○藤原房雄君 そういう点をいろいろ
検討なさっていることだと思いますけれ
ども、いま
お話を聞きましてわれわれわかりましたが、これはほかのものとのいろんな関連があるんだろうと思いますが、手を折ったとか足を折ったとかという外傷的なことについてはすぐその場でまた診察をし、また見ればわかることだと思うんですけれ
ども、放射線の場合にはそれだけではない、どうしてもいろいろと紛争が後に尾を引くことの多いことが予想されますので、そういう形のものをきちっとしなきゃならないということで申し上げておるわけであります。
それから、
原子力発電所はどうしても都心というより人里離れたところにある、当然のことでありますけれ
ども。こういうことから、こういう
事故が起きたときの医療体制、またその
事故に対処する体制、これはそこに携わる
従業員の場合ですとそれなりの体制があるのかもしれません。これは過日来当
委員会におきましても、本案
審議の中で避難体制とか医療体制とか、防災体制の中の一環として強調されてきたことでありますが、そういう専門的な方々がいらっしゃる——
従業員の方ですとある限られた人かもしれませんけれ
ども、住民ということになりますと
相当な対応が必要になってくるわけでありまして、そういうことについては過日の
委員会でもいろいろ
質疑があり、御
答弁もあったわけでありますが、いまさらこういう原
賠法ということを
考え合わせますと、いままでこの法の適用がなかったということで安易に
考えておられない現状、スリーマイル島の
事故のようなことが勃発したということから、非常に住民の不安感がつのっておるわけでありまして、こういうことから、こういう緊急の医療体制とか、
従業員はもちろんのこと、周辺住民に対してもやっぱりこういう体制の確立というものは急がれるだろうと思いますし、また不幸にしてこういう
事故があったときには、やっぱりそれに緊急に対応のできるようなことが大事だろうと思います。そういうことで、防災体制の一日も早い
検討が急がれるだろうと思うんです。これはこの前いろいろ御
質疑ありましたんでありますか、要望として申し上げておきたいと思います。
ほかの外傷と違うことから、そして人体に及ぼす影響というのは個人差がありますので、医学的にはそれほどでもないという見方かもしれませんが、その人の体質上非常に敏感といいますか、医学的にはこうだと言っても、必ずしもそうだと言い切れるかどうか。こういう医学的な問題がかかわりますと、公害問題等におきましてもいろいろ紛争が長引くということが非常に多いわけでありまして、そういうことから、
相当な専門的な方々が中に入って、そしてこういういま
お話のございました
審査会等においても、厳正公平にこういうものを進めなきゃならないということを私は申し上げたかったわけでございまして、要望として申し上げておきます。
それから、今回の
法律の改正の中には
賠償措置額の引き上げがあるわけでありますが、当初これは五十億、六十億、今度は百億にということで、六十億から百億というのは
相当なインフレ、オイルショック等を踏まえての引き上げだろうと思います。当初これを定められたときにはどういう基準で定められたのか。私
どももいままでですと、六十億、百億という数字を見ますと、それはそれなりのことがあったんであります、評価といいますか。しかし、今日
アメリカにおけるスリーマイル島の
事故等、こういうことを
考えますと、環境には大きな影響はなかったと、そういう結果としてはまことに結構な話ですけれ
ども、起きてはならないことではありますけれ
ども、しかしながら、そこから引き出されていろんな総
点検をいたしまして、一歩手前といいますか、非常に心胆寒からしめるようないろんな問題が起き、ボルトが欠損しておったとか、調べましたらいろんなことがあったという、それは大きな
事故には結びつかなかったかもしれませんけれ
ども、確かにそういう可能性は秘めておったというような
事例が何度かありました。こういうことから、六十億から百億に引き上げというのはそれなりのことは言えますけれ
ども、現時点で
考えてみますと、この百億という金額が、非営に過密化しております
日本の国でもし
事故が起きたときに、十分に一般住民の方々、周辺の方々に対しての
措置がとれるかどうか。当初これを定めたときはどういう
考え方から始まったのかということを素朴に感ぜざるを得ないんでありますけれ
ども、三十七年ですか、この
法律ができるときに当初
考えておりましたことから、今日のこういう時点で
考えまして百億というのは妥当であるかどうか、ここらあたりのことをちょっと御
説明いただきたいと思うんです。