○川崎
委員 板門店における南北会談の問題については、後ほど朝鮮問題にしぼって私はお尋ねをしたい、こういうふうに思います。
いま外務大臣からお答えのように、日中の友好というのがアジアの平和の非常に大きな基礎である、そしてまた米中の国交正常化というものも、冷戦体制を崩すという点では一致をするわけであります。ただ、きのう石橋
委員も時間の関係で十分には言っておりませんけれ
ども、非常に懸念をしておりますことは、いま外務大臣も触れられましたように、日、米、中という同盟関係、そういうものであってはならない。だから大国パワー、力のゲームという方向に進んではならない。そのことは、
日本の自主外交というものが今日ほど、求められているときはない、こう思います。
日本社会党は、一貫いたしまして非同盟中立の外交方針を貫いてまいりました。非同盟中立の
政策が今日国際的に大変大きな潮流であるということは申し上げるまでもありません。イランの
動きを見ましても、これは新しいイラン
政府というのが非同盟中立の方向を志向しておるということは否定できない、こう思います。そういうわが党の非同盟中立の
政策の立場から、インドシナ半島並びに中国、ベトナムの大変懸念される今日の
情勢というものについて
日本はどうすべきかということをお尋ねしたい、こう思うのです。
社会党は非同盟中立の
政策でありますから、国連における非同盟諸
国会議がとった態度というのを支持をいたしております。でありますから、カンボジアにおける、他国の軍隊が介入したそのことについてはわれわれは反対をし、軍隊の撤退ということをあくまでも強く要求するわけであります。しかし、今日のカンボジアの
情勢というのは大変複雑に動いておる、こう思いますが、
日本は、北京、ハノイ、西側といたしましてはそうした関係を持っておる国でありますから、
日本の動向というのは大変大事だ、こう思います。あの南ベトナムが崩壊をいたしますときに、すでに
日本はハノイと外交関係は持っていたのでありますけれ
ども、残念ながら動けなかった、
日本が動けば
アメリカの代弁者だということで、あの南べトナムの崩壊過程の中で
日本は何ら自主外交というものが展開できなかったわけです。そういう
意味では、今日の
情勢の中で
日本はそういう大変慎重な、しかしきちっとした外交を進めなければならない、こう思います。そこで軍隊の撤退を強く要求していく、しかし援助の問題については約束したことは実行する、ただし将来の問題については、今日の安定というか、そういう平静な状態を待つということが必要であろう、こう思います。先ほ
ども国際
会議の提起の問題もございましたが、そういう方向について、いまのカンボジアの
情勢というものが落ちつくのに大変時間がかかるのかどうか、
日本の外交当局はどう見ておるかということが一つ。
それからもう一つは、シアヌーク殿下が国連にポル・ポト政権の代表として出ました。しかし、出て国連で発言をしました後は、ポル・ポト政権のあり方というものについては厳しい批判をしたわけです。シアヌーク殿下は、自分はこれでもう終わった、だからパリなりに亡命生活をしたいというふうなことな
ども言っておりました。しかし、今度北京に帰った、帰ったというか北京に行ったわけでありますが、
日本の外務省といたしましては、その途中、成田に寄りましたときに三宅アジア局次長がシアヌーク殿下と会っておるわけですね。そうしますと、このシアヌーク殿下がポル・ポト政権を批判をしながらも北京に帰った、私は、これは将来の問題としては非常に大きな背景というか、考えられるものがある、こういうふうに思っております。でありますから、カンボジアの
情勢あるいはそうした
動きというものについて外務大臣としてはどういう判断をしておられるのか、伺いたいと思います。