○石橋(政)
委員 それでは、先日に引き続きまして
質問を継続させていただきたいと思います。
五日の日にも私がどういう目的で
質問しておるかということは申し上げたわけですが、もう一度きょう改めて
最初に申し上げておきたいと思うのです。
私
どもは、日中平和友好条約の締結、引き続く米中の国交正常化を歓迎しておるわけでございますが、それは真に日中の友好に役立つ、アジアの平和と緊張緩和に寄与し、
日本の平和と安全にも有益だ、そう
確信したからでございます。しかし、率直に申し上げまして、現実の姿は時がたつにつれて、少なくとも私の思い描いた理想の方向には必ずしも向いていない。
そこで第一に、本当に日中の恒久的な平和友好と信頼
関係を確立する上で役に立っているのだろうか、第二に、いわゆる大国のパワーゲームに組み込まれる危険、そういう心配は絶対にないのだろうか、この二つをまずきわめて、もしそういう懸念があるとすれば、いまのうちに手を打たなければいけない、これからわれわれはどうしたらいいのだろう、こういう手だてをも考えていきたい、こういう目的で実は
質問をいたしておるわけです。
そこで、
質問の方法といたしましても、できるだけ議論をかみ合わせたい、そういう考えの上に立ちまして、条約というものを中心に据えて、いま申し上げたような目的に沿った
質問をしてみたいというのが私の気持ちでございます。
そこで、まず第一は、本当に日中の平和友好と信頼の基礎は固まったのか、この点に関してでございますけれ
ども、どうも何かあいまいな点が残るような気がしてならないのです。肝心なことを詰めないで、何かはれものにさわるように、そっとしておこう、そっとしておこうというような態度が私にはかいま見える。一体そんなことで本当の信頼が両国の間に生まれるのだろうか、育つのだろうか、そういう懸念があるということを申し上げたいのです。それが外交だ、そんなことをおっしゃらないでください。私はそんなものであってはいけないと思います。こんな調子では必ず将来において問題を起こすのじゃないか。だから、もし何かしら私の懸念というものが事実であるとするならば、そういう危険な芽は、将来に禍根を残さないようにするためには、覆い隠すのではなくて、早いうちに摘み取る
努力をする、私はその方が大切だ、そういう気持ちでお尋ねをいたしますので、率直なお答えを願いたいと思うのです。本当に心配がない、私の単なる杞憂だというならば幸いです。だから、お互いに一致点を求め合う、そういう観点で私もやりたいわけですから、ぜひ御協力を願いたい。
最初に申し上げておきたいと思います。
そこで、この間は
最初から十分なお答えがいただけなかったわけですから、蒸し返しはいたしません。私が御
質問いたしましたのは、
日本と中国との間の講和条約、平和条約というものは一体どうなっているのか、どの時点で戦争は終結したのか、法律的に御説明願いたい、こう
質問したのに対しまして、
日本政府の立場においては一九五二年八月五日に発効した日華平和条約、この時点で
日本と中国との戦争は終わった、しかし中華人民共和国はそれを認めない。そこで、やむを得ず一九七二年九月二十九日の日中共同声明で政治的に話し合いをして、そしてこの共同声明の時点から戦争終結という扱いになっているのだ、こういう
答弁だったのですね。私、非常に心配なんですよ。法律的に確定してないから、こんな問題が、外務大臣の
答弁を読んでみましたら、超法規なんて言っているのですね。超法規的な措置で済むのだろうか。しかし、これをやっておりますとまた貴重な時間が何ぼでも減ってしまうので、一応、私は納得できませんけれ
ども、それでいくのだろうか、次に移って、そういうことで通るのだろうかというふうに話を進めてみたいと思うのですよ。
そこで、
日本政府の主張する、
日本と中国との間の戦争状態というものは台湾
政府との間で日華平和条約で終わっている、あれが講和条約である、こういうのをそのまま一応とります、納得するというのじゃなくて。ところが、この条約は共同声明発効の
段階で無効になっているのですね。
大平さん外務大臣でしたが、外務大臣の何か談話が発表されまして、任務は終わったとかなんとか言っておられるようなんですが、現実にこれは無効になっているのですね。この点から確かめます。