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森山国務大臣 きょうあなたからこういう御
質疑があるということであったが、
大臣の
答弁は求めない、鉄監
局長も不要だ、私に対して問題を提起するだけだからということで、あえて事務局も来なかったのだと思います。ところがあなたが私に返事を求めるわけでありますから、私はいま細かい資料は持ち合わせておりませんが、すでに鳴門
大橋は新幹線併用橋として決まって、閣議にも諮って
方針が決まって、着工して二百六十億円ほどの金が出ておるというわけでありますから、したがって、これが当面新幹線が通らないからといって直ちにもって単独橋に切りかえることが適当かどうかという判断が
一つあるであろうと思うのですね。
新幹線というのはやはり地域格差の是正とかあるいはまた国土の均衡ある発展とかそういう
意味から見まして、四国には新幹線が通らないんだという印象を与えるととは、私は政治として好ましい行き方であるとは思いません。御
承知のとおり、東海道新幹線、山陽新幹線はすでに稼働中でありますし、それから東北新幹線、上越新幹線は工事中であります。
整備新幹線が当面問題になっておりますが、それは財源問題で行き悩みになっていることは事実であります。しかし、
昭和五十八年ごろ青函トンネルができた際に、そこに通す鉄道は在来線でいいかどうかという問題になってまいりますと、私は恐らく、通すなら新幹線を通そうということに、そのころになるとならざるを得ないのではないかと思います。
整備五線のうちの二線は、したがって手をつけざるを得ないということになりますし、それから、財投等によって借金で後で返す金、しかも利子がつく金ということになりますと、これからの新幹線の
建設は容易なことではございませんけれ
ども、もし国費を投入してやるという形になってまいりますれば、裏
日本の方を通る、信越方面を通る新幹線については、これはそろばんが合っていくのではないか。そうなると、残るところは九州二線ということになります。九州だけ取り残していいのかという問題が必ず出てまいるでありましょうし、四国もまた同様であります。そういう先のことを
考えますと、やはり地域住民の要望、ぜひひとつ新幹線が欲しいという気持ちは、私はやっぱり尊重しなければならないというふうに
考えるわけであります。
しかも、新幹線併用橋ということで閣議にかかって決まりまして、しかも着工した路線を単独橋に切りかえるということは政治としてとるべきことではないのではないか。事務的のそろばんは、あなたがおっしゃるような当面の損得はありますけれ
ども、長い先行きを
考えますれば、やはり四国の多数の住民の方々の御要望に――要するに新幹線への希望の灯は消さないという
考え方でいくべきである。そういうものの
一つのしるしとして、私はあえてこの鳴門
大橋の新幹線併用橋という従来の
構想を維持する。単独橋に切りかえて当面の新幹線への望みを絶つということだけは、この際やらない方がよろしいというふうに判断をいたしたわけであります。
とはいえ、しかし、二百六十億という金はすでにかかった問題でございますからね。そして、これからのこの併用橋の
費用の
負担というような面におきましては、従来のような割合ではなかなか容易ではございませんから、一一%というふうに
建設省とお
話し合いをいたしまして、そして二百六十億に対する金利は国として、要するに鉄道関係として保持しようという形でやったのであります。
私は、ブランクペーパーに物を書くなら別でありますが、在来の引き続きといたしましては、これは措置としては間違ったやり方をしたと思っておりません。政治としては、むしろそういうふうにやった方がよかろうと思っております。
トンネルとの関係でどっちが得かという問題につきましては、ちょっといま手元に資料は持ち合わしておりませんけれ
ども、私は、将来つくる場合のことを
考えますと、新幹線併用という形でいよいよ新幹線が通るときにそれだけの体制をつくる
費用と、そのころ
考えられる――そのころというのはいつのことかは別にいたしましても、いろいろな
費用がかさんでくるそのころのトンネルの
費用を
考えますと、どちらが高いか安いか、私はちょっと計算するのはむずかしいのではないかと思います。しかし、試算はできますが、いま事務局がおりませんから、これは私から申し上げることは差し控えさしていただきます。いずれ御必要があれば数字を示したいと思います。