細かく中身はやれませんが、一つのこういう場合の解決策としてバスの専用レーン並びに優先レーンの問題を去年議論しました。そのとき杉原さんはバスの優先レーン、専用レーンは積極的に拡大をしていく方針でありますと、こういうお答えだったわけですよね。ですから、これも手元にいただいている資料がありまするから、これについて説明はごく簡単でいいですから、四十九年から資料いただいていますから、私はきょう知りたいのは五十二年と五十三年の比較でありますが、過去一年間でバス専用レーンそれからバスの優先レーン等がどういう状況になっておるのか弔政令都市順ということでありますから、これは政令都市全部説明をしていただきますと大変ですから、総括的にどれだけのいわゆるバスの優先レーン、専用レーンがつくられたのか、これが一つ。  第二番目は、これもその後私調査いたしましたが、せっかくバスの専用レーンや優先レーンができておるにもかかわらず、いわゆる専用、優先の去年議論した担保問題ですね、これを確保するという取り締まりが十分でないために、私がこの一年間全国かなり回ったらいろんな苦情を聞くわけですね。せっかくできたんだけど、どんどん一般車が乗り入れてきて実際は専用や優先の用をなしていない。もちろん全国の警察官の数が一定の限度がありますから、なかなかむずかしいことだと思いますが、せっかく専用レーンや優先レーンをつくったら、やはりときどきはきちっとした取り締まりをしてバスの専用レーン、優先レーンの確保ができないと、公共輸送としてのバスの確保ができないと思いますが、そういう状況についてひとつ御説明を願いたい。
  28. 杉原正

    政府委員杉原正君) 御質問の第一点の五十二年対五十三年のバス優先対策の実施状況でございますが、バスの専用通行帯について申し上げますと、四百九十二区間八百七十・六キロ、これは対前年比七・一%増、それからバスの優先通行帯につきましては、三百五十九区間、六百十五・四キロ、対前年比六・七%増、こういうことになっております。  それから、このせっかくつくりましたバスの専用レーン、優先レーンの確保の問題でございますが、これは安恒先生指摘のとおりでございまして、これがきちっとやはり確保されませんと、せっかくつくったものの効果が減殺をされるわけでございます。  ちなみに昨年のこのバス専用レーン、優先レーンに入ってきたものについての取り締まり、これは検挙いたしました件数は四万二千二百八十六件でございます。これは現実に検挙されたものでございまして、かなり悪質なものでございます。通常は不注意に入った者は現場で笛を吹く、その他で指導警告をやります。この指導警告の件数は正確にとれておりませんが、これはかなりの数に達しておるわけでございますが、この御意見の方向に沿ってさらに努力をしていきたいというふうに考えます。
  29. 安恒良一

    安恒良一君 去年答えられたわりに、たとえば一つの例を挙げると、バス専用帯、通行帯は一年間で五十七・八キロ延びているだけなんですよね、一年間で。それから、バス優先帯が三十八・四キロしか延びてないんですよね。ですから、私はやはり何としても都市交通の渋滞の中で公共輸送を重点的にやっていくということになりますと、これは警察だけではできることではないと思いますが、交通問題について積極的にいま少し取り組んでもらわないと、これは全国でですからね。ですから、政令都市のやつをここにもらってますが、これちょっと見てみると、全然やってないところもたくさんあるのだろうと思いますね。これでは、私は一般論として局長が意気込んで答えることと実際やっておることはほんのわずかしかやってない。議事録だけ読むと、断固として多くやりますと、こういうことを言われてますが、実際は一年間でたった五十七・八キロ、優先レーンなんかたった三十八・四キロ、これは全国でですからね。これではなかなか……。いわゆる一つは、当面は直接規制ができないから、間接規制ということで、車を持つことは不便だと思わせると、それがためには公共輸送の確保としてバスの優先レーンなり専用レーンがあると、いま一つは、いわゆる駐車違反を徹底的に取り締まるのだと、これが去年の杉原さんのお答えだったわけですね、直接規制じゃなくて間接規制中心課題として。そういう意味から言いますと、間接規制の実績というのが一年間にたったこれだけしか上がってないということは、私はまことに遺憾に思います。ですから、これもこれより以上やりとりしているとほかの問題の時間がありませんから、どうかこういう点については、積極的にひとつ本当に委員会で答えられたとおりに努力をしていただきたい。何も努力をされてないということを言っているわけではないのですけれども、余りにも、いまの交通渋滞、時間のロス、そういうようなこと、それから公共輸送機関としてのバス離れ、こういうような問題から考えると、速度がのろいようでありますから、お願いをしておきたいと思う。  そこで、ひとつ最後に具体的な問題をお聞きをしてみたいと思いますが、これも通告しておりましたので関係官庁で調べられたと思いますが、実は福岡市内に今度地下鉄が建設をされることになって、どんどん進んでおる。地下鉄というのは私は非常に結構なことだと思う。ところが、その結果、具体的なことを言いますと、福岡市内の中心街、荒戸から東公園の中約四・一キロに、これは東西軸モール計画、こういうことになりまして、どういうことをやろうとされているかというと、たとえば万町から川端町の間に歩道が十五メートルから十二メートル、広いところが十五メートル、狭いところで十二メーター、車道がわずか十三メートルから十一メートル、歩道と車道が逆になっておるわけですね。逆になりまして、その結果、車道を調査しましたら四車線であります。そして、第一車線が四・五メートル、第二車線が二メートル、これで二車線ですね。合計いたしますと十一メートルから十三メートル。そうしますと、いま交通輸送は西鉄バスが市内を担当してますが、そこのバスの幅が二メートル四十五なんです。そういたしますと、この二車線では全然いわゆる追い越しができない。これはバスだけではありません、トラックもできない。それから、せめてバス停の切り込みが、そういうところにあるならば、これは切り込みに入ってとまっている間にほかが追い越すとかということで――こういうやり方でいきますと、みすみす市内の目抜き通りが大変な交通混雑になる。事故にもつながるし、交通混雑にもなるというふうに思うんでありますが、ちなみに一つの例を挙げますと、いま行われているところの中心街の天神町から川端というところ、一日の通行量バス二千二百四十六回、天神町から赤坂、通行量二千七百二十三回、こういう通行量になるのですね。地下鉄の任務というのは大量輸送でありますが、これは駅間が長いものですから、どうしても駅の間をやっぱりバスが埋めなきゃならぬと思うわけです、駅と駅の間の輸送担当。そういうことが、お聞きをしますと、これはどこで計画されたかということになると、一つは市当局ですね、それから県警、それから地方陸運局、それから建設省の地方出先、こういうところで相談をしてやっておられるということですね。ところが、当該の会社に対しては、いま一手でいわゆる引き受けている西鉄の会社等々については全然御相談がないままこれが進んでいるということを聞いている。過日地方ローカル紙にでかでかとこれが載りまして、実は私の方には、労働組合側から、こんなことをされたら大変だと、いわゆるバスの労働者はたまらないということで問題が出てきていますが、私は少なくともこういう問題をやるときに、当該の会社をのけて、労使をのけて、それで地方陸運局と建設省の出先と県警と市当局でやるという常識をまず疑うわけです、常識を。こういう点について、きのう質問通告をいたしておりましたから、どの省か知りませんが、これについては十分御調査をしてくださったと思いますが、どういうふうにお考えになり、どのように対処されますか、考え方を聞かしてください。
  30. 浪岡洋一

    説明員(浪岡洋一君) ただいまの御質問に対してお答えいたします。  御承知のとおり、福岡市の東西交通は二〇二号線が主でございますし、その北側に昭和通り、南側にいわゆる城南道路と三本の路線があることは先生十分御承知のとおりでございます。  現在、私どもの調査いたしたところによりますと、問題の二〇二号線、つまり地下鉄が建設される路線でございますが、平和台公園の起点の断面をとりますと、総幅員が二十五メートル、そのうち車道部分が十三メートル、残りが片側五メートルの歩道、もう片側七メートルの歩道、こういうことになっておりまして、片側ずつ十数メートルという歩道は全体の幅員が二十五メートルでございますので不可能でございます。
  31. 安恒良一

    安恒良一君 いや、だから私が言ったのは片側と言ったところじゃありませんよ。広いところで両方に分けて十五メートルですね。それから狭いところで歩道は十二メートルというふうに発表された。いまあなたが言われたところは平和台。それから私がお聞きしたいのは車道がその場合どうなるかというと、広いところで十三メートルですね、狭いところで十一メートルですね、そして、いま言ったようにそれぞれ四車線とることになるわけですね、十一メートルから十三メートルで。そしてバスの幅員からいうととても追い越しができないんじゃないか。それから、いまあなたが言われたように昭和通り、これのバスの一日の通行量は、天神町から呉服町まで二千八百六十九、天神町から赤坂まで千三百九十六、それからいわゆる俗に言われている国体通り、これがあなたが言われた第二番目の道ですが、渡辺通りから呉服町が七百八十四、天神町から護固までが千二百四十九と、こうなっているわけですね。  そうしますと、こっちの方にもう流すわけにはいかない。現実にいま目抜き通りと言われているところの天神町-川端が二千二百四十六、天神-赤坂が二千七百二十三往復行っているわけですよね。そういう場合の車道と歩道のあり方として、しかも四車線で、その間には何もバスだけ行っているわけじゃないですから、トラックも通れば自家用もうんと通るわけですからね。そういう中において公共交通確保といいながらも現実にこういうような道幅をとられると、公共輸送交通の確保にならぬじゃないか。  それから、そういうものについては少なくとも私から言わせるならば、いわゆる警察、それから運輸省、地方陸運局、建設省市当局、それから当該交通をやっているところ、こういうところの中の協議が十分整えられて、じゃバス帯をどうするかという議論があってしかるべきじゃないかということで言っているのであって、私はそのことについてはきのう各省への質問通告のとおり全部聞いていますよ。ですから、何も建設省ね、道のことだけじゃないんですよね、交通確保という意味でどうするんですかということを聞いているんですから、それぞれ皆さんの出先は相談に加わってやっておるというんですからね、そのことを聞いておる。だから、きのう通告して、それはちゃんと調べておってくれと、そして、きょうはどうするかということの答えを聞かしてくれということですから答えてください。運輸省どうするんですか、警察どうするんですか。
  32. 梶原清

    政府委員(梶原清君) この問題につきましては、福岡陸運局が御相談に乗っておるようでございますが、御指摘のとおり、バスの運行を初め、都市交通全体に大きな影響があると思われますので、さらに関係者との協議を続けまして効率的な交通体系を確立確保するように努力をいたしたいと、福岡陸運局に強く指示をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
  33. 杉原正

    政府委員杉原正君) 私ども現地で聞いたあれによりますと、場所によって若干違うと思いますが、幅員が二十五メートルの中で車道は十メートル、片側一車、歩道七・五メートル、両側で歩道十五メートルになりますか、そういう構想が当初あったようでございます。この区間につきましては、福岡市の幹線道路でありますし、域内交通と通過交通が多いというふうなことでございますので、一月の末に県警の方の意見としまして片側二車、全幅四車を確保するように協議をしましたところ、一応福岡市の方ではこれを受け入れられたようでございまして、現在片側二車、全幅四車で路面の復旧工事が進められておるというふうに聞いております。
  34. 安恒良一

    安恒良一君 それじゃ自動車局長からそういうことを言われましたから、どうかそれぞれ関係各省、下部にきちっと指示をしていただいて、やはりこういう問題を議論する際には、一つは歩道というのは、これは非常に歩道が広くなるということは決して悪いことじゃないわけですね。しかし、それと同時に、公共交通中心であるバスの輸送をひとつ確保する意味からいって、ただ、いま四車線と、こう杉原さん言われましたけれども、問題は、四車線の場合にバスやトラックの幅を考えて、それがやっぱりある程度追い越しができないとこれは渋滞するわけですから、そういう問題。さらに運輸省が言われましたように当該交通機関とも十分に相談をしながらやっていただくということのそれぞれの出先に対してきちっとした指示を、運輸省、それから警察、それから建設省等々ぜひお願いをしたい。そして十分このバス輸送の確保が、いわゆる市民の足として、これは地下鉄と連携をとりながらやっぱりできるようにひとつやっていただきたい、こういうことをお願いをしておきます。それぞれしていただくということでありますから、いいですね、そういうことで。よろしゅうございますか、いまの点は。――いいですね。  それでは次に参ります。  次の問題といたしまして、まだいろいろ質問通告いたしておりましたが、時間が余りありませんから、過積みの問題について少しお聞きをしてみたいと思うんです。  御承知のように、道交法改正をされて、過積み解消問題が今日適量積載ということで大変結構なことです。ところがいろんな問題がどうも派生をしているように考えられます。  そこで、まず資料といたしまして、これももういただいていますから結構ですが、営業用トラックの台数とそれから自家用のトラックの台数、これはいただいています。そこで、その自家用の中で、これはなかなか押さえにくいと思われますが、俗に言う白トラという問題がありますね。こういう問題について大体どういう台数で、輸送量どのくらいお考えになっているのか、まずちょっと運輸省の方からひとつ……。営業用トラックの台数と自家用のトラックの輸送量、台数はここにいただいていますから、それは結構ですが、俗に言う白トラと言われているものの台数並びに輸送量について。
  35. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 昭和五十二年度トラックの台数でございますが、自家用自動車が七百五十一万七千台、その大半は小型車でございますけれども、白ナンバートラックといういわゆるもぐり、違法トラックにつきましては、大体が普通車のトラックではなかろうかと、かように考えるわけでございますが、名前は白トラでございますが、もぐりでございまして、果たしてその実数がどのくらいあるかということがよく掌握できていないわけでございます。  ただ、取り締まりをした件数だけはわかっておりまして、昭和五十二年度に全国で二千七百四十九件摘発をいたしまして、そのうち一千八百七十一件につきまして自動車の使用禁止処分、警告等の処分を行っておる実情でございます。
  36. 安恒良一

    安恒良一君 取り締まられたのは、私は氷山の一角だと思います。ただ、自家用トラックの台数と輸送数量はわかるが、なかなか白トラはわからぬということでありますからやむを得ませんが、今後これは取り締まりを強化してもらいたいと思います。  そこで、ひとつ過積問題でお聞きをしたいんですが、いわゆる過積載を定量積載にすることによって増加する車両の台数と、それから運転手さんの不足が出てくると思いますが、どのくらいの運転手さんが不足をするのか、そういう問題についてはどうされようとしているのか。  このことと、第二番目に、この運賃の運送コストの急騰があるということがよく言われていますが、この問題について質問しますが、まずトラックの民間運賃は、道交法道路運送法あるいは労働基準法など、すべての関係法規を遵守をすると、そういうたてまえで運送コストを営業用は決められていると思いますが、この点はどうなんでしょうか。
  37. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 御指摘のとおりでございます。
  38. 安恒良一

    安恒良一君 前段の質問は。
  39. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 昨年十二月改正道交法の施行以来、過積載の自粛効果か非常に上がっておるわけでございます。で、それに伴いましての傾向でございますが、たとえば五トン積み車を八トン積み車に代がえをするというような大型車への切りかえ、それから一部の貨物、特に重量品につきまして鉄道なり内港海運へ転移するという傾向が見受けられるわけでございます。で、大型化、トレーラー化の現状を申し上げますと、ことし一月の実績で対前年同月比を見てますと、営業車でございますが、普通車が一〇五・一%、小型車が九九・五%、被牽引――これがトレーラーでございますが、一一一・一%であります。この傾向を見てみますと、小型車が大型車へ切りかわるという傾向、それからトレーラー化するという傾向が顕著にあらわれておると、こういうふうに見て差し支えないと思います。で、確かに車がふえておりますが、車をふやしますことは、道路交通も、渋滞もさらに激化をするわけでございます。この要員をふやさなければいかぬということになりますので若干そういう傾向もあらわれておりますが、先ほど申しましたようなこの大型化への傾向と、それから他の輸送機関への転移、若干の転移と、こういうことがあらわれておるんじゃないかと思います。で、どれだけ車がふえたか、営業車につきましてふえたか、あるいは増員があったかということにつきましては現在計量的に把握をいたしておりませんので、残念ながらこの席で申し上げるわけにいかない次第でございます。
  40. 安恒良一

    安恒良一君 それでは、これも十二月一日から変わったばかりでありますから、二月でありますから、いまのところ過積載を定量積載にするに当たっての自動車のふえた台数、それからそれに伴う運転手さんの増員問題は、いまはむずかしければ、できるだけ早くつかんでいただきたい。もちろん、局長言われたように一部国鉄の貨物に対するいわゆる積みかえであるとか、船舶における輸送であるとか、さらに同じ車では大型化というのがあることは私も承知していますから、ひとつそれは調査をしていただきたいと思います。  そこで、営業車の場合には定量で積んで走って十分採算がとれる運賃になっているということになっています。ところが、次のような現象が出ていると思いますから少しお聞きしたいんですが、まず営業車の場合には、それと同時に過積みをやった場合にはこの道交法改正によりまして両罰規定になっていますね。いわゆる荷主も含め罰せられるということですから、なかなか過積みをやらぬ。ところがいわゆる白トラ、自家用の場合は過積みの場合には罰金を払うと。罰金を払うということで道交法でいわゆる両罰規定には白トラの場合にはなってないわけですね、白トラの場合には、自家用の場合には。そこで、罰金さえ払えばいいということで罰金を払った分を今度は――白トラというか、自家用の場合は主として自社製品を積む場合が多いわけですね、平均。そこで、罰金なんかとられた場合にはそれを価格転嫁すると、こういうやっぱり動きがあるんじゃないかと思います。営業用の場合にはこれは荷主、営業主含めて両罰規定がきちっとありますから、かなり過積をやめて定量積載をやっておるようでありますが、自家用の場合には、どうも、いま申し上げたように、これは罰金を払うということによって、そしてそれで損失した分は自分のところの商品にぶっかけりゃいいと、こういうことがあるやに、かなりいろんなところから聞いていますが、これらの問題についてどう把握をされ、どのような対策をお持ちなのか。これは運輸省と警察にお聞きします。
  41. 杉原正

    政府委員杉原正君) これはあれだと思いますが、現在の、今度の改正道交法は車の両罰――過積の違反についての両罰とか車の使用禁止は、営業車も自家用車も同じように適用されるんでございまして、したがって白ナンバーも、自家用トラックも含めて自粛をしているというのは、まさにそういうことの背景があるからでございます。違反率ということで見ますと、営業車の方の自粛が程度が高いんですけれども、営業車も、自家用車も――いまの御質問は全く同じように適用されるということでございます。
  42. 安恒良一

    安恒良一君 わかりました。  そうしますと、自粛率は営業車の方が高いということ。そこで少し中身を突っ込んでお聞きをしておきたいんですが、一つ建設省にお聞きをしたいと思いますが、この過積み防止のために去年からの委員会でいわゆるいまは主要国道に計量器を備えつけておる。しかし今日、トラック輸送、自動車輸送というのが御承知のようにフェリーを使ってやるのが非常に多くなったと。そこで、フェリーヤードに計量器をつけて過積みの防止をやろうということの考え方が私どもの質問で明らかにされまして、それは五十四年度、今年度から実施をしたいというやりとりはこの本委員会でもやったつもりでありますが、いろいろこう予算を見ますと、ちょっとそこのところが明確でありませんが、これは建設省お答えになる問題でしょうが、いわゆる過積み防止のためのフェリーヤードにおける計量器を今年度何基つけるつもりなのかということについて、これは建設省と、それから場合によれば港湾局ですか、運輸省見えになっていると思いますが、そこにも関係あるんじゃないかと思いますが、その点について去年本委員会やりとりしたことの実効についてお答えを願いたいと思います。
  43. 浪岡洋一

    説明員(浪岡洋一君) 先生御承知のとおり、フェリーヤードの管理者つまり埠頭の管理者につきましては、これはそれぞれの港湾管理者というものが存在しておりまして、道路管理者としては、本来的に港湾区域には踏み込めないことになっております。私ども、港湾当局に、それぞれの地方建設局なり公団等が現在港湾区域内について道路区域に編入していただけるか、あるいは無償ないし廉価でお貸しいただけるかどうか等について折衝をしておるわけでございますが、この辺でうまく折衝が解決できれば、できるだけ埠頭近辺に設置いたしたい、かように考えておるわけでございます。まあ、ちなみに全国で来年度五十四年度には、これは埠頭周辺に限らず、全国で重量計の設置を予定しておりますのは約五十カ所ほどございまして、今後港湾管理者等の協議が煮詰まれば逐次やっていきたい、かように考えておる次第でございます。
  44. 安恒良一

    安恒良一君 運輸省港湾局ありませんか。
  45. 大森国章

    説明員(大森国章君) ただいままでのところ、フェリーヤードにつきましては、重量計は全然設置されておりません。で、重量計を設置する場所がどこがいいかというような問題もございますし、それから設置者がだれかということもございますし、取り締まり官庁の方、また関係官庁の方と相談いたしまして、今後対応していきたいというふうに思います。
  46. 安恒良一

    安恒良一君 それは責任怠慢じゃないですか。去年の委員会の中で、結局杉原交通局長その他関係者とやりとりしたときには、主要国道における計量器は備えつけて、こういう取り締まりをやっているということの議論がありまして、そこで私の方からは、主要国道だけでは不十分だ、いわゆる今日フェリーによる輸送がふえているから、ぜひフェリーヤードに計量器をつけることにしてもらいたいということを言って、そのやりとりは了解をされています。ところが、いま聞きましたら、建設省の方はそれは港湾局の方である、全国で大体五十ぐらい、これは何も港湾だけでなくて、考えている程度。片方、運輸省側から言うと、いまのところまだどこもいわゆるフェリーヤードにつけるというあれは検討しておりませんということなら、何のためにこの委員会議論をしたことになるのか。少なくとも五十四年度からそういうことはやりたい、こういうことだったわけですね。これはどういうことですか。これは全体の総元締めである総理府としてどう考えますか。委員会でせっかく議論して、それはいいことだから来年からはそういうことに努力しましょうと、こう答えておって、いざきょう聞いてみると、官庁のなわ張りの問題があるのかどうか知りませんけれども、ことしの問題として現実にならぬというのはどういうことですか。これじゃあなたせっかく委員会で長時間かけて議論しても意味がありません、そういうことじゃ。総理府総務長官、どういうことですか、これは。
  47. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) せっかく委員会審議をされ、そういうことを話し合いを進めてまいったのでございまするから、私の方から十分運輸省の方にも連絡をいたしたいと思います。
  48. 安恒良一

    安恒良一君 これもひとつ当該のトラック労働者は期待しておるわけですね。このことについてはすでに知っています。ですから、次回までに総理府責任を持って運輸省建設省、警察等関係省との間でひとつこれは議論していただいて、五十四年度どこに何基つけるのか、これをひとつ明らかにしてください。でなければ、当該の労働者にうそを言ったことになりますよ。私も委員会で追及した責任があります。ですから、そういうことについては予算ですでに取ってあるならば、問題はあとは設置個所の問題ですね。でありますから、どうかひとつ次回委員会までに、このフェリーヤードにおける計量器を五十四年度何基、どこに、どうつけるのか、こういうことについてひとつぜひ明らかにしていただきたいということをお願いをしておきます。これはこれ以上やりとりをしても進みませんから、お願いをしておきます。  最後に、コスト問題できょう農水省、通産省等々に来ていただいておりますが、私は何も過積みを定量積載にしたからといって、コストが急激に上昇するとは考えられません。私のいろんな調査では、たとえば繊維とか電気製品なんというのは、大体コストの中で輸送原価というのは〇・二%程度、ただ鉄とかセメントとか、こういうものになればかなり高くなるとかいうことで、最高でも二〇%程度といろいろあります。しかし、輸送機関というのは国鉄で運んでいるもの、船で運んでいるもの等々がありまして、いわゆるきょうここで問題にするのはトラックで運ぶやつですね。それから農産物の場合に、たとえばミカンであるとか、いわゆる生鮮の魚ですね、こういうものがかなりトラックで運ばれている。それがどうも私は過積みが定量積載になったからといって、そんなに私の調査ではコストに響くとは思われないんですが、一部それが理由で品物の、製品の値上がりということがいろいろ報道されています。そうでなくても今日物価が強含みで、たとえば政府予算でも本年度は四%以内で済むが、五十四年度は四・九%という、いま予算審議中に総理以下から明らかになっていますが、せっかく過積みをなくしたからといって、それに藉口して諸物価が高騰するということであってはいけないと思うんです。でありますから、私は運輸省にいわゆる営業用トラックの運賃という問題について前段で聞いたのはそこにあるわけです。いわゆる過積みの状態でなくて普通の状態で、定量積載で運賃はきちっと計算してあると、こう言われているんですが、そこらの問題について、きょうはわざわざ通産省それから農林省から関係の方々に御出席いただいていますから、この過積みをなくして定量積載をした場合のいわゆる輸送コストと製品価格について、これはたくさん製品がございますから、主要な製品についての考え方を聞かしていただきたい。  以上です。
  49. 島田春樹

    政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。  最近一般に物価の上昇という気運がございます。いまお話がありましたようにいろいろ物価の上昇に原因がございまして、特に最近原因として考えられますのは、一つは国際市況の問題、あるいは全般的に景気が要するに不況から回復してきたことに伴う需給、たとえば過剰在庫がなくなってきたというようなことで需給が均衡してきて価格が動いてきたというような、いろいろな原因がございます。過積みが原因であると言われているものもその中にあるわけでございますが、私どもが承知しておりますのは、いまお話がありましたように、主要品目についてざっと見てみますと、主として私どもが伺っておりますのは建設資材の関係で、たとえば綱材、骨材、あるいは生コンでございます。こういったような関係につきまして最近若干価格が上がる、あるいは上げたいというような話があるわけでございますが、この辺について主として過積み問題が議論されているというふうに伺っております。  いまお話がありましたように、どれくらいかという点ですが、これは、製品コストの中に占める輸送費の割合というのは、特にこういった業界について、なかなかつかみにくい点がございますが、いまお話がありました繊維とか家電とか、そういった品目に比較いたしますと、いま申し上げましたものは比較的製品コストに占める輸送費の比率は高い方であろうというふうに考えられます。かつまた、従来警察の取り締まりの実績等を見ましても、比較的過積みで違反件数の多いというのがやはりいま申しました関係のものでございまして、したがって、過積みの関係が定量積載というかっこうで自粛が行われた場合、たとえば輸送回数をふやすとかというようなかっこうになってくる、その関係でコストが上昇してくるということは考えられると思います。ただ、私どももそういったことで、適正に価格が形成されることは必要であるし、そのために最小限価格に転嫁されるのはやむを得ないと思いますが、それに藉口して便乗値上げをするというようなことは厳に慎むようにということで、私ども業界を指導しておるということでございます。
  50. 中島圭一

    説明員(中島圭一君) 生鮮食料品につきましては、御案内のとおり天候とか豊漁、不漁等によりまして供給面に変動がございますので、これらの卸売価格につきましても、そのときどきの需給の関係によりまして、かなりの変動を見るという特徴があるわけでございますが、ここでミカンあるいは魚介類につきまして、卸売価格を東京都の中央卸売市場のもので見てみますと、昨年の十二月では、対前月比でミカンの場合には一・五%のアップ、また魚介類につきましては、魚介類全体で一八・三%のアップとなっておるところでございます。なお、本年の一月に入りましてからは、これはまだ数字が公表されておりませんので、概数ということで御承知おきをいただきたいと思いますが、ミカンの場合には五%程度下落、魚介類の場合には一三%程度下落という模様でございます。昨年の十二月には卸売価格が上昇を見ておるわけでございますが、これは年末におきまして一部トラックの不足等もあったわけでございますが、年末年始用の需要期にちょうど該当しておりまして、そういうような関係で、その需給の実勢をかなり反映しているところによるというふうに考えております。  それから木材につきましても、卸売価格は、これは米ツガ正角というものについて見ますと、昨年の十二月では対前月比で四・三%、それから本年の一月では一一・八%のアップというぐあいになっております。ただ、これにつきましては過積載規制の影響ということも言われておるわけでございますが、また外材につきまして、海外の現地の産地価格が急上昇しております。また、昨年の秋以降の円高基調の鎮静化というような要因によるところも非常に大きいのではないかというふうに考えておるところでございまして、具体的にこれらの価格につきまして過積載規制強化の影響がどの程度働いているかということにつきましては、具体的に判断しがたいところだと思います。
  51. 安恒良一

    安恒良一君 この問題、少し突っ込みたいと思いましたが、時間がありませんので、最後に御要望なり見解を聞いておきたいと思いますが、いま運輸省に聞く限り、営業用トラックの認可運賃は、道交法道路運送法、労働基準法などすべて関係法規を遵守をしてやれるというたてまえできちっとした運賃体系は決められておる、営業用トラックについては。でありますから、ちょっと通産省のお答えが気になるんですが、たとえばセメントとかいわゆる鉄材とか、大きなものについてはある程度価格転嫁もなんて言われましたけれども、そんなこと起こり得るはずはないと思うんですね。だから、私が聞いているのは、物価上昇があることのその諸原因はいろいろありますが、きょうはここは物価対策委員会じゃありませんから、交通対策委員会ですから、その諸原因を聞いているわけじゃないんです。問題はいわゆる過積みをやめて定量積載にした場合に、それに藉口した値上げがあっては困るということを私は言っているわけです。その限りにおいて、どうもちょっと通産省の方は、これは産業保護省とよく俗称言われますから甘いのかもわかりませんけれども、それではいけない。問題は、私はやはり輸送ルートというものを何もトラックだけでやる必要はないわけでありまして、国鉄の貨物にこれを一部転化するとか、さらに船舶に転化するとかいろいろ方法はあるわけでありますから、トラックで運んでおったから全部トラックで運ばなきゃならぬということはないわけですね。ですから、過積みをやめて定量積載をするためにそれが製品価格にはね返って国民生活に影響があるということになるとこれは困るわけですから、農水省の場合にはいまのところ余り見受けられないということですから結構なんですが、通産省で挙げられました――私は細かくいわゆるコスト別のやつについて商品名、それからある程度の輸送コスト等もパーセントはじき出しておりましたが、時間がありませんから――そういうことかあってはこれはいけないと思うんですね、そういうことが。そうでなくても物価か上昇ぎみなときですから、どうか――そういう点についてちょっといまのあなたの答弁は一部気になってしようがないんですが、そこはどうですか。  それと同時に関係大臣にもお願いをしておきたいんですが、私はやはりこの過積みをやめて定量積載にやったと、このことは正しいことだし、今後も守られなきゃならぬと思うんです。それから、もしも運賃に問題があるならば、それは運賃自体の改正ということで議論されるべきであって、そのことが製品価格にストレートに反映していくということは、これは間違いだと思いますから、そういう点について強く要望しておきますと同時に、通産省のところもう一遍答えて。あなたの答え、ちょっと気になる。
  52. 島田春樹

    政府委員(島田春樹君) お話、御指摘の点、ごもっともでございまして、この規制、定量積載、自粛する、一つの輸送の合理化の手段として、たとえば海上輸送に切りかえるとか鉄道に切りかえるとか、業界としても最善の努力をいたしておるようでございます。先ほども私申し上げましたが、これに藉口して値上げをするというようなことがあっては相ならぬということは、私も全く同感でございます。
  53. 安恒良一

    安恒良一君 はい、以上です。
  54. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 先般伺いました四大臣の所信に関しまして、二、三お伺いしたいと思います。  まず警察庁ですけれども、昨年末には改正道路交通法の施行を見まして、事故の減少を期したわけでございまするが、こうした効果を一時的な現象で終わらせることなく、引き続き五十四年度以降も持続させていかなければならない。これは当然のことでございますが、所信の中にも、改正道交法の適切かつ積極的な運用に努める、とありまするけれども、これは具体的にどのようなことをお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
  55. 杉原正

    政府委員杉原正君) 基本的に改正道交法の運用ということになりますと、これは警察活動の一環としてやることが非常に多いわけでございます。そのためのこの改正道交法の運用というものについて、基本的に国民の方々の理解と共感に支えられたものでなければならないということを所信の中で述べておられるわけでございます。  そこで、具体的にどういうことかと申しますと、たとえば従来、まず基本的に交通警察の対応の仕方としまして、取り締まりという面が強く出るわけでございますが、取り締まりもそうでございますが、同時に、先ほど来出ておりますように、たとえば自転車事故などが非常に多いというふうな、あるいは小学生、中学生事故が多いということになってまいりますと、これは取り締まりということよりも、むしろこういう歩行者自転車利用者に対します保護、誘導、やはりこういう活動というものを前面に出していきたいという点が一つございます。  それから、交通違反の取り締まり。改正道交法の規定の適用につきましても、やはり交通事故に直結する悪質危険な違反行為重点を指向するという点。  それから、第三に過積載の問題。これは典型でございますが、それ以外にも、たとえば無資格運転、無免許運転あるいは覚せい剤施用の運転、これあたりは長距離トラック運転手がときどき使用して運転をするわけでございますが、調べてみますと、やはり構造的な違反といいますか、そういう運転者の背後にいろいろな問題があるというふうなものにつきまして、車の使用者とか、あるいは荷主等の責任追及というものがきちっと行われないと、これだけの大量交通の中で末端の現象だけを取り締まりしておって解消するような問題ではございません。そういうものに力を入れていきたいと思います。  それから、具体的な改正道交法の適用の問題に関連をしまして、特に今回のこの改正道交法を機会に、われわれの従来のやり方というものを基本的に再検討しようということでございまして、スピード違反とか駐車違反とかが非常に数が多いわけでございますが、このやり方にしましても、一つは現在の交通規制――スピード規制その他でございますけれども、こういうものの見直しが基本的に必要だと思います。  それから、本当に危ないところであれば、ここは危ない場所である、危険なところであるというところのいわゆる標示、事前にここは危ない場所だということを皆にわからすような工夫、それから事故が発生を――まあ、そういう危険な場所で取り締まり個所というものを選定をする。で、どういう違反をどのような形でやっていくかということについて、いわゆる現場任せではなくて、署長以下幹部が取り締まりの管理というものをきちっとやっていこうというふうなこと。  それから、同じ違反の取り締まりでありましても、なぜここでこういう違反の取り締まりをやっているかという事柄についての相手方の理解を求めるような措置、そういうふうなことをやりながら、この改正道交法の運用を通じて国民の方々の理解と共感を得るような運用を図っていきたいということを考えておるわけでございます。
  56. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 警察庁からの資料にありまする「昭和五十三年度中の交通事故発生状況」を見ますると、交通事故のうちで死亡事故の特徴として、まず府県間の格差が非常に大きいということが挙げられております。現に多い県として香川県、少ない県として東京が出ておりまするが、この原因についてはどのように分析されておられるかお伺いしたいし、またさらに、この死者発生の多い県に対してはどのような対策を講じていくお考えなのかお伺いします。
  57. 杉原正

    政府委員杉原正君) これ、いろいろ府県間の格差を分析をしてみますと、やはり基本的には、いろんな交通安全面の投資、交通環境、そういったものがまず基本的にかなり格差があるということでございまして、やはり大都市とそうでないところとではかなり違う。先行投資のようなものも行われているところが事故率の低いところはあるわけでございます。それから、一般の住民意識といいますか、そういうふうなものについても差があるというふうな問題もあるようでございます。それから、安全教育の取り組み方、そういうものにもまた差があるということでございます。  そこで、これからの対策としまして、いま府県間のお話を申し上げましたが、実はもう少し、地域を住民に直結するという意味で、市町村単位にこれを見てみますと、市町村単位でも大変な人口当たりで格差があるわけでございます。府県間以上の格差があるわけでございます。そこで、こういう事故率の高い府県事故率を少なくするというためには、県レベルというよりも、むしろ市町村単位で事故率の高いところというものを低くするようにつぶしていく必要がある。その辺になってまいりますと、関係機関はもちろんでございますが、自治体の役割りというのが非常に大きいわけでございます。そういう意味で、いま各県でいろいろやっていただいておりますけれども、事故率の非常に少ない、東京で言えば武蔵野のようなところは、これは年間死亡事故がない、全くない市になっておりますが、そういうふうなところで一体何がどのように行われているか、関係機関の仕事の取り組みはどうかというふうなことを御視察をいただいたりしておるわけでございますけれども、そういう形で、この事故率の高い市町村をつぶしていくということで、結果的にその当該事故率の高い県が安全県になっていくというふうな、そういう具体的な措置として取り組んでいく必要があるんではないかということで、関係機関とも相談をしながら、そういう方向で今後仕事を進めてまいりたいというふうに思っております。
  58. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 一応多い方と少ない方と比較してみますと、いただいたこの表によりますと、いわゆる過密といいましょうか、東京その他等、大都市の方は少なくて、過疎県ともいわれるところが多いということには、何かこれ施設の面でおくれているかどうかということと、ほかに常識的に言えば過密しているところが事故が多いはずなのに、むしろ逆になっているというようなことも考えられるわけです。  そこで、もしも施設ということでもって過疎県がそれだけの交通対策にする費用が少ない、予算が少ないというようなことからそういうことを招いているのか。たとえば、東京などほとんどガードレールなんかが完備しておりまするけれども、いま挙げた多いという方については、そういうことから言って、たとえば、そういった交通事故を防止する施策がおくれているんではないか、そんなふうにもいろいろ素人考えにもできますんですが、その辺についてお考えを承りたいと思います。
  59. 杉原正

    政府委員杉原正君) まさに、交通安全施設、まあいろいろ歩車道の分離の問題まで含めまして、事故率の高いところというのは、そういう安全施設面がやはり立ちおくれておるというふうに基本的には思います。だから、これからは、やはりそういうところについて、さらに重点的にわれわれも仕事の対象にしていかなければならないというふうに考えております。
  60. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 同じ交通死亡事故の特徴としまして小学生、中学生層、の死者が非常に増加していることを挙げておりますけれども、特にその中でも小学生の層が対前年比でもって九・八%ですか、もふえているといういわゆる痛ましい結果を示しているわけでございますが、こうした現象に対する対策はどのように考えておりますか。
  61. 杉原正

    政府委員杉原正君) これはいろいろな分析があるわけでございますが、やはり子供さんの層につきまして見ますと、事故の類型からいいますと、いわゆる道路への飛び出し、それから多いのが車の直前直後を走り抜ける、これが子供さんの死亡事故かなりの面を占めておるわけでございます。それと、やはり家を中心にして大体百メートル以内での死亡事故というのがほとんどを占めておるわけでございます。  そういう面が見られますので、一つには、いま住宅街といいますか、日常生活に直結している生活圏でございますが、そういうものを生活ゾーン対策というふうなことで、たとえば、大型車の通り抜け禁止であるとか、時間的に車の通行を禁止をして、そこは自転車歩行者だけにするとかいうふうなそういう規制を組み合わせました生活ゾーン対策というものをやっておりますけれども、こういったことをさらに徹底をして、歩行者とか自転車乗りの安全を確保するという、これはまず交通環境の問題でございます。  それからもう一つは、幼稚園とか保育所とか小中学校等と協力をいたしまして、自治体も当然でございますけれども、そういう形で積極的な小中学生安全教育を促進をしていただく。また幼児等につきましては、母親ぐるみの幼児交通安全クラブ、たとえば、小中学生につきましては交通少年団等の組織をさらに積極化する。それから警察官とか交通巡視員等によりまして子供のいる家庭訪問、家庭の訪問を行いまして、保護者、特に母親に対してどういう事故がこの近辺で多いのかというふうなことをお話を申し上げて、交通安全のしつけを徹底をしていただく。それから交通移動教室、それから自転車安全教室などがございますけれども、これを積極的に実施をしていくというふうなそういう諸対策をこれからさらに積極的に推進をしていきたいというふうに考えております。
  62. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 次に、特徴として先ほど安恒委員からも御質問があったようでございますけれども、原付自転車、これについてちょっと伺いますが、原付自転車とそれから普通の自転車の乗車中の死亡事故が非常に増加しております。特にこの原付自転車死者は前年比六・四%増し、第一当事者別に見ましても六・八%もの増加となっております。これは最近の傾向として、原付自転車がいわゆるソフトバイクと呼ばれて、婦人層にも非常に愛用者がふえている状況でございまするが、こういうことを考えますと、今後原付自転車及び自転車利用者の事故の防止対策が一層重大である、重大になってきたとこのように思われますが、これについてはどのような対策をお考えになっていますか。
  63. 杉原正

    政府委員杉原正君) 原動機につきましては、御案内のように台数にして年間約九十万以上、免許取得者も百万近く原動機付自転車がふえておると、こういう絶対数が物すごい伸びであるというふうなこともあろうかと思いますけれども、やはり何としてもこれを食いとめなければいかぬということでございます。  そこで、いま四十七年以来やっておることでございますけれども、二輪車安全普及協議会というのがありまして、このメーカー、原付を売った販売店等の協力のもとで、原付免許を取得した者に対して運転技能を中心にした安全講習をやっておりますが、これは年々非常に活発になっております。これは販売店の社会的な責任としても当然のことだと思いますけれども、そういう形でさらに技能を高めていくということでございます。ただ、これからこれをさらに充実させるために、現在原付事故の実態に即応した講習用のカリキュラムとか教材等を検討しておりまして、この辺のところも今後進めながら講習体制の整備を図ってまいりたいというふうに考えております。  それから自転車でございますが、これは御案内のように四千八百万台とも五千万台とも言われる自転車でございます。これにつきましても、安全教会、それから自転車安全教育推進委員会あるいは学校、そういうところの協力を得まして自転車の安全な乗り方講習等をやっております。幸いに、自転車につきましては従来ほとんど手が打てませんでしたけれども、今度改正道交法によりまして、自転車についてもかなりの規定が盛り込まれております。特に、非常に幸いなことは、十二月-一月にかけまして、これは自転車につきまして改正道交法を周知徹底させるということで、これはもう指導と警告でやってきたわけでございますが、約二カ月間で六十万件の街頭での自転車に対する指導をやっておりますが、おかげさまで十二月-一月の自転車事故がものすごくふえておったものが、かなり自転車事故が減少をし始めております。いまのようなこういうやり方を、さらに街頭活動でも徹底をしていきたいというふうに考えております。
  64. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 間もなく新学期を迎えることになります。いわゆる春の全国交通安全運動これを行われるわけでございますけれども、今回はどのようなことに重点を置いて行われますか。その辺お伺いしたいと思います。  また、昨年は特に夏にも交通安全運動を行ったわけですけれども、こうした機会は私は多い方が非常に効果があると、このように思われますが、ことしはこのようなことを行う御意向がありますかどうか、あわせてお伺いします。
  65. 三島孟

    政府委員三島孟君) 昭和五十四年度の春の全国交通安全運動につきましては、例年四月に実施しておったわけでございますけれども、ことしは地方選挙等の事情もございますので、一月ずらしまして五月の十一日から十日間実施いたすことにしております。今回の春の全国交通安全運動重点といたしましては、最近の交通事故状況等を踏まえまして、一つには歩行者及び自転車利用者、特に子供と老人の交通事故の防止、それから二つ目には自動二輪車及び原動機付自転車交通事故防止、三つ目には安全運転の確保とシートベルト着用の推進、この三つといたしたわけでございます。  なお、ことしは国際児童年の年でもありますので、子供交通事故防止には特段力を入れてまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。  それから、昨年実施いたしました夏の交通安全運動をことしも実施するかどうかというお尋ねでございますけれども、昨年は御承知のとおり、前半特に事故がふえてまいりまして、ちょうど七・三〇の前日が一番ピーク時でございまして、前年比三・八%死亡事故がふえたわけでございます。そういう状況でございましたので、一つには七・三〇を円滑かつ安全に実施するため全国的にバックアップするという意味を含めまして、七・三〇をはさみまして前後五日間の全国交通安全運動を実施したわけでございます。実は、この全国交通安全運動を実施した後、八月以降若干ずつ減り始めまして、それから改正道交法が施行になりました十二月が、その成果だろうと思うんですけれども、かなり大幅に減りまして、最終的にはマイナス百六十二名と減少記録を維持できたということでございます。そういうことでございますので、昨年が前半非常にふえたということで、いままで夏にやった前例はないんでございますけれども、特に全国的な夏の安全運動を実施したわけでございますので、恒例的なものではございませんので、諸般の事情を十分勘案いたしまして本年もやるかどうかは検討さしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
  66. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 総理府所管の予算として、交通安全思想の普及活動の推進事業として、「家庭における安全意識高揚対策の実施」ということを述べられておりますけれども、具体的にどのようなことを行うのか御説明願いたいと思います。
  67. 三島孟

    政府委員三島孟君) 今後の交通安全対策を進める上におきまして、やはり何といいましても国民一人一人の交通安全意識の高揚を図ることが非常に大事であると思います。これまでもいろいろな施策を講じてきておったわけでございますけれども、今後ひとつ御家庭に呼びかけて、御家庭内でそれぞれ御家族で話し合うなり注意し合うなりして交通安全意識の高揚を図っていただく必要があるんではなかろうかと、私どもこう考えておる次第でございます。国民皆免許時代でございますから、どのような御家庭にもお父さんもドライバー、場合によってはお母さんもドライバー、それから歩行者自転車というお立場での事故に遭われやすい立場としての御老人、子供さんもおられるわけですから、どのような御家庭からも場合によっては加害者、場合によっては被害者が出かねないと、こういうようなことでございますので、私どもそれぞれの御家庭で先ほど申し上げましたように交通安全の問題をお話し合っていただいたり、注意し合っていただくということは家族全員に対する交通安全意識の自覚にもつながりますし、また実践にもつながってくるんではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。そこで、御家庭にお呼びかけする、私ども一応交通安全家族会議というような形で提唱してまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  68. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 そうしますと、母親についてまた特におたくの方で取り上げております、総務長官の所信の中で「交通安全母親活動を推進するための委託事業」とありますが、これは大体内容は同じようなものでございましょうか、考え方は。それをお伺いします。
  69. 三島孟

    政府委員三島孟君) 地域社会におきます交通安全活動を進める上におきまして、御家庭の婦人の役割りもきわめて重要であろうと思います。そこで、実は昭和五十年度以降、民間の交通安全関係団体として社団法人の全国交通安全母の会連合会、通称全交母と言っておりますけれども、この団体に委託いたしまして母親の交通安全に対する意識の高揚を図るための事業をいろいろと推進してまいっております。たとえば昭和五十三年度におきましては、指導者講習会とか、あるいは幼児交通安全カリキュラム及び実技資料の作成、こういったものを委託事業として実施していただいたわけでございます。  昭和五十四年度におきましては、いま申し上げました事業に加えまして、それぞれの都道府県交通安全母の会が行う交通安全に関するいろんな事業を盛り上げるために、全交母がそれを一緒に共催するという形で、たとえば都道府県交通安全母の会連合会の大会とか、あるいは母と子の自転車教室、こういった事業につきまして補助をいたしたい、あるいは交通安全啓蒙の全国キャラバン隊派遣の事業、こういった事業を新たにやっていただくようにお願いしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  70. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 続いて総理府にお伺いしますけれども、ダンプカー協会に対する助成というのはどのように行われているのか、御説明願いたいと思います。
  71. 三島孟

    政府委員三島孟君) 先ほど来ちょっとお話ございましたけれども、大型自動車交通事故防止のために、特にダンプカーによる交通事故防止を図るために、実はダンプカー協会というものに組織化を図って、それを通じて安全教育をすべきじゃないかということで、昭和四十二年のいわゆるダンプカー規制法でダンプカー協会の育成を図るべしということに相なりましたんで、実はダンプカー協会が行う交通安全のための、たとえば広報、研修、こういった指導事業に対しまして、昭和四十九年度から国において補助することになったわけでございます。この補助金は、都道府県がダンプカー協会のいろいろな交通安全指導事業に要する経費を補助する場合に、この事業に要する経費の二分の一を国が補助する、その国が補助する場合、総理府運輸省が半分ずつ共同して補助する、こういうことになっているわけでございます。  昭和五十四年度におきましては、国の補助金として総額四千八百万円、このうち総理府か二千四百万円、運輸省分二千四百万円となっておるわけでございます。この内訳は、補助金交付対象県として新たに四つの県を加えまして全国三十二県を予定しているほか、補助内容の充実としてダンプカー事業者の協業化を促進させるための事業を新たに補助対象としたわけでございます。
  72. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 総務長官は、ダンプカー協会に対する助成の充実を図ったと言われておりますわけですけれども、それはいままで不十分だったということか、来年度の予算は七百万円ふえていますですね。その意義と、それから七百万円プラスすることによってどの程度の効果をねらっているのか、お伺いします。
  73. 三島孟

    政府委員三島孟君) 来年度は、先ほど申し上げましたように四千八百万円でございますが、これは五十三年度の当初予算額三千三百万円に比べまして、約千四百万円ふえておるわけでございます。それが総理府運輸省が半分ずつでございますから、総理府としては七百万円ふえたということでございます。  それで、どれだけ事業が拡大できるかということでございますけれども、さっき申し上げましたように、これまで二十八府県にダンプカー協会ができておりましたけれども、今度新たに四県ふえますので、その四県分の補助金と、それからもう一つは、ダンプカー事業者の協業化を促進するための事業を新たに補助事業とした、こういう内容でございます。
  74. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 次に、運輸省に二、三伺いたいと思いますけれども、昨年大型トラックの左折時の死亡事故が相次いで問題になりましたんですが、   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕 この大型車の構造上の欠陥が問題になった結果、昨年の秋からは新しく製作される車両につきましては、ミラーの改善等の三項目の緊急対策が実施されたわけですが、この緊急対策効果について、いままでどのような結果が出ておりまするか、お伺いします。
  75. 小林育夫

    政府委員(小林育夫君) お答え申し上げます。  ただいま先生の御質問にございましたように、大型車に対する左折事故防止の緊急対策ということで昨年の十月に措置をいたしたわけでございます。その結果、昨年の十一月一日以降生産されます大型トラックにはミラーの改善等の三項目の安全対策を施したわけでございます。  で、どのような効果があったかという御質問でございますけれども、ただいまのところそういう新しい車での巻き込み事故というものは聞いておりません。ただ、これまでにと申しますか、五十四年の一月末までに登録されました台数が一万四千八百六十六台ということで、全体の車両から見ますとごくわずかでございますので、これをもって絶対に万全でございますということを申し上げるにはまだ時期が早いかと思いますので、いましばらくこの経過を見守らせていただきたいと、そのように考えている次第でございます。
  76. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 運輸次官に一言お伺いしますけれども、いまのトラックの問題ですが、大型トラックの左折時の事故防止対策として、大臣の所信では「現に使用されている車両についても同様の施策を講ずる」として「一層対策強化を図ってまいる所存」と、こういうふうに述べられていますけれども、「同様の施策」というのは昨年の秋の緊急対策のことだと思うんですけれども、その辺のところを御説明願いたいと思います。
  77. 林大幹

    政府委員(林大幹君) 先生の御質問にお答え申し上げますが、先生御案内のように、現在使用過程にある大型トラックは、自家用それから営業用合わせまして五十六万台に及んでおるわけでございますが、その中で昨年の十月に大型貨物自動車の左折事故防止のための緊急措置ということで定めましたその緊急対策に基づいて、十一月一日から新車は先ほど政府委員より説明させたとおりでございますが、   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕 使用過程にあるこの五十六万台に対してどうかという御質問でございますけれども、これにつきましても運輸省といたしましては、鋭意その改善について技術的検討を加えながら進めてまいっておりますが、ただ遺憾ながらまだ全部に対してその措置を講ずるということはできておりませんが、極力この緊急対策と同じような内容の措置を講ずることによりまして、使用過程車についても逐次これを及ぼしていって、できるだけ巻き込み事故のようなことを使用過程車においても行われないように努めるということに努力しております。
  78. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 これも先般来、安恒委員から御質問のあったことなんですが、例の過積みの問題について一言、ちょうど総務長官見えになっていますから私伺いたいと思うんですけれども、御案内のように、例の十二月初めからですか、道交法改正を実施しました結果、非常に何といいましょうか、過積み等々の使用には厳重に取り締まれるようになったと、そのために業者が非常に困っている。これは仕方ないと思いますけれども、それに関連しまして、いままでの過積みをしていたためのコスト安というものが消えてしまって、そのしわ寄せが運賃の高騰、ひいては建築物等の建築費の非常な高騰ということになりましたし、それが食料品その他にとって考えますと、物価高ということの原因にもなっている、このように世間で言われております。で、これに対して長官どのようにお考えになっておるか、御感想を聞きたいことと、それから交通政策の立場から、これに対処するにはどうしたらいいのかということについての大臣の御所見を承りたいと思います。
  79. 三島孟

    政府委員三島孟君) 実は、この過積載問題は、交通安全対策を進める上におきまして、これ長年の懸案でございまして、国会でも何回となく御論議いただいておるところでございます。ところが、先ほど来ちょっとお話しございましたけれども、昨年十二月に改正道交法が施行になりました後、実は非常に自粛ムードといいますか、これが業界に浸透してまいりまして、かなり改善を見ておるわけでございます。ところが、いま御指摘のように、若干いろいろな問題も取りざたされておるわけでございます。やはり、この過積載問題につきましては、単に取り締まりの強化だけでなしに、いろいろ奥深い問題があるわけでございますから、根源的、総合的な対策といいますか、そういったものを進めていく必要があるんではなかろうかと私ども考えますし、実は昨年の改正道交法が成立いたしました際の国会の御決議の中にもその点がお示しになっておられるわけでございます。  そこで、私どもこの機会に関係省庁集まりまして過積載防止に関する連絡会議というものをいま持っておるわけでございます。そこで過積載防止に関するいろんな問題をひとつそれぞれの省庁の立場で御検討いただいて、今後ひとつ警察の取り締まりとともに、たとえば先ほどちょっとお話しございましたけれども、便乗値上げをさせないための業界に対する自粛の指導あるいは流通の合理化、適正化といった根源的な問題、こうした施策を一緒になって検討してまいろうと、こういうことになっておる次第でございます。
  80. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) ただいま政府委員からもお答えいたしました、先ほど安恒議員からもいろんな意見の開陳がありました。各関係省庁お答えがあったとおりでございますが、いま政府委員が申しましたように、結論的には、先ほど申されたように、そうした運賃問題あるいは道交法に関しますような取り締まり、交通安全の問題というものと、こういうことで過積みの防止を徹底をしていくというようなことと、それが物価にはね返るというようなことはあり得べからざることではないかという結論もあるわけでございますけれども、現実の問題でそうした問題が出ておるということも事実でございますから、そうした点を、結果的にはこれに藉口して物価のつり上げをする、あるいは運賃のつり上げをするというようなことがあってはなりませんし、しかし全体的に大会社におきまする問題は、この運賃問題などはそれほど問題はないといたしましても、一人で一つ自動車を持って運賃かせぎをしておるというような人々には現実、問題が出てきておるということは、私どもにもそういう陳情があるわけでございまするので、いま政府委員が申しましたように、総合的にひとつこの問題に対処していきたいということで関係省庁検討を進めております。そして、早く具体的にひとつすきっといたしたい、解決をいたしたいと考えておるところでございます。
  81. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 警察庁にもう一問承りますけれども、大型トラックの左折時の事故防止対策として交差点の停止線をずらすなどの措置がとられようとしていますけれども、現にとられておるようですけれども、現在どの程度それが進捗していますか、一言簡単に御返事願いたいと思います。
  82. 杉原正

    政府委員杉原正君) 左折の巻き込みにつきまして、先ほどの交差点の手前の二段停止線方式という、これはまあ東京その他各県でいま始めておりますが、この問題と並行しまして、今度の改正道交法の中であれしました自動車トラックの多い交差点での交差点進入禁止の措置、交差点の手前で一遍歩道の上に上げる、それで自転車横断帯でその後渡ってもらうというふうなそういう措置等も並行してやっておるわけでございまして、そういう規制面からの対策をこれからさらに進めていきたいというふうに考えております。
  83. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 総理府にもう一点伺っておきたいと思いまするけれども、都道府県交通事故相談所ですね、この実態ですが、どのようになっておられるのか。それからまた、この成果について、どのように点数をつければいいかということですが。  それからもう一つ、来年度の予算が、三億四千三百万円の予算を取っているようですけれども、今後の問題としてもっと設置数をふやす必要があると考えられますが、この辺のところの見通し、それから、いままでのその内容を充実させるための、何と言いましょうか、費用というようなもの、これらをどんなふうに判断していけばいいか、簡単にお返事願いたいと思います。
  84. 三島孟

    政府委員三島孟君) 交通事故被害者の救済対策の一環としてのいわゆる交通事故相談といいますのは、いまお話しのございましたその地方公共団体による交通事故相談を初め、その他民間団体の交通相談所、いろいろあるわけでございますけれども、やはり何といいましても、地域におきます交通事故相談活動の中心になりますのは、県とか市に置かれております交通相談所でございます。  総理府といたしましても、このような地方公共団体の交通事故相談の重要性にかんがみまして、その円滑な運営を図るために昭和四十二年度から経費の補助を行い指導に当たっているところでございます。昭和五十三年度におきます国庫補助相談所は四十七都道府県、九指定都市、二十二市及び三十八道府県支所の合計百十六カ所でございますが、昭和五十四年度におきましては支所をさらに六カ所新設を予定しておるところでございます。これらの相談所には現在約四百名の専門相談員が配置されまして、各相談所に委嘱されました弁護士の指導のもとに交通事故相談事案の処理に当たるとともに、管下の市町村に対しましても定期的に巡回相談を行っておるところでございます。昭和五十二年度の相談件数は十六万九千件でございまして、交通事故死傷者に対する相談率は二八・二%でございました。  今後の問題といたしましては、相談内容の多様化、複雑化に対処するために相談員に対する研修を充実する、専門相談員の資質の向上に努めるとともに、地域におきます交通事故相談活動を充実するために都道府県相談所の支所及び市町村の相談窓口の整備を推進することとしたいというふうに考えておる次第でございます。
  85. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 建設省に最後にお尋ねしたいんですが、この自転車の駐車場の整備について、五十三年度予算には、三大都市圏や人口四十五万人以上の都市圏の駅周辺の自転車駐車場の整備事業に対して二億四千万円の補助がなされたわけですけれども、この結果何カ所ほどの駐車場の整備がなされたのか、実情をお聞かせ願いたい。  なお、もう時間が参りましたので一緒にお伺いしますが、機械式自転車駐車施設の開発経費が計上されていますけれども、この開発を自転車駐車場整備センターなるものをつくって委託するんだというふうに聞きましたが、このセンターの性格、内容についてあわせてお聞かせ願いたい。  それから最後にもう一つ、さらにここのセンターの必要性についてお伺いできれば幸いでございます。  以上です。
  86. 並木昭夫

    説明員(並木昭夫君) 駐車場整備の五十三年度の実績でございますが、五十三年度におきましては、事業費約十億、国費約四億円をもちまして二十九カ所の整備を行うことといたしております。そのうち二十一カ所につきましては年度内に完了する予定でございますが、残りは翌年度に継続するということでございます。
  87. 渡辺紘三

    政府委員(渡辺紘三君) 自転車駐車場整備センターについての必要性及び内容ということでございますが、昭和五十二年度の十一月の調査でございますが、全国の放置自転車台数が約六十万台に上っております。そのうちに一カ所五百台以上の大量放置されているものは約三十万台に達しております。これらの放置自転車によります弊害を除去するために、自転車駐車場を緊急に整備することが必要と考えております。  このため、昭和五十三年度から公共自転車駐車場の補助制度を創設して自転車駐車場を整備することといたしておりますが、これと相まって、民間自転車駐車場の育成を図る必要があると考えております。民間自転車駐車場の整備といたしましては、昭和五十四年度から昭和五十七年度までの四カ年に十万台分の自転車駐車場の整備を目途に財団法人自転車駐車場整備センターの設立が準備されており、自転車駐車場施設の建設、賃貸及び管理等行うことが予定されておるのであります。また、昭和五十四年度におきまして、機械式自転車駐車場施設の技術開発を行うこととし、五千万円の予算計上をお願いをいたしております。この技術開発の委託先といたしましては、財団法人自転車駐車場整備センターを予定いたしております。
  88. 山中郁子

    山中郁子君 初めに交通事故の問題、特に子供交通災害の問題についてお尋ねをいたします。  すでに安恒、阿部両委員からも御指摘がありましたけれども、昨年の交通事故死者が一・八%減ったということですが、発生件数ではふえているし、六十万人に及ぶ死傷事故が生じているということは依然として大きな社会的な問題だということは申し上げるまでもないと思います。特に小学生層では九・八%、中学生層では六%という増加になっております。  先ほどからの質疑の中でも、一応御回答はされていらっしゃるんですけれども、私は、やはりもう一つ具体的な、そして組織的な子供交通災害に対する施策というものがお示しいただかなければならないのではないかと思っているんです。とりわけ、ことしは国際児童年でもありますし、総務長官は国際児童年事業推進会議の議長もされていらっしゃって、国際児童年の政府施策につきましては全般的に私どもはいろいろ意見も持っておりますけれども、きょうはその交通災害という面から、ひとつぜひとも政府中身のある、目標もはっきりさせた、何とかしてこの意義ある国際児童年の年に何らかの見るべき成果を上げるという立場からの施策のお示しをいただきたい。総務長官にまずお尋ねをいたします。
  89. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) いま御指摘がございましたように、交通事故状況を見ますと、五十三年度は特に小学校、中学校の児童の交通事故死が急激にふえた状態でございます。国際児童年に当たって、特にこの点については重点施行をして対策考えねばならぬということを考えておるわけでございますが、一般的には、総理府といたしましては、一つには啓蒙、教育面でどうするかという問題、それから一つには具体的な施策としてどういう施策をするかということになろうと思うわけでございまするが、そういうことで、運動面では先ほども触れてまいりましたが、家族会議というようなものを中心にして展開をする一つの行き方もあるわけでございます。また、学校教育の場において、子供に対しまして交通安全の教育指導をしてもらう。また、グループ活動をやっていただくというようなことで、教育、啓蒙面ではそういうことを進めておるわけでございまするが、具体的な施設といたしましては、スクールゾーンを設定をいたしましたり、あるいは交通安全に対しまするいろいろな諸施設を整備をするということでございますが、なお先ほども警察庁関係で御意見がございましたように、どうも子供さんの事故が学校の通学途中とかいうようなことよりも、家庭の周辺で起こっておるという現象もあるわけでございます。それは、問題はやはり遊び場、そういうものがないということが大きな原因であろうという、そういう結論も出ておるわけでございます。したがって、今度の国際児童年に際しましては、子供の遊び場を設定をしようではないか、子供のための公園でございまするとか、あるいは子供のための自転車道路とかいうようなものの設定をやっていこうと、そういうようなことで具体的にそういう施設面の充実を図ってまいりたいということで計画を進めておるところでございます。
  90. 山中郁子

    山中郁子君 そうしますと、事業推進会議として何らかの具体的なプログラムをおつくりになって発表なさるという計画がおありだと承ってよろしいですか。
  91. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) いま予算化をして予算をお願いをいたしておりまするから、これが御決定を願えますれば、いま申し上げました国際児童年として、特にそういう点から具体的に御報告申し上げることにいたしたいと思っております。
  92. 山中郁子

    山中郁子君 いま長官お答えの中にもありましたけれども、私も交通問題での教育、啓蒙、そういうものと同時に、やはり子供の生活環境、特に道路をめぐる生活環境整備というものがやはり不可欠な段階に来ていると思うんです。  それで、これはちょっと皆さんすでに御承知のところだとは思いますけれども、厚生省が人口動態に関する意識調査ということでまとめました結果によりますと、七七年六月の資料でございますけれども、お母さんたちが育児上何が不安かということについての問題意識は、いわゆる教育不安というのが二五・八%ありまして、その次に、二五・一%の方が自動車事故、公害など生活、社会環境の心配があると、こういう答えを出していらっしゃるんですね。いま大きな問題になっておりまして、子供についてはやはり教育と受験地獄ということが一般的な社会的な通念として通っていますけれども、これとほぼ同じだけの不安が交通事故に関してお母様方が持っているということは、やはりその環境がかなり深刻な状態になっているという結果を反映していると思うんです。  もう一つ私は資料をお示ししたいと思うんですが、たしかこれは総理府調査だと思いますが、国民生活動向調査の結果報告の中からも、主婦の生活一般に対する不安とか不満とかというものが何かということについて、これは複数回答なんですけれども、一番多いのは物価高なんです。その次がやはり、教育だとか老後の不安だとかということよりも多く、病気や交通事故に遭ったときの不安というのが二番目に高いんですね。この場合は別に子供交通事故というだけではありませんけれども、いずれにしても交通事故というのが社会生活をしていく上での、とりわけ子供たちにとっての大変な不安を国民の間に起こしているという事実は、やはりかなり厳正に見て、しかるべき対応を急いで、国際児童年という契機ももって急いで立てなければいけないということを痛感をしているので、先ほど総務長官からお答えがありましたけれども、ぜひその点の国民の期待にこたえる、中身のある前進的な措置を早急にとられたいということを申し上げておきます。  で、同じような調査の中で、あなたの町で歩行者が安心して歩ける状況があるかという質問に対しては、とってもそういう状況にはないんだというように答えている方が五八%、約六〇%近くいらっしゃるということからもそのことがうかがえると思います。こうした点については、やはり交通教育という問題もありますけれども、交通環境整備という観点がはっきり位置づけられなければいけないと思うので、こうした交通対策の上での国家公安委員長の、政府としての基本的な見解も引き続きお伺いをしておきたいと思います。
  93. 澁谷直藏

    国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように大量な車時代を迎えまして、交通事故というその危険性、それに対する心配、これはもう現実のものになっておると思います。したがって、これに対して政府は全般として真剣に取り組んで、毎年改善の成果を上げてきておるわけでございますが、やはり基本は、まあ子供ばかりじゃなくて人間が安心して歩けるという環境をつくっていくということが基本だと考えております。したがって、そういう認識のもとに関係省庁と緊密な連絡をとって改善の努力を続けてまいりたいと考えます。
  94. 山中郁子

    山中郁子君 これも総務長官がいまお答えの中に触れておられましたけれども、通園とか通学とかというよりは圧倒的にやはり遊びのときが多いんですね、事故が起こるのは。それとか、買い物とか習い事に行くという、そういう家庭の周辺で。  それで、まあ遊び場の問題についての先ほどの御答弁の中にもありましたけれども、一つは、私は安全ゾーンの規制ですか、その問題の面からも現状では攻めていかなければいけないと思います。もちろん遊び場の問題が二つ目の重要な問題として同じようなウエートを持って、両面から解決のための施策が進められなければならないと思っておりますけれども、そのまず安全街区の設定の問題ですね、これをやはり実情をよく把握されて、そして積極的に解決をするということが必要で、まあ警察庁もその御努力をされていらっしゃることは私も知ってはおりますけれども、住民の合意の問題だとか、いろいろ困難な点もありましょうけれども、その辺の実情をまず積極的に把握するとかね。まあ住民から意見が上がってくるのを待つという姿勢ではなくて、意見はどんどん出ますけれども、その辺のいまの取り組みの状況だとか、積極的な推進のお考えとかということをお伺いをしておきたいと思います。
  95. 杉原正

    政府委員杉原正君) これはまさに御指摘のとおりであります。  これは住宅地、買い物、このいわゆる本当の日常の生活圏そのものを安全対策ということでカバーをしていくということになるわけでございまして、生活ゾーン規制につきましてはさらにこれから拡大を図ってまいるように、各都道府県にも推進を図るように指示をしておるわけでございます。  具体的には、四十九年以降この生活ゾーン対策というものを人口十万人以上の都市を対象にやってきておりますが、さらにこれを三万人以上のところに拡大をして進めておるということでございますが、この生活ゾーン規制というものを都市総合交通規制の基盤規制にして、これを計画的に安全対策あるいは生活環境保全対策を講じていくという、そういう基本認識でこれから仕事を進めていく必要があるというふうに考えております。
  96. 山中郁子

    山中郁子君 関連してちょっと、もう一つお伺いしたいんですけれども、実際に警察庁がその問題に取り組んでいく上で、現実にはあれですか、問題点があるところの認識だとか、それからまあ住民からの要求だとか、そういうことについて安全街区に指定していく仕事ですね、これは一応方針どおり進んでますか。
  97. 杉原正

    政府委員杉原正君) これはいまのところ方針どおり進んでおります。ただ、具体的にやる際にいろいろ利害関係が出てまいりますので、それの調整に時間はかかりますが、だんだんだんだん前向きに進められております。
  98. 山中郁子

    山中郁子君 住民の合意というのはやはりいろんな意味で前提として重要なことだということもあわせて私の方からも申し上げておきたいと思います。  それから、もう一つの点というのは、先ほども申し上げました、やはり子供の遊び場の問題だと思います。先ほど総務長官から積極的な御答弁がいただけましたので、大変期待をするわけですけれども、これもぜひ、総務長官だけではないんですが、御紹介したいんですけれども、日本の都会のやはり公園というか、そういう比率ですね、これはもう世界のうちでも大変おくれていると、まあ恥ずかしい状況だと言っていいと思うんですね。まあ児童公園というものでの比較の数字がちょっとありませんので、都市公園ということで比較をしてみますと、日本の十大都市で一番その比率が高いのが北九州市なんですね。これが四・六平米です、一人当たりが。そして、これをアメリカ、ヨーロッパと比較しますと、ロサンゼルスが十九・七、ワシントンが四十五・七、ロンドンが二十二・八、ローマが十一・四、パリが八・四と、こういう状態で、いま申し上げました中で最も少ないパリでも、日本の一番大きいところの二倍近くはあるという状況です。で、私はやはりどうしてもそうした児童公園、都市公園をふやすという問題が、この交通災害の面からも不可欠の緊急の課題になっていると思っておりますけれども、この点についての建設省の具体的な施策ですね、これを伺いたいんですが、その中で現在問題になっております地方自治体の財政危機その他での困難の状況で、たくさんの陳情も要求もあるわけなんですけれども、ぜひとも国庫補助率の三分の一を引き上げるという方向を何とか打ち出していただきたいと。用地費の場合三分の一ですけれども、施設費も含めて、補助率を引き上げるという方向を、何回も言うようですけれども、その国際児童年の中身のある施策として、実現方を推進していただきたいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
  99. 田辺昇学

    説明員(田辺昇学君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のように、公園面積が十分ない点につきまして、私どもの省も鋭意努力しておるところでございますが、ただいま公園の整備は第二次都市公園整備等五カ年計画に基づいて推進しているところでございまして、昭和五十年度に一人当たり三・四平方メートルの水準でありましたものを、昭和五十五年度には一人当たり四・五平方メートルに高めたいという計画内容で進めているところでございます。まあ長期的には欧米先進諸国並みに高めたいという願望を持っているわけでございますが、その中で子供の遊び場、この問題については、特に生活環境のオープンスペースでございますし、交通事故対策並びに子供の健康というような面から、特に重点的に整備を進めておるところでございます。現在、五十年度に二千三百カ所ぐらいできておりますが、五十一年度には一千六百四十五カ所、千ないし二千カ所以上の個所が毎年ふえておりまして、現状では全国に二万一千三百カ所ほどできております。そういうことから、まだまだ目標の半分以下という水準でございますが、今後におきましても、本年の国際児童年を契機に、さらに一層努力してまいりたいと考えておるところでございます。
  100. 山中郁子

    山中郁子君 大臣はいらっしゃってなくて、政務次官がおいでになっていらっしゃいますね。ぜひ、いま基本的なお考え方というのは伺ったんですけれども、それの実現をもちろん早めていくし、するために、補助率の引き上げ、これは何とか積極的に取り組んでいただきたいと、このお約束はいただけないもんでしょうか。――せっかく来ていらっしゃるから答弁してください。
  101. 田辺昇学

    説明員(田辺昇学君) 補助率の問題につきましては、確かに用地が三分の一で施設が二分の一でございます。かねがね補助率アップにつきましても地域の要請にこたえたいといろいろ検討してきたところでございますが、五十三年度からは、特に防災的な効果を持ちます都市公園につきましては、補助対象率をかなり高めるということで、実質的にはかなり地域の地方公共団体の負担が軽減される方向になってまいりまして、まあなお一層努力したいとは思いますが、かなり近年改善されておるところでございます。
  102. 山中郁子

    山中郁子君 私は、改善されている現状をあなたはおっしゃるけれども、もっとやっぱりそれを早く解決していかなければいけないわけでしょう。総務長官子供の遊び場が大事なんだと、こうおっしゃってるわけで、政務次官、ひとつぜひ積極的に努力をするという、こういうお約束だけでもいただいておきたいと思います。
  103. 渡辺紘三

    政府委員(渡辺紘三君) 慎重に検討いたしたいと思います。
  104. 山中郁子

    山中郁子君 大胆に検討してくださいよ。  で、この問題とちょっと関連をいたしまして、私なかなか機会がないので、ぜひここのところで明らかにしておきたいと思うのですが、河川敷の利用の問題です。  これは建設省もよく御存じのように、河川敷も開放していって、子供の遊び場だけでないにしても、国民の公共的な場所として使われるような方向を打ち出しておられるわけですけれども、いま私は具体的にちょっとはっきりさせたいと思いますのは、多摩川の河川敷の開放計画の問題です。  これはすでに四十九年を初年度とした四カ年計画でゴルフ場など四十一ヘクタールを開放する計画をお立てになったわけです。それで、この推移ですけれども、当時これは春日前参議院議員の建設委員会での質問に対する増岡河川局長のお答えにもあったんですが、多摩川につきましては四十一ヘクタールのゴルフ場を開放するんだということをはっきり答弁されて、これが河川敷開放の主要な柱なんだということで、かなり積極的に述べておられるんですが、現在はとてもそういう状況でないということは、私が申し上げるまでもないと思うのですが、実情どうなってますか。四十一ヘクタール開放されていませんね。どのくらい開放されて――当時増岡河川局長か胸を張ってお答えになった約束がどの程度履行されていらっしゃるのかどうか、その点をまずお伺いいたします。
  105. 重元良夫

    説明員(重元良夫君) 多摩川の河川敷の開放につきましては、第一次計画として四十一年度から四十三年度、第二次の開放計画としまして四十九年度から五十二年度に、おのおの三年でございますが、開放の計画を立てまして、特にそのうち御指摘のありましたゴルフ場につきましては四十一ヘクタールの開放を計画したわけでございますが、手続上と言いますか、河川法の許可の手続としましては、すべて多摩川の河川敷にはゴルフ場は許可しない、しても不許可の状態になっておるわけでございます。ただし、一部のゴルフ場におきまして、この不許可を不満としまして訴訟を提起いたしておるものでございますので、実際上すべて返還を受けておるという状態にはなっておりません。  それからいわゆるゴルフ場としては許可しないことにしたわけでございますが、ゴルフの練習場としては、この開放計画におきましても、一部認めようということでやってまいりまして、その面積は十一ヘクタールでございますが、その十一ヘクタールをゴルフの練習場として認めようということにしております。  なお、開放の全体の実績は百四十五ヘクタール開放いたしまして、これを公園緑地に百五ヘクタール、それから公共団体管理の運動場に四十ヘクタールというふうに用途を転換しておるいまの状況でございます。
  106. 山中郁子

    山中郁子君 あのね、四十一ヘクタールというのは、東急ゴルフ場、多摩川ゴルフ場、川崎パブリックゴルフ場ですね。これを四十一ヘクタール開放するということを約束なすったのですよ。それがいまどうなってますか。開放されましたか。されてないでしょう。ゴルフ練習場として残すと。そのときの「多摩川における河川敷地の開放計画について」というおたくの方の計画では、「既占用敷地のうち、川崎パブリック、多摩川ゴルフ倶楽部及び東急ゴルフ場は、ゴルフ練習場として計画を変更するものを除き、全面開放の措置を講ずるものとする。」と、こうなってるんです。そうすると、川崎パブリックはいま裁判になってますね。これはちょっと横に置いて結構ですけれども、残ったその二つのゴルフ場はやっぱり全面開放になってないのですよね。ゴルフ練習場としてではなくて実際にはゴルフコースがあって、練習場じゃないですよね。それにもかかわらず開放されないままに残っているということは一体これはどういうことなのか。建設省のお約束とも違うし、計画も遂行されてないということになるではありませんかということを私は申し上げております。  それで、特にここのところの利用をぜひと望んでいらっしゃるところは中原区、幸区などですね。そうすると、そこは川崎市の中でも都市公園地域が一人当たり大変少ない、極端に少ないという、そういう地域です。ですから、とりわけ河川敷開放の趣旨を全うするならば、そしてそちらの建設省のお約束も実現していこうということならば、この残った、いま実際にゴルフコースがあってゴルフ場になっている部分は、やはり全面開放をさせるべきではないか、進めていくべきではないかと思っておりますけれども、その点はどうですか。
  107. 重元良夫

    説明員(重元良夫君) 先ほど、ゴルフ場としましてはすべて許可はしないことにしておりまして、ゴルフの練習場として許可しておると申し上げたわけでございますが、東急ゴルフにつきましては練習場として五・五ヘクタール、それから多摩川ゴルフにつきましても、やはり同じく練習場として五・五ヘクタールを許可いたしております。  この練習場の形態といいますか、内容でございますが、いわゆる打席があって、そこから球を打つというだけの一般に普通の練習場でございますが、この場合には、何といいますか、実際的な練習といいますか、コース的な形をとった練習場、まあ歩きながら練習するといいますか、そういう形の練習場なんということで、これもやはりわれわれとしましてはゴルフの練習場というふうに考えておりまして、これほどゴルフが大衆化した時代でございますので、一般市民の要望も非常に強いし、規模、内容等も練習場としてふさわしいものではないかというふうに考えております。
  108. 山中郁子

    山中郁子君 それはペテンだと言うのよ。だけれども、それじゃまず初めに明らかにしておきます。  そのときに、最初に建設省が約束なすった四十一ヘクタール、ゴルフ練習場を残して全面開放するとおっしゃったけれども、そのうちでいま全面開放されたのは、そうしますと、それぞれ五・五ヘクタールずつ残した分の十四・五ヘクタールだけが開放されたのだということですね。それは間違いないですね。――そうすると三五・四%なんです、最初の四十一ヘクタール全体の数から言うと。――まあ、裁判ざたがあっていま手がつけられない部分もあるにしても、その面積の確認だけちょっとしておきたいのです。
  109. 重元良夫

    説明員(重元良夫君) 現在ゴルフ練習場として開放計画の中で許可しておりますのは、五・五ヘクタール二カ所分の十一ヘクタールでございます。
  110. 山中郁子

    山中郁子君 だから、四十一ヘクタールの段階のとき、新たにその分の中から開放したのは十四・五ヘクタールだけですねということをいま確認を求めているのです、私は。
  111. 重元良夫

    説明員(重元良夫君) 四十一ヘクタールのうち、川崎パブリックは返還を求めましたが係争中――十五・五ございます。で、残りが十四・五ヘクタールになっております。
  112. 山中郁子

    山中郁子君 そうでしょう。そのことを聞いている。  それで、さっき本当に私はそれはペテンだと思うのですけれども、実際にゴルフをやるコースがあって、やっているのが何でゴルフ練習場なんですか。ゴルフ練習場というのは、こう網かなんか立てて、そしてポンポン打ちっ放しにする、あればゴルフ練習場でしょう。  で、自治省にお伺いしたいのですけれども、娯楽施設利用税ですか、この税金を、そういうものでは練習場には当たらないのです、これだけ大きい面積その他で言えば。だったら、当然これはゴルフ場として考えなきゃいけない。それをゴルフ練習場だとわざわざ建設省が何か思いやりでそういうふうに判断しているのかどうか知りませんけれども、それは国民に対するやはり欺瞞というものじゃないですか。自治省にお尋ねいたしますけれども、そうしたコースをちゃんと抱えてしているものが、娯楽施設利用税の観点からいって、ゴルフ練習場になるのですか。
  113. 吉住俊彦

    説明員(吉住俊彦君) お答え申し上げますが、ただいま話題になりました東急ゴルフ場及び多摩川ゴルフ倶楽部につきましては、娯楽施設利用税を課する場合には、ゴルフ場ではなく、ゴルフ場に類する施設として課税をいたしております。  ただ、一言お断りを申し上げねばなりませんけれども、私どもの場合、ゴルフ場であるかどうかというその区別の実益はどこにあるかと申しますと、娯楽施設利用税は御承知のように都道府県が課税をいたします。だから、その区分がどうであろうと娯楽施設利用税はちょうだいするわけでございます。にもかかわらず区分をいたしておりますのは、もしゴルフ場でありますと、そこから上がりました税収の半分を地元の市町村に還元する、こういう制度をとっておるものでございますから、その点でゴルフ場と類する施設というのを区別する目的がございまして、その点は河川管理上どういう区分が適当かということとはおのずから別ではなかろうかと思います。とにかく区別はいたしております。
  114. 山中郁子

    山中郁子君 それでもう一つ確認したいんですけれども、いまゴルフ場に類する施設とおっしゃいました。ゴルフ場というのが一つあるんです。それからゴルフ場に類する施設というのがあるんですね、いま課税の関係でね。もう一つ練習場というのがありますね、ゴルフ練習場、そうですね、自治省の方。お答えをいただきたい。
  115. 吉住俊彦

    説明員(吉住俊彦君) おっしゃるとおりでございます。
  116. 山中郁子

    山中郁子君 だから、当然ゴルフ場に類する施設ということで課税しているんですよね。いま自治省の方は、それが建設省で言う判断と一緒になるかどうかわからぬみたいなことをおっしゃったけど、私は別に自治省にそのことを伺っているんじゃなくて、そういうことだったら建設省は何をもってこれをゴルフ場練習場と決めたのかと、その根拠をお示しいただきたい。私いろんなところを調べたんだけど、この税金の関係でしかこのけじめがつかないんですよね。あれはゴルフコースがちゃんとあるにもかかわらず、そして税金の関係もゴルフ場に類する施設となって、練習場ではないということがはっきりしているにもかかわらず、どういう根拠であれはゴルフ練習場なんだと、ゴルフ場ではないんだと、こうお決めになったんですか。
  117. 重元良夫

    説明員(重元良夫君) 建設省がゴルフ場とゴルフ練習場を定義をする資格があるかどうかよくわからないわけでございますが、われわれとしましては……
  118. 山中郁子

    山中郁子君 だって決めているんじゃないですか。決めて開放しないでいる。
  119. 重元良夫

    説明員(重元良夫君) いわゆるゴルフ場という通常の考えられる形があると思うわけでございますが、今回五・五ヘクタール、一カ所当たりの面積になっておるわけでございますが、これは私もゴルフのことはよく存じませんけれども、本格的なゴルフをプレーするというふうな施設といいますか、場所ではなくて、やはり練習の一環としまして実際的な練習をするという場と考える程度のものではないかというふうに考えております。
  120. 山中郁子

    山中郁子君 私どもはゴルフを大衆的な健全なスポーツとして発展させるということについて何ら否定するものではないんです。もう時間ありませんから、これもぜひひとつ大臣がいらっしゃらないので政務次官に御検討いただきたいんです。というのは、おわかりになったでしょう。これはゴルフ練習場を除いて開放させるという方針建設省が出したにもかかわらず、そのかなりな部分を、実際にはゴルフ場であるにもかかわらず、ゴルフ練習場だと建設省が決めて、開放しなくてよろしいと、こういうことで現在――住民に対する私はペテンだと思うんですよ、それは。それじゃ、なぜそれがゴルフ練習場であって、ゴルフ場でないんだということは、決める資格があるかどうかわからぬと、こうおっしゃっているわけでしょう。わからないのに、資格がないかもしれぬのにどうしてそういうのを一方的に決めて、結局私は業者と結びついて住民に対する約束をほごにしようとしているということ以外の何ものでもないと思いますので、ぜひとも建設省として住民の約束をもう一度よく思い出していただいて、文書もあるわけですから、そして何をもってあれがちゃんとしたコースがあるゴルフ練習場なのかと、もしどうしてもそう言い張るなら、住民の人たちも、国民も、この委員会も納得させられる合理的な理由をもって御報告をいただきたい、いいですか。――私、政務次官にお願いしています。
  121. 重元良夫

    説明員(重元良夫君) 一言、ただいまゴルフ場か練習場か決める資格がないと申し上げましたが、一般的な話でございまして、われわれ河川管理の立場からは、五・五ヘクタール規模のものは練習場と考えるということを申し上げたわけでございます。  以上でございます。
  122. 山中郁子

    山中郁子君 私の申し上げたことおわかりいただいたと思うので、住民との約束ということをもう一度よく考え直して、いま建設省がとっている態度についてもう一度よく考えて、もしどうしてもそうだと言い張るなら合理的な理由を示していただきたいということです。
  123. 渡辺紘三

    政府委員(渡辺紘三君) 検討させていただきます。
  124. 山中郁子

    山中郁子君 最後に、私鉄問題について若干お伺いをいたします。  私はこのところ神奈川県下の私鉄の利用者の方たちといろいろ利用者サービスの問題その他についての要求をそれぞれ懇談もし、申し入れもし、交渉もしてきた経験を持っているんですけれども、やはりいろいろ問題点があります。たくさんの問題が出ておりますので、きょうは本当に限られた時間しか残しておりませんので、二つの点だけについてお伺いもし、また善処もお願いをしたいと思うんですけれども、ことし一月に運賃値上げを行って、その際運輸審議会の要望事項には、「安全の確保及び旅客サービスの向上」、こうした点について「十分指導監督されたい。」と、こうなっておりますよね、そういうことが前提になるわけですけれども、利用者の方たちが大変強く要望していらっしゃることの一つがトイレなんですね。トイレがない駅が非常に多いんです。それでいろいろ会社側と交渉しますと、会社によっては比較的要望に耳を傾けるというところもありますけれども、頭から、必要だと思われるところはもうつけてある、あとはつける計画はないみたいなことで、つれない返事をするところも結構あるんですよ。  具体的に申し上げますと、田園都市線が県内十九駅のうち、いま切実にトイレがほしいという八駅が住民から要望が出ているんです。それから同じく東急の東横線、これも十四駅あるんですけれども、六つぜひともトイレをつくってくれと要求が出ている。京急では五十六駅あるうちに、これも十九駅ぜひすぐにでもほしいと、こうなっているんですね。こういうものは、私今度それ勉強して気がついたんですけれども、日本国有鉄道建設規程の第三十五条に「旅客ヲ取扱フ駅ニハ乗降場、待合所、便所等ノ設備ヲ為スコトヲ要ス」と、こういうことがちゃんとうたわれているんですね。だから私やはり、特にそういうことがなくてもっけなきゃいけないことにこの国鉄の規程ではなっているのよね。いま私鉄も国鉄も変わりませんよね。そういう状態のもとで切実な要求が出ているものなら、なおさらのこと積極的にトイレをつくるということについてのぜひ強力な行政指導をしていただきたいということが一つです。  それからもう一つ続けて申し上げます。これもすでに議論があったところです。何回も私もこの委員会でも取り上げてきたんですが、自転車置き場の問題です。これがやっぱり大変利用者の要求としてはあるんですね。ここでは私一つだけ指摘もし、ぜひ運輸省に調べてもいただき、報告もお願いしたいと思うんですが、東急とお話をした際に、東急は政府の指導に異見を持っていると、こういう考えを言ってました。自転車置き場というのは駅のそばにつくれば、つくることによっていわゆる自転車公害を促進するんであって、われわれは駅のそばに自転車置き場をつくることには反対なんだと、こういう見解を述べているんですね。だから、むしろどうしてもつくる必要がある場合には駅から離れたところにつくるんだと、こういうことさえ言っているんです。私は、それは大変重要なことをおっしゃるけれども、それはあなた個人の見解か会社としての見解かと伺ったら、東急の会社としての見解だと、こういうことなんですね。じゃ政府の指導その他について、いまもう法制化というふうなこともプログラムに上っている段階でそういう見解をお持ちだということは大変私は問題があると思うということで、引き続きいま東急にも意見を言ってきますけれども、ぜひともそのごく基本的な点に関してだけでも運輸省からの私鉄に対する指導というものをはっきりさせていただきたいし、東急についてはぜひ運輸省としてお調べになって、その指導の結果を御報告いただきたい。この二点を最後にお尋ねをして、善処方をお願いしておきたいと思います。
  125. 林大幹

    政府委員(林大幹君) お答えいたします。  駅のトイレの問題、第一問でございまするけれども、これは先生の御質問のとおり、非常に旅客サービスにとりましての一つの要素としまして大事なことでございまして、特に先般の大手の民鉄の運賃改定がございましたが、この運賃改定に当たりましても、駅のトイレ等のサービスの施設を整備するということについては特に十分な配慮を払うべきであるという通達を運輸省としては出しておりまして、先生御指摘のような気持ちで運輸省もおります。それがトイレのことでございます。したがって、これからの運賃改定のときにはやはりその中でトイレの問題は常に大事な問題として取り上げられていくということを申し添えたいと、こう思います。  それから自転車置き場のことでございますが、ただいま東急のどなたか存じませんけれども、先生とお話しし合ったということがここに開陳されましたけれども、寡聞にして私はそれを伺っておりませんが、運輸省方針としましては、やはり地域住民の利便をあくまでも大事にしてこれを促進するということについては、これはもう当然考えております。  ただ、その中で整備そのものについては地方公共団体が中心となって進めるということもありまして、これにつきましては昨年五十三年の一月の交通対策本部決定においてもそのことが示されておるようでございます。しかし、鉄道事業というものが地域社会と非常に緊密な関係を持ちながら運営されるということでないとできませんので、鉄道利用者の身近なサービスの施設を整備することにつきましては、これまた運賃改定の際に駅の施設の整備の一還として自転車駐車場の整備についても十分な配慮を払うようにという通達も出したところでございますので、今後一層利用する地域住民の利便のために図っていきたいと思っております。
  126. 山中郁子

    山中郁子君 委員長、もう一言。  地方公共団体の仕事ということでいいんですけれども、政府行政指導としても鉄道事業者の積極的な協力ということが一つの不可決の要素として入っているわけですよね。これがなければそれはできないんです。そういうことに対して私は例として引用しましたのは、東急はその駅周辺に自転車置き場をつくるということに反対だと、こういう考えを持っているというんですよね。だから公共団体からの要請があってもし置き場をつくるとしても、わざと離れたところに土地を提供するみたいなことを言っているという。私はけしからぬと思うんですけれども、先ほど申し上げましたが、重ねて申し上げますが、そうした点について特に東急については具体的なその考え、その他を正して指導していただいて、その内容について御報告をいただきたいということを重ねてお願いをしておきます。
  127. 林大幹

    政府委員(林大幹君) 東急は私鉄でございますが、特に自転車置き場につきまして国鉄などの場合も当然のことが言えるわけでありますが、国鉄の場合ですと鉄道用地として所有しているところございますので、こういうところに対して地方公共団体から特に強い要請がありましたときに鉄道業務に差し支えない範囲で協力するようにしております。  それから、いまの東急の問題につきましては、これは私鉄としての独自の経営体でございますが、また民鉄の方にもいまの先生の御意見を伝えまして十分に検討さしたいと思っております。
  128. 石月昭二

    説明員石月昭二君) 先生からいまお話がございました東急が駅の近くにつくるのは反対であるという意見は、私ども実は存じませんものですから、従来から、先生御承知のように交通対策本部の趣旨にのっとりまして、公共団体の要請がございますときには、積極的に土地の提供をやるというような形で指導してまいりましたが、この点につきましては会社側の意見を聴取いたしまして御報告申し上げます。
  129. 山中郁子

    山中郁子君 はい、お願いいたします。
  130. 森田重郎

    ○森田重郎君 私は、二、三の点につきましてお尋ねを申し上げたいと存じます。質問というよりも、むしろ事情をお聞かせ願いたいというような意味で御質問を申し上げたいと思います。  まず、最初に総務長官にお尋ねを申し上げたいのでございますけれども、先般長官所信表明を承りました。ところで、昨年の十二月に長官に御就任されて、同時に交通対策本部長になられたわけでございます。大変なお仕事で御苦労の多いことかと思いますが、実はその折に昭和五十四年度の陸上交通安全対策関係の予算調書をちょうだいいたしたわけでございますけれども、この数字を拝見いたしますと、五十四年度の予算額が九千八百九十億でございますか、端数はございますが、そういう形になっておるわけでございます。この九千八百九十億が大きく大別されて五項目になっておるわけでございますけれども、実は総理府直轄のこの予算は別といたしまして、この関係省庁にまたがるこの予算がここにずっと配列されておるわけでございますけれども、この辺の実は予算がどういうふうな形で盛り込まれてくるのか。言うなれば予算の調整の実態作業と申しましょうか、その辺について長官の御存じの範囲をひとつ御答弁賜りたいと思います。
  131. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) 交通安全を実施される各省庁がございまするので、いま御指摘のような御疑念が生まれてくるだろうと思いまするが、これはそれの事務的な総合調整役をするものでございまするから、まず年度の概算要求をいたします前に、御承知の第二次交通安全基本計画というのが設定をしてございまするので、その基本計画に基づいて関係省庁がおのおの予算を組んでいただく、積極的に交通安全事業を推進するための予算を組んでいただくわけでございまするが、まず各省庁でお組みいただいたのをお互いが寄りまして協議検討を重ねていくという一応の処置をするわけでございます。そうして、その上で最終的な各省の概算要求が決定するということでございまするので、そういうことで、いよいよ決定いたしました時点で、また再度関係省庁が寄って、おれの方はこういう予算でいこうと思うというようなことで、お互いが連絡し合い、最終決定をするというふうになるわけでございます。  そこで、私ども予算折衝の際には、大蔵省に対しまして交通安全に対してはかくかくの各関係省庁から予算が出ておる。これはぜひひとつ貫徹してほしいということか、今度また私どもの大蔵に、対する折衝役をやるわけでございます。もちろん各省庁においてもやられまするけれども、最終的にわれわれの方では各省庁におきまする予算がどうなっておるであろうかということをその際にも連絡し合いながら最終的な大蔵折衝を重ねる。そういうようなことで、国会に出します前までの予算の設定について、策定についての作業を続けていくということでございます。
  132. 森田重郎

    ○森田重郎君 わかりました。  ところで、実は去る二月の十四日でございましたか、当委員会におきまして、長官、そしてまた建設省運輸省等々からいろいろとそれぞれの大臣所信表明並びに各省交通安全対策にかかわる予算の御説明を伺ったわけでございますけれども、私たちこのそれぞれの省庁の予算を拝見いたしておりまして、どうも縦割りで伺うものですから、総合的な意味における交通安全対策関連する予算の総額というふうなものが、海の場合もございますし、空の場合もございますし、陸上の場合もございますし、なかなかつかみづらい。そういうふうな感じを持つわけでございますが、その辺につきまして何か総合的な意味での交通安全対策関連予算というふうなものを少し集約して見ていけるような形等につきまして、何かお考えかございましたらお聞かせをちょうだいしたいと思います。
  133. 三島孟

    政府委員三島孟君) 御承知のとおり、交通安全対策を進める場合、実はそれぞれの省庁がそれぞれの所管事項について、それぞれ御努力いただいておるわけでございますけれども、この交通安全対策というのは、やっぱり総合的な見地から効果的に進めるべきだろうと、こういうことで、実は昭和三十五年に総理府長官を本部長といたします交通対策本部というものが設けられました。そして、その後昭和四十年に私どもの交通安全対策室というものが設置されたわけでございます。その後は交通対策本部あるいは私どもの交通安全対策室を通じまして、関係行政機関のそういう交通安全対策業務の総合調整を図ってまいってきておるわけでございます。  さらに、いま一つ昭和四十五年に制定されました交通安全対策基本法に基づきまして、総理府に中央交通安全対策会議というものが設置されておるわけでございます。これは会長は内閣総理大臣で、委員関係大臣でございます。ここにおきまして、交通安全施策に関する総合的な基本計画、現在第二次の交通安全基本計画が進められておるわけでございますが、この交通安全基本計画の作成、その実施の推進等に当たっているところでございます。したがいまして、政府といたしましては、今後ともこれらの体制によりまして、交通安全対策の総合的かつ効果的な推進を図っていくという考えでおるわけでございます。
  134. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) 私、いま先生の御指摘で痛感をいたすのでございますが、私の主管する業務の中に、青少年の施策があったり、あるいは老人、婦人、そういう施策があり、そのほかいろいろないま交通安全の問題等があるわけでございまして、こういうような仕事をやっておりますると、いま申されましたような、何とかそれを総合調整をすると言うけれども、もう少し強力に実施するために、もっと強い委員会的なものをつくってはどうかとか、いろいろな意見が出てまいるわけでございます。しかし、いま政府委員が申し上げましたように、関係省庁において、その担当される機能を責任を持って推進をしていただくわけでございまして、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、交通安全の問題でございますれば中央交通安全対策会議というところで基本的な方針は決定をする、あるいはまた、非常に交通問題で夏場大きな問題がどうも惹起したとか、そういうときにそういう会議を開いて、そこで基本的な方針を決めていただくわけでございまして、常時の積極的なこの施策の推進は各省庁でやっていただくということになっておりますので、私どもは、常時の業務におきましては、事務的な連絡調整役を務めるというようなことになるわけでございます。そういう点でごらんいただいておりますれば、ばらばらの体制でいっておるではないか、あるいはそれがこの事業の弱体化を来すのではなかろうかという、そういう御配慮もあろうと思いますけれども、いま申し上げましたようなところで、各省庁において、まず責任を持ってやっていただくということを一つの原則にいたしまして、私どもは常時においては事務的な連絡調整役をする。しかし基本的な問題については、中央交通安全対策会議において、総理を中心にして各大臣方針を決める、そういうことでいまのところやらしていただいて、まずその点においては、そうした不都合もなくやっていただいておるのではないか、こう見ておるところでございます。
  135. 森田重郎

    ○森田重郎君 お話の向きは実際よくわかるんでございますけれども、私たち大変不勉強のせいか、たとえば環境庁の土地利用研究会でございましょうか、こちらの方で、昭和五十三年の十二月に、「交通公害対策と土地の利用制御」というような研究発表、まあ言うなれば提言でございましょうか、こういうふうなものがなされたわけでございますが、ただいまの五十四年度の陸上交通安全対策関係、この予算書を拝見いたしまして、この中に環境庁所管のものがありますかどうかは別といたしまして、たとえば環境庁の提言による交通公害対策というような問題も、ある意味では、大きな意味では交通安全対策の中に包含されてもいいような問題ではないかと思いますし、これは将来の問題でどうなるかわかりませんが、そういったような問題を考えますと、余りにも各省庁別に縦割りになり過ぎて、なかなか私たち実はつかみづらいというのが、これは私の不勉強ということであれば、また別でございますけれども、そういう気がしてならないわけでございます。ちなみに、これは予算総括表、道路だけの面について拝見しますと、五十四年度の事業費――もちろんこれは、有料道路等は五カ年計画の対象額であろうかと思いますが、三兆九千四百四十億、これは事業費で、それから国費の方で一兆九千六百億と、こういう大きな数字になっておるわけですね、道路関係だけで見て。その中に、ただいまの交通安全対策費というふうな数字も実は含まれておるわけでございますが、これは一例でございますけれども、こういう実は、これは建設関連になりましょうか、そういう中でとらえてみましても、道路のこの予算一つを見ましても、大変この辺が照合しづらいような私感じがするわけでございます。それと、ただいま申し上げたような新しい一つのこれからの交通安全対策の、言うなれば範疇に属するような問題も次から次に提起されてくるというような状態の中で、何かいま長官のおっしゃいましたような意味の、総合的な意味での、より強力な体制づくりというふうなものがなされてよろしいのじゃなかろうかというふうな感じを非常に強くするものですから、あえてその辺につきまして、ちょっと御答弁をお願い申し上げたわけでございます。  それでは次に移りまして、簡単に御答弁をちょうだいしますればそれで結構でございますけれども、国家公安委員長に実はお尋ね申し上げたいと思うのでございますが、昨年の十二月一日から施行されました改正道路交通法の適切な運用と同時に、また警察御当局の大変な御努力によりまして、先ほど来ちょっと山中委員からもお話がございましたけれども、一・八%の前年対比の交通事故死者数が減少したと、大変喜ばしいことであろうかと思いますが、実は警察御当局でお出しになりました「昭和五十四年中における交通警察の運営」、これを実は一読させていただいたわけでございますが、実はこの中で、仮に一項目から七項目にわたりまして、大変詳細なその対策要綱というふうなものが記録されておるわけでございますけれども、この五十四年度の陸上交通安全対策の予算調書の方とこの辺との絡みがどういうふうになっておられるのか、その辺をちょっと御説明いただければ……。
  136. 杉原正

    政府委員杉原正君) 一々の問いでございまして、この安全教育等の面につきまして、実は総理府の方でまとめていただいております安全教育の予算としましては、交通安全事業の委託費というのが二千五百万しかこの中に載っていません。  それで、私どものいまの警察行政の中で都道府県に対する交通安全のための補助といいますのが、どちらかといいますと、安全施設におきましても、これは補助対象になりますのは大体通常信号機以上のものでございまして、ペイントなどは、補助対象に入ってない。これはいわゆる県単事業ということで県で行うというふうなものでございます。資機材等でも、うんと金のかかるものは補助対象にしております。この安全教育の面につきましては、大体が県単でやっておりまして、大きいところは、たとえば警視庁などをとりますと一千万ぐらいの金をここに投入をしております。それから、小さいところでも五十万から百万ぐらいの、これは大体パンフレットみたいなものが中心でございます。そういうことで、これ全体的に警察がやっております安全教育に幾らの予算というのは、都道府県の予算までずっと集計をした数字はございませんけれども、そういうふうな形で警察庁の予算がこちらに載っておるものですから、国全体として都道府県安全教育にどの程度の金を使っているかということは、先ほど御指摘のありましたように、これに必ずしも出ていないという問題がございます。これまた別途、都道府県のこの安全教育予算というものがどの程度であるかということは、また機会を改めまして御報告をさせていただきたいと思います。そういう状況になっております。
  137. 三原朝雄

    国務大臣三原朝雄君) 関連をいたしましてちょっと補足させていただきます。  先ほど時代の進展等から公害関係の問題の指摘がございましたが、これお説のとおりで、交通安全対策をやります総理府といたしましては、当然環境庁がお入りになる必要があるということで、メンバーの中には環境庁の次官が新しく追加されてお入りになりました。  それから、公害の予算をここに出していない点がございました。公害につきましては、ひとつ挙げて環境庁においてやるからということで、交通安全に関しまする交通公害についてもその予算は環境庁でやっていくからということで、この中から分離してやっておるところでございます。またしかし、いろいろな関係省庁が新しく追加せねばならぬということも出てくるかと思いますが、その点も配慮しながら将来に処してまいりたいと考えております。
  138. 森田重郎

    ○森田重郎君 いま杉原さんのお話で大体わかったのでございますが、できますれば、ひとつまたごついでの折に都道府県関連予算ですね、これをひとつお聞かせいただければ幸いと思います。実はこちらの五十四年度予算調書、これだけを拝見いたしますと、いまもちょっとお話がございましたようですが、交通安全事業の委託費ですか、これが二千五百万、それから交通管制システムの整備費ですか、これが百六十八億七千万何ぼですね。それに運転者管理センターの運営が四億七千五百万ですか。交通取締用車両等の整備――これはパトカーやなんかでございますか――これが十一億九千六百万。それに交通取締体制の充実強化ですか、十三億何がしと、こういうことになるわけです。これを合計してみましたら二百億足らずなんでございますね。二百億足らずで、なかなかここにうたっておるようなことは、これはやはり都道府県関連予算でも拝見いたしませんとむずかしいんじゃなかろうかというようなことであえて申し上げたわけでございますが、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
  139. 杉原正

    政府委員杉原正君) これは純国費ということで計上しておるものですから、私どもの方は、特に実態は都道府県警察にあるわけでございますので、この辺を一度集計をいたしまして御報告をさせていただきたいと思います。
  140. 森田重郎

    ○森田重郎君 終わります。
  141. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 本件に対する本日の質疑はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十五分散会