○
馬場(昇)
委員 農協栄えて
農民滅ぶという
言葉を
農林大臣が知らないということは、私は、
批判というものを謙虚に受けとめるというような、その上に立って反省をしていろいろな
農林行政をする、そういうような本当に謙虚な
農林行政をやる姿勢というものを残念ながらお持ちでないというような気がいたします。それからまた、いまの
お話を聞いておりましても、
農協にいろいろ
批判があるし問題があるのですけれ
ども、
大臣はそれをえぐって、そして
農協をよく
指導しようということでなしに、余り問題を考えておられないというような気がしてなりません。いまの答弁非常に残念でございます。
そこで、具体的にこれは
全中の方にもお尋ねしたいのですけれ
ども、
大臣、たとえば
飼料なら
飼料を
系統から買う場合、私が知っておる多くの例で、代金の支払いとか
手数料とかの意味も含めまして、普通の商店から買った方が安いというのがたくさんあります。そういう例もあって、そういう点にもいろいろな問題も実は起きておるわけです。また、あるとき、私の知っている
農民が畜舎を建てたんです。
経済連がこの
指定業者を使えと持ってきたわけです。そしてその人が見積もったのを見たら五百万くらいだった。ところが、その見積もりと同じものを別の
業者に見積もらせましたら三百万足らずなんです。やはり
制度資金なんか借りてつくるものですから、
経済連がこの
指定店を使いなさいということでもそんな差があるという事実も私は実は
幾つも知っておるのです。それから、たとえば
農協のスーパーの問題にしたって、実はいろいろ問題を起こしておるのを
大臣も
御存じだと思うわけです。それから、たとえば国が出しますいろいろの
補助金とかなんとかを、一般の
市中銀行からでも
知事が指定しますと借りられるというようなものもあるわけですけれ
ども、結局、
農協系統が圧力をかけて、そういうところに
知事は指定するな、そういうような行いも行われておる。
時間がありませんから、言えば限りないわけですけれ
ども、そういうことなんかいっぱいあるんですね。そういうのをはだで感じながら、
農協栄えて
農民滅ぶというのを
農民みずからも言うし、あるいは外で見ているそういうことを知っている
人たちも言うという事実は、
大臣、謙虚に知っていただいて、反省しながら
指導していただきたいということをお願いしておきたいと思うのです。
そこでもう
一つ、ではこういう
言葉があるのはこれまた
大臣御存じないかもしれませんが、
全中にも聞きたいのですけれ
ども、
農協がこのごろ
農林省の、
政府の
下請機関みたいになっちまっておる。さらに悪口を言う人は、これもお聞きになっておるかおらないかもしれませんけれ
ども、悪
代官所みたいだと言う人もおるのです。結局、
農林省等の
下請機関になっているというような、上を向いて上からの伝達をして、下の
農民の
意向を積み上げる、そういうのじゃないようなかっこうになっているんじゃないか、こういう
批判もあります。たとえば減反の問題につきましても、これを押しつけてはいないと言うけれ
ども、やはり受ける側からとると、たとえば
生産調整は押しつけだ、こうとれるわけです。また、たとえば、さっきこれは
大臣も言われましたけれ
ども、
資金を貸し付ける場合非常に官僚的だ、こういうような問題がございまして、苦情を言っていったら、やはり官僚的に村八分、
農協八分ですか、そういうことをされたという例もあるわけです。また、たとえば、私の地元でイグサを
農協に出荷しなかった、そうしたら
農協の
組合員を除名したのです。これは公取委なんかで問題になりまして取り消されましたけれ
ども、そういうことだって実はあるのです。
そういうことを考えて、先ほど申し上げました例、そしていま
一つつけ加えました
農林省の
下請機関的になって官僚的になっておるんじゃなかろうか、こういう点について、そういう
実情をいろいろ
御存じであるかどうか、こういう点にどういう御
指導をなさっておるかどうかということを、まず
全中の方にお尋ねしたいと思います。