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参考人(
澤田悌君) 家賃改定問題が参議院におかれましてもお取り
上げになって、いろいろ御審議をいただいたのでありますが、その際に
委員長から御要望がございました、
建設大臣に対します公団からの承認申請について、
建設大臣が承認されるに当たりまして、いま御
指摘のような要望事項を踏まえまして承認されたのでございますが、その承認に当たりまして条件をつけられた点と、それから配意事項、こういう点に配意せよというお
示しがあった点、両方ございます。私
どもは具体的に指示があったものと受けとめました。公団としても承認条件に沿って
内容上の変更を行いますとともに、配意事項についても十分留意していろんな
措置をいたしたのでありますが、第一に承認条件、これは二つございます。改定時期に関するものと敷金の問題について。改定の時期は二カ月延期せよと、昨年の七月実施が目標でございましたが、その条件に従いまして私
どもは実施を九月一日に、二カ月延期いたしました。
それから、敷金の、これは家賃が上がりますと、普通でありますと当然上がった家賃で敷金をいただくということになるわけでありますが、今回の一斉改定につきましては敷金の増額はとりやめるようにという条件でございました。公団としてもそのとおりに実施いたしたのでございます。
それから、配意事項が幾つかございます。
一つは、老人、母子、心身障害者世帯のうちで生活に困窮する世帯に対しましては生活保護世帯に対する
措置に準じて減額
措置を考えよと、こういうことで、その趣旨によって公団は減額
措置を講じたのであります。これは昨年の八月一日から居住者に周知する活動をいたしました。それで九月一日から申請を受け付けまして、適用件数は百九十四件になっております。平均減額いたしました額は約三千三百円でございます。
それからもう
一つは、
昭和五十四年度以降、新たに管理開始する
住宅の家賃抑制にこの五十三年度の増収額は充当しないよう配慮しろ、こういうことでございました。私
どもはその趣旨によっていま努力をいたしておるところでございます。
それから、入居者に対して引き続き家賃改定の趣旨の周知に努めよ、こういうことでございました。これは実施前に引き続き、実施後もそうでございますが、引き続きパンフレットあるいは掲示、あるいは改定対象
住宅の居住者あてのはがき、それから自治会等に対します
説明会、各支社に設けました
説明窓口による応対というような方法によりまして、極力この家賃改定の趣旨の徹底、御理解を深めることに努力を続けたのであります。
それからもう
一つは、未入居
住宅等、それから長期未利用地の問題、こういう問題については家賃改定とは別途解決をすべき問題であり、解決に努力せよと、こういう趣旨でございました。この問題は家賃改定があろうとなかろうと公団としては重要問題でございますから、解決に全力を挙げるべき問題でございますから、公団内部に設置いたしました経営改善推進本部を中心にいたしまして全社を挙げてその解決に努めておるところでございまして、未入居
住宅につきましても質の改善、あるいは家賃、分譲代金支払い方法の改善、あるいはいろんな広報活動その他各般の努力をいたしまして、いわゆる未入居
住宅と申す数が五十一年、二年とふえてきておりますが、五十二年度末の四万五百戸、これがピークでございます。この五十四年の三月−五十三年度末におきましてはこれが三万四千戸ほどに減少いたしました。ようやく山を越えて少しずつ努力が実ってきておる
状況でございます。入居契約数で見ましても五十一年度が二万二千戸、五十二年度が二万七千戸、五十三年度が三万六千戸というふうに増加いたしておるのであります。これについてはなお引き続き公団としては全力を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
それから長期保有
土地問題、これは御
承知のように、会計検査院から
指摘された長期にわたって利用のできない
土地の改善をしろということでございます。
公団
住宅問題
対策委員会というのがありますが、そこから示された諸
対策を踏まえまして
関係機関、特に地方公共団体等と協議を重ねました結果、
指摘されました二十二地区のうち二地区はもうすでに処分が
決定いたしました。八地区につきましてもいろんな障害が除かれつつあります。たとえば調整区域が市街化区域に編入される。いろんな公共施設について道が開けたということで大体八地区について着手し、あるいは着手のめどがついてきた。こういう
状況になって一歩改善に踏み出したということでありますが、なお十地区以上今後問題を解決すべきものが残っております。これは引き続き努力を重ねる所存でございます。
以上、申し
上げましたように、国会におきまして
建設大臣の承認に対して
委員長からお出しになられました要望事項、公団は全力を挙げてこれの趣旨に沿って努力をいたしておる次第でございます。