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野口忠夫君 これからというような
お話だけのようでございますけれども、私もどこに一体お聞きしていいかちょっとわからなかったんですよ、これね。関係各省はみんなその中に含まれる、まあ言えば不当な
支出を行った
立場にあるわけです。その関係各省だけの問題として扱っていくだけでは、基本的な、
国民の信頼を取り戻そうとするような政治の姿勢を改めるという基本の課題にはならないわけで、やっぱり前総理
発言に従って、官房長官の方から総理に助言するなり何らの
調査をするなり、なかなかこの問題の奥底にあるものは根が深い。単に
暴力団の悪さというだけではなしに、
日本の
行政機構の中にあるいろいろな汚職、腐敗、癒着というような問題がこの際
国民に信を問う
意味では改められなけりゃならぬと総理も言っている。いまの
内閣はそれを一つの看板にして
国民の前に立っている。そういうようなことを言葉の上で言われながら、実態として一体改めるための
努力がどんなになされてきたかについてはいささか疑問なしとしないわけであります。
大分、選挙も近い今日の
状態の中で、
国民をだましていくことはもうできない時代に来ているんじゃなかろうか。
国民が信頼するのは、具体的な事実の前に立ってのみ信頼するんではなかろうかとわれわれとしてはそう思わざるを得ないわけであります。
暴力団という売る者の
立場だけ、これは
警察当局が十分やってきて、いまは公判にかけてこれやっているが、これを受け取る側の方にある
行政的な姿勢の正しさというものは、これはもう本当に
内閣を挙げて取り組むべき問題ではなかったかと思うんですけれども、何となくしり切れトンボになって、
会計検査院の不当事項の報告くらいで終わってしまうだけで、何ら
内閣の姿勢の中に、こういう問題はなくさなくちゃいかぬと、政治家は
国民の信頼を取り戻すためにがんばらなくちゃいかぬというような問題がどうも見られないように思われてならないわけであります。
予算執行の権限は
行政官が持つわけであります。予算に計上された
行政経費というのは、憲法に規定され、国法によって
国民が義務として納入している苦しい
生活の中から出血する血税であります。その血税が、
暴力に屈して、不当な圧力に屈して、そうして一公務員の
恣意によって自由にそれが使われるような、こういうことが今日の
行政官の中にあるということがこの問題で明らかになっているとすれば、私はどうもこれは放置しておくことのできない
決算上の問題であろうというふうに考えられるわけでございます。
先ほど、これから
検討してということでございますから、御
検討いただくのは結構でございますが、もう昨年これはやっているにもかかわらず、何らどうもやるところがない。こういう面については、今日の政治不信の根源をなす
行政の姿勢を正すとか、言葉どおりこれに真剣に取り組んで、やはりこの種の問題がなくなるようにしない限り、
日本の政治に対する
国民の不信はなくならないし、不信がなくならなければ世の中の混乱というものはますます助長されるであろうと憂慮されるわけでございます。ひとつ、本腰を入れてこの問題に対して――官房長官に私文句を言っていいのかどうか。これは大蔵省にでも言うのか、どこに言っていいのかわからぬのですよ。きょうは、みんな各省全部来てもらって、各省大臣全部頭を並べてもらってお聞きしたがったんです。何を、言葉だけうまいことを言っておっても、実態としては本当に血の出るような血税が公務員の
恣意によって動かされるなんというようなことを許すわけにいかぬのだ、これは。そういう
意味で、私は、時間もないからみんな呼ぶわけにはいきませんでしたので、あなたは
内閣の大番頭なんだから、ひとつ閣議等に
発言なされまして、
日本の
暴力団の
壊滅とか、
行政の姿勢を正すとかという
意味での御
発言を十分願って、心を込めてやってもらいたいと、そのお気持ちをお聞きして私の質問を終わりたいと思うんですが。