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加藤清二君 ただいま
議題となりました
昭和五十一
年度決算外二件につきまして、
決算委員会における
審査の
経過並びに結果を御
報告申し上げます。
初めに、各件の
概要を申し上げます。
まず、
昭和五十一
年度決算でありますが、
一般会計の
決算額は、
歳入二十五兆七百六十億千六百万円余、
歳出二十四兆四千六百七十六億千二百万円余、差引六千八十四億四百万円余の
剰余金を生じております。
特別会計の数は四十一で、その
決算総額は、
歳入四十九兆二千八百九十一億三千三百万円余、
歳出四十二兆七千五億七千五百万円余となっております。
国税収納金整理資金の
収納済額は十六兆二千八百七十五億二千五百万円余、
支払命令済額及び
歳入への
組入額は十六兆二千四百十三億二千五百万円余となっております。
政府関係機関の数は十五で、その
決算総額は、
収入十四兆四千三百三億六千九百万円余、
支出十三兆七千八百六十四億七千二百万円余となっております。
次に、
昭和五十一
年度国有財産増減及び現在額総
計算書でありますが、
昭和五十一
年度中に増加した
国有財産の額は、
一般、特別両
会計を合わせて三兆五千八百七億六千二百万円余で、
年度末現在額は二十三兆千六百三十二億五千万円余となっております。次に、
昭和五十一
年度国有財産無償貸付状況総計算書でありますが、
昭和五十一
年度の
無償貸付の
増加額は、
一般、特別両
会計を合わせて百七十二億千七百万円余で、
年度末現在額は三千七百八十億三千九百万円余となっております。
次に、
会計検査院の
昭和五十一
年度決算検査報告において、
不当事項として掲記されたもの七十四件、
会計検査院法第三十四条の
規定により
意見を表示し、
是正改善の処置を要求したもの十六件、同法第三十六条の
規定により
改善の
意見を表示したもの一件、また、特に掲記を要するものと認め、掲記された
事項八件となっております。
各件のうち、
決算は昨年四月十三日に、
国有財産関係二件は昨年一月三十一日に
委員会に付託されました。
委員会におきましては、昨年五月二十六日に各件について大蔵大臣よりその
概要説明を、
会計検査院長より
検査報告の
概要説明を聴取した後、
質疑に入り、各省庁別に二十二回にわたり
審査を進め、政府の予算執行と行政
運営に関する重要な問題を中心として終始熱心かつ活発な
質疑が行われたのでありますが、その詳細は
会議録により御承知を願いたいと思います。
昨四日締めくくり総括
質疑を終了し、
決算については、
委員会審査の
内容をまとめて、
委員長より議決案を提出いたしました。
以下、その
内容を申し上げます。
すなわち、
昭和五十一
年度一般会計歳入歳出決算、同
年度特別会計歳入歳出決算、同
年度国税収納金整理資金受払計算書及び同
年度政府関係機関決算書につき、左のごとく議決すべきものと議決する。
本院は、毎
年度決算の審議に際し、予算の効率的執行並びに
不当事項の根絶について、繰り返し政府に注意を喚起してきたにもかかわらず、依然として
改善の実が上がっていない点があるのはまことに遺憾である。
一
昭和五十一
年度決算審査の結果、予算の効率的使用等、所期の成果が十分達成されていないと思われる
事項が見受けられる。
左の
事項は、その主な事例であるが、政府はこれらについて、特に留意して適切な
措置をとり、次の常会のはじめに、本院にその結果を
報告すべきである。
一の1、
会計検査院の
検査機能の充実強化については、再度議決を行ってきたが、未だに十分な
措置がとられていないのは遺憾である。
会計検査業務の適正化のために、引き続き検討すべきである。
一の2、 昨今の厳しい財政事情より見て、行政改革並びにその一環としての行政機構の簡素・合理化及び特殊法人の整理統廃合を適正かつ積極的に推進すべきである。特に補助金等については、従来から整理合理化が進められてきていることは認められるが、現下の財政事情等にかんがみ、全体について補助効果等を絶えず見直し、一層の整理合理化に努めるべきである。
一の3、国内産米について、再度過剰在庫を生じたことはきわめて遺憾である。生産面での対策、消費の拡大、食糧管理制度の運用の
改善等、今後、過剰米を出さないようにすべきである。
一の4、雇用
改善事業等の給付金については、年々多額の不用額を生じているが、雇用条件や支給手続き等
改善措置を再検討して、適切な活用に努め、雇用安定に実効が上がるようにすべきである。
一の5、水道料金には、かなりの地域別格差が認められる。過疎地住民の生活安定のため、適正料金の確保に努めるべきである。
一の6、東京大学附属病院精神神経科病棟の管理
運営については、なお解決を図るべき問題が残されている。政府は、これを含め国立大学の施設の管理に係る問題解決のため、さらに一層の
努力をすべきである。
一の7、大規模地震対策特別
措置法の施行に伴い、地震予知に力を注ぐとともに、警戒宣言発令前後及び災害時において統一した行政指導を行い得るよう、体制を
整備すべきである。
一の8、工業団地の造成、企業誘致等に関する各地域の開発計画の中には、経済
情勢の変動に伴い、当初の予定どおり進行していない例が多い。
長期的な視点を踏まえ、実態に即して、計画の見直しも検討すべきである。
一の9、動物保護のための収容施設は、全国的に
整備されるよう、鋭意
努力すべきである。
また、ニホンカモシカによる食害やペット猛獣による被害も跡を絶たない。早急に対策を講ずべきである。
二
昭和五十一
年度決算検査報告において、
会計検査院が指摘した
不当事項については、本院もこれを不当と認める。政府は、これらの指摘
事項について、それぞれ是正の
措置を講ずるとともに、行政管理庁の勧告等を尊重して制度、機構の
改正整備を図り、綱紀を粛正して、今後再びこのような
不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。
三
決算のうち、前記以外の
事項については
異議がない。
四
決算審査の重要性にかんがみ、
委員会における
審査又は調査のための必要不可欠な
報告又は記録の提出要求に対しては、政府は、議院における審議権及び国政調査権の適正な行使を妨げることのないよう最大限の協力をなすべきである。
政府は、今後予算の作成並びに執行に当たつては、本院の
決算審議の
経過と結果を十分に考慮して、財政
運営の健全化を図り、もって
国民の信託にこたえるべきである。
以上が議決案の
内容であります。
次いで、
決算外二件を一括して
討論に付しましたところ、
自由民主党は、
決算について議決案のとおり議決するに
賛成、
日本社会党、公明党・
国民会議及び
日本共産党・
革新共同は、議決案のうち、第一の警告
事項、第二の
会計検査院の指摘
事項及び第四の資料要求に関する
事項については同意できるが、第三の「
決算のうち、前記以外の
事項については
異議がない。」という
事項は容認できない等の理由で、議決案のとおり議決するに反対の
意見を表明されました。
次いで、
採決の結果、
決算は多数をもって議決案のとおり議決すべきものと決し、
国有財産関係二件はいずれも多数をもって是認すべきものと議決いたしました。
以上、御
報告申し上げます。(
拍手)
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