○
沖本分科員 私は、大阪の外環状線について御質問したいと思います。
大阪では、これは
運輸大臣もお耳をかしていただきたいのですけれ
ども、地元では外環状線と言いますけれ
ども、
国鉄の方では城東貨物線になっているはずなんですがね。格づけが大分違うわけなんです。城東貨物線ということになりますと、これは戦前にできた土盛りの単線の貨物線であって、広がった大阪市内をこの貨物線が横切って、利用価値はない。これが土盛りになっておって交通遮断をし、市街の発展それから住宅あるいは経済の発展に対して大きな支障を来しておるということは事実なんです。そこで、万博に向かって急遽これを間に合わしてということで、
国鉄の第三次長期
計画の中にこれを含めた
計画が出たわけですけれ
ども、その辺から
国鉄の赤字が問題になり出してきて、第三次長期
計画が御破算になったというところから、この城東貨物線が幻の外環状線という形になっていったわけです。それで、いずれにいたしましても実現するということで、沿線の各市は
国鉄債をずいぶん買わされて、十何年間綿綿としていまに至るまで期待をかげながらじっと待っているというのが事実なんです。
それで、関東圏の総武線はずいぶん
計画が遅かったわけですけれ
ども、城東貨物線、外環状線を差しおいてどんどんやり出したわけです。当時、磯崎
総裁にこの点やかましく言いますと、磯崎
総裁は、それを余り言うと大阪の方はだめになりますよとおどかされたわけです。それでだめになると困るので、やかましく言わないで黙っていれば早く実現するんだろう、こう思っていたところが、そのうち磯崎
総裁がやめられてしまって、これまた宙に浮いてしまった。
当時の
計画としては、新大阪とそれから阪和線の杉本町を結ぶ、吹田、高井田を経て八尾を通って杉本町に回る、こういうことであり、それから南港に大阪市のコンテナの埠頭があるわけですけれ
ども、これを
国鉄のオンラインの中に入れていくので、いわゆるコンテナ埠頭からレールを引いてコンテナをそのまま杉本町に持ってきて、そこから木津の方へ貨物線、新しい
路線をつなぐ、そういう
計画が実現するとかしないとか。あるいは堺の臨海工業地帯の貨物を鳳を経由するなり何なりしながら杉本町へ運んできて、ここから外環状線に結んでいくというような、いろんな
計画がこの中であったわけです。そして大阪市と折衝したりそれぞれのところと折衝したり、いろいろな青写真が言われたりしていきながら来たわけですけれ
ども、実際の面から言うと、東住吉区の加美までは用地の面で大体心配はない。そこから杉本町を結ぶ場合には用地買収が必要でもあるし、相当難問が起こってくるんじゃないだろうかということだったわけです。
そうこうしている間に
総裁が次々と交代されていった。おまけに縮小の意味ということになるのか、
再建計画の中に入っているのか、関西支社も外されてしまった。関西支社の方はどういうわけで外したんですかと聞くと、それは本社の方でちゃんと見るから、関西支社の方はなくても十分やっていける、担当の者もちゃんとおるからと、こういうことだったんですけれ
ども、やっぱり思っていたような形に変わってきてしまっているということで、一生懸命見ていて何とかしなければと思っていたような人たちはみんなはぐらかされているという
状態なんですね。そして大阪市を中心にしてドーナツ現象を起こしてどんどん人口は外へ広がっていって、むしろ大阪市内の人口が落ち込んでいくということになりますから、この城東貨物線を高架にしていき、電化していき、客車を入れていく、内環状線に対し外環状線、
東京の山手線のような形に変えてくれさえすれば、利用価値は十分出てくる。おまけに大阪の各私鉄は大阪の中心部へ乗り込んできて、ほとんど地下鉄を利用してそれぞれの目的地へ向かっていくということになりますから、いわゆる電車を使うお客さんというのは大阪市内でふくれ上がっていく。そういうことに伴って北とか南だとかのターミナルの人口はふえていくという面もないことはないわけです。
メリットも経済の面からないことはないわけですけれ
ども、交通整理という点から考えるとずいぶんむだなことになっていくし、そういうお客さんを杉本町からそれぞれのところへ、新大阪の方へ運びかえていくようにすれば、和歌山とか奈良とか、あるいは京都から和歌山へ行くとか、それぞれのところのお客さんの利用価値というものはずいぶん変わってきますし、時間の点も短縮されていくというメリットも十分出てくるわけで、あながち赤字だけを対象にどうこうするといういまの
ローカル線的な
考え方を無理強いにお願いしてつくってもらうというのではなしに、メリットの点からでも十分検討に値するだけの価値はあるんだ、こう関西の連中は考えているわけです。だから
国鉄債も抱え込んでじっと黙って、何とか何とかということで現在まで来ているわけですけれ
ども、しかし沿線の住民にしてみますと、いつどういう形でどうなっていくのかさっぱり見当がつかないし、これは生活にも
関係してきますし、いろんな問題点が出てきておるわけですから困ってきているわけですね。戸惑いも起きている。こういう事態が起こっているわけです。
ただ目下のところ
国鉄の
再建問題が非常に大きな問題としてクローズアップされているわけですけれ
ども、むしろ黒字を生み出すメリットを考えていただくというような面からも検討を広げていただくことの方が大切じゃないか、こう私は考えるわけですけれ
ども、そういう面からももう一度見直していただくとか、あるいはこのことがどうなっているのか。聞くところによると、どうやら加美で紙になってしまった、あと向こうへ続かないで打ち切りらしいという話も地元でしておりますし、そうするとそのほかのところはどうなるんだろうか、未来図というものはどういうふうなかき方をしたらいいんだろうかというようなことで、地元の方でいろんな想像をしていきながらうろうろしておるということが実態なんです。
これについては、私は衆議院へ当選して以来現在まで言い続けているんです、ずっと毎年。大体無理なことを言ったらそれは無理は通らぬでしょうけれ
ども、大体もっともです、筋は通った話だということで、十年も同じことを言い続けたら大体実現しそうだ、実現するのが本当だと考えるわけですけれ
ども、はね返ってくる
お話というのは毎年同じ返事が返ってくるわけなんで、この辺でそろそろ、将来に向かってだめなのか、おやりになるのか、それもお聞かせいただきたいし、なぜ中間で高井田から蛇草までちょろっと高架にしてそのままほってあるのかという点も、やる気があるように見せながらあと全くやる気がないというようなかっこうをとっていらっしゃるという点が、どうしても地元の人たちに納得がいかないということになるわけですけれ
ども、その辺をお答えいただきたいと思うのです。