○山本(悌)
分科員 大臣どうも御苦労さんでございます。大分お疲れのようでございますから、非常に簡潔に、私もそう長く質問なんかしたくございませんから、ただ聞いていただきたいこと、許せないことがあるものですから、ぜひ
大臣に聞いていただきたいし、できることならばやめさしてもらいたい、こう思うのです。
それはどういうことか、簡単に申し上げますと、これは全国的にもあることだと思いますが、一つの例であります。例というのはそういう問題が起きた場所でありますけれ
ども、新潟県佐渡郡、佐渡島であります。佐渡島の羽茂町素浜というところです。全島約三・七キロございます。非常にいい
海岸であります。砂浜の層が約百五十メートル以上あります。波打ち際から幅が百五十メーター以上あります。現在で言えば、ありました。ところが、この砂の
採取を新潟県の土木で認めたわけであります。
業者は丸藤さん、藤井藤作というのでありますが、この砂
業者にとらせることになったのです。
昭和四十五年ごろからやっているわけです。非常にいい
海岸なんですよ。いわば国定公園の地域に存在しているところですから、海水浴場としてもいいのであります。
ところが、佐渡島というのは、私は出身地でありますからあれですけれ
ども、御存じのように建築屋さんの砂がなかなかないところなんです。新潟県の砂の
採取をするのは、阿賀砂と言っておりますが、阿賀野川の砂を一応とれということになっている。ところが、阿賀野川から砂を運んできて佐渡島でやったのでは運賃がかかってとてもかなわぬというので、そこで浜砂とか山砂とかいろいろやったわけです。佐渡島では両津の羽吉というところですけれ
ども、すでに
海岸全部とってしまいまして、それこそ侵食されちゃってえらいことになりまして、そこはだめになりましてやめさせました。
同じことなんです。ここも非常にいいところなんですけれ
ども、いわば十年に近い間砂をとり尽くした。これは
許可をしたのだから仕方がないと思うのでありますが、問題はここからなんです。
ここは国有の
海岸線ですね。砂をとる
許可を与えられるところは
海岸線から五十メーターだったのです。ところが五十メーターではとてもとり切れない。とり切れないというのは少ないということで、丸藤及び土建
業者からの申請があって、新潟県相川
土木事務所は私有地——
あとは私有地でございますから、いわゆる共有者に対して
あと三十メーター譲ってくれぬかという話し合いをした。そうしたところが、結構でございますということになりまして、結局八十メーターとることになったのです。その
許可証があるかないか、私はそこまで調べてありませんけれ
ども、あるのでしょう、とるのを許しているのですから。そして
海岸線八十メーターを約三・七キロにわたって砂をとった。とったのはいいですよ。そこまではとることを認められたのだから当然いい。ところが、八十メーターをさらにオーバーして七十メーターとっている。これは全くの民有地なんですよ。共有者がいるから共有者の
許可を得ていると言うのであります。ところが、
許可を得ているのですが、七十メーター超して全長百五十メーターのところに——波打ち際があってちょっと高台があるのですね。高台のところに学校林がある。学校林を皆焼いちゃって、そこの下の砂を全部とっちゃった。それでも足りない。そこでその隣に、浜地に育つ植物のボウフウを栽培している
人たちがいるわけですね。そこのところも手をかけた。そこでボウフウ組合の
人たちが怒って、そんなことではかなわぬ、問題は一体何だということになった。国有地まで全部とり尽くして、さらに砂なんか全くなくなっちゃって、今度はボウフウという植物をつくっているところまでとりにかかった。しかもそれはやや高台になっているものですから、下を全部削ったので、その上にあるたんぼ、畑ががけ崩れを起こしそうになっている。これは地元の新聞も、読売新聞も全国版でやりましたけれ
ども、ここまでくると本来なら
公害問題なんです。これが実情です。
そこで
大臣に、これは官有地、国有地である砂地をどういうふうな形で
許可をしておるのか。
海岸を全部侵食してしまえば砂がないからだんだんだんだん波打ち際が迫ってくるわけです。私は去年の暮れに見にいったのですよ。それは佐渡島がなくなるだろうと思って私は心配したくらいですよ。まあの話はそんな感じです。それはブルでどんどんとって、ダンプで運んでいっちゃうのですから、そうすると大体原状復帰するには約十年以上——原状復帰は不可能ですね。波がだんだん寄せてくるから原状復帰は無理ですけれ
ども、砂がある
程度たまるには十年くらいかかるのではないか。一年でたまる場合もありますけれ
ども、まあたまらぬですな。そんなふうにしてまで土建
業者を保護しなければならないのか。ここに
法律がたくさんあります。たとえば
海岸法でちゃんと禁止しているのです。その次へ参りますと、
砂利採取法というのもあります。それから
公害もあります。いろいろ禁止している
法律があるにもかかわらずそういうことを認めておられるという国の考え方、建設
大臣の考え方を私はまずお聞きしたいと思うのです。佐渡島がなくなってしまっては困るのです。あそこには十万人近い人が住んでおるのでございますし、私
どもも親兄弟みんないるのでございますし、一市九町村もあるのですから。地元の問題ですけれ
ども、、どうかひとつそういうことで……。
もう一つ申し上げておきます。そこまではよかった。これは県会で取り上げて、県会では一つの問題として提起をして、しかも県の土木はしばらくの間
業者にとらせないと一応押さえているのです。ところが、悪いやつでございまして、羽茂町のこの
業者の丸藤、藤井藤作というやつは、羽茂町の町
会議長をしているんですよ。昔は教育長もやった。助役もやったんだ、羽茂村というところで。そしていまは議長をしているんですよ。これは無論町でも問題になりまして、そして議長はどうしてもやっていられなくてやめました。やめたはいいけれ
ども、そんなことはどうでもいいんだが、ところがこのボウフウ
採取者、ボウフウをつくっている百姓たちを相手取って告訴しているんだ。おれがとって何が悪いんだという告訴をしている。裁判を起こしている。だから私たちの仲間は、このボウフウをやっている
人たちは私の仲間でありますけれ
ども、おかしいと言うのですね。自分の土地をとられるのだから自分たちが訴えるならいいのだけれ
ども、砂をとっているやつがおれを訴えているというのはどういうことだ。そこで県の方が、それはやめさせろということでいわゆる取り下げをやらせているのだけれ
ども、きかないのです。経過はそういうことです。
そういうことで、まず
大臣から、御答弁の余地ありますか。ありましたらひとつ言っていただきたいし、おわかりでなければ調べていただいて結構です。これはぜひ問題にしなければならない。こんなことが許されていいと思いませんよ、本当のことを申し上げて。