○藤原房雄君 ウランの有効利用ということや、また
安全性確保とか、ただいまの有効利用の中で経済性ということ等も考え合わせて数%の経済性もあるんだということのようではございますが、これはいろんな試算によっていまのお話のように差異があるだろうと思うんですが、私
どもが今日この時点でこの法案の審議に当たりまして危惧することというのは、諸外国におきましても、先進国といわれるアメリカ、フランス、西ドイツ、まあこれらの国々におきましても再処理の大型の
施設というものが十分な稼働をしていないというところに、しかも民営レベルではまだまだいろんな問題があって今後の
計画という、こういうことでありまして、現在十分な運転がなされていないというところに非常に危惧の念を抱くわけでありまして、今後の技術開発、そしてまた現在までの技術の積み重ね、蓄積、こういうものが確立されて、少なくとも十数年後には日本としても十分なものができるだろうという将来の技術の発展というものに大きく依存しているといいますか、それは技術が進歩していくことは当然だろうと思いますけれ
ども、少なくとも現
段階におきましては民営というレベルでの世界各国でも十分な運転をしておるものがないという、こういう将来に大きな期待感といいますか、こうなるであろうということが大きな問題であるとは思うんです。しかし、これは不可能なことではなくして、逐次その技術が蓄積され、そしてまた解決をされつつあるということも私
ども認めるにやぶさかではございませんけれ
ども、そういう点で十年先、二十年先と、十数年先のことであるということから、どうしても今日出されておりますいろんな
データなり、また述べられておることに対して非常にまあ注意深く見なきゃならないという問題もそこにあるわけであります。
一つ考えてみましても、アメリカにおきまするこのたびのような
事故がありますと、原子力の場合にはちょっと部品を取りかえてというわけにいかない大きな
事故につながる場合がしばしば——東海の第一工場につきましても、過日来いろんな
説明を受けておりますけれ
ども、実験
段階ということで慎重にいろんな
対策を講じているとは言いながら、やはり相当の期間停止をしておるということ等を考えますと、この第二工場の建設に当たりましても、現時点から第二工場の建設に対してこうあるべきだということに対しては、私
どもこれを審議する立場としては非常に不透明といいますか、確信の持てない点が多々あるわけであります。そういうことから今後——今日までの問題についてはいろんな問題が処理され、そうしてまた技術的な面についてはそれなりの蓄積としての技術はあろうかと思いますけれ
ども、今後の課題としまして、私
どもは今回のこの法案の審議というのは、一つの窓を開くといいますか、こういうことを前提とするとか、いろんなそういう前提条件のもとに審議をするのであって、これは十年先のことでありますから、やっぱり厳しく、今後の推移については当
委員会等が報告を受けるなり、またいろんな角度から問題については審議をするとか、そういう一つの歯どめといいますか、そういうものがなければならないんじゃないか。十年先になりましてから、当初この法案のできるときに、どういうことが論議されたか、いろんなことが振り返られるんだろうと思いますけれ
ども、ただ単にこの法案に賛成とか反対とかという、そういう単純な態度だけではなくして、やっぱり審議する私
どもも法案を提出する
政府側も、ともに十数年先ということに対しての私
どもはやっぱり厳しい物の見方というものが必要だろうと、こう思うんであります。そういうことで、私
どももいろんな角度からいろいろ論議をするわけでありますが、
政府としてもまた担当の科学技術庁としましても、十年先のことであるだけに皆慎重な態度でこの問題についても論議をし、そうしてまた、今日までこの法案提出に当たりましても
検討を加えてきたんじゃないかと私は思うんですけれ
ども、こういう実現が十数年先に対して、現時点で私
どもがどう臨むかということは、私
どもも今日まで十数年議員生活をしておりますが、こういう法案というのは余りございませんで、私
どものとる態度というのは非常にむずかしいというふうに考えておるんですけれ
ども、担当の
局長または大臣、こういう問題についてはどのようにお考えになっているか、まずその点をちょっとお伺いしたいと思います。