○
小野説明員 お
手元にございます
資料に基づきまして御
説明申し上げたいと存じます。
まず、「
諮問」でございますが、「
昭和五十四
年産米穀の
政府買入
価格について、
米穀の
需給の
均衡を図ろための
対策が行われている
需給事情に即応して、
生産費及び
所得を考慮し、新たに
品質格差を設けて決定することにつき、
米価審議会の意見を求める。」というものでございます。
その「
諮問についての
説明」がございますが、朗読させていただきます。「
米穀の
政府買入
価格は、
食糧管理法第三条第二項の規定により、
生産費及び
物価その他の
経済事情を参酌し、
米穀の再
生産の確保を図ることを旨として定めることになっており、その
算定については、
昭和三十五年以降
生産費及び
所得補償方式により行ってきたところであります。
米穀の
政府買入
価格は、
昭和五十三
年産米穀につきましては、最近における
米穀の
需給事情を考慮して、その
水準を据え置いたところであります。しかしながら、それまでの間における
米価水準の
相当の
上昇により、
稲作の
収益性の
相対的有利性はなお変らず、他の諸要因とも相まって、
稲作志向には根強いものがあり、他方、米の
需要は、その
減退傾向が引き続いております。このため、昨年度から
米需給均衡化対策が実施されておりますものの、昨年は天候にも恵まれ、
生産が計画を大幅に上回ったこともあり、米の過剰はなお一層深刻なものとなってきており、
米需給の不
均衡を早急に是正することが当面の
農政における緊要の課題となっております。
また、近年における
消費者の
需要は、
良質米への選好を強めながら多様化する
傾向にありますが、このような
事情に即応して、
米穀の
政府買入
価格についても、
品質に応じて
格差を設け、
需要動向に対応しうる
生産・
流通へ誘導していくことに配慮する必要があります。
本
年産米穀の
政府買入
価格につきましては、以上申し述べました現下の米の
需給事情に即応し、
生産費及び
所得補償方式により
算定し、新たに
品質格差を設けて決定することとしてはどうかということであります。」
以上が
諮問についての
説明でございます。
次に、
価格それ自体の
試算でございます。「
昭和五十四
年産米穀の
政府買入
価格の
試算」につきまして御
説明申し上げます。
最初の
算式でございますが、この
算式の
分数がございます。この
分数の
分子の方は、十アール
当たりの
評価替え生産費でございます。
分母は
反収でございます。そして、それぞれ
価格決定年の前三年、ことしの場合で申し上げますと、
昭和五十一年、
昭和五十二年、
昭和五十三年、それの
平均ということになります。つまり、十アール
当たりの
評価替え生産費を
収量で割るわけでございますので、それに六十を掛けますと、六十キログラム
当たりの
評価替え生産費として求める
価格が得られるわけでございます。
その下のところは例年と同じでございますので省略いたしまして、具体的な
数字につきまして申し上げたいと思います。
二ページでございます。まず、「求める
価格」というふうに書いてございますが、この
分数の
分子にございます十四万五千百四十九円、これが先ほど申し上げました十アール
当たりの
評価替え生産費の過去三年の
平均でございます。それから、
分母の五百十八キロ、これが三カ年の
平均の
反収でございます。これに六十キロ掛けまして一万六千八百十三円、これが米全体の
農家庭先の
裸価格ということになります。前年を御参考に申し上げますと、この
価格が一万六千百二十二円ということになっております。
次に、「
基準価格」でございますが、これはいわば
政府が買い入れる場所に
農家が持ってくるまでの
運搬費を加えたものでございます。これが一万七千五円ということになります。昨年は一万七千十九円ということにいたしております。これは、昨年は実は
一定の
方式で、
必要量生産費方式で
計算いたしますと、これより低い
数字が出まして、七百十一円という
補整額を加えまして一万七千十九円ということにいたしたわけでございますが、一万七千十九円というのは一昨年の
基準価格でございますが、その
水準並みとしたということでございますが、ことしは昨年と同様の
方式で
計算いたしますと一万七千五円ということになるわけでございます。本年については、この
段階では
補整はいたしておりません。次の
段階で
補整いたしておるわけでございます。
次が、「うるち
軟質三
類一等裸価格」でございます。これは、ここで耳新しい三類という
言葉が出てまいりますが、これは、後ほど
説明いたします
品質格差を
加算、減算する
中心となる、われわれ、へそと申しておるものでございますが、その
価格でございます。これを出すわけでございますが、
基準価格に一〜三等の一〜五
類平均、これは全部の
平均でございますが、それと三類との
格差二十円、これを引きます。それから一〜三等と
一等との
格差、これを足します。そして
歩どまり加算、これはいわゆる
硬質米の四十円の
歩どまり加算でございますが、これの
平均と
軟質三
類一等との差が十九円でございますので、これを引きます。そして、
最後に三十四円という
補整額を加えて、一万七千百七十六円という
数字を出しておるわけでございます。
これはどういう
意味かと申しますと、御
説明は前後するかと思いますが、右の方の
一覧表をごらんいただきたいと思います。五十三
年産米の欄がございますが、
一等は一万七千百七十六円、それから二等、三等とございます。これは去年の
米価でございますが、これをことしは、五十四
年産米のところの三類、まあ
中心となるものでございますが、これを一万七千百七十六円とする、つまり、これが五十三
年産米と
同額になるようにする、こういう
趣旨でございます。そういうことで、これはもし普通に
計算いたしますと、三十四円低く出ますので、これはやはり
農家の
手取りのことを
考えまして、そこまで引き上げて調整すろ、こういうことでございます。そういう
意味で、この三十四円の
補整をいたしておるわけでございます。
それから、四が「うるち一〜五類、一〜二等
平均、」云々と書いてございますが、これがいわゆる
基本米価でございます。普通の
農家が普通の米をつくる、その米の
米価、こういうことでございますが、一万七千二百七十九円でございます。これは前年が一万七千二百五十一円でございます。二十八円の
アップ、〇・二%に
相当いたしますが、そういうことになっております。
以上が結果の
数字でございます。
次に、四ページ以降、
算定要領が書いてございますので、若干御
説明いたしますが、この
算定要領は、従来の、昨年の場合と同様の
算定要領でございます。
最初に十アール
当たり平均生産費の
算定をいたすわけでございますが、先ほど申し上げましたように、過去三カ年の
年産の十アール
当たり平均生産費につきまして、
一定の
評価替えをいたしまして、これを
平均するわけでございますが、この場合、
米販売農家につきまして、
米生産費調査の各
年産の米の
販売農家を六十キログラム
当たり生産費の
高低順に並べまして、
生産費の低いものからの
累積販売量が、各
年産につきまして、五十一
年産については九七%、五十二
年産については八九%、五十三
年産にあっては九四%、これがいわゆる
必要量比率、こういうことでございますが、昨年の場合と同じ
考え方で
必要量比率をはじいているということでございます。昨年は若干
激変緩和ということで切り上げしたわけでございますが、ことしはその出た
数字をそのまま使っている、こういうことでございます。
あと、
家族労働費につきましては、従来と同様の
考え方でございます。ここに
男女込みで千三十三円十二銭とございますが、これが前年は九百八十一円五十三銭、五・三%の
アップ、それから男子の場合は、昨年が千百八十八円三十六銭、五二%
アップ、こういうことになっております。
ア以下は、さらにそれをはじきまして、その内訳でございまして、従来と同様に五人以上千人未満の
賃金をとる、あるいは
現物給与相当額を加える、
通勤手当相当額を控除するというふうにそれぞれ
方式は去年と同じでございます。
それから、その次のページに参りまして、
物財・
雇用労働費でございますが、これも従来の
物価修正と同じ
方式でございます。
それから
副産物価額につきましても同様の方法でございます。
それから
資本利子でございますが、これは去年よりも
金利が最近上がっておりまして、昨年よりも〇・七五%上がっておりますので、最近の
金利を採用いたしております。
それから(5)の
物件税、公課諸負担も従来と同様の
方式でございます。
地代につきましても昨年と同様の
方式でございます。
それから九ページに参りまして、各
年産の
平均収量を出しております。
それから
運搬費でございます。
そういうことで、
最初に申し上げました
数字がはじかれておるということでございます。
その
算出基礎につきましてさらに総括したものが十ページにございます。
以上、簡単でございますが、
算定の御
説明をいたしたわけでございます。
最後に、
品質格差についてでございますが、お
手元に五十四
年産米穀の
政府買い入れ価格の
試算における
品質格差がございます。
一ページにありますのは、これは総括的なものでございまして、
銘柄区分につきましては、
一類から五類に
区分する。そしてその
格差につきましては、
一類は、従来の
指定銘柄の
奨励金との
連続性も
考えまして四百円
プラス。二類は、
特例銘柄との
連続性も
考えまして二百五十円。四類は、従来の
売り渡し価格との
関係を
考えまして二百円
マイナス。五類は同様に六百円の
マイナス。こういうことで
品質格差を設けたいということでございます。
それから、二ページ以下に
指定基準を掲げてございますが、
一類から五類まで掲げてございますが、
一類について申し上げますと、五つの
要件がございます。これのすべてを満たす一、二等の
産地品種ということで、過去三カ
年産の
自主流通価格と
限界価格水準——限界価格水準と非常にむずかしい
言葉を使っておりますが、注にございますが、
自主流通の
生産者手取り額が
政府買い入れ価格と
同額となるような
自主流通の
価格水準、つまり
農家段階で見た場合に、
政府米として売るよりも
自主流通米の方が
メリットがございますので、その
メリットの額をはじく場合の
政府米水準ということでございます。この
メリットが三百円以上ある、こういう
要件。それから、
一類の(2)でございますが、
自主流通の全体の出回り
数量に対する
比率が三〇%以上4それから、
自主流通の
数量の
平均が
数量として三千トン以上。それから、県の
奨励品種である、あるいは
品種の鑑定が可能である、こういうようなことでございます。
それから二類でございますが、これは
一類に準じておりますが、先ほど申し上げました
自主流通価格のいわば
メリットと申しますか、これが百円以上あるということがまず第一でございます。それから
自主流通比率が一〇%以上、
自主流通数量が千トン以上、それから(4)といたしまして、
一類の(4)、(5)の
要件を満たしているということでございます。
三類は、一、二、四、五以外のものということでございます。
四類でございますが、これは、一、二類に該当するものは別でございますが、該当しない米の中で、いわゆる
減額1という
区分に
相当する青森県のここに書いてあります
市町村以外のもの、こういうものと、それから、いわゆる
西南暖地早期栽培米を四類といたすわけでございます。ただし、米の
流通実態等から見て四類よりはむしろ三類に格づけしても適当ではないかというケースも個別的にあり得るかと思いますので、それはただし書きで四類から三類に上がる道も開いておるわけでございます。それから(2)でございますが、これは話は前後しますが、五類から四類へ上がり得る道も開いている、こういう
趣旨のものでございます。
それから五類でございますが、これは、一、二類、四類に該当しない
米穀であって北海道全
市町村で
生産されたもの、いわゆる
上位ランクに格づけされるもの以外の一般的ないわゆる
減額でございます。ただし、
農林水産大臣が、米の
流通実態等から見て五類とすることが適当でない、さらに格上げすべきだというものがもしあれば、そういうものは指定する道も開いておきたい、こういうことでございます。
そのほか、
関係資料もお配りしているかと思いますが、
説明は省略させていただきます。
以上をもちまして、
諮問と
算定等につきまして御
説明申し上げた次第でございます。
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