○内藤功君 それはよく調査をしていただいて、誤りなきを期していただきたいと思うんですが、さらにこの日程をよく
検討してみますと、出発の六日前に渡った日程表をずっと見てみますと、イラク航空という
会社を使っているんですね。イラクです。これは大体
飛行機のダイヤ、まあ帰ってくる便ですが、週一便あるいは二便しかないような航空
会社であります。それから発展途上国のエアラインであると。したがって、これはヨーロッパ、北米コースなどと違いまして、非常にこれはリスクの多いコースを選んでいるということを私は感ずるんですね。それで、まあ安いんだから悪いんだと。安かろう悪かろうだと、こういうんならまた話は別です。そういうイラク航空と
団体割引の契約を結んでいる。そしてアテネー東京間は非常に便数が少ないために、一たん事故が起きると座席の確保がきわめて困難になるということは、これは非常に見やすいことだろうと思うんですね。容易に予想できるんです。で、このような
現状では予約してあるエアラインに何か
一つのアクシデント
——本件の場合にはヨーロッパの寒波の襲来に伴う空港の閉鎖というような問題があったらしいんですが、これは後でそういうことがわかったわけですが、
一つのアクシデントがあるとその後の予定がすっかり狂ってしまった。ここが問題なんですね。で、そういう場合に、たとえばそういうエアラインを使っているということが
一つ。もう
一つはやはり
団体旅行だから集団で
——本件の場合は三十五人、何十人かが一緒に行動しなければならぬ、こういうことに拘束をされまして、三十五なら三十五という空席を確保するということは、一たん事故が起きた場合になかなかむずかしくなってくる。仮に急ぐ人の分だけほかのエアラインで
幾つかの空席をとる、十なら十とる。それからその次に急ぐ人をまた十とる。後十五とるというふうなことは、現場の添乗員にはこれは非常にやりにくい。恐らく不可能なことだろうと思うんですね。そういう問題が
一つある。で、本件の場合では、ずっと回りましてバンコクへ来たんですが、バンコクから東京へ帰るときに、カンタス航空の
飛行機の空席が見つかったんだけれ
ども、カンタス航空で来てそれから今度はエジプト航空の空席が見つかったんだけれ
ども、それは自己
負担ならいいけれ
ども、
団体旅行の航空券の転用は認められないというふうな問題にぶつかりまして、そうして旅客が一人十万円ぐらい出しながら現金をそこで払って一部帰国をするというふうなことが起きているわけなんですね。それで、これがまあ現場でのいろんな
トラブル、航空
会社に対する不信の
一つの原因になって、帰国後非常にこれはもめたケースなんですね。ほかにもあると思うんです。
たまたま私はきょう
観光行政の法案の審議ですから、いい
機会ですからこれをひとつ出すんですが、私はまあこういう場合に二つ
問題点を提起して部長のお考えを聞きたいんですが、
一つはこういうアクシデントの原因というのは、これは航空
会社の責任あるいは天候というものに責任はもちろん一半ありますけれ
ども、原因はありますけれ
ども、基本的にさかのぼっていくと、やはりいまこういう
団体旅行が非常に
日本国民の日常生活に入ってきておるけれ
ども、
旅行業者、特に大手の
業者がやっている、こういうツアーの日程を組む上で非常なまあ無理があるんじゃないか。さっきの航空
会社の選定問題もその
一つであります。週に一便、二便しかないイラク航空ならイラク航空というような航空
会社を選択するということ自体にも私は問題があると思えるのですね。こういう日程編成上の問題というふうなこともやはりこれは考える必要があるし、十分これは指導していくべき問題じゃないのか、
業界を指導していただくべき問題じゃないのか、これが
一つ。
それから二番目は、ついでにもう一問聞いておきますと、こういう何年ぶりかという大寒波にヨーロッパが襲われて、デンマークから来る
飛行機がおくれたわけなんですね、四時間もおくれた。そういうようなときに乗り継ぎ便との接続もできない、まあ思いがけないこういう事故が起きた場合に、このときこそ添乗員というものの役割り、本領が発揮されると思うんですよ。こういうときに、この件の場合には非常にもたもたした点があったようです。しかし、私はそういう添乗員個人の責任は本
委員会で追及しようというものじゃないんです。だけ
ども、そういうときに添乗員の役割り、本領が発揮されるときなんですから、こういうアクシデントの際には現場の添乗員にある程度の裁量権、裁量権の余地というものを与えて、混乱を防ぐ上である程度裁量権のもとで処理をさせるというふうな
考え方はとれないものか。
それからそういう場合にたとえば、三十五人全部同じ便で帰るということは不可能だから十人ずつ、あるいは五人ずつ
幾つかの他のエアラインに分けて
日本に送り帰す、帰ってもらうというふうなことをした場合に、それに伴ういろんな損失はこれはもう
会社の方で、
旅行業者の方で
負担をするというようなことを、こういう事故の場合には認めるというふうな指導ができないのか。そこまでいかなければ何かここに
一つの
考え方はないか、これからも起きる問題ですね。この件の責任追求はまたその
飛行機に乗られた方々が個別にいろいろおやりになるでしょう。おやりになるでしょうけれ
ども、これからの問題として何かそこに
観光行政上考えられないものかということを私はお聞きしたいんです。この二点です。