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政府委員(徳田博美君) サラ金問題につきましては、いまお話も出ましたように、非常に社会的に大きな問題でございますので、これに対しては厳しい規制を行うことが必要だと考えているわけでございます。ただ、この問題は大蔵省だけではございませんで、関連する省庁が多いわけでございます。総理府、警察庁、経済企画庁、法務省、自治省等があるわけでございますので、この六省庁の間で連絡会議を行っているわけでございまして、今
国会において、サラ金を含めて、貸金業問題に対して立法措置を講じて規制を強化する必要性があるということにつきましては、意見が
一致しているわけでございます。
この方向でいろいろ事務的な
検討を進めているわけでございまして、その問題点は大体三つにしぼられているわけでございます。
一つは、現在サラ金業が出資等の取締法に基づきまして、届け出制ということになっておりますが、これは事実上野放しに近い状態でございます。これに対しまして、登録制をとりまして、一定の無資格者は排除するということによって、いままでに対しまして約百八十度の転換をするということを考えているわけでございます。
二番目は
行為規制でございます。いまサラ金問題が社会的にいろいろ取り上げられておりますのは、それが非常に暴力による取り立てであるとか、あるいは虚偽の、あるいは人をだますような広告をしているというような問題があるわけでございますが、このようなことに対しまして、暴力その他、相手を威迫するような
行為による規制を厳しく取り締まるとともに、実際に貸し出しを行う金利について店頭に掲示し、あるいは
計算書を交付し、また返済を受けたときには領収書を交付するというように、
行為面ではっきり規制をしていくという問題が第二番目でございます。
第三番目は、金利の規制の問題でございます。現在、出資等の取締法によりますと、一〇九・五%を超えるものは罰則の適用ということになっているわけでございますが、これに対しまして、これを大幅に引き下げるということによって、現在の高金利問題の解決の一端としたいということを考えているわけでございます。
このような諸点について、いまいろいろ事務的に詰めているわけでございますが、同時に各方面におきましても、このサラ金問題の規制につきましていろいろな案が
提出されているわけでございまして、このようなものを勘案しながら、何らかの形で今
国会において立法が行われ、そして貸金業の規制が行われるということをわれわれは期待し、また、そのように努力しているわけでございます。
それから、二番目に御指摘のグレーゾーンの問題でございますが、これは法務省の
所管ではございますが、大蔵省としての考えを述べさしていただきますと、現在、出資等の取締法によりまして罰則の適用を受ける、罰則をもって強制する最高限度が一〇九・五%になっているわけでございます。同時に利息制限法がございまして、利息制限法の場合には、元本十万円未満のものは年二〇%という線が引かれておりまして、これを超えるものは裁判上無効となっているわけでございます。したがって、二〇%を超え、一〇九・五%までの間は、これは刑事罰の適用にはならないけれども、裁判上無効であるというようないわゆるグレーゾーンという形になっているわけでございます。現在、出資等取締法であるとか、あるいは自主規制法がございますが、貸金業に関しまして、そういう取り締まりであるとか、あるいは借り手の保護に関する
規定が必ずしも
整備されていないわけでございまして、現在においては、このようなグレーゾーンという存在は、それなりにそのようなことになっているわけでございますけれども、今後、現在各方面でいろいろ議論されておりますように、あるいはいま申し上げましたように、貸金業に対しまして、借り手保護の立場からいろいろな規制を強化いたしまして、登録制をとり、また貸出金利の最高限、罰則の適用最高限を仮に半分なら半分に下げ、店頭に金利を明示し、また
計算書も交付し、また受け取った場合の受取証も交付して、それを罰則で強制するということになりますと、任意に支払った利息についてまで当然裁判上無効になるということがそのような制度になじむのかどうかという問題があるわけでございまして、この点については
検討を要するのではないかと、このように考えております。