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小島委員 大臣は、特に学術の
振興と
教育、学術、文化の国際交流の推進について積極的な姿勢でがんばっていきたい、知的資源の積極的
開発が強く期待されていると、こういうような
所信をお述べになっておられます。全く賛成でございます。
そこで、これからの
日本の将来を
考えてみますと、やはり産業構造も非常に変わってくるだろう、ここに強調されるような知識集約型のものになっていくだろうということは自明の理であるわけでございます。あるいは発展途上国の追い上げ等の問題を
考えますと、
日本がこれから生きていくためにはどうしても科学技術の
振興を図っていかなければならないと思うのでございます。
その中で寒心にたえない問題がございます。それは、学術
振興を言っておりますが、非常に力を注いだと言っておりますけれども、まだまだ
わが国のそれに投資する予算というものは非常に少ないわけでございます。
その数字を私の資料について申し上げてみますと、これは科学技術白書の
昭和五十一年版からが出典でございますが、一九七六年、
日本は七千八百五十億円です。アメリカはこれに対しまして六兆三千百三十八億円です。ソ連は三兆四百二十三億円、西ドイツは一兆三千七百二十一億円、フランスは一兆一千四百三十三億円、イギリスは七千九百六十六億円という投資額でございます。研究者の数は、
日本は二十六万二百五十人、アメリカは五十三万三千余人、ソ連は九十四万、西ドイツは十二万、フランスは六万というふうな数字が出ておるわけでありますが、他の先進諸国と比べて投資額が非常に少ないということが言えますね。人数はなかなかいるのですけれども、一人頭にすればこれはまた少ないということにもなるわけです。
それから、これによって帰結するところでありますが、主要国におけるところの技術貿易額というものがあります。
日本は戦後なるほどこれだけの高度成長を遂げたかもしれませんが、特許等で実は技術を買って、その上で製品をつくって外国に輸出をしたということで、これからもうそんなに技術を簡単に譲ってくれなくなるという時代が必ず来るわけでして、いまごろからこれはもう十分学術研究をやっていかなければならぬわけでありますが、現状を見てみますと、一九七六年、
日本は技術輸入が一億七千三百万ドルです。ドル単位、ドル換算でありますが、一億七千三百万ドル、アメリカは四十二億八千五百万ドル、西ドイツが三億八百万ドル、フランスが十三億三千二百万ドル、イギリスが四億六千五百万ドルです。これに対しまして技術輸出の方は、
日本は八億四千六百万ドル、アメリカは四億三千二百万ドル、西ドイツが八億三千四百万ドル、フランスが十億三千五百万ドル、イギリスは四億一千三百万ドル、こういうことになっております。
これは翌年の数字も持っておりますけれども、時間がございませんからやめますが、実は、その
対比というものを見てみると、
日本は技術の輸出に対して技術の輸入が非常に多いということが言えるわけでありまして、実は、今後の
日本の産業構造の問題を
考えていきますと非常にこれは心配な数字になるわけであります。ですから、そういう
観点から、学術
振興費科学の
振興費、研究費、研究
開発というものはさらにさらにひとつ力点を注いでやっていってもらいたいと思うわけでございます。これも時間の
関係で要望にとどめておきます。
それから、最後にもう
一つ、実はこれは昨年私は取り上げまして質問いたしたところでございますが、英国人の教師を
わが国に招いて
中学校、
高等学校において教鞭をとらせようということですが、そのことは実は
わが国の英語の実用化というものを非常に促進するものであるというふうに私は信じておるわけでございます。そしてそれはそればかりではなくて、実は、それによって
日本が
世界に知られる、
世界に
日本を知ってもらうということになる。このことがいかに重要であるか、そうしなければ
日本は国際政局の中で孤立をしてしまうだろうという具体的な幾つかの動きがすでに出ているわけでありまして、このことは英語
教育という視点の中でも必要なことには違いございません。
しかし、今度は、英語
教育の
振興の中で、たくさんの人をアメリカやイギリスに派遣をしたり、あるいはまたLLを導入したりということで、非常に積極的な
施策が取り上げられて非常に結構だと思いますが、顧みて、この英国人教師の招聘の問題は、予算額的にもきわて小さいし、一体これで本当にやる気があるかどうかという気もするわけであります。
もちろん試行錯誤的な面もございましょうし、また、いきなり大量にやって質を落としてはならぬという問題もございましょうが、しかし、私どもがやはり先人は偉かったなあと思うのは、大正から
昭和の初めにかけまして、全国の主要な公立の旧制
中学校においては英国人の英語教師が一人ずつ配属されておったという事実があるわけであります。先人は非常に偉かったなあという感を深くするわけでありまして、いまごろこんなことをやり出して一体何だろうかとすら私は思うわけであります。今日の国際化社会の中で、こういう
施策があるならば私どもはもっと積極的に取り組んでいくべきだろうと思うわけでございますが、余りに額が少ない。
これに対して将来もっと思い切った
施策をやっていってもらいたいと思うのですけれども、特に最後に
大臣からひとつお
考えを承りたいと存じます。